JP6454427B2 - 修飾セルロース微細繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面が一塩基カルボン酸無水物でエステル化された修飾セルロース微細繊維及びその製造方法に関する。
セルロース繊維(細胞壁単位)は、セルロース微細繊維(ミクロフィブリル)の集合体である。セルロース微細繊維は、鋼鉄に匹敵する機械特性を持ち、直径約30nmのナノ構造を持つため、補強剤として社会的に熱く注目されている。しかし、セルロース微細繊維は、繊維間が水素結合により結束されており、その微細繊維を取り出すためには、水素結合を解いてミクロフィブリルを分離(解繊)する必要がある。そこで、このようなミクロフィブリルの分離は、解繊と称され、セルロース微細繊維(セルロースナノファイバー)の解繊法として、激しい物理力を加えた機械解繊法が開発された。
機械解繊法は、水中でセルロース繊維を機械的に解繊する水中機械解繊法が汎用されており、水中機械解繊法では、セルロース繊維は、水により膨潤され、柔らかくなった状態で高圧ホモジナイザーなどの強力な機械剪断によりナノ化される。天然のセルロースミクロフィブリルは、結晶ゾーン(結晶域)と非晶ゾーン(非晶域)とから構成されるが、ナノ化において、非晶ゾーンは、水などの膨潤性溶媒を吸収、膨潤した状態になると、強力な剪断により変形する。そのため、セルロース繊維は、剪断によりダメージを受け、絡み合いや引っ掛かりが生じ易い分岐形状となる。また、ボールミルなどの強力な機械粉砕法により、固体状態特有のメカノケミカル反応が起こり、この作用によりセルロースの結晶構造が破壊されたり、溶解されたりすることが避けられなくなる。その結果、収率は低くなり、結晶化度が低くなり易い。さらに、セルロース微細繊維は樹脂の強化材料として利用できるが、樹脂と複合化するためには、水中機械解繊法では、解繊の後、脱水して繊維表面を修飾して疎水化する必要があり、この脱水工程には高いエネルギーが必要となる。
そこで、繊維表面がエステル化され、樹脂や有機溶媒などの有機媒体への分散性に優れたセルロース微細繊維の製造方法として、特開2010−104768号公報(特許文献1)には、塩化ブチルメチルイミダゾリウムなどのイオン液体と有機溶媒とを含有する混合溶媒を用いてセルロース系物質を膨潤及び/又は部分溶解させた後、エステル化する多糖類ナノファイバーの製造方法が開示されている。この文献の実施例では、エステル化剤として、無水酢酸、無水酪酸が使用されている。
しかし、この製造方法では、特殊なイオン液体を使用する必要があり、イオン液体を回収や再利用するための精製工程はセルロースナノファイバーの製造コストの上昇や製造工程の複雑化につながる。
また、特表2015−500354号公報(特許文献2)には、セルロースと有機溶剤とを混合させ、混合物にエステル化剤を添加して物理破砕すると共にセルロースファイバー表面のヒドロキシル基をエステル化するセルロースナノファイバー懸濁液の製造方法が開示されている。この文献の実施例では、セルロースをクロロホルムと混合した後、無水コハク酸を添加して超音波破砕した例や、セルロースをピリジンと混合した後、塩化ラウロイルを添加してボール研磨した例などが記載されている。特開2011−16995号公報(特許文献3)には、木質から得られる解繊前のセルロースを芳香環含有置換基で修飾し、修飾セルロースを得る工程、得られた修飾セルロースを平均繊維径100nm以下に解繊し、修飾セルロース繊維分散液を得る工程を経て修飾セルロース繊維分散液を製造する方法が開示されている。この文献の実施例では、塩化ベンゾイル又は塩化ナフトイルを用いてセルロースを修飾した後、超高圧ホモジナイザーで解繊している。
しかし、特許文献2及び3の方法では、強力な機械的破砕により繊維を解繊するため、前述のように、セルロース繊維がダメージを受ける。さらに、機械的破砕のための設備やエネルギーも必要となる。また、エステル化剤を含む溶液はセルロースのミクロフィブリルの間に充分浸透できないためエステル化修飾は殆どセルロース繊維の表面に留まる。その状態で機械解繊を加えてナノサイズまで解繊しても、得られたナノファイバーの多くは修飾されず有機溶媒や樹脂への分散性が低いことが想定できる。
さらに、強力な解繊や粉砕を必要としない化学解繊法として、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(TEMPO)を用いたTEMPO酸化法も注目されている。WO2010/116794号パンフレット(特許文献4)には、TEMPOなどのN−オキシル化合物と臭化物及び/又はヨウ化物との存在下で酸化剤を用いセルロース系原料を酸化した後、湿式微粒化処理するセルロースナノファイバー分散液の製造方法が開示されている。
しかし、TEMPO酸化法で得られたセルロースナノファイバーは高い親水性や水分散性を有するが、有機媒体への分散性が低い。さらに、高価なTEMPO触媒や大量のアルカリ物質を用いるため、経済性が低く、排水処理も困難であり、環境に対する負荷も大きい。
特開2010−104768号公報(請求項1、実施例) 特表2015−500354号公報(請求項1、実施例) 特開2011−16995号公報(請求項1、実施例) WO2010/116794号パンフレット(請求項6)
従って、本発明の目的は、強力に破砕することなく、簡便かつ効率良く生産できるとともに、ナノサイズで結晶化度が高く、繊維形状の損傷が少なくてアスペクト比が大きく、且つ有機溶媒への分散性が優れた修飾セルロース微細繊維及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、有機媒体との親和性も高い修飾セルロース微細繊維及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、解繊効率が高く、修飾率が大きく、且つ分解や着色が抑制された修飾セルロース微細繊維及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、強力に破砕することなく、塩基又は有機酸触媒と一塩基カルボン酸無水物とドナー数26以上の非プロトン性溶媒とを含む反応性解繊液をセルロースに浸透させて、セルロースをエステル化して化学解繊し、特定の修飾セルロース微細繊維、すなわちナノサイズで結晶化度が高く、繊維形状の損傷が少なくてアスペクト比が大きく、且つ有機溶媒への分散性が優れた修飾セルロース微細繊維を、省エネルギーな方法で簡便かつ効率良く生産できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の修飾セルロース微細繊維の製造方法は、塩基触媒又は有機酸触媒を含む触媒と一塩基カルボン酸無水物とドナー数26以上の非プロトン性溶媒とを含む反応性解繊液をセルロースに浸透させて、セルロースをエステル化して化学解繊する製造方法である。前記一塩基カルボン酸無水物は、脂肪族モノカルボン酸無水物、脂環族モノカルボン酸無水物及び芳香族モノカルボン酸無水物からなる群より選択された少なくとも1種(特にC1−6アルカン−モノカルボン酸無水物)であってもよい。ドナー数26以上の非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記触媒は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アミン類及び第4級アンモニウム塩から選択された少なくとも1種の塩基触媒であってもよく、ピリジン類を含むのが好ましい。前記一塩基カルボン酸無水物の割合は、反応性解繊液全体に対して3〜50重量%程度である。前記塩基触媒の割合は、反応性解繊液全体に対して0.05〜90重量%程度である。前記塩基触媒は、ピリジン類と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物との組み合わせであってもよく、その場合、前記塩基触媒の割合は、反応性解繊液全体に対して0.05〜20重量%程度である。反応性解繊液に対するセルロースの飽和吸収率が10〜100倍程度である。前記セルロースと前記反応性解繊液との重量割合は、前者/後者=1/99〜30/70程度である。
本発明には、一塩基カルボン酸無水物で修飾され、疎水性溶媒に分散でき、結晶化度が70%以上であり、平均繊維径が10〜800nmであり、かつ平均繊維長が1〜200μmである修飾セルロース微細繊維も含まれる。この修飾セルロース微細繊維の平均置換度は0.05〜1.0程度である。
本発明では、機械粉砕などによって強力に破砕することなく、塩基又は有機酸触媒と一塩基カルボン酸無水物とドナー数26以上の非プロトン性溶媒とを含む反応性解繊液をセルロースに浸透させて、セルロースをエステル化して化学解繊するため、天然由来のセルロースの結晶構造やミクロフィブリル構造を破壊することなく、解繊できる。特に、本発明では、前記反応性解繊液の浸透に伴ってセルロースを膨潤させることができ、セルロースの解繊効率を向上できる。そのため、ナノサイズで結晶化度が高く、繊維形状の損傷が少なくてアスペクト比が大きく、且つ有機溶媒への分散性が優れたセルロース微細繊維を、省エネルギーな方法で簡便かつ効率良く生産できる。さらに、得られた修飾セルロース微細繊維の表面は、繊維間でむら無く一塩基カルボン酸無水物で修飾されているため、樹脂などの有機媒体との親和性も向上できる。また、塩基触媒として、ピリジン類と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とを組み合わせることにより、セルロースの解繊性及び修飾率を向上し、得られるセルロース微細繊維の分解や着色を抑制でき、さらに短時間で解繊と修飾ができるため修飾セルロース微細繊維の生産性も向上できる。さらに、触媒として有機酸触媒を用いることにより着色を効果的に抑制できる。
図1は、実施例1で得られた修飾セルロース微細繊維のIRスペクトルある。 図2は、実施例1で得られた修飾セルロース微細繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は、実施例2で得られた修飾セルロース微細繊維のIRスペクトルである。 図4は、実施例2で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図5は、実施例3で得られた修飾セルロース微細繊維のIRスペクトルである。 図6は、実施例3で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図7は、実施例4で得られた修飾セルロース微細繊維のIRスペクトルである。 図8は、実施例4で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図9は、実施例10で得られた修飾セルロース微細繊維のIRスペクトルである。 図10は、実施例10で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図11は、実施例11で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図12は、実施例12で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。 図13は、実施例13で得られた修飾セルロース微細繊維のSEM写真である。
[修飾セルロース微細繊維の製造方法]
本発明の修飾セルロース微細繊維(エステル化セルロース微細繊維)の製造方法は、塩基触媒又は酸触媒を含む触媒と一塩基カルボン酸無水物とドナー数26以上の非プロトン性溶媒とを含む反応性解繊液(反応性解繊溶液又は混合液)をセルロースに浸透させてセルロースをエステル化して化学解繊する工程を経て表面エステル化修飾セルロース微細繊維を得る。本発明では、この工程によってセルロースが修飾されると同時に、解繊される理由は次のように推定できる。すなわち、前記触媒、前記一塩基カルボン酸無水物及び前記溶媒を含む反応性解繊液は、セルロースに対する溶解性の低い溶液であり、この溶液がセルロースのミクロフィブリル間に浸透してセルロースを膨潤させ、ミクロフィブリルの表面の水酸基を修飾する。さらに、この修飾によりミクロフィブリル間の水素結合が破壊され、ミクロフィブリル同士は容易に離れ、解繊される。また、前記溶液は、ミクロフィブリルの結晶ゾーン(ドメイン)に浸透しないため、得られた修飾セルロース微細繊維は、ダメージが少なく、天然のミクロフィブリルに近い構造を有している。同時に、この工程では、剪断力の働きによる機械的解繊手段を用いることなく、セルロースを解繊できるため、物理的な作用によるダメージも少ない。そのため、得られた修飾セルロース微細繊維は、高い強度を保持していると推定できる。
(セルロース)
原料となるセルロースは、セルロース単独の形態であってもよく、リグニンやヘミセルロースなどの非セルロース成分を含む混合形態であってもよい。
単独形態のセルロース(又は非セルロース成分の含有量が少ないセルロース)としては、例えば、パルプ(例えば、木材パルプ、竹パルプ、ワラパルプ、バガスパルプ、リンターパルプ、亜麻パルプ、麻パルプ、楮パルプ、三椏パルプなど)、ホヤセルロース、バクテリアセルロース、セルロースパウダー、結晶セルロースなどが挙げられる。
混合形態のセルロース(セルロース組成物)としては、例えば、木材[例えば、針葉樹(マツ、モミ、トウヒ、ツガ、スギなど)、広葉樹(ブナ、カバ、ポプラ、カエデなど)など]、草本類[麻類(麻、亜麻、マニラ麻、ラミーなど)、ワラ、バガス、ミツマタなど]、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、竹、サトウキビ、紙などが挙げられる。
これらのセルロースは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。混合形態のセルロースにおいて、非セルロース成分の割合は90重量%以下であってもよく、例えば1〜90重量%、好ましくは3〜80重量%、さらに好ましくは5〜70重量%程度であってもよい。他の成分の割合が多すぎると、修飾セルロース微細繊維の製造が困難となる虞がある。
セルロースは、結晶セルロース(特にI型結晶セルロース)を含むのが好ましく、結晶セルロースと非晶セルロース(不定形セルロースなど)との組み合わせであってもよい。結晶セルロース(特にI型結晶セルロース)の割合は、セルロース全体に対して10重量%以上であってもよく、例えば30〜99重量%、好ましくは50〜98.5重量%、さらに好ましくは60〜98重量%程度である。結晶セルロースの割合が少なすぎると、修飾セルロース微細繊維の耐熱性や強度が低下する虞がある。
これらのうち、修飾及び解繊し易い点から、木材パルプ(例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなど)、種子毛繊維のパルプ(例えば、コットンリンターパルプ)、セルロースパウダーなどが汎用される。なお、パルプは、パルプ材を機械的に処理した機械パルプであってもよいが、非セルロース成分の含有量が少ないことからパルプ材を化学的に処理した化学パルプが好ましい。
セルロースの含水率(乾燥セルロースに対する水分の重量割合)は1重量%以上であってもよく、例えば1〜100重量%、好ましくは2〜80重量%、さらに好ましくは3〜60重量%(特に5〜50重量%)程度である。本発明では、解繊性度合や解繊効率の観点から、セルロースは、このような範囲で水分を含むのが好ましく、例えば、市販のセルロースパルプの場合、セルロースパルプを乾燥せずに、そのまま利用してもよい。含水率が小さすぎると、セルロースの解繊性が低下する虞がある。
セルロース原料の前処理について、解繊反応装置のサイズに応じてセルロース原料(特にパルプを用いた場合))を引き裂く又は千切る方法で解繊反応装置又は容器内に入る程度のサイズに破砕して解繊反応処理に供するのが好ましい。解繊効率の観点から、強力な粉砕は空隙率の高いセルロースパルプ又はセルロース繊維を圧密するため、セルロースパルプ又は繊維が緻密になり、反応性解繊液がセルロースに浸透し難くなる虞があるため、好ましくない。
セルロースと反応性解繊液との重量割合は、前者/後者=1/99〜35/65程度の範囲から選択でき、例えば1.2/98.8〜30/70、好ましくは1.5/98.5〜25/75、さらに好ましくは2/98〜20/80程度である。セルロースの割合が少なすぎると、修飾セルロース微細繊維の生産量が低くなり、多すぎると、反応時間が長くなるため、いずれにしても生産性が低下する虞がある。さらに、セルロースの割合が多すぎると得られた微細繊維のサイズと修飾率の均一性が低下する虞がある。
反応性解繊液に対するセルロースの飽和吸収率は、10倍以上(例えば10〜200倍程度)、好ましくは20倍以上(例えば20〜150倍程度)、さらに好ましくは30倍以上(例えば30〜100倍程度)である。飽和吸収率が低すぎると、セルロースの解繊性及び得られた微細繊維の均一性が低下する虞がある。
(一塩基カルボン酸無水物)
一塩基カルボン酸(モノカルボン酸)無水物(エステル化剤)は、独立して存在する2分子のカルボン酸を脱水縮合させた化合物であり、式:RCO−O−OCR(式中、R及びRは、同一又は異なって、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、飽和又は不飽和脂環族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である)で示される。一塩基カルボン酸無水物には、脂肪族モノカルボン酸無水物、脂環族モノカルボン酸無水物、芳香族モノカルボン酸無水物が含まれる。
脂肪族モノカルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、エタン酸プロピオン酸無水物などの飽和脂肪族モノカルボン酸無水物;無水(メタ)アクリル酸、無水クロトン酸、無水オレイン酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸無水物などが挙げられる。脂環族モノカルボン酸無水物としては、例えば、シクロヘキサンカルボン酸無水物、テトラヒドロ安息香酸無水物などが挙げられる。芳香族モノカルボン酸無水物としては、例えば、無水安息香酸、4−メチル安息香酸無水物などの芳香族モノカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの一塩基カルボン酸無水物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの一塩基カルボン酸無水物のうち、修飾性及び解繊性の点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水(メタ)アクリル酸、無水クロトン酸などの炭素数2〜7(特に2〜5)の低級脂肪族モノカルボン酸の無水物が好ましく、C1−6アルカン−モノカルボン酸無水物(特にC1−4アルカン−モノカルボン酸無水物)が特に好ましい。炭素数が大きすぎると、ミクロフィブリル間への浸透性とセルロース水酸基に対する反応性が低下する虞があるため、C1−6アルカン−モノカルボン酸無水物(特にC1−4アルカン−モノカルボン酸無水物)を少なくとも含むのが好ましく、解繊速度の点から、C1−3アルカン−モノカルボン酸無水物(特に無水酢酸)を少なくとも含むのが特に好ましい。
特に、得られる微細繊維の疎水性や有機媒体への分散性を調整するために、無水酢酸とC2−3アルカン−モノカルボン酸無水物(無水プロピオン酸及び/又は無水酪酸)とを組み合わせてもよい。無水酢酸とC2−3アルカン−モノカルボン酸無水物との重量割合は、前者/後者=9/1〜0.1/9.9程度の範囲から選択でき、例えば7/3〜1/9、好ましくは5/5〜1.5/8.5、さらに好ましくは4/6〜2/8程度である。
さらに、疎水性の高い炭素数5以上の一塩基カルボン酸無水物(例えば、C4−18アルカン−モノカルボン酸無水物)を修飾剤として用いる場合、C1−3アルカン−モノカルボン酸無水物(解繊効果の点から、特に無水酢酸)と組み合わせてもよい。炭素数5以上の一塩基カルボン酸無水物とC1−3アルカン−モノカルボン酸無水物との重量割合は、前者/後者=9.9/0.1〜5/5程度の範囲から選択でき、例えば9.5/0.5〜5.5/4.5、好ましくは9/1〜6/4、さらに好ましくは8.5/1.5〜6.5/3.5程度である。
反応性解繊液中の一塩基カルボン酸無水物の濃度(重量割合)は、ミクロフィブリル間への浸透性とセルロース水酸基に対する反応性のバランスに優れる点から、1〜50重量%(例えば3〜50重量%)程度の範囲から選択でき、例えば2〜40重量%、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%程度である。
(触媒)
本発明では、セルロースのエステル化を促進するために、一塩基カルボン酸無水物に加えて触媒を用いる。触媒には、塩基触媒、有機酸触媒が含まれる。
塩基触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アミン類、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩基触媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、酪酸ナトリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩;メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)などのホウ酸アルカリ金属塩;リン酸三ナトリウムなどのリン酸アルカリ金属塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのリン酸水素アルカリ金属塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩;炭酸水素マグネシウムなどの炭酸水素アルカリ土類金属塩;酢酸カルシウムなどのカルボン酸アルカリ土類金属塩;カルシウムt−ブトキシドなどのアルカリ土類金属アルコキシドなどが挙げられる。
アミン類としては、通常、第3級アミン類が使用され、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類;トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン類;トリシクロヘキシルアミンなどのトリシクロアルキルアミン;メチルジシクロヘキシルアミンなどのアルキルジシクロアルキルアミン;ピコリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1−メチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センなどの複素環式アミン類などが挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムアセタート、テトラブチルアンモニウムアセタートなどのテトラアルキルアンモニウムアセタート(テトラアルキルアンモニウム酢酸塩);塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムハライド;塩化ベンジルトリメチルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウムハライドなどが挙げられる。
これらの塩基触媒のうち、酢酸ナトリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、トリエチルアミンなどのトリC1−4アルキルアミン、ピリジンなどの複素環式アミン類などが汎用される。
有機酸触媒としては、例えば、カルボン酸(ギ酸などの脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸などの脂肪族ジカルボン酸など)、スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのアレーンスルホン酸)などが挙げられる。これらの酸触媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機酸触媒のうち、ギ酸やシュウ酸などのカルボン酸や、トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸又はその塩(特に、リチウム、マグネシウム、カルシウム、鉄などの弱アルカリ性を示す金属との塩)が好ましく、トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸が特に好ましい。
これらの触媒のうち、エステル化反応における触媒作用だけでなく、解繊も促進できる点から、複素環式アミン類などの塩基触媒が好ましく、ピリジン類を含む塩基触媒が特に好ましい。さらに、ピリジン類は、沸点も低いため、回収も容易であり、再利用し易い。また、ピリジン類(特にピリジン)は、触媒の機能に加えて、溶媒としての機能も有しているため、触媒量を超えた割合で配合し、溶媒としての機能を担わせてもよい。
ピリジン類としては、例えば、ピリジン;メチルピリジン(ピコリン)、エチルピリジンなどのC1−4アルキルピリジン;ジメチルピリジン(ルチジン)などのジC1−4アルキルピリジン;トリメチルピリジン(コリジン)などのトリC1−4アルキルピリジンなどが挙げられる。これらのうち、ピリジンが好ましい。ピリジン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
塩基触媒の好ましい態様は、ピリジン類(特にピリジン)を含んでいればよく、ピリジン類単独であってもよいが、修飾セルロース微細繊維の生産性(生産効率、解繊性及び修飾性)を向上でき、かつ修飾セルロース微細繊維の着色や分解を抑制できる点から、ピリジン類(特にピリジン)と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物(以下、両化合物をまとめて「金属化合物」と称する)との組み合わせが特に好ましい態様である。
ピリジン類(特にピリジン)と組み合わせる金属化合物としては、前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物であればよいが、ピリジン類との組み合わせにより、セルロース微細繊維の生産性と物性とを両立できる点から、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;酢酸ナトリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩;四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)などのホウ酸アルカリ金属塩;リン酸三ナトリウムなどのリン酸アルカリ金属塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのリン酸水素アルカリ金属塩;炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩;炭酸水素マグネシウムなどの炭酸水素アルカリ土類金属塩;酢酸カルシウムなどのカルボン酸アルカリ土類金属塩が好ましく、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;酢酸ナトリウムなどのC1−4アルカン−モノカルボン酸アルカリ金属塩が特に好ましい。
ピリジン類と金属化合物とを組み合わせる場合、金属化合物の割合(アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物とを組み合わせる場合は合計割合)は、ピリジン類100重量部に対して、例えば1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは3〜20重量部(特に5〜15重量部)程度である。金属化合物の割合が少なすぎると、セルロース微細繊維の修飾率が低下したり、反応時間が長くなったりする虞があり、逆に多すぎると、過修飾することによりセルロース微細繊維の収率が低下する虞がある。
塩基触媒の場合、触媒の割合は、反応性解繊液全体に対して0.05〜99重量%(例えば0.1〜98重量%)であればよく、例えば0.2〜99重量%(例えば1〜97重量%)、好ましくは2〜95重量%、さらに好ましくは5〜90重量%(特に10〜90重量%)程度である。有機酸触媒の場合、触媒の割合は、反応性解繊液全体に対して0.5〜50重量%(例えば1〜35重量%)であればよく、例えば2〜30重量%(例えば3〜25重量%)、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは7〜15重量%程度である。
触媒の割合は、触媒の機能に応じて選択してもよく、触媒としての作用のみ発現させる場合、反応性解繊液全体に対して、例えば0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜18重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%(特に3〜12重量%)程度である。例えば、触媒をピリジン類と金属化合物との組み合わせで構成する場合、触媒の割合(合計割合)は、この範囲であってもよい。
一方、触媒が溶媒としての機能も有し、触媒を触媒作用に加えて溶媒としても利用する場合、触媒の割合は、反応性解繊液全体に対して20重量%以上であってもよく、例えば20〜80重量%、好ましくは23〜50重量%、さらに好ましくは25〜40重量%程度である。例えば、触媒がピリジン類を含む場合(特にピリジン類単独の場合)、触媒の割合はこの範囲であってもよい。
触媒の割合が少なすぎると、セルロースの修飾率が低下し、セルロースを解繊する作用も低下する虞がある。一方、触媒の割合が多すぎると、セルロースが激しく分解する虞がある上に、セルロースへの反応性解繊液の浸透性が低下し、セルロースを解繊する作用も低下する虞がある。
(溶媒)
溶媒としては、一塩基カルボン酸無水物の反応性及びセルロースの解繊を損なわない溶媒であれば特に限定されないが、一塩基カルボン酸無水物のミクロフィブリル間への浸透性を促進でき、かつセルロースの水酸基に対する反応性を適度に調整できるため、ドナー数26以上の非プロトン性溶媒を含む溶媒が好ましい。このような非プロトン性溶媒のドナー数は、例えば26〜35、好ましくは26.5〜33、さらに好ましくは27〜32程度である。ドナー数低すぎると、一塩基カルボン酸無水物のミクロフィブリル間への浸透性を向上させる効果が発現しない虞がある。なお、ドナー数については、文献「Netsu Sokutei 28(3)135-143」を参照できる。
前記非プロトン性溶媒としては、例えば、アルキルスルホキシド類、アルキルアミド類、ピロリドン類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アルキルスルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのジC1−4アルキルスルホキシドなどが挙げられる。
アルキルアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミドなどのN,N−ジC1−4アルキルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミドなどのN,N−ジC1−4アルキルアセトアミドなどが挙げられる。
ピロリドン類としては、例えば、2−ピロリドン、3−ピロリドンなどのピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのN−C1−4アルキルピロリドンなどが挙げられる。
これらの非プロトン性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの非プロトン性溶媒(括弧内の数字はドナー数)のうち、DMSO(29.8)、DMF(26.6)、DMAc(27.8)、NMP(27.3)などが汎用される。
これらのうち、非プロトン性溶媒のうち、一塩基カルボン酸無水物のミクロフィブリル間への浸透性を高度に促進できる点から、アルキルスルホキシド類及び/又はアルキルアセトアミド類(特に、DMSOなどのジC1−2アルキルスルホキシド及び/又はDMAcなどのN,N−ジC1−2アルキルアセトアミド)が好ましく、セルロースの解繊効果を向上できる点から、DMSOが特に好ましく、変色を抑制できる点からDMAcが特に好ましい。
溶媒は、他の溶媒として、ドナー数26未満の慣用の非プロトン性溶媒、例えば、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどを含んでいてもよいが、ドナー数26以上の非プロトン性溶媒を主溶媒として含むのが好ましい。ドナー数26以上の非プロトン性溶媒の割合は、溶媒全体に対して50重量%以上であってもよく、好ましくは80重量%、さらに好ましくは90重量%以上であり、100重量%(ドナー数26以上の非プロトン性溶媒単独)であってもよい。ドナー数26未満の溶媒が多すぎると、セルロースミクロフィブリル間への反応性解繊液の浸透性が低下するため、セルロースの解繊効果が低下する虞がある。
触媒と溶媒(特にアルキルスルホキシド類及び/又はアルキルアミド類などの非プロトン性溶媒)の重量比は、修飾反応速度及びセルロースミクロフィブリル間への反応性解繊液の浸透速度に影響する。両者の重量比は、触媒種に応じて選択してもよく、例えば、塩基触媒(アルカリ性触媒)、例えば、ピリジンなどの弱アルカリ性の触媒を単独で用いる場合は、弱アルカリ性の触媒と溶媒(特にアルキルスルホキシド類及び/又はアルキルアミド類)との重量比は、前者/後者=90/10〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば85/15〜15/85、好ましくは80/20〜20/80程度である。前記金属水酸化物又は金属塩などのより強いアルカリ性の触媒を含む場合は、触媒の割合は少量であってもよく、塩基触媒(特にピリジン類とアルカリ金属化合物との組み合わせ)と溶媒(特にアルキルスルホキシド類)との重量比は、前者/後者=30/70〜0.05/99.95程度の範囲から選択でき、例えば20/80〜0.1/99.9、好ましくは15/85〜0.5/99.5程度である。一方、有機酸触媒の場合は、有機酸触媒と溶媒(特に非プロトン性溶媒)との重量比は、有機酸触媒/溶媒=50/50〜0.5/99.5、好ましくは30/70〜0.8/99.2程度である。さらに、有機酸触媒/溶媒=10/90〜1/99程度であってもよい。溶媒の割合が多すぎると、セルロースの修飾率が低下し、セルロースを解繊する効率も低下する虞がある。
さらに、一塩基カルボン酸無水物が無水酢酸を含み、触媒がピリジン類を含み、溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)などのアルキルスルホキシド類である場合、ピリジン類とアルキルスルホキシド類との重量比は、修飾セルロース微細繊維の着色や分解を抑制できる点から、ピリジン類/アルキルスルホキシド類=45/55〜1/99、好ましくは40/60〜3/97、さらに好ましくは30/70〜5/95程度である。一塩基カルボン酸無水物と触媒と溶媒とがこれらの組み合わせである場合、着色や分解が発生し易くなるメカニズムは明確ではないが、これらの成分の共存下では酸化反応によりジメチルスルフィドが生成したり、セルロースが分解し易くなったりすることに関連すると推定できる。なお、ピリジン類の割合が少なくなると、解繊性及び修飾性が低下するため、前述のように、ピリジン類と前記金属化合物と組み合わせるのが好ましい。
(他のエステル化剤)
修飾解繊工程では、本発明の効果を損なわない範囲で、他のエステル化剤を用いてもよい。他のエステル化剤としては、一塩基カルボン酸[酢酸、プロピオン酸、(イソ)酪酸、吉草酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸;(メタ)アクリル酸、オレイン酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、テトラヒドロ安息香酸などの脂環族モノカルボン酸;安息香酸、4−メチル安息香酸などの芳香族モノカルボン酸など]、二塩基カルボン酸又はその無水物[例えば、(無水)コハク酸、アジピン酸などの(無水)飽和脂肪族ジカルボン酸;(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの(無水)不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物;(無水)1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、(無水)メチルテトラヒドロフタル酸などの(無水)脂環族ジカルボン酸;(無水)フタル酸、(無水)ナフタル酸などの(無水)芳香族ジカルボン酸など]、多塩基カルボン酸類(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの(無水)ポリカルボン酸など)などが挙げられる。これらのエステル化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。他のエステル化剤の割合は、一塩基カルボン酸無水物100重量部に対して50重量部以下であり、例えば0〜35重量部、好ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部程度である。他のエステル化剤の割合が多すぎると、一塩基カルボン酸無水物による修飾率が低下したり、得られた修飾セルロース微細繊維の耐熱性や疎水性溶媒への分散性が低下する虞がある。
(反応条件)
本発明の製造方法では、前記触媒と前記一塩基カルボン酸無水物と前記溶媒とを含む反応性解繊液をセルロースに浸透させてセルロースを膨潤させて、セルロースをエステル化させて、セルロースミクロフィブリルの表面にある水酸基をエステル化修飾し、かつセルロースを解繊できればよく、このような化学解繊方法は、特に限定されないが、通常、前記反応性解繊液を調製し、調製した反応性解繊液にセルロースを添加して混合する方法を利用できる。
反応性解繊液の調製方法は、予め前記触媒と前記一塩基カルボン酸無水物と前記溶媒とを攪拌などによって混合し、一塩基カルボン酸無水物を前記触媒及び前記溶媒中に均一に溶解させてもよい。
得られた反応性解繊液は、セルロースに対する浸透性が高いため、セルロースを反応性解繊液に添加して混合することにより、反応性解繊液は、ミクロフィブリル間に浸入して、ミクロフィブリルの表面に存在する水酸基を修飾することにより、セルロースの修飾と解繊とを同時に行うことができる。
詳しくは、化学解繊方法は、反応性解繊液にセルロースを混合して1時間以上放置してエステル化する方法であってもよく、混合後、さらに溶液中でセルロースが均一な状態を維持できる程度の攪拌(物理的にセルロースを解繊又は破砕しない程度の攪拌)を行ってもよい。すなわち、反応は、反応性解繊液にセルロースを混合して放置するだけでも進行するが、浸透又は均一性を促進するために、攪拌手段を用いて攪拌を行ってもよい。この攪拌は、物理的にセルロースを粉砕又は解繊させる強力な攪拌ではなく、通常、化学反応で汎用されているマグネティックスターラ又は攪拌翼(例えば10〜15000rpm、好ましくは50〜10000rpm程度の攪拌)による攪拌であればよい。また、攪拌は、連続的に攪拌してもよいいし、断続的に攪拌してもよい。
本発明では、化学解繊における反応温度は、加熱する必要はなく、室温で反応させればよく、1時間以上反応させることにより、剪断力の働きによる機械的解繊手段を用いることなく、セルロースを化学的に解繊できる。そのため、本発明では、余分なエネルギーを使用することなくセルロースを解繊できる。なお、反応を促進するために、加熱してもよく、加熱温度は、例えば90℃以下(例えば40〜90℃程度)、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下程度である。
反応時間は、一塩基カルボン酸無水物及び触媒の種類や、前記溶媒のドナー数によって選択でき、例えば0.5〜50時間、好ましくは1〜36時間、さらに好ましくは1.5〜24時間程度である。例えば、無水酢酸などの極性の高い低級カルボン酸無水物とドナー数の高いジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒とを用いる場合、数時間(例えば1〜6時間)程度の時間であってもよく、好ましくは1.5〜5時間程度である。さらに、前述のように、処理温度(反応温度)を高めて、反応時間を短くしてもよい。反応時間が短すぎると、反応性解繊液がミクロフィブリル間まで浸透するのが不十分となり、反応が不十分となり、解繊度合いも低下する虞がある。一方、反応時間は長すぎるとセルロース微細繊維の収率が低下する虞がある。
反応は、不活性ガス(窒素、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下又は減圧下で行ってもよいが、通常、密閉反応容器内で行う場合が多い。このような反応条件であれば、エステル化反応により発生した水を系外に排出したり、空気中の水分が系内に吸入されないため、好ましい。
化学解繊して得られた修飾セルロース微細繊維は、慣用の方法(例えば、遠心分離、濾過、濃縮、沈殿など)により分離精製してもよい。例えば、失活させたエステル化剤、触媒及び溶媒を溶解可能な溶媒(アセトンなど)を反応混合物に添加し、前記遠心分離、濾過、沈殿などの分離法(慣用の方法)で分離精製(洗浄)してもよい。なお、分離操作は複数回(例えば、2〜5回程度)行うことができる。反応終了後、水又はメタノールなどの失活剤を添加して、一塩基カルボン酸無水物(エステル化剤)を失活させてもよい。
さらに、トルエンスルホン酸や金属水酸化物などの強酸触媒又は強アルカリ触媒を用いた場合、解繊後中和してから洗浄することが好ましい。
(修飾セルロース微細繊維)
得られた修飾セルロース微細繊維は、ナノサイズに解繊されており、平均繊維径は、例えば5〜800nm、好ましくは10〜600nm、さらに好ましくは12〜500nm(特に15〜300nm)程度であってもよい。特に、ピリジン類と金属化合物とを組み合わせた触媒を用いて、さらに極細の繊維も調製でき、修飾セルロース微細繊維の平均繊維径は、例えば5〜50nm、好ましくは10〜40nm、さらに好ましくは12〜30nm(特に15〜25nm)程度であってもよい。繊維径が大きすぎると、補強材としての効果が低下する虞があり、小さすぎると、微細繊維の取り扱い性や耐熱性も低下する虞がある。
得られた修飾セルロース微細繊維は、化学解繊されているため、従来の機械解繊法で得られた微細繊維よりも長い繊維長を有しており、平均繊維長は1μm以上であってもよく、例えば1〜200μm程度の範囲から選択でき、例えば1〜100μm(例えば1〜80μm)、好ましくは2〜60μm、さらに好ましくは3〜50μm程度であってもよい。繊維長が短すぎると、補強効果や成膜機能が低下する虞がある。また、長すぎると、繊維が絡み易くなるため溶媒や樹脂への分散性が低下する虞がある。
修飾セルロース微細繊維の平均繊維径に対する平均繊維長の割合(アスペクト比)は用途に応じて対応でき、例えば30以上であってもよく、例えば40〜1000、好ましくは50〜500、さらに好ましくは60〜200(特に80〜150)程度であってもよい。
なお、本発明では、修飾セルロース微細繊維の平均繊維径、平均繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡写真の画像からランダムに50個の繊維を選択し、加算平均して算出してもよい。
また、修飾セルロース微細繊維は各繊維又は全ての繊維がむら無くエステル化修飾されているため、有機溶媒や樹脂などの有機媒体によく分散できる。修飾セルロース微細繊維の特性(例えば、低線膨張特性、強度、耐熱性など)を樹脂に有効に発現させるためには、結晶性の高い修飾セルロース微細繊維が好ましい。本発明の修飾セルロース微細繊維は、化学解繊され、原料セルロースの結晶性を維持できるため、修飾セルロース微細繊維の結晶化度は前記セルロースの数値をそのまま参照できる。修飾セルロース微細の結晶化度は50%以上(特に65%以上)であってもよく、例えば50〜98%、好ましくは65〜95%、さらに好ましくは70〜92%(特に75〜90%)程度であってもよい。結晶化度が小さすぎると、線膨張特性や強度などの特性を低下させる虞がある。なお、結晶化度は、後述の実施例に記載の方法で測定できる。
修飾セルロース微細繊維の平均置換度は、微細繊維の直径とエステル化剤の種類によるが、1.5以下(例えば0.02〜1.2)であり、例えば0.05〜1.0(例えば0.1〜1.0)、好ましくは0.15〜0.95、さらに好ましくは0.25〜0.8(特に0.3〜0.8)程度である。平均置換度が大きすぎると、微細繊維の結晶化度又は収率が低下する虞がある。平均置換度(DS:degree of substitution)は、セルロースの基本構成単位であるグルコース当たりの置換された水酸基の平均数であり、Biomacromolecules 2007, 8, 1973-1978やWO2012/124652A1又はWO2014/142166A1などを参照できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、用いた原料の詳細は以下の通りであり、得られた修飾セルロース微細繊維及び延伸フィルムの特性及び評価は以下のようにして測定した。
(用いた原料、触媒及び溶媒)
セルロースパルプ:市販木材パルプ(Georgia Pacific社製、商品名:フラッフパルプARC48000GP、含水率9重量%)をサンプル瓶に入れるサイズ(1〜3cm角程度)まで切断したパルプ
他の原料、触媒及び溶媒:ナカライテスク(株)製の試薬。
(セルロースの飽和吸収率)
セルロースの反応性解繊液に対しての飽和吸収率Rは以下の手順で評価した。即ち、一定量のセルロースパルプW(例えば0.1g)を反応性解繊液W(例えば15g)に加え、室温で10時間静置した後、上部透明な上澄みを除いて秤量(W)し、下記式で飽和吸収率Rを算出した。
R=(W―W)/W×100%。
(解繊度合)
得られた修飾セルロース微細繊維を光学顕微鏡(ニコン(株)製「OPTIPHOT−POL」)でセルロースの解繊度合を観察し、以下の基準で評価した。
◎:解繊が進行し、1μm以上の繊維径を有する繊維が殆ど存在しない
○:殆ど解繊されているが、1μm以上の繊維径を有する繊維が少し存在する
△:完全に解繊されていないが、一部の繊維が解繊されたり、大きく膨張している
×:原料セルロースの繊維がそのまま残存している。
(修飾セルロース微細繊維の表面修飾率又は平均置換度)
修飾セルロース微細繊維の表面修飾率は、平均置換度で示し、下記の滴定法によって測定できる。なお、平均置換度とは、セルロースの繰り返し単位1個当たりの修飾された水酸基の数(置換基の数)の平均値である。
即ち、アセトンで洗浄して乾燥した表面修飾セルロース微細繊維(固形分0.05g)にメタノール6ml、蒸留水2mlを添加し、60〜70℃で30分攪拌した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加し、60〜70℃で15分攪拌しさらに室温で一日攪拌した。得られた混合液に対して、フェノールフタレインを用いて0.02N塩酸水溶液で滴定し、下記式より化学修飾率を計算した。
ここで、滴定に要した0.02N塩酸水溶液の量Z(ml)から、化学修飾により導入された置換基のモル数Qは、下記式で求められる。
Q(mol)=0.05(N)×10(ml)/1000−0.02(N)×Z(ml)/1000
この置換基のモル数Qと、平均置換度Dとの関係は、以下の式で算出される[セルロース=(C10)n=(162.14)n,繰り返し単位1個当たりの水酸基数=3,OHの分子量=17]。
D=162.14×Q/[サンプル量−(T−17)×Q]
(式中、Tはエステル化置換基の前駆体である一塩基カルボン酸無水物の分子量である)。
さらに一部のサンプルをフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で分析したところ、何れのサンプルも1730cm−1でのエステル結合の吸収バンドが検出された。なお、測定は、NICOLET社製「NICOLET MAGNA−IR760 Spectrometer」を用い、反射モードで分析した。
(修飾セルロース微細繊維の形状観察)
修飾セルロース微細繊維の形状はFE−SEM(日本電子(株)製「JSM−6700F」、測定条件:20mA、60秒)を用いて観察した。なお、平均繊維径及び平均繊維長は、SEM写真の画像からランダムに50個の繊維を選択し、加算平均して算出した。
(結晶化度)
得られた修飾セルロース微細繊維の結晶化度は、参考文献:Textile Res. J. 29:786-794(1959)に基づき、XRD分析法(Segal法)により測定し、下記式により算出した。
結晶化度(%)=[(I200-IAM)/I200]×100%
[式中、I200はX線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、IAMはアモルファス部(002面と110面間の最低部、回折角2θ=18.5°)の回折強度である]。
(溶剤分散性)
アセトンで洗浄した修飾セルロース微細繊維を0.05g、MEK(メチルエチルケトン)10gを20mlのサンプル瓶に入れ、スターラーでよく攪拌し、さらに室温で60分間静置した後、微細繊維の沈降状態を観察し、修飾セルロース微細繊維のMEK中の分散性を以下の基準で評価した。
○:沈殿せず懸濁層の上に透明な液層が観察されない
△:沈殿しなかったが懸濁層の上に透明な液層が観察された
×:微細繊維が完全に沈殿した。
(修飾セルロー微細繊維の着色性)
修飾セルロース微細繊維の着色性は目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:全く着色無し
○:目視で分からない程度の着色
△:薄黄色に着色
×:茶色に着色。
実施例1
ピリジン3gとDMSO 7gと無水プロピオン酸1.3gとを20mlのサンプル瓶に入れ、スターラーで混合液が均一に混ざるまで攪拌した。次に、セルロースパルプ0.3gを加え、さらに24時間攪拌した後、アセトンと水の混合溶液で洗浄することによりピリジン、DMSO、残留無水プロピオン酸を除いた。固形分を回収し、得られた修飾セルロース微細繊維について、平均置換度を測定し、修飾官能基をFT−IR分析で確認し、走査型電子顕微鏡(SEM)で形状を観察し、XRD分析法で結晶化度を測定し、解繊度合及び溶剤分散性を評価した。FT−IR分析の結果を図1に示し、SEM写真を図2に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は30nmであり、平均繊維長は9.5μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は32倍であった。
実施例2
ピリジン3gとDMAc7gと無水酢酸1gとを20mlのサンプル瓶に入れ、実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維を実施例1と同様に評価した。FT−IR分析の結果を図3に示し、SEM写真を図4に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は93nmであり、平均繊維長は12.3μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は28倍であった。
実施例3
ピリジンの添加量を7gに変更し、DMAc7gの代わりにDMSO 3gをサンプル瓶に入れる以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維を実施例1と同様に評価した。FT−IR分析の結果を図5に示し、SEM写真を図6に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は110nmであり、平均繊維長は13.6μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は20倍であった。
実施例4
ピリジン4.5gとDMSO 4.5gと無水酪酸1gとをサンプル瓶に入れ、実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維を実施例1と同様に評価した。FT−IR分析の結果を図7に示し、SEM写真を図8に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は136nmであり、平均繊維長は15.8μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は29倍であった。
実施例5
ピリジン5gとDMSO 5gと無水酢酸0.2gと無水酪酸0.8gとをサンプル瓶に入れ、実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例6
ピリジン3gの代わりにトルエンスルホン酸1gをサンプル瓶に入れ、DMAc7gの代わりにDMSO 9gをサンプル瓶に入れ、セルロースパルプ添加後の攪拌時間を5時間に変更する以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例7
無水酢酸1gの代わりに無水安息香酸2gをサンプル瓶に入れる以外は実施例3と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例8
DMAcの代わりにDMFをサンプル瓶に入れる以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例9
DMAcの代わりにNMPをサンプル瓶に入れる以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例10
ピリジン0.5gと酢酸ナトリウム0.05gとDMSO 9gと無水酢酸1gとを20mlのサンプル瓶に入れ、セルロースパルプ添加後の攪拌時間を2時間に変更する以外は実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維を実施例1と同様に評価した。FT−IR分析の結果を図9に示し、SEM写真を図10に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は15nmであり、平均繊維長は6.1μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は33倍であった。
実施例11
ピリジン1gと炭酸水素ナトリウム0.15gとDMSO 9gと無水プロピオン酸1.2gとを20mlのサンプル瓶に入れ、セルロースパルプ添加後の攪拌時間を2時間に変更する以外は実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析を除いて実施例1と同様に評価した。SEM写真を図11に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は15nmであり、平均繊維長は6.9μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は29倍であった。
実施例12
ピリジン1gと炭酸ナトリウム0.1gとDMSO 9gと無水酪酸1.2gとを20mlのサンプル瓶に入れ、セルロースパルプ添加後の攪拌時間を2時間に変更する以外は実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析を除いて実施例1と同様に評価した。SEM写真を図12に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は22nmであり、平均繊維長は6.5μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は28倍であった。
実施例13
水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム/水=1/1(重量比))0.1gとDMSO 9gと無水酢酸0.5gと無水酪酸0.9gとを20mlのサンプル瓶に入れ、スターラーで混合液が均一に混ざるまで攪拌した。次に、セルロースパルプ0.3gを加え、さらに2時間攪拌した後、水酸化ナトリウムと等当量の塩酸を加え、水酸化ナトリウムを中和した後、アセトンと水の混合溶液で洗浄することにより塩化ナトリウム、DMSO、残留無水酢酸、残留無水酪酸を除いた。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析を除いて実施例1と同様に評価した。SEM写真を図13に示す。SEM観察の結果、繊維の平均繊維径は10nmであり、平均繊維長は5.3μmであった。なお、解繊液におけるパルプの飽和吸収率は35倍であった。
比較例1
ピリジンを添加せず、DMAcの添加量を10gに変更する以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
比較例2
ピリジンを添加せず、DMAcをDMSO 10gに変更する以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
比較例3
ピリジンを添加せず、DMSOの添加量を10gに変更し、無水プロピオン酸を塩化ラウリル2gに変更する以外は実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
比較例4
ピリジンの添加量を10gに変更し、DMSOを添加せず、無水プロピオン酸を塩化ラウリル1gに変更する以外は実施例1と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
比較例5
ピリジンの添加量を5gに変更し、DMAcを1,4−ジオキサン5gに変更する以外は実施例2と同様にして修飾セルロース微細繊維を得た。得られた修飾セルロース微細繊維をFT−IR分析及びSEM観察を除いて実施例1と同様に評価した。
実施例及び比較例で得られた修飾セルロース微細繊維の評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例で得られた修飾セルロース微細繊維は、解繊が進んでいるのに対して、比較例で得られた修飾セルロース微細繊維は、解繊が殆ど進んでいなかった。
本発明の修飾セルロース微細繊維は、各種複合材料、コーティング剤に利用でき、シートやフィルムに成形して利用することもできる。

Claims (11)

  1. アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも1種の塩基触媒又は有機酸触媒を含む触媒と、式:RCO−O−OCR(式中、R及びRは、同一であって、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、飽和又は不飽和脂環族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である)で示される脂肪族モノカルボン酸無水物、脂環族モノカルボン酸無水物及び芳香族モノカルボン酸無水物からなる群より選択された少なくとも1種の一塩基カルボン酸無水物と、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択された少なくとも1種の非プロトン性溶媒とを含む反応性解繊液をセルロースに浸透させて、セルロースをエステル化して化学解繊する、平均繊維径が10〜800nmであり、かつI型結晶構造を有するセルロース微細繊維の表面が化学的に修飾されている修飾セルロース微細繊維の製造方法であって、前記セルロースが、木材、草本類、種子毛繊維、竹、サトウキビおよび紙からなる群より選択された少なくとも1種由来であり、かつI型結晶構造を有する、製造方法
  2. 一塩基カルボン酸無水物がC1−6アルカン−モノカルボン酸無水物である請求項1記載の製造方法。
  3. 一塩基カルボン酸無水物が、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水(メタ)アクリル酸、無水クロトン酸、無水オレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸無水物、テトラヒドロ安息香酸無水物、無水安息香酸及び4−メチル安息香酸無水物からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 一塩基カルボン酸無水物の割合が、反応性解繊液全体に対して3〜50重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 触媒が塩基触媒であり、塩基触媒の割合が、反応性解繊液全体に対して0.05〜90重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 触媒が、ピリジン類と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物との組み合わせであり、かつ触媒の割合が、反応性解繊液全体に対して0.05〜20重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 反応性解繊液に対するセルロースの飽和吸収率が10〜100倍である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. セルロースと反応性解繊液との重量割合が、前者/後者=1/99〜30/70である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 一塩基カルボン酸無水物で修飾され、疎水性溶媒に分散でき、結晶化度が70%以上であり、かつ平均繊維長が1〜200μmである修飾セルロース微細繊維を得る請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 平均置換度が0.05〜1.0である修飾セルロース微細繊維を得る請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. セルロースの含水率が1重量%以上である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
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