JP2970786B2 - 重合体粉末の回収方法 - Google Patents
重合体粉末の回収方法Info
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Description
重合体粉末を回収する方法に関する。本発明の方法は、
真空吸引方式の脱水機とスクリュ−タイプの絞り脱水機
とを組み合せた装置によって実行される。このため、乾
燥エネルギ−が少なく、操業性・生産性に優れている。
また、回収される重合体粉末は、色調、その他の物性に
優れている。
PVC樹脂等は、乳化重合法で重合されて、重合体ラテ
ックスとされる。これらの重合体ラテックスから、重合
体成分を回収する方法として、例えば、下記の方法が行
われている。
スラリ−を、遠心脱水機を用いて水洗及び脱水し、さら
に、該遠心脱水機から得られる湿粉を、熱風乾燥して、
乾粉を得る方法である。
湿粉の含水率を、30重量%以下にすることは、遠心脱水
機の機能上の制約のため困難であり、一般に、30〜45重
量%程度の高い含水率となる。このため、次工程である
乾燥工程で、大量の乾燥エネルギ−が必要となる。ま
た、上記の方法では、乳化重合時に用いられる乳化剤、
その他の重合薬品等の残留物を、十分に除去できない。
このため、回収された粉末、該粉末のペレット、或い
は、それらを用いて加工された成形品等に、着色、その
他の物性の低下が発生し易い。なお、上記粉末を成形材
料とする成形品の用途では、色調が重視されることが多
く、上記の着色は、致命的な欠点となる。また、上記の
方法に於いて、遠心脱水機で実行される水洗・脱水の工
程は、遠心脱水機へのスラリ−の供給、脱水、水洗、脱
水、湿粉の取り出し、の各工程からなる。このため、極
めて操業性・生産性が悪い。
いる方法 特公昭50-17227号公報には、前記(1)の方法よりも乾
燥エネルギ−の消費量の少ない、重合体粉末の回収方法
が開示されている。これは、スクリュ−タイプの絞り脱
水機を用いる方法である。特公昭50-17227号公報の方法
では、まず、重合体ラテックス及び凝固剤が、別々に、
又は、混合されて、上記脱水機のシリンダへ連続的に供
給される。供給された上記材料は、該シリンダの比較的
温度の低い部分(=供給口寄りの部分)にて、スクリュ
−の回転により混合されつつ圧縮される。これにより、
水分の大部分は、上記供給口寄りの部分の溝、穴、間隙
から排出される。次いで、シリンダの高温度域で重合体
を溶融し、残余の水分及びその他の揮発物を、高温度部
分の排気孔から除去し、シリンダ先端のダイス部から重
合体を溶融状態で取り出す。
載されているように、絞り脱水する際に樹脂を高剪断す
ることにより溶融させてしまうため、そのまま取り出し
て乾燥しようとしても、通常の乾燥機ではその乾燥が非
常に困難である。このため、絞り脱水後スクリュ−から
取り出さないで、スクリュ−先端に押し出し、絞りきれ
なかった残りの水分をスクリュ−先端のベント口より蒸
発させた後、先端のダイより押し出して、ペレットとし
て製品を取り出していた。このため、乾燥用に高価な電
気エネルギ−が必要であり、装置も高価なベント押出機
が必要である。即ち、コスト的な問題が大きい。また、
上記の方法では、脱水時に樹脂が溶融されるため、樹脂
の洗浄が著しく困難となる。このため、絞りきれない残
余の水分中の乳化剤等の不純物が樹脂中に残存して、樹
脂の物性を低下させるという問題もある。また、上記の
方法では、樹脂をペレット状で得ているため、粉末状の
製品を得たい場合には適用できない。また、ペレット状
であるため、次工程で粉末状の添加物、顔料等を加える
際、均一に混合することが難しく、ペレットと上記の粉
末との間で偏拆が生じて、製品の色むら等の原因になり
易いという問題もある。
ギ−の消費量が少なく、且つ、操業性・生産性に優れて
おり、さらに、回収される粉末の色調、及び、その他の
物性の優れた重合体粉末の回収方法を提供することを目
的とする。
(ハ)の3工程を、順次、実施する重合体粉末の回収方
法を提供するものである。即ち、(イ)重合体ラテック
スを凝固して得られるスラリ−を、真空吸引方式の脱水
機に供給して、ケ−キを回収する工程、(ロ)上記
(イ)工程で回収されるケ−キを、排水機能を有するス
クリュ−タイプの絞り脱水機に供給して、含水率が5〜
35重量%になるまで連続的に脱水して、粉末を得る工
程、(ハ)上記(ロ)工程で回収される粉末を乾燥機で
乾燥して、含水率3重量%以下の粉末を得る工程、の3
工程が、順次、実施される。
合体ラテックスに、凝固剤を添加し、重合体成分を凝固
させて、スラリ−を得る。この凝固工程に於いて、スラ
リ−中の重合体成分の粒子径を大きくすることが必要な
場合には、加熱すればよい。次に、上記スラリ−を真空
吸引方式の脱水機に供給して、脱水し、又は、水洗及び
脱水して、該スラリ−から、重合体ケ−キ(=ケ−キ状
の重合体成分)を連続的に回収する。次に、上記ケ−キ
を、排水機能、又は、排水機能及び洗浄機能を有するス
クリュ−タイプの脱水機に供給し、重合体成分を溶融さ
せることなく、含水率が5 〜35重量%になるまで、連続
的に絞り脱水して吐出させる。この時、洗浄を同時に行
なってもよい。なお、吐出された粉末は、上記スクリュ
−の内部に於いて、大きな圧縮力により水分を絞り出さ
れているため、粉末どうし硬く固着したケ−キ状で得ら
れる場合がある。このような場合には、解砕する。次
に、上記粉末を、乾燥機に供給する。乾燥は、加熱気体
を用いて、或いは加熱気体とジャケットや伝熱管からの
加熱を組合せて、含水率が3 重量%以下になるまで行わ
れる。このようにして、本発明の目的の重合体粉末を得
る。
ックスである。好ましい樹脂ラテックスとしては、芳香
族ビニル単量体の単独重合体ラテックス、芳香族ビニル
単量体と他の単量体との共重合体、及び、ゴム状重合体
の存在下に芳香族ビニル単量体或いは芳香族ビニル単量
体と他の単量体とからなる単量体混合物を重合して得ら
れるグラフト共重合体ラテックス等の芳香族ビニル系重
合体ラテックスである。
ば、ABS樹脂ラテックス、MBS樹脂ラテックス、A
S樹脂ラテックス,α−メチルスチレン−アクリロニト
リル共重合体ラテックス、α−メチルスチレン−メタク
リル酸メチル系共重合体ラテックス、α−メチルスチレ
ン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル系共重合体
ラテックス、スチレン−ブタジエン系共重合体(ハイス
チレンゴム)ラテックス、ポリスチレンラテックス、ス
チレン−マレイシド系共重合体ラテックス、HIPS樹
脂ラテックス、等が挙げられる。
上記のグラフト共重合体ラテックスであり、従来の回収
方法に比べて、その改良効果が顕著に発揮される。その
他、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックス、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムラテックス、
ポリブタジエンゴムラテックス、塩化ビニル系重合体ラ
テックス、等が挙げられる。
ックスに、凝固剤を添加することによって行われる。即
ち、凝固剤の添加により重合体成分が析出されて、スラ
リ−状となる。この時、析出された重合体成分の粒子径
が、100μm〜1 mmであれば、以降の工程での操業性
・生産性・処理能力等が向上する。このため、一般に、
スラリ−を加熱することによって最適な粒子径に調整す
る操作が行われる。凝固剤としては、一般に用いられて
いるものを使用できる。例えば、硫酸・塩酸・硝酸等の
無機酸、酢酸等の有機酸、塩化カルシウム・塩化ナトリ
ウム・塩化マグネシウム等の電解質、等が挙げられる。
これらは、1種、又は、2種以上で使用される。
を、該濾布の裏面側から負圧によって吸引し、濾液及び
洗浄に用いられた洗浄水を濾過して除去するものであ
り、これにより、上記濾布上に、ケ−キ状の重合体成分
が分離される。例えば、図1、図2に示す装置、及び、
これらに類似する機能を有する装置を使用できる。ま
た、濾布の素材は、例えば、繊維製、金属製、紙製、プ
ラスチック製、セラミック製等である。
ケ−キ状重合体成分の含水率は、好ましくは、30〜50重
量%である。なお、本明細書において『含水率』は、湿
量基準百分率(wet base percentage) で表示される値で
ある。
ル)内に配設されたスクリュ−によって、上記の重合体
成分を搬送しつつ、圧縮する装置であり、排水機能、又
は、排水機能及び洗浄機能を備えている。さらに、加熱
機能を備えていてもよい。また、バレルの全域又は一部
に、排水用のパンチプレ−ト又はスリットを備えてお
り、且つ、圧縮比が1.0 〜5.0 、長さがスクリュ−径の
3 倍〜15倍のスクリュ−を備えたものが望ましい。ま
た、バレル内へ洗浄水を注入するための給水孔を設けた
ものが望ましい。
得られる重合体成分の含水率は、5重量%〜35重量%、
好ましくは10重量%〜30重量%、更に好ましくは10重量
%〜25重量%である。含水率が5重量%未満であると、
重合体成分が溶融し易くなって、安定運転が困難とな
る。また、35重量%を越えると、次工程での乾燥に多く
のエネルギ−を要する。
り得られる上記の重合体成分は、粉末状の場合もある
が、硬いケ−キ状になっている場合もある。その場合に
は、例えば、ハンマ−状の解砕機などにより衝撃を与え
ることにより、容易に、乾燥性の良い粉末(パウダ−)
に戻すことができる。
する公知の乾燥機を用いて乾燥され、含水率が、3 重量
%以下、好ましくは、2 重量%以下、さらに好ましく
は、1.5 重量%以下の重合体粉末とされる。ここに、熱
風を利用する乾燥機としては、例えば、トンネル乾燥
機、通気バンド乾燥機、流動乾燥機、気流乾燥機が挙げ
られる。また、乾燥機は、1 種類単独で、或いは、2 種
類以上を組合せて、使用される。
はない。以下に、本発明の実施例を、 〔1〕真空吸引式脱水機の機構及び作用 〔2〕スクリュ−タイプ脱水機の機構及び作用 〔3〕本発明の方法による重合体ラテックスの脱水 〔4〕従来の方法による重合体ラテックスの脱水 の順に、説明する。
を説明する。重合体ラテックスのスラリ−は、例えば、
図1 に示す横型の真空吸引式脱水機1 を用いて、或い
は、図2 に示すドラム型の真空吸引式脱水機3 を用いて
脱水され、ケ−キ状の重合体成分とされる。
駆動ロ−ラ14と従動ロ−ラ15とにより、テンションのあ
る状態でエンドレスに支持されている。該濾布13は、駆
動ロ−ラ14が、モ−タ(不図示)によって駆動されるこ
とにより、矢印方向a 方向へ駆動される。これにより、
スラリ−供給配管11を介して上方から供給される重合体
ラテックスのスラリ−は、図中、右方へ搬送される。ま
た、濾布13の上方からは、上記のスラリ−ばかりでな
く、その下流側の位置に於いて、洗浄水供給配管12を介
して洗浄水が供給される。
プ19の負圧による吸引力が、ノックアウトドラム18、及
び、吸気配管17を介して作用されており、これにより、
前記濾布13上のスラリ−及び洗浄水は、内面側下方へ吸
引される。その結果、上記濾布13によって濾過された水
分(=濾液)は、受け皿16上に溜まり、その後、吸気配
管17、及び、ノックアウトドラム18を通って排出され
る。こうして、濾布13上のスラリ−は、徐々に脱水され
つつ右方へ搬送され、含水率30〜50重量%の湿粉(ケ−
キ)100 として回収される。なお、該ケ−キ100 の剥離
後に於いて、濾布13は不図示の洗浄装置により洗浄さ
れ、その後、再びスラリ−の供給位置へ送られる。
示す脱水機3 では、濾布13は、多数の細孔の形成された
ドラム34の表面に支持されており、該ドラム34が、不図
示のモ−タによって駆動されることにより、矢印b 方向
へ回転される。また、図2 の脱水機3 では、重合体ラテ
ックスのスラリ−は、ドラム34の下方に配設されたスラ
リ−槽31から濾布13へ供給される。即ち、図示のよう
に、ドラム34の下方側は上記スラリ−槽31内のスラリ−
に浸されており、該浸された部分は、ドラム34の回転に
伴い連続的に移り変わる。このため、該ドラム34に支持
された濾布13上に、次々とスラリ−が付着される。
洗浄水供給配管12を介して上方から供給される洗浄水と
ともに、真空ポンプ19の負圧による吸引力により、ドラ
ム34の内部側へ吸引される。これにより、該ドラム34の
内側下部に濾液が溜まり、該濾液は、吸気配管17、ノッ
クアウトドラム18を通って排出される。こうして、濾布
13上のスラリ−は、徐々に脱水されつつ右方へ搬送さ
れ、前記図1 の場合と同様に、含水率30〜50重量%の湿
粉(ケ−キ)100 として回収される。
供給量、スラリ−の供給量、濾布13の移動速度、真空ポ
ンプ19による真空度等は、目的とするケ−キ100 の含水
率等に応じて、適宜調整される。また、上記に於いて、
スラリ−は、乳化重合により生成された重合体ラテック
スを、通常の方法によって凝固することにより、生成さ
れる。該スラリ−の温度は、好ましくは、該重合体の熱
変形温度に、10.0℃を加えた温度以下である。なお、一
般には、重合体ラテックスを凝固する際、80〜90℃に加
熱することが多いため、重合体粒子が融着しない限り
は、そのままの温度で供給するのが効率的である。ここ
に、『熱変形温度』は、ASTM D648(1/2 in,66psi) に準
じて測定される温度である。
作用 次に、実施例で用いるスクリュ−タイプ脱水機の機構及
び作用を説明する。前記真空吸引式脱水機(図1,図2 等
に示す脱水機) によって得られた前記の湿粉(ケ−キ)
100 は、次に、図3 のスクリュ−タイプ脱水機5 へ供給
され、該脱水機5 にてさらに脱水されて、含水率5 〜35
重量%の粉末とされる。
キ)100 を、フィ−ド口53から取り入れ、脱水バレル51
内に配設されたスクリュ−52によって図の左方へ搬送し
つつ圧縮して水分を絞り出し、その後、排出口54から排
出する装置である。
キ)100を供給するためのフィ−ド口53と、該フィ−ド
口53から一体に連通された脱水バレル51と、該脱水バレ
ル51の先端側に配設された排出口54と、上記脱水バレル
51内の軸方向に配設されたスクリュ−52とを備えてお
り、該スクリュ−52は、変速機59を介して、モ−タ60に
より、所望の速度で駆動されるように構成されている。
なお、スクリュ−52の周速度は、好ましくは20cm/sec以
下がよい。20cm/sec以上では、前記の湿粉(ケ−キ)10
0 に過大な剪断力が加わって溶融し易くなり、粉末状の
製品を得ることが困難となるためである。
バレル51の一部若しくは全部は、前記スクリュ−52の圧
縮作用によって絞り出される水分を速やかに排出できる
ように、パンチングプレ−ト、或いは、スリット構造と
されている。なお、スクリュ−52の先端部側の部分(=
内部圧力の高くなる部分)は、強度上、スリット構造と
するのが望ましい。上記のパンチングプレ−トの孔径、
及び、上記のスリットの目開きは、0.1 〜2.0 mm程度、
望ましくは、0.3 〜1.0mm 程度である。樹脂粒子を洩ら
さぬ観点からは小さい方が望ましいが、小さ過ぎると排
水能力が低下して、含水率の低い領域まで脱水するのが
困難となるためである。
−ド口53側から前記排出口54側へ向けて徐々に浅くなる
ように構成されており、これにより、前記湿粉(ケ−
キ)100 は、上記スクリュ−52による搬送に伴って、徐
々に圧縮される。さらに、前記排出口54には抵抗体57が
配設されており、これにより、上記の湿粉(ケ−キ)10
0 には、前記スクリュ−52による圧縮力に加えて、上記
抵抗体57による圧縮力が加わることとなり、水分の絞り
出しが、一層効果的となる。ここに、上記の抵抗体57
は、不図示のスプリングに付勢されることにより、又
は、油圧駆動されることにより、スクリュ−52の先端部
との間隙を変えられ、これにより、絞りの程度を調節す
る機構である。なお、上記の抵抗体57に代えて、先端部
をダイにより構成し、圧縮された重合体成分を、所望の
大きさの孔、或いは、溝から押出し、カッタ−によって
適当な大きさにカットするようにしてもよい。
リュ−1ピッチ分の溝部容積/出口でのスクリュ−1ピ
ッチ分の溝部容積)は、好ましくは1.0 〜5.0 、さらに
好ましくは1.2 〜2.5 である。圧縮比が1.0 以下では、
スクリュ−先端側ほど容積が増えるため、前記の湿粉
(ケ−キ)100 を圧縮できず、また、圧縮比が5.0 以上
では、樹脂が溶融しやすくなり、粉末状態での脱水が困
難となるためである。
径の3 倍〜15倍であることが望ましい。長さがスクリュ
−径の3 倍以下では、十分に低い含水率まで脱水するこ
どが困難であり、もし、圧縮比を高く構成することによ
って低い含水率まで絞ることを企図したとしても、スク
リュ−の送り能力が低下するため、目的を達成できな
い。一方、長さをスクリュ−径の15倍以上に構成したと
しても、達成できる含水率は同程度であり、コスト的に
不利だからである。
よい。但し、単軸であれば、構造が簡単であり、且つ、
コスト的にも有利である。また、上記スクリュ−の軸を
中空に加工して、その内部に熱媒体を通し得るように構
成しておき、必要に応じて、該スクリュ−の軸を、所望
の温度に加熱又は冷却制御してもよい。また、上記の中
空部を利用して、スクリュ−52の入口部分に、好ましい
数の孔を開けておき、スクリュ−52に洗浄水を流し、ケ
−キを洗浄後、バレル51から排水するという方法も、よ
り洗浄効果を得たい場合には、有効な方法である。
ライトでもダブルフライトでもよいが、スクリュ−出口
側の1ピッチ程度をダブルフライトに構成して、スクリ
ュ−への偏荷重を緩和して、スクリュ−とバレルとが接
触しないような構造とすることが望ましい。
水率の重合体成分が、硬質のケ−キ状である場合には、
スクリュ−およびバレルと接触する表面のみが摩擦によ
り溶融されていることもあるが、殆んどの部分は圧搾に
より固められているだけであり、個々の粒子の形状をそ
のまま残している。このため、ハンマ−形式などの解砕
機で衝撃を与えることにより簡単にもとのパウダ−状に
戻すことができる。
スの脱水 次に、前記の2 種類の脱水機を用い、本発明の方法によ
って重合体ラテックスのスラリ−を脱水した具体例を説
明する。なお、以下の説明に於いて、『含水率』は湿量
基準百分率、その他の『部』又は『%』は、それぞれ、
重量部, 重量%である。
スチレン45%、アクリロニトリル15%からなる単量体
を、乳化重合法により重合して、ABS樹脂ラテックス
(樹脂の熱変形温度91℃)を得る。
溶液20部を、凝固タンクに投入し、90〜95℃、滞留時間
30分の条件で、25%の水スラリ−を、300kg(固形分)/Hr
で取り出した。
リ−供給配管11を介して濾布13上に供給し、下記の条件
で、含水率40%のケ−キ状の重合体成分を、連続的に、
300kg(固形分)/Hrで取り出した。 25%の水スラリ−の供給量:300kg(固形分)/Hr 洗浄水量 :固形分100kg 当たり300kg 真空度 :-400mmHg
る脱水・解砕機による解砕 上記のケ−キ状の重合体成分を、図3 のスクリュ−タイ
プ脱水機5 のフィ−ド口53へ投入し、下記の条件で運転
して、含水率10%の重合体成分の粉末を、連続的に、30
0kg(固形分)/Hr、で取り出した。 スクリュ−径 :200mm スクリュ−長さ :1000mm(スクリュ−径の5 倍) スクリュ−圧縮比:1.6 バレル : フィ−ド口下部 0.5mmφパンチングプレ−ト(開口率20%) 排水バレル 全域スリットスクリ−ン(隙間0.3mm) スクリュ−脱水機5 の運転条件: スクリュ−回転数:6rpm(スクリュ−外径周速:6.3cm/
sec) ケ−キフィ−ド量:300kg(固形分)/Hr
抵抗体57により粗砕されて、スクリュ−タイプ脱水機5
の排出口54から排出された塊状のABS樹脂を、解砕機
(細川ミクロン製フェザ−ミルFM-1型)を用いて解砕
し、粉末状とした。
運転条件で乾燥し、含水率1 %の粉末を得た。乾燥所要
時間は60分であり、該乾燥後の粉末を用いて成形した成
形品の色調は、黄変の無い、白色であった。 流動乾燥機へのフィ−ド量:300(固形分)kg/Hr 熱風の温度 :90℃ 熱風量 :50m 3 /min
の脱水 次に、前記〔3〕の方法との比較のため、従来の方法に
より、下記の如く重合体ラテックスを脱水した。
ある。即ち、前記の第2工程で得た水スラリ−を、前記
の第4工程のスクリュ−タイプ脱水機5 へ直接供給し、
下記の条件で運転して、含水率10%の粉末を得た。その
後は、前記〔3〕の方法と同様に乾燥して、含水率1 %
の粉末を得た。乾燥所要時間は60分であり、該乾燥後の
粉末を用いて成形した成形品の色調には、若干の黄変が
発生した。 スクリュ−径 :200mm スクリュ−長さ :1000mm(スクリュ−径の5 倍) スクリュ−圧縮比:1.6 バレル : フィ−ド口下部 0.5mmφパンチングプレ−ト(開口率20%) 排水バレル 全域スリットスクリ−ン(隙間0.3mm) スクリュ−脱水機5 の運転条件: スクリュ−回転数 :6rpm(スクリュ−外径周速:6.
3cm/sec) スラリ−フィ−ド温度:85〜90℃ スラリ−フィ−ド量 :300kg(固形分)/Hr
を省略し、これらに代えて、遠心分離機を用いた方法で
ある。即ち、前記の第2工程で得た水スラリ−を、遠心
分離機に供給し、下記の条件で運転して、含水率35%の
粉末を得た。その後は、前記〔3〕の方法と同様に乾燥
して、含水率1 %の粉末を得た。乾燥所要時間は90分で
あり、該乾燥後の粉末を用いて成形した成形品の色調に
は、若干の黄変が発生した。 遠心分離の回転速度:1700rpm 洗浄水量 :固形分100kg 当たり300kg 運転条件 : 脱水時間:600 秒 水洗時間: 60 秒 脱水時間:600 秒
法とを比較すると、本発明の重合体粉末の回収方法は、
従来一般に行われている方法に比較して、乾燥時間が短
かくて足り、且つ、色調も良い。
る方法に比べて、乾燥工程(=最もエネルギ−を消費す
る工程)でのエネルギ−の消費が少ない。また、成形品
の色調の評価より明らかなように、不純物の残留量が少
なく、品質の優れた重合体を得られる。このように、本
発明の方法は、工業的価値が極めて高い。
説明図である。
示す説明図である。
に示す説明図である。
5 スクリュ−タイプ絞り脱水機,
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(イ)、(ロ)、及び、(ハ)工程
からなることを特徴とする重合体粉末の回収方法。 (イ)重合体ラテックスを凝固して得られるスラリ−
を、真空吸引方式の脱水機に供給して、ケ−キを回収す
る工程、 (ロ)上記(イ)工程で回収されるケ−キを、排水機能
を有するスクリュ−タイプの絞り脱水機に供給して、含
水率が5〜35重量%になるまで連続的に脱水して、粉
末を得る工程、 (ハ)上記(ロ)工程で回収される粉末を乾燥機で乾燥
して、含水率3重量%以下の粉末を得る工程。
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