JP2010180339A - シアノ基含有糖類及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の高分子化合物に比べ誘電率の高い糖類の誘導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 糖類の水酸基の一部又は全てが一般式(1)で表される基で置換されたシアノ基含有糖類及びその製造方法である。
【化5】
Figure 2010180339

[式中、Rは、m+n個のヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸からカルボキシル基及び全てのヒドロキシル基を除いた2〜6価の有機残基を表し、mは1〜5、nは0〜4の数を表し、m+nは1〜5である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、シアノ基含有糖類に関する。詳しくはエステル基を介してシアノ基を含有する糖類、及びその製造方法に関する。
従来から、比較的高い誘電率を有する高分子化合物としては、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プルラン及びでんぷんなどにアクリロニトリルを付加反応させることによって得られる糖類のシアノエチル化物が知られている(特許文献1及び特許文献2)。しかし、これらのシアノエチル化物は、その誘電率がまだまだ低く、有機分散型ELで使用した場合に輝度が低いため、更に高い誘電率を有する高分子化合物が望まれている。
特開昭60−248701号公報 特開昭59−096104号公報
そこで本発明は、従来の化合物に比べ誘電率の高い糖類の誘導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは以上の問題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は糖類の水酸基の一部又は全てが一般式(1)で表される基で置換されたシアノ基含有糖類;並びに、糖類を一般式(2)で示される化合物でエステル化反応することを特徴とする前記シアノ基含有糖類の製造方法;である。
Figure 2010180339
式(1)及び式(2)中、Rは、m+n個のヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸からカルボキシル基及び全てのヒドロキシル基を除いた残基を表し、mは1〜5、nは0〜4の数を表し、m+nは1〜5である。
本発明によって得られた、シアノ基含有糖類は、従来の高分子材料に比べ誘電率が高い。また、耐熱性に優れている。
実施例1で得られたシアノ基含有セルロースの赤外吸収スペクトルチャートである。
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
一般式(1)においてRで表される2〜6価の有機残基を与えるm+n個のヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸としては、モノヒドロキシ酸(A1)、ジヒドロキシ酸(A2)、トリヒドロキシ酸(A3)、テトラヒドロキシ酸(A4)及びペンタヒドロキシ酸(A5)が挙げられる。
モノヒドロキシ酸(A1)としては乳酸、グリコール酸、タルトロン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸及びシリング酸などが;ジヒドロキシ酸(A2)としてはメバロン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、ピロカテク酸、ゲンチジン酸、プロトカテク酸及びオルセリン酸などが;トリヒドロキシ酸(A3)としては没食子酸、シキミ酸及びN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシンなどが;テトラヒドロキシ酸(A4)としてはキナ酸及びイズロン酸などが;ペンタヒドロキシ酸(A5)としてはグルコン酸などが具体例として挙げられる。これらのヒドロキシ酸のうち、より多くのシアノ基が導入できることから、好ましいのはトリヒドロキシ酸、テトラヒドロキシ酸及びペンタヒドロキシ酸、さらに好ましいのはペンタヒドロキシ酸である。
一般式(1)におけるm+nはヒドロキシ酸のヒドロキシル基の数であり、高誘電率のものが得られることから好ましくは3〜5、さらに好ましくは5である。mは、高誘電率のものが得られることから、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜5である。nは吸水性の観点から、好ましくは0〜1、さらに好ましくは0である。
本発明に用いられる糖類としては、単糖類、少糖類及び多糖類が挙げられる。単糖類としては、グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、マンノース及びフルクトースなどが挙げられる。少糖類としては、ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)、マルトース及びトレハロースなどが挙げられる。多糖類としては、デンプン、セルロース、キチン、キトサン及びプルランなどが挙げられる。この中で耐熱性の観点から好ましくは多糖類、更に好ましくはセルロースが使用される。
本発明に用いられるセルロースとしては、水酸基が未置換のセルロースでも、水酸基の一部が置換されたセルロースでも適用できる。
水酸基が未置換のセルロースとしては、綿リンター、木材パルプもしくは溶解パルプなどから得られる植物系セルロース、アセトバクター属などに属する微生物の産出するバクテリアセルロース、再生セルロース及び微結晶セルロースなどが挙げられる。
水酸基の一部が置換されたセルロースとしては、セルロースのエーテル化物(例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルセルロース及びシアノエチルヒドロキシエチルセルロースなど)やセルロースのエステル化物(例えば酢酸セルロース、酪酸セルロース及びプロピオン酸セルロースなど)が挙げられる。
糖類の水酸基のうち、前記一般式(1)で表される基で置換される割合は、好ましくは50〜100当量%であり、さらに好ましくは75〜100当量%である。置換される割合が50当量%以上の場合、残存する水酸基の数が少なくなることで誘電率の湿度依存性が低くなるため好ましい。
本発明のシアノ基含有糖類は、1kHz、20℃での比誘電率が好ましくは20〜50である。また、シアノ基含有糖類の重量に基づくシアノ基の含有量は5〜28重量%であることが好ましい。シアノ基の含有量が5重量%以上の場合、1kHz、20℃での比誘電率が20以上になりやすい。なお、シアノ基含有糖類のシアノ基含量、置換度及び比誘電率は以下の方法で測定できる。
シアノ基含量と置換度の測定方法は以下のとおりである。窒素分析装置(アンテック社製7000)に試料を導入し、試料を完全に燃焼させることで窒素含量の測定を行う。この窒素含量の測定値からシアノ基含有量を算出し、シアノ基含有量及び製造時に使用したシアノエチル化ヒドロキシ酸のmとnから置換度を算出する。
比誘電率の測定方法は以下のとおりである。まず、本発明により得られたシアノ基含有糖類を溶媒(例えばアセトン)に溶解し溶液とする。この溶液を離型性のある容器に流し込み、循風乾燥機に入れ溶媒を蒸発しフィルムとする。このフィルムを、安藤電気株式会社製TR−1100型誘電体損自動測定装置にて、1kHz、20℃条件下、電極間に挟みこんで静電容量を測定し比誘電率を算出する。
ε=14.39×C×d/D
ε:比誘電率、C:静電容量[pF]、d:フィルム厚み[cm]、D:電極直径[cm]
本発明のシアノ基含有糖類は融点が高く耐熱性に優れている。得られたシアノ基含有糖類の融点はDSC(セイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580)を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
本発明のシアノ基含有糖類は、糖類を一般式(2)で表される化合物でエステル化反応することで製造できる。
Figure 2010180339
一般式(2)で表される化合物はシアノエチル化されたヒドロキシ酸(以下において、「シアノエチル化ヒドロキシ酸」と略記する)であり、溶媒と塩基触媒の存在下、アクリロニトリルに上記のヒドロキシ酸をマイケル付加させることにより得られる。仕込み当量比についてはヒドロキシ酸の水酸基に対し、アクリロニトリルを1.2倍当量以上、好ましくは3倍当量以上使用する。一般式(2)で示される化合物のうち、nが0のものを製造するためにはアクリロニトリルを約2倍当量以上用いることが好ましい。シアノエチル化のための塩基触媒としては公知の物を使用することができる。すなわち、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基並びにトリエチルアミン及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなど等の有機塩基である。
シアノエチル化における溶媒としては通常の物を使用することができる。反応効率の観点から非プロトン性溶媒を用いることが好ましいが、ヒドロキシ酸の溶解性の観点からプロトン性溶媒として水を用いてもよい。反応時間は1〜5時間、反応温度は20〜70℃が副生物の生成を抑えられるため好ましい。反応時の圧力は常圧が好ましい。精製方法については反応液に溶媒又は水を加え有機層と水層の二層に分離し、有機層を分液精製後、エバポレーターで溶媒を減圧留去することによりシアノエチル化ヒドロキシ酸が得られる。
本発明のシアノ基含有糖類を得るためのエステル化反応は、触媒、無水カルボン酸及び溶媒の存在下で、糖類を一般式(2)で示されるシアノエチル化ヒドロキシ酸と反応させることで達成される。上記エステル反応は、糖類の水酸基が無水カルボン酸で一旦エステル化された後、引き続いてシアノエチル化ヒドロキシ酸でエステル交換反応が起こる反応である。無水カルボン酸としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸及びピバル酸無水物などが例示できる。この中でピバル酸無水物が反応効率の観点から好ましい。
上記のエステル化反応は、以下の条件で行うことができる。仕込み当量比は、糖類の水酸基に対し、シアノエチル化ヒドロキシ酸は3〜7倍当量用いることが反応効率の観点から好ましい。また、糖類の水酸基に対し、無水カルボン酸は1〜5倍当量用いることが反応効率の観点から好ましい。
触媒としてはルイス酸及びピリジン類が使用可能である。ルイス酸としては例えばスカンジウムトリフラート、イッテルビウムトリフラート、ハフニウムトリフラート、三フッ化ホウ素及びトリスペンタフルオロフェニルボラン等が挙げられる。ピリジン類としてはピリジン及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン等が挙げられる。この中でN,N−ジメチル−4−アミノピリジンが触媒能が高く好ましい。触媒の添加量は糖類の重量に対して、好ましくは50〜300重量%である。
なお、従来から、一般的な糖類のエステル化反応方法としては、酸触媒の存在下、無水カルボン酸と糖類を反応させる方法が知られているが、触媒として硫酸などの強酸を使用するため、本発明において糖類として多糖類を使用する場合、分子鎖中のグリコシド結合が開裂して加水分解を起こし分子量が低下するため好ましくない。
溶媒としては、超臨界二酸化炭素、アミド類(例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド)、スルホキシド類(例えばジメチルスルホキシド)、ケトン類(例えばアセトン及び2−ブタノン)、ベンゼン類(例えばトルエン及びキシレン)など、並びにこれらの混合溶媒を用いることができる。溶媒としては、反応効率の観点から超臨界二酸化炭素を用いることが好ましい。溶媒の使用量は、反応系の合計重量のうちの好ましくは10〜50重量%である。
反応温度としては、好ましくは30℃〜150℃ 、更に好ましくは60℃〜110℃の範囲である。前記範囲外でも製造できるが、前記範囲が、反応速度と多糖類の分解の抑制の観点から好ましい。
反応時間としては、通常、3時間〜40時間程度であり、好ましくは5時間〜30時間である。
反応圧力としては、減圧、加圧及び常圧のいずれにおいても実施することが可能である。反応効率(単位体積あたりの反応効率)の観点から、余りに低い圧力で実施することは好ましくない。好ましい実施圧力範囲は、1〜30MPaであり、更に好ましくは7〜20MPaである。
上記のようにして得られた粗生成物の後処理方法は以下のとおりである。反応後に得られた液を水中に投入することでシアノエチル化された糖類を固体として析出させ、その後、吸引濾過し固体のみを得る。さらに固体を水中に懸濁させ濾過することを二度以上繰り返し、減圧乾燥させる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部を示す。
以下の窒素含量、置換度、比誘電率及び融点はいずれも前記方法に従って測定又は計算を行った。
製造例1(シアノエチル化乳酸の製造)
スターラーチップをセットしたフラスコに乳酸(試薬1級、ナカライテスク(株)製)50部(0.56モル部)と10%水酸化ナトリウム水溶液244部を仕込み、攪拌下にアクリロニトリル59部(1.11モル部)(試薬1級、関東化学(株)製)を混合し、室温で4時間反応させた。反応物を塩酸でpH試験紙が中性となるまで中和した。その後、分液ロートを用い酢酸エチル240部を用いて抽出することを3回繰り返した。得られた液体を、60℃0.01MPaのの条件にてエバポレーターで揮発分の除去を行い、シアノエチル化乳酸(一般式(2)においてRがCH(CH3)−、m=1、n=0のもの)を53部得た。
製造例2(シアノエチル化グルコン酸の製造)
スターラーチップをセットしたフラスコにグルコン酸ナトリウム(試薬1級、東京化成(株)製)121部(0.56モル部)と10%水酸化ナトリウム水溶液244部を仕込み、攪拌下にアクリロニトリル294部(5.55モル部)(試薬1級、関東化学(株)製)を混合し、室温で4時間反応させた。反応物を塩酸でpH試験紙が中性となるまで中和した。その後、分液ロートを用い酢酸エチル240部を用いて抽出することを3回繰り返した。得られた液体を、60℃、0.01MPaの条件にてエバポレーターで揮発分の除去を行い、シアノエチル化グルコン酸を113部得た。NMRを用い分析したところ、一般式(2)におけるmとnはそれぞれ4.6及び0.4であった。
実施例1
粉末セルロース(品名:KCフロックW−100GK、日本製紙ケミカル(株)製)1部、前記シアノエチル化乳酸11部(セルロースの水酸基に対するカルボキシル基=4.2倍当量)、ジメチルスルホキシド9部、キシレン6部、ピバル酸無水物5部(セルロースの水酸基に対する無水物基=1.5倍当量)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン2部を加熱攪拌装置を備えた耐圧容器に仕込んだ。その後、ポンプを用いて液状二酸化炭素を反応容器内に送り込んで15MPaとし、90℃で15時間、加熱攪拌を行った。放冷後、二酸化炭素を排出し、容器内に残った液体をイオン交換水200部を用いて洗浄を行い、濾過することを3回繰り返した。最後に固体を70℃、0.01MPaの条件にて減圧乾燥し、シアノ基含有糖類を1部得た。得られた固体の窒素含量の測定を行ったところ7.4重量%であり、シアノ基含有糖類の重量に基づくシアノ基の含有量が15重量%と計算され、糖類の水酸基のうちの83当量%が置換されたものであった。生成物の赤外吸収スペクトルは図1の通りであり、目的のシアノ基含有セルロースが生成していることが確認できた。各吸収の帰属は以下の通りである。
1750cm-1:カルボニル基の吸収
2240cm-1:シアノ基の吸収
3350cm-1:ヒドロキシル基の吸収
実施例2
粉末セルロース(品名:KCフロックW−100GK、日本製紙ケミカル(株)製)1部、前記シアノエチル化グルコン酸30部(セルロースの水酸基に対するカルボキシル基=3.6倍当量)、ジメチルスルホキシド9部、キシレン6部、ピバル酸無水物5部(セルロースの水酸基に対する無水物基=1.5倍当量)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン2部を加熱攪拌装置を備えた耐圧容器に仕込んだ。その後、ポンプを用いて液状二酸化炭素を反応容器内に送り込んで15MPaとし、90℃で15時間、加熱攪拌を行った。放冷後、二酸化炭素を排出し、容器内に残った液体をイオン交換水200部を用いて洗浄を行い、濾過することを3回繰り返した。最後に固体を70℃、0.01MPaの条件にて減圧乾燥減圧乾燥し、シアノ基含有糖類を1部得た。得られた固体の窒素含量の測定を行ったところ13重量%であり、シアノ基含有糖類の重量に基づくシアノ基の含有量が26重量%と計算され、糖類の水酸基のうちの73当量%が置換されたものであった。生成物の赤外吸収スペクトルからは目的のシアノ基含有セルロースが生成していることが確認できた。
比較例1
粉末セルロース(品名:KCフロックW−100GK、日本製紙ケミカル(株)製)5部を入れたビーカーに、2%水酸化ナトリウム水溶液100部を入れ室温で2時間攪拌した。その後、圧搾して余分な水分を除去し、冷却器のついたフラスコに入れ45部(セルロースの水酸基に対する二重結合=9倍当量)のアクリロニトリルを投入し80分間、還流を行った。反応液を塩酸7部で中和し50%エタノール水溶液100部に投じ沈殿させた。沈殿物をイオン交換水20部で洗浄した後アセトンに30部に溶解し、50%エタノール水溶液100部で再沈殿させた。沈殿精製を2回繰り返した後、固体を70℃、0.01MPaの条件にて減圧乾燥し、セルロースのシアノエチル化物を5部得た。
比較例2
ヒドロキシエチルセルロース(ナカライテスク(株)製)5部を入れたビーカーに2%水酸化ナトリウム溶液を30部加え室温で攪拌した。1時間後、反応物は白濁し二層に分離した。水層を除去した後アクリロニトリル40部(ヒドロキシエチルセルロースの水酸基に対する二重結合=12.6倍当量)を加えて80℃で1時間還流した。塩酸2部を加え中和した後、50%エタノール水溶液100部で洗浄し、さらにイオン交換水100部で洗浄した。沈殿物をアセトンに溶解し、エタノール水溶液で再沈殿させた。沈殿精製を2回繰り返した後、固体を70℃、0.01MPaの条件にて減圧乾燥し、ヒドロキシエチルセルロースのシアノエチル化物を5部得た。
得られた化合物の融点と比誘電率を表1に示す。
Figure 2010180339
以上の結果から、実施例で得られたシアノ基含有糖類は、比誘電率が高く、かつ耐熱性も備えていることがわかる。
有機分散型EL素子の発光層形成用蛍光体ペースト及び絶縁体層形成用高誘電体ペーストのバインダーとして使用する時、EL素子に高い輝度を与えることができ、またコンデンサに使用した場合に更なる小型化が可能となり非常に有用である。

Claims (7)

  1. 糖類の水酸基の一部又は全てが一般式(1)で表される基で置換されたシアノ基含有糖類。
    Figure 2010180339
    [式中、Rは、m+n個のヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸からカルボキシル基及び全てのヒドロキシル基を除いた2〜6価の有機残基を表し、mは1〜5、nは0〜4の数を表し、m+nは1〜5である。]
  2. 前記糖類がセルロースである請求項1記載のシアノ基含有糖類。
  3. 前記糖類の水酸基のうちの50〜100当量%が一般式(1)で表される基で置換された請求項1又は2記載のシアノ基含有糖類。
  4. シアノ基含有糖類の重量に基づくシアノ基の含有量が5〜28重量%である請求項1〜3のいずれか記載のシアノ基含有糖類。
  5. 1kHz、20℃での比誘電率が20〜50である請求項1〜4のいずれか記載のシアノ基含有糖類。
  6. 糖類を一般式(2)で示される化合物でエステル化反応することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のシアノ基含有糖類の製造方法。
    Figure 2010180339
    [式中、Rは、m+n個のヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸からカルボキシル基及び全てのヒドロキシル基を除いた2〜6価の有機残基を表し、mは1〜5、nは0〜4の数を表し、m+nは1〜5である。]
  7. 超臨界状態の二酸化炭素を反応媒体として用いることを特徴とする請求項6記載のシアノ基含有糖類の製造方法。
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