JP2006348146A - ウエットマスターバッチの製造方法、ならびに、この方法によって形成されたウエットマスターバッチ、ゴム組成物、および、タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】充填材を含有するスラリー溶液と、ゴム溶液と、酸を含有する凝固剤とを混合して凝固させ、凝固物を含有する凝固液から固形分を分離したあと、前記凝固の過程で固形分に付着・含有された凝固剤を洗浄して除去し、これを脱水して乾燥させ、ウエットマスターバッチを連続的に製造するに際し、洗浄効果を大幅に向上させることのできるウエットマスターバッチの製造方法、この製造方法により形成されたウエットマスターバッチ、ゴム組成物、ならびに、タイヤを提供する。
【解決手段】 本発明のウエットマスターバッチの製造方法は、固形分18を脱水するに際し、回転するろ過盤2を有する遠心脱水機1を用いて脱水し、固形分18を遠心脱水するのと並行して、その固形分に洗浄液17を散布することにより、前記洗浄を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、充填材を含有するスラリー溶液と、ゴム溶液と凝固剤とを混合して凝固させたあと、生成物を洗浄、脱水してウエットマスターバッチを製造する方法、および、この方法によって形成されたマスターバッチ、ゴム組成物、ならびに、タイヤに関し、特に、洗浄効率を上げることのできるものに関する。
従来から、充填材を含むゴム組成物を形成する際の加工性や分散性を向上させるため、ウエットマスターバッチを用いる方法が知られている。このウエットマスターバッチは、図1に、その工程図を示すように、カーボンやシリカ等の充填材を分散させたスラリー溶液を調合して準備する充填材スラリー溶液調合工程21と、天然ゴムや合成ゴムのラテックスと界面活性剤とを水等の溶媒中で攪拌してゴム溶液を調合準備するゴム溶液調合工程22と、これらの工程で調合されたスラリー溶液とゴム溶液とを連続的に混合・凝固させ凝固物を含有する凝固液を形成する混合・凝固工程23と、形成された凝固液から固形分だけを分離して取り出す固液分離工程24と、分離された固形分からこれに付着されもしくは含有された凝固剤等の不純物を洗浄して除去する洗浄工程25と、固形分を脱水する脱水工程26と、これを乾燥する乾燥工程28と、乾燥された固形分を粒状、ベール状等の所望の形状に成型して製品としてのウエットマスターバッチを形成する成型工程29とを経て生成される。
混合・凝固工程23では、凝固剤として酸や塩が用いられ、また、凝固の副産物として塩が生成される。そして、これらの塩や酸は、もし、これが生成されたマスターバッチに残留した場合には、ゴム組成物の形成過程における加硫速度を低下させ、また、ゴム組成物を形成するための装置を腐食させ、さらには、生成されたゴム組成物の、弾性率等の物性を低下させる等の悪影響をおよぼすため、前記脱水する工程の前に、固形分に付着した酸や塩を洗浄する工程が設けられている。
そして、前記固形分を洗浄する方法として、固定されたスクリーン(ろ過盤)上に配置された前記固形分に水を散布することが広く行われており、また、固形分を脱水させるには、合成ゴムの製造時と同様に、フレンチオイルミルとして知られるスクリュープレス型脱水機が広く用いられており、これは、ろ過盤で構成された押出機バレル中に供給された固形分をスクリューで圧搾しながら押出して脱水するものであり、脱水された水分はバレルのろ過盤を通して排出される(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭48−99282号公報
しかしながら、上記に説明した従来の方法において設けられている洗浄工程の洗浄効果は十分ではなく、生成されたウエットマスターバッチには酸や塩が残留していて、ゴム組成物の形成の過程や、形成されたゴム組成物に悪影響を及ぼすことが発生していた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、充填材を含有するスラリー溶液と、ゴム溶液と、凝固剤とを混合して凝固させ、凝固液中の固形分に、前記凝固の過程で付着・含有した酸や塩を洗浄して固形分を脱水し、その後これを乾燥させてウエットマスターバッチを連続的に製造するに際し、洗浄効果を大幅に向上させることのできるウエットマスターバッチの製造方法、この製造方法により形成されたウエットマスターバッチ、ゴム組成物、ならびに、タイヤを提供することを目的とする。
<1>は、充填材を含有するスラリー溶液と、ゴム溶液と、酸を含有する凝固剤とを混合して凝固させ、凝固物を含有する凝固液を、固液分離し、脱水するとともに、前記凝固の過程で固形分に付着・含有された凝固剤を洗浄して除去したあと、それを乾燥させてウエットマスターバッチを連続的に製造する方法において、
前記固形分を脱水するに際し、回転するろ過盤を有する遠心脱水機を用い、この遠心脱水と並行して、その固形分に洗浄液を散布することにより、前記洗浄を行うウエットマスターバッチの製造方法である。
<2>は、<1>において、前記固形分に1500G以上の遠心加速度を加えて脱水するウエットマスターバッチの製造方法である。
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記洗浄液として、水を用いるウエットマスターバッチの製造方法である。
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、前記固形分を脱水する工程のあと、この固形分を乾燥させるに際し、固形分にせん断力を加えながら乾燥を行うウエットマスターバッチの製造方法である。
<5>は、<4>において、前記固形分を乾燥させるに際し、バレルとその中で回転する複数のスクリューとよりなる多軸混練押出機を用い、昇温されたバレル中に供給された固形分を、回転するスクリューでせん断力を加えながら押し出すことにより、固形分中の水分を加熱蒸発させて乾燥させるウエットマスターバッチの製造方法である。
<6>は、<1>〜<5>ののいずれかの製造方法によって形成されたウエットマスターバッチである。
<7>は、<6>のウエットマスターバッチを用いて形成されたゴム組成物である。
<8>は、<7>のゴム組成物を用いて形成されたタイヤである。
<1>によれば、回転するろ過盤を有する遠心脱水機を用いて脱水し、固形分を遠心脱水するのと並行して、その固形分に洗浄液を散布して洗浄を行うので、遠心力を利用して固形分の粒子内部に含有された酸や塩を粒子表面へ移動させ、表出した酸や塩をすぐ洗浄することにより、粒子内部に含有されていた不純物も除去することができ、洗浄効果を高めることができる。
<2>によれば、固形分に加える遠心加速度を1500G以上とするので、固形分の粒子内部に含有された酸や塩の粒子表面への移動速度をさらに速め、洗浄効果を一層高めることができる。
<3>によれば、前記洗浄液として、水を用いるので、水中における酸や塩の、粒子表面と、内部との濃度差を利用することができ、このことによっても酸や塩の表面への移動速度を速めることができる。
<4>によれば、前記凝固液から抽出した固形分を脱水したあと乾燥させるに際し、固形分にせん断力を加えながら行うので、加工性、補強性、低燃費性に優れたゴムを得ることができる。
<5>によれば、せん断力を加えながら前記固形分を乾燥させるに際し、バレルとその中で回転する複数のスクリューとよりなる多軸混練押出機を用い、昇温されたバレル中に供給された固形分を、回転するスクリューでせん断力を加えながら押し出すので、特に優れた加工性、補強性、および、低燃費性能を得ることができる。
<6>のウエットマスターバッチは、<1>〜<6>のいずれかの製造方法によって形成されるものなので、<1>〜<5>について説明したとおりの効果をもたらすことができる。
<7>のゴム組成物は、<6>のウエットマスターバッチを用いて形成されたものであり、したがって、同様に、<6>について説明したとおりの効果をもたらすことができる。
<8>のタイヤは、<7>のゴム組成物を用いて形成されたものであり、前述のとおりの効果をもたらすことができる。
本発明に係る実施形態について、図を参照して説明する。図2は、本発明に係るウエットマスターバッチの製造方法の工程を例示する工程図であり、全体工程20は、カーボンやシリカ等の充填材を分散させたスラリー溶液を調合して準備する充填材スラリー溶液調合工程21と、天然ゴムや合成ゴムのラテックス等と界面活性剤等とを水等の溶媒中で攪拌してゴム溶液を調合準備するゴム溶液調合工程22と、これらの工程で調合されたスラリー溶液とゴム溶液とを連続的に混合・凝固させ凝固物を含有する凝固液を形成する混合・凝固工程23と、形成された凝固液から固形分だけを分離するとともに分離された固形分を洗浄して脱水する固液分離・洗浄・脱水工程27と、脱水された固形分を乾燥する乾燥工程28と、乾燥された固形分を粒状、ベール状等の所望の形状に成型して製品としてのウエットマスターバッチを形成する成型工程29とよりなる。
図2に示した全体工程10は、これを図1に示した従来の工程と対比してみると、従来、相前後するように設けられていた、固液分離工程24、洗浄工程25、および、脱水工程26を、これらの工程24、25、26における処理を同時に進行させる固液分離・洗浄・脱水工程27に置き換えたものであり、本発明は、後述するように、固液分離・洗浄・脱水工程において遠心脱水機を用いて脱水することにより高い洗浄効果を得ることを主眼とするものではあるが、上記のように工程を短縮することができる点でも生産効率上、有利な効果を奏することができる。
図2は、固液分離・洗浄・脱水工程27において用いられる遠心脱水機を模式的に示す断面図であり、遠心脱水機1は、コーン状のケーシング10と、その内部に設けられて高速で回転するバケット3と、バケット3の上部に取り付けられバケット3と一体となって回転するコーン状のろ過盤2と、ろ過盤2のコーン内面に向けて、混合・凝固工程で生成された凝固液16を吹き付ける凝固液スプレーノズル6と、ろ過盤2により固液分離された固形分18を掻き落すスクレーバ4とを具えて構成される。
バケット3は、図示しないモータを駆動源とするバケット回転駆動機構11によって、高速(角速度ω1)で回転され、バケット3に直接取り付けられているコーン状のろ過盤2も同じ角速度ω1で回転する。一方、スクレーバ4は、上方に向かうにつれて先細りする螺旋の形状をなし、ろ過盤2の内面に対してわずかのクリアランスをもって接するよう設けられ、バケット3の回転軸に設けられた減速機(もしくは増速機)12を介して、角速度ω2で回転して、バケット3とは所定の回転速度の差(ω1−ω2)を有するよう構成される。
また、ろ過盤2の内側には、凝固液スプレー8のほかに、凝固液16から分離された固形分18を洗浄する洗浄液17を噴射する洗浄液スプレーノズル8が設けられる。
このように構成された遠心脱水機1において、バケット3およびろ過盤2を高速ω1で回転させるとともに、スクレーパ4を、ろ過盤2とは異なる回転速度ω2で回転させながら、凝固液スプレーノズル6から凝固液供給口5より供給された凝固液16を、洗浄液スプレーノズル8から洗浄液供給口7より供給された洗浄液17を、それぞれろ過盤2の内面に向けて噴射する。
このとき、ろ過盤2は高速で回転しているので、ろ過盤2に一旦捕捉された凝固液16うち、液分19は、遠心力によりろ過盤2の目を通過して、分離液排水口9より排出され、ろ過盤2の目を通過できない固形分18だけがろ過盤2の内面に残り、残った固形分18は、ろ過盤2に対して(ω1−ω2)で相対回転するスクレーバ4によって掻き落とされ、掻き落とされた固形分18は、バケット3、固形分回収部13を経由して、固形分排出口14より回収される。
次に、充填材スラリー調合工程21とゴム溶液調合工程22とについて説明する。スラリー溶液を調合する方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、コロイドミルに所定量の充填剤と水を入れ、高速で一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
ここで、前記スラリー溶液としては、カーボンブラック、シリカ、もしくは、一般式(I)で表される充填材の少なくとも1種を予め水中に分散させたものを用いるのがよい。
Figure 2006348146
〔式中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である〕
前記式(I)で表される充填材としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO 、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(I)中のMがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
なお、上記カーボンブラック、シリカ、前記一般式(I)で表される充填材の少なくとも一種を含む充填材のスラリー濃度は、スラリー溶液に対して0.5重量%〜60重量%が好ましく、特に好ましい範囲は1重量%〜30重量%である。
また、前記充填材は、ウエットゴムマスターバッチのゴム成分100重量部に対して、5〜100重量部添加されるのが好ましく、特には10〜70重量部の範囲であることが好ましい。充填材の量が5重量部より少ないと充分な補強性が得られない場合があり、また100重量部を超えると加工性が悪化する場合があるからである。さらに、上記カーボンブラック、シリカ、及び前記一般式(I)で表される充填材は単独でまたは二種以上のものを混合して用いることもできる。
前記スラリー溶液中の充填材として、体積平均粒径(mv)が25μm以下であり90体積%粒径(D90)が30μm以下である粒度分布を有しすることが好ましく、さらに好ましくは、体積平均粒子径(mv)が20μm以下、かつ90体積%粒径(D90)が25μm以下とするのがよい。
粒度が大きすぎるとゴム中の充填材の分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがあるからである。
また、スラリー溶液から回収した充填材の24M4DBP吸油量がスラリー溶液中に分散される前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持する特性を有するものを用いるのが好ましく、さらに好ましくは、96%以上を保持する特性を有するものを用いるのがよい。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO6894に準拠して測定される値である。
スラリー溶液への充填材の、分散前後の24M4DBP吸油量の差が大きいことは、充填材の粒度を小さいことを意味し、24M4DBP吸油量の変化を上記のように規定するのは、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、充填材のストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こしてしまうからである。
また、ゴム溶液調合工程22において調合されるゴム溶液として、天然ゴムラテックスもしくは合成ゴムラテックスを用いるのが好ましい。
脱水した固形分を乾燥させる乾燥工程28においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらに充填材の分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行うことが好ましい。これにより、加工性、補強性、低燃費性に優れたゴムを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行うことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機を用いることがより好ましい。
また、上記のせん断力をかけながら乾燥を行う工程においては、乾燥工程前のウエットマスターバッチ中の水分は10%以上であることが好ましい。この水分が10%未満であると、乾燥工程での充填材分散の改良幅が小さくなってしまうことがある。
混合・凝固工程23において、カーボンブラックN330を、英国シルバーソン社製ハイシアーミキサーを用い、水に微分散させて得られた5%濃度のスラリー溶液51と、天然ゴムラテックスを20%濃度で含有するゴム溶液52とを攪拌しながら混合し、蟻酸でpH4.5になるように調整してこれらを凝固させ、得られた凝固物を含有する凝固液53を振動スクリーンにより固液分離し、天然ゴム100質量部、カーボンブラック50質量部の粒状固形分SRを得た。そして、この粒状固形分を、4種類の異なる方法で洗浄・脱水し、これらを、それぞれ、実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2として、それぞれの例について、次に示す、<A>および<B>の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価A>(pHの評価):
洗浄・脱水した固形分に200kPaの圧搾圧力を5分間加えて圧搾し、圧搾により浸出した水分のpHを測定した。
<評価B>(加硫速度の評価):
洗浄・脱水した固形分を熱風乾燥後、表2に示す薬品を添加しバンバリミキサを用いて混練し、混練したものを、JISK6300-2に準拠して加硫時間t90(振動式加硫試験機により加硫される未加硫ゴムサンプルのトルクカーブおいて、最大トルクと最小トルクとの差の90%のトルクに対応する経過時間)を求めた。
<評価C>(引張応力の評価):
洗浄・脱水した固形分を熱風乾燥後、表2に示す薬品を添加しバンバリミキサを用いて混練し、混練したものを、150℃x30分の条件で加硫し、ダンベル状3号の試験片を作成し、JIS-K6251の引張試験方法に準拠して、300%伸びにおける引張り応力M300を測定した。また、表1に示した数値は、比較例1についての測定結果を100とした指数で表した。ただし、この指数は、指数が大きいほど、実際の測定数値が大きいことを表している。
また、各例の洗浄・脱水方法は次の通りである。
〔比較例1〕
前記粒状固形分SRを20倍の水で洗浄後、スクリュープレス(スエヒロEPM社製)を用いて、水分率20%になるまで脱水した。
〔比較例2〕
前記粒状固形分SRを20倍の水で洗浄後、遠心脱水機(石川島播磨重工業製ギナ型)を用いて水分率25%になるまで脱水した。このときの遠心力は2000Gであった。
〔実施例1〕
前記粒状固形分SRを、遠心脱水機(石川島播磨重工業製ギナ型)を用いて遠心脱水しながら、5倍の水で洗浄し、水分率25%になるまで脱水した。このときの遠心力は2000Gであった。
〔実施例2〕
前記粒状固形分SRを、遠心脱水機(石川島播磨重工業製ギナ型)を用いて遠心脱水しながら、5倍の水で洗浄し、水分率38%になるまで脱水した。このときの遠心力は1400Gであった。
なお、水分率の測定は、(株)エー・アンド・ディ社製の加熱乾燥式水分計MX-50によって測定した。
Figure 2006348146
Figure 2006348146
表1から明らかなように、実施例のものはいずれも、pHが中性に近く、洗浄が良好に行われている。その結果、加硫時間が短く、引張り応力も高い値を示す。
従来のウエットマスターバッチの製造方法を示す工程図である。 本発明に係るウエットマスターバッチの製造方法示す工程図である。 遠心脱水機を示す断面図である。
符号の説明
1 遠心脱水機
2 ろ過盤
3 バケット
4 スクレーパ
5 凝固液供給口
6 凝固液スプレーノズル
7 洗浄液供給口
8 洗浄液スプレーノズル
9 分離液排水口
10 ケーシング
11 バケット回転駆動機構
12 減速機
13 固形分回収部
14 固形分排出口
16 凝固液
17 洗浄液
18 固形分
19 分離液
20 全体工程
21 充填材スラリー溶液調合工程
22 ゴム溶液調合工程
23 混合・凝固工程
24 固液分離工程
25 洗浄工程
26 脱水工程
27 固液分離・洗浄・脱水工程
28 乾燥工程
29 成型工程
31 固形分

Claims (8)

  1. 充填材を含有するスラリー溶液と、ゴム溶液と、酸を含有する凝固剤とを混合して凝固させ、凝固物を含有する凝固液を、固液分離し、脱水するとともに、前記凝固の過程で固形分に付着・含有された凝固剤を洗浄して除去したあと、それを乾燥させてウエットマスターバッチを連続的に製造する方法において、
    前記固形分を脱水するに際し、回転するろ過盤を有する遠心脱水機を用い、この遠心脱水と並行して、その固形分に洗浄液を散布することにより、前記洗浄を行うウエットマスターバッチの製造方法。
  2. 前記固形分に1500G以上の遠心加速度を加えて脱水する請求項1に記載のウエットマスターバッチの製造方法。
  3. 前記洗浄液として、水を用いる請求項1もしくは2に記載のウエットマスターバッチの製造方法。
  4. 前記固形分を脱水する工程のあと、この固形分を乾燥させるに際し、固形分にせん断力を加えながら乾燥を行う請求項1〜3のいずれかに記載のウエットマスターバッチの製造方法。
  5. 前記固形分を乾燥させるに際し、バレルとその中で回転する複数のスクリューとよりなる多軸混練押出機を用い、昇温されたバレル中に供給された固形分を、回転するスクリューでせん断力を加えながら押し出すことにより、固形分中の水分を加熱蒸発させて乾燥させる請求項4に記載のウエットマスターバッチの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの製造方法によって形成されたウエットマスターバッチ。
  7. 請求項6に記載のウエットマスターバッチを用いて形成されたゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のゴム組成物を用いて形成されたタイヤ。
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