JP6567292B2 - 孔を有する金属板の製造方法、周設孔付外歯歯車の製造方法及び金属板の製造方法 - Google Patents

孔を有する金属板の製造方法、周設孔付外歯歯車の製造方法及び金属板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、打ち抜きによる孔を有する金属板の製造方法及び周設孔付外歯歯車の製造方法に関する。更に詳しくは、打ち抜かれた孔の内面が、平滑な表面になるようにした孔を有する金属板の製造方法及び周設孔付外歯歯車の製造方法に関する。また、本発明は、打ち抜きによる金属板の製造方法に関する。更に詳しくは、打ち抜かれた外側部の外面が、平滑な表面になるようにした金属板の製造方法に関する。
打ち抜きによって金属板に孔を形成することは一般に行われている。図27は従来技術による打ち抜き加工方法を示す。図27(1)は、ダイ100上に置かれた金属板101の途中までパンチ102が打ち込まれた状態を示す。この状態において、金属板101から、抜きカス103が破断面104で破断されることで、打ち抜いて形成している途中の貫通孔105の内周面には、破断面104が露出している。そして、パンチ102が更に下降すると、図27(2)に示すように、パンチ102の押圧によって破断面周辺の肉が下方へ移動する。そして、打ち抜き完了時には図27(3)に示すように、バリ106となる。
また、打ち抜きによって金属板に外側部を形成することも一般に行われている。図28は従来技術による打ち抜き加工方法を示す。図28(1)は、ダイ100A上に置かれた金属板素材101A’の途中までパンチ102Aが打ち込まれた状態を示す。この状態において、金属板素材101A’から、抜きカス103Aが破断面104Aで破断されることで、打ち抜いて形成している途中の外側部105Aの外周面には、破断面104Aが露出している。そして、図28(2)(3)に示すように、パンチ102Aが更に下降して打ち抜き完了すると、外側部105Aを有する金属板101A(製品)が得られる。
以上のように、貫通孔105に破断面104が露出して粗面になっているために、従来から打ち抜かれた孔105の内面を、平滑な表面に仕上げることが望まれていた。また、外側部105Aに破断面104Aが露出して粗面になっているために、従来から打ち抜かれた外側部105Aの外面を、平滑な表面に仕上げることが望まれていた。ここで、平滑な表面とは、孔や外側部の利用に十分な平滑度を備える表面を意味する。
このため、貫通孔の内面を平滑な表面に仕上げることを意図した出願が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の発明は、打ち抜き工程後に貫通孔の内面をシェービング加工するものである。
特開2002−206563号
しかし、特許文献1に記載の発明においては、打ち抜き工程の後に、貫通孔の内面や外側部の外面をシェービング加工するための工程が別途必要になるために、全体の工程に要する時間が増加し、煩雑となっていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、貫通孔の内面を平滑な表面になるように金属板を打ち抜くことができるようにした孔を有する金属板の製造方法、並びに当該方法によって製造された孔付き金属板、周設孔付外歯歯車、外歯歯車及びカム用金属板を提供することを目的とする。また、本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、外側部の外面を平滑な表面になるように金属板を打ち抜くことができるようにした金属板の製造方法及び当該方法によって製造された金属板を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記打抜加工工程の前に凹部形成工程を更に行い、前記凹部形成工程は、前記貫通孔を形成する位置に、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部を、前記金属板素材の表面に熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、前記凹部の前記傾斜状側面が前記凸部の前記ガイド面に当接するように前記金属板素材の表面をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行うことを特徴とする孔を有する金属板の製造方法。
2.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである前記1.に記載の孔を有する金属板の製造方法。
3.ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、前記貫通孔は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の内面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、前記金属板素材の他方の表面側の内面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、により構成されることを特徴とする孔を有する金属板の製造方法。
4.金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記外歯形成工程は、前記外歯部と、前記軸孔及び前記周設孔を形成する位置の前記金属板素材の表面に位置し、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部とを、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、前記凹部の前記傾斜状側面が前記凸部の前記ガイド面に当接するように前記金属板素材の表面をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行うことを特徴とする周設孔付外歯歯車の製造方法。
5.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである前記4.に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
6.金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、前記各孔は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の内面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、前記金属板素材の他方の表面側の内面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、により構成されることを特徴とする周設孔付外歯歯車の製造方法。
7.前記外歯形成工程の後に、前記金属板素材が前記外歯部の位置を基準にして位置決めされた状態で前記打抜加工工程を行う前記4.乃至6.のいずれか1項に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
8.前記打抜加工工程において、前記各周設孔は複数回に分けて形成され、前記各周設孔の形成は、既に形成された周設孔内にこの周設孔と同径のガイドピンを挿通した状態で行うことで既に形成した前記各周設孔の変形を防止する前記4.乃至7.のいずれか1項に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
9.ダイと、前記ダイ上に載置された金属板素材の上側に配される押し型と、前記ダイ上に載置された前記金属板素材の下側に配されるパンチと、を備えるプレス装置を用いて、前記ダイ上に載置された前記金属板素材に対して、前記押し型の筒状部による打ち抜きを行って外側部を形成するとともに、前記パンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程の前記押し型の筒状部による打ち抜きにおいて、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記打抜加工工程の前記パンチによる打ち抜きにおいて、前記貫通孔の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの中心軸側から離れる方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記打抜加工工程では、前記プレス装置によって、前記押し型の筒状部による打ち抜きと前記パンチによる打ち抜きとが所定の順序で行われることを特徴とする金属板の製造方法。
10.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである前記9.に記載の金属板の製造方法。
11.ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチ又は押し型による打ち抜きを行って外側部を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされ、前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、前記外側部は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の外面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、前記金属板素材の他方の表面側の外面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、により構成されることを特徴とする金属板の製造方法。
なお、参考形態の発明は以下のとおりである。
1.ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされることを特徴とする孔を有する金属板の製造方法。
2.前記打抜加工工程の前に凹部形成工程を更に行い、前記凹部形成工程は、前記貫通孔を形成する位置に、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部を、前記金属板素材の表面に熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、前記凹部の前記傾斜状側面が前記ガイド面に当接するように前記金属板素材をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行う前記1.に記載の孔を有する金属板の製造方法。
3.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである前記1.又は前記2.に記載の孔を有する金属板の製造方法。
4.金属板と、前記金属板に形成されている貫通孔と、を備え、前記貫通孔は、前記1.乃至前記3.のいずれかに記載の孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ前記貫通孔における前記金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されていることを特徴とする孔付き金属板。
5.金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされることを特徴とする周設孔付外歯歯車の製造方法。
6.前記外歯形成工程は、前記外歯部と、前記軸孔及び前記周設孔を形成する位置の前記金属板素材の表面に位置し、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部とを、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、前記凹部の前記傾斜状側面が前記ガイド面に当接するように前記金属板素材をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行う前記5.に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
7.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである前記5.又は前記6.に記載の孔を有する周設孔付外歯歯車の製造方法。
8.前記外歯形成工程の後に、前記金属板素材が前記外歯部の位置を基準にして位置決めされた状態で前記打抜加工工程を行う前記5.乃至前記7.のいずれかに記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
9.前記打抜加工工程において、前記各周設孔は複数回に分けて形成され、前記各周設孔の形成は、既に形成された周設孔内にこの周設孔と同径のガイドピンを挿通した状態で行うことで既に形成した前記各周設孔の変形を防止する前記5.乃至前記8.のいずれかに記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
10.金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備え、
前記軸孔及び前記各周設孔は、前記5.乃至前記9.のいずれかに記載の孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ前記各孔における前記金属板の一面側の内面が、前記打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されていることを特徴とする周設孔付外歯歯車。
11.金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備え、前記軸孔は、前記1.乃至前記3.のいずれかに記載の孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ前記軸孔における前記金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されていることを特徴とする外歯歯車。
12.金属板と、前記金属板に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記金属板の周縁に形成されている摺動面と、を備え、前記軸孔は、前記1.乃至前記3.のいずれかに記載の孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ前記軸孔における前記金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されていることを特徴とするカム用金属板。
13.ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチ又は押し型による打ち抜きを行って外側部を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされることを特徴とする金属板の製造方法。
14.前記打抜加工工程は、前記外側部を形成するとともに、前記金属板素材に対して前記パンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの中心軸側から離れる方向に押圧されて表面が平滑にされる上記13.記載の金属板の製造方法。
15.前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである上記13.又は14.に記載の金属板の製造方法。
16.上記13.乃至15.のいずれか一項に記載の金属板の製造方法によって製造された金属板であって、前記外側部における前記金属板の一面側の外面が、前記打ち抜き中に生じた前記一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されていることを特徴とする金属板。
金属板に貫通孔を打ち抜き形成する際、従来、孔の内面には、抜きカスが破断されることで生じた粗い破断面の表面が露出していた。また、破断面は、その多くが形成する貫通孔の内面となる位置よりも貫通孔の中心側に突出している一時残留部に形成されている。
本金属板の製造方法によれば、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされる。即ち、パンチの押圧面が、一時残留部を金属板素材の貫通孔周縁の肉の一部とさせ、且つ一時残留部の破断面を含む表面を押圧によって平滑な表面に形成させる。その結果、貫通孔の内面全体が、通常に剪断された剪断面を含めて平滑な表面となり、一時残留部が打抜加工工程後も略残留することがないため、シェービング加工や機械加工等の後加工を行う必要がない。
打抜加工工程の前に凹部形成工程を更に行い、前記凹部形成工程は、貫通孔を形成する位置に、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部を、金属板素材の表面に熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、打抜加工工程において、ダイのダイ孔の周縁に凸部が金属板素材側に向かって立設しており、凸部は、一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、凹部の傾斜状側面がガイド面に当接するように金属板素材をダイ上に載置した状態で打ち抜きを行う場合は、パンチの押圧によって一時残留部が金属板素材の貫通孔の内面側へ流れるよう、ガイド面がその面に沿うようにガイドすることにより、より効率よく一時残留部を貫通孔周縁の肉の一部にすることができる。一時残留部が効率よく貫通孔周縁の一部となることから、貫通孔の内面を更に平滑な表面とすることができ、しかも、一時残留部がそのまま残ってバリとなることを更に抑制することができる。また、凹部の形成に要する時間を機械加工と比べて極めて短くすることができる。
尚、凹部の形状は特に問わず、円錐面、角錐面のような様々な形状の傾斜状側面を備える形状とすることができる。
平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである場合は、内面のシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程が不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
本孔付き金属板によれば、貫通孔における金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されているため、孔の内面が、一時残留部を押圧して形成した面によって構成されている部位を含めて平滑な表面になり、シェービング加工や機械加工等の後加工を行う必要がない。
周設孔付外歯歯車の製造方法によれば、金属板と、金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、軸孔の周囲の金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備え、外歯部を形成する外歯形成工程と、軸孔及び各周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、打抜加工工程は、軸孔及び各周設孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成するため、軸孔及び各周設孔の内面を更に平滑な表面とすることができ、しかも、バリの発生も抑制されるため、軸孔及び各周設孔を打ち抜いた後に各孔を整える工程を省略することができ、周設孔付外歯歯車の製造に必要な時間を大幅に短縮することができる。
外歯形成工程は、外歯部と、軸孔及び周設孔を形成する位置の金属板素材の表面に位置し、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部とを、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程である場合は、外歯部と凹部を鍛造による1工程で形成することができるため、周設孔付外歯歯車の製造に必要な時間を短いものとすることができる。また、一時残留部が効率よく貫通孔周縁の一部となることから、貫通孔の内面を更に平滑な表面とすることができ、しかも、一時残留部がそのまま残ってバリとなることを更に抑制することができる。
外歯形成工程の後に、金属板素材が位置決めされた状態で打抜加工工程を行う場合は、軸孔及び各周設孔の位置を精度良く決定することができ、高精度な周設孔付外歯歯車を製造することができる。
打抜加工工程において、各周設孔は複数回に分けて形成され、各周設孔の形成は、既に形成された周設孔内にこの周設孔と同径のガイドピンを挿通した状態で行うことで既に形成した各周設孔の変形を防止する場合は、複数の周設孔を順次形成しても既に形成した各周設孔をガイドピンで保護して変形を防止するため、各周設孔の精度を保つことができ、高精度な歯車を製造することができる。
このようにして製造される本周設孔付外歯歯車によれば、軸孔及び各周設孔の内面を更に平滑な表面とすることができ、しかも、バリの発生も抑制されるため、軸孔及び各周設孔を打ち抜いた後に各孔のバリ取りを行う工程を簡略又は省略することができ、周設孔付外歯歯車の製造必要な時間を大幅に短縮することができる。
本外歯歯車によれば、軸孔は、本孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ軸孔における金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されているため、軸孔の内面を更に平滑な表面とした外歯歯車とすることができる。しかも、バリの発生も抑制されるため、軸孔を打ち抜いた後に軸孔のバリ取りを行う工程を簡略又は省略することができ、外歯歯車の製造必要な時間を短縮することができる。
本カム用金属板によれば、金属板と、金属板に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周縁に形成されている摺動面と、を備え、軸孔は、本孔を有する金属板の製造方法によって製造されており、且つ軸孔における金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されているため、軸孔の内面を更に平滑な表面としたカム用金属板とすることができる。そして、本カム用金属板は、回転軸が嵌め込まれ、摺動面に従節を接触させた状態で回転軸を回動させると、摺動面上を従節が摺動し、周縁の輪郭に追従して従節が動作する板カムと同様に機能させることができる。しかも、本カム用金属板によれば、バリの発生も抑制されるため、軸孔を打ち抜いた後に軸孔のバリ取りを行う工程を簡略又は省略することができ、カム用金属板の製造必要な時間を短縮することができる。
金属板の外側部を打ち抜き形成する際、従来、外側部の外面には、抜きカスが破断されることで生じた粗い破断面の表面が露出していた。
本金属板の製造方法によれば、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチ又は押し型による打ち抜きを行って外側部を形成する打抜加工工程を備え、打抜加工工程において、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされる。即ち、ダイ孔の押圧面が、一時残留部を金属板素材の外側部周縁の肉の一部とさせ、且つ一時残留部の破断面を含む表面を押圧によって平滑な表面に形成させる。その結果、外側部の外面全体が、通常に剪断された剪断面を含めて平滑な表面となり、一時残留部が打抜加工工程後も略残留することがないため、シェービング加工や機械加工等の後加工を行う必要がない。
前記打抜加工工程は、前記外側部を形成するとともに、前記金属板素材に対して前記パンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの中心軸側から離れる方向に押圧されて表面が平滑にされる場合は、パンチの押圧面が、一時残留部を金属板素材の貫通孔周縁の肉の一部とさせ、且つ一時残留部の破断面を含む表面を押圧によって平滑な表面に形成させる。その結果、外側部の外面全体とともに貫通孔の内面全体が、通常に剪断された剪断面を含めて平滑な表面となり、一時残留部が打抜加工工程後も略残留することがないため、シェービング加工や機械加工等の後加工を行う必要がない。
平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである場合は、外面のシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程が不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
本金属板によれば、外側部における金属板の一面側の外面が、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されているため、外側部の外面が、一時残留部を押圧して形成した面によって構成されている部位を含めて平滑な表面になり、シェービング加工や機械加工等の後加工を行う必要がない。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
打抜加工工程を実施するための金属板素材、パンチ、ダイの位置関係を示す側面図である。 金属板素材にパンチが若干侵入した状態の断面図である。 パンチが図2に示す状態から更に深く金属板素材内へ侵入した状態の断面図である。 パンチが図3に示す状態から更に深く金属板素材内へ侵入した状態の断面図である。 パンチが図4に示す状態から更に深く金属板素材内へ侵入した状態の断面図である。 金属板に貫通孔が形成された状態の金属板の断面図である。 凹部形成工程を示し、(1)金属板素材の上方に型を配置した状態の側面図、(2)金属板素材の表面が型で押圧された状態の側面図、(3)金属板素材表面から型が離れた状態を示す側面図である。 (1)ダイに載置された金属板素材の上方にパンチが配置された状態の側面図、 (2)パンチが金属板素材内へ若干侵入した状態を示す金属板素材の断面図である。 (3)図8(2)に示す状態からパンチが更に金属板素材内へ侵入した状態の断面図、(4)パンチが金属板を打ち抜いた状態を示す金属板の断面図である。 他の実施形態において、(1)周設孔付外歯歯車の正面図、(2)(1)のX−X線断面図である。 他の実施形態において、(1)軸孔用凹部、周設孔用凹部が形成された金属板素材の正面図、(2)(1)のX―X線断面図である。 他の実施形態において、(1)図11に示す状態から軸孔を打ち抜いた状態の金属板素材の正面図、(2)(1)のX―X線断面図である。 他の実施形態において、(1)軸孔と2つの周設孔が形成された状態の金属板素材の正面図、(2)(1)のX―X線断面図である。 他の実施形態において、軸孔と4つの周設孔が形成された状態の金属板素材の正面図である。 他の実施形態において、軸孔と、2つの周設孔にガイドピンが挿入され、4つの周設孔用凹部にガイドピンが嵌った状態の金属板素材の正面図である。 他の実施形態において、図15のX―X線断面図である。 他の実施形態において、図15のY―Y線断面図である。 他の実施形態において、ダイ、金属板、及びパンチの関係を示す断面図である。 実施形態に係る金属板の製造方法で用いるプレス装置の縦断面図である。 上記金属板の製造方法を説明するための説明図であり、(1)はパンチにより金属板素材が破断された状態を示し、(2)はパンチとダイとの間で外側部が形成される途中の状態を示し、(3)は外側部が形成された金属板が得られた状態を示す。 図20の要部拡大図であり、(1)はA矢視部を示し、(2)はB矢視部を示し、(3)はC矢視部を示す。 他の実施形態に係る金属板の製造方法を説明するための説明図であり、(1)はダイ上に金属板素材が載置された状態を示し、(2)は押し型とダイとの間で外側部が形成される途中の状態を示し、(3)は外側部及び貫通孔が形成された金属板が得られた状態を示す。 図22の要部拡大図であり、(1)はA矢視部を示し、(2)はB矢視部を示す。 更に他の実施形態に係る金属板の製造方法を説明するための説明図であり、(1)はパンチ上に金属板素材が載置された状態を示し、(2)は押し型とパンチとの間で貫通孔が形成された状態を示し、(3)外側部及び貫通孔が形成された金属板が得られた状態を示す。 図24の要部拡大図であり、(1)はA矢視部を示し、(2)はB矢視部を示す。 上記金属板の製造方法で得られる金属板の平面図であり、(1)は外側部及び貫通孔の外周が円形である形態を示し、(2)は外側部及び貫通孔の外周が多角形である形態を示し、(3)外側部及び貫通孔の外周が歯車の歯形である形態を示す。 従来技術による孔打抜き方法を示す説明図である。 従来技術による外側打抜き方法を示す説明図である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本孔を有する金属板の製造方法は、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を少なくとも備える製造方法である。また、凹部形成工程を更に備えることができ、凹部形成工程、打抜加工工程の順に実施することができる。
本製造方法によって製造される孔を有する金属板の材質、大きさ、厚みは特に問わない。また、本製造方法によって製造される貫通孔の用途も特に問わず、例えば、各種軸を固定・挿通する孔、ねじ等の締結部材を固定する孔等を挙げることができる。
更に、孔を有する金属板の具体例な用途として、(1)金属板と、金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周縁に形成されている外歯部とを備える外歯歯車、(2)金属板と、金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、軸孔の周囲に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える遊星歯車用の周設孔付外歯歯車、(3)金属板と、金属板に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周縁に形成されている摺動面と、を備えるカム用金属板等を挙げることができる。尚、前記カム用金属板は、回転軸に差し込まれ、摺動面に従節を接触させた状態で回転軸を回動させると、摺動面上を従節が摺動し、周縁の輪郭に追従して従節が動作する板カムと同様に機能させることができる。また、摺動面は通常金属板の側面に設けられる。
また、前記各用途に限らず任意の用途に用いることができる。例えば、(4)円板状の金属板と、金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周に沿って形成されており且つピンが取り付けられる複数個の周設孔と、を備えるピン歯車を挙げることができる。
前記打抜加工工程において、貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、貫通孔のダイ側の周縁部であって、貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、一時残留部が、打ち抜きに伴いパンチの先端周縁に具備する押圧面によって、パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされる。
本打抜加工工程に用いるパンチは、図1のパンチ1に例示するように、その先端周縁2に押圧面3を備える。この押圧面3は、パンチ1の先端の周縁を面取り等して傾斜面とした形状であり、打ち抜き時に一時残留部を側面方向に押圧する。押圧面3の面取りの角度Kは、打ち抜きする金属板の材質や打ち抜き速度等によって適宜設定されている。また、面取りの距離Dも適宜設定される。
破断面は、図3に例示するように、本工程によりパンチ1によって金属板素材4に貫通孔を形成する途中において、打ち抜きカス6の破断に伴って前記孔のダイ側の周縁部81の金属板素材4に生じる面7である。この破断面7は、形成される貫通孔の内面となる位置82より、孔の中心側に突出している。また、破断面7が生じたときに、位置82よりも孔の中心側に突出する金属板素材4の部位を一時残留部9とする。尚、打ち抜き完了時には金属板40に一時残留部9といえる部分は略なくなる。
前記側面方向とは、パンチの中心軸からパンチの側面の方向に向かう方向である。より具体的には、図1に例示するように、パンチ1の打ち抜き方向Aに対して直角となる方向C及び前記方向Cよりも打ち抜き方向Aとなる斜め方向(例えば斜め外方向Bを挙げることができる。)である。この角度は、金属板の材質や打ち抜き速度等によって適宜設定される。
一時残留部の破断面を含む表面をパンチが押圧することによって形成される表面の前記平滑は、貫通孔内面において破断面が生じることなく打ち抜かれた剪断面と、同程度(例えば、同じ粗さ区分)の表面粗度を備えていればよい。この表面粗度は、打ち抜き条件によって適宜変化するが、例えばJIS B0601:2013(ISO 4287:1997)に準じる算術平均粗さが0.04〜0.4μm(より好ましくは0.05〜0.1μm)の範囲であることを挙げることができる。
前記凹部形成工程は、金属板の表面に底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部を、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程である。
前記底面は、パンチによって全て打ち抜かれ、その形状はパンチの打ち抜き形状に合わせて適宜選択される。前記傾斜状側面は、パンチの打ち抜き方向に対して傾斜している面である。傾斜状側面の傾斜角度E(図7(3)に例示する傾斜状側面26の傾斜角度Eを参照。)は適宜設定され、金属板の表面に対して1〜60°とするのが好ましい。
前記凹部は、貫通孔が内側に収まる大きさであって、後工程の打抜加工工程によって、その底部の全てが打ち抜かれる。また、傾斜状側面の底部側が打ち抜かれてもよい。更に、底面と傾斜状側面との間に屈曲部位等の境界がなく、凹部全体が椀等のように半球形状等であっても良い。尚、凹部の形成は、熱間鍛造又は冷間鍛造によって行われるが、熱間鍛造がより好ましい。容易に凹部を形成することができるからである。また、熱間鍛造を要する金属板の外周形状を形成する工程と同時に行うことができる。
凹部が形成された金属板に打抜加工工程による貫通孔を形成する際、ダイ孔に凸部を立設したダイを用いて打ち抜きを行う。前記凸部は、図8(1)、(2)に例示するように、ダイ29のダイ孔の周縁に凸部が金属板側に向かって立設している。また、凸部は、一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備する。凸部のより具体的な形状は金属板の凹部と当接可能な形状であり、例えば凹部の形状が円錐台形状であれば、凸部は、その円錐台と略同じ直径であり、ダイ孔となる位置が貫通する円錐台形状となる。また、ガイド面の角度は、傾斜状側面の傾斜角度Eと略同じ角度であり、ダイの表面に対して1〜60°とするのが好ましい。
そして、凹部の傾斜状側面がガイド面に当接するように金属板をダイ上に載置した状態で打ち抜きを行う。尚、凹部形成工程は、凹部を形成する際に、他の加工を同時に行ってもよい。例えば、金属板の周縁の打ち抜きを行って歯車の外歯等を形成することができる。
このような製造方法で製造された貫通孔を有する金属板は、貫通孔における金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた破断面を含む一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されている。この金属板の一面側の内面とは、打抜加工工程においてダイと対向する面側となる内面である。例えば図6において、ダイ5に載置された金属板素材4のダイ5と対向する面側に位置する面71という。この面71は、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで平滑な表面に形成される。
尚、前記に挙げた孔を有する金属板の具体例においても同様に製造することができる。例えば、(1)金属板と、金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周縁に形成されている外歯部とを備える外歯歯車であって、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って前記軸孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記軸孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記軸孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記軸孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされる製造方法とすることができる。
尚、外歯部は、打抜加工工程の前に形成しても良いし、打抜加工工程の後に形成してもよい。また、前記製造方法は、前記打抜加工工程の前に前記凹部形成工程を更に行うことができる。更に、前記凹部形成工程において凹部と同時に外歯部を形成しても良い。
更に、(2)金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされる製造方法とすることができる。
また、前記外歯形成工程は、前記外歯部と、前記軸孔及び前記周設孔を形成する位置の前記金属板素材の表面に位置し、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部とを、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、前記凹部の前記傾斜状側面が前記ガイド面に当接するように前記金属板素材をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行う。また、外歯形成工程は凹部の形成と別工程としてもよい。
前記外歯形成工程の後に、前記金属板素材が前記外歯部の位置を基準にして位置決めされた状態で前記打抜加工工程を行うことができる。金属板素材の位置決め方法は、任意に選択できるが、例えば、金属板素材の周縁を把持して固定する方法を挙げることができる。
(3)金属板と、金属板に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、金属板の周縁に形成されている摺動面と、を備えるカム用金属板であって、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って前記軸孔を形成する打抜加工工程を備え、前記打抜加工工程において、前記軸孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記軸孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記軸孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされる製造方法とすることができる。
尚、摺動面は、打抜加工工程の前に形成しても良いし、打抜加工工程の後に形成してもよい。また、前記製造方法は、前記打抜加工工程の前に前記凹部形成工程を更に行うことができる。更に、前記凹部形成工程において凹部と同時に摺動面を形成しても良い。
本金属板の製造方法は、ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチ又は押し型による打ち抜きを行って外側部を形成する打抜加工工程を少なくとも備える製造方法である。
本製造方法によって製造される金属板の材質、大きさ、厚みは特に問わない。また、本製造方法によって製造される外側部の用途も特に問わず、例えば、歯車の歯部、カムが摺動する摺動部、円周部等を挙げることができる。
前記打抜加工工程において、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、その後、一時残留部が、打ち抜きに伴いダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされる。
本打抜加工工程に用いるダイは、図19のダイ12に例示するように、そのダイ孔13の先端周縁に押圧面13aを備える。この押圧面13aは、ダイ孔13の先端周縁を面取り等して傾斜面とした形状であり、打ち抜き時に図20に例示する一時残留部R1をダイ孔13の中心軸側に向かう方向に押圧する。押圧面13aの面取りの角度Kは、打ち抜きする金属板の材質や打ち抜き速度等によって適宜設定されている。また、面取りの距離Dも適宜設定される。なお、上記押圧面13aの面取りの角度Kとしては、SUJ2等の軸受鋼からなる金属板である場合、例えば1〜65°を挙げることができる。この範囲を越えると、加工後の破断が大きくなりすぎ、平滑な表面が形成されにくいためである
破断面は、図21(1)に例示するように、本工程によりダイ12によって金属板素材W’に外側部17を形成する途中において、打ち抜きカスS1の破断に伴って前記外側部17の周縁部となる金属板素材W’の部分に生じる面である。この破断面の少なくとも一部は、外側部17の外面となる位置P1より外側に突出している。また、破断面が生じたときに、外側部17の位置P1より外側に突出する金属板素材W’の部位を一時残留部R1とする。尚、打ち抜き完了時には金属板Wに一時残留部R1といえる部分は略なくなる。
前記ダイ孔13の中心軸側に向かう方向としては、例えば、図19(1)に例示するように、パンチ15の打ち抜き方向Aに対して直角となる方向C、前記方向Cと鋭角で交差する斜め方向(例えば斜め外方向Bを挙げることができる。)等を挙げることができる。この角度は、金属板の材質や打ち抜き速度等によって適宜設定される。
前記打抜加工工程は、例えば、前記外側部を形成するとともに、前記金属板素材に対して前記パンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する工程であることができる。
前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出するように一時残留部が生じ、その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの中心軸側から離れる方向に押圧されて表面が平滑にされる。
なお、前記貫通孔の打抜加工工程は、例えば、上述の孔を有する金属板の製造方法で説明した打抜加工工程の構成を適用できる。
前記外側部及び貫通孔を形成する場合、例えば、図22に示すように、ダイ62と、ダイ62に対してセットされた金属板素材W’の上側に配される押し型64と、セットされた金属板素材W’の下側に配されるパンチ65と、を備えるプレス装置を用い、ダイ62上に載置された金属板素材W’を押し型64により押圧することで、ダイ孔63の押圧面63aで一時残留部を押圧して表面が平滑化された外側部67を形成し、その後、パンチ65上に載置された金属板素材W’を押し型64により更に押圧することで、パンチ65の押圧面65aで一時残留部を押圧して表面が平滑化された貫通孔68を形成することができる。
また、例えば、図24に示すように、ダイ72と、ダイ72に対してセットされた金属板素材W’の上側に配される押し型74と、セットされた金属板素材W’の下側に配されるパンチ75と、を備えるプレス装置を用い、パンチ75上に載置された金属板素材W’を押し型74により押圧することで、パンチ75の押圧面75で一時残留部を押圧して表面が平滑化された貫通孔78を形成し、その後、ダイ72上に載置された金属板素材W’を押し型74により更に押圧することで、ダイ孔73の押圧面73aで一時残留部を押圧して表面が平滑化された外側部77を形成することができる。
一時残留部の破断面を含む表面をダイ孔の押圧面(又はパンチの押圧面)が押圧することによって形成される表面の前記平滑は、外側部の外面(又は貫通孔の内面)において破断面が生じることなく打ち抜かれた剪断面と、同程度(例えば、同じ粗さ区分)の表面粗度を備えていればよい。この表面粗度は、打ち抜き条件によって適宜変化するが、例えばJIS B0601:2013(ISO 4287:1997)に準じる算術平均粗さが0.04〜0.4μm(より好ましくは0.05〜0.1μm)の範囲であることを挙げることができる。
前記製造方法で製造された金属板は、外側部における金属板の一面側の外面が、打ち抜き中に生じた破断面を含む一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されている。
前記外側部及び貫通孔を形成する場合、例えば、外側部における金属板の一面側の外面とともに貫通孔における金属板の一面側の内面が、打ち抜き中に生じた破断面を含む一時残留部を押圧することで形成される平滑な表面によって構成されている。
前記金属板の一面側の外面は、例えば図21(3)において、パンチ15で押圧された面側に位置する面F1であったり、例えば図23(2)において、押し型64で押圧された面側に位置する面F1、F2であったり、例えば図25(2)において、押し型74で押圧された面側に位置する面F1、F2であったりする。この面F1、F2は、打ち抜き中に生じた一時残留部を押圧することで平滑な表面に形成される。
(第1実施形態)
以下、金属板に円形の貫通孔を打ち抜き形成する実施形態に基づき、本孔を有する金属板の製造方法を説明する。尚、本製造方法は、円孔に限らず、角孔等、様々な形状の孔を打ち抜き形成することができる。
本製造方法で用いるプレス装置のパンチ1は、図1に例示するように、先端側が円柱状に形成され、且つ先端周縁2は、パンチ1の打ち抜き方向Aに対して側面方向となる斜め外方向Bを向く押圧面3になるように面取りされている。押圧面3の面取りの角度Kは打ち抜きする金属板の材質や打ち抜き速度等によって適宜設定されるが、SUJ2等の軸受鋼からなる金属板である場合、例えば1〜65°を挙げることができる。この範囲を越えると、加工後の破断が大きくなりすぎ、平滑な表面が形成されにくいためである。また、面取りの距離Dも適宜設定される。
次に、このパンチ1を用いて、外歯歯車として用いる金属板素材4に貫通孔を打ち抜き形成する打抜加工工程について説明する。本打抜加工工程は、図1に例示するように、貫通孔を形成するべきSUJ2等の軸受鋼からなる金属板素材4をプレス装置のダイ5に載置し、金属板素材4の上方にパンチ1を配置する。その後、図2に例示するように、パンチ1を下降させてパンチ1を金属板素材4内へ沈み込ませると、金属板素材4の抜きカス6となる部位が下方へ位置ずれする。次いで、図3に例示するように、パンチ1を更に下降させると、金属板素材4のダイ5側の周縁部81の付近が破断し、貫通孔8の内面となる位置82より内側に位置する一時残留部9等に破断面7が出現する。同時に、金属板素材4の破断面7を境として抜きカス6が分離する。
そして、パンチ1が更に下降すると、パンチ1の押圧面3が図3における斜め下方へ押圧する力F1の分力F2によって、破断面7の端から一時残留部9を貫通孔8のダイ5側の周縁部81側へ向けて押圧しつつ下降する。押圧面3により押圧される一時残留部9は、貫通孔8の内面となる位置まで押圧されて金属板素材4の肉の一部となっていく。
更に、残存する一時残留部9の肉(金属板素材4の肉の一部になりきれなかった部位)は、パンチ1の押圧面3の分力F3によって下方へ押圧されて、図4に示すように下方への膨らみ部10となる。膨らみ部10は、図5に示すようにパンチ1の下降に伴って金属板素材4より下方に移動し、結果として図6に示すように、小さなバリ11となる。
そして、パンチ1が金属板素材4を打ち抜いて貫通孔8が形成された金属板40となる頃には、一時残留部9が押圧によって平滑な表面71となる。
(第1実施形態の効果)
以上のように、打抜加工工程において、パンチ1の押圧面3が、金属板素材4の貫通孔8内面となる位置に残っている一時残留部9を貫通孔8の内面となる位置まで押圧しつつ下方へ移動させる。そして、打抜加工工程後において、図6に示すように形成された貫通孔8はわずかなバリ11の発生が認められるが、貫通孔8の金属板素材4の一面側の内面、即ち本実施形態においては、ダイと対向する側の内面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面71が形成されている。この表面71の算術平均粗さは0.04〜0.4μm程度である。このため、打抜加工工程後は、従来技術のようにシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程は不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
尚、平滑に形成された表面71付近の金属板40は、押圧により一時残留部9に位置していた肉が含まれているため、他の金属板40の部位と比べて圧縮されて、加工硬化した組織となっている。このため、対象となる製品によっては熱処理を省略することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、金属板素材21に図7に例示する凹部形成工程と、図8及び図9に例示する打抜加工工程とを順に実施して金属板20を得る。凹部形成工程は、図7(3)に例示するように、金属板素材21の表面に凹部22を形成する工程である。
(凹部形成工程)
凹部形成工程は、始めに図7(1)に例示するように、加熱した金属板素材21を載置台(図示せず)上にセットし、金属板素材21の上方には加工用型23を配置する。この状態から加工用型23を下降させ、図7(2)に例示するように、加工用型23で金属板素材21の表面24を押圧する熱間鍛造をすることで、図7(3)に例示するように、金属板素材21の表面に凹部22を形成する。尚、凹部22は冷間鍛造によって形成してもよい。
形成された凹部22は、加工用型23の先端部と同形であり、凹部22は底面25と傾斜状側面26を備える。凹部22の底面25と、底面25側の傾斜状側面261とを含む部位は、打ち抜きによって取り除かれる。また、打ち抜き後に残る傾斜状側面262は、貫通孔の面取りとして効果を奏することができる。傾斜状側面26は本例においては円錐面になっているがこれに限られない。
(打抜加工工程)
次に、図8及び図9は、前述のように金属板素材21に形成された凹部22の内側をパンチ27で打ち抜き、金属板を得る工程を段階的に示している。図8(1)に例示するように、パンチ27の外形は第1実施形態で示したパンチ1と同形であり、パンチ27の先端周縁2には押圧面28が形成されている。また、ダイ29は、ダイ孔30の縁に凸部31が形成された形状をしている。凸部31は、ダイ29の表面291から金属板素材21側に突出するように立設しており、ダイ孔30の縁に沿って立設して中心部が貫通する円錐台の形状となっている。内側面311はダイ孔30の内面に面一となっており、凸部31の外側面は、円錐台の錐面となっており、打ち抜き方向Aに対して傾斜するガイド面32になっている。ガイド面32は、打ち抜き中に生じる一時残留部37が押圧される方向が方向Bとなるようにガイドする。ガイド面32の傾斜角度Eは、1〜60°が好ましい。更に、パンチ27の押圧面28に対して垂直となる方向Bと略平行となるように形成されているとより好ましい。
打抜加工工程は始めに図8(1)に例示するように、金属板素材21をダイ29上にセットする。ここで、金属板素材21の凹部22の傾斜状側面26は、図8(1)に例示するように、金属板素材21をダイ29上にセットする際、ダイ29のガイド面32に当接するように形成されている。また、金属板素材21の上方には所定の外径のパンチ27を配置する。パンチ27の外径としては図8(1)に例示するように、パンチ27の外側面33の延長線34が金属板素材21の凹部22の傾斜状側面26に掛かる大きさのものを選択する。つまり、凹部22の底面25から凹部22の底面25側の傾斜状側面261に渡って一度に打ち抜くことができる外径を有するパンチ27を用いる。
そして、図8(1)に例示する状態からパンチ27を下降させると、図8(2)に示すように金属板素材21が破断して破断面35が発生し、抜きカス36が破断面35から分離する。
この状態からパンチ27が更に下降すると、図9(3)に示すように、パンチ27の押圧面28で押圧された破断面35の端が、ダイ29の傾斜するガイド面32によって、図に示すG方向へ流れるようにガイドされる。そして、破断面35付近の一時残留部37は、金属板素材21の貫通孔38の周縁部381となる位置まで押圧されて金属板素材21の肉の一部になる。そして、図9(4)に例示するように残存する一時残留部37(金属板素材21の肉の一部にならなかった部位)は、バリ39となる。また、傾斜状側面のうち、凹部22の縁側となる傾斜状側面262が残存する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態において、パンチ27の押圧面28により押圧された破断面35を含む一時残留部37は、図9(3)に示すように、ダイ29のガイド面32によってダイ29側の周縁部381に流れるようにガイドされて、その表面は平滑となる。また、周縁部381に流れることなく残った一部の一時残留部37は、図9(4)に示すようにバリ39となるが、その量は第1実施形態の場合よりも少ない。つまり、第2実施形態においては、貫通孔38の内面が平滑な表面になる上にバリ39の発生も少なくなるように抑制される。貫通孔38の周縁には傾斜状側面262が残っており、この傾斜状側面262が面取りと同様の効果を奏することができる。このために、別途、面取りを実施する工程は不要となり、作業が簡略化する。
尚、前述の凹部形成工程においては、図7に示すように、凹部22の傾斜状側面26を円錐面に形成した場合について説明したが、加工用型23の先端形状を角錐型のものに変えることで、凹部22の傾斜状側面26を角錐面にすることができる。
更に、機械加工を用いることなく、熱間鍛造等による凹部22を形成し、打抜加工によって金属板素材21に容易に貫通孔38を形成することができるため、機械加工と比べて極めて短時間で孔付き金属板を製造することができ、人手も掛からない。また、凹部形成工程及び打抜加工工程は、各工程により生じる残留応力が機械加工と同等であるため、後の工程で熱処理を行っても反り等のリスクが生じにくい。
(遊星歯車用の周設孔付外歯歯車の製造方法)
第3の実施形態として、前述した凹部形成工程及び打抜加工工程を用いて、遊星歯車用の周設孔付外歯歯車を作製する方法について説明する。先ず、図10に示すように、周設孔付外歯歯車41には、円形の金属板42の外周に沿って歯が設けられた外歯部43と、金属板42の中心に設けられた軸孔44と、軸孔44を中心にして軸孔44を囲むように設けられた複数個の周設孔45とが形成されている。
外歯部43は遊星キャリアとして回転する金属板42の動きを伝達するための歯車の外歯である。外歯部43の外径、歯の形状や個数は用途に応じて適宜設定される。
軸孔44は回転軸を挿通するための孔であり、軸孔44の形状は回転軸の形状に合わせて決められ、また、軸孔44の径は回転軸の径に応じて設定される。周設孔付外歯歯車41の外径、外歯部43の歯の形状や個数、軸孔の径、周設孔の径、個数等は用途に応じて適宜変更することができる。例えば、本実施例の直径が250mmの周設孔付外歯歯車においては、周設孔45の個数は2〜8個とすることができる。また、本実施例の厚みは1〜50mmであるがこれに限られず、直径に応じて適宜選択される。
周設孔45は、遊星歯車の回転軸を金属板42に挿通して固定するための孔である。周設孔45は用いる遊星歯車の個数だけ設けられ、周設孔45の径は遊星歯車の回転軸の径に相応した径とする。また、周設孔45の孔形状は円形の他、任意の角形にすることができる。
次に、第2実施形態で例示した製造方法を用いて、周設孔付外歯歯車41を製造する工程について説明する。周設孔付外歯歯車を製造する工程は、外歯形成工程、軸孔形成工程、周設孔形成工程から構成され、外歯形成工程、軸孔形成工程、周設孔形成工程の順に実行されることができる。これら各工程のうち、軸孔形成工程及び周設孔形成工程において本製造方法が実施される。
以下に各工程について順を追って説明する。
(外歯形成工程)
外歯形成工程は、円形の金属板素材から図11に例示する第1中間加工物51を得る工程である。ここで、第1中間加工物51とは、金属板素材48に外歯部43と軸孔用凹部46、周設孔用凹部47が設けられた状態の加工物である。
この工程において、軸孔用凹部46、及び周設孔用凹部47は金属板素材48の表面に対して第2実施形態で例示した凹部形成工程を実行することで形成され、外歯部43は金属板素材48の外周に従来の打抜加工を実行することによって形成される。ここで、軸孔用凹部46は、図10に示す軸孔44が形成されるべき位置に設けられ、周設孔用凹部47は図10に示す周設孔45が形成されるべき位置に設けられている。
尚、軸孔用凹部46と周設孔用凹部47を形成する本凹部形成工程と、外歯部43を形成する打ち抜き加工の工程とは、本外歯形成工程により一度に実行することが好ましいが、各工程を別々に実行しても良い。また、本実施形態の図面においては、金属板素材48の表裏両面に凹部形成工程を実施して金属板素材48の表裏両面に軸孔用凹部46と周設孔用凹部47を形成した例を示しているが、金属板素材48の一面にのみ凹部形成工程を実施するようにしても良い。
(熱処理工程)
熱処理工程は、前述の外歯形成工程で形成された第1中間加工物51に焼入れする工程である。この工程における熱処理の条件は特に問わず、通常の焼入れ条件であればよい。また、熱処理の後、ショットブラスト加工を行って第1中間加工物51の表面を加工してもよい。ショットブラスト加工の条件も特に問わない。更に、熱処理後に、第1中間加工物51に対して、外歯部43等の形状を整える仕上げ打ちを行ってもよい。この仕上げ打ちは、例えば、所定形状のダイスに対して、熱処理した第1中間加工物51をその厚み方向に通すことによって行われる。
(軸孔形成工程)
次に、図12に基づき軸孔形成工程について説明する。軸孔形成工程は、図11に例示した第1中間加工物51の軸孔用凹部46に対して第2実施形態で例示した打抜加工工程を実行して軸孔44を形成することで第2中間加工物52を形成する工程である。軸孔形成工程においては、外歯部43を挟持した状態で図11に例示する軸孔用凹部46に対して軸孔44を形成すれば、外歯部43を基準にして第1中間加工物51が位置決めされた状態で図12に例示する軸孔44が形成されることになり、軸孔44の加工精度を高めることができる。軸孔44の縁には、図9(4)に示す傾斜状側面262と同様な傾斜状側面44aが形成されている。
(周設孔形成工程)
次に、図13及び図14に基づき周設孔形成工程について説明する。周設孔形成工程は、図12に例示した第2中間加工物52の周設孔用凹部47に対して第2実施形態で例示した打抜加工工程を実行して周設孔45を形成する工程である。本工程においては、一度の打ち抜き加工によって全ての周設孔45を形成してもよいし、一度に1又は2以上の周設孔45を打ち抜き加工することを繰り返してもよい。しかし、周設孔45の打ち抜きを複数回に分けて実行したほうが、一度に全ての周設孔45を打ち抜き加工するよりも、打ち抜き加工の際の圧力を低くすることができるために好ましい。
更に、周設孔45の個数が偶数個の場合、軸孔44を中心にして対称の位置にある周設孔用凹部47同士を同時に打ち抜くことが好ましい。例えば、図13に例示するように、軸孔44を中心にして対称の位置にある二つの周設孔45a、45aを最初に形成し、次に、図14に示すように、これら周設孔45a、45aのそれぞれ左隣に位置する二つの周設孔45b、45bを形成する。その後、これら周設孔45b、45bのそれぞれ左隣に位置する二つの周設孔用凹部47cと、更に左隣に位置する二つの周設孔用凹部47dに順次周設孔を形成する。図14に例示するように、周設孔45aの縁には、図9(4)に示す傾斜状側面26と同様な傾斜状側面45eが形成され、同じく、周設孔45bの縁にも傾斜状側面45eが形成されている。
また、前述のように、複数個の周設孔を分けて形成する場合、既に形成されている軸孔44と、既に形成されている周設孔45に対してガイドピンをそれぞれ挿入して保護することで、新たな周設孔45を形成する際に、既に形成されている軸孔44と周設孔45の変形を防止することができる。ガイドピンは、軸孔44、周設孔45とそれぞれ略同じ径の円柱体であって既存の軸孔44と既存の周設孔45に挿入され、新たな周設孔45の形成時に打ち抜きに伴って生じる応力によって既存の軸孔44や周設孔45が変形することを防止する。本実施例においては全8箇所の周設孔45のうち、1度に2箇所の周設孔45を形成するため、軸孔44用のガイドピンと、残りの6箇所分の周設孔45用のガイドピンを備える。
例えば、図15に示すように、軸孔44と、2つの周設孔45a、45aが形成され、他の周設孔は未だ形成されずに周設孔用凹部47になっている場合、軸孔44用のガイドピン53は軸孔44上に配置され、周設孔45用のガイドピンは4つの加工前の周設孔用凹部47上、及び2つの周設孔45a上に配置される。また、既に形成された軸孔44にはガイドピン53が挿入される。更に、これからパンチ55により周設孔(45b)が形成される周設孔用凹部47bを除いて、既に形成された周設孔45aにはガイドピン54aがそれぞれ挿入され、また、周設孔用凹部47にはガイドピン54bが嵌っている。尚、ガイドピン54a、54bは、周設孔45に挿入されているか、そうでないかが異なるのみであり、同じ構成である。
図16は図15に示すX−X線断面図を示し、図17は図15中に示すY−Y線断面図を示す。図16に示すように、周設孔45が形成されていない場合、ガイドピン54bは金属板素材48の周設孔用凹部47に当接する一方、図17に示すように周設孔45が形成されている場合、ガイドピン54aは周設孔45を貫通し、周設孔45内を満たしている。また、図16及び17において、軸孔44にはガイドピン53が貫通し、軸孔44内を満たしている。この状態において、図15に示す周設孔用凹部47bに対してパンチ55による打ち抜き加工を実施する際に、既に形成されている軸孔44と周設孔45に加わる力をガイドピン53、54aが受け止め、軸孔44の周設孔45の変形を防止することができる。そして2つの周設孔用凹部47を打ち抜く工程を4回繰り返して全て打ち抜くことで、図10に示す金属板42に外歯部43、軸孔44及び全ての周設孔45が形成された周設孔付外歯歯車41が製造される。
(第3実施形態の効果)
本実施形態においては、機械加工による切削等を行わず、本製造方法の凹部形成工程及び打抜加工工程によって外歯部、軸孔、各周設孔の形成等を行うため、機械加工と比べて極めて短時間で周設孔付外歯歯車を製造することができ、人手も掛からない。更に、製造した周設孔付外歯歯車に熱処理を行っても機械加工と同程度の残留応力であるため、反り等の歪みが生じにくい。
また、周設孔付外歯歯車の軸孔及び各周設孔の縁に設けられている傾斜状側面が面取りとして機能するため、機械加工により面取り等を行わなくても、鋭利な角がなく、バリ等が生じにくい。更に、熱処理工程の前に外歯形成工程で軸孔用凹部、周設孔用凹部を形成するため、熱処理工程の後で軸孔用凹部、周設孔用凹部を形成する場合よりも容易に形成することができる。更に、軸孔及び各周設孔を設ける前に外歯形成工程で外歯部を形成し、その後、軸孔形成工程で軸孔を形成し、次いで周設孔形成工程で各周設孔を形成するという一連の手順で製造することにより、外歯部、軸孔、周設孔の加工精度が高まり、仕上げ加工を軽減することができる。
本実施例において周設孔の数を8とした周設孔付外歯歯車を挙げたがこれに限られず、用途や大きさ等に合わせて周設孔45の数を適宜変えることができる。
図18は第4実施形態を示す。図8(1)においては凹部22の底面25から傾斜状側面26のうち、底面側の傾斜状側面261に掛けてパンチ27で打ち抜くようにしたが、図18に示すように、パンチ27aで金属板素材21の凹部22の底面25だけ(線34aで囲まれる部位)を打ち抜くようにしてもよい。このように打ち抜いても、形成される貫通孔の周縁に傾斜状側面26があり、この傾斜状側面26が面取りと同様の効果を奏することができる。このために、別途、面取りを実施する工程は不要となり、作業が簡略化する。
尚、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。例えば、孔付き金属板の具体的な用途として、第3実施形態に遊星歯車用の周設孔付外歯歯車を挙げたがこれに限られず、通常の外歯歯車やカム用金属板、ピン歯車等を挙げることができる。また、各種軸やねじ等の締結部材のための孔を設けた金属板として用いることができる。
(第5の実施形態)
本第5の実施形態に係る金属板の製造方法では、図19に示すように、ダイ12と、ダイ12に対してセットされた金属板素材W’の上側に配されるパンチ15と、を備えるプレス装置が用いられる。このダイ12のダイ孔13の先端周縁には、パンチ15の打ち抜き方向Aに対して傾斜した側面方向を向く押圧面13aが面取りされている。
次に、上記プレス装置を用いる打抜加工工程について説明する。本打抜加工工程では、図19に示すように、金属板素材W’をダイ12上に載置してセットする。その後、図20(1)に示すように、パンチ15が下降してダイ12上に載置された金属板素材W’に打抜加工が施される。すると、金属板素材W’において、金属板素材W’内に打ち込まれたパンチ15の先端外周縁側とダイ孔13の先端内周縁側とを結ぶ部分の付近が破断する。このとき、金属板素材W’の破断部分には、ダイ孔13の押圧面13aを介して外側部67の外面となる位置P1より外側(即ち、ダイ孔13の中心軸側から離れる側)に突出するように一時残留部R1が生じる(図21(1)参照)。なお。金属板素材W’の破断面を境として抜きカスSが分離してダイ12上に残される。
そして、図20(2)に示すように、パンチ15が更に下降すると、ダイ孔13の押圧面13aにより一時残留部R1がダイ孔13の中心軸側に向かう方向に押圧される。この押圧面13aにより押圧される一時残留部R1は、外側部17の外面となる位置P1まで押圧されつつ上方に移動されて金属板素材W’の肉の一部となっていく(図21(2)参照)。その後、図20(3)に示すように、所定形状の外側部17が形成された金属板W(製品)が得られる。なお、残存する一時残留部R1の肉(即ち、金属板素材W’の肉の一部になりきれなかった部位)は、ダイ孔13の押圧面13aにより上方へ押圧されて小さなバリB1となる(図21(3)参照)。
(第5の実施形態の効果)
本第5の実施形態の金属板の製造方法によると、打抜加工工程において、ダイ孔13の押圧面13aが、金属板素材W’の外側部17の外面となる位置P1より外側に残っている一時残留部R1を外側部17の外面となる位置P1まで押圧しつつ上方へ移動させる。そして、打抜加工工程後において、形成された外側部17にはわずかなバリB1の発生が認められるが、外側部17において金属板Wの一面側の外面、即ちパンチ15により押圧された一面側の外面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面F1(図21(3)参照)が形成される。この表面F1の算術平均粗さは0.04〜0.4μm程度である。このため、打抜加工工程後は、従来技術のようにシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程は不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
尚、平滑に形成された表面F1付近の金属板Wは、押圧により一時残留部R1に位置していた肉が含まれているため、他の金属板Wの部位と比べて圧縮されて、加工硬化した組織となっている。このため、対象となる製品によっては熱処理を省略することができる。
(第6の実施形態)
本第6の実施形態に係る金属板の製造方法では、図22に示すように、ダイ62と、ダイ62に対してセットされた金属板素材W’の上側に配される押し型64と、セットされた金属板素材W’の下側に配されるパンチ65と、を備えるプレス装置が用いられる。このダイ62のダイ孔63の先端周縁には、押し型64の打ち抜き方向Aに対して傾斜した側面方向を向く押圧面63aが面取りされている。また、押し型64は、ダイ62との間で外側部67を形成し且つパンチ65との間で貫通孔68を形成する筒状部64aを備えている。さらに、パンチ65の先端周縁には、パンチ65の打ち抜き方向Aに対して傾斜した側面方向を向く押圧面65aが面取りされている。
次に、上記プレス装置を用いる打抜加工工程について説明する。本打抜加工工程では、図22(1)に示すように、金属板素材W’をダイ62上に載置してセットする。その後、図22(2)に示すように、押し型64が下降してダイ62上に載置された金属板素材W’に打抜加工が施される。すると、金属板素材W’において、金属板素材W’内に打ち込まれた押し型64の筒状部64aの先端外周縁側とダイ孔63の先端内周縁側とを結ぶ部分の付近が破断する。このとき、金属板素材W’の破断部分には、ダイ孔63の押圧面63aを介して外側部67の外面となる位置P1より外側(即ち、ダイ孔13の中心軸側から離れる側)に突出するように一時残留部R1が生じる(図23(1)参照)。
そして、押し型64が更に下降すると、ダイ孔63の押圧面63aにより一時残留部R1がダイ孔63の中心軸側に向かう方向に押圧される。このダイ孔63の押圧面63aにより押圧される一時残留部R1は、外側部67の外面となる位置P1まで押圧されつつ上方に移動されて金属板素材W’の肉の一部となっていく。なお、金属板素材W’の破断面を境として抜きカスS1が分離してダイ62上に残される。
その後、押し型64が更に下降すると、金属板素材W’において、金属板素材W’に打ち込まれた押し型64の筒状部64aの先端内周縁側とパンチ65の先端外周縁側とを結ぶ部分の付近が破断する。このとき、金属板素材W’の破断部分には、パンチ65の押圧面65aを介して貫通孔68の内面となる位置P2より内側(即ち、パンチ65の中心軸側に近づく側)に突出するように一時残留部(図3〜図5の一時残留物9参照)が生じる。
そして、押し型64が更に下降すると、パンチ65の押圧面65aにより一時残留部がパンチ65の中心軸側から離れる方向に押圧される。このパンチ65の押圧面65aにより押圧される一時残留部は、貫通孔68の内面となる位置P2まで押圧されつつ上方に移動されて金属板素材W’の肉の一部となっていく。その後、図22(3)に示すように、所定形状の外側部67及び貫通孔68が形成された金属板W(製品)が得られる。なお、金属板素材W’の破断面を境として抜きカスS2が分離してパンチ65上に残される。また、残存する一時残留部R1の肉(金属板素材W’の肉の一部になりきれなかった部位)は、ダイ孔63の押圧面63a及びパンチ65の押圧面65aにより上方へ押圧されて小さなバリB1、B2となる(図23(2)参照)。
(第6の実施形態の効果)
本第6の実施形態の金属板の製造方法によると、打抜加工工程において、ダイ孔63の押圧面63aが、金属板素材W’の外側部67の外面となる位置P1より外側に残っている一時残留部R1を外側部67の外面となる位置P1まで押圧しつつ上方へ移動させてから、パンチ65の押圧面65aが、金属板素材W’の貫通孔68の外面となる位置P2より内側に残っている一時残留部を貫通孔68の内面となる位置P2まで押圧しつつ上方へ移動させる。そして、打抜加工工程後において、形成された外側部67及び貫通孔68にはわずかなバリB1、B2の発生が認められるが、外側部67において金属板Wの一面側の外面、即ち押し型64により押圧された一面側の外面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面F1(図23(2)参照)が形成される。また、貫通孔68において金属板Wの一面側の内面、即ち押し型64により押圧された一面側の内面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面F2(図23(2)参照)が形成される。これらの表面F1、F2の算術平均粗さは0.04〜0.4μm程度である。このため、打抜加工工程後は、従来技術のようにシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程は不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
尚、平滑に形成された表面F1、F2付近の金属板Wは、押圧により一時残留部R1を構成していた肉が含まれているため、他の金属板Wの部位と比べて圧縮されて、加工硬化した組織となっている。このため、対象となる製品によっては熱処理を省略することができる。
(第7の実施形態)
本第7の実施形態に係る金属板の製造方法では、図24に示すように、ダイ72と、ダイ72に対してセットされた金属板素材W’の上側に配される押し型74と、セットされた金属板素材W’の下側に配されるパンチ75と、を備えるプレス装置が用いられる。このダイ72のダイ孔73の先端周縁には、押し型74の打ち抜き方向Aに対して傾斜した側面方向を向く押圧面73aが面取されている。また、押し型74は、ダイ72との間で外側部77を形成し且つパンチ75との間で貫通孔78を形成する筒状部74aを備えている。さらに、パンチ75の先端周縁には、押し型74の打ち抜き方向Aに対して傾斜した側面方向を向く押圧面75aが面取りされている。
次に、上記プレス装置を用いる打抜加工工程について説明する。本打抜加工工程では、図24(1)に示すように、金属板素材W’をパンチ75上に載置してセットする。その後、押し型74が下降してパンチ75上に載置された金属板素材W’に打抜加工が施される。すると、金属板素材W’において、金属板素材W’内に打ち込まれた押し型74の筒状部74aの先端内周縁側とパンチ75の先端外周縁側とを結ぶ部分の付近が破断する。このとき、金属板素材W’の破断部分には、パンチ75の押圧面75aを介して貫通孔78の内面となる位置P2より内側(即ち、パンチ75の中心軸側に近づく側)に突出するように一時残留部(図3〜図5の一時残留物9参照)が生じる。
そして、図24(2)に示すように、押し型74が更に下降すると、パンチ75の押圧面75aにより一時残留部がパンチ75の中心軸側から離れる方向に押圧される。このパンチ75の押圧面75aにより押圧される一時残留部は、貫通孔78の内面となる位置P2まで押圧されつつ上方に移動されて金属板素材W’の肉の一部となっていく。なお、金属板素材W’の破断面を境として抜きカスS1が分離してパンチ75上に残される。
その後、押し型74が更に下降すると、金属板素材W’において、金属板素材W’内に打ち込まれた押し型74の筒状部74aの先端外周縁側とダイ孔73の先端内周縁側とを結ぶ部分の付近が破断する。このとき、金属板素材W’の破断部分には、ダイ孔73の押圧面73aを介して外側部77の外面となる位置P1より外側に突出する一時残留部(図21の一時残留部R1参照)が生じる。
そして、押し型74が更に下降すると、ダイ孔73の押圧面73aにより一時残留部がダイ孔73の中心軸側に向かう方向に押圧される。このダイ孔73の押圧面73aにより押圧される一時残留部は、外側部77の外面となる位置P1まで押圧されつつ上方に移動されて金属板素材W’の肉の一部となっていく。その後、図24(3)に示すように、所定形状の外側部77及び貫通孔78が形成された金属板W(製品)が得られる。なお、金属板素材W’の破断面を境として抜きカスS2が分離してダイ72上に残される。また、残存する一時残留部の肉(金属板素材W’の肉の一部になりきれなかった部位)は、ダイ孔73の押圧面73a及びパンチ75の押圧面75aにより上方へ押圧されて小さなバリB1、B2となる(図25(2)参照)。
(第7の実施形態の効果)
本第7の実施形態の金属板の製造方法によると、打抜加工工程において、パンチ75の押圧面75aが、金属板素材W’の貫通孔78の内面となる位置P2より内側に残っている一時残留部を貫通孔78の内面となる位置P2まで押圧しつつ上方へ移動させてから、ダイ孔73の押圧面73aが、金属板素材W’の外側部77の外面となる位置P1より外側に残っている一時残留部を外側部77の外面となる位置P1まで押圧しつつ上方へ移動させる。そして、打抜加工工程後において、形成された外側部77及び貫通孔78にはわずかなバリB1、B2の発生が認められるが、外側部77において金属板Wの一面側の外面、即ち押し型74により押圧された一面側の外面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面F1(図25(2)参照)が形成される。また、貫通孔78において金属板Wの一面側の内面、即ち押し型74により押圧された一面側の内面には、従来技術のように破断面ではなく平滑な表面F2(図25(2)参照)が形成される。これらの表面F1、F2の算術平均粗さは0.04〜0.4μm程度である。このため、打抜加工工程後は、従来技術のようにシェービング加工や機械加工等の加工を実施する工程は不要となり、製造に要する時間を短縮することができる。
尚、平滑に形成された表面F1、F2付近の金属板Wは、押圧により一時残留部を構成していた肉が含まれているため、他の金属板Wの部位と比べて圧縮されて、加工硬化した組織となっている。このため、対象となる製品によっては熱処理を省略することができる。
尚、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。例えば、上記第6及び第7の実施形態において、金属板Wの外側部67、77及び貫通孔68、78の外周形状は、例えば、図26に示すように同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。これら外側部67、77及び貫通孔68、78の外周形状としては、例えば、図26に示すように、円形状、多角形状、歯車形状等を挙げることができる。
また、上記第6及び第7の実施形態では、プレス装置により外側部67、77及び貫通孔68、78を所定順序で形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、プレス装置により外側部及び貫通孔を略同時に形成するようにしてもよい。さらに、例えば、異なるプレス装置を用いて外側部及び貫通孔を別々に形成するようにしてもよい。
本孔を有する金属板の製造方法によって形成された孔付き金属板は、歯車、カムのような機械製品に広く利用される。また、金属板の製造方法によって形成された外側部を有する金属板は、歯車、カムのような機械製品に広く利用される。
1、55;パンチ、2;先端周縁、20、40、42;金属板、22、46、47;凹部、24、291;表面、25;底面、26、261、262;傾斜状側面、27;パンチ、29、5;ダイ、28、3;押圧面、30l;ダイ孔、31;凸部、32;ガイド面、38、8;貫通孔、4、21、48;金属板素材、41;周設孔付外歯歯車、43;外歯部、44;軸孔、45;周設孔、53、54a、54b;ガイドピン、9、37;一時残留部。

Claims (11)

  1. ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、
    前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記打抜加工工程の前に凹部形成工程を更に行い、
    前記凹部形成工程は、前記貫通孔を形成する位置に、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部を、前記金属板素材の表面に熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、
    前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、
    前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、
    前記凹部の前記傾斜状側面が前記凸部の前記ガイド面に当接するように前記金属板素材の表面をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行うことを特徴とする孔を有する金属板の製造方法。
  2. 前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである請求項1に記載の孔を有する金属板の製造方法。
  3. ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、
    前記打抜加工工程において、前記貫通孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記貫通孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、
    前記貫通孔は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の内面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、前記金属板素材の他方の表面側の内面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、により構成されることを特徴とする孔を有する金属板の製造方法。
  4. 金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、
    前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、
    前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、
    前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記外歯形成工程は、前記外歯部と、前記軸孔及び前記周設孔を形成する位置の前記金属板素材の表面に位置し、底面と傾斜状側面とで囲まれた凹部とを、熱間鍛造又は冷間鍛造によって形成する工程であり、
    前記打抜加工工程において、前記ダイのダイ孔の周縁に凸部が前記金属板素材側に向かって立設しており、
    前記凸部は、前記一時残留部が押圧される方向をガイドするガイド面を具備しており、
    前記凹部の前記傾斜状側面が前記凸部の前記ガイド面に当接するように前記金属板素材の表面をダイ上に載置した状態で前記打ち抜きを行うことを特徴とする周設孔付外歯歯車の製造方法。
  5. 前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである請求項に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
  6. 金属板と、前記金属板の中心に形成されており且つ回転軸が取り付けられる軸孔と、前記軸孔の周囲の前記金属板に形成されており且つ遊星歯車の回転軸が取り付けられる複数個の周設孔と、前記金属板の周縁に形成されている外歯部と、を備える周設孔付外歯歯車の製造方法であって、
    前記外歯部を形成する外歯形成工程と、前記軸孔及び各前記周設孔を形成する打抜加工工程と、を具備し、
    前記打抜加工工程は、前記各孔をダイ上に載置された金属板素材に対してパンチによって一度に、又は複数回に分けて打ち抜きを行って形成し、
    前記打抜加工工程において、前記各孔の前記打ち抜き中に破断が起きて、前記各孔の前記ダイ側の周縁部であって、前記各孔の内面となる位置よりも内側に突出している一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの側面方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、
    前記各孔は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の内面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、前記金属板素材の他方の表面側の内面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、により構成されることを特徴とする周設孔付外歯歯車の製造方法。
  7. 前記外歯形成工程の後に、前記金属板素材が前記外歯部の位置を基準にして位置決めされた状態で前記打抜加工工程を行う請求項乃至のいずれか1項に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
  8. 前記打抜加工工程において、前記各周設孔は複数回に分けて形成され、前記各周設孔の形成は、既に形成された周設孔内にこの周設孔と同径のガイドピンを挿通した状態で行うことで既に形成した前記各周設孔の変形を防止する請求項乃至のいずれか1項に記載の周設孔付外歯歯車の製造方法。
  9. ダイと、前記ダイ上に載置された金属板素材の上側に配される押し型と、前記ダイ上に載置された前記金属板素材の下側に配されるパンチと、を備えるプレス装置を用いて、前記ダイ上に載置された前記金属板素材に対して、前記押し型の筒状部による打ち抜きを行って外側部を形成するとともに、前記パンチによる打ち抜きを行って貫通孔を形成する打抜加工工程を備え、
    前記打抜加工工程の前記押し型の筒状部による打ち抜きにおいて、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記打抜加工工程の前記パンチによる打ち抜きにおいて、前記貫通孔の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記貫通孔の内面となる位置よりも内側に突出するように一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記パンチの先端周縁に具備する押圧面によって、前記パンチの中心軸側から離れる方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記打抜加工工程では、前記プレス装置によって、前記押し型の筒状部による打ち抜きと前記パンチによる打ち抜きとが所定の順序で行われることを特徴とする金属板の製造方法。
  10. 前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmである請求項に記載の金属板の製造方法。
  11. ダイ上に載置された金属板素材に対してパンチ又は押し型による打ち抜きを行って外側部を形成する打抜加工工程を備え、
    前記打抜加工工程において、前記外側部の前記打ち抜き中に前記金属板素材に破断が起きて、前記金属板素材の破断部分には、前記外側部の外面となる位置よりも外側に突出するように一時残留部が生じ、
    その後、前記一時残留部が、前記打ち抜きに伴い前記ダイのダイ孔の先端周縁に具備する押圧面によって、前記ダイ孔の中心軸側に向かう方向に押圧されて表面が平滑にされ、
    前記平滑にされた表面の算術平均粗さが0.04〜0.4μmであり、
    前記外側部は、前記金属板素材の前記ダイ上に載置された一方の表面側の外面において前記破断を生じることなく形成された剪断面と、前記金属板素材の他方の表面側の外面において前記一時残留部が押圧されて形成された平滑な表面と、により構成されることを特徴とする金属板の製造方法。
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