JP4623308B2 - ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 - Google Patents

ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Download PDF

Info

Publication number
JP4623308B2
JP4623308B2 JP2006099318A JP2006099318A JP4623308B2 JP 4623308 B2 JP4623308 B2 JP 4623308B2 JP 2006099318 A JP2006099318 A JP 2006099318A JP 2006099318 A JP2006099318 A JP 2006099318A JP 4623308 B2 JP4623308 B2 JP 4623308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle powder
magnetic particle
based magnetic
powder
bonded magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006099318A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007270303A (ja
Inventor
昌章 前川
実 山崎
勝弘 藤田
都美 重岡
勉 片元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2006099318A priority Critical patent/JP4623308B2/ja
Publication of JP2007270303A publication Critical patent/JP2007270303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623308B2 publication Critical patent/JP4623308B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明は、粒度分布に優れ、磁気的な分布が小さく、かつ粒子表面に何ら特別な処理を施すことなく優れた耐候性を有するボンド磁石用途に最適なSm−Fe−N系磁性粒子粉末、その製造法、およびそれを用いたボンド磁石組成物並びにボンド磁石を提供する。
ボンド磁石は、その形状自在性や高寸法精度などの利点があるため、従来から電気製品や自動車部品等の各種用途に広く使用されているが、近年、電気製品や自動車部品の小型・軽量化に伴って、これに使用されるボンド磁石自体の高性能化が強く要求されている。
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチック材料等の結合剤樹脂と磁性粉末とを混練した後、成形することによって製造されているため、ボンド磁石の高性能化のためには、磁性粉末の高性能化、即ち、大きな残留磁束密度Brと高い保磁力iHcとを有し、その結果、最大磁気エネルギー積(BH)maxが大きな磁性粉末が強く要求されている。
磁性粉末としては、バリウムフェライトやストロンチウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトやSm−Fe−N系磁性粒子粉末及び希土類−鉄−ホウ素系磁石が知られている。特に、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は、飽和磁化値と異方性磁界が共に高く、更に、高いキュリー温度を有することから、近年特に注目されている。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は溶融法により作製されたサマリウムと鉄との合金を窒化反応して得ることができるが、ボンド磁石に用いるためには適度な大きさするため機械的に粉砕する必要がある。しかしながら、粉砕工程を経ることによって、磁気特性が劣化する、均一な粒子形状を得ることが困難である等の理由から、機械的な粉砕工程を経ることなくSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることが強く要求されている。
ボンド磁石の残留磁束密度は結合剤樹脂中に磁性粉末を多量に充填できることが重要である。そこで、粒子形状が可及的に均一で、粒度分布に優れるとともに、磁気的特性が均一であることが要求されている。
また、ボンド磁石の残留磁束密度は、磁性粉末の飽和磁化値に左右されることから、高い飽和磁化値を有する磁性粉末であることが重要である。そのためには、優れた磁気特性を有するSm−Fe−N系磁性粒子粉末が強く要求されている。
一方、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は、保磁力の発現機構がニュークリエーション型であり、単磁区粒子径まで微粒子化しないと永久磁石として要求される保磁力を得ることができないため、通常粒子径が1〜10μm程度のサイズのものが用いられている。微粒子であるがため表面の影響を受けやすく、粒子表面が空気や水で腐食すると磁気特性、特に保磁力が大きく低下するという欠点を有している。
そこで、粒子表面が空気や水に対して腐食しにくいSm−Fe−N系磁性粒子粉末が強く要求されている。
従来あるSm−Fe−N系磁性粒子粉末としては、金属Smと金属Feから所望するSm/Fe組成比のSm−Fe合金を作製し、それを窒素含有ガス中で窒化反応を行ことにより作製したもの(特許文献1,2及び3)、金属Fe粉末と酸化サマリウム粉末と金属Caを混合し加熱し還元拡散反応によりSm−Fe合金とし、これを窒素含有ガス雰囲気中で加熱処理することにより作製したもの(特許文献4)、SmとFeからなる複合酸化物を含むSm/Fe組成比を調整した原料酸化物を出発原料とし、これを還元性ガス気流中で加熱還元し、次いで金属Caと混合して還元拡散反応を行い、さらに窒素含有ガス中で窒化することにより作製されたものがある(特許文献5)。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐候性を改善する技術としては、粒子表面にリン酸塩被膜を形成する方法(特許文献6)、粒子表面に酸素含有被膜を形成する方法(特許文献7)がある。
特開昭60−131949号公報 特開平2−57663号公報 特開平3−16102号公報 特開2000−104104号公報 特開2003−7521号公報 特開2004−31761号公報
粒度分布に優れるとともに、磁気的分布が小さく、粒子表面に何ら特別な処理を施すことなく優れた耐候性を有するボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法は、現在、最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
特許文献1については、金属Smと金属Feから溶融法により作製したSm−Fe合金を出発原料としており、そのごその合金を窒化することによりSm−Fe−N系永久磁石を得ており、本質的にSm/Fe原子比は磁性体粒子内部において一様であると判断できる。
特許文献2及び3については、特許文献1と同じく溶融法により作製したSm−Fe合金を出発原料としており、本質的にSm/Fe原子比はSm−Fe−N系磁性粒子粉末の内部において一様であると判断できる。
特許文献4については、実施例1で得られるSm−Fe−N系合金粉末は、Sm/Fe原子比が均一であるとする記述があり、本発明とは本質的に異なる。
特許文献5及び6については、耐候性は付与されるものの、形成する被膜は非磁性であり、磁性粒子粉末全体でみると、被膜の重量分飽和磁化値が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、機械的な粉砕を経ることなく各粒子の凝集が可及的に抑制され個々の粒子がバラバラで、粒度分布に優れており、しかも、磁気的な分布が小さく、加えて粒子表面に特別な処理を施すことなく耐候性に優れたボンド磁石用のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末において、該Sm−Fe−N系磁性粒子は中心部分と表層部分とからなる粒子であって、前記表層部分のSm/Fe原子比は中心部分のSm/Fe原子比よりも高いことを特徴とするボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末において、粒子表層部分のSm/Fe比が11.76atm%以上であり、表層部分は粒子全体に対して5〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末において、粒子全体のSm/Fe原子比が12.12atm%〜13.53atm%であることを特徴とするボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を樹脂中に含有することを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石である(本発明5)。
また、本発明は、酸化鉄粒子を含有する水懸濁液に、酸化鉄粒子中の鉄原子に対して12.12〜16.50atm%のサマリウムを含む水溶液を添加した後、懸濁液のpHを8.0〜14.0に調整し、50℃〜100℃に加熱して前記酸化鉄粒子の粒子表面にサマリウム化合物を被覆する工程、該サマリウム化合物被覆酸化鉄粒子粉末に対して還元反応を行なう工程、次いで、該還元反応後の粉末に金属Caを混合して不活性ガス雰囲気下で還元拡散反応を行ってSm−Fe合金粒子とし、該還元拡散反応後のSm−Fe合金粒子に窒化反応を行ってSm−Fe−N系磁性粒子とする工程、その後、水洗、乾燥することによりSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得る工程を具備することを特徴とする請求項1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法である(本発明6)。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、個々の粒子間の凝集が抑制されており粒度分布が小さく、かつ磁気的な分布が小さく、しかも、磁性粒子表面の活性が小さく耐候性に優れている。また、磁性粒子表面の活性が小さいため樹脂等への分散が良く、混練安定性及び流動性に優れているので、ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末として好適である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末を用いたボンド磁石組成物は、流動性及び成形性に優れているので、ボンド磁石用の樹脂組成物として好適である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末を用いたボンド磁石は優れた磁気特性と耐候性を有しているので、ボンド磁石として好適である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法は、個々の粒子間の凝集が抑制されており粒度分布が小さく、かつ磁気的な分布が小さく、しかも、何ら粒子表面に特別な処理を施すことなく耐候性に優れたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を製造できる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
まず、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末について述べる。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒子の表層部分のSm/Fe原子比が粒子の中心部分のSm/Fe原子比に対して高いものである。粒子中心部分のSm/Fe原子比はほぼSm2Fe17の組成であるから、粒子の表層部分ではSm2Fe17組成に対してSm−richの組成となる。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒子全体におけるSm/Fe原子比は12.12〜13.53atm%が好ましい。Sm/Fe原子比が12.12atm%未満の場合は、表層部分(Sm−rich層)の厚みが薄くなり、耐候性が十分でない。13.53atm%を超える場合は、表層部分(Sm−rich層)の厚みが厚くなりすぎ、磁気特性、特に飽和磁化値が低下するため好ましくない。好ましくは12.20〜13.50atm%である。
前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の表層部分は、粒子全体の5重量%以上、20重量%以下である。表層部分が5重量%未満の場合は耐候性が十分ではない。20重量%を超える場合は、磁気特性が劣化するため好ましくない。好ましくは6.0〜20wt%である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、ThZn17型構造を有することが好ましい。
前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の平均粒子径は1.5〜5.0μmが好ましく、BET比表面積値は0.10〜2.00m/gが好ましい。粒度分布において、D10が1.0μm以上、D90が8.0μm以下であることが好ましい。かつD10とD90の比D10/D90は0.10以上であることが好ましい。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は(粉末を磁場中配向させて測定したところ)、保磁力が398.1〜1592.4kA/m(5000〜20000Oe)であり、残留磁束密度が1000〜1300mT(10〜13kG)であり、最大磁気エネルギー積が158.8〜317.6kJ/m(20〜40MGOe)である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の保磁力分布(Hk/iHc)は、後述する評価方法において、40%以上が好ましい。保磁力分布(Hk/iHc)が40%未満の場合、ボンド磁石とした場合の高い角形性を得ることができず、結果として(BH)maxが低下する。より好ましくは50%以上である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐候性は、後述する評価方法(ΔiHc)において、18%以下が好ましい。耐候性が18%を超える場合、保磁力の低下幅が大き過ぎ、ボンド磁石として用いる場合の信頼性が確保できない。より好ましくは15%以下である。
次に、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法について述べる。
本発明における酸化鉄粒子粉末は、マグネタイト粒子粉末またはヘマタイト粒子粉末が好ましい。中でも安価な原料から湿式合成により直接製造できるマグネタイト粒子粉末がより好ましい。
酸化鉄粒子粉末の粒子形状は球状もしくは多面体であり、平均粒子径は0.05〜4.0μmが好ましく、より好ましくは0.10〜2.5μmである。平均粒子径が0.05μm未満の場合には、酸化鉄から鉄への還元時に焼結しやすく異常な粒子成長を招き、結果として還元拡散反応時にシャープな粒度分布を有するSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることが困難となる。4.0μmを越える場合には、粒子サイズが大きすぎ、目的とする粒子サイズを有するSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることが困難となる。
酸化鉄粒子粉末の粒度分布は、次式で数値化される。
粒度分布[%]=(粒子径の標準偏差)÷(平均粒子径)×100
本発明における酸化鉄粒子粉末の粒度分布は25%以下が好ましい。粒度分布が25%を超える場合は、得られるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布が大きくなり、好ましくない。
前記酸化鉄粒子粉末のうちマグネタイト粒子粉末は、例えば、硫酸第一鉄水溶液とアルカリ水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩反応溶液に酸素含有ガスを通気することにより得ることができる。また、ヘマタイト粒子粉末は、前記マグネタイト粒子粉末を大気中700〜1000℃の温度範囲で加熱焼成を行うことにより得ることができる。
本発明におけるサマリウム原料は、水溶液になりえるものであれば使用可能である。一般的には塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が使用可能である。
前記酸化鉄粒子粉末と前記サマリウム原料との混合割合は、酸化鉄粒子粉末中の鉄原子に対するサマリウムの量が12.12〜16.50原子%となるように添加する。サマリウムの量が12.12原子%未満の場合には、目的とする組成を有するSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得ることができない。16.50原子%を超える場合には、目的とする組成よりもSmが過剰となり磁気特性が低下する。また還元拡散反応において金属Caが多量に必要となり好ましくない。好ましくは12.35〜15.90原子%である。
水懸濁液のpHは、水溶液中のサマリウムイオンが沈殿する領域であればよく、8.0〜14が好適である。水懸濁液のpHが前記範囲外の場合には、サマリウム化合物による均一な被覆が困難となる。より好ましくは9.0〜13.5である。
水懸濁液の加熱温度は、50℃〜100℃である。懸濁液を加熱することによりSm化合物を酸化鉄粒子表面に対し強固に被覆することができる。水懸濁液の温度が50℃未満の場合には、Sm化合物の被覆が十分でなく、遊離したSm化合物が生じやすく好ましくない。100℃を超える場合には耐圧装置が必要となり工業的ではない。より好ましくは70〜100℃である。加熱処理時間は、通常、30分から5時間が好ましい。5時間以上の加熱処理では効果が飽和するとともに余分なエネルギーを消費するので好ましくない。
酸化鉄粒子の粒子表面を被覆しているサマリウム化合物は、水酸化サマリウム及び/又は含水酸化サマリウムであると推定している。
前記サマリウム化合物を被覆した酸化鉄粒子粉末は、還元反応を行って酸化鉄を金属鉄(α−Fe)に還元する。還元反応は、例えば、水素ガス雰囲気下で400〜1000℃の温度範囲で加熱して行うことができる。この加熱処理においてサマリウム化合物は脱水反応を起こし、酸化サマリウムに変化する。
還元反応後の粉末に金属カルシウムを混合した後、還元拡散反応を行う。
金属カルシウムの混合割合は、サマリウム化合物被覆鉄粒子中のサマリウム1モルに対して1.6〜4.5モルが好ましい。1.6モル未満の場合には、還元拡散反応が十分ではなく、サマリウムの還元が不十分となる。4.5モルを越える場合には効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。
還元拡散反応は、不活性ガス雰囲気下で800〜1200℃の温度範囲で行う。800℃未満の場合には酸化サマリウムの還元が不十分となる。1200℃を越える場合にはカルシウム及びサマリウムの蒸発が起こり始め組成比が変化しやすく、また、焼結が進行しやすくなる。
還元拡散反応を行うことによって、酸化サマリウムをサマリウム金属に還元するとともに、さらにサマリウムと鉄との合金とする。
還元拡散反応後の鉄とサマリウムとの合金に対して300〜500℃の温度範囲で窒化反応を行う。300℃未満の場合には鉄とサマリウムとの合金に必要量の窒素を侵入させることが困難となる。500℃を越える場合にはα−FeとSmの窒化物などへの分解が始まるため好ましくない。窒化反応の時間は1〜100時間程度である。なお、窒化雰囲気に切り替える前に温度を300℃以下に下げることが望ましい。窒化反応はSmFe合金粒子だけでなく残留している金属カルシウムにも起こるが、そのとき発熱反応を伴うため、最適な温度を超えてSmFe合金が分解することがある。300℃以下になったところから窒化反応を開始して、所定の窒化温度に昇温することでSmFe合金粒子の窒化反応を安定して行うことができる。窒化反応は、SmFe合金に対して2.8〜3.5重量%の窒素を含有するように行う。
窒化反応後のSm−Fe−N系磁性粒子は、水洗、解砕により不純物を除去した後、濾過、乾燥して取り出すことができる。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子は、樹脂との密着性向上などのために種々の表面処理剤を被覆してもよい。
次に、本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物について述べる。
本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散してなるものであって、当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を85〜99重量%含有し、残部が結合剤樹脂とその他添加剤とからなる。
前記結合剤樹脂としては、成形法によって種々選択することができ、射出成形、押し出し成形及びカレンダー成形の場合には熱可塑性樹脂が使用でき、圧縮成形の場合には、熱硬化性樹脂が使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン(PA)系、ポリプロピレン(PP)系、エチレンビニルアセテート(EVA)系、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系、液晶樹脂(LCP)系、エラストマー系、ゴム系等の樹脂が使用でき、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、フェノール系等の樹脂を使用することができる。
なお、ボンド磁石用樹脂組成物を製造するに際して、流動性、成形性を改善し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性を十分に引き出すために、必要により結合剤樹脂の他に可塑剤、滑剤、カップリング剤など周知の添加物を使用してもよい。また、フェライト磁石粉末などの他種の磁石粉末を混合することもできる。
これらの添加物は、目的に応じて適切なものを選択すればよく、可塑剤としては、それぞれの使用樹脂に応じた市販品を使用することができ、その合計量は使用する結合剤樹脂に対して0.01〜5.0重量%程度が使用できる。
前記滑剤としては、ステアリン酸とその誘導体、無機滑剤、オイル系等が使用でき、ボンド磁石全体に対して0.01〜1.0重量%程度が使用できる。
前記カップリング剤としては、使用樹脂とフィラーに応じた市販品が使用でき、使用する結合剤樹脂に対して0.01〜3.0重量%程度が使用できる。
他の磁性粉末としては、フェライト磁石粉末、アルニコ系磁石粉末、希土類系磁石粉末などが使用できる。
ボンド磁石用樹脂組成物の混練安定性は、後述する評価法において20%以下が好ましく、より好ましくは15%以下である。混練安定性が20%を越える場合には、磁性粉末と結合剤樹脂とを混練する工程において、熱と圧力が加わる中で、磁性粉末が酸化などすると、それに伴って結合剤樹脂も化学的に変質し、プラストミルのトルクが上昇することになり好ましくない。
ボンド磁石用樹脂組成物の流動性(MFR)は、後述する評価法において、150g/10min以上であることが望ましい。150g/10min未満の場合には、射出成型の成形性と生産性が著しく低下する。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂と混合、混練してボンド磁石用樹脂組成物を得る。
前記混合は、ヘンシェルミキサー、V字ミキサー、ナウター等の混合機などで行うことができ、混練は一軸混練機、二軸混練機、臼型混練機、押し出し混練機などで行うことができる。
次に、本発明に係るボンド磁石について述べる。
ボンド磁石の磁気特性は目的とする用途に応じて種々変化させることができるが、残留磁束密度は350〜800mT(3.5〜8.0kG)であり、保磁力は398.1〜1592.4kA/m(5000〜20000Oe)であり、最大エネルギー積は31.8〜158.7kJ/m(4〜20MGOe)であることが好ましい。
本発明に係るボンド磁石の成形密度は4.0〜5.5g/cmであることが好ましい。
本発明におけるボンド磁石は、前記ボンド磁石用樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、圧縮成形又はカレンダー成形等の周知の成形法で成形加工した後、常法に従って電磁石着磁やパルス着磁することにより、ボンド磁石とすることができる。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は粒度分布に優れるとともに、磁気的な分布が小さく、かつ、粒子表面に何ら特別の処理を施さない状態であっても優れた耐候性を有するという点である。
本発明において、得られるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布が優れるのは、サマリウム化合物微粒子を酸化鉄粒子の粒子表面に被覆して、そのまま還元反応を行うので、Sm−Fe複合酸化物を生成する際の加熱焼成などの工程を必要とせず、焼成による粒子間の焼結が起こらないため粗大粒子の生成が抑制されたことによるものと本発明者は推定している。
また、本発明において、得られるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気的分布が小さいことについて、本発明者は下記のように推定している。即ち、粒子表面が酸化サマリウム微粒子で被覆された鉄粒子を用いることによって、還元拡散反応において酸化サマリウムと金属カルシウムとが緊密に接触し、酸化サマリウムを効率よく金属サマリウムに還元することができたこと、酸化サマリウムが均一に分散しているため、還元拡散反応が均一に行なわれ局所的に温度が上昇することがなく粒子の焼結が可及的に抑制されたこと及び、窒化反応においても粒子の凝集が少ない状態で、個々がバラバラな状態であるため効率よく反応が進行するので、磁気的な分布が小さくなるものと本発明者は推定している。
さらに、酸化サマリウムと金属カルシウムが緊密に接触することから、より少ない量の金属カルシウムで還元拡散反応を行なうことができるため、製造コストを低減できる。
加えて、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐候性が優れる理由は未だ明らかではないが、表層部分が中心部分よりもSm−rich組成となっていることが粒子表面の活性を下げる効果を発揮しているものと本発明者は推定している。前記のSm−rich層(表層部分)が形成されるのは、粒子表面がサマリウム化合物で被覆された鉄粒子を出発原料としていることによるものと本発明者は推定している。
次に、実施例、比較例を用いて本発明についてさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明における酸化鉄粒子粉末の平均粒子径及び標準偏差は、走査型電子顕微鏡写真よりデジタイザー(HEWLETT PACKARD社製 Product No.46088B)を用いて測定し算出した。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子全体のSm/Fe原子比は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を塩酸で完全に溶解し、その溶液を用いてプラズマ発光分光分析法(セイコー電子(株) SPS−4000)により定量分析した値から算出した。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子のSm/Fe原子比の勾配については、以下のようにして求めた。
まずSm−Fe−N系磁性粒子粉末各10gを正確に秤量し、これを数水準の濃度が異なる酢酸水溶液1000ml中にそれぞれ添加し、10分間撹拌し粒子表面部分を溶解する。その後、溶液のpHが中性となるまでデカンテーション水洗を繰り返す。最後にアセトン置換し、40℃にて乾燥させることにより溶解率が異なる試料を作製する。乾燥した試料の重量(X)を測定し、下記式より溶解率を算出する。
溶解率=(10−X)/10 × 100 [%]
溶解率の異なる各試料の粒子粉末全体のSm/Fe原子比を前述のSm/Fe原子比の算出法と同様にして算出し、X軸に溶解率、Y軸にSm/Fe原子比を取りグラフにプロットする。種々の溶解率におけるSm/Fe比のプロットがY=11.76atm%(Sm2Fe17組成の場合の原子比)の直線と接する点又は交差する点を、表層部分(Sm−rich層)の重量率とする。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布はHELOSにて測定した。各粒子粉末の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたとき、その累積割合が10%、90%となる点の粒子径をそれぞれD10、D90として示した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の形状は走査型電子顕微鏡で観察した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積値は窒素によるBET法で求めた。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は、アクリル製のカプセル中に蝋と磁性粒子粉末を入れて、配向磁場を印加しながら、加熱冷却し、磁粉を配向した上で、試料振動型磁力計VSM(東英工業株式会社製)で測定した値で示した。Hk/iHcは、ヒステリシス曲線の第2象限において磁束密度が残留磁束密度(Br)の90%になるときの磁界の値をHkとし、これを保磁力iHcで除することにより計算される。Hk/iHc値が大きいほど保磁力の分布が小さい。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の耐候性は、空気中60℃−相対湿度80%の恒温恒湿容器内に24時間放置する前後において、磁性粒子粉末の保磁力を測定し、その変化率ΔiHcを算出した。ΔiHcが小さいほど耐候性が良好である。
ボンド磁石用樹脂組成物の混練安定性は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末90.3重量部と12ナイロン樹脂8.2重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度195℃)を行い、得られた組成物をプラストミルで120分間連続して混練したとき、その混練トルクが0.2kg/mを超えることがなく、且つ、最低トルクの値を(A)、120分後のトルクの値を(B)としたとき、[(B)−(A)]/(A)×100(%)で示す。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)はセミメルトインデクサ(型式2A、東洋精機(株)製)を用いて加熱温度270℃、加重10kgfの条件で測定した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石の磁気特性は、配向磁場中で成型したボンド磁石をBHトレーサー(東英工業工業株式会社)により測定した。
ボンド磁石の密度は、成形ボンド磁石を室温約25℃に十分冷却した後、ボンド磁石の大きさを測定し、測定値から体積を求めた。次に、当該成形ボンド磁石の重量を測定し、重量値(g)を体積値で除した値で示した。
ボンド磁石の耐候性については、空気中60℃−相対湿度80%の恒温・恒湿容器内に成形ボンド磁石を7日間放置し、表面に錆が発生したかどうかについて目視で観察した。
実施例1
<サマリウム化合物被覆酸化鉄粒子の製造>
反応容器に水、苛性ソーダ、硫酸第一鉄溶液を所定量投入し、温度を90℃に保ち、空気を吹き込みながら酸化反応を行い、マグネタイト粒子を得る。得られたマグネタイト粒子粉末は、平均粒子径が0.70μm、標準偏差0.11μm、粒度分布15%であった。
このマグネタイト粒子を含むスラリーに、スラリー中の鉄原子に対し15.30mol%のサマリウム原子を含む塩化サマリウム溶液を添加し、スラリーのpHを13に調整し、温度を90℃に保ちながら2時間熟成反応を行なった。その後、ろ過、水洗により可溶性塩を除去、次いで、乾燥することにより、サマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を得た。得られたサマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末の電子顕微鏡写真を図1に示す。
得られたサマリウム化合物被覆酸化鉄粒子粉末において、Sm/Fe比を分析したところ、反応仕込み時のSm/Fe比と差がないことから、添加したサマリウムは全量サマリウム化合物として酸化鉄粒子を被覆していると推定している。
<還元反応及び安定化処理>
次いで、得られたサマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末1500gを回転熱処理炉に入れ、純度99.9%の水素ガスを40リットル/minで流通させながら800℃で5時間加熱して還元反応を行った。還元反応後は、酸化サマリウム微粒子に被覆された鉄粒子であった。その後、回転炉中雰囲気を窒素ガスに置換し、温度を40℃にまで冷却する。温度が安定したら、およそ2.0vol.%の酸素を含有する窒素ガス流通下にて1時間安定化処理を行って、前記鉄粒子の粒子表面を徐酸化し、粒子表面に酸化被膜を形成させた。反応熱を観察し、反応熱が収まったら、系全体を室温まで冷却し、大気中に当該混合物を取り出し、酸化サマリウム被覆鉄粒子粉末を得た。
<還元拡散反応>
ここに得た酸化サマリウム被覆鉄粒子1173gと粒状金属Ca262g(酸化サマリウム被覆鉄粒子中のサマリウム1モルに対して3.0モル)とを混合して純鉄製トレーに入れ、雰囲気炉に挿入する。炉内を真空排気した後、アルゴンガス雰囲気とする。次いで、アルゴンガス気流中で1050℃まで昇温、30min保持し還元拡散反応を行なった。反応終了後300℃まで冷却した。
<窒化反応>
炉内温度が300℃で安定したら、一度真空排気し、窒素ガス雰囲気とする。次いで、窒素ガス気流中で420℃まで昇温し、12時間保持して窒化反応を行う。反応終了後室温まで冷却する。
<水洗・乾燥>
窒化反応後の粉末を水中に投じスラリーとする。これにより、水中にて自然に崩壊し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離が始まる。ここで機械的解砕を加えることにより、分離を促進する。Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離を十分行なった後、デカンテーション水洗を繰り返すことでCa成分を除去する。次いで水洗スラリーを濾過し、得られたケーキを窒素ガス気流中で乾燥することによりSm−Fe−N系磁性粒子粉末1000gを得た。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の電子顕微鏡写真を図2に示す。図2に示すとおり粒子形状はほぼ球形であって粒子表面が滑らかな粒子であった。
図3に、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末における、Sm/Fe原子比(Y軸)と溶解率(X軸)をプロットしたグラフを示す。このグラフから、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒子表面から12.5重量%の部分が表層部分(Sm−rich層)であることが分かる。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末についてX線回折測定を行なったところ、ThZn17型構造を有していることを確認した。
実施例2〜5、比較例1〜4
酸化鉄粒子粉末の種類、平均粒子径及び粒度分布、Sm化合物被覆条件、還元条件、還元拡散反応条件並びに窒化処理条件を種々変化させた以外は、実施例1と同様にしてSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。このときの製造条件を表1に、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の諸特性を表2に示す。
実施例2〜5で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、いずれも粒子形状はほぼ球形であって、粒子表面は滑らかであった。また、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、いずれも、ThZn17型構造の結晶構造を有していることを確認した。
さらに、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、いずれも、表層部分のSm/Fe原子比が中心部分のSm/Fe原子比に対して高く、表2に示すとおりの表層部分の重量率であった。
表2に示すとおり、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、いずれも保磁力分布(Hk/iHc)が35%以上であり、磁気的な分布が少ないことが分かる。また、耐候性試験前後での保磁力変化率(ΔiHc)がより小さいことが分かる。
実施例6:ボンド磁石用樹脂組成物の製造
実施例1で得たSm−Fe−N系磁性粒子粉末90.3重量%と12ナイロン樹脂8.2重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、ボンド磁石用樹脂組成物を得た。
得られたボンド磁石用樹脂組成物の混練安定性は前述した評価法で6%であり、流動性を示すMFRは加熱温度270℃、加圧10kgの条件で450g/10minであった。
<ボンド磁石の製造>
得られたボンド磁石用樹脂組成物を用いて射出成形し、ボンド磁石を作製した。
得られた射出成形ボンド磁石の室温磁気特性は残留磁束密度が765mT(7.65kG)、保磁力が931kA/m(11.7kOe)、最大磁気エネルギー積が127kJ/m3(16.0MGOe)であり、密度は4.85g/ccであった。
実施例7〜10、比較例5〜8
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を種々変化させた以外は、前記実施例6と同様にしてボンド磁石を得た。このときの製造条件及びボンド磁石の諸特性を表3に示す。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、粒度分布が小さく、かつ磁気的な分布が小さく、しかも、粒子表面に何ら特別な処理を施すことなく耐候性に優れたSm−Fe−N系磁性粒子粉末である。
また、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石は、流動性及び成形性に優れ、かつ優れた磁気特性及び耐候性を有しているので、ボンド磁石として好適である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法は、個々の粒子間の凝集が抑制されており粒度分布が小さく、かつ磁気的な分布が小さく、しかも、粒子表面に何ら特別な処理を施すことなく磁性粒子表面の活性が小さく耐候性に優れたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を製造できる。
実施例1で得られた粒子表面をサマリウム化合物で被覆した酸化鉄粒子粉末の電子顕微鏡写真である(倍率5000倍)。 実施例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。 実施例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末における、Sm/Fe原子比と溶解率とをプロットしたグラフである。 比較例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。 本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の構造を説明した図面

Claims (6)

  1. Sm−Fe−N系磁性粒子粉末において、該Sm−Fe−N系磁性粒子は中心部分と表層部分とからなる粒子であって、前記表層部分のSm/Fe原子比は中心部分のSm/Fe原子比よりも高いことを特徴とするボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  2. Sm−Fe−N系磁性粒子粉末において、粒子表層部分のSm/Fe比が11.76atm%以上であり、表層部分は粒子全体に対して5〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  3. 請求項1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末において、粒子全体のSm/Fe原子比が12.12atm%〜13.53atm%であることを特徴とするボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を樹脂中に含有することを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有することを特徴とするボンド磁石。
  6. 酸化鉄粒子を含有する水懸濁液に、酸化鉄粒子中の鉄原子に対して12.12〜16.50atm%のサマリウムを含む水溶液を添加した後、懸濁液のpHを8.0〜14.0に調整し、50℃〜100℃に加熱して前記酸化鉄粒子の粒子表面にサマリウム化合物を被覆する工程、該サマリウム化合物被覆酸化鉄粒子粉末に対して還元反応を行なう工程、次いで、該還元反応後の粉末に金属Caを混合して不活性ガス雰囲気下で還元拡散反応を行ってSm−Fe合金粒子とし、該還元拡散反応後のSm−Fe合金粒子に窒化反応を行ってSm−Fe−N系磁性粒子とする工程、その後、水洗、乾燥することによりSm−Fe−N系磁性粒子粉末を得る工程を具備することを特徴とする請求項1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法。
JP2006099318A 2006-03-31 2006-03-31 ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Active JP4623308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099318A JP4623308B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099318A JP4623308B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007270303A JP2007270303A (ja) 2007-10-18
JP4623308B2 true JP4623308B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=38673400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099318A Active JP4623308B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4623308B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108335818A (zh) * 2018-03-08 2018-07-27 深圳万佳互动科技有限公司 一种各向异性粘结永磁材料及其制造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5110296B2 (ja) * 2008-04-18 2012-12-26 戸田工業株式会社 Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP5974975B2 (ja) * 2012-06-20 2016-08-23 住友金属鉱山株式会社 希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及びその製造方法
US11081265B2 (en) * 2016-11-30 2021-08-03 Tdk Corporation Rare-earth sintered magnet
WO2018221512A1 (ja) 2017-05-30 2018-12-06 国立研究開発法人産業技術総合研究所 サマリウム-鉄-窒素磁石粉末及びその製造方法
JP7385868B2 (ja) * 2020-06-29 2023-11-24 国立大学法人東北大学 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法
CN113884351B (zh) * 2021-09-03 2023-10-27 中国矿业大学 一种基于生物固化技术的磁敏性模拟月壤的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0231401A (ja) * 1988-07-21 1990-02-01 Tokin Corp 希土類磁石合金粉末、その製造方法及びそれを用いた高分子複合型希土類磁石
JP2005272986A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類−遷移金属−窒素系磁石合金粉末、その製造方法及びそれを用いた希土類ボンド磁石
JP2006002187A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toda Kogyo Corp Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及び該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2735833B2 (ja) * 1987-09-28 1998-04-02 住友金属鉱山株式会社 樹脂結合型磁石用粉末の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0231401A (ja) * 1988-07-21 1990-02-01 Tokin Corp 希土類磁石合金粉末、その製造方法及びそれを用いた高分子複合型希土類磁石
JP2005272986A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類−遷移金属−窒素系磁石合金粉末、その製造方法及びそれを用いた希土類ボンド磁石
JP2006002187A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toda Kogyo Corp Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及び該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108335818A (zh) * 2018-03-08 2018-07-27 深圳万佳互动科技有限公司 一种各向异性粘结永磁材料及其制造方法
CN108335818B (zh) * 2018-03-08 2020-05-29 圣航粉末冶金河北有限公司 一种各向异性粘结永磁材料及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007270303A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5769223B2 (ja) 強磁性粒子粉末及びその製造法、異方性磁石及びボンド磁石
JP5831866B2 (ja) 強磁性粒子粉末及びその製造方法、並びに異方性磁石、ボンド磁石及び圧粉磁石
JP5924657B2 (ja) 強磁性窒化鉄粒子粉末の製造方法、異方性磁石、ボンド磁石及び圧粉磁石
JP6155440B2 (ja) 強磁性窒化鉄粒子粉末の製造方法、異方性磁石、ボンド磁石及び圧粉磁石の製造方法
JP4623308B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP5822188B2 (ja) 強磁性粒子粉末及びその製造法、異方性磁石及びボンド磁石
JP5499738B2 (ja) 表面処理された希土類系磁性粉末、該希土類系磁性粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
WO2013042721A1 (ja) 強磁性窒化鉄粒子粉末の製造方法、異方性磁石、ボンド磁石及び圧粉磁石
WO1999033597A1 (fr) POUDRE D'ALLIAGE DE Sm-Fe-N ET PROCEDE DE PRODUCTION
JP2018127716A (ja) 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法
TW201542838A (zh) Fe-Co合金粉末及其製造方法以及天線、電感器及EMI濾波器
JP6485066B2 (ja) 窒化鉄系磁石
JP2019080055A (ja) 複合磁性材料、磁石、モータ、および複合磁性材料の製造方法
JP2007277692A (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP6520168B2 (ja) 窒化鉄系磁性粉末及びそれを用いたボンド磁石
JP2006283094A (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、並びにボンド磁石
JP4662061B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法及びSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
JP5110296B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP4296379B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粉末の製造法及びボンド磁石
JP3800589B2 (ja) SmFeN系磁石粉末及びそれを用いたボンド磁石
JP5019037B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP4370555B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粉末の製造法及びボンド磁石
JP6344129B2 (ja) 窒化鉄系磁性粉末及びそれを用いた磁石
JP2006002187A (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及び該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石
JP6519419B2 (ja) 窒化鉄系磁性粉末及びそれを用いたボンド磁石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4623308

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350