JPH1180495A - ゴム変性ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ゴム変性ビニル系重合体の製造方法

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JPH1180495A
JPH1180495A JP26115397A JP26115397A JPH1180495A JP H1180495 A JPH1180495 A JP H1180495A JP 26115397 A JP26115397 A JP 26115397A JP 26115397 A JP26115397 A JP 26115397A JP H1180495 A JPH1180495 A JP H1180495A
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JP
Japan
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rubber
vinyl polymer
polymer
slurry
modified vinyl
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Application number
JP26115397A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kitayama
勉 北山
Kenichi Urabe
健一 占部
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥エネルギーの消費量が少なく、かつ操業
性、生産性に優れるとともに、回収された重合体の色調
の優れたゴム変性ビニル系重合体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (イ)ゴム状重合体の存在下にビニル系
単量体を乳化重合して得られるゴム変性ビニル系重合体
ラテックスを凝固して得られるスラリーを、脱水後ある
いはそのままスクリュータイプもしくはプレッシャーフ
ィルタータイプの圧搾脱水機により、含水率を10〜3
0重量%に絞って、粉末状またはケーキ状の重合体成分
を得て、(ロ)上記(イ)工程で回収される重合体成分
と、懸濁、溶液もしくは塊状重合法により得られる、ビ
ニル系重合体のスラリー、ビーズおよび/またはペレッ
トとを、真空ベント付き2軸押し出し機に導入して乾燥
しペレット化し、ゴム変性ビニル系重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ABS樹脂などの
ゴム変性ビニル系重合体の製造方法に関する。さらに詳
細には、乳化重合によって得られるゴム変性ビニル系重
合体ラテックスを凝固して得られるスラリーと、懸濁、
溶液もしくは塊状重合法によって得られるビニル系重合
体とから、連続的に、ABS樹脂などのゴム変性ビニル
系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ABS樹脂などのゴム変性ビニル
系重合体の回収方法としては、次の2つの方法が一般的
に行われている。 方法1;ゴム変性ビニル系重合体ラテックスを凝固して
得られるスラリーを、遠心脱水機あるいは真空ベルトフ
ィルターにより脱水したのち、熱風乾燥し、一旦、乾粉
とし、その後、ビニル系重合体とブレンドして、押し出
し機にかけてペレット化を行う方法。 方法2;ゴム変性ビニル系重合体ラテックスを凝固して
得られるスラリーを、遠心脱水機あるいは真空ベルトフ
ィルターにより脱水したのち、湿粉のまま、ビニル系重
合体とともに真空ベント付き2軸押し出し機に導入して
乾燥し、ペレット化する方法。
【0003】しかしながら、遠心脱水機や真空ベルトフ
ィルターにより得られる湿粉の含水率を30重量%以下
にすることは、その機能上困難であり、一般的に35〜
50重量%程度の高い含水率となる。このため、方法1
については、大量の乾燥エネルギーが必要となるという
問題がある。また、熱風乾燥をし、乾粉を得て、さらに
ペレット化を行うため、製造工程が複雑で設備コストも
高く、また品質的にも色調が悪化しやすい問題もある。
さらに、方法1は、乾粉を取り扱うため、粉塵爆発の危
険性も伴う問題がある。
【0004】一方、方法2は、方法1に較べ、湿粉か
ら、直接、ビニル系重合体とブレンドして、ペレット化
するという点で、消費エネルギーも少なく、またプロセ
スも簡略化された改良が見られる。しかしながら、湿粉
の含水率が高いため、押し出し機で、次のような種々の
問題が発生する。すなわち、真空ベントにあっては、ベ
ントアップが起こりやすく、安定運転が難しい。ベント
アップをたびたび起こすことで、押し出し機ベント内に
付着物が滞留し、変色樹脂やヤケ樹脂などの樹脂汚染を
起こしたり、色調の悪化を起こす問題がある。また、ベ
ントアップ防止のため、ベントスタッファーを付けた場
合でも、樹脂小片が蒸気とともに同伴する問題もある。
さらに、水の蒸発に押し出し機のエネルギーが費やされ
るため、押し出し量が上がらないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乾燥エネル
ギーの消費量が少なく、かつ操業性、生産性に優れると
ともに、回収された重合体の色調の優れたゴム変性ビニ
ル系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】本発明は、下記(イ)〜(ロ)工程を含む
ゴム変性ビニル系重合体の製造方法を提供するものであ
る。 (イ)ゴム状重合体の存在下にビニル系単量体を乳化重
合して得られるゴム変性ビニル系重合体ラテックスを凝
固して得られるスラリーを、脱水後あるいはそのままス
クリュータイプもしくはプレッシャーフィルタータイプ
の圧搾脱水機により、含水率を10〜30重量%に絞
り、粉末状またはケーキ状の重合体成分を得る工程。 (ロ)上記(イ)工程で回収される重合体成分と、懸
濁、溶液もしくは塊状重合法により得られる、ビニル系
重合体のスラリー、ビーズおよび/またはペレットと
を、真空ベント付き2軸押し出し機に導入して乾燥しペ
レット化する工程。
【0007】
【発明の実施の形態】
(イ)工程;(イ)工程は、ゴム状重合体の存在下にビ
ニル系単量体を乳化重合して得られるゴム変性ビニル系
重合体ラテックスを凝固して得られるスラリーを、脱水
後あるいはそのままスクリュータイプもしくはプレッシ
ャーフィルタータイプの圧搾脱水機により、含水率を1
0〜30重量%に絞り、粉末状またはケーキ状の重合体
成分を回収する工程である。
【0008】ここで、ゴム変性ビニル系重合体ラテック
スは、ゴム状重合体の存在下に、ビニル系単量体を乳化
重合して得られるが、別途、上記ビニル系単量体のみを
(共)重合して得られるビニル系(共)重合体を配合し
てもよい。
【0009】上記ゴム状重合体としては、例えばポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン系共重合体(スチレン
含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレ
ン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン系共重合体、アクリル系ゴ
ム、ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブ
タジエン系共重合体、エチレン系アイオノマー、シリコ
ン系ゴムなどが挙げられる。好ましいゴム状重合体とし
ては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系共重合
体、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム(特に、不飽和基
含有シリコン系が好ましい)が挙げられる。これらのゴ
ム状重合体は、1種単独で使用することも、あるいは2
種以上を混合して用いることもできる。ゴム変性ビニル
系重合体に用いられる上記ゴム状重合体は、乳化グラフ
ト重合に供するため、ラテックス状態のものが用いられ
る。
【0010】なお、本発明のゴム変性ビニル系重合体中
の上記ゴム状重合体のゴム含有量は、好ましくは40〜
75重量%のときに、本発明の効果が一層発揮される。
さらに好ましくは50〜75重量%である。ゴム含有量
が40重量%未満では、(イ)工程におけるスクリュー
タイプもしくはプレッシャーフィルタータイプの圧搾脱
水機において、含水率を安定して30重量%以下に絞る
のが困難である。また、最終製品の樹脂物性は、ゴム含
有量から決まってくるため、(ロ)工程の2軸押し出し
機で乾燥の際に添加できるビニル系重合体の量が多く入
れられなくなり、押し出し機入口部での含水率(持ち込
み水分の全フィード量に対する割合)が上がり、安定し
た運転が出来なくなる。一方、ゴム含有量が75重量%
を超えると、乳化重合時にグラフト率が上がりにくくな
り、品質を維持できない場合がある。
【0011】一方、ゴム変性ビニル系重合体に用いられ
るビニル系単量体としては、特に限定されるものではな
いが、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリ
ル酸;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタ
クリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;スチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;塩化ビ
ニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル系単量体など
が挙げられ、これらは、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。好まし
いビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合
物である。また、上記以外の共重合可能な他の単量体を
併用することができる。この他の単量体としては、例え
ばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイ
ミド系単量体が挙げられる。マレイミド系単量体を用い
ると、耐熱性が向上し、耐熱性の優れたゴム変性ビニル
系重合体が得られる。
【0012】ゴム変性ビニル系重合体の具体例として
は、ABS樹脂、MBS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂
などが挙げられ、好ましくはABS樹脂である。
【0013】(イ)工程では、まず乳化重合により得ら
れるゴム変性ビニル系重合体ラテックスに凝固剤を添加
し、重合体成分を凝固させてスラリーを得る。この際、
必要に応じて加熱してもよい。本発明の乳化重合により
得られるゴム変性ビニル系重合体ラテックスの凝固方法
は、特に制限されるものではないが、一般的に行われて
いる方法で行うことができる。凝固剤としては、通常、
ラテックスの凝固に用いられているものが使用できる。
例えば、塩酸、硫酸などの無機酸、酢酸、ギ酸などの有
機酸、またはこれらの酸の金属塩が挙げられる。上記酸
の金属塩としては、例えば塩化カルシウム、塩化アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウムなどが挙
げられる。
【0014】(イ)工程では、次いで、上記スラリー
を、予備脱水機に供給して予備脱水し、または、水洗お
よび予備脱水して、このスラリーから重合体成分を連続
的に回収する。また、上記予備脱水機を使用せず、次工
程に進んでもよい。ここで、上記ゴム変性ビニル系重合
体ラテックスを凝固して得られるスラリーを脱水(予備
脱水)するには、遠心脱水機、水平ベルトフィルターな
どが用いられる。
【0015】(イ)工程では、得られるスラリーを、こ
の予備脱水後、あるいはそのままスクリュータイプもし
くはプレッシャーフィルタータイプの圧搾脱水機によ
り、含水率を10〜30重量%に絞る。ここで、スクリ
ュータイプの圧搾脱水機は、シリンダ(=バレル)内に
配置されたスクリューによって、上記重合体成分を搬送
しつつ、圧縮する装置であり、排水機能、または排水機
能および洗浄機能を備えている。さらに、加熱機能を備
えていてもよい。また、バレルの全域または一部に、排
水用のパンチングプレートまたはスリットなどを備えて
いることが望ましい。さらに、圧縮比が1.0〜5.
0、長さがスクリュー径の3〜15倍のスクリューを備
えたものが望ましい。さらに、バレル内へ洗浄水を注入
するための注入口を設けることもできる。
【0016】一方、プレッシャーフィルタータイプの圧
搾脱水機は、プレッシャーフィルター内のろ布とダイヤ
フラムに挟まれた部屋を備えている。ここに、スラリー
を導入したのち、ダイヤフラムを介して、水圧により圧
搾し、脱水する。プレッシャーフィルタータイプの圧搾
脱水機は、圧搾ケーキを洗浄するための洗浄水注入口を
設けたものが望ましい。また、この圧搾されたケーキの
表面水を除去するための加圧エアーを導入するためのノ
ズルを設けたものが望ましい。
【0017】(イ)工程では、上記圧搾脱水機(スクリ
ュータイプまたはプレッシャーフィルタータイプ)によ
って得られる重合体成分の含水率は、10〜30重量
%、好ましくは10〜25重量%である。含水率が10
重量%未満まで脱水しようとすると、スクリュータイプ
の圧搾脱水機では、重合体成分が溶融し易くなって、安
定運転が困難となる。また、プレッシャーフィルタータ
イプの圧搾脱水機では、非常に高い圧搾圧力と圧搾時間
が必要となり工業的ではない。一方、含水率が30重量
%を超えると、次工程での運転が不安定になる問題があ
り、かつ乾燥に多くのエネルギーを要し、(ロ)工程で
の押し出し機の処理能力も小さくなる。なお、含水率
は、湿量基準百分率(wet base percen
tage)で表示された値である。
【0018】なお、上記圧搾脱水機により得られる重合
体成分は、粉末状の場合もあるが、固いケーキ状になる
こともある。この場合、ハンマーミル、自由ミルなどの
解砕機により、容易に粉末に戻し、後工程のハンドリン
グを良くすることができる。
【0019】(ロ)工程 (ロ)工程は、上記(イ)工程で回収される重合体成分
と、懸濁、溶液もしくは塊状重合法により得られる、ビ
ニル系重合体のスラリー、ビーズおよび/またはペレッ
トとを、真空ベント付き2軸押し出し機に導入して乾燥
しペレット化する工程である。ここで、(ロ)工程で使
用されるビニル系重合体は、懸濁、溶液もしくは塊状重
合法により得られる、ビニル系重合体のスラリー、ビー
ズおよび/またはペレットであり、またこのビニル系重
合体の製造に使用されるビニル系単量体は、(イ)工程
で用いられるビニル系単量体と同様である。(ロ)工程
では、(イ)工程で回収される重合体成分に、上記ビニ
ル系重合体をブレンドすることにより、簡略な工程に
て、消費エネルギーも少なく最終製品が得られるという
効果が得られる。
【0020】(ロ)工程で用いられる真空ベント付き2
軸押し出し機は、スクリューのかみ合い、非かみ合い、
どちらのタイプも使用できる。また、スクリューの回転
方向は、同方向、異方向、どちらも使用できる。好まし
くは、かみ合い同方向2軸押し出し機である。真空ベン
ト付き2軸押し出し機の構成としては、水を液体として
排出する機能、すなわち脱水スリット、あるいはメカニ
カルフィルターを持った方式、あるいはスリットなどを
持たず、水を大気ベントおよび/または真空ベントから
だけで除去する方式でも使用することができる。
【0021】また、上記真空ベント付き2軸押し出し機
のバレル構成は、原料の供給を受けるフィードバレル、
液状部および/または蒸気を排出するためのスリットを
有するスリットバレル、加熱手段を有する標準バレル、
水、残留モノマーを気化させるベントバレル(ベントス
タッファーも取り付けることができる)、サイドフィー
ダーを取り付けることがのできる圧入バレルの各分割バ
レルを、必要に応じて組み合わせことによって構成され
る。
【0022】また、真空ベント付き2軸押し出し機のス
クリューエレメントとしては、順送りスクリュー、逆送
りスクリュー、順送りニーディングディスク、直交ニー
ディングディスク、逆送りニーディングディスク、ある
いはシールリングの各分割2軸スクリューエレメントが
挙げられる。これらは、すべて組み合わせる必要はな
く、抵抗となるスクリュー(逆送りスクリュー、逆送り
ニーディングディスク、直交ニーディングディスク、順
送りニーディングディスク、シールリンク)から選ばれ
たスクリューと順送りスクリューとを組み合わせてスク
リュー構成とする。
【0023】(ロ)工程では、(イ)工程で回収された
重合体成分とともに、懸濁、溶液もしくは塊状重合法に
よるビニル系重合体の、スラリー、ビーズおよび/また
はペレットを、上記真空ベント付き2軸押し出し機に導
入するが、その導入方法としては、例えば次のような方
法を採用することができる。 方法;(イ)工程で回収された粉末状またはケーキ状
の重合体成分と、懸濁、溶液もしくは塊状重合法による
ビニル系重合体のスラリー、ビーズおよび/またはペレ
ットを、一緒に真空ベント付き同方向回転2軸押し出し
機のフィード口に導入する方法。 方法;ビニル系重合体のビーズまたはペレットを、ま
ず押し出し機のフィード口に導入し、(イ)工程で回収
された粉末状またはケーキ状の重合体成分は、押し出し
機の途中のバレルよりサイドフィーダーにより導入する
方法。 方法;(イ)工程で回収された粉末状またはケーキ状
の重合体成分、あるいは(イ)工程で回収され上記重合
体成分およびビニル系重合体の一部を、まず押し出し機
のフィード口に導入し、ビニル系重合体の全量あるいは
残量を、押し出し機の途中のバレルよりサイドフィーダ
ーにより導入する方法。 上記3方法では、適宜、加工助剤を添加することができ
る。この加工助剤としては、エチレンビスステアリルア
ミド、ステアリン酸マグネシウムなどの金属セッケンを
使用することができる。
【0024】なお、(ロ)工程において、ビニル系重合
体のビーズあるいはペレットを添加する系においては、
ゴム変性ビニル系重合体の湿粉(上記粉末状またはケー
キ状の重合体成分)とビニル系重合体のビーズおよび/
またはペレットとを、フィード前に混合した状態での計
算上での含水率を、好ましくは9重量%以下、さらに好
ましくは8重量%以下とする。この含水率が9重量%を
超えると、真空ベントでのベントアップや、ベントスタ
ッファー付き大気ベントから樹脂小片が同伴され、安定
した運転ができない。また、(ロ)工程において、ビニ
ル系重合体のスラリーを添加する系においては、ゴム変
性ビニル系重合体の湿粉とビニル系重合体のスラリーと
を、フィード前に混合した状態での計算上の含水率を好
ましくは9重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下
とする。この含水率が9重量%を超えると、真空ベント
でのベントアップや、ベントスタッファー付き大気ベン
トから樹脂小片が同伴され、安定した運転ができない。
従って、ビニル系重合体のスラリーは、真空ベント付き
2軸押し出し機に導入する前に、脱水しておくことが好
ましい。脱水機としては、バスケットタイプの遠心脱水
機、真空ベルトフィルターなどを使用することができ
る。
【0025】また、(ロ)工程において、ビニル系重合
体の添加量は、(イ)工程で回収される粉末状またはケ
ーキ状の重合体成分(ゴム変性ビニル系重合体)(固形
分換算)100重量部に対し、好ましくは50〜600
重量部、さらに好ましくは100〜550重量部であ
る。50重量部未満では、押し出し機内での含水率が高
くなり、安定運転ができない。一方、600重量部を超
えると、樹脂物性に問題が生じる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に何等制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。
【0027】実施例1 ゴム変性ビニル系重合体ラテックスとして、スチレン、
アクリロニトリルをポリブタジエンにグラフト共重合し
た、ポリブタジエン60%、スチレン30%、アクリロ
ニトリル10%よりなる重合体ラテックスを原料とし
た。このゴム変性ビニル系重合体ラテックスの固形分濃
度は、30%であった。内容積100リットルの攪拌機
付き凝固槽(槽径500mm、2段の45度傾斜パドル
翼、翼径250mm)で、180回転/分で攪拌したと
ころに、連続的に上記ラテックスを14リットル/分、
濃硫酸0.08kg/分および水3リットル/分を添加
した。凝固槽温度は、スチームを吹き込むことにより、
85℃に調整した。
【0028】凝固槽から連続的に溢流して排出された凝
固スラリーを、90℃にて40分間加熱処理したのち、
バスケットタイプの遠心脱水機を用いて、脱水した。脱
水されたスラリーの含水率は、38%であった。上記脱
水されたスラリーを、スクリュータイプの圧搾脱水機に
導入し、圧搾し、ケーキを得た。ケーキの含水率は、1
8%であった。このケーキを解砕したのち、2段真空ベ
ント、1段スリット付き同方向回転2軸押し出し機〔東
芝機械(株)製、TEM48BS〕に、1kg/分で、
乾燥AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)ペレ
ット2.45kg/分と同時に添加し、乾燥、ペレット
化した。なお、ケーキを解砕した湿粉には、加工助剤と
して、エチレンビスステアリルアミドを乾燥樹脂分に対
し、3.5%添加混合した。2軸押し出し機の回転数
は、300回転/分であった。なお、2軸押し出し機の
バレル構造は、図1にように配置した。バレルの温度
は、フィードバレルの次のバレルから150℃、180
℃、スリットバレル(加熱無し)、200℃、220
℃、220℃、200℃、200℃とし、ダイプレート
部分は220℃とした。結果を表1に示す。
【0029】実施例2 圧搾脱水機を、プレッシャーフィルタ(LAROX社
製)にした以外は、実施例1と同様に実施した。ケーキ
の含水率は、25%であった。結果を表1に示す。 実施例3 2軸押し出し機のバレル構成を図2にように配置した。
ただし、バレルの温度は、フィードバレルの次のバレル
から、150℃、180℃、200℃、220℃、22
0℃、220℃、220℃、220℃、200℃、20
0℃とし、ダイブレード部分は220℃とした。そし
て、実施例1と同量のASを押し出しのフィード口に、
ゴム変性ビニル系重合体の湿粉をサイドフィーダーで添
加した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1
に示す。
【0030】実施例4 ゴム変性ビニル系重合体ラテックスとして、スチレン、
アクリロニトリルをポリブタジエンにグラフト共重合し
た、ポリブタジエン70%、スチレン22.5%、アク
リロニトリル7.5%よりなる重合体ラテックスを原料
とした。このゴム変性ビニル系重合体ラテックスの固形
分濃度は、30%であった。内容積100リットルの攪
拌機付き凝固槽(槽径500mm、2段の45度傾斜パ
ドル翼、翼径250mm)で、180回転/分で攪拌し
たところに、連続的に上記ラテックスを14リットル/
分、濃硫酸0.08kg/分および水3リットル/分を
添加した。凝固槽温度は、スチームを吹き込むことによ
り、84℃に調整した。
【0031】凝固槽から連続的に溢流して排出された凝
固スラリーを、90℃にて40分間加熱処理したのち、
バスケットタイプの遠心脱水機を用いて、脱水した。脱
水されたスラリーの含水率は、36%であった。上記脱
水されたスラリーを、スクリュータイプの圧搾脱水機に
導入し、圧搾し、ケーキを得た。ケーキの含水率は、1
6%であった。このケーキを解砕したのち、2段真空ベ
ント、1段スリット付き同方向回転2軸押し出し機〔東
芝機械(株)製、TEM48BS〕に、0.8kg/分
で、乾燥AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)
ペレット2.75kg/分と同時に添加し、乾燥、ペレ
ット化した。なお、ケーキを解砕した湿粉には、加工助
剤として、エチレンビスステアリルアミドを乾燥樹脂分
に対し、3.5%添加混合した。2軸押し出し機の回転
数は、300回転/分であった。なお、2軸押し出し機
のバレル構造は、図2にように配置した。バレルの温度
は、フィードバレルの次のバレルから150℃、180
℃、圧入バレル200℃、220℃、220℃、220
℃、220℃、220℃、200℃、200℃とし、ダ
イプレート部分は220℃とした。結果を表1に示す。
【0032】比較例1 バスケットタイプの遠心脱水機からでたスラリーを、圧
搾脱水機を経ないで2軸押し出し機に導入した以外は、
実施例1と同様に実施した。脱水機のスラリーの含水率
は38%であった。ただし、押し出し機において、真空
ベントでのベントアップ気味となり、押し出し量は14
0kg/時間までしか流すことができなかった。結果を
表1に示す。
【0033】実施例1〜4は、本発明の範囲内で行われ
た例であり、色調も良好で、押し出し機運転も安定して
行うことができ、本発明の目的が達成されている。一
方、比較例1は、押し出し機において、ベントアップが
発生し、安定した運転ができず、押し出し量を上げるこ
とができなかった。また、色調(特に、白色度、黄色
度)が悪化した。なお、実施例・比較例において、色調
は、ASTMD1003に準じて測定した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】従来、ゴム変性ビニル系重合体ラテック
スからゴム変性ビニル系重合体を回収する一般的な方法
としては、凝固したのち、遠心分離機で脱水し、熱風乾
燥あるいは2軸押し出し機で乾燥する方法が知られてい
る。しかしながら、これらの方法は、乾燥エネルギーを
多量に必要とし、押し出し機の運転が安定せず、得られ
る重合体も色調が劣るという問題が生じている。本発明
では、脱水したスラリーをさらに特定の圧搾脱水機によ
り圧搾処理することで、押し出し機の運転を安定化でき
るとともに、得られるゴム変性ビニル系重合体の色調物
性を改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた真空ベント付き2軸押し出し
機のバレル構成図である。
【図2】実施例3で用いた真空ベント付き2軸押し出し
機のバレル構成図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(イ)〜(ロ)工程を含むゴム変性
    ビニル系重合体の製造方法。 (イ)ゴム状重合体の存在下にビニル系単量体を乳化重
    合して得られるゴム変性ビニル系重合体ラテックスを凝
    固して得られるスラリーを、脱水後あるいはそのままス
    クリュータイプもしくはプレッシャーフィルタータイプ
    の圧搾脱水機により、含水率を10〜30重量%に絞
    り、粉末状またはケーキ状の重合体成分を得る工程。 (ロ)上記(イ)工程で回収される重合体成分と、懸
    濁、溶液もしくは塊状重合法により得られる、ビニル系
    重合体のスラリー、ビーズおよび/またはペレットと
    を、真空ベント付き2軸押し出し機に導入して乾燥しペ
    レット化する工程。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003509567A (ja) * 1999-09-17 2003-03-11 フリント・インク・コーポレーション 顔料フラッシュの製造方法
KR101100468B1 (ko) * 2006-09-15 2011-12-29 주식회사 엘지화학 바이모달 고무입자를 가지는 고충격성 열가소성 수지조성물
JP2013139124A (ja) * 2012-01-05 2013-07-18 Bridgestone Corp 多軸混練押出機、ウエットマスターバッチの製造方法、タイヤ用材料および、タイヤ
EP4067399A4 (en) * 2019-11-25 2023-01-18 LG Chem, Ltd. GRAFTED COPOLYMER AND METHOD FOR PREPARING IT

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