JP5344119B2 - 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 - Google Patents

表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Download PDF

Info

Publication number
JP5344119B2
JP5344119B2 JP2008094069A JP2008094069A JP5344119B2 JP 5344119 B2 JP5344119 B2 JP 5344119B2 JP 2008094069 A JP2008094069 A JP 2008094069A JP 2008094069 A JP2008094069 A JP 2008094069A JP 5344119 B2 JP5344119 B2 JP 5344119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic particle
particle powder
based magnetic
treated
bonded magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008094069A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009246294A (ja
Inventor
都美 重岡
実 山崎
昌章 前川
信宏 片山
勉 片元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2008094069A priority Critical patent/JP5344119B2/ja
Publication of JP2009246294A publication Critical patent/JP2009246294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5344119B2 publication Critical patent/JP5344119B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、防錆性に優れるとともに、流動性の良いボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石を提供する。
ボンド磁石は、その形状自在性や高寸法精度などの利点があるため、従来から電気製品や自動車部品等の各種用途に広く使用されているが、近年、電気製品や自動車部品の小型・軽量化に伴って、これに使用されるボンド磁石自体の高性能化及び苛酷な環境にも耐えうる高い耐食性が強く要求されている。
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチック材料等の結合剤樹脂と磁性粉末とを混練した後、成形することによって製造されているため、ボンド磁石の高性能化のためには磁性粉末の高性能化、即ち大きな残留磁束密度Bと高い保磁力とを有し、その結果、最大磁気エネルギー積(BH)maxが大きな磁性粉末が強く要求されている。
磁性粉末としては、バリウムフェライトやストロンチウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトやSm−Fe−N系磁性粒子粉末及び希土類−鉄−ホウ素系磁石が知られている。特に、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は、飽和磁化値と異方性磁界がともに高く、さらに、高いキュリー温度を有することから、近年特に注目されている。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末はサマリウムと鉄との合金を窒化反応して得ることができるが、永久磁石に用いるためには適度な大きさする必要がある。そのために必要最小限の粉砕を施す必要がある。しかしながら、粉砕工程を経て活性な表面が露出することとなり、その表面に起因して酸化が進み、ボンド磁石になるまでの乾燥、混練、成形などの工程において、磁気特性が劣化する。よって、高性能なボンド磁石を得るために、各工程での耐久性に優れたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることが強く要求されている。
即ち、乾燥、表面処理、混練、成形という各工程で受ける、酸化性もしくは還元性雰囲気と熱による磁気特性の劣化が少ないSm−Fe−N系磁性粒子粉末が強く要求されている。
また、ボンド磁石の実用特性の重要な点である成形性は、高温高圧下における樹脂との混合状態での流動性に左右されることから、樹脂との成型時における耐化学反応性を有する磁性粉末であることが重要である。
従来、リン酸系化合物で被膜することでSm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐酸化性を向上させる表面処理方法も知られている(特許文献1、2)。また、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐酸化性を向上させる表面処理方法として、シリカ皮膜を形成することが知られている(特許文献3〜5)。また、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して、リン酸系化合物で被膜した後、シリカ皮膜を形成することが知られている(特許文献6、7)
特開平10−172820号公報 特開2000−260616号公報 特開2000−160205号公報 特開2000−309802号公報 特開2005−286315号公報 特開2002−8911号公報 特開2002−43109号公報
前出特許文献1及び2には、リン酸化合物を被膜させることによって磁粉製造中もしくはボンド磁石製造過程の樹脂と磁粉の混練・射出成形過程での磁気特性の低下を抑制できるとしているが、より過酷な条件下、例えばNaCl濃度5%の塩水中に浸漬させるなどの過酷な状況下では、錆が発生して磁気特性が劣化する。
前出特許文献3〜5には、アルキルシリケートを塩基性触媒下又は水分の存在下で加水分解して、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒子表面をシリカで被覆することが記載されているが、高湿度状況下での保磁力の低下は防止できるものの、より過酷な条件下、例えば、NaCl濃度5%の塩水中に浸漬させるなどの過酷な状況下では錆が発生し、磁気特性が劣化する。
前出特許文献6及び7であっても、リン酸で被覆した後、アルキルシリケートを塩基性触媒下又は水分の存在下で加水分解して、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒子表面をシリカで被覆するものであり、より過酷な条件下、例えば、NaCl濃度5%の塩水中に浸漬させるなどの過酷な状況下では錆が発生し、磁気特性が劣化する。
例えば、モーター内でSm−Fe−N系磁性粒子粉末を用いた磁石を使用している際に錆が発生すると、磁気特性が劣化して性能が低下したり、モーターロックを引き起こして熱損する可能性がある。
そこで、本発明は、より防錆性に優れたボンド磁石用のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
本発明者等は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒子表面に、Feの溶出を抑制する作用のある被覆物を従来の方法よりも、より緻密で膜厚に被膜することで防錆性が向上できると考え、種々の被膜材料について鋭意検討したところ、リン化合物で被覆するとともに、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを一定の条件で処理することで得られるシリカを主成分としたケイ素化合物が最も効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、粒子表面がリン化合物で被覆され、該リン化合物被覆の表面がケイ素化合物で被覆されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末であって、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末のFeの溶出量が10mg/L以下であることを特徴とする表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、前記リン化合物は、リン酸系化合物のオルトリン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸、メタリン酸のいずれかを選択して処理することにより被覆されている前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、前記ケイ素化合物は、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー及びシランカップリング剤から生成した化合物である本発明1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、リン化合物の含有量が、0.1〜0.5重量%である本発明1乃至3のいずれかに記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明4)。
また、本発明は、Si含有量が0.15〜0.8重量%である本発明1乃至4のいずれかに記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明5)。
また、本発明は、炭素含有量が0.01〜0.5重量%である本発明1乃至5のいずれかに記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明6)。
また、本発明は、本発明1乃至6のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物である(本発明7)。
また、本発明は、本発明1乃至6のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石である(本発明6)。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒子表面に、リン化合物を被覆し、次いで、ケイ素化合物を被覆したことで、ボンド磁石での防錆性を高めることができる。この際、処理条件を変化させることで磁粉に付着するシリカを主成分としたケイ素化合物の厚み及び付着状態を制御することができる。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、防錆性が高まったことで、従来使用することができなかったような過酷な環境においても、錆を発生することなく使用することができる。また、樹脂混練物としたときに高い流動性を有するので、微小で複雑な形状のボンド磁石の成形に有利である。
前出特許文献3(特開2000−160205号公報)の実施例に記載されたエチルシリケートによる表面処理の工程では(1)水添加、(2)撹拌、(3)予備乾燥、(4)エチルシリケート添加、(5)撹拌、(6)水添加、(7)加熱処理という、7つの工程が必要である。前出特許文献4(特開2000−309802号公報)の実施例に記載されたエチルシリケートによる表面処理の工程では(1)エチルシリケート添加、(2)撹拌、(3)塩基性触媒添加、(4)撹拌、(5)加熱処理の5つの工程が必要となる。本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法は(1)分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーの添加、(2)撹拌、(3)加熱処理の3つで良いために工程が簡略化できる。
また、特許文献3及び4では、加熱処理条件が230℃減圧下であるのに対し、本発明では加熱処理条件が120℃大気圧下での処理が最も効果が得られるので、特殊な容器や加湿用蒸気などの設備が不要で、設備化の際のコストが安価ですむ。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒子表面がリン化合物で被覆され、その上層にケイ素化合物によって被覆されている。
本発明におけるケイ素化合物としては、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーとシランカップリング剤を一定の条件下で加水分解させて得られるシリカを主成分としたケイ素化合物である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末はFeの溶出量が10mg/L以下である。Feの溶出量が10mg/Lを超える場合には、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーと、シランカップリング剤によって処理して得られるシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が不十分か、均一に付着していない可能性があり、そこからFeが溶出する。好ましくは5.0mg/L以下、より好ましくは2.5mg/L以下である。下限値は0.1mg/L程度である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のSi含有量は、0.15〜0.80重量%が好ましい。Si付着量が0.15重量%未満の場合には、粒子表面に付着しているシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が十分に得られておらず、Feが溶出して錆が発生しやすくなる。逆に、0.80重量%を超えるものであれば、重量あたりの非磁性成分が増加することなり、磁気特性が低下するため好ましくない。より好ましくは0.30〜0.70重量%、更により好ましくは0.40〜0.60重量%である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の全炭素量は、0.01〜0.50wt%が好ましい。0.01wt%未満の場合には、シランカップリング剤による処理によって粒子表面に存在しなければならない有機官能基が極端に低減し、樹脂とのなじみが悪くなり、混練・射出成形時の流動性が低下する。また、樹脂との密着性が低いことから、樹脂に覆われていない部分が存在し、そこから錆が発生する。より好ましくは0.12〜0.30重量%である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の吸油量は、12.5ml/100g以下が好ましい。吸油量が12.5ml/100gを超える場合には、樹脂とのなじみが悪くなり、混練・射出成形時の流動性が低下する。また、樹脂との密着性が低いことから、樹脂に覆われていない部分が存在し、そこから錆が発生する。より好ましくは12.0ml/100g以下であり、更により好ましくは7.0〜10.0ml/100gである。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の圧縮密度(CD)は、4.1g/cc以上が好ましい。圧縮密度(CD)が前記範囲未満の場合には、射出成形時の体積あたりの密度が低くなり、磁気特性が低下する。上限は4.5g/cc程度である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積は、0.35〜2.6m/gが好ましい。BET比表面積が前記範囲外の場合には、適切な粉砕が行われておらず、高い磁気特性を得ることができない。より好ましくは0.35〜2.0m/gである。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積の変化率は、シランカップリング剤処理前後で−10〜−60%が好ましい。BET比表面積の変化率が−10%未満の場合には、付着しているシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が薄すぎるか均一ではなくムラがありFeが溶出しやすい。逆に−60%を越える場合、付着しているシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が厚すぎて所望の磁気特性を得ることができない。より好ましくは−25〜−50%である。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の平均粒径は1〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜4μmである。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、ThZn17型構造を有することが好ましい。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は(粉末を磁場中配向させて測定したところ)、保磁力が398.1〜2387.3kA/m(5000〜30000Oe)であり、残留磁束密度が1000〜1400mT(10〜14kG)であり、最大磁気エネルギー積が158.8〜358.1kJ/m(20〜45MGOe)である。
次に、本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、リン化合物で被覆した後、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを添加し室温で予備混合し、その後、加熱処理を行い、次いで、シランカップリング剤による被覆処理を行って得ることができる。
本発明において、表面処理に用いるSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、吸油量が10.5〜14.0ml/100g、圧縮密度(CD)が4.1g/cc以上、BET比表面積が0.35〜3.0m/g、Fe溶出量は30〜80mg/Lである。
なお、本発明においては、表面処理の対象となるSm−Fe−N系磁性粒子粉末が、粒子の表面近傍のSm/Fe原子比が粒子の中心部分のSm/Fe原子比に対してやや高いものであることが好ましい。粒子中心部分のSm/Fe原子比はほぼSmFe17の組成であるから、粒子の表面近傍ではSmFe17組成に対してややSm−リッチの組成となる。
まず、リン化合物による被覆処理について述べる。
リン化合物としてオルトリン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸、メタリン酸などがあるが、オルトリン酸が好ましい。添加する際は磁粉に均一に被膜させるためにIPAと混合させて添加させる方が好ましい。
本発明に用いるリン化合物の添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.3〜1.5wt%が好ましい。添加量が0.3wt%未満の場合には、リン化合物による表面処理後に得られるシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が薄くなり、この後、行うシランカップリング剤による処理をしても、ケイ素化合物による十分な膜厚が得られないため、Feが溶出しやすい。その為、錆が発生しやすくなる。逆に1.5wt%を超える場合は、付着しているリン化合物の膜厚が厚くなりすぎ、重量あたりの非磁性成分が増加することとなり、磁気特性が低下するため好ましくない。より好ましいリン化合物の添加量は0.31〜1.2wt%である。
本発明において、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の解砕後もしくは粉砕後に濾過して含水ケーキとしたものを真空排気可能な攪拌機に仕込み、オルトリン酸などのリン化合物とIPAの混合液を投入する。
真空排気可能な攪拌機での加熱処理時の温度は、50〜80℃が好ましい。加熱処理温度が50℃未満の場合には反応が遅い為、リン化合物生成に時間がかかり意味がない。逆に80℃を超える場合には、被膜生成反応の進行が早すぎて粒子表面に均一に被膜が形成されない。より好ましくは60〜70℃である。
加熱処理時の時間は1〜3時間が好ましい。加熱処理時の時間が1時間未満の場合にはリン化合物が完全に生成されていない。また、乾燥も不十分である。3時間以上の場合、リン化合物の生成反応及び乾燥は完了しており意味がない。
本発明において加熱処理時の雰囲気は、不活性ガス雰囲気中で、圧力は減圧下もしくは大気圧のどちらでも構わない。不活性雰囲気以外で処理を行った場合、磁粉が酸化する為に磁気特性が低下する。
次に、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーによる被覆処理について述べる。
本発明には、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを使用する。具体的には、アルコキシ基にはエトキシ、メトキシがあり、エトキシがより好ましい。添加する際のアルコキシオリゴマーは、アルコキシオリゴマーのみが好ましいが、IPAなどで希釈したものを用いてもかまわない。
本発明に用いる分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーの添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.8〜5.0wt%が好ましい。添加量が0.8wt%未満の場合には、表面処理後に得られるシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が薄く、この後、行うシランカップリング剤による処理をしても、十分な膜厚が得られないため、Feが溶出しやすい。その為、錆が発生しやすくなる。逆に、5.0wt%を超える場合は、付着しているシリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が厚すぎ、重量あたりの非磁性成分が増加することとなり、磁気特性が低下するため好ましくない。より好ましくは0.8〜2.0wt%、さらにより好ましくは0.8〜1.2wt%である。
本発明において、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを添加した後の予備混合は10〜30分が好ましい。
予備混合時の雰囲気は、不活性ガス雰囲気が好ましいが、空気中でも構わない。予備混合時には、加熱する必要はない。高温下で予備混合すると分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーがSm−Fe−N系磁性粒子粉末に十分に拡散する前に加水分解が進み、その結果、均一なシリカを主成分としたケイ素化合物処理が得られなくなる可能性がある。
加熱処理時の温度は、60〜200℃が好ましい。加熱処理温度が60℃未満の場合には加水分解反応が起きにくいため、シリカを主成分としたケイ素化合物が付着しない。逆に200℃を超える場合には、加水分解反応の進行が早すぎて粒子表面に均一にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着せずムラができる。より好ましくは90〜190℃である。
加熱処理時の時間は1〜3時間が好ましい。加熱処理時の時間が1時間未満の場合には加水分解・脱水縮合反応が不十分で、シリカを主成分としたケイ素化合物が十分に付着しない。また、3時間以上の場合、加水分解・脱水縮合反応は既に完了しており意味がない。
本発明において、加熱処理時の雰囲気は、不活性ガス雰囲気中が好ましいが80℃以下であれば大気中でも構わない。なお、圧力は、減圧下もしくは大気圧のどちらでも構わない。
本発明における分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーによる表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のFe溶出量は、20mg/L以下が好ましい。Fe溶出量が前記範囲外の場合には、本処理後にシランカップリング剤による処理を行ってもFe溶出量が抑制できず、目的の効果が十分得られない。好ましくは10mg/L以下である。
本発明における分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末のSi含有量は0.10〜0.6重量%が好ましい。Si付着量が0.10重量%未満の場合には、シリカを主成分としたケイ素化合物の膜厚が薄いためFeが溶出して錆が発生しやすくなる。逆に、0.6重量%を超える場合は、この後に行うシランカップリング剤処理後のシリカを主成分としたケイ素化合物との合計量が多くなり、重量あたりの非磁性成分が増加することなり、磁気特性が低下するため好ましくない。より好ましくは0.15〜0.45重量%である。
本発明における分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の吸油量は、9.5〜12.5ml/100gが好ましい。本発明における分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の吸油量が9.5ml/100g未満の場合には、シリカを主成分としたケイ素化合物を付着させることによる粒子表面の改質が十分に行われていないために、シランカップリング剤による処理を行っても粒子表面はFeが溶出しやすい。一方、12.5ml/100gを超える場合は、この後シランカップリング剤による処理を行っても樹脂とのなじみが悪く、密着性の低い部分から錆が発生する。より好ましくは9.5〜12.0ml/100gである。
本発明におけるアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の圧縮密度(CD)は4.0g/cc以上が好ましい。圧縮密度(CD)が前記範囲未満の場合には、射出成形時の体積あたりの密度が低くなり、磁気特性が低下する。より好ましくは4.05〜4.6g/ccである。
本発明におけるアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積は、0.5〜2.5m/gが好ましい。BET比表面積が前記範囲外の場合には、適切な粉砕が行われておらず、高い磁気特性を得ることができない。より好ましくは0.6〜2.0m/gである。
次に、シランカップリング剤による被覆処理について述べる。
本発明においては、前記エチルシリケートによる表面処理を行った後、更に、シランカップリグ剤による表面処理を行う。
本発明で用いるシランカップリグ剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシsリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシメチルシロキサン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、t−ブチルカルバメートトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のシランカップリング剤等を用いることができる。
シランカップリグ剤は、水、イソプロピルアルコール(IPA)等で希釈したものを用いてもよい。
シランカップリング剤による表面処理は、常法によって行えばよく、本発明では、混合・攪拌と同時に加熱しておくことが好ましい。
加熱処理時の雰囲気は不活性ガス中が好ましく、加熱処理温度は85〜150℃が好ましい。加熱処理温度が85℃未満の場合には、シランカップリング剤を希釈した際に用いたIPAが揮発せずに粒子表面に残っているため、樹脂と混練する際になじみが悪くなる。逆に150℃以上では、シランカップリング剤の反応が完了し、シリカを主成分としたケイ素化合物は十分付着しているので意味がない。また、有機官能基が熱による劣化を起こし、樹脂とのなじみが悪くなり、ボンド磁石にした際の強度が低下する。
次に、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物について述べる。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散してなるものであって、当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を85〜99重量%含有し、残部が結合剤樹脂とその他添加剤とからなる。
前記結合剤樹脂としては、成形法によって種々選択することができ、射出成形、押し出し成形及びカレンダー成形の場合には熱可塑性樹脂が使用でき、圧縮成形の場合には、熱硬化性樹脂が使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン(PA)系、ポリプロピレン(PP)系、エチレンビニルアセテート(EVA)系、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系、液晶樹脂(LCP)系、エラストマー系、ゴム系等の樹脂が使用でき、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、フェノール系等の樹脂を使用することができる。
なお、ボンド磁石用樹脂組成物を製造するに際して、流動性、成形性を改善し、Sm−Fe−N系磁性粉末の磁気特性を十分に引き出すために、必要により、結合剤樹脂の他に可塑剤、滑剤、カップリング剤など周知の添加物を使用してもよい。また、フェライト磁石粉末などの他種の磁石粉末を混合することもできる。
これらの添加物は、目的に応じて適切なものを選択すればよく、可塑剤としては、それぞれの使用樹脂に応じた市販品を使用することができ、その合計量は使用する結合剤樹脂に対して0.01〜5.0重量%程度が使用できる。
前記滑剤としては、ステアリン酸とその誘導体、無機滑剤、オイル系等が使用でき、ボンド磁石全体に対して0.01〜1.0重量%程度が使用できる。
前記カップリング剤としては、使用樹脂とフィラーに応じた市販品が使用でき、使用する結合剤樹脂に対して0.01〜3.0重量%程度が使用できる。
他の磁性粉末としては、フェライト磁石粉末、アルニコ系磁石粉末、希土類系磁石粉末などが使用できる。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、後述する評価法において、150〜1000g/10min程度が望ましい。150g/10min未満の場合には、射出成型の成形性と生産性が著しく低下する。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂と混合、混練してボンド磁石用樹脂組成物を得る。
前記混合は、ヘンシェルミキサー、V字ミキサー、ナウター等の混合機などで行うことができ、混練は一軸混練機、二軸混練機、臼型混練機、押し出し混練機などで行うことができる。
次に、本発明に係るボンド磁石について述べる。
ボンド磁石の磁気特性は目的とする用途に応じて種々変化させることができるが、残留磁束密度は350〜850mT(3.5〜9.0kG)であり、保磁力は238.7〜1428.5kA/m(3000〜18000Oe)であり、最大エネルギー積は23.9〜198.9kJ/m(3〜25MGOe)であることが好ましい。
ボンド磁石の成形密度は4.5〜5.5g/cmであることが好ましい。
本発明におけるボンド磁石は、前記ボンド磁石用樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、圧縮成形又はカレンダー成形等の周知の成形法で成形加工した後、常法に従って電磁石着磁やパルス着磁することにより、ボンド磁石とすることができる。
<作用>
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、Feの溶出量が低減されたものである。
本発明において、水や触媒を添加することなく分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーが加水分解できる理由は明確でないが、本発明に用いるSm−Fe−N系磁性粒子粉末は粉体表面がアルカリ性であるために、これが触媒として作用し、粒子表面に吸着・存在している微量な水分と加水分解反応を起こしているため、新たに水を添加することなく反応が促進しているのではないかと推測している。
本発明においては、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒子表面が、リン化合物で被覆され、該リン化合物被覆の表面がケイ素化合物で被覆されているので、当該磁性粒子粉末を用いた樹脂組成物は、高い流動性を有するとともに、ボンド磁石に成形しても、優れた防錆性を有するものである。
次に、実施例、比較例を用いて本発明についてさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の平均粒径はHELOSにて測定した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の比表面積測定はBET法で求めた。
Si含有量はX−F(蛍光X線分析)による組成分析を行って算出した。
吸油量は、JIS K 5101に基づいて測定した。
圧縮密度は、試料を1t/cmの圧力で圧縮したときの密度を測定した。
炭素量は(株)堀場製作所の炭素硫黄測定装置、EMIA−820Wを用いて測定した。
鉄の溶出量は、カテコールを0.05g溶解させた純水50ml中に、試料1.0gを浸漬させ、室温30℃の温度下で24h放置した後のろ液について、ICP発光分析装置を用いて測定した。カテコールは試料から溶出したFeを錯体化して安定化させて、試料から溶出してきたFeを正確に測定できるようになる。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は、アクリル製のカプセル中に蝋と磁性粒子粉末を入れて、配向磁場を印加しながら、加熱冷却し、磁粉を配向した上で、試料振動型磁力計VSM(東英工業株式会社製)で測定した値で示した。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末91.64重量部と12ナイロン樹脂7.3重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、得られた組成物をセミメルトインデクサ(型式2A、東洋精機(株)製)を用いて加熱温度270℃、加重10kgfの条件で測定した。
ボンド磁石の磁気特性は、配向磁場中で成型したボンド磁石をBHトレーサー(東英工業工業株式会社)により測定した。
ボンド磁石の防錆性は、作製した10φ×7mmのボンド磁石の成形体を日本ボンド磁石工業協会のボンド磁石試験方法ガイドブックに記載されている「ボンド磁石の耐食試験方法」に従って実施した。試験環境は、最も苛酷な試験である塩水浸漬を選択し、作製した10φ×7mmの成形体をNaCl+純水、濃度5%溶液に浸漬させ、100hでの錆の発生具合を比較し、前記試験方法に記載された判断基準(◎、○、△、×)に基づいて評価した。錆の発生具合を明確に判断する為、ボンド磁石の表面はやすりで削って浸漬させた。
[前駆体1]
<サマリウム化合物被膜酸化鉄粒子の製造>
反応容器に水、苛性ソーダ、硫酸第一鉄溶液を所定量投入し、温度を90℃に保ち、空気を吹き込みながら酸化反応を行い、マグネタイト粒子を得る。得られたマグネタイト粒子粉末は、平均粒子径が0.70μm、標準偏差0.11μm、粒度分布15%であった。
このマグネタイト粒子を含むスラリーに、スラリー中の鉄原子に対し11.76mol%のサマリウム原子を含む塩化サマリウム溶液を添加し、スラリーのpHを13に調整し、温度を90℃に保ちながら2時間熟成反応を行なった。その後、濾過、水洗により可溶性塩を除去、次いで乾燥することにより、サマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を得た。
<還元反応及び安定化処理>
次いで、得られたサマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を回転熱処理炉に入れ、純度99.99%の水素ガスを40l/minで流通させながら800℃で7時間加熱して還元反応を行った。還元反応後は、鉄粒子と酸化サマリウム粒子の混合物であった。その後、回転炉中雰囲気をNに置換し、温度を40℃にまで冷却する。温度が安定したら、およそ2.0vol%の酸素を含有するN流通下にて1時間安定化処理を行って、前記鉄粒子の粒子表面を徐酸化し、粒子表面に酸化被膜を形成させた。反応熱を観察し、反応熱が収まったら、系全体を室温まで冷却し、大気中に当該混合物を取り出した。
<還元拡散反応>
ここに得た酸化サマリウム被覆鉄粒子と粒状金属Ca(酸化サマリウム被覆鉄粒子中のSm1.0モルに対して3.0モル)とを混合して純鉄製トレーに入れ、雰囲気炉に挿入する。炉内を真空排気した後、アルゴンガス雰囲気とする。次いで、アルゴンガス気流中で1050℃まで昇温、30min保持し還元拡散反応を行なう。反応終了後300℃まで冷却する。
<窒化反応>
炉内温度が300℃で安定したら、一度真空排気し、Nガス雰囲気とする。次いで、N気流中で420℃まで昇温し、8時間保持して窒化反応を行う。反応終了後室温まで冷却する。
以下に記述する前駆体1で用いたリン酸処理を行う前のSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、平均粒径が3.33μm、BET比表面積が1.66m/g、圧縮密度CDが4.07g/cc、吸油量が13.4g/cc、Feの溶出量が35.2mg/lであり、磁気特性は、保磁力が1235kA/m(15520Oe)、残留磁束密度1120mT(11.2kG)、最大エネルギー積が223.3 kJ/m(28.074MGOe)であった(得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末をサンプルAとする。)。
<水洗・粉砕>
窒化反応後の粉末を水中に投じスラリーとする。これにより、水中にて自然に崩壊し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離が始まる。Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離を十分行なった後、デカンテーション水洗を繰り返すことでCa成分を除去する。次いで、水洗したスラリーを水を溶媒とした状態で粉砕を施し、粉砕によって出た不溶分を、デカンテーション水洗により除去した。
<濾過・表面処理・乾燥>
次に、得られたスラリーを濾過によって、水を分離する。含水率が25wt%となるように濾過を行って、濾過ケーキを得た。得られた濾過ケーキを、真空排気可能な攪拌機で減圧窒素気流中撹拌しながらオルトリン酸85%水溶液をSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.33wt%とIPAをSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して1.5wt%とを混合して添加し、速やかにふたをして、減圧窒素気流中とし、加熱乾燥させる。このときの温度は60℃まで加熱することとし、減圧の絶対圧力は0.01MPa以下とする。窒素を供給しながら絶対圧力を0.01MPa以下にするように真空排気をすることで、水の飽和蒸気圧は60℃において約0.02MPaであるので、直ちに水蒸気となって排出され、速やかに水分を乾かすことができる。チャンバーの中の温度センサーを見て、気化熱の影響が無くなり、温度が上がりきることを確認すると、乾燥が終わったとみなし、速やかに室温まで冷却し、真空排気を停止して、大気圧まで復圧し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末(前駆体1)のリンの全含有量は0.10wt%であった。
[前駆体2]
オルトリン酸85%水溶液をSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.67wt%とIPAをSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して3.0wt%とした以外は、前記前駆体1と同様にしてリン酸処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のリンの全含有量は0.19wt%であった(前駆体2)。
[前駆体3]
オルトリン酸85%水溶液をSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して1.0wt%とIPAをSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して4.5wt%とした以外は、前記前駆体1と同様にしてリン酸処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のリンの全含有量は0.31wt%であった(前駆体3)。
リン酸の処理条件及び得られたリン酸処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表1に示す。
[前駆体4]
万能攪拌機に、前駆体2で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末1500gを添加し、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを18g(Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して1.2wt%)を秤量したのちに、希釈溶液37.5gと混合した(Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して2.5wt%)。その後直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。添加後、撹拌しながら窒素雰囲気中60℃で2.5時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[前駆体5〜10]
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーの添加量、希釈溶液の量及び加熱温度を種々変化させた以外は前記前駆体4と同様にして処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[前駆体11]
前駆体2で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末に、シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)15g、IPA35g、純水3gの混合溶液を直接添加して、万能攪拌機にて窒素ガス中10分間撹拌した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中100℃で1時間加熱処理し、冷却して磁粉を取り出した後、不活性ガス中大気圧下、120℃、2.5時間加熱処理をすることでカップリング処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[前駆体12]
前駆体1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末1500gを添加し、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを18gと希釈溶液37.5gとの混合溶液を直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中120℃で2.5時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[前駆体13]
前駆体3で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末1500gを添加し、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを18g直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中120℃で2.5時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表2に示す。
前駆体4〜10及び12、13で得られたシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末についてX−F(蛍光X線分析)による組成分析を行ったところ、Si分析値は表2に示すようになり、本発明では水を使用することなく所定量のシリカを主成分としたケイ素化合物を主成分としたケイ素化合物が付着していることが確認できた。また、前駆体11についてもシリカを主成分としたケイ素化合物を主成分としたケイ素化合物の付着が確認された。
前駆体4〜13で得られたシリカを主成分としたケイ素化合物を主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末について、吸油量を測定した結果、表2に示すようになった。サンプルA及び前駆体1、2及び3と比べると吸油量は増加しており、Si付着による表面改質が確認できた。
前駆体4〜10及び12、13で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末について、圧縮密度(CD)を測定した結果、表2に示すようになり、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理によって圧縮密度(CD)は顕著に変化した。圧縮密度の低下は起きなかった。また、前駆体11についてもシランカップリング処理による圧縮密度の低下は起きなかった。
前駆体4〜13で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末と添加量及び加熱温度、添加手順を種々変化させて処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末について、鉄の溶出量を測定した。表2に示すように、前駆体2に対して磁粉に対する処理剤添加量が1.2wt%、希釈溶液2.5wt%、加熱処理温度120℃で加熱処理を行ったものが最も鉄の溶出量を抑制できることが確認された。
[比較例1]
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末(サンプルA)1500gに、Si(OR)(Rは炭素数2のアルキル基)で表されるアルキルシリケートを12.3g噴霧添加して、窒素ガス中1分間混合した。その後、PHが12に調整されたアンモニア水5.4gとエタノール15.9gの混合溶液を直接添加し、万能攪拌機で窒素ガス中1分間撹拌した。撹拌が終了後、磁性粉末を取り出し、減圧下230℃で30分間加熱処理し、シリカを主成分としたケイ素化合物を主成分としたケイ素化合物薄膜が形成されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
[比較例2]
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末(サンプルA)1500gに、純水を3g(Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.2重量部)添加し、窒素ガス中0.5分間混合した。磁性粉末を取り出し、減圧下50℃で30分間加熱処理(予備乾燥)した。次に、Si(OR)(Rは炭素数2のアルキル基)で表されるアルキルシリケートを37.5g磁粉に添加し、窒素ガス中1分間混合した。その後、水5.4g(Si(OR)(Rは炭素数2のアルキル基で表されるアルキルシリケートの加水分解に必要とされる理論量))を添加し、窒素ガス中混合した。その後、磁性粉末を取り出し磁性粉末を取り出し、減圧下、230℃、30分間加熱処理し、磁性粉末を得た。
アルキルシリケートを処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
[比較例3]
万能攪拌機にSm−Fe−N系磁性粒子粉末(サンプルA)1500gを投入した後、Si(OR)(Rは炭素数2のアルキル基)で表されるアルキルシリケートを30g直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中120℃で1時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
アルキルシリケートを処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
[比較例4]
万能攪拌機に前駆体2で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末(サンプルA)1500gを投入し、Si(OR)(Rは炭素数2のアルキル基)で表されるアルキルシリケートを30g直接添加して窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中120℃で1時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
アルキルシリケートを処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
[比較例5]
万能攪拌機にSm−Fe−N系磁性粒子粉末(サンプルA)1500gを投入し、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー18gと添加溶液37.5gの混合溶液を直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中120℃で2.5時間加熱処理し、粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[実施例1]
前駆体4で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末1500gに、シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)15g、IPA35g、純水3gの混合溶液を直接添加し、万能攪拌機にて窒素ガス中10分間撹拌した。その後、撹拌しながら窒素雰囲気中100℃で1時間加熱処理し、冷却して磁粉を取り出した後、不活性ガス中大気圧下、120℃、2.0時間加熱処理をすることで分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー由来のSi付着上にカップリング剤のSiが付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
[実施例2〜7及び9、10]
前駆体の種類を種々変化させた以外は実施例1と同様にして表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
シランカップリング剤によって処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表4に示す。
[実施例8]
カップリング剤のSiが付着した前駆体11を万能攪拌機に1500g投入し、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマーを18gと希釈溶液37.5gの混合溶液を直接添加し、窒素ガス中で10分間混合した。その後、撹拌しながら、大気圧下、120℃、2.5時間、加熱処理をすることでアルコキシシオリゴマー由来のSiが付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表4に示す。
実施例1〜10で得られたシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末についてX−F(蛍光X線分析)による組成分析を行ったところ、Si分析値は表4に示すようになり、所定量のSiが付着していることが確認できた。
実施例1〜7及び9、10で得られたシリカを主成分としたケイ素化合物が付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末について、BET法よる比表面積を測定した結果、表4に示すようになり、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理後とシランカップリング剤処理後の比表面積の変化率は−25%〜−50%であり、いずれもBET比表面積が低下していることが確認された。これにより、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末表面に付着している多くのSiは均一に付着していることが推測できる。
実施例1〜10で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の鉄の溶出量を測定した。表4に示すように、シランカップリング剤処理を行うことによって鉄の溶出量が、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー処理したときよりも更に抑制できることがわかる。
[比較例6〜10]
比較例1〜5で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末1500gに、実施例1と同様にシランカップリング剤による処理を施し、Si付着上にカップリング剤のSiが付着したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
比較例6〜10で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の鉄の溶出量は表5に示すようになった。
[実施例11〜20]
次に、実施例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末91.64重量部と12ナイロン樹脂7.34重量部、酸化防止剤0.51重量部及び表面処理剤1.0重量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、ペレットを得たのち、射出成形してボンド磁石を作製した。
得られたボンド磁石の諸特性を表6に示す。
[比較例11〜15]
表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記実施例11〜20と同様にしてボンド磁石を得た。
ボンド磁石の成型体について、防錆性を評価した。表6に示すように、実施例は比較例に比べて、いずれも優れた防錆性を有するとともに、保磁力iHcも高く、殊に、716.2 A/m(9000Oe)以上であることが確認された。なお、流動性を示すMIも600g/10minであり、高い流動性を示すことが確認された。
実施例11及び比較例12で得られたボンド磁石の防錆性試験の結果を、図1及び図2に示す。実施例11(図1)のボンド磁石はほとんど錆が発生していないが、比較例5(図2)のボンド磁石は多数の錆が発生していることが確認された。
本発明に係る表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、磁性粉粒子表面にシリカを主成分としたケイ素化合物を付着することで、ボンド磁石での防錆性を高めることができるので、ボンド磁石用のSm−Fe−N系磁性粒子粉末として好適である。
実施例12で得られたボンド磁石の防錆性試験の結果である。 比較例5で得られたボンド磁石の防錆性試験の結果である。

Claims (6)

  1. 粒子表面がリン化合物で被覆され、該リン化合物被覆の表面がケイ素化合物で被覆されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末であって、前記リン化合物は、リン酸系化合物のオルトリン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸、メタリン酸のいずれかを選択して処理することにより被覆されており、前記ケイ素化合物は、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されたアルコキシオリゴマー及びシランカップリング剤から生成した化合物であって、当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末のFeの溶出量が10mg/L以下であることを特徴とする表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  2. リン化合物の含有量が、0.1〜0.5重量%である請求項1記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  3. Si含有量が0.15〜0.8重量%である請求項1又は2記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  4. 炭素含有量が0.01〜0.5重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石。
JP2008094069A 2008-03-31 2008-03-31 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Expired - Fee Related JP5344119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008094069A JP5344119B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008094069A JP5344119B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009246294A JP2009246294A (ja) 2009-10-22
JP5344119B2 true JP5344119B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=41307840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008094069A Expired - Fee Related JP5344119B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5344119B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6813941B2 (ja) * 2015-02-25 2021-01-13 Dowaエレクトロニクス株式会社 磁性コンパウンド、アンテナおよび電子機器
JP7417038B2 (ja) 2018-09-26 2024-01-18 日亜化学工業株式会社 希土類磁性粉末の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169618A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類元素を含む鉄系磁石合金粉、およびその製造方法、得られるボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石、並びに圧密磁石
JP4665555B2 (ja) * 2005-03-02 2011-04-06 住友金属鉱山株式会社 樹脂結合型磁石組成物、その製造方法及びそれを用いた樹脂結合型磁石
JP2008263040A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Toda Kogyo Corp 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009246294A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5499738B2 (ja) 表面処理された希土類系磁性粉末、該希土類系磁性粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2021057599A (ja) R−t−b系希土類磁石粉末の製造方法、r−t−b系希土類磁石粉末、及びボンド磁石
JP7417038B2 (ja) 希土類磁性粉末の製造方法
JP4623308B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2002008911A (ja) 希土類−鉄−窒素系磁粉の表面処理方法及びそれを用いたプラスチック磁石
JP6028322B2 (ja) ボンド磁石用コンパウンド
JP5344119B2 (ja) 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP7335515B2 (ja) ボンド磁石用コンパウンドの製造方法
JP2008263040A (ja) 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP6606920B2 (ja) 表面処理された希土類系磁性粉末及びその製造方法並びにボンド磁石及びその製造方法
US11594352B2 (en) Method of producing magnetic powder
JP2020023752A (ja) 表面処理された希土類系磁性粉末及びその製造方法並びにボンド磁石及びその製造方法
JP2016194140A (ja) 希土類系磁性粉末及びその製造方法、並びにボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
JP5110296B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2007277692A (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP5019037B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP6657557B2 (ja) ボンド磁石
US20240047112A1 (en) Cylindrical multipole magnet and composite material
JP6248529B2 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物及びそれを用いたボンド磁石
WO2015122271A1 (ja) 希土類系磁性粉末及びその製造方法、並びにボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
JP2001250706A (ja) 希土類系ボンド磁石用複合材料とその製造方法
WO2022107462A1 (ja) リン酸塩被覆SmFeN系異方性磁性粉末の製造方法、およびボンド磁石
US20230374257A1 (en) Method of producing magnetic powder-containing resin composition
US20220157520A1 (en) Compound for bonded magnet, bonded magnet, method of producing same, and resin composition for bonded magnets
JP2020057792A (ja) ボンド磁石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130405

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5344119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees