JP6497537B2 - リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
特に、特許文献4には、「広い充電深度の範囲での充放電特性、特に、充電深度が高い状態での充電特性を改善し、ハイブリッド型電気自動車等の電源として好適に利用できるようにすることを課題」(段落[0020])とした、「正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水系溶媒に溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極活物質に、一般式Li1+xNiaMnbCocO2+d(式中、x,a,b,c,dは、x+a+b+c=1、0.7≦a+b、0<x≦0.1、0≦c/(a+b)<0.35、0.7≦a/b≦2.0、−0.1≦d≦0.1の条件を満たす。)で表される層状構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物の表面にチタン含有酸化物が焼結されたものを用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。」(請求項1)の発明が記載されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、高率放電性能が優れ、それに加えて出力特性(後述する出力試験における保存特性)が向上したリチウム二次電池用正極活物質、及びその正極活物質を用いたリチウム二次電池を提供することを課題とする。
(1)α−NaFeO2構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質において、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2<Li/Me≦1.41であり、前記遷移金属中のMnのモル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子表面は、Ti元素が活物質に対して0.2〜1.0質量%存在するTi化合物の被覆層を有し、前記Ti化合物はアナターゼ型およびルチル型のTiO2の混相であり、前記TiO 2 においてアナターゼ型に帰属される(101)X線回折ピークとルチル型に帰属される(110)X線回折ピークの比率が2.1以上であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
(2)前記(1)のリチウム二次電池用正極活物質を含有するリチウム二次電池用電極。
(3)前記(2)のリチウム二次電池用電極を備えたリチウム二次電池。
また、タップ密度は、高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得るために、1.25g/cc以上が好ましく、1.7g/cc以上がより好ましい。
本発明のリチウム二次電池用活物質は、基本的に、活物質を構成する金属元素(Li,Mn,Co,Ni)を目的とする活物質(酸化物)の組成通りに含有する原料を調整し、これを焼成することによって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成の酸化物を作製するにあたり、Li,Co,Ni,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめCo,Ni,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくいため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。これまで文献などにおいては固相法によってNiやCoの一部にMnを固溶(LiNi1−xMnxO2など)しようという試みが多数なされているが、「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である。そこで、後述する実施例においては、「共沈法」を採用した。
100℃乾燥品の色相は、標準色F05−20Bと比べて、赤色方向に標準色F05−40Dに至る範囲内にあり、また、標準色FN−10と比べて、白色方向に標準色FN−25に至る範囲内にあることがわかった。中でも、標準色F05−20Bが呈する色相との色差が最も小さいものと認められた。
一方、80℃乾燥品の色相は、標準色F19−50Fと比べて、白色方向に標準色F19−70Fに至る範囲内にあり、また、標準色F09−80Dと比べて、黒色方向に標準色F09−60Hに至る範囲内にあることがわかった。中でも、標準色F19−50Fが呈する色相との色差が最も小さいものと認められた。
以上の知見から、炭酸塩前駆体の色相は、標準色F05−20Bに比べて、dL,da及びdbの全てにおいて+方向であるものが好ましく、dLが+5以上、daが+2以上、dbが+5以上であることがより好ましいといえる。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って崩壊すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O2型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導くので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
また、発明者らは、本発明活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することで750℃までの温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、それ以上の温度で合成することでほとんどひずみを除去することができることを確認した。また、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本発明活物質の組成においても、系内に格子のひずみがほとんどなく、かつ結晶子サイズが十分成長した粒子を志向することで良好な放電容量を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼすひずみ量が2%以下、かつ結晶子サイズが50nm以上に成長しているような合成温度(焼成温度)及びLi/Me比組成を採用することが好ましいことがわかった。これらを電極として成型して充放電を行うことで膨張収縮による変化も見られるが、充放電過程においても結晶子サイズは30nm以上を保っていることが得られる効果として好ましい。
したがって、高率放電性能、又は高率放電性能と共に保存特性を向上させるために、本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を合成する場合、焼成温度は800〜900℃とすることが好ましい。
(試料の合成)
硫酸コバルト7水和物14.08g、硫酸ニッケル6水和物21.00g及び硫酸マンガン5水和物65.27gを秤量し、これらの全量をイオン交換水200mlに溶解させ、Co:Ni:Mnのモル比が12.5:20.0:67.5となる2.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。一方、2Lの反応槽に750mlのイオン交換水を注ぎ、CO2ガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中にCO2を溶解させた。反応槽の温度を50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を700rpmの回転速度で攪拌しながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、2.0Mの炭酸ナトリウム及び0.4Mのアンモニアを含有する水溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に7.9(±0.05)を保つように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに3h継続した。攪拌の停止後、12h以上静置した。
ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、常温から900℃まで10時間かけて昇温し、900℃で4h焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、実施例1に係るNaを2100ppm含む、D50が8μmのリチウム遷移金属複合酸化物Li1.17Co0.10Ni0.17Mn0.56O2を作製した。このリチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO2構造を有することをXRD測定により確認した。
この活物質中におけるTi化合物の定性・定量については、試験電池における電極中における活物質のICP測定およびXRD測定により行った。以下の実施例及び比較例についても同様に行った。放電状態にて解体した正極板を取り出し、DMCをもちいて電極に付着した電解液をよく洗浄した。その後Al基板上の合剤を採取し、この合剤を前述の小型電気炉をもちいて600℃で4時間焼成することで導電剤であるカーボンおよび結着剤であるPVdFバインダーを除去し、活物質のみを得た。定量については、この活物質を1g秤量し、塩酸と過酸化水素の混合水溶液50mlに完全に溶解させたものをICP測定用サンプルとした。あらかじめ、標準溶液にて作成した検量線と比較して活物質中におけるTi濃度を求めたところ、測定の結果、仕込み量通りの0.25%であることを確認した。また、活物質1gを1M塩酸水溶液50mlと反応させ、Ti以外の元素をすべて水溶液中に溶解させた。ろ過、およびイオン交換水による洗浄後、Ti化合物の付着したろ紙を80℃での常圧乾燥を20時間行った。乾燥後のろ紙についてXRD測定を行ったところ、Ti化合物はアナターゼ型およびルチル型のTiO2の混相であることを確認した。XRD測定はエックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlexII)を用いた。線源はCuKα、加速電圧及び電流はそれぞれ30kV及び15mAとした。得られたエックス線回折データについて、前記エックス線回折装置の付属ソフトである「PDXL」を用いて、エックス線回折図上2θ=25°±1°及び2θ=27°±1°に存在する回折ピークについて面積強度を算出した。具体的には、アナターゼ型に帰属される25°付近の(101)回折ピークとルチル型に帰属される27°付近の(110)回折ピークの面積強度比を求めたところ8.3であった。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散液中に、チタンテトライソプロポキシド水溶液をTi/活物質の質量比率が0.25%、0.50%、0.75%、1.00%、1.25%、1.50%となるように連続的に滴下した他は、実施例1と同様にして、それぞれ、Tiが活物質に対して0.25質量%、0.50質量%、0.75質量%、1.00質量%、1.25質量%、1.50質量%存在するTiO2の被覆層を有する実施例2〜7(実施例6、7は参考例、表1において同じ)に係る正極活物質を作製した。
TiO2の被覆層を有しない正極活物質を比較例1に係る正極活物質とした。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散液中に、チタンテトライソプロポキシド水溶液をTi/活物質の質量比率が0.10%、0.15%、1.75%、2.00%、2.25%、2.50%、2.75%、3.00%、5.00%となるように連続的に滴下した他は、実施例1と同様にして、それぞれ、TiO2の被覆層を有する比較例2〜10に係る正極活物質を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体2.304gに、炭酸リチウム0.943gを加え、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が125:100である混合粉体を調製した他は、実施例3と同様にして、Ti元素が活物質に対して0.50質量%存在するTiO2の被覆層を有するリチウム遷移金属複合酸化物Li1.11Co0.11Ni0.18Mn0.6O2を作製し、これを実施例8に係る正極活物質を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体2.180gに、炭酸リチウム1.071gを加え、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が150:100である混合粉体を調製した他は、実施例3と同様にして、Ti元素が活物質に対して0.50質量%存在するTiO2の被覆層を有するリチウム遷移金属複合酸化物Li1.2Co0.10Ni0.16Mn0.54O2を作製し、これを実施例9(実施例9は参考例、表1において同じ)に係る正極活物質とした。
前記Ti化合物の被覆層を有するリチウム遷移金属複合酸化物を、前記箱型電気炉を用いて300℃、450℃、700℃、800℃、900℃まで6時間かけて昇温し、それぞれの温度で4時間保持し、熱処理した他は、実施例3と同様にして、それぞれ、Ti元素が活物質に対して0.50質量%存在するTiO2の被覆層を有する実施例10〜14(実施例14は参考例、表1において同じ)に係る正極活物質を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体2.304gに、炭酸リチウム0.943gを加え、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が125:100である混合粉体を調製し、前記Ti化合物の被覆層を有するリチウム遷移金属複合酸化物の熱処理温度を800℃に変更した他は、実施例1と同様にして、Ti元素が活物質に対して0.20質量%存在するリチウム遷移金属複合酸化物Li1.11Co0.11Ni0.18Mn0.6O2を作製し、これを実施例15に係る正極活物質とした。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散液中に、チタンテトライソプロポキシド水溶液をTi/活物質の質量比率が0.25%、0.75%、1.00%、1.25%、1.50%となるように連続的に滴下した他は、実施例15と同様にして、それぞれ、Tiが活物質に対して0.25質量%、0.75質量%、1.00質量%、1.25質量%、1.50質量%存在するTiO2の被覆層を有する実施例16〜20(実施例19、20は参考例、表1において同じ)に係る正極活物質を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散液中に、チタンテトライソプロポキシド水溶液をTi/活物質の質量比率が0.10%、0.15%、1.75%、2.00%、2.25%、2.50%、2.75%、3.00%となるように連続的に滴下した他は、実施例15と同様にして、それぞれ、TiO2の被覆層を有する比較例11〜18に係る正極活物質を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散中に、バナジウムアセチルアセトナート水溶液をV/活物質の質量比率が0.50%となるように連続的に滴下した他は、実施例3と同様にして、Vが活物質に対して0.50質量%存在するV酸化物の被覆層を有する比較例19に係る正極活物質を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が分散した分散液中に、ケイ酸水溶液をSi/活物質の質量比率が0.50%となるように連続的に滴下した他は、実施例3と同様にして、Siが活物質に対して0.50質量%存在するSi酸化物の被覆層を有する比較例20に係る正極活物質を作製した。
実施例1にもちいた共沈炭酸塩前駆体および炭酸リチウムに加えて、二酸化チタン(アナターゼ型)を0.017g加えて合成した。このようにして、Tiが活物質に対して0.50質量%固溶する比較例21に係る正極活物質を作製した。
硫酸コバルト7水和物37.55g、硫酸ニッケル6水和物35.11g及び硫酸マンガン5水和物32.30gを秤量し、これらの全量をイオン交換水200mlに溶解させ、Co:Ni:Mnのモル比が33.33:33.33:33.33となる2.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。一方、2Lの反応槽に750mlのイオン交換水を注ぎ、Arガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中の溶存酸素を脱気した。反応槽の温度を50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を700rpmの回転速度で攪拌しながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、2.0Mの水酸化ナトリウム及び0.5Mのアンモニアを含有する水溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に11.0(±0.05)を保つように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに3h継続した。攪拌の停止後、12h以上静置した。次に、ブフナー漏斗(130mmφ)と吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した共沈水酸化物の粒子を分離し、さらにブフナー漏斗にイオン交換水を100ml注ぎ、ガラス棒で撹拌することで共沈化合物を洗浄した。この洗浄作業を1回行うことにより、粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄・除去した。つぎに、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、100℃にて乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、共沈水酸化物前駆体を作製した。
このようにして、比較例22に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiCo0.33Ni0.33Mn0.33O2を作製し、これを正極活物質とした。
前記リチウム遷移金属複合酸化物として、比較例22に係るLiCo0.33Ni0.33Mn0.33O2を使用した他は、実施例3と同様にして、Ti元素が活物質に対して0.50質量%存在するTiO2の被覆層を有する比較例23に係る正極活物質を作製した。
以上のようにして作製した実施例及び比較例の正極活物質、アセチレンブラック(AB)、および PVdF(Polyvinylidene Fluoride、#1100、KUREHA)の12質量%NMP溶液を活物質:AB:PVdF=90:5:5の割合になるように混合し、NMP(N-methyl-2-pyrolidon)を固形分濃度43質量%になるように加え、混練することによってペーストをえた。このようにして出来上がったペーストを、ヨシミツ製のアプリケータを用いて、手動で20μmのアルミ箔上に塗工した。さらに、それを120 ℃ ホットプレート上で乾燥させることでNMP溶媒を除去した。続いて電極を5.0cm× 3.0cmに切り抜き、ロールプレス機に電極を数回通すことにより、多孔度を35%に調整した電極を得た。最後に、その電極を120 ℃ で6 時間以上真空乾燥し、水分を完全に除去した正極電極を得た。
(高率放電試験)
初期活性化過程においては、0.1Cの定電流で4.6V(vs.Li/Li+)に達するまで走引し、その後電流値が0.02Cに減衰するまで充電を行った。その後10分間の休止後に0.1Cの定電流にて2.0V(vs.Li/Li+)まで放電させ、その後10 分間休止した。この充放電サイクルを2回行った。続いて充電電位を4.3V(vs.Li/Li+)に変更した充放電サイクルを3回行い、さらに放電時の電流値を1Cに変更した高率放電試験を行った。
続いて、電流0.1CmA、電圧4.3Vの定電流定電圧充電を行い、このときの充電電気量を計測した。30分の休止後、電流0.1CmAの定電流放電を行い、前記充電電気量に対して50%の電気量を通電した時点で放電を休止した。放電休止後から30分後、各率放電電流でそれぞれ1秒放電する試験を行った。具体的には、まず、電流0.1CmAにて1秒放電し、2分の休止後、電流0.1CmAにて1秒の補充電を行った。さらに2分の休止後、電流1CmAにて1秒放電し、2分の休止後、電流0.1CmAにて10秒の補充電を行った。さらに2分の休止後、電流2CmAにて1秒放電し、2分の休止後、電流0.1CmAにて20秒の補充電を行った。以上の結果を各率放電の1秒後の電圧をその電流値に対してプロットし、最小二乗法によるフィッティングを行ったグラフの切片及び傾きから、放置前の抵抗を算出した。また、続けて電流0.1CmA、電圧4.3Vの定電流定電圧充電を行い、その後電流値が0.02CmAに減衰するまで充電を行った。その電池を60℃の恒温槽内に7日間放置した。その後、25℃環境下にもどし、前記充電電気量に対して50%の電気量を通電した時点で放電を休止した。その後、放置前と同様の出力試験をおこない、放置後の抵抗を算出した。なお、この出力試験において放置前の抵抗に対する放置後の抵抗の上昇が低減されることは、保存特性が向上したことを意味する。
また、LiMeO2(Me:Co,Ni,Mn,Mn/Me≦0.4)型の正極活物質を用いたリチウム二次電池については、粒子表面に本発明と同程度のTi化合物の被覆層を有する場合も、有しない場合と同程度の高率放電容量であり、高率放電性能は向上しない(比較例22、23)。
Claims (3)
- α−NaFeO2構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質において、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2<Li/Me≦1.41であり、前記遷移金属中のMnのモル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子表面は、Ti元素が活物質に対して0.2〜1.0質量%存在するTi化合物の被覆層を有し、前記Ti化合物はアナターゼ型およびルチル型のTiO2の混相であり、前記TiO 2 においてアナターゼ型に帰属される(101)X線回折ピークとルチル型に帰属される(110)X線回折ピークの比率が2.1以上であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質を含有するリチウム二次電池用電極。
- 請求項2に記載のリチウム二次電池用電極を備えたリチウム二次電池。
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