JP6417112B2 - ウェットマスターバッチの製造方法、ウェットマスターバッチ、ゴム組成物、及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置 - Google Patents

ウェットマスターバッチの製造方法、ウェットマスターバッチ、ゴム組成物、及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置 Download PDF

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Description

本発明は、ウェットマスターバッチの製造方法、ウェットマスターバッチ、ゴム組成物、及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置に関する。
カーボンブラック等の充填剤を含有するゴム組成物の加工性や充填剤分散性を向上させる目的で、ウェットマスターバッチが製造されている。ウェットマスターバッチは、一般に、天然ゴムや合成ゴムのラテックスに任意で界面活性剤や水等を加えてゴムラテックス溶液を調合準備する任意のゴムラテックス溶液調合工程と、カーボンブラック等の充填剤を水等の溶媒に分散させたスラリー溶液を調合準備する充填剤スラリー調製工程と、これらの工程で調合されたゴムラテックス溶液と充填剤スラリーとを連続的に混合・凝固させ凝固物を含有する凝固液を形成する混合・凝固工程と、形成された凝固液から凝固物だけを分離して取り出す固液分離工程と、分離した凝固物からこれに付着し若しくは含まれる凝固剤等の不純物を洗浄して除去する洗浄工程と、洗浄した凝固物の内部空隙に充填している水分を除く脱水工程と、脱水した凝固物を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた凝固物を粒状やシート状等の所望の形状に成型して製品としてのウェットマスターバッチを形成する任意の成型工程とを経て製造される。
特許第4505038号公報
混合・凝固工程後に得られる凝固物の粒径を小さく、更には均一なものとすると、固液分離工程や脱水工程に移行する際の規格外廃棄率を非常に低減して歩留まりを大きく向上させることができる、脱水効率が良くなる等の多数の利点を有する。しかしながら、凝固物の粒径が数百μm以下と通常の粒径(1〜数十cm)より小さい場合、凝固物を含む凝固液はスラリー状であり、この凝固物スラリーに従来のウェットマスターバッチ製造方法における固液分離手段や脱水手段を用いて固液分離及び脱水を試みたがうまくいかなかった。
例えば、前記凝固物スラリーに従来のウェットマスターバッチ製造方法で行われている遠心分離での固液分離・脱水や、特許文献1に記載される加熱式スクリュー軸を具えたスクリュープレス機を用いて加熱加圧しながら固液分離・脱水を試みたところ、凝固物スラリーから水分をうまく分離できなかった。
更に、前記凝固物スラリーを濾布上で自然沈降させて固液分離・脱水を試みたところ、凝固物スラリーから水分を分離することはできたが、脱水後に得られた固形物の品質、特に水分率が安定せず、乾燥工程に送る前に濾布から塊状の固形物を取り出して砕く工程が必要となった。同時に、生産能力も低く、コストも高くなるという問題が生じた。
そこで、本発明は、粒径が小さい凝固物を含む凝固物スラリーを効率的に固液分離・脱水することができる、ウェットマスターバッチの製造方法、及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置を提供することを目的とする。また、本発明は、この効率的なウェットマスターバッチの製造方法により製造したウェットマスターバッチ、及びゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ゴムラテックスと、カーボンブラックを水に分散させたカーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて得られた凝固物スラリーを固液分離・脱水する固液分離・脱水工程を有するウェットマスターバッチの製造方法であって、該固液分離・脱水工程は、該凝固物スラリーを、濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後、ドラムの外周面上で加圧手段により押圧することによって加圧脱水を行うものであることを特徴とする。このように濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後に加圧濾過することにより、粒径が小さい凝固物を含む凝固物スラリーを効率的に固液分離及び脱水することができる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記固液分離・脱水工程を同一の濾過フィルター上で行い、該濾過フィルターが、ベルト状の濾布であって循環走行することが好ましい。同一の濾過フィルター上で行うと、従来は別々の装置を用いて2段階で行っていた固液分離工程及び脱水工程を一つの装置を用いて連続した一連の工程として行うことできる。また、濾過フィルターをベルト状の濾布として循環走行させることにより、固液分離・脱水工程に用いる装置を小型化することができる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物の水分含量が40〜65重量%であることが好ましい。前記固形物の水分含量がこの範囲内であると、後の乾燥工程において、ハンドリングが容易であり、消費エネルギーを抑えることもできる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物が厚み0.5〜3.0mmのシート状又は短冊状であることが好ましい。前記固形物がこのような形状を有すると、後の乾燥工程におけるハンドリングが容易となる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの通気度が10〜200cm/(cm・sec)である。濾過フィルターの通気度がこの範囲内であると、減圧濾過の効率を悪化させることなく濾過フィルターからの凝固物の流亡量を抑えることができる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの材質がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。濾過フィルターがこのような材質からなると、酸に対して耐性を有し、凝固物スラリーの酸による濾過フィルターの劣化を防ぐことができる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの織り方が綾織又は朱子織であることが好ましい。このような織り方であると、濾過フィルターの濾過処理量、ケーキ剥離性、耐目詰まり性、凝固物スラリーの捕集性等に優れる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの糸の形態がモノフィラメント又はマルチフィラメントであることが好ましい。モノフィラメントであると、濾過処理量、ケーキ剥離性及び耐目詰まり性に優れ、マルチフィラメントであると、凝固物スラリーの捕集性に優れる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの厚みが0.4〜0.8mmであることが好ましい。濾過フィルターを前記厚みとすると、減圧濾過の効率を高め、充分に固液分離・脱水することができる。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法では、前記濾過フィルターの走行速度が0.5〜3.0m/minであることが好ましい。この構成によると、固液分離・脱水工程を行って得られる固形物の水分含有量を所望の範囲とすることができる。
本発明のウェットマスターバッチは、上記ウェットマスターバッチの製造方法により製造されたことを特徴とする。このウェットマスターバッチは、小さな粒径の凝固物を含む凝固物スラリーを効率的に固液分離・脱水して得られ、耐摩耗性及び耐疲労性に優れる。また、本発明のゴム組成物は、前記ウェットマスターバッチを用いたことを特徴とする。このゴム組成物も、耐摩耗性及び耐疲労性に優れる。
また、本発明のウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置は、ゴムラテックスとカーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて得られた凝固物スラリーを、通気度が10〜200cm /(cm ・sec)の濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後、ドラムの外周面上で加圧手段により押圧することによって加圧脱水して固液分離・脱水し、且つ、濾過フィルターの洗浄装置を具えることを特徴とする。この固液分離脱水装置を用いると、粒径が小さい凝固物を含む凝固物スラリーの固液分離及び脱水を効率的に行うことができる。また、濾過フィルターの洗浄装置を具えることにより、濾過フィルターの長期反復使用が可能である。
本発明のウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置において、前記固液分離・脱水を同一の濾過フィルター上で行い、該濾過フィルターが、ベルト状の濾布であって循環走行することが好ましい。このような構成とすると、前記固液分離脱水装置を小型化することができる。
本発明によれば、粒径が小さい凝固物を含む凝固物スラリーを効率的に固液分離・脱水することができる、ウェットマスターバッチの製造方法、及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置を提供することができる。また、本発明によれば、この効率的なウェットマスターバッチの製造方法により製造したウェットマスターバッチ、及びゴム組成物を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る、ウェットマスターバッチ製造方法における固液分離・脱水工程で用いることができる固液分離脱水装置を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る、ウェットマスターバッチ製造方法における固液分離・脱水工程で用いることができる固液分離脱水装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[ゴムラテックス]
本発明において、ゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックス、それらの混合物のいずれも使用することができる。天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、それらの混合物等が挙げられる。合成ゴムラテックスとしては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、BR(ブタジエンゴム)ラテックス、IR(ポリイソプレン)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、CR(クロロプレンゴム)ラテックス、VP (ビニルピリジン)ラテックス、MBR(ブタジエン−メチルメタクリレートゴム)ラテックス、それらの混合物等が挙げられる。高固形分濃度のゴムラテックスを水等の分散媒によって所望の固形分濃度に調整して用いることもできる。
[カーボンブラックスラリー]
カーボンブラックの種類としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されているもの、例えば、SAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SRF、それらの混合物等が挙げられる。前記カーボンブラックは、表面にカルボキシル基等の酸性官能基を一定量有するのが好ましい。前記カーボンブラックが表面に酸性官能基を一定量有すると、塩基の存在下で水に分散させた場合に、酸性官能基がイオン化して水和し、カーボンブラックがカーボンブラックスラリー中で安定に微分散できるからである。酸性官能基を一定量有するカーボンブラックとしては、カーボンブラックに酸化処理等を行ってカーボンブラック表面に酸性官能基を導入したものを用いることができる。酸性官能基の導入の手法は、特に限定されず、液相酸化処理や気相酸化処理等が挙げられるが、気相オゾン処理により行ったものであるのが好ましい。気相オゾン処理は、液相酸化処理よりも低コストであり、カルボキシル基を効率的に導入することができるからである。気相オゾン処理とは、乾燥状態のカーボンブラックにオゾンガスを接触させて酸化することを意味する。
そのような気相オゾン処理カーボンブラックの酸性官能基量は、特に限定されないが、0.2〜3.0μeq/m2であるのが好ましい。酸性官能基量が少な過ぎると、前記カーボンブラック表面の水和が不充分な場合があり、酸性官能基量が多過ぎると、製造したウェットマスターバッチを材料として用いてゴム製品を製造する際に加硫遅延が起こる可能性があるからである。気相オゾン処理カーボンブラックの酸性官能基量は、塩基で中和滴定することによって求めることができる。具体的には、0.976N炭酸水素ナトリウム50mL中にカーボンブラック2〜5gを添加して6時間振盪した後、カーボンブラックを反応液から濾別し、濾液に0.05N塩酸水溶液を加えたのち、pHが7.0になるまで0.05N水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定試験を行ってカルボキシル基量を測定する。この測定値をカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA;m2/g)で除した値を、カーボンブラックの単位表面積当たりに形成されたカルボキシル基量(μeq/m2)とする。この単位表面積当たりのカルボキシル基量(μeq/m2)を上記酸性官能基量(μeq/m2)とする。
前記カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸収量は、特に限定されないが、50〜100mL/100gであるのが好ましい。DBP吸収量は、カーボンブラックのストラクチャーの大きさを表す指標であり、50mL/100g以上であれば、分散させた後に再凝集しにくく、100mL/100g以下であれば、ゴム組成物において充分な補強効果を発揮できるからである。前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、特に限定されないが、100〜150m2/gであるのが好ましい。CTAB吸着比表面積は、水との接触界面となる比表面積を表す指標であり、100m2/g以上であれば、気相オゾン処理カーボンブラック表面のイオン化した酸性官能基の水和に充分であり、150m2/g以下であれば、ゴム組成物へのカーボンブラック分散性が悪化する心配がないからである。
カーボンブラックスラリー中のカーボンブラック濃度は、特に限定されないが、20重量%以下であるのが好ましい。カーボンブラック濃度が20重量%以下であると、カーボンブラックを水中でより安定に微分散させることができるからである。
カーボンブラックスラリーには、塩基を添加するのが好ましい。塩基を添加すると、カーボンブラック表面の酸性官能基をイオン化することができ、カーボンブラック粒子を水中で安定に微分散させることができるからである。使用できる塩基としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、アンモニア、それらの混合物等が挙げられる。
前記カーボンブラックを水及び任意により塩基と混合し、カーボンブラックを水中に分散させて、カーボンブラックスラリーを調製する。カーボンブラックを安定に分散させるために分散剤を添加してもよいが、例えば、前記気相オゾン処理カーボンブラックを用いる等により、分散剤を添加しないのが好ましい。ここで、「分散剤」とは、カーボンブラックラリー中で安定にカーボンブラックを分散させる目的で加える界面活性剤及び樹脂を意味し、具体的には、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合体の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体の塩、スチレン−マレイン酸共重合体の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸塩等の陰イオン性高分子や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子や、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質や、アラビアゴム、トラガントゴム等の水溶性天然ゴム類や、サポニン等のグルコシド類や、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体や、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子が挙げられる。
前記カーボンブラックの分散の方法は、特に限定されず、公知の手段、例えば、ミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて行うことができるが、メディアを用いてずり応力を加えること、撹拌羽根の回転によりせん断力を加えること、加圧噴射したカーボンブラックスラリー同士を衝突させること、のいずれかの方法で行うのが好ましい。これらによれば、カーボンブラックを効率良く微細に分散させることができるからである。
メディアを用いてずり応力を加えることによる分散は、例えばビーズミルを用いて、カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックを湿式粉砕することにより行うことができる。ビーズミルは市販のものを用いることができる。ビーズミルの使用条件は、カーボンブラックの所望の分散の程度、すなわち、カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックについて所望する粒度分布や体積平均粒径に応じて当業者が適宜設定することができる。パス回数(スラリーをミルに通す回数)も、カーボンブラックの所望の分散の程度に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。
撹拌羽根の回転によりせん断力を加えることによる分散は、例えばインラインミキサーを用いて、カーボンブラックスラリーを混合することにより行うことができる。インラインミキサーは市販のものを用いることができる。撹拌羽根の回転により与えられるせん断力の大きさは、カーボンブラックの所望の分散の程度に応じて当業者が適宜設定することができ、特に限定されない。
加圧噴射したカーボンブラックスラリー同士を衝突させることによる分散は、例えば、斜向衝突チャンバーを具えたスギノマシン社製スターバースト(登録商標)等を用いて、複数方向からカーボンブラックスラリーを加圧噴射し、加圧噴射したカーボンブラックスラリー同士を衝突させることによって行うことができる。スターバーストで使用する圧力条件は、カーボンブラックの所望の分散の程度に応じて当業者が適宜設定することができ、特に限定されないが、50〜250MPaが好ましい。パス回数(スラリーを衝突させる回数)は、カーボンブラックの分散の程度に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。
カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックの粒度分布は、特に限定されないが、粒径1μm以下の粒子の割合が体積基準で15%以上であるのが好ましい。ゴムラテックスと混合し凝固させて得られる凝固物スラリー中の凝固物の粒径を小さく且つ均一なものとすることができるからである。前記粒度分布は、レーザー回折・散乱法で測定したものであり、例えば、マイクロトラック粒度分析計MT3000(日機装株式会社製)等を用いて測定することができる。
[混合・凝固工程]
本発明で固液分離・脱水工程を行う凝固物スラリーは、ゴムラテックスと、カーボンブラックを水に分散させたカーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて得ることができる。前記ゴムラテックスと前記カーボンブラックスラリーとの配合比は、特に限定されず、製造するウェットマスターバッチの用途目的に応じて異なる。
凝固槽に前記ゴムラテックスと前記カーボンブラックスラリーとを投入し、凝固槽内に設けられた攪拌羽根等の公知の攪拌装置で混合液にせん断力を加えることにより混合し凝固させて、凝固物スラリーを得る。攪拌装置として攪拌羽根を用いる場合、その形状、面積及び回転速度は特に限定されず、通常、混合・凝固工程で使用されているものを用いることができる。また、混合し凝固させるのに要する時間も、通常、混合・凝固工程で使用されているものを用いることができる。
従来方法では、ゴムラテックスと前記カーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて凝固物スラリーを得る際に、凝固を完了させるために凝固剤を添加するのが一般的である。しかし、例えば、カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックの粒度分布を、粒径1μm以下の粒子の割合が体積基準で15%以上とした場合等、攪拌のみで凝固が完了する場合、混合・凝固工程で凝固剤を使用しないのが好ましい。本明細書中で「凝固剤」とは、凝固を完了させるために加える添加剤、例えば、蟻酸、酢酸、硫酸、塩酸その他の酸、硫酸アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムその他の塩等を意味する。
[凝固物スラリー]
ゴムラテックスと前記カーボンブラックスラリーとを混合し凝固させると、カーボンブラック粒子とラテックス粒子との凝固物を含む凝固液スラリーが得られる。本発明で固液分離・脱水工程を行う凝固物スラリー中の凝固物の粒径は、従来方法で得られるもの(1mmを超える)よりも小さいことが好ましい。この凝固物の90体積%粒径(D90)は、40〜1000μmであることが好ましい。前記90体積%粒径(D90)は、レーザー回折・散乱法で測定した粒度分布測定結果の体積基準の積算粒子量曲線において、その積算量が90%を占めるときの粒径を示すものであり、例えば、マイクロトラック粒度分析計MT3000(日機装株式会社製)等を用いて測定することができる。このようにして得られた凝固物スラリー中の凝固物濃度は、特に限定しないが、5〜20重量%であるのが好ましい。凝固物スラリー中の凝固物の濃度が5〜20重量%であり、且つ凝固物の90体積%粒径(D90)が40〜1000μmであると、固液分離脱水装置におけるハンドリングが一層容易となるからである。凝固物濃度が前記範囲より高い場合は、水を加えて、凝固物濃度を前記範囲に調整してもよい。
[固液分離・脱水工程]
本発明における、凝固物スラリーを固液分離・脱水する固液分離・脱水工程は、凝固物スラリーを、濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後、ドラムの外周面上で加圧手段により押圧することによって加圧脱水を行うものである。このように濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後に加圧脱水することにより、粒径が小さい凝固物を含む凝固物スラリーを効率的に固液分離及び脱水することができる。
図1を用いて、前記固液分離・脱水工程の一例を説明する。図1に示す固液分離脱水装置は、本発明の実施形態を説明するために示す一例であって、本発明を限定するものではない。図1の固液分離脱水装置は、濾過フィルターとしての濾布1と、濾布1を時計回りに循環走行させるドライブローラ2及びガイドローラ3と、凝固物スラリーを濾布1上に散布するチャージシュート4と、凝固物スラリーに減圧濾過を行うバキュームホッパー5と、バキュームホッパー内の空気を吸引して減圧する図示しない吸引ブロワー(6の箇所で気液分離器7と接続)と、吸引ブロワーで吸引した空気と重力濾過及び減圧濾過によって分離した水とを分離する気液分離器7と、重力濾過及び減圧濾過後の凝固物スラリーに加圧脱水を行う大径のドラム8及び1個又は複数個の小径の加圧ロール9と、加圧脱水後の濾布1を洗浄する洗浄装置10とを具える。
混合・凝固工程を行って得られた凝固物スラリーは、図示しない凝固槽からチャージシュート4に供給される。チャージシュート4から一定の厚みで凝固物スラリーが濾過1の上に散布され、バキュームホッパー5の上を通る際に、重力により濾過されると同時に、吸引ブロワーに接続したバキュームホッパーの吸引力により減圧濾過される。重力濾過及び減圧濾過された凝固物スラリーは、続いて、ドラム8と加圧ロール9との間を通過する際に加圧脱水される。加圧脱水により所望の水分含量の固形物が得られると、この固形物は濾布1から離れて排出される。濾布1は、チャージシュート4まで循環走行して戻る間に洗浄装置10によって洗浄される。チャージシュート4の位置まで戻ると、上記一連の動作が繰り返される。加圧脱水により除去された水や濾布1の洗浄に使用された水は、水受けホッパー11等に回収されてもよい。
前記洗浄装置10は、特に限定しないが、例えば、シャワーノズルにより洗浄用の水を濾過フィルターに散布して濾過フィルターを洗浄する洗浄シャワーのようなものが挙げられる。洗浄用の水は、1回の使用のみで廃棄してもよく、気液分離器7や水受けホッパー11等に回収された排水を濾過循環装置等により清浄化して再使用してもよい。
前記重力濾過は、重力によって凝固物スラリーから水分を除くことを意味する。前記減圧濾過は、例えば、バキュームホッパーのような吸引濾過手段等を濾過フィルターの下側に設けることによって行うことができる。濾過の過程で重力濾過と減圧濾過とを同時に行うことで、凝固物スラリーからの水分除去の効率を高めることができる。
前記加圧脱水は、濾過フィルター上の凝固物スラリーを大径のドラムの外周面に対して濾過フィルター側から加圧手段で押圧することによって行うことができる。加圧手段としては、特に限定しないが、例えば、加圧ロールや加圧ベルト等が挙げられる。加圧ロールは、図1で9として示すように、金属製ロールの外周をゴム等で被覆したものである。加圧ベルトは、図2で9'として示すように、複数個のロールの外周にゴム等のベルトを巻回させて緊張させたものであり、モーター等の手段で循環走行する。加圧ベルトの方が濾過フィルターに対して接する面積が大きいため、一般に、加圧ベルトの方が加圧ロールよりも高い押圧を加える。これらの加圧手段は、ドラムとの間に濾過フィルターを挟んでドラムに対し接離する方向に可動に配設され、ドラム中心軸方向に接近させることで濾過フィルター上の凝固物スラリーを押圧する。これらの加圧手段は、必要に応じて1個〜複数個とすることができる。加圧手段は、加圧ロールであるのが好ましい。加圧ベルトの場合は、加圧ベルトの蛇行が生じるおそれを防ぐため、蛇行防止手段の設置が必要な場合があるのに対し、加圧ロールの場合は、蛇行防止手段の設置を必要としないからである。
前記固液分離・脱水工程は、別個の濾過フィルター上で行うこともできるが、同一の濾過フィルター上で行うことが好ましい。同一の濾過フィルター上で行うと、従来は別々の装置を用いて2段階で行っていた固液分離工程及び脱水工程を一つの装置を用いて連続した一連の工程として行うことができる。
前記濾過フィルターは、ベルト状の濾布であって循環走行するのが好ましい。具体的には、図1及び2に示すように、前記濾布1は、モーターに接続されたドライブローラ2と濾布1を支持する複数個のガイドローラ3との外周に巻回されることにより緊張され、ドライブローラ2の駆動により循環走行する。濾過フィルターをベルト状の濾布として循環走行させることにより、固液分離・脱水工程に用いる装置を小型化することができるからである。
前記濾過フィルターは、通気度、材質その他様々な条件によって性質が異なり、凝固物スラリー中の凝固物の粒径や、固液分離、脱水工程を行った後に得られる固形物の所望する水分含量、その他の条件を考慮して当業者が実験を行って適宜選択することができ、特に限定されない。しかし、本発明では、濾過フィルターの通気度が10〜200cm/(cm・s)であるものとする。通気度が10cm/(cm・s)以上であると、濾過フィルターが目詰まりせずに濾過効率が良く、通気度が200cm/(cm・s)以下であると、濾過フィルターから凝固物が流亡しないため、脱水工程後の固形物の回収量を低下させないからである。濾過フィルターが濾布である場合の通気度は、JIS L1096(2010)「織物及び編物の生地試験方法」の通気性の試験方法(8.26)に準拠して測定したものである。通気度は、糸の形態、糸の織り方等の条件を変更することにより、適宜設定することができる。
前記濾過フィルターの材質としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等が挙げられるが、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。ポリプロピレンは、酸やアルカリに対して耐性を有し、凝固物スラリーの酸による濾過フィルターの劣化を防ぐことができる。ポリエチレンテレフタレートは、酸に対して耐性を有し、凝固物スラリーの酸による濾過フィルターの劣化を防ぐことができることに加え、ポリプロピレンよりもケーキ剥離性が優れるからである。
前記濾過フィルターが濾布である場合、濾布は、通気度、材質に加えて、糸の形態、織り方その他様々な条件によって性質が異なる。糸の形態としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープル等が挙げられるが、モノフィラメント又はマルチフィラメントが好ましく、マルチフィラメントが最も好ましい。モノフィラメントは、濾過処理量、ケーキ剥離性、耐目詰まり性等の性質で他より優れる。マルチフィラメントは、モノフィラメントよりも濾過処理量、ケーキ剥離性、耐目詰まり性がやや劣るが、凝固物スラリーの捕集性に優れるからである。織り方としては、朱子織、綾織、平織等が挙げられるが、朱子織又は綾織が好ましく、朱子織が最も好ましい。朱子織は、濾過処理量、ケーキ剥離性、耐目詰まり性等の性質で他より優れるからである。綾織は、朱子織よりも濾過処理量、ケーキ剥離性、耐目詰まり性が劣るが、凝固物スラリーの捕集性に優れる。
前記濾過フィルターの厚みは、特に限定されないが、0.4〜0.8mmであることが好ましい。厚みが0.4mm以上であると、充分に固液分離・脱水することができ、厚みが0.8mm以下であると、減圧濾過の効率を高めることができるからである。
前記濾過フィルターの走行速度は、特に限定されないが、0.5〜3.0m/minであるのが好ましい。速度が速過ぎると固液分離や脱水が不充分となって、固液分離・脱水工程後の固形物の水分含量が高くなり、速度が遅過ぎると固液分離や脱水が過剰となって、固液分離・脱水工程後の固形物の水分含量が低くなり、後の加工性やハンドリング性が低下するからである。
前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物の水分含量は、目的に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、40〜65重量%であるのが好ましい。固形物の水分含量がこの範囲内であると、後の乾燥工程において、ハンドリングが容易であり、消費エネルギーを抑えることもできるからである。
前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物は、特に限定されないが、厚み0.5〜3.0mmのシート状又は短冊状であるのが好ましい。前記固形物がこのような形状を有すると、後の乾燥工程におけるハンドリングが容易となるからである。前記固形物の厚みは、凝固物スラリーを濾過フィルターに供給する量や厚み、凝固物スラリー供給前における濾過フィルターと加圧手段との隙間幅等によって調節することができる。前記固形物は、40〜65重量%の水分含量を有する場合には、シート状である。
[乾燥工程・成形工程]
上述のようにして得られた固形物を、通常の乾燥手段、例えば、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、ハンドドライヤー、多軸混練押出機等を用いて乾燥させることによって、ウェットマスターバッチを得ることができる。乾燥工程の前又は後に、必要に応じて、所望の形状へ成形する工程を行ってもよい。また、必要に応じて老化防止剤等の添加剤を加えてもよい。上述のようにして得られた本発明のウェットマスターバッチは、様々なゴム製品を製造するためのゴム組成物の材料として用いることができる。
以下で実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例の凝固物スラリーの調製]
天然ゴムラテックスと、カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックの50体積%粒径(D50)が1μm以下であるカーボンブラックスラリーとを混合し、凝固剤である蟻酸の存在下で凝固させて、凝固物スラリーを得た。カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックの50体積%粒径(D50)及び凝固物スラリー中の凝固物の90体積%粒径(D90)は、日機装社製マイクロトラックMT300で測定した。凝固物スラリー中の凝固物濃度は、凝固物スラリーを130℃で蒸発乾固させ、乾燥後質量を測定して凝固物含量とし、乾燥前後の質量差を測定して含水量として、含水量に対する凝固物含量の割合を算出することにより求めた。
[実施例の固液分離・脱水]
加圧手段として加圧ロール及び濾布を具えた図1に示す固液分離脱水装置を用いて、下記表1に示す条件で凝固物スラリーの固液分離・脱水を行った。尚、表1の条件項目に示す「凝固物スラリーの供給幅」とは、濾布上に凝固物を散布した幅を意味する。
[固液分離・脱水の評価]
凝固物スラリーに上記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物、及び固液分離・脱水工程について、下記の評価を行った。
(1)固形物の水分含量
固液分離・脱水工程を行って得られた固形物の水分含量を、(株)エー・アンド・ディ社製の加熱乾燥式水分計MX−50により、測定した。結果を下記表1に示す。
(2)固形物の回収率
単位投入量の凝固物スラリーを投入して、固液分離・脱水を行い、固形物を得た。凝固物スラリーの単位投入量と、該凝固物スラリー中の凝固物濃度とに基づいて、該単位投入量の凝固物スラリーに含まれている凝固物の総質量を算出した。算出した凝固物の総質量に対して、得られた固形物の質量の割合を計算した。結果を下記表1に示す。
(3)凝固物の流亡量
単位投入量の凝固物スラリーの固液分離・脱水を行い、その固液分離・脱水の間に濾布の目を通過して流亡した凝固物スラリーを捕集して質量を測定した。凝固物スラリーの流亡量と、該流亡した凝固物スラリー中の凝固物濃度とに基づいて、該流亡した凝固物スラリーに含まれている凝固物の総質量、すなわち、流亡した凝固物の質量を算出した。単位投入量の凝固物スラリーに含まれている凝固物の総質量を算出した。算出した凝固物の総質量に対して、流亡した凝固物の質量の割合を算出した。結果を下記表1に示す。
(4)流亡した凝固物の90体積%粒径
上記(3)で捕集した凝固物について、日機装社製マイクロトラックMT300を用いて、濾布の目を通過して流亡した凝固物の90体積%粒径(D90)を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 0006417112
[比較例1の固液分離・脱水]
比較例1として、遠心分離機(株式会社タナカ社製MJC−1000)を用いて、上記凝固物スラリーの固液分離・脱水を行った。しかし、スクリーンから凝固物スラリーが流出してしまい、固液分離・脱水できなかった。
[比較例2の固液分離・脱水]
比較例2として、加熱式スクリュー軸を具えたスクリュープレス機(株式会社モリヤマ社製2TR75)を用いて、上記凝固物スラリーの固液分離・脱水を行った。この場合も、スクリーンから凝固物スラリーが流出してしまい、固液分離・脱水できなかった。
表1で示されるように、実施例では凝固物スラリーを固液分離及び脱水して、固形物を得ることができた。しかし、比較例1の遠心分離機を用いた場合と比較例2のスクリュープレス機を用いた場合のいずれも、スクリーンから凝固物スラリーが流出してしまい、凝固物スラリーから固液分離・脱水により水を分離することができなかった。
上記実施例の結果から分かるように、本発明のウェットマスターバッチの製造方法及びウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置は、粒径の小さな凝固物を含む凝固物スラリーからも効率的に固液分離・脱水を行うことができた。
1 濾布
2 ドライブローラ
3 ガイドローラ
4 チャージシュート
5 バキュームホッパー
6 吸引ブロワーと気液分離機との接続部
7 気液分離器
8 ドラム
9 加圧ロール
9'加圧ベルト
10 洗浄装置
11 水受けホッパー

Claims (11)

  1. ゴムラテックスと、カーボンブラックを水に分散させたカーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて得られた凝固物スラリーを固液分離・脱水する固液分離・脱水工程を有するウェットマスターバッチの製造方法であって、
    該固液分離・脱水工程は、該凝固物スラリーを、濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後、ドラムの外周面上で加圧手段により押圧することによって加圧脱水を行うものであり、
    前記濾過フィルターの通気度が10〜200cm /(cm ・sec)であることを特徴とする、ウェットマスターバッチの製造方法。
  2. 前記固液分離・脱水工程を同一の濾過フィルター上で行い、該濾過フィルターが、ベルト状の濾布であって循環走行することを特徴とする、請求項1に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  3. 前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物の水分含量が40〜65重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  4. 前記固液分離・脱水工程を行って得られた固形物が厚み0.5〜3.0mmのシート状又は短冊状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  5. 前記濾過フィルターの材質がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  6. 前記濾過フィルターの織り方が綾織又は朱子織であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  7. 前記濾過フィルターの糸の形態がモノフィラメント又はマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  8. 前記濾過フィルターの厚みが0.4〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  9. 前記濾過フィルターの走行速度が0.5〜3.0m/minであることを特徴とする、請求項2〜のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  10. ゴムラテックスとカーボンブラックスラリーとを混合し凝固させて得られた凝固物スラリーを、通気度が10〜200cm /(cm ・sec)の濾過フィルター上で、重力濾過及び減圧濾過した後、ドラムの外周面上で加圧手段により押圧することによって加圧脱水して固液分離・脱水し、且つ、濾過フィルターの洗浄装置を具えることを特徴とする、ウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置。
  11. 前記固液分離・脱水を同一の濾過フィルター上で行い、該濾過フィルターが、ベルト状の濾布であって循環走行することを特徴とする、請求項10に記載のウェットマスターバッチ製造用固液分離脱水装置。
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