JP5019037B2 - Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 - Google Patents

Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Download PDF

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Description

本発明は、流動性が良く、射出成形での配向性に優れるとともに、角形性が良く、とともにが高いボンド磁石を得ることができるボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を提供する。また、前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石を提供する。
ボンド磁石は、その形状自在性や高寸法精度などの利点があるため、従来から電気製品や自動車部品等の各種用途に広く使用されているが、近年、電気製品や自動車部品の小型・軽量化に伴って、これに使用されるボンド磁石自体の高性能化が強く要求されている。
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチック材料等の結合剤樹脂と磁性粉末とを混練した後、成形することによって製造されているため、ボンド磁石の高性能化のためには、磁性粉末の高性能化、即ち、大きな残留磁束密度Bと高い保磁力とを有し、その結果、最大磁気エネルギー積(BH)maxが大きな磁性粉末が強く要求されている。
磁性粉末としては、バリウムフェライトやストロンチウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトやSm−Fe−N系磁性粒子粉末及び希土類−鉄−ホウ素系磁石が知られている。特に、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は、飽和磁化値と異方性磁界がともに高く、さらに、高いキュリー温度を有することから、近年特に注目されている。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末はサマリウムと鉄との合金を窒化反応して得ることができるが、永久磁石に用いるためには適度な大きさする必要がある。本発明のSm−Fe−N系磁性粒子粉末は微粒子側から成長させる方向の熱処理を経て作製されるため、粉砕しなくても適度な大きさに近いものになっているが、熱処理のために焼結した部分がどうしても残るため、必要最小限の粉砕を施す必要がある。
従来、磁気特性を向上させることを目的として、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布を制御することが知られている(特許文献1、2)。
特開平11−335702号公報 特開2004−60023号公報
本発明は、混練・成形における化学的耐久性に優れるとともに、流動性の良いボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法及び該製造法を用いて得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石を提供する。そのような製品は、現在、最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
前出特許文献1では、予め粒度調製した希土類酸化物と金属鉄若しくはその酸化物に、これらの還元に要する酸素当量より過剰のカルシウム粒を混合して、混合粉となし、この混合粉を不活性雰囲気中で700〜1200℃保持して、カルシウムによる拡散還元処理を行う。さらに、還元された合金粉末の塊を窒素雰囲気中で200〜600℃で加熱保持して合金粉末を窒化する窒化処理がされる。次いで、窒化後の塊を水中に投入して微粉末に分散沈澱させ、洗浄する処理がなされる。このような処理条件では、希土類酸化物と金属鉄若しくはその酸化物の原料混合粉の粒度を平均粒子径5μm以下とされ、さらに、粒子径10μm以下の粒子が混合粉中重量%で、90%以上とすることにより、上記の磁性体粉末は、粉末の平均粒子径が10μm以下で、平均粒子径の0.40倍から1.80倍の範囲にある粒子径の粒子が、該粉末中に80重量%以上を占めるものとすることができる。以上のようにして粒度分布を調整している。
しかしながら、この方法では、700〜1200℃の熱処理を行うことで、かなりの焼結が起こるため、1次粒子が平均粒子径を10μm以下に保ったとしても、焼結による凝集状態での挙動粒子径は数十μmにもなってしまう。それらの凝集状態は、なかなか解れないため、最終的にボンド磁石への配向成形において、1次粒子の磁化容易軸が、各々配向方向に完全に揃うことが困難なため、最高の磁気特性を発揮しえない。
前出特許文献2には、平均粒径(D50)が5μmを超える希土類−遷移金属−窒素系磁石の粗粉末を媒体攪拌ミル又はビーズミルのいずれかの粉砕機に入れ、次いで、粉砕機の中で金属ボール又はセラミックスボールの粉砕媒体とともに回転させ、その際、粉砕媒体としてボール径が0.1〜1mmのものを用いるとともに、粉砕機の回転周速度を10〜20m/sとすることにより、希土類−遷移金属−窒素系磁石の粗粉末を微粉砕することで、凝集度の低い、粒度分布のそろった磁粉を得ている。
しかしながら、この方法では、磁性粒子に機械的に粉砕メディアであるボールもしくはビーズが衝突し、必然的に割れたり潰れたりすることで、1次粒子が流動性の悪い形状になってしまう。そのため、最終的にボンド磁石に成形するときに、流動性が悪く、また、充填性が悪いため、磁気特性の低い磁石しか得られない。
そこで、本発明は、流動性が良く、射出成形での配向性に優れるとともに、角形性が良く、とともにが高いボンド磁石を得ることができるボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
本発明は、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーといわれる方式によって、熱処理を経て作製されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を処理することによって、流動性が良く、射出成形での配向性および磁気特性の角形性の良くなる、ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得るものである。
即ち、本発明は、吸油量が8〜13ml/100gであり、1t/cm の圧力で圧縮したときの圧縮密度(CD)が4.20〜4.60g/ccであり、Hk/Hcjが40〜70%であることを特徴とするSm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、粒子形状が粒状であって、角が無い形状である前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、吸油量が11.0〜15.0ml/100gであって1t/cm の圧力で圧縮したときの圧縮密度(CD)が4.00〜4.30g/ccであるSm−Fe−N系磁性粒子粉末を、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーで処理したことを特徴とする本発明1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法である(本発明3)。

また、本発明は、本発明1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石である(本発明5)。
また、本発明は、前記ボンド磁石のHk/Hcjが55〜70%であって、r/sが0.95〜0.99であるボンド磁石である(本発明6)。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒子形状が丸みを帯びかつ、個々各々が1次粒子に解れているため、異方性射出成形用磁粉としては、流動性が良く、充填性が高く、樹脂との濡れの指標である吸油量が低いため、成形しやすく、薄いものや微細な形状のボンド磁石成形に特徴を発揮する。また、先に述べたように丸みを帯びて1次粒子に解れているため、配向磁場方向に容易に磁化容易軸を向けることができるため、磁気特性の磁化、角形性なども高く発揮される。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーといわれる装置で処理されることによって粒子形状が丸みを帯びかつ、個々各々が1次粒子に解れているため、異方性射出成形用磁粉としては、流動性が良く、充填性が高く、樹脂との濡れの指標である吸油量が低いため、成形しやすく、薄いものや微細な形状のボンド磁石成形に特徴を発揮する。また、先に述べたように丸みを帯びて1次粒子に解れているため、配向磁場方向に容易に磁化容易軸を向けることができるため、磁気特性の磁化、角形性なども高く発揮される。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の吸油量は8.0〜13.0ml/100gである。吸油量が13ml/100gを超える場合には、当該粉末が樹脂などに馴染みにくいことを意味し、ボンド磁石用樹脂組成物としての成形性が悪くなる。8ml/100g未満というのは、JIS K 5101−1991に準拠した吸油量の測定方法による煮あまに油が、最小限の量で粉末の表面を濡らす必要があるので、考えにくい。より好ましくは10.0〜12.0ml/100gである。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の圧縮密度(CD)は、4.20〜4.60g/ccである。圧縮密度(CD)が4.20g/cc未満の場合には、粒子粉末の形状および粒度のため粉体としての流動性および充填性が悪いことが考えられ、ボンド磁石用樹脂組成物として成形時の充填性など成形性が発揮できない。4.60g/ccを超えるものは工業的に得ることは困難である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積は0.1〜1.5m/gが好ましい。BET比表面積が1.5m/gを超える場合には、粒子の表面が粗くなっているか、粉末の中に微粒子が混入していることが考えられ、それらによって樹脂と混練した時の流動性が著しく劣化し、十分な成形性を発揮できない。BET比表面積が0.1m/g未満の場合には、ボンド磁石用として流動性に優れるものが得られない。より好ましくは0.5〜1.3m/gである。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の粉体pHは、6.0〜9.0が好ましい。より好ましくは、6.5〜8.0である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の可溶性カルシウムの含有量は、1〜100ppmが好ましい。より好ましくは、5〜50ppmである。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の平均粒径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0μmである(HELOSのd50)。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、ThZn17型構造を有することが好ましい。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は(粉末を磁場中配向させて測定したところ)、保磁力が398.1〜2387.3kA/m(5000〜30000Oe)であり、σrが110〜150Am/kg(110〜150emu/g)、残留磁束密度が1000〜1400mT(10〜14kG)であり、最大磁気エネルギー積が158.8〜358.1kJ/m(20〜45MGOe)であり、Hk/Hcjが40〜70%であり、σ/σが0.985〜1.000である。
次に、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーといわれる装置で処理することを特徴とする。
本発明において、処理前のSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、吸油量が11.0〜15.0ml/100g、圧縮密度(CD)が4.00〜4.30g/cc、BET比表面積が0.9〜2.0m/gである。
処理前のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性が前記範囲外の場合には、特に、圧縮密度(CD)が4.00g/cc未満の場合は、粒子の焼結具合が大きいことを意味し、本発明の粉砕方法では効果が小さい。また、BET比表面積が2.0m/gより大きい場合は極端に小さな微粒子が多いことを意味し、やはり効果が小さい。
なお、本発明においては、表面処理の対象となるSm−Fe−N系磁性粒子粉末が、粒子の表面近傍のSm/Fe原子比が粒子の中心部分のSm/Fe原子比に対して高いものであることが好ましい。粒子中心部分のSm/Fe原子比はほぼSmFe17の組成であるから、粒子の表面近傍ではSmFe17組成に対してSmリッチの組成となる。
装置としては、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーと言われるアルティマイザー((株)スギノマシン)、ナノマイザー(吉田機械工業製)などが挙げられる。これらは無機粒子の水懸濁液を高圧により高速ジェット水流にして水流同士もしくは硬質板に衝突させることで、粉砕・解砕・分散させることができるものである。当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の懸濁液においては、当該Sm−Fe−N系磁性粒子の1次粒子が破壊もしくは変形することなく、個々に解れ、さらに粉体特性が良好となることを見出したのが本発明である。
アルティマイザー((株)スギノマシン)の場合を述べる。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の懸濁液のスラリー濃度は、固形分(Sm−Fe−N系磁性粒子)が1〜50wt%の範囲とすることができるが、工業的な生産性を考慮した場合30〜50wt%が好ましい。
増圧機で発生させる圧力を245MPaとして、スラリーを1〜18回処理する。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、混練・成形における化学的耐久性の向上のために、Sm−Fe−N系磁性粒子の解砕後もしくは粉砕後に、濾過して含水ケーキとしたものにオルトリン酸とイソプロピルアルコール(IPA)の混合液を投入し、減圧窒素気流中にて撹拌しながら加熱し乾燥してもよい。
オルトリン酸の添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子に対するオルトリン酸固形分の重量比において、0.025〜3.0wt%が好ましい。添加量が0.025wt%未満の場合には、十分な不溶性リン酸塩膜が形成されず、3.0wt%を超える場合には、単位体積当たりの磁気特性の減少を招く。
また、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、樹脂のとのなじみ及び耐候性向上のために、シランカップリング剤による被覆処理を行ってもよい。
本発明においてシランカップリング剤とは、磁性粉表面の無機成分に対して反応性がある基を有し、しかも樹脂の有機成分との反応性が高い、珪素含有化合物のことを示す。
シランカップリング処理前の磁性粉の表面は、最終用途の必要に応じた耐候性を付与するための表面被覆を施すものとする。
本発明で用いるシランカップリグ剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシsリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシメチルシロキサン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、t−ブチルカルバメートトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のシランカップリング剤等を用いることができる。
シランカップリグ剤は、水、イソプロピルアルコール(IPA)等で希釈したものを用いてもよい。
シランカップリング剤の添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.1〜3.0wt%が好ましい。
シランカップリング剤による表面処理は、常法によって行えばよく、本発明では、混合・攪拌と同時に加熱しておくことが好ましい。
雰囲気は、大気のままでも良いが、窒素もしくはアルゴンなど不活性ガスで酸素をパージさせた雰囲気が好ましい。
加熱温度は60〜180℃、好ましくは100〜120℃である。
シランカップリングなどの表面処理を行ったSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、吸油量が8〜11ml/100g、より好ましくは8〜10ml/100g、BET比表面積が0.1〜1.0m/g、より好ましくは0.2〜0.9m/g、圧縮密度(CD)が4.30〜4.70g/cc、より好ましくは4.35〜4.70g/ccである。
次に、本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物について述べる。
本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散してなるものであって、当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を85〜99重量%含有し、残部が結合剤樹脂とその他添加剤とからなる。
前記結合剤樹脂としては、成形法によって種々選択することができ、射出成形、押し出し成形及びカレンダー成形の場合には熱可塑性樹脂が使用でき、圧縮成形の場合には、熱硬化性樹脂が使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン(PA)系、ポリプロピレン(PP)系、エチレンビニルアセテート(EVA)系、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系、液晶樹脂(LCP)系、エラストマー系、ゴム系等の樹脂が使用でき、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、フェノール系等の樹脂を使用することができる。
なお、ボンド磁石用樹脂組成物を製造するに際して、流動性、成形性を改善し、Sm−Fe−N系磁性粉末の磁気特性を十分に引き出すために、必要により、結合剤樹脂の他に可塑剤、滑剤等周知の添加物を使用してもよい。また、フェライト磁石粉末などの他種の磁石粉末を混合することもできる。
これらの添加物は、目的に応じて適切なものを選択すればよく、可塑剤としては、それぞれの使用樹脂に応じた市販品を使用することができ、その合計量は使用する結合剤樹脂に対して0.01〜5.0重量%程度が使用できる。
前記滑剤としては、ステアリン酸とその誘導体、無機滑剤、オイル系等が使用でき、ボンド磁石全体に対して0.01〜1.0重量%程度が使用できる。
前記カップリング剤としては、使用樹脂とフィラーに応じた市販品が使用でき、使用する結合剤樹脂に対して0.01〜3.0重量%程度が使用できる。
他の磁性粉末としては、フェライト磁石粉末、アルニコ系磁石粉末、希土類系磁石粉末などが使用できる。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、後述する評価法において、150〜1000g/10min程度が望ましい。150g/10min未満の場合には、射出成型の成形性と生産性が著しく低下する。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂と混合、混練してボンド磁石用樹脂組成物を得る。
前記混合は、ヘンシェルミキサー、V字ミキサー、ナウター等の混合機などで行うことができ、混練は一軸混練機、二軸混練機、臼型混練機、押し出し混練機などで行うことができる。
次に、本発明に係るボンド磁石について述べる。
ボンド磁石の磁気特性は目的とする用途に応じて種々変化させることができるが、残留磁束密度Brは350〜900mT(3.5〜9.0kG)であり、保磁力iHcは238.7〜1428.5kA/m(3000〜18000Oe)であり、最大磁気エネルギー積(BH)maxは23.9〜198.9kJ/m(3〜25MGOe)であり、角形性Hk/Hcjが55〜70%であり、r/sが0.95〜0.99であることが好ましい。
ボンド磁石の成形密度は4.5〜5.5g/cmであることが好ましい。
本発明におけるボンド磁石は、前記ボンド磁石用樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、圧縮成形又はカレンダー成形等の周知の成形法で成形加工した後、常法に従って電磁石着磁やパルス着磁することにより、ボンド磁石とすることができる。
<作用>
本発明では、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーといわれるアルティマイザー((株)スギノマシン)、ナノマイザー(吉田機械工業製)などによって、懸濁液を高圧により高速ジェット水流にして水流同士もしくは硬質板に衝突させることで、当該Sm−Fe−N系磁性粒子の1次粒子の粒子形状が丸みを帯びかつ、個々各々が1次粒子に解れているため、異方性射出成形用磁粉としては、流動性が良く、充填性が高く、樹脂との濡れの指標である吸油量が低いため、成形しやすく、薄いものや微細な形状のボンド磁石成形に特徴を発揮する。また、前述したように丸みを帯びて1次粒子に解れているため、配向磁場方向に容易に磁化容易軸を向けることができるため、磁気特性の磁化、角形性なども高く発揮される。
本発明において重要な点は、Sm−Fe−N系磁性粒子の1次粒子の粒子形状が丸みを帯び(角・エッジが無く)、かつ、個々各々が1次粒子に解れているため、流動性に優れる効果を持つ磁性粒子粉末が得られるという点である。
本発明において得られるSm−Fe−N系磁性粒子粉末が前記の点で優れるのは、以下のような機構のためと本発明者は推定している。
湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーとは、原料を高圧もしくは超高圧に加圧し、超高速にして鋼体に衝突させる、粉体同士を衝突させる、もしくはスリット(隙間)を抜ける際のせん断力を利用して、解砕・分散などを行わせるものである。Sm−Fe−N系磁性粒子粉末はその製造過程において比較的高温の熱処理を経るため、設計粒度数μmの1次粒子がどうしても焼結している。これを解砕するのにボールミル、ビーズミル等で粉砕した場合、1次粒子の形状を破壊したり変形するので、ボンド磁石用樹脂組成物としたときの流動性を著しく低下させるものであった。
湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーといわれる方式では、スラリーとして高圧・高速の水流になり衝撃・せん断力を受けることになるが、特定のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を処理した場合には、1次粒子が破壊されることなく、ほとんど個々各々に解れることを本発明者らは見出した。
これは、焼結した凝集体の表面全体に水を介して均一に衝撃・せん断力を加えることができるため、焼結で融着したような最も弱い結合から解されることによるものと本発明者は推定している。また、同様に粒子表面の突起したものなども除かれ、粒子が丸みを帯びるものと推定している。
次に、実施例、比較例を用いて本発明についてさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の形状は走査型電子顕微鏡で観察した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布はHELOSにて測定した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積値は窒素によるBET法で求めた。
吸油量は、JIS K 5101に基づいて測定した。
粉体pHは、JIS K 5101に基づいて測定した。
圧縮密度(CD)は、試料を1t/cmの圧力で圧縮したときの密度を測定した。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子全体のCa量、Si量、P量は、X−F(蛍光X線分析)による組成分析を行って算出した。
可溶性カルシウム量は、試料5gを300mlの三角フラスコに秤量し、純水100gを加え加熱して煮沸し、約5分間保持する。次いで、フラスコに栓をして常温まで放冷し、減重量分に相当する水を加えて再び栓をし、1分間振り混ぜ5分間静置する。その後、上澄み液をNo.5Cの濾紙を用いて濾過し、得られた濾液中のカルシウムを「誘導結合プラズマ発光分光分析装置」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は、アクリル製のカプセル中に蝋と磁性粒子粉末を入れて、配向磁場を印加しながら、加熱冷却し、磁粉を配向した上で、試料振動型磁力計VSM(東英工業株式会社製)で測定した値で示した。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末89.4重量部と12ナイロン樹脂9.1重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、得られた組成物をセミメルトインデクサ(型式2A、東洋精機(株)製)を用いて加熱温度270℃、加重10kgfの条件で測定した。
ボンド磁石の密度は、成形ボンド磁石を室温約25℃に十分冷却した後、ボンド磁石の大きさを測定し、測定値から体積を求めた。次に、当該成形ボンド磁石の重量を測定し、重量値(g)を体積値で除した値で示した。
ボンド磁石の磁気特性は、配向磁場中で成型したボンド磁石をBHトレーサー(東英工業工業株式会社)により測定した。
実施例1
<サマリウム化合物被覆酸化鉄粒子の製造>
反応容器に水、苛性ソーダ、硫酸第一鉄溶液を所定量投入し、温度を90℃に保ち、空気を吹き込みながら酸化反応を行い、マグネタイト粒子を得る。得られたマグネタイト粒子粉末は、平均粒子径が0.70μm、標準偏差0.11μm、粒度分布15%であった。このマグネタイト粒子を含むスラリーに、スラリー中の鉄原子に対し15.29mol%のサマリウム原子を含む塩化サマリウム溶液を添加し、スラリーのpHを13に調整し、温度を90℃に保ちながら2時間熟成反応を行なった。その後、濾過、水洗により可溶性塩を除去、次いで乾燥することにより、サマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を得た。
<還元反応及び安定化処理>
次いで、得られたサマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を熱処理炉に入れ、純度99.99%の水素ガスを40l/minで流通させながら800℃で7時間加熱して還元反応を行った。還元反応後は、鉄粒子と酸化サマリウム粒子の混合物であった。その後、炉中雰囲気をNに置換し、温度を40℃にまで冷却する。温度が安定したら、およそ2.0vol%の酸素を含有するN流通下にて1時間安定化処理を行って、前記鉄粒子の粒子表面を徐酸化し、粒子表面に酸化被膜を形成させた。系全体を室温まで冷却し、大気中に当該混合物を取り出した。
<還元拡散反応>
ここに得た酸化サマリウム被覆鉄粒子と粒状金属カルシウム(酸化サマリウム被覆鉄粒子中のSm1.0モルに対して3.0モル)とを混合して純鉄製トレーに入れ、雰囲気炉に挿入する。炉内を真空排気した後、アルゴンガス雰囲気とする。次いで、アルゴンガス気流中で1050℃まで昇温、30min保持し還元拡散反応を行なう。反応終了後300℃まで冷却する。
<窒化反応>
炉内温度が300℃で安定したら、一度真空排気し、Nガス雰囲気とする。次いで、N気流中で420℃まで昇温し、8時間保持して窒化反応を行う。反応終了後室温まで冷却する。
<水洗・粉砕>
窒化反応後の粉末を水中に投じスラリーとする。これにより、水中にて自然に崩壊し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とカルシウム成分との分離が始まる。Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とカルシウム成分との分離を十分行なった後、デカンテーション水洗を繰り返すことでカルシウム成分を除去する。
ここで得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末(湿式ジェットミル処理を行う前)は、平均粒径が3.83μm、BET比表面積が1.62m/g、磁気特性は、が1150.7kA/m(14460Oe)、σが116.2Am/kg(116.2emu/g)、(BH)maxが219.6kJ/m(27.59MGOe)、Hが41.24%、σ/σが0.975であった(得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を被処理粉末1とする。)。
次いで、水洗したスラリーを水を溶媒として湿式ジェットミル「アルティマイザー 分離チャンバーシステム((株)スギノマシン)」を用いて増圧機圧力245MPaの条件にて7回(7パス)処理し、その後デカンテーション水洗にて、水中の不溶分を除去した。
<濾過・乾燥>
次に、得られたスラリーを濾過によって、水を分離する。含水率が25wt%となるように濾過を行って、濾過ケーキを得た。得られた濾過ケーキを、減圧窒素気流中撹拌しながら昇温できる乾燥用のチャンバーの中に投入し、撹拌しながら、減圧窒素気流中とし、加熱乾燥させ、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すとおり、角張った部分(エッジ)が無く、丸みを帯びて1次粒子に解れていた。
実施例2、3
実施例1と同じ被処理粉末1を用いて、湿式ジェットミルの処理回数(パス回数)を変えた以外は、水洗、濾過、乾燥を実施例1と同様に行った。なお、実施例2では処理回数を3パス、実施例3では処理回数を14パスとした。
実施例4
実施例1と同じ被処理粉末1を用いて、濾過後に表面処理を下記のように行った以外は実施例1と同様にして、リン酸で処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
湿式ジェットミルで処理して得られたスラリーを濾過によって、水を分離する。含水率が25wt%となるように濾過を行って、4000gの濾過ケーキを得た。得られた濾過ケーキを、減圧窒素気流中撹拌しながら昇温できる乾燥用のチャンバーの中に投入し、撹拌しながら、オルトリン酸85%水溶液20gとIPA80gとを混合して添加し、速やかにふたをして、減圧窒素気流中とし、加熱乾燥させる。このときの温度は60℃まで加熱することとし、減圧の絶対圧力は0.01MPa以下とする。窒素を供給しながら絶対圧力を0.01MPa以下にするように真空排気をすることで、水の飽和蒸気圧は60℃において約0.02MPaであるので、直ちに水蒸気となって排出され、速やかに水分を乾かすことができる。チャンバーの中の温度センサーを見て、気化熱の影響が無くなり、温度が上がりきることを確認すると、乾燥が終わったとみなし、速やかに室温まで冷却し、真空排気を停止して、大気圧まで復圧し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末のリンの全含有量は0.21%であり、水溶性のリン酸被膜のリン含有量は0.033%であった。その結果、不溶性のリン酸塩被膜のリン含有量は0.177%であった。リンの含有割合は、不溶性被膜中の割合が84.4%、水溶性被膜中の割合が15.56%であった。
実施例5〜8
実施例1〜4で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対し、更に、シランカップリング処理を施した。
比較例1
<還元反応及び安定化処理>
平均粒子径1.31μmの酸化鉄粒子粉末(α−Fe)と平均粒子径4.40μmの酸化サマリウム粒子をFeとSmのモル比が17:2.6となるように配合し、混合する。
次いで、得られた混合粉末を熱処理炉に入れ、純度99.99%の水素ガスを40l/minで流通させながら800℃で7時間加熱して還元反応を行った。還元反応後は、鉄粒子と酸化サマリウム粒子の混合物であった。その後、炉中雰囲気をNに置換し、温度を40℃にまで冷却する。温度が安定したら、およそ2.0vol%の酸素を含有するN流通下にて1時間安定化処理を行って、前記鉄粒子の粒子表面を徐酸化し、粒子表面に酸化被膜を形成させた。反応熱を観察し、反応熱が収まったら、系全体を室温まで冷却し、大気中に当該混合物を取り出した。
<還元拡散反応>
ここに得た酸化サマリウム混合鉄粒子と粒状金属カルシウム(酸化サマリウム混合鉄粒子中のSm1.0モルに対して3.0モル)とを混合して純鉄製トレーに入れ、雰囲気炉に挿入する。炉内を真空排気した後、アルゴンガス雰囲気とする。次いで、アルゴンガス気流中で1050℃まで昇温、30min保持し還元拡散反応を行なう。反応終了後300℃まで冷却する。
その後、実施例1と同様にして、窒化反応を行う。ここで得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末(湿式ジェットミル処理を行う前)は、平均粒径が4.19μm、BET比表面積が1.13m/g、磁気特性は、iHcが1218.3kA/m(15310Oe)、σrが105.0Am/kg(105.0emu/g)、(BH)maxが177.2kJ/m(22.27MGOe)、Hk/iHcが33.80%、σr/σsが0.932であった(得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を被処理粉末2とする。)。
得られた被処理粉末2を用いて、実施例1と同様にして湿式ジェットミルによる処理を行った。
比較例2
実施例1において湿式ジェットミルに変えて、ビーズミルで粉砕した。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図2に示すとおり、粒子の一部に角張った部分(エッジ)が存在していた。
比較例3、4
比較例1、2で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末に対し、更に、シランカップリング処理を施した。
このときの製造条件を表1に、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表2に示す。
実施例9
<ボンド磁石用樹脂組成物の製造>
実施例5で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末90.7重量部と12ナイロン樹脂7.8重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、ボンド磁石用樹脂組成物を得た。
得られたボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱温度270℃、加圧10kgの条件で345g/10minであった。
<ボンド磁石の製造>
得られたボンド磁石用樹脂組成物を用いて射出成形し、ボンド磁石を作製した。
得られた射出成形ボンド磁石の室温磁気特性は残留磁束密度Brが742mT(7.42kG)、保磁力iHcが615.9kA/m(7739Oe)、最大磁気エネルギー積(BH)maxが100.9kJ/m(12.68MGOe)、角形性H/HcJは64.04%、r/sは96.58%であり、密度は4.80g/ccであった。
実施例10〜12、比較例5、6:
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を種々変化させた以外は、前記実施例9と同様にしてボンド磁石を得た。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、流動性が良く、射出成形での配向性に優れるとともに、角形性が良く、とともにが高いボンド磁石を得ることができるので、ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末として好適である。
実施例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 吸油量が8〜13ml/100gであり、1t/cm の圧力で圧縮したときの圧縮密度(CD)が4.20〜4.60g/ccであり、Hk/Hcjが40〜70%であることを特徴とするSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  2. 粒子形状が粒状であって、角が無い形状である請求項1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  3. 吸油量が11.0〜15.0ml/100gであって1t/cm の圧力で圧縮したときの圧縮密度(CD)が4.00〜4.30g/ccであるSm−Fe−N系磁性粒子粉末を、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーで処理したことを特徴とする請求項1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物。
  5. 請求項1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石。
  6. 請求項5記載のボンド磁石のHk/Hcjが55〜70%であって、r/sが0.95〜0.99であるボンド磁石。
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