JP4673085B2 - 重合体ラテックスからの重合体回収方法および重合体回収装置 - Google Patents

重合体ラテックスからの重合体回収方法および重合体回収装置 Download PDF

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本発明は、乳化重合にて得られた重合体ラテックスから重合体を効率よく回収する方法に関するものであり、さらに詳しくは、特定の手段にて重合体ラテックスと凝固剤とを接触させたペーストを処理することにより、微粉がほとんどなく、かつ取り扱いやすい形状が均一な顆粒として回収することのできる重合体の回収方法および重合体回収装置に関するものである。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)に代表されるゴム強化樹脂は、乳化重合にて製造されるのが一般的であるが、この重合法においては、得られたラテックス中から重合体を回収するに際し、通常凝固剤にて析出させてスラリー状とした後、脱水、洗浄、乾燥工程を経て重合体を回収する。
この方法で重合体を回収する場合、ラテックスの凝固は、熱水を満たした凝固槽に重合体ラテックスと凝固剤水溶液とを供給し、該凝固槽内にて攪拌することによって行なわれることが多いが、この方法では回収される重合体粒子の粒子径分布が広く、かつ微粉粒子が多く存在するため、(1)脱水工程での脱水性が悪い、(2)分離・乾燥工程で微粉粒子が目詰まりして生産性が低下する、(3)微粉粒子による粉塵爆発を防止するための設備が必要となる、(4)押出機に投入する際に微粉粒子が飛散したり、パウダーがホッパー内でブリッジングして押出機内にフィードしない等の不具合がある。
これを解決するため、例えば、特許文献1(特開2003−321547号公報)には、重合体ラテックスと凝固剤液を混合して凝固クリームとした後、細孔から熱水に投入して攪拌/固化/分断することにより微粉粒子の少ない重合体を回収する方法が提案されているが、攪拌での剪断作用が均一でなく、その結果固化分断後の形態が不揃いとなることが多く、また微粉粒子を少なくする効果も十分とは言えなかった。
特開2003−321547号公報
本発明の目的は、上述の諸問題を解決し、乳化重合にて得られる重合体ラテックスから、微粉がほとんどなく、かつ取り扱いやすい形状が均一な顆粒として回収することができる重合体の回収方法および重合体回収装置を提供することにある。
微粉をほとんど含まず、かつ均一な形態で重合体を回収することができ、移送や充填が容易で保管時にもブロッキングを生ずることなく、かつ造粒時における取り扱いも容易な顆粒状重合体を回収することができるという効果を奏するものである。
本発明者らは、重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合して該重合体ラテックスを固化した後の重合体の処理手法について鋭意研究した結果、重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合機中にてペーストとした後、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出すに際し、細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置することにより、本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、重合体ラテックスから重合体を回収する方法であって、該重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合機中にてペーストとした後、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出すに際し、細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置することを特徴とする重合体ラテックスからの重合体回収方法および、重合体ラテックスから重合体を回収する装置であって、該重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合してペーストとする混合機と、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽を有し、かつ、該細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置すること特徴とする重合体ラテックスからの重合体回収装置を提供するものである。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の回収方法が適用される重合体ラテックスとしては、乳化重合により製造される重合体ラテックスを挙げることができる。例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム等のゴム状重合体ラテックス、該ゴム状重合体ラテックスにアクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタアクリレート等の共重合可能なビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体ラテックスや、上記ビニル系単量体を乳化重合して得られたポリスチレン、スチレン−アクリロ二トリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、α−メチルスチレン−アクリロ二トリル共重合体等の硬質樹脂重合体ラテックスを挙げることができる。
また、他の方法として、別途重合された固体のゴム状重合体を、例えばホモジナイザー等を用い、界面活性剤を用いて乳化することにより得られたゴム質重合体及び該ゴム質重合体ラテックスにアクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタアクリレート等の共重合可能なビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト重合体ラテックスにも適用することができる。
なお、乳化重合するに際しては特に制限はなく、公知の技術、重合助剤を採用することができる。
本発明の回収方法で用いられる凝固剤としては、例えば、硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩または塩化物から選ばれた1種以上を用いることができる。
該凝固剤の使用量には特に制限はないが、重合体ラテックス(固形分)100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。
また、本発明においては、必要に応じて上記凝固剤に対して予め水溶性高分子(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート等)を混合することも可能である。
本発明の重合体ラテックスから重合体を回収するに際しては、まず重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを接触混合させる必要があり、例えばスタティックミキサーあるいはスクリュ−ポンプ等の混合機中に連続的に導入して接触混合することができるが、特にスタティックミキサーを使用することが好ましい。
その際、連続的に供給される重合体ラテックスや凝固剤水溶液については、重合体ラテックスの性状に応じて固形分濃度や凝固剤量を調整することにより、流動性を保持した所望の粘度を有するペーストとすることが望ましい。
次に、上記ペーストは、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出されるが、該温水槽の温度は70℃以上であることが必要である。該温水槽の温度が70℃より低い場合には、ペーストを細孔から押し出した際に凝固が不十分となることがあり、その結果微粉の発生が増加するため好ましくない。また該温水槽は、温水が連続供給可能で、かつ回収重合体と一緒に連続排出できる構造であることが望ましい。
なお、回収重合体の形状保持効率をさらに高めるため、必要に応じて温水槽に攪拌機を設置してもよい。
本発明においては、形状の揃った顆粒状の重合体を回収するため、上記の混合機でペーストとした後、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出すに際し、該細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置することが重要である。
該切断刃は押出されてくるペーストを連続的に切断できるものであればよく、回転式や上下式または左右往復式などが例示される。
また、該切断刃の駆動速度は、得ようとする顆粒の大きさやペーストの粘度等に合わせ、最適な速度を選択することができる。さらに、細孔の数に応じ、切断刃を複数個設置してもよい。
本発明の重合体ラテックスからの重合体回収装置は、該重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合してペーストとする混合機と、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽を有し、かつ、該細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置してなる重合体回収装置である。
該混合機としては、例えばスタティックミキサーあるいはスクリュ−ポンプ等を挙げることができるが、特にスタティックミキサーを使用することが好ましい
また、該混合機出口の細孔から直接連結してなる温水槽としては、温水が連続供給可能で、かつ回収重合体と一緒に連続排出できる構造であることが望ましい。
本発明においては、形状の揃った顆粒状の重合体を回収するため、上記ペーストとした後、細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出すに際し、細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置することが重要である。
該切断刃は押出されてくるペーストを連続的に切断できるものであればよく、回転式や上下式または左右往復式などが例示される。
また、該切断刃の駆動速度は、得ようとする顆粒の大きさやペーストの粘度等に合わせ、最適な速度を選択することができる。さらに、細孔の数に応じ、切断刃を複数個設置してもよい。
この後、公知の方法、例えば遠心脱水機、流動乾燥機を使用して、脱水・乾燥されて重合体を回収することができる。なお、この際、必要に応じて、重合体ラテックスに予め各種酸化防止剤、各種安定剤を添加しても良く、さらにこれらを乳化して添加しても良い。
〔実施例〕
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。なお、部および%は重量に基づくものである。
−グラフト重合体ラテックスの調製−
グラフト重合体ラテックス(a−1):窒素置換した攪拌機付き反応器にポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.3μm、ゲル含有量85%)60部(固形分)、水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部を入れ、65℃に加熱後、アクリロニトリル10部、スチレン30部からなる混合物およびオレイン酸カリウム1.0部、キュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物をそれぞれ3時間に亘り連続的に添加し、更に65℃で2時間重合して、固形分41.0%のグラフト重合体ラテックス(a−1)を得た。
−硬質樹脂重合体ラテックスの調製−
硬質樹脂重合体ラテックス(a−2):窒素置換した攪拌機付き反応器に水120部、過硫酸カリウム0.3部を入れ、70℃に加熱後アクリロ二トリル25部、スチレン75部からなる混合物およびオレイン酸カリウム1.5部をそれぞれ4時間に亘り連続的に添加し、更に70℃で2時間重合して、固形分45.0%の硬質樹脂重合体ラテックス(a−2)を得た。
〔実施例−1〕
図1に示すスタティックミキサーの先端が温水槽に直接連結し、その出口に連続駆動可能な回転式切断刃を備えた装置を用い、グラフト重合体ラテックス(a−1)100部(固形分)と硫酸マグネシウムの5%水溶液80部(硫酸マグネシウム含有量4部)をそれぞれ混合機に連続的に添加してペーストとし、混合機出口に設けた細孔から90℃に加温された温水槽中にペーストを押し出した。その際、スタティックミキサー出口には直径2mmの円状細孔が10箇所ある円板を取り付け、各細孔から20mm/秒の速度でペーストが出るように調節し、かつ細孔出口にはそれに接して4枚刃を有する切断器具を設け、その回転数を2回転/秒に調節した。
得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用してグラフト重合体粒子(A−1)を回収した。回収重合体はその90%以上が長さ3.35〜5.6mmの円筒状もしくは楕円状顆粒であり、微粉量も0.5%と少なかった。顆粒の大きさや微粉量は、回収重合体40gをセイシン企業製音波振動式篩い分け機ソニックシフターL−200Pで8分間篩い分け、各目開きのJIS標準篩上に残存した量を全体に占める比率(%)で示した。微粉は100メッシュ(目開き0.15mm)の篩を通過した量で表した(以下同様の方法で測定)。なお、得られた回収重合体の性状は他の実施例及び比較例とともに表1にまとめて示した。
〔実施例−2〕
実施例−1と同じ装置を用い、硬質樹脂重合体ラテックス(a−2)100部(固形分)と、硫酸マグネシウムの5%水溶液80部(硫酸マグネシウム含有量4部)をそれぞれ混合機に連続的に添加してペーストとし、混合機出口に設けた細孔から98℃に加温された温水槽中にペーストを押し出した。その際、ペーストの押出しや切断刃の使用条件も実施例−1と同一にした。
得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用して硬質樹脂重合体粒子(A−2)を回収した。結果は表1に示したが、ほぼ大きさが均一で、かつ微粉の少ないものであった。
〔実施例−3〕
実施例−1と同じ装置を用い、予めグラフト重合体ラテックス(a−1)50部(固形分)と硬質樹脂重合体ラテックス(a−2)50部(固形分)とを混合したラテックスと、硫酸マグネシウムの5%水溶液60部(硫酸マグネシウム含有量3部)及び5%硫酸水溶液10部(硫酸含有量0.5部)とをそれぞれ混合機に連続的に添加してペーストとし、混合機出口に設けた細孔から95℃に加温された温水槽中にペーストを押し出した。その際、ペーストの押出しや切断刃の使用条件も実施例−1と同一にした。
得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用して重合体粒子(A−3)を回収した。結果は表1に示したが、ほぼ大きさが均一で、かつ微粉の少ないものであった。
〔比較例−1〕
攪拌機付き凝固槽を用い、予め150部の水を入れ90℃に加温した後、グラフト重合体ラテックス(a−1)100部(固形分)と5%硫酸マグネシウム水溶液80部(硫酸マグネシウム含有量4部)とを凝固槽内で接触するようにそれぞれ連続的に送液した。その際、凝固槽の温度は90℃に維持した。
得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用してグラフト重合体粒子(B−1)を回収した。得られた回収体は不定形で、大きさもまちまちであり、微粉も36%と非常に多かった。結果は表1に示した。
〔比較例2〕
スタティックミキサーを混合機として用い、グラフト重合体ラテックス(a−1)100部(固形分)と硫酸マグネシウムの5%水溶液80部(硫酸マグネシウム含有量4部)をそれぞれ混合機に連続的に添加してペーストとし、混合機出口に設けた細孔から90℃に加温された温水槽へ攪拌下に押し出した。得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用してグラフト重合体粒子(B−2)を回収した。得られた回収体は、微粉は5%と比較的少ないものの、形状のばらつきが大きかった。結果は表1に示した。
〔比較例−3〕
ペーストが押出される温水槽の温度を50℃とした以外は、実施例−1と同じ条件でペーストを押し出した。得られたスラリーを遠心脱水機、流動乾燥機を使用してグラフト重合体粒子(B−3)を回収した。得られた回収体は固化不十分のため、微粉が25%と多く、また全体に形状が破壊され、小さい粒子側にシフトした。結果は表1に示した。
Figure 0004673085
上記のとおり、本発明の回収方法を適用すると微粉をほとんど含まない重合体粒子を回収することができ、粉末取り扱い時に問題を起こすことがなく、重合体を効率的に回収することができるものであり、産業上有用である。
重合体回収装置を示す図である。
符号の説明
1:凝固剤水溶液投入口
2:重合体ラテックス投入口
3:混合機(スタティックミキサー)
4:細孔ノズル(ストランド出口)
5:切断刃
6:温水槽
7:脱水機
8:乾燥機
9:重合体顆粒取出し口

Claims (4)

  1. 重合体ラテックスから重合体を回収する方法であって、該重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合機中にてペーストとした後、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽へ押出すに際し、該細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置することを特徴とする重合体ラテックスからの重合体回収方法。
  2. 重合体ラテックスが、ゴム質重合体ラテックスの存在下にビニル系単量体を乳化グラフト重合して得られたグラフト重合体ラテックス及び/又はビニル系単量体を乳化重合して得られた硬質樹脂重合体ラテックスである請求項1記載の重合体回収方法。
  3. 重合体ラテックスから重合体を回収する装置であって、該重合体ラテックスと凝固剤の水溶液とを混合してペーストとする混合機と、該混合機出口の細孔から直接連結した70℃以上の温水槽を有し、かつ、該細孔出口に連続駆動可能な切断刃を設置すること特徴とする重合体ラテックスからの重合体回収装置。
  4. 重合体ラテックスが、ゴム質重合体ラテックスの存在下にビニル系単量体を乳化グラフト重合して得られたグラフト重合体ラテックス及び/又はビニル系単量体を乳化重合して得られた硬質樹脂重合体ラテックスである請求項3記載の重合体回収装置。
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