JP2001234493A - 乾燥パルプ又はパルプ・樹脂複合体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

乾燥パルプ又はパルプ・樹脂複合体の製造方法及び製造装置

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JP2001234493A
JP2001234493A JP2000044262A JP2000044262A JP2001234493A JP 2001234493 A JP2001234493 A JP 2001234493A JP 2000044262 A JP2000044262 A JP 2000044262A JP 2000044262 A JP2000044262 A JP 2000044262A JP 2001234493 A JP2001234493 A JP 2001234493A
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pulp
resin
water
heating
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JP2000044262A
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Takeshi Fukushima
武 福島
Kazutoshi Yakimoto
数利 焼本
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 脱水部、加熱・脱揮部及び混練部を有す
る二軸スクリュー押出機の上流から水を含む離解パルプ
を供給し、該パルプを脱水部のフライトスクリューによ
り圧縮脱水し、次いで、加熱・脱揮部で加熱、吸引する
ことにより更に水分を除去し、更に、混練部で樹脂を供
給し、混練することを特徴とするパルプ・樹脂複合体の
製造方法及びこれに用いる装置。 【効果】 工業的に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を含んだパルプ
から工業的に有利に乾燥パルプを得る方法、パルプと樹
脂の複合体の製造方法及びこの方法に用いる装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、故紙を回収し、リサイクルしよう
とする動きが活発であるが、このために膨大なエネルギ
ーを使い、大きな設備を必要とするなら環境破壊防止の
意義はない。
【0003】従来、故紙やパルプから、シート状、綿状
又はペレット状のパルプとするには、通常、離解・脱墨
後、(抄紙)、脱水、乾燥していた〔故紙処理及び調製
(紙パルプの製造 技術全書 第6巻(紙パルプ技術協
会))〕。このうちシート状のパルプを得るためのパル
プマシン方式は、ワイヤーパート、プレスパート、ドラ
イパート、フィニッシングの4つの工程からなってお
り、ワイヤーパートでは、長網や真空フィルターなどを
使ってパルプ繊維を抄紙し、プレスパートではロールプ
レスを使って脱水する。ドライパートではシリンダード
ライヤーや、フラクトドライヤー等で乾燥し、最後に紙
の両端を切り落としてロールに巻き取る。この様な方法
は、紙パルプ技術協会が出版している「紙パルプ製造技
術シリーズ」や、「紙パルプの製造 技術全書」に詳細
に記載されている。また、綿状又はペレット状のパルプ
を得るにはフラッシュドライヤー方式が用いられる。
【0004】しかしながら、このような従来の抄紙、脱
水、乾燥処理は、多大なエネルギーを必要とし、設備も
大きくなるという欠点を有するものであった。
【0005】また、故紙やパルプから成形品を得るに
は、開放状態の金型内面に、乾燥した紙片と澱粉、水を
同時に吹き付け、型を閉鎖した後加熱して固化する乾式
パルプモールド法(例えば特開平7−124914号)
や、離解・脱墨したパルプを金網付きの金型に入れた後
に吸引してあらかた水を除去し、プレスして成形しなが
ら熱による乾燥を行う湿式パルプモールド法(例えば特
開昭54−133972号)がある。また発泡剤を使う
などして同様にして発泡体を成形することが出来、それ
らは三菱化工機械株のパンフレットに紹介されている。
【0006】パルプモールド法は、例えば成形面に多数
の吸引口が設けられた成形型を、パルプの懸濁水に浸漬
させた状態で吸引口から吸引して金型表面にパルプを吸
着させて成形し、更に形が保てる程度に吸引した後、金
型から離脱させて乾燥させることによって実施される。
パルプを懸濁水中で吸着させて吸引脱水する工程では、
放射状に複数の金型が設置されているローターを回転さ
せて順番にパルプ懸濁液に金型を浸漬し、順次もう一方
の金型に押し付けて乾燥する方法や、垂直に金型を降ろ
して浸漬させた後、垂直に引き上げて反転させ、もう一
方の金型に押し付けて吸引乾燥する方法、垂直に引き上
げた後にもう一方の金型を下に滑り込ませて押し付けて
吸引乾燥する方法等がある(特開平10−226999
号の従来技術、特開平10−212700号、特開平1
1−247100号に記載されている)。
【0007】しかしながら、パルプモールド法では次の
ような問題点があった。 システムが連続バッチ方式となり、生産性が悪い。 成形品は複雑な形状のものが出来ず、成形品の付加価
値が低い。 成形現場にて水を扱うために職場の環境が悪く、装置
に耐水性を持たせたり、排水設備を設ける必要がある。 装置が大きくなり、費用がかさむ。 成形品の表面が毛羽立ち、用途も緩衝材など付加価値
が低い製品に限定される。
【0008】更に、上記の方法の他、成形品を得る方法
としては、乾燥・微粉化したパルプに樹脂を混練して造
粒し、ペレットとし、成形機で成形する方法(例えば特
開平11−293124号、特開平9−76213号)
や、乾燥・微粉化したパルプと澱粉等を混合して造粒
し、成形する方法(例えば特開平9−076213号)
がある。このうち、前者の方法は、更に次の方法に分け
られる。 パルプに含まれる水分が蒸気となって複合体の品質を
落とさないように、あらかじめパルプを十分乾燥させた
後に溶融させた樹脂と混練させたり、ほとんどの水分を
除去したパルプを溶融樹脂と混合した後、脱揮により水
分を除去し、スクリュー式又は非スクリュー式の押出機
等を用いて造粒する。 樹脂にパルプ粉末をまぶして加熱混練造粒し、粉砕後
に再度溶融混練造粒する(特開平11−34143
号)。 パルプの繊維長を極力短くしたり、更に熱を加えてパ
ルプを熱変性させてかさ高さを低くした後、分散をよく
して樹脂に混練し、スクリュー式又は非スクリュー式の
押出機等を用いて造粒する(特開平11−293124
号)。 パルプ繊維に一定量の水分を含ませた状態で溶融樹脂
と混練することにより、パルプの繊維を長く保った状態
でスクリュー式又は非スクリュー式の押出機等を用いて
造粒する。 そして〜の方法により造粒されたペレットを成形機
(射出成形機、ブロー成形機、中空成形機、フィルム成
形機等)に投入して成形する。
【0009】これらの方法のうちパルプを乾燥させた
後、樹脂と混合する方法は、次のような問題点を有して
いた。 乾燥したパルプ(紙)はかさ高で、定量・安定供給が
難しい。 乾燥パルプを移送・投入する際、あるいはスクリュー
式混練機で樹脂と混練する場合には動力負荷が大きくな
る。 パルプと樹脂のなじみが悪く、均一な混合が難しいの
で、成形した場合に流動不良を引き起こしてショートシ
ョット、焼け、ヒケ、フローマーク等の成形品欠陥を引
き起こす。 装置の数・設置面積が増え、メンテナンス等の頻度も
増す。 2回溶融混練することで、熱履歴が増え、樹脂の劣化
が進む。また、生産効率が悪い。 パルプを微粉砕すると、パルプの特長である繊維によ
る強度の強化という機能が失われ、成形品の付加価値も
低い(紙が単なる増量材となってしまう。)。
【0010】一方、パルプに水分を含ませた状態で混練
したものは、後に別途脱水の工程が必要であるという問
題点を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、工業的に有利に乾燥パルプ及びパルプ・樹脂複合体
を製造する方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み、本発
明者は鋭意研究を行った結果、脱水部及び加熱・脱揮部
を有する二軸スクリュー押出機の上流から水を含む離解
パルプを供給し、該パルプを脱水部のフライトスクリュ
ーにより圧縮脱水し、次いで、加熱・脱揮部で加熱・吸
引することにより更に水分を除去することによりフレー
ク状の乾燥パルプが工業的に有利に得られ、更に混練部
で樹脂と混練することによりパルプ・樹脂複合体が上記
の欠点なく得られることを見出し本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、脱水部及び加熱・脱
揮部を有する二軸スクリュー押出機の上流から水を含む
離解パルプを供給し、該パルプを脱水部のフライトスク
リューにより圧縮脱水し、次いで、加熱・脱揮部で加
熱、吸引することにより更に水分を除去することを特徴
とする乾燥パルプの製造方法を提供するものである。
【0014】また、本発明は、脱水部、加熱・脱揮部及
び混練部を有する二軸スクリュー押出機の上流から水を
含む離解パルプを供給し、該パルプを脱水部のフライト
スクリューにより圧縮脱水し、次いで加熱・脱揮部で加
熱・吸引することにより更にに水分を除去し、更に、混
練部で樹脂を供給し、混練することを特徴とするパルプ
・樹脂複合体の製造方法を提供するものである。
【0015】更に、本発明は、フライトスクリュー及び
脱水シリンダーを有し、水を含んだ離解パルプの水分を
機械的に除去する脱水部と、該脱水部の下流に位置し、
加熱装置及び水分を吸引するためのベント口を有する加
熱・脱揮部と、加熱・脱揮部の下流に位置し、樹脂供給
口を有し、パルプと樹脂とを混練する混練部とが配設さ
れた二軸スクリュー押出機を有するパルプ・樹脂複合体
製造装置を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いる離解パルプの原料
となる紙は、特に限定されず、針葉樹や広葉樹等から製
造されたバージンパルプはもちろん、新聞紙、段ボー
ル、OA故紙等の紙や故紙の解繊時等に発生するペーパ
ースラッジでもよく、セラミック繊維等の無機繊維や合
成繊維を含むものであってもよい。
【0017】紙はまずシュレッダー又はペーパーカッタ
ーなどで破砕し、細かくした後、離解機で離解する。そ
して不純物を取り除いた後、故紙については脱墨工程を
行う。解繊・脱墨は苛性ソーダや次亜塩素酸等を用いて
行い、洗浄された離解パルプはそのまま又はあらかた水
を除去して本発明方法に供される。パルプの流動性を向
上させるために、カルボキシメチルセルロースや澱粉な
どの増粘剤を添加してもより。添加する量は、離解時に
使用する水の量に対し、0.05重量%〜1重量%がよ
い。この量が1重量%より多くなるとパルプの粘度は増
大するが、加熱による着色や薄膜の形成などによる流動
性の悪化が生じ、逆に0.05重量%よりも少なくなる
と、流動性向上の効果が見られない。
【0018】水を含む離解パルプは、脱水部及び加熱・
脱揮部を有する二軸スクリュー押出機に供される。この
押出機としては、例えば図1に示すものが挙げられる。
【0019】水を含む離解パルプは、ホッパー(4)
に、定量ポンプやスクリューフィーダー、重量フィーダ
ー等の定量供給装置(5)を通して供給することが連続
処理を行う上で好ましい。
【0020】パルプはまず、脱水シリンダー先端よりに
造られているフライトスクリュー部位で圧縮されて脱水
され、含水率は50〜80%程度となる。脱水された水
は脱水シリンダーのスリット部を通り抜けて排出され、
排水処理施設(6)へと送られる。機械的に脱水された
パルプはシリンダー内を移送され加熱・脱揮部で水の沸
点以上の温度に加熱される。そして沸騰してパルプより
離脱した水蒸気は、シリンダー途中に設置されている開
放ベント口や、真空ポンプやブロアーなどの減圧・吸引
装置(7)が設置されているベント口(2)から排出さ
れ、熱交換器(8)で水にもどされる。その際のシリン
ダーの温度は高いほど、短時間でパルプから水分を抜く
ことができるが、温度が高いとパルプが着色したり、熱
分解する。逆に低すぎると水の沸騰に必要な熱を十分供
給できず、脱水が不十分になる。従って、温度範囲は9
0℃〜250℃がよく、特に100℃〜150℃がよ
い。真空ポンプやブロアーなどの減圧・吸引装置を用い
て水分を除去する場合、移送中のパルプを高密度にする
ことが難しい。その場合、吸引力を強くするとパルプの
小片が系外に排出され、収率が落ちるため、加熱のエリ
アでの滞留時間を長くし、ベント口の数を増やして弱い
吸引力でも脱水が促進されるようにすることが望まし
い。増粘剤の添加などで粘度が高い場合はベント口の前
後にニーディングディスクなどを配置してパルプを充満
させて、ベント口内を減圧にすることが望ましい。その
際、圧力を下げるほど水の沸点の低下によって水の除去
速度は上がるが、圧力を下げすぎると水が突沸してパル
プ片が飛散し、収率や脱水能力が低下する。
【0021】上記の方法によりフレーク状の乾燥パルプ
を得ることができる。
【0022】一方、パルプ・樹脂複合体を製造するに
は、乾燥パルプの製造装置に、更に混練部を設けた装置
を用い、ここで樹脂を供給し混練する。具体的な装置と
しては、図2に示すものが挙げられる。また、添加する
樹脂としては、特に限定されず、PP、PE、PVC、
PMMA等の汎用樹脂;PET、PC等のエンジニアリ
ングプラスチック;ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、
ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートな
どの生分解性樹脂等が挙げられる。しかし、融点が高い
ポリマーの場合、押出機のシリンダー温度を高く設定す
る必要があり、そのためにパルプの着色や分解が起こる
こともある。そのため、目的にあわせて出来るだけ融点
の低い樹脂を用いることが望ましい。また、廃棄物処理
を考慮すると、生分解性プラスチックが望ましく、更に
はアルカリ条件下で加水分解する乳酸系ポリマーが望ま
しい。
【0023】本発明のパルプ・樹脂複合体の製造方法
は、加熱・脱揮部で脱水するまでは乾燥パルプを得る上
記方法と同じである。脱水されたパルプは樹脂投入口か
らギアポンプやフィーダーなどの定量供給装置(9)を
介して投入される樹脂と混合・混練される。この時のパ
ルプの水分は低い程良く、樹脂との混練後に脱揮手段を
用いない場合は0.1%未満が望ましく、脱揮手段を用
いる場合には20%未満、望ましくは10%未満がよ
い。また、添加する樹脂が乳酸系ポリマーのように加水
分解しやすい樹脂の場合には、樹脂との混合前に水分を
できる限り低くし、加水分解による樹脂特性の低下を抑
制することが望ましい(図4)。
【0024】樹脂の状態はペレットや粉末などの固体で
も、あらかじめ溶融装置(10)などで溶解させた溶融
状態でもよい。ポリマーを溶融させるためには短時間に
多くの熱を供給する必要があり、そのためにシリンダー
温度を上げると、パルプの変色や分解の原因となる恐れ
があるため、溶融状態で供給する方が望ましい。樹脂の
添加場所は一ヶ所で添加してもよいが、より混練をよく
するために、複数箇所に分けて添加してもよい。樹脂と
均一に混練されたパルプは先端にあるダイス(11)か
ら排出され、ストランドに成形され、ストランド冷却装
置(12)上で冷却された後にストランドカッター(1
3)でカッティングされてペレット化したり、ダイスか
ら排出されると同時にホットカッター又はアンダーウォ
ーターカッターなどの切断手段を用いて造粒してもよ
い。
【0025】なお、本発明の製造方法において、原料と
して故紙を用いる場合は、図3に示すように、離解・脱
墨槽(14)を設けることもできる。また、水分や樹脂
の副生成物を除去するためのダイス側にベント口(2
4)を設けることが好ましい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、脱水シリンダー及び脱揮
口(ベント口又は/及び減圧・水蒸気除去のための吸引
手段)を設けた二軸スクリュー押出機を用いて離解パル
プを連続的に脱水・乾燥することにより、従来のパルプ
の脱水・乾燥処理にかかっていた消費エネルギー及び時
間を大幅に削減でき、プロセスが単純化できるために、
イニシャルコスト、メンテナンス費用、敷地面積を削減
できる。そして製造現場における排水の取扱が容易とな
り、繊維のかさが小さくなるため、その後の工程での取
扱及び定量輸送が容易となる。更に脱水シリンダー及び
脱揮口(ベント口又は/及び減圧・水蒸気除去のための
吸引手段)を設けた二軸スクリュー押出機を用いて、従
来は別々に行われてきたパルプの脱水・乾燥工程と樹脂
に添加・混練の工程を連続的に行うことにより、消費エ
ネルギー、処理時間、イニシャルコスト、メンテナンス
費用、敷地面積を大幅に削減でき、かつパルプが安定に
供給され、樹脂の熱履歴も少なくなるため、品質が高く
て均一なパルプ・樹脂複合体を製造することができる。
このパルプ・樹脂複合体を用いることにより、成形を別
の工程にすることができ、従来のパルプモールドに見ら
れるような多量の水が常に存在する悪い作業環境を改善
することができ、各工程での効率が上がり、コストの低
減が図られる。また、この複合体は射出成形が可能であ
り、複雑な形状の成形品を得ることができる。また、射
出成形により得られる成形体は、型内への充填圧力や型
締め力を高くすることにより、パルプの割合が高い成形
体中心部と、樹脂の割合が高い成形体表面部に分かれ、
断熱、防音、軽量化等の機能を示すようになる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0028】図1に示す装置を用いて乾燥パルプを製造
した。水道水10Lに対しカルボキシメチルセルロース
(第一工業製薬社製 セロゲンWS−A)1gを添加し
て十分溶解させた後、広葉樹バージンパルプ2kgを分散
させた。次に、定量ポンプ(5)(兵神装備(株)製モ
ーノポンプNES型)を用いて10kg/hの速度で二軸
スクリュー押出機((株)日本製鋼所製TEX44、L
/D=77)のホッパー(4)に供給した。なお、押出
機の各シリンダー温度は表1に示すとおりであった。脱
水シリンダーから水が出たのを確認した後、減圧吸引装
置(7)((株)アンレット ブーツブロアBSS2
5)を用いて第2、第3ベント口から水蒸気を吸引した
ところ、先端から薄いクリーム色をしたフレーク状の乾
燥パルプが得られた。含水率を測定したところ、0.1
%であり、繊維長はL(n)=0.37、L(l)=
0.75、L(w)=1.18であった。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 図2に示す装置を用いてパルプ・樹脂複合体を製造し
た。実施例1と同様にTEXを用いて表2に示した温度
条件で広葉樹バージンパルプを脱水した後、第14シリ
ンダーに設けられたホッパー口から溶融させたD・Lポ
リ乳酸(Mw=18,000)をギアポンプ(9)を介
して1.5kg/hの速度で供給した。そしてダイス
(11)から出てきたパルプ・ポリ乳酸複合体をストラ
ンド冷却装置(ベルトコンベア及び冷風機)で冷却し、
ストランドカッター(13)((株)日鋼設計 SSC
−8)で切断した。これにより、ポリ乳酸に均一にパル
プが分散された薄黄白色のペレットが得られた。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 実施例2と同様に、TEXを用いて針葉樹バージンパル
プを脱水した後、第14シリンダーに設けられたホッパ
ー口から溶出させたD・Lポリ乳酸(Mm=18,00
0、MFR=42)を、ギアポンプを介して1.0kg/
hの速度で供給した。そしてダイスから出てきたパルプ
・ポリ乳酸複合体をホットカッターで切断・冷却したと
ころ、ポリ乳酸に均一にパルプが分散された薄黄白色の
ペレットが得られた。しかし、パルプの形状は不揃いで
あった。
【0033】実施例4 図3に示す装置を用いてパルプ・樹脂複合体を製造し
た。0.06%水酸化ナトリウム溶液10Lに対しシュ
レッダーにかけた新聞紙160gを投入し、攪拌機で繊
維を離解した。更に界面活性剤を添加して攪拌をした
後、パルプと水を分離してパルプのみを水道水で洗浄し
た。更にこのパルプを10L容量の攪拌装置付きタンク
に投入し、水を加えて流動性を持たせた。実施例2と同
様にTEXを用いて表2に示した温度条件で該パルプを
脱水した後、第14シリンダーに設けられたホッパー口
から溶出させたD・Lポリ乳酸(Mw=32,000、
MFR=31)をギアポンプを介して1.5kg/hの速
度で供給した。そしてダイスから出てきたパルプ・ポリ
乳酸複合体をストランド冷却装置(ベルトコンベア及び
冷風機)で冷却し、ストランドカッター((株)日鋼設
計SSC−8)で切断した。これによりポリ乳酸に均一
にパルプが分散された灰色のペレットが得られた。クロ
ロホルム可溶部の分子量を測定したところ、重量平均分
子量は11,000、該複合体のMFR値は8であっ
た。更に得られたペレットを105℃で5時間乾燥させ
た後、射出成形機((株)日本製鋼所製J100E−
P)を用いて43mm角のプレートを成形した。その際
のシリンダー温度は190℃、金型温度は30℃、型締
め力は75トン、射出圧力は100Pa、スクリュー回
転数は50rpmであった。この方法により、灰色の成
形体が得られた。成形品の断面を観察したところ、中心
部分は紙の割合が高く、成形品表面は樹脂の割合が高く
なっていることが確認された(図5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】あらかじめ離解されたパルプを脱水・乾燥し、
フレーク状の乾燥パルプを製造する装置の概要を示した
図である。
【図2】あらかじめ離解されたパルプを脱水・乾燥し、
あらかじめ溶融槽で溶融された樹脂を添加してパルプ・
樹脂複合ペレットを製造する装置の概要を示した図であ
る。
【図3】故紙を離解後、二軸スクリュー押出機内で脱
水、乾燥後、あらかじめ溶融槽で溶融された樹脂を添加
してパルプ・樹脂複合ペレットを製造する装置の概要を
示した図である。
【図4】 故紙を離解・脱墨後、二軸スクリュー押出機
内で脱水、乾燥後、あらかじめ直接重縮合法により合成
されたD・Lポリ乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸
の共重合体を添加して生分解性のパルプ・樹脂複合ペレ
ットを製造する装置の概要を示した図である。
【図5】本発明方法により得られたペレットを射出成形
することにより得られた成形品を示す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 AA02 AA09 AA20 BA04 BA15 BA19 CB03 CC02 EA12 EA13 EB02 EB05 EB06 EB08 EB13 EB21 EC18 4J002 AA00X AB01W CF19X 4L055 AA02 AA03 AA11 AE02 AE04 AE05 AG82 AH37 AH50 BB02 BB30 BG04 CA40 CB06 CK07 FA20 GA50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱水部及び加熱・脱揮部を有する二軸ス
    クリュー押出機の上流から水を含む離解パルプを供給
    し、該パルプを脱水部のフライトスクリューにより圧縮
    脱水し、次いで、加熱・脱揮部で加熱、吸引することに
    より更に水分を除去することを特徴とする乾燥パルプの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 脱水部、加熱・脱揮部及び混練部を有す
    る二軸スクリュー押出機の上流から水を含む離解パルプ
    を供給し、該パルプを脱水部のフライトスクリューによ
    り圧縮脱水し、次いで加熱・脱揮部で加熱・吸引するこ
    とにより更にに水分を除去し、更に、混練部で樹脂を供
    給し、混練することを特徴とするパルプ・樹脂複合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 パルプが故紙である請求項1又は2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 水を含む離解パルプが、パルプ離解時に
    0.05〜1重量%のカルボキシメチルセルロースを添
    加した水を用いて得られたものである請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂が生分解性樹脂である請求項2〜4
    のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 フライトスクリュー及び脱水シリンダー
    を有し、水を含んだ離解パルプの水分を機械的に除去す
    る脱水部と、該脱水部の下流に位置し、加熱装置及び水
    分を吸引するためのベント口を有する加熱・脱揮部と、
    加熱・脱揮部の下流に位置し、樹脂供給口を有し、パル
    プと樹脂とを混練する混練部とが配設された二軸スクリ
    ュー押出機を有するパルプ・樹脂複合体製造装置。
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