JP4784507B2 - ゴム状重合体の製造方法および製造装置 - Google Patents

ゴム状重合体の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、重合体ラテックスに凝固剤を加え、ゴム状重合体成分を凝固させることによりゴム状重合体を製造する方法、および該製造方法に使用される製造装置に関する。
乳化重合で得られた重合体ラテックスからゴム状重合体を製造する工程においては、たとえば図4に示すように、大型の凝固タンク2,4および洗浄タンク6で構成される凝固・洗浄装置1によりゴム状重合体成分を析出させ、洗浄を行い、次いで、スクイザー8により脱水を行い、その後、バンドドライヤー、気流乾燥機または押出乾燥機などの乾燥装置により乾燥状態のゴム状重合体を得ている。なお、乾燥装置の下流側には、通常ベーラーが接続してあり、乾燥後のゴム状重合体は最終的にはベール状に加工されて製品化されることが多い。
しかしながら、図4に示すようなゴム状重合体を製造する工程においては、大型の凝固タンクおよび洗浄タンクからなる凝固・洗浄装置を必要としていたため、操作が煩雑であり、操業性が悪く、しかも多大な設置スペースを必要とし、設備コストおよび製造コストを増大させていた。
この問題を解決するために、たとえば、特許文献1では、重合体ラテックスと凝固剤を直接、スクリュー押出機の内部に供給し、該押出機の内部で凝固・脱水・乾燥を行う方法が試みられている。しかしながら、この文献記載の方法では、凝固をスクリューの溝中で行うため、凝固により得られる重合体の形状が小さくなり、脱水スリットから水と共に流出してしまうため、重合体の回収率が著しく低下してしまうという欠点があった。
この欠点を補うために、特許文献2では、スクリュー押出機の内部に形成された凝固ゾーンにトルエンなどの沸点60〜200℃の有機溶媒を添加して、凝固した重合体を肥大化させることが検討されている。この文献記載の方法では、確かに上述した特許文献1の問題点を解消できると考えられる。しかしながら、この文献記載の方法では、最終製品中に残留する有機溶剤の量が増加するという欠点があった。
また、特許文献3には、セメント状のゴム溶液に凝固液を加えることによりゴム状重合体を製造する方法において、破砕機能付きポンプを使用して、セメント状のゴム溶液と凝固液とを接触させて、ゴム状重合体成分を析出させる方法が開示されている。この文献記載の発明によると、操業性が向上し、しかも製造プロセスおよび製造機器の削減を可能とし、設備費の低減および製造コストの低減を図ることができるという旨が記載されている。しかしながら、この文献に開示されている方法は、溶液重合により得られるセメント状のゴム溶液からゴム状重合体を製造するための方法であり、さらに、この文献では、ゴム状重合体の脱水および乾燥を2軸押出機を使用して行っているため、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
特開昭57−1742号公報 特開昭62−1703号公報 特開平10−100145号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、重合体ラテックスに凝固剤を加え、ゴム状重合体成分を凝固させることによりゴム状重合体を製造する方法において、操業性の向上、ならびに製造プロセスおよび製造機器の削減を可能とし、設備費の低減および製造コストの低減を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るゴム状重合体の製造方法は、
重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とを、破砕機能付きのポンプに供給し、前記重合体ラテックスと前記凝固剤とを接触させることにより、ゴム状重合体成分を凝固させ、クラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを得る工程を有するゴム状重合体の製造方法であって、
前記破砕機能付きのポンプが、10m以上の揚程を有することを特徴とする。
本発明の第1の観点においては、ゴム状重合体成分の凝固を破砕機能付きのポンプを使用して行う。そのため、従来用いていた大型のタンクからなる凝固装置が不要となり、製造プロセスおよび製造機器の削減ができ、設備費の低減および製造コストの低減を図ることができる。しかも、第1の観点においては、前記破砕機能付きのポンプとして、10m以上、好ましくは12m以上の揚程を有するポンプを使用する。そのため、ポンプ内でのゴム状重合体成分の詰まりを防止し、かつ、ポンプから排出されたスラリー中のクラム状のゴム状重合体の分散性を良好とすることができる。
あるいは、本発明の第2の観点に係るゴム状重合体の製造方法は、
重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とを、破砕機能付きのポンプに供給し、前記重合体ラテックスと前記凝固剤とを接触させることにより、ゴム状重合体成分を凝固させ、クラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを得る第1工程と、
前記クラムスラリーを、前記ポンプの吐出口から配管を通して、大気中に開放する第2工程とを有し、
前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dの比(L/D)を、20以下とすることを特徴とする。
本発明の第2の観点においては、上述の第1の観点と同様に、ゴム状重合体成分の凝固を破砕機能付きのポンプを使用して行う。そのため、従来用いていた大型のタンクからなる凝固装置が不要となり、製造プロセスおよび製造機器の削減でき、設備費の低減および製造コストの低減を図ることができる。しかも、第2の観点においては、前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dとの比(L/D)を、20以下とする。そのため、配管内でのゴム状重合体成分の詰まりを防止し、開放時におけるスラリー中のクラム状のゴム状重合体の分散性を良好とすることができる。
本発明の製造方法において、好ましくは、
重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とを、破砕機能付きのポンプに供給し、前記重合体ラテックスと前記凝固剤とを接触させることにより、ゴム状重合体成分を凝固させ、クラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを得る第1工程と、
前記クラムスラリーを、前記ポンプの吐出口から配管を通して、大気中に開放する第2工程とを有し、
前記破砕機能付きのポンプが、10m以上の揚程を有し、かつ、
前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dの比(L/D)を、20以下とする。
前記破砕機能付きのポンプとして、10m以上の揚程を有するポンプを使用し、しかも、前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dの比(L/D)を、20以下とすることにより、本発明の作用効果をさらに高めることができる。
本発明において、前記破砕機能付きポンプとしては、前記重合体ラテックスと凝固液とを接触させて重合体を凝固させることができ、それにより得られたクラムスラリーを破砕できる機能を有するポンプであればよい。また、前記クラムスラリーをポンプ外部に吐出させる機能を有する回転翼を備えるものが好ましい。
本発明において、例えば前記回転翼を備えたポンプを用いる場合には、前記重合体ラテックスと前記凝固液とを、回転翼に対して流れ方向手前に供給し、該重合体ラテックス及び凝固液が回転翼と接触する前に両者を接触させることが好ましい。このようにすることにより、ゴム状重合体を、回転翼に対して流れ方向手前で凝固させ、凝固により得られるゴム状重合体を、回転翼により破砕し、適当な大きさとしてポンプ外へと排出することが可能となる。
本発明の製造方法において、好ましくは、
前記破砕機能付きのポンプが、凝固したゴム状重合体成分を破砕するための第1翼と、
前記第1翼の外周に設けられた第2翼とを有する。
前記第1翼および第2翼は、回転可能な回転翼であり、前記クラムスラリーをポンプ外部に吐出させる機能を有する。本発明においては、好ましくは、第1翼と共に、この第1翼の外周に第2翼を設けることにより、前記ポンプの吐出揚程を向上させることができ、ポンプ内部におけるゴム状重合体成分の詰まりを有効に防止することが可能となる。
前記第1翼は、凝固したゴム状重合体成分を破砕することを主たる目的とする回転翼である。また、前記第2翼は、第1翼の外周に設けられ、第1翼により破砕されたゴム状重合体を分散すること、およびゴム状重合体をセラム水(凝固剤を含む水)と共にポンプ外へ排出すること、を主たる目的とする回転翼である。なお、前記第1翼は、ゴム状重合体成分を破砕する機能と共に、ゴム状重合体成分を分散・排出させる機能を有していてもよく、同様に、前記第2翼は、ゴム状重合体成分を分散・排出させる機能と共に、ゴム状重合体成分を破砕する機能を有していてもよい。
本発明の製造方法において、好ましくは、
前記破砕機能付きのポンプが、前記第1翼と前記第2翼との間に固定枠を有しており、
前記固定枠には、前記第1翼により破砕されたゴム状重合体成分を、前記第1翼から前記第2翼方向へと排出するための通孔が、形成してあるものが好ましい。
前記破砕機能付きのポンプにおいて、固定枠を、第1翼と第2翼との間に形成することにより、第1翼である程度の大きさにまで破砕されたゴム状重合体成分を、該固定枠によってさらに破砕することができるため、ゴム状重合体成分の破砕を十分に行うことが可能となり、ゴム状重合体成分を、ポンプ外へ排出するのに適当な大きさとすることができる。また、前記固定枠に、第1翼から第2翼方向へと排出するための通孔を形成し、この通孔の大きさを調整することにより、破砕により得られるゴム状重合体成分の大きさを制御することができる。
本発明の製造方法において、好ましくは、
前記クラムスラリーを、水で洗浄することにより、クラム状のゴム状重合体から前記凝固剤を除去する洗浄工程を有する。
洗浄工程においては、クラムスラリーに洗浄水を供給することにより、クラム状のゴム状重合体表面に付着した凝固剤を除去し、水分とクラム状のゴム状重合体とを分離する。
本発明の製造方法において、好ましくは、
前記クラムスラリーから水分を取り除き、クラム状のゴム状重合体を得る脱水工程と、
前記水分の取り除かれたクラム状のゴム状重合体を、加熱乾燥する工程とを有する。
本発明の製造方法において、より好ましくは、前記クラムスラリーの洗浄および/または脱水・乾燥は、前記ポンプの吐出口から前記配管を通して、大気中に開放されたクラムスラリーについて行う。
本発明の製造方法において、好ましくは、
前記クラムスラリーを、タンクに排出し、前記タンク内で前記クラムスラリーを撹拌する工程を有する。
本発明においては、破砕機能付きポンプの吐出口から配管を通って、大気中に開放されたクラムスラリーを、撹拌装置を使用して、撹拌・滞留させた後に、上記洗浄、脱水、乾燥を行うことが好ましい。クラムスラリーを、撹拌・滞留させることにより、ゴム状重合体成分への凝固剤の接触を促進させ、ゴム状重合体成分の凝固を、ほぼ完全に進行させることができる。撹拌・滞留を行うための撹拌装置としては、特に限定されず、種々の撹拌措置を使用することができるが、たとえば、タンク底部に回転刃および固定刃を備えた撹拌機を有するハイシェアミキサー等を使用することができる。
本発明方法に適用できる、前記重合体ラテックスとしては、特に限定されず、たとえば、ブタジエン重合体やイソプレン重合体などの共役ジエンのみで構成される単独重合体;エチルアクリレート重合体などのアクリレートのみで構成される単独重合体;などの各種単独重合体のラテックスの他、ブタジエン/イソプレン共重合体などの共役ジエンのみで構成される共重合体;アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/イソプレン共重合体、アクリロニトリル/イソプレン共重合体、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/スチレン/イソプレン共重合体などの不飽和ニトリルと共役ジエンで構成される共重合体;スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体などの芳香族ビニルと共役ジエンで構成される共重合体;エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート共重合体、エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレート共重合体などのアクリレートのみで構成される共重合体;などの各種共重合体のラテックスが例示される。
なかでも、不飽和ニトリルと共役ジエンで構成される共重合体や、アクリレートのみで構成される単独または共重合体の各重合体ラテックスが好ましく、さらに不飽和ニトリルと共役ジエンで構成される共重合体のラテックスが好ましく、ブタジエンとアクリロニトリルで構成される共重合体のラテックスが特に好ましく本発明に適用できる。
本発明に適用できる重合体ラテックスの固形分濃度は、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜40重量%程度である。
本発明に適用できる重合体ラテックスは、たとえば乳化重合や微細懸濁重合などで得ることができるが、特に乳化重合で得られる乳化重合体のラテックスが好適なものとして挙げられる。乳化重合で得られる重合体粒子の粒径や、乳化剤の種類および使用量は、特に限定されない。
本発明において、前記凝固剤としては、特に限定されず、たとえば硫酸、塩酸などの無機酸類;酢酸などの有機酸類;塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウムなどの無機塩類;およびこれらの混合物などが挙げられるが、重合体ラテックスに使用されている乳化剤の種類などにより適宜決定すればよい。なかでも、凝固剤としては、無機塩類が好ましく、より好ましくは塩化カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムである。
本発明の第1の観点に係るゴム状重合体の製造装置は、
重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とが、内部で接触混合可能な破砕機能付きのポンプを有し、
前記破砕機能付きのポンプの揚程が、10m以上であることを特徴とする。
本発明の第2の観点に係るゴム状重合体の製造装置は、
重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とが、内部で接触混合可能な破砕機能付きポンプと、
前記破砕機能付きポンプの吐出口から排出されるクラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを、大気中に開放するための配管とを有し、
前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dとの比(L/D)が、20以下であることを特徴とする。
本発明の第1の観点および第2の観点に係る製造装置において、前記破砕機能付きのポンプとしては、特に限定されないが、たとえば、上述した本発明の製造方法に用いられる破砕機能付きのポンプを使用することができる。
本発明によると、ゴム状重合体を製造する方法において、破砕機能付きポンプを使用してゴム状重合体成分を凝固させることにより、従来用いていた大型のタンクからなる凝固装置が不要となるため、製造プロセスおよび製造機器の削減を可能とし、設備費の低減および製造コストの低減を図ることができる。
しかも、本発明においては、前記破砕機能付きのポンプとして、10m以上の揚程を有するポンプを使用する。あるいは、前記配管の長さLと、前記ポンプの吐出口の内径Dとの比(L/D)を20以下とする。そのため、ポンプ内や配管内でのゴム状重合体成分の詰まりを防止し、かつ、スラリー中のクラム状のゴム状重合体の分散性を良好とすることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るゴム状重合体の製造装置の概略図である。 図2は本発明の一実施形態に係る破砕機能付きポンプの要部断面図である。 図3は本発明の一実施形態に係るゴム状重合体の製造装置の一部を示す概略図である。 図4は従来例に係るゴム状重合体の製造装置の概略図である。 図5は従来例に係る破砕機能付きポンプの要部断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るゴム状重合体の製造装置は、破砕機能付きポンプ10と、ハイシェアミキサー12と、ロータリースクリーン14とスクイザー16とを有する。
破砕機能付きポンプ10は、図2に示すように、吸い込み口30と吐出口32とを有するポンプケーシング28内に、第1翼36および第2翼38を有する円形の回転体34が、回転自在に装着してある。回転体34は、回転軸40に接続されたモーター(図示省略)により、第1翼36および第2翼38と共に、回転駆動される。また、第1翼36と第2翼38との間には、第1翼36を覆うように、ステーター(固定枠)42が、配置されている。
第1翼36および第2翼38は、回転体34上に複数設けられており、回転体34と共に回転することにより、吸い込み口30から流体を吸い込み、流体中に含まれるクラムを粉砕・分散し、破砕されたクラムを流体と共に、吐出口32より排出させることができる。
第1翼36は、吸い込み口30から吸い込まれる流体に含まれるクラムを破砕するための回転翼である。第1翼36は、クラムを粉砕できるような構造を有していればよいが、好ましくは、粉砕されるクラムに与える剪断速度(シェアレート)が、200[1/s]以上となるようにする。
第2翼38は、第1翼36により破砕されたクラムの分散および排出を行うための回転翼である。第2翼38は、破砕されたクラムを分散、および排出することができるような構造を有していればよく、特に限定されないが、ステーター42とポンプケーシング28との隙間に、クラムの詰まりが発生しないような構造とすることが好ましい。すなわち、第2翼38は、ステーター42の外周を回転することにより、ステーター42とポンプケーシング28との間に排出されるクラムをほぼ完全に分散させることができるような構造とすることが好ましい。
本実施形態においては、第1翼36と共に、第1翼の外周側に第2翼を形成するため、ポンプの吐出揚程を10m以上、好ましくは12m以上と高くすることができ、ポンプ内部におけるゴム状重合体成分の詰まりを有効に防止することが可能となる。
従来の破砕機能付きのポンプ10aは、図5に示すように、回転体34に破砕用の第1翼36しか形成されていないため、吐出揚程が低く、したがって、ポンプ内でゴム重合体を凝固させると、凝固により得られるクラムが、ポンプ10a内で詰まってしまうという問題があった。特に、従来においては、ステーター42とポンプケーシング28との隙間へのクラムの詰まりが顕著であった。そのため、従来の破砕機能付きのポンプ10a内で、ゴム状重合体成分を凝固させると、凝固したクラムの詰まりが原因となり、ポンプ10a外へのクラムの排出ができなくなってしまい、連続的にクラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを製造することが困難であった。
これに対し、本実施形態では、上述のように、ポンプの吐出揚程を向上させることができるため、従来問題となっていたポンプ内でのクラムの詰まりを有効に防止することができる。
ステーター42は、第1翼36と第2翼38との間に、第1翼36を覆うように配置されており、ステーター42は、吸い込み口30側には吸い込み孔42aを、側面部には通孔42bを有している。吸い込み孔42aは、吸い込み口30から吸い込まれる流体を第1翼36方向へと送るための通り孔である。一方、通孔42bは、第1翼36により粉砕され、一定以下の大きさとなったクラムを第1翼36から第2翼38方向へと排出するための通り孔であり、この通孔42bの大きさを調整することにより、排出されるクラムの大きさを制御することができる。通孔42bの形状や、大きさは特に限定されないが、たとえば、第1翼36により粉砕され、第2翼38方向へ排出されるクラムの最大幅が、3〜20mm程度となるように調整する。通孔42bが、小さ過ぎるとクラムの粉砕に要する時間が長くなり、生産性が低下する傾向にあり、一方、大き過ぎるとポンプ10内でクラムが詰まってしまうおそれがある。
吸い込み口30には、アダプタ44が装着されている。アダプタ44には、溶液状態の重合体ラテックスが送り込まれるラテックス送り手段としてのラテックス輸送配管46と、凝固剤を含有する凝固液が送り込まれる凝固液送り手段としての凝固液輸送配管48とが形成してある。
ラテックス輸送配管46は、たとえば重合タンクで重合されたゴム状重合体を含む重合体ラテックスを直接ポンプ10の吸い込み口30まで搬送する。配管46の途中には、輸送用ポンプが配置されている。
凝固液輸送配管48により輸送される凝固液は、塩化カルシウム等の凝固剤と水との混合溶液であり、凝固液中の凝固剤の濃度は、凝固液全体に対して、5〜35重量%程度とする。また、凝固液の供給量は、特に限定されないが、重合体ラテックスに対して、〔重合体ラテックス:凝固液〕にて容量比で1:0.005〜1:0.2程度が好ましい。凝固液の供給量が少なすぎると、ポンプ内におけるゴム状重合体成分の析出が不十分となる傾向にある。また、凝固液の供給量が多すぎると、洗浄工程における凝固剤の除去が困難となる傾向にある。
アダプタ44は、ラテックス輸送配管46および凝固液輸送配管48によりそれぞれ送られた重合体ラテックスと凝固液とが、第1翼36および第2翼38にて混合等される前に接触するように、吸い込み口30内に挿入してある。
本実施形態においては、重合体ラテックスと凝固液とを、吸い込み口30より、ラテックス輸送配管46および凝固液輸送配管48を介して、それぞれ別々に、第1翼36の流れ方向手前に供給し、この重合体ラテックスと凝固液とを第1翼36の流れ方向手前で接触させる。このため、第1翼36の近傍付近で、ゴム状重合体の凝固が起こり、凝固したゴム状重合体は、第1翼36および第2翼38により破砕・分散され、輸送されるのに適当な大きさのゴム状重合体クラムを含むスラリー(クラムスラリー)となり、吐出口32から排出される。
また、本実施形態においては、重合体ラテックスおよび凝固液の他に、必要に応じて希釈水を使用することができ、希釈水としては、後に説明する洗浄工程において回収される洗浄排水を使用することが好ましい。なお、希釈水は、あらかじめ重合体ラテックス、あるいは凝固液と混合された状態で破砕機能付きポンプ10に投入される。
図2、図3に示すように、ポンプ10は、クラムスラリーを上方に排出するための吐出口32を有しており、吐出口32の内径(直径)Dは、50〜200mm程度である。また、図3に示すように、吐出口32には、スラリー供給配管50が接続されており、吐出口32から排出されるクラムスラリーは、スラリー供給配管50を通って、一度大気中に開放され、スラリー供給配管50とハイシェアミキサー12との接続部に形成された側壁52に衝突させられ、落下し、タンク18内へと供給される。なお、スラリー供給配管50は、ポンプ10の吐出口32から開放部までの長さである配管長さLを有しており、この配管長さLは、図3に示すL1とL2との和であり、その長さは、200〜2000mm程度である。但し、ポンプを横向きに設置できる場合等、その配置如何によっては、配管長さLが0、すなわち配管を介さずにポンプ突出口がそのままハイシェアミキサー12に接続されていても構わない。また、図3中のL1とL2との長さの比については、特に限定されず、設備の設置スペース等に応じて、適宜調整可能である。
本実施形態においては、吐出口32の内径Dと、スラリー供給配管50の長さLとの比(L/D)を20以下とすることが好ましく、より好ましくは18以下とする。吐出口32の内径Dと、スラリー供給配管50の長さLとの比(L/D)を上記範囲とすることにより、配管50内でのゴム状重合体クラムの詰まりを防止し、開放時におけるスラリー中のゴム状重合体クラムの分散性を良好とすることができる。
次いで、スラリー供給配管50から大気中に開放されたクラムスラリーを、ハイシェアミキサー12で撹拌・滞留させる。ハイシェアミキサー12は、図3に示すように、タンク18と、タンク18の底部に回転刃および固定刃を備えた撹拌機20とを有しており、撹拌機20に形成された回転刃(図示省略)の攪拌効果により、スラリーに循環流を発生させることにより、スラリーを撹拌・滞留させる構造となっている。クラムスラリーを、ハイシェアミキサー12を使用し、撹拌・滞留させることにより、凝固剤のゴム状重合体成分への付着を促進させ、ゴム状重合体成分の凝固を、ほぼ完全に進行させることができる。なお、クラムスラリーの撹拌・滞留は、1〜20分程度とすることが好ましい。本実施形態においては、クラムスラリーの撹拌・滞留を、ハイシェアミキサーを使用して行うことにより、クラムスラリー中のゴム状重合体成分への凝固剤の付着を効率的に行うことができるため、短時間の撹拌・滞留で、クラムスラリー中のゴム状重合体成分の凝固を、ほぼ完全に進行させることができる。
次いで、ロータリースクリーン14を使用して、クラムスラリーの洗浄を行い、クラム状のゴム状重合体表面に付着した凝固剤を除去し、水分とクラム状のゴム状重合体とを分離し、含水状態のクラムを得る。
クラムスラリーの洗浄は、ロータリースクリーン14内に洗浄水を送り込み、スクリュー22およびスクリーン24を回転させることにより行われ、洗浄により、凝固剤濃度が1000ppm程度以下に低減される。洗浄に供する水の量は、ゴム状重合体成分に対して、重量比で1〜10倍程度であることが好ましい。
なお、洗浄工程により発生する洗浄排水のうち、比較的凝固剤濃度の低い洗浄排水については回収を行い、希釈水として、再び破砕機能付きポンプ10に投入することが好ましい。
次いで、スクイザー16を使用して、洗浄された含水状態のクラムの脱水を行う。スクイザー16は、内部に回転自在なスクリュー26を有しており、このスクリュー26により、クラムから水分を絞り出すことにより脱水を行い、水分含有量が10重量%程度に調整されたクラムが得られる。
次いで、脱水されたクラムについて、バンドドライヤーにより、加熱乾燥を行い、実質的に水分をほとんど含まない状態(水分含有量は0.5重量%以下)のクラムを得る。クラムを乾燥する際の温度は、40〜100℃程度とする。
次いで、乾燥されたクラムは、たとえば、フレーク状で排出された後、ベーラー(図示省略)に導入されて圧縮され、適当な大きさとされて製品(ベール)化される。
本実施形態に係るゴム状重合体の製造方法においては、ゴム状重合体成分の凝固を破砕機能付きポンプ10を使用して行うことにより、従来用いていた大型のタンクからなる凝固装置が不要となる。そのため、製造プロセスおよび製造機器の削減を可能とし、設備費の低減および製造コストの低減を図ることができる。また、本実施形態においては、ゴム状重合体成分の凝固を、高クラム濃度で行うことができるため、洗浄水や凝固剤の使用量を削減することができる。また、操作が単純になり、生産すべきゴム状重合体の種類の切り替え時などでも製品のロスが低減され、かつ切り替え時間の短縮を図ることができ、操業性が向上する。
また、本実施形態においては、破砕機能付きポンプ10として、第1翼36と共に、第1翼の外周側に第2翼が形成されたポンプ10を使用するため、ポンプ10の吐出揚程を10m以上、好ましくは12m以上と高くすることができる。しかも、本実施形態においては、スラリー供給配管50の長さLと、ポンプの吐出口32の内径Dとの比(L/D)を、20以下、好ましくは18以下としてある。そのため、ポンプ内および配管内でのゴム状重合体成分の詰まりを防止し、かつ、ポンプから排出されたスラリー中のクラム状のゴム状重合体の分散性を良好とすることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、破砕機能付きポンプ10により、ゴム状重合体成分を凝固させて得られたクラムスラリーを、ハイシェアミキサー12で撹拌・滞留させる工程を有するゴム状重合体の製造方法を例示したが、クラムスラリーを、撹拌・滞留させる工程を経ずに、ロータリースクリーンに投入するような工程を採用することも可能である。
また、上述した実施形態では、重合体ラテックスと凝固液とを、それぞれ別々に破砕機能付きポンプ10に投入するような方法を例示したが、重合体ラテックスと凝固液とを、あらかじめ混合した状態で破砕機能付きポンプ10に投入する方法や、破砕機能付きポンプ10に投入する直前に混合させて、破砕機能付きポンプ10に投入する方法とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、ロータリースクリーン14を使用して、クラムスラリーの洗浄を行ったが、クラムスラリーの洗浄は、ウェッジ型のスクリーンを使用して行うことも可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。尚、本発明の効果の確認方法としては、得られたポンプ吐出口に接続された配管中のクラムスラリーの詰まり状態及び大気中に解放されたクラムスラリー中のクラム分散性を目視観察により評価した。前記クラム分散性については、クラム同士の付着等がなく分散している場合を良好とした。
実施例1
まず、重合体ラテックスとしてNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)のラテックスを、凝固剤として塩化カルシウム水溶液を、それぞれ準備した。
次いで、NBRのラテックス、塩化カルシウム水溶液および希釈水を使用して、図1〜図3に示す破砕機能付きポンプ10を有する製造装置により、NBRの製造を行った。なお、NBRのラテックス、塩化カルシウム水溶液および希釈水の量は、スラリー全体に対するクラム濃度が、4.7重量%となるように調整した。
また、破砕機能付きポンプ10としては、Inline Mixer(Silverson社製 型式450LS)に、図2に示すように、ステーター42を有し、第1翼36の外周に第2翼38を形成したポンプを使用した。なお、ポンプ回転数を3000rpm、流量を25m/hとし、吐出揚程は15mであった。また、図3に示すポンプ10の吐出口32の内径(D)およびスラリー供給配管50の吐出口32から開放部までの長さである配管長さ(L=L1+L2)は、D=48mm、L=800mm、L/D=16.67mmとした。
実施例2
破砕機能付きポンプ10において、図2に示すステーター42を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、NBRの製造を行った。
比較例1
破砕機能付きポンプとして、図5に示すInline Mixer(Silverson社製 型式450LS)を使用した以外は、実施例1と同様にして、NBRの製造を行った。すなわち、比較例1においては、破砕機能付きポンプとして、第2翼38を有しない破砕機能付きポンプ10aを使用した。なお、比較例1においては、ポンプ回転数を3000rpm、流量を25m/hとし、吐出揚程は8mであった。また、スラリー全体に対するクラム濃度は、4.0重量%とした。
比較例2
比較例1と同様に、破砕機能付きポンプとして、図5に示すInline Mixer(Silverson社製 型式450LS)を使用して、NBRの製造を行った。なお、比較例2においては、ポンプ回転数を1500rpm、流量を25m/hとし、吐出揚程は5mであった。また、スラリー全体に対するクラム濃度は、4.1重量%とした。
Figure 0004784507
評価1
表1より、吐出揚程が15mであった実施例1,2は、ステーター42の有無に関わらず、いずれもポンプ10内およびスラリー供給配管50内でのクラムの詰まりは確認されず、また、大気中に開放されたクラムの分散性も良好であった。
一方、吐出揚程が、それぞれ8m、5mであった比較例1,2は、実施例1,2と比較して、クラム濃度を低くしたにも関わらず、ポンプ10内でのクラムの詰まりの発生が確認された。特に、この比較例1,2においては、ステーター42とポンプケーシング28との隙間へのクラムの詰まりが原因となり、吐出口32からのクラムの排出が不能となり、連続運転を行うことができなかった。
これらの結果より、破砕機能付きのポンプとして、吐出揚程が10m以上のポンプを使用することが好ましく、特に、第1翼36と共に、第1翼36の外周側に第2翼38が形成され、吐出揚程が向上したポンプを使用することが好ましいことが確認できた。
実施例3,4、比較例3
実施例1と同様にして、重合体ラテックスとしてNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)のラテックスを、凝固剤として塩化カルシウム水溶液を、それぞれ準備した。
次いで、NBRのラテックス、塩化カルシウム水溶液および希釈水を使用して、図1〜図3に示す破砕機能付きポンプ10を有する製造装置により、NBRの製造を行った。なお、NBRのラテックス、塩化カルシウム水溶液および希釈水の量は、スラリー全体に対するクラム濃度が、表2に示す濃度となるようにそれぞれ調整した。
また、破砕機能付きポンプ10としては、ディスインテグレータ(小松ゼノア(株)製 型式HD4Ms−SC)を用い、ポンプ回転数を1500rpm、流量を25m/hとし、図3に示すポンプ10の吐出口32の内径(D)およびスラリー供給配管50の吐出口32から開放部までの長さである配管長さ(L=L1+L2)は、それぞれ表2に示す長さとした。なお、実施例3,4、比較例3で用いたディスインテグレータ(破砕機能付きポンプ10)は、図2に示す第1翼36、第2翼38を有するポンプであり、また、実施例3,4、比較例3においては、ポンプの吐出揚程は、13mであった。
実施例5、比較例4
破砕機能付きポンプ10として、Inline Mixer(Silverson社製 型式450LS)を用い、ポンプ回転数を3000rpm、流量を25m/hとした以外は、実施例3と同様にして、NBRの製造を行った。なお、スラリー全体に対するクラム濃度、吐出口32の内径(D)およびスラリー供給配管50の長さ(L)は、表2に示す濃度および長さとした。また、実施例5、比較例4で用いたInline Mixer(破砕機能付きポンプ10)は、実施例1と同様の構成を有するものを用いた。すなわち、ステーター42を有し、第1翼36の外周に第2翼38を形成したポンプを使用した。また、実施例5、比較例4においては、ポンプの吐出揚程は、15mであった。
Figure 0004784507
評価2
表2より、吐出口32の内径(D)およびスラリー供給配管50の長さ(L)の比(L/D)を20以下とした実施例3〜5は、クラム濃度によらず、いずれもスラリー供給配管50内でのクラムの詰まりは確認されず、また、大気中に開放されたクラムの分散性も良好であった。特に、実施例3のように、クラム濃度を16.5%と高濃度とした場合においても、良好な結果が得られた。
一方、L/Dを20より大きくした比較例3,4は、スラリー供給配管50内でのクラムの詰まりが確認され、また、大気中に開放されたクラムの分散性も不良となった。
この結果より、吐出口32の内径(D)およびスラリー供給配管50の長さ(L)の比(L/D)は、20以下とすることが好ましく、より好ましくは18以下であることが確認できた。


Claims (9)

  1. 重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とを、破砕機能付きのポンプに供給し、前記重合体ラテックスと前記凝固剤とを接触させることにより、ゴム状重合体成分を凝固させ、クラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを得る工程を有するゴム状重合体の製造方法であって、
    前記破砕機能付きのポンプが、10m以上の吐出揚程を有し
    凝固したゴム状重合体成分を破砕するための第1翼と、
    前記第1翼の外周に設けられた第2翼と有し、
    前記製造方法が、前記クラムスラリーを、前記破砕機能付きのポンプの吐出口から配管を通して大気中に開放する工程を有し、
    前記配管の長さLと、前記破砕機能付きのポンプの吐出口の内径Dとの比(L/D)を、20以下とすることを特徴とするゴム状重合体の製造方法。
  2. 前記破砕機能付きのポンプが、前記第1翼と前記第2翼との間に固定枠を有する請求項1に記載のゴム状重合体の製造方法。
  3. 前記第1翼により破砕されたゴム状重合体成分を、前記第1翼から前記第2翼方向へと排出するための通孔が、前記固定枠に形成してある請求項2に記載のゴム状重合体の製造方法。
  4. 前記クラムスラリーを、水で洗浄することにより、クラム状のゴム状重合体から前記凝固剤を除去する洗浄工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載のゴム状重合体の製造方法。
  5. 前記クラムスラリーから水分を取り除き、クラム状のゴム状重合体を得る脱水工程と、
    前記水分の取り除かれたクラム状のゴム状重合体を、加熱乾燥する工程とを有する請求項1〜4のいずれかに記載のゴム状重合体の製造方法。
  6. 前記クラムスラリーを、タンクに排出し、前記タンク内で前記クラムスラリーを撹拌する工程を有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム状重合体の製造方法。
  7. 前記重合体ラテックスが、乳化重合により得られた不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のラテックスである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム状重合体の製造方法。
  8. 前記凝固剤が、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜7のいずれかに記載のゴム状重合体の製造方法。
  9. 重合体ラテックスと、凝固剤を含有する凝固液とが、内部で接触混合可能な破砕機能付きポンプを有し、
    前記ポンプの吐出揚程が、10m以上で、
    前記ポンプが、凝固したゴム状重合体成分を破砕するための第1翼と、
    前記第1翼の外周に設けられた第2翼と有し、
    前記破砕機能付きポンプの吐出口から排出されるクラム状のゴム状重合体を含むクラムスラリーを大気中に開放する配管をさらに有し、
    前記配管の長さLと、前記破砕機能付きのポンプの吐出口の内径Dとの比(L/D)が、20以下であるゴム状重合体の製造装置。
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