JP6675171B2 - ゴム組成物の製造方法及びその方法を用いるタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のカーボンブラックを配合してウェットマスターバッチを調製し、かつ、シランカップリング剤を配合するゴム組成物の製造方法及びその方法を用いるタイヤの製造方法に関する。
補強性充填剤であるカーボンブラックは、タイヤの耐久性向上のため、古くから用いられてきた。特に、カーボンブラックは、タイヤの耐摩耗性向上を含む目的のために用いられている。
カーボンブラックは、炭素原子が集合した一定の大きさを有する粒子であるが、カーボンブラックの製造方法や表面処理によっては、カーボンブラックは、その粒子表面に、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有する。
カーボンブラックの粒子は、ゴム成分の高分子との間で相互作用を生じるが、その相互作用は、タイヤの補強効果を生じる主要な要因となる。
一方、カーボンブラック粒子がゴム成分の高分子中に高度に分散されていることは、低ロス性(tanδ)を改良し、また、タイヤの発熱性を改良する。
従って、各種手法によりカーボンブラック粒子をゴム成分の高分子中に、高度に分散させることが試みられてきた。
以上のように、ゴム成分の高分子との間の相互作用を改善するために、これまでに多くの手法が試みられてきたが、その中でも、カーボンブラックとゴム成分の高分子との間の相互作用をさらに高めるために化学結合を用いることは有用である。
しかし、一般にタイヤに用いられるカーボンブラックは、シランカップリング剤とほとんど化学結合しないと考えられてきた。
また、ゴムの補強にカーボンブラック以外の充填剤としてシリカが用いられるところ、カーボンブラックと、シランカップリング剤とを用いる次のような先行技術が存在する。
1)少なくとも1種のイソプレンエラストマー、補強用充填剤としての無機充填剤、及び前記無機充填剤と前記イソプレンエラストマー間の結合をもたらす(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング系をベースとするタイヤ又はタイヤ半製品の製造を意図するゴム組成物であって、前記カップリング系が、第1のカップリング剤としての、シランスルフィド化合物;第2のカップリング剤としての、一方でシリル官能基によって前記無機充填剤に、他方でアゾジカルボニル官能基によって前記エラストマーにグラフト化し得る少なくとも二官能性の有機ケイ素化合物;を含み、前記有機ケイ素化合物が特定の式を有することを特徴とするゴム組成物(特許文献1)。
特許文献1には、実施例に、シランカップリング剤によりゴム成分の高分子と、充填剤であるシリカが化学結合したゴム組成物が記載されている。
特許文献1では、カーボンブラック粒子上にシランカップリング剤が支持されることについての記載がある。しかし、同文献においては、シランカップリング剤は、シリカ等の無機系充填剤と化学結合するが、カーボンブラック粒子と化学結合するという記載はない。
特表2008−545828号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものである。即ち、カーボンブラック粒子をゴム成分の高分子中に高度に分散させつつ、カーボンブラック粒子と、ゴム成分の高分子との間に化学結合を生じさせることにより、タイヤにおいて良好な、加工性、耐摩耗性及び低ロス性が高度に両立され得るゴム組成物の製造方法及びその方法を用いたタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、その表面に官能基を有するカーボンブラックの、カーボンブラック粒子表面に存在する官能基をスラリー中でイオン化させ、カーボンブラックをスラリーに分散させた、イオン化カーボンブラックのスラリーを用いてウェットマスターバッチを調製し、調製後のウェットマスターバッチに対してシランカップリング剤を配合することにより、加工性並びに成形後の耐摩耗性及び低ロス性が高度に両立され得るゴム組成物を製造できることを見出した。
より具体的には、本発明のゴム組成物の製造方法は、その表面に酸性官能基を有するカーボンブラックを含有するスラリーを塩基性とすることによりカーボンブラック表面の酸性官能基をイオン化し、その結果得られたスラリーとゴム成分を含有するラテックスとを混合し、凝固、脱水及び乾燥をして得た調製後のウェットマスターバッチに対してシランカップリング剤及びゴムに必要な各材料とを配合するゴム組成物の製造方法である。
即ち、本発明は、次の(1)〜(9)に存する。
(1) 表面平均酸性官能基量が0.1〜2.7(μeq/m)であるカーボンブラックを分散させたスラリーと、天然ゴム及び/又は合成ゴムを含有するラテックスとを混合後水分を除去することにより得たウェットマスターバッチと、シランカップリング剤とを配合するゴム組成物の製造方法。
(2) カーボンブラックのDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)が、45〜100cm/100gである、上記(1)に記載のゴム組成物の製造方法。
(3) カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、80〜290m/gである上記(1)〜(2)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(4) ゴム組成物に配合されるゴム成分のうち、30質量%以上のゴム成分がウェットマスターバッチ中のゴム成分として配合される上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(5) ゴム組成物に配合されるゴム成分が天然ゴム及び合成ゴムの両方を含有する上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(6) 更にシリカを含む、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(7) シランカップリング剤の配合量が、カーボンブラック100質量部に対し1質量部以上20質量部以下である、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(8) 水分を除去することにより得たウェットマスターバッチに対し、前記ウェットマスターバッチを得た後にシランカップリング剤を配合してゴム組成物を製造する、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法。
(9) 上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のゴム組成物の製造方法を含む、タイヤの製造方法。
本発明によれば、ゴム成分と、カーボンブラックとを含有するゴム組成物に、一定条件下シランカップリング剤を加えることで、加工性を低下させることなく、タイヤとして用いたときに耐摩耗性及び低ロス性(tanδ)に優れたものとなるゴム組成物の製造方法が提供される。
以下に、本発明に係る実施形態を詳しく説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、下記に説明する表面平均酸性官能基量が0.1〜2.7(μeq/m)であるカーボンブラックを分散させたスラリーと、天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるゴム成分とを含有するラテックスとを混合し、凝固後、水分を除去することによって得たウェットマスターバッチに、シランカップリング剤を配合するゴム組成物の製造方法である。
本発明の製造方法において、ゴム成分は、ウェットマスターバッチ中のゴム成分としてゴム組成物に配合される他、ウェットマスターバッチに、別の固相のゴムを混練することによりゴム組成物に加えられてもよい。
〔カーボンブラック〕
本発明で用いるカーボンブラックは、例えば、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いるカーボンブラックは、コロイダル特性及び表面酸性官能基の効果が影響して微細化しやすくなるという観点から、ストラクチャーが未発達である(低い)ものが好ましく、本発明で用いるカーボンブラックのDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、40〜140cm/100gであり、好ましくは、45〜100cm/100gであり、より更に好ましくは、50〜80cm/100gである。
本発明で用いるカーボンブラックは、各種製法により得られたままのものでも、酸化剤等の各種化学物質により、粒子表面を改質又は化学的に修飾されたものでもよい。
本発明で用いるカーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜130質量部であることが望ましい。前記カーボンブラックの配合量は、より好ましくは、30〜90部、更に好ましくは、45〜75質量部である。また、発熱性を抑制する観点から、カーボンブラックの配合量は、130質量部以下が好ましい。
また、本発明で用いるカーボンブラックは、製造方法に特に制限はない。更に、本発明で用いられるカーボンブラックは、触媒反応等の各種反応による変成や、物理的処理により、粒子径、表面積、カーボンブラックの粒子表面の官能基、ストラクチャー又は各種性質を変化させたものであってもよい。
本発明で用いるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、70〜300m/gであり、好ましくは、80〜290m/g、より更に好ましくは、80〜130m/gである。
〔スラリー〕
スラリーは、分散剤の不存在下でカーボンブラックが分散してなるものであることが好ましい。カーボンブラックを安定に分散させるために分散剤を添加してもよいが、例えば、気相オゾン処理カーボンブラックを用いる等により、分散剤を添加しないことが好ましい。分散剤を用いないことで、調製したウェットマスターバッチを材料として製造したゴム製品に破壊強度の低下をもたらす心配が無く、製造コストも低減することができる。
ここで、「分散剤」とは、スラリー中で安定にカーボンブラックを分散させる目的で加える界面活性剤及び樹脂をいい、具体的には、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合体の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体の塩、スチレン−マレイン酸共重合体の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸塩等の陰イオン性高分子や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子や、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質や、アラビアゴム、トラガントゴム等の水溶性天然ゴム類や、サポニン等のグルコシド類や、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体や、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子が挙げられる。
本発明で用いる界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤を用いることができる。
スラリーの調製には、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等が用いられる。例えば、コロイドミルに所定量の充填剤と水を入れ、高速で一定時間攪拌することで、当該スラリーを調製することができる。
スラリー中のカーボンブラックの粒度分布は、体積平均粒子径としての90体積%粒径(D90)が1.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径としての90体積%粒径(D90)が0.5μm以下である。粒度が大きすぎるとゴム中のカーボンブラック分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがある。
他方、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、カーボンブラックのストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こす。かかる観点から、スラリーから乾燥回収した充填剤のDBP吸油量が、スラリーに投入する前のカーボンブラックのDBP吸油量の93%以上であることがより好ましく、96%以上であることがさらに好ましい。
また、ラテックスとスラリーとを混合する工程においては、予め、水中にカーボンブラックが分散したスラリーを調製しておくことが必要であるが、このスラリーの製造方法は公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
例えば、ホモミキサーに所定量の充填剤であるカーボンブラックと水とを入れ、一定時間攪拌することで、当該スラリーを調製することができる。
スラリーを調製するために用いるカーボンブラックは、各種工業用用途、例えばタイヤ用やインク用に用いられるものの示す範囲内であれば特に制限はない。前記カーボンブラックは、表面平均酸性官能基量が、0.1〜2.70(μeq/m)のものを用いる。
表面平均酸性官能基量は、下記の方法にて測定した酸性官能基量を窒素吸着比表面積で除した値であり、単位面積当たりの当量(μeq/m)で示される。
表面平均酸性官能基量が0.1(μeq/m)未満であると、スラリーの粒度分布を微細な粒子の範囲において得ることができなくなる。カーボンブラックの表面平均酸性官能基量は、スラリーの粒度分布の微細化、及び補強性の低下防止の観点から、0.30〜2.5であることがより好ましく、0.3〜1.5以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックは、表面に酸性官能基を導入することによって、水との親和性が向上し、スラリーの粒度分布が、微細な粒子の範囲のものとなる。
酸性官能基を有するカーボンブラックをスラリー化する工程では、微細化したカーボンブラックを安定して保持するために、水酸化ナトリウム等を添加してpH8以上とし、酸性官能基をイオン化する。pH8未満では、酸性官能基を有するカーボンブラックが凝集してしまうため好ましくない。スラリーのpHは、微細化したカーボンブラックを安定して保持するという観点から、9以上であることが好ましい。
〔酸性官能基量の定量〕
酸性官能基量を定量する手段としては、例えば、Boehmらが提案する下記の方法が挙げられる。
<Boehmらの方法>
カーボンブラック10gと0.01mol/LのCONa水溶液50gをフラスコ中で2時間攪拌後、22時間室温で静置する。静置後、さらに30分間攪拌してから濾過し、濾液を回収する。回収した濾液25mLを0.01mol/LのHCl水溶液で中和滴定し、pHが4.0に到達するまでに要するHCl水溶液量(mL)を測定する。該HCl水溶液量と下記式(I)から表面平均酸性官能基量(ミリ当量/kg)を算出する。
酸性官能基量=(25−HCl水溶液量)×2 ・・・(I)
〔窒素吸着比表面積(NSA)〕
窒素吸着比表面積は、JIS K 6217(1997)に準じて測定する。
〔カーボンブラックのpH値〕
本明細書中、カーボンブラックのpH値は、ゴム用カーボンブラック試験方法についてのJIS K6221に準拠して、カーボンブラックと蒸留水とを混合したスラリーをガラス電極pH計で測定した値である。
本発明で用いるカーボンブラックのpH値は、好ましくは2.5〜8.0、より好ましくは、2.5〜7.5、更に好ましくは、3.0〜7.5である。
カーボンブラックは、ゴム補強性の観点から、統計的厚さ比表面積(STSA:Statistical Thickness Surface Area)(m/g)が30以上300以下であることが好ましい。
STSA(m/g)が120以上のカーボンブラックでスラリーを調製する場合では、水とカーボンブラックを先に混ぜると再凝集しやすくスラリー微粒化頻度が十分確保できない問題がある。そこで、STSA(m/g)が120以上である場合、水と塩基を混ぜた塩基性水溶液にカーボンブラックを分散させることが好ましい。水と塩基を混ぜた塩基性水溶液であることによって、STSA(m/g)が120以上のカーボンブラックであっても、十分なスラリー微粒化頻度が得られる。ここで、十分なスラリー微粒化頻度とは、マスターバッチ中のカーボンブラック分散性が向上し、ゴム物性(耐摩耗指標)が向上する頻度をいい、スラリーにおける1μm以下のスラリー微粒化頻度が65%以上であることをいう。なお、水とカーボンブラックを先に混ぜて、後から塩基を加える方法では、スラリーにおける1μm以下のスラリー微粒化頻度は確保できない。
塩基性水溶液に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、アンモニア等が好適に挙げられる。
塩基性水溶液に添加する塩基の量は、スラリー微粒化頻度を確保し、マスターバッチのゴム物性を向上させるという観点から、スラリーの全量に対して0.06質量%以上0.1質量%以下であることが好ましく、0.08質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましく、0.08質量%以上0.09質量%以下であることがさらに好ましい。
〔カーボンブラックのオゾン処理〕
カーボンブラックの酸化処理は、乾燥したカーボンブラックを0.1%以上16%以下のオゾン雰囲気下に晒す処理により行うことが好ましい。オゾン雰囲気下でのカーボンブラックの酸化処理における処理温度は、常温〜100℃であり、処理時間は10秒〜300秒である。このカーボンブラックの酸化処理は、乾燥カーボンブラックをオゾンガスで直接酸化する手法であるので、後処理(水洗・乾燥)が必須ではなく、効率的かつ簡便でコストも抑制できる。
〔シランカップリング剤〕
本発明で用いることができるシランカップリング剤は、特に制限はない。ウェットマスターバッチにシリカを配合する場合、シランカップリング剤は、ゴム成分中シリカを分散させ、ゴム組成物を補強する観点からも用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、カーボンブラックの配合量によって変動するものであるが、カーボンブラック100質量部に対し、補強性の観点から、1質量部以上が好ましく、4質量部以上が更に好ましく、一方、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましく、12質量部以下が更に好ましい。また、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、発熱性の観点から、4〜12質量部がより好ましい。
〔シリカ〕
本発明のゴム組成物の製造方法においては、更にシリカが配合されてもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法で用いることができるシリカは、特に制限はない。市販のゴム組成物に用いられているものを用いることができ、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を用いることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法において、シリカの配合量は、前記ゴム組成物に後に配合されるシランカップリング剤に対して100倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である。
本発明の製造方法において、ゴム組成物にシリカを配合する場合、シリカは、ウェットマスターバッチにシランカップリング剤が加えられた後、加えられることが好ましい。シリカとシランカップリング剤とが反応し、シランカップリング剤とカーボンブラックとの反応が阻害されることを避けるためである。
また、本発明の製造方法において、シリカ中のケイ素原子のモル数が、ウェットマスターバッチに配合するシランカップリング剤中のケイ素原子のモル数の10倍以下、より好ましくは、5倍以下であることが、シランカップリング剤とカーボンブラックとの反応が阻害されにくいため好ましい。
〔ゴム成分〕
本発明の製造方法において、ゴム成分は、ウェットマスターバッチ中のゴム成分としてゴム組成物に配合される他、ウェットマスターバッチとは別に固相のゴムとしてとしてゴム組成物に配合されてもよい。
本発明の製造方法で用いるゴム成分は、特に制限はない。
本発明の製造方法で用いるゴム成分は、天然ゴム(NR)であっても、合成ゴム(SR)であってもよく、その混合物であってもよい。
本発明の製造方法で用いるゴム成分に、ウェットマスターバッチ中のゴム成分又はウェットマスターバッチとは別に固相のゴムとしてゴム組成物に配合されるゴム成分に、粘度の低いゴム成分を用いることにより、ゴム組成物の粘度を低下させることができる。
ここで、天然ゴム(NR)としては、タイヤ用として一般に用いられているRSS、TSR#10、TSR#20などの他、恒粘度剤含有天然ゴム、高純度化天然ゴム、酵素処理天然ゴム、けん化処理天然ゴム等が挙げられる。恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド(NHNHCONH)、又はその塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジド化合物(例えば、プロピオン酸ヒドラジド)などを用いることができる。高純度化天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスを遠心分離にかけ、タンパク質等の非ゴム成分が除去された天然ゴムである。酵素処理天然ゴムは、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ等の酵素により酵素処理された天然ゴムである。けん化処理天然ゴムは、アルカリ(例えば、NaOH)等でけん化処理された天然ゴムである。
また、合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの合成ゴムは、変性ポリマーであってもよく、また、合成ゴム(未変性ポリマー)に変性ポリマーをブレンドして用いてもよい。
これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
〔ラテックス〕
ウェットマスターバッチを製造するための混合液を調製するために用いられるラテックスとしては、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいは溶液重合による合成ゴムの有機溶媒溶液等を挙げることができる。これらの中で、得られるウェットマスターバッチの性能や製造しやすさなどの観点から、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスが好適である。
天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、酵素で処理した脱蛋白ラテックス、上記のものを組み合わせたものなど、いずれも用いることができる。
合成ゴムラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン重合体ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム等のラテックスを用いることができる。
〔ウェットマスターバッチ〕
本発明に用いられるウェットマスターバッチは、カーボンブラックを分散したスラリーと、ラテックスとを混合した混合液を、凝固、脱水及び乾燥し水分を除去することにより得られる。
〔スラリーとラテックスとの混合〕
スラリーとラテックスとの混合方法としては、例えば、ホモミキサー中にスラリーを入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これにスラリーを滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったスラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法等を用いることもできる。スタティックミキサー、高せん断ミキサー等による混合方法でも可能である。
上記混合を行うことにより、スラリーと、ラテックスとを混合した混合液を得る。
〔凝固及び脱水〕
前記混合液の凝固方法としては、通常と同様、蟻酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩の凝固剤を用いて行われる。また、本発明においては、凝固剤を添加せず、スラリーとラテックスとを混合することによって、凝固がなされる場合もある。
上記凝固を行うことにより、凝固物を得る。
凝固物は、一枚ろ布式脱水機を用いる等通常の方法により適当な水分量になるまで脱水する。
〔乾燥〕
前記凝固物の乾燥のために、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらにカーボンブラックの分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行なうことが好ましい。これにより、加工性、補強性、ゴム物性に優れたゴムを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行なうことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の多軸混練押出機を用いることがより好ましく、特に二軸混練押出機を用いることが好ましい。
以上の凝固物の乾燥により、カーボンブラックを用いたウェットマスターバッチを効率よく調製することができる。
〔ゴム組成物〕
本発明の製造方法において、本発明に係るゴム組成物は、カーボンブラックを含むスラリーに、天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるラテックスを混合し、脱水及び乾燥して得られるウェットマスターバッチにシランカップリング剤を配合して成るゴム組成物である。
前記ゴム組成物は、好ましくは、天然ゴム及び合成ゴムの両方を含む。
前記ゴム組成物には、上記ゴム成分、カーボンブラック、上記シランカップリング剤の他に、ゴム工業界で通常用いられる、充填剤、例えば、上述のとおりのシリカ等、及び、配合剤、例えば、プロセス油、スコーチ防止剤、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に用いることができる。
また、本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分、カーボンブラック、シランカップリング剤と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して得られる混合物を、混練及び加硫して得られるものであり、例えば、上記混合物をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
本発明に係るゴム組成物における、ゴム成分100質量部に対する亜鉛華の配合量は、加硫特性と弾性率の観点から、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2.2質量部以上であり、耐破壊強度の観点から、好ましくは12.0質量部以下、より好ましくは10.0質量部以下である。
本発明に係るゴム組成物には、ゴム成分が、ウェットマスターバッチとして配合される他、ウェットマスターバッチ配合時にゴム成分単体でとして配合されてもよいが、ゴム組成物において、ゴム成分の全体に対して上記ウェットマスターバッチにおけるゴム成分を30質量%以上、より好ましくは、40%以上、より更に好ましくは、45%以上含有することが好ましい。上記ウェットマスターバッチに追加して用いられる他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法で用いることができる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法で用いることができる老化防止剤は、特に限定されるものではないが、例えばアミン系、フェノール系、有機ホスファイト系あるいはチオエーテル系などの老化防止剤を挙げることができる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
このように製造されるゴム組成物が、何故、加工性、耐摩耗性及び低ロス性が高度に両立され、性能が向上するかは以下のように推察される。
即ち、表面の官能基がイオン化したカーボンブラックを用いることにより、カーボンブラック粒子表面が親水化する。従って、イオン化カーボンブラックにより調製したウェットマスターバッチを用いた場合、カーボンブラックの分散が向上する。その結果、低ロス性が向上する。
一方、ゴム高分子は疎水性であるため、カーボンブラックとゴム高分子との親和性は下がり、カーボンブラックによるゴムの補強効果が低下、耐摩擦性が低下する。
そこで、配合時にシランカップリング剤を用いることで、シランカップリング剤がカーボンブラック表面の水酸基、カルボキシル基と共有結合し、カーボンブラックの表面を疎水化することで、カーボンブラックとゴム高分子との親和性が向上し、耐摩擦性も向上させることができる。
従って、耐摩耗性及び低ロス性が共に向上する。
更に、ウェットマスターバッチ調製時に、天然ゴム成分に未加硫粘度の低い合成ゴム等のゴム成分を適量加えることで、加工性を向上させることができる。
〔ゴム組成物の製造方法〕
本発明に係るゴム組成物の製造方法における、ゴム組成物に配合する各成分の混合及び混練の方法は、特に限定されるものではない。また、本発明によれば、当該技術分野で一般的に用いられる装置を用いて、混合、混練及び加硫を行うことができる。
本発明における、未加硫ゴム組成物に配合する各成分の混合及び混練の方法は、特に限定されるものではない。
本発明に係るゴム組成物を用いて通常の方法によってタイヤなどのゴム製品を製造することができる。本発明に係るゴム組成物は、そのまま、又は、他のゴム組成物と混練した後、用いてもよい。
〔タイヤの製造〕
本発明のゴム組成物の製造方法を用いて通常の方法によってタイヤを製造することができる。例えば、上記のように各種配合剤を配合させた本発明に係るゴム組成物は、未加硫の段階でタイヤ部材として、例えば、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。
その後、生タイヤを加硫してタイヤを得ることができる。
〔タイヤ〕
本発明のゴム組成物の製造方法を用いて製造されるタイヤは、車両用のものであれば特に制限はない。
本発明のゴム組成物の製造方法を用いて製造されるタイヤは、空気入りタイヤに限られず、内部が充填されたタイヤであってもよく、タイヤの部品についても、車両に用いられる形状、構造、大きさ及び厚さ等の条件を有するものである。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
表1〜12の実施例1〜33、比較例1〜12及び参考例1〜3のゴム組成物は、以下の方法により調製された。
〔実施例1〕
(1)スラリーの調製
カーボンブラック(旭カーボン製 SBX45:下記(4)の方法によりオゾン処理済み)を塩基性水溶液に10質量%の割合で入れ、ハイシアーミキサー(シルバーソン社製「LX800」)にて微分散させてスラリーを作製した。この時のスラリーのpHは、10.0とした。ここで得られたスラリーのカーボンブラックの粒度分布は、D90(90体積%粒径)=0.3μmであった。
また、スラリーの酸性官能基量をBoehmらの方法に従い測定した。窒素吸着比表面積(m/g)は、JIS K 6217(1997)に準じて測定した。
表面平均酸性官能基量(μeq/m)は、上記方法にて測定した酸性官能基量を窒素吸着比表面積で除することにより求めた。
(2)ウェットマスターバッチの調製
上記(1)で作製したスラリー10kgと、10質量%に希釈した天然ゴムラテックス10kgとを攪拌しながら混合したのち、これを蟻酸にてpH4.5に調整して凝固させた。この凝固物をろ取し、充分に洗浄してウェット凝固物900gを得た。その後、計量カップに60g(固形分30g)ずつ量り取ったウェット凝固物を1分間隔で、神戸製鋼社製二軸連続混練機「KTX−30」に投入することで、カーボンブラックを用いたマスターバッチを作製した。このマスターバッチにおいては、天然ゴムラテックス100質量部当りのカーボンブラックの量は60質量部であった。
(3)ゴム組成物の調製
上記(2)で調製したカーボンブラックを配合したウェットマスターバッチ160質量部(ゴム成分100質量部を含む。)に対して、シランカップリング剤(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)2.4質量部、老化防止剤(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物、大内新興化学工業株式会社製「ノクラック225」)1質量部、老化防止剤(N−フェニル−N'−(1,3-ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」)1質量部、亜鉛華(白水化学株式会社製「1号亜鉛華」)2.5質量部、ステアリン酸(日本油脂株式会社製)2質量部、加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三新化学工業製「サンセラーCM」)1質量部、及び硫黄(軽井沢精錬所株式会社製)1.5質量部を配合し、インターナルミキサーで混練してゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物について、耐摩耗性及び低ロス性(tanδ)を評価した。
(4)カーボンブラックのオゾン処理
カーボンブラックの酸化処理は、乾燥したカーボンブラックを昇温したオゾン雰囲気に、一定時間晒す処理により行った。このカーボンブラックの酸化処理は、乾燥カーボンブラックをオゾンガスで直接酸化する手法であるので、後処理(水洗・乾燥)が必須ではなく、効率的かつ簡便でコストも抑制できる。
〔実施例2〜3及び比較例1〕
実施例2〜3及び比較例1は、シランカップリング剤の量と種類を変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例4〜6及び比較例2〕
実施例4〜6及び比較例2は、カーボンブラックを旭カーボン製SB700に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、カーボンブラックのオゾン処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例7〜9及び比較例3〕
実施例7〜9及び比較例3は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX45に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、オゾン処理濃度を9%と実施例1よりも高濃度にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例10〜12及び比較例4〕
実施例10〜12及び比較例4は、カーボンブラックをN326に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、カーボンブラックのオゾン処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例13〜15及び比較例5〕
実施例13〜15及び比較例5は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX25に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例16〜18及び比較例6〕
実施例16〜18及び比較例6は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX25に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、オゾン処理濃度を9%と実施例1よりも高濃度にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例19〜21及び比較例7〕
実施例19〜21及び比較例7は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX25に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、オゾン処理濃度を4.5%と実施例1よりも高濃度にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例22〜24及び比較例8〕
実施例22〜24及び比較例8は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX15に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例25〜27及び比較例9〕
実施例25〜27及び比較例9は、カーボンブラックを旭カーボン製SBX15に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、オゾン処理濃度を9%と実施例1よりも高濃度にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例28〜30及び比較例10〕
実施例28〜30及び比較例10は、カーボンブラックを旭カーボン製SB910に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、カーボンブラックのオゾン処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔実施例31〜33及び比較例11〕
実施例31〜33及び比較例11は、カーボンブラックを旭カーボン製SB910に替え、シランカップリング剤の量と種類を変化させ、オゾン処理濃度を9%と実施例1よりも高濃度にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔参考例1〜3及び比較例12〕
参考例1〜3は、ウェットマスターバッチを配合せず、固相のゴムにカーボンブラック(旭カーボン製SBX45)を混練し、シランカップリング剤を配合することによりゴム組成物を調製した。
比較例12は、ウェットマスターバッチを配合せず、固相のゴムにカーボンブラック(旭カーボン製SBX45)を混練し、シランカップリング剤を配合することなくゴム組成物を調製した。
〔耐摩耗性の測定方法〕
実施例及び比較例の各ゴム組成物を用いて作成したタイヤにおいて、ランボーン型摩耗試験機を用い、スリップ率が25%の摩耗量で表し、また、測定温度は室温とした。下記の通りそれぞれの実施例に対応する比較例の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性は良好である。
〔低ロス性(tanδ)の測定方法〕
実施例及び比較例の各ゴム組成物を用いて作成したタイヤにおいて、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、下記の通りそれぞれの実施例に対応する比較例の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
表1〜12は、実施例1〜33、比較例1〜12及び参考例1〜3のゴム組成物中の成分と、その部数を記載したものである。また、表1〜12は、それぞれのゴム組成物について、低ロス性(tanδ)及び耐摩耗性を評価した値を記載している。
実施例1〜33の低ロス性(tanδ)及び耐摩耗性については、比較例1を100として実施例1〜3を、比較例2を100として実施例4〜6を、比較例3を100として実施例7〜9を、比較例4を100として実施例10〜12を、比較例5を100として実施例13〜15を、比較例6を100として実施例16〜18を、比較例7を100として実施例19〜21を、比較例8を100として実施例22〜24を、比較例9を100として実施例25〜27を、比較例10を100として実施例28〜30を、比較例11を100として実施例31〜33を、比較例12を100として参考例1〜3を、それぞれ指数表示した。
表面平均酸性官能基量の異なる複数の種類のカーボンブラックを含有するウェットマスターバッチとシランカップリング剤とを配合した実施例1〜33のゴム組成物は、それぞれの実施例に用いたものと同じウェットマスターバッチに対して、シランカップリング剤を配合しなかった以外は同様の処理を行った比較例1〜11のゴム組成物と比較して、低ロス性(tanδ)及び耐摩耗性の性能に向上が見られた。
また、ウェットマスターバッチを配合せず、固相のゴムにカーボンブラックを混練し、シランカップリング剤を配合した参考例1〜3についても、シランカップリング剤を配合しなかった比較例12に対して低ロス性(tanδ)及び耐摩耗性の性能に向上が見られた。
Figure 0006675171
*1 カーボンブラック1 旭カーボン製 SBX45
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*4 カーボンブラック2 旭カーボン製 SB700
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*5 カーボンブラック3 カーボンブラック1と同じ旭カーボン製 SBX45をオゾン処理時のオゾン濃度9%で処理。
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*6 カーボンブラック4 N326
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*7 カーボンブラック5 旭カーボン製 SBX25
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*8 カーボンブラック6 旭カーボン製 SBX25をオゾン処理時のオゾン濃度9%で処理。
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*9 カーボンブラック7 旭カーボン製 SBX25をオゾン処理時のオゾン濃度4.5%で処理。
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*10 カーボンブラック8 旭カーボン製 SBX15
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*11 カーボンブラック9 旭カーボン製 SBX15をオゾン処理時のオゾン濃度9%で処理。
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*12 カーボンブラック10 旭カーボン製 SB910
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*13 カーボンブラック11 旭カーボン製 SB910をオゾン処理時のオゾン濃度9%で処理。
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
Figure 0006675171
*1 カーボンブラック1 旭カーボン製 SBX45
*2 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*3 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
本発明に係るゴム組成物は、タイヤ及びタイヤ用部品・部材の製造の用途に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 表面平均酸性官能基量が0.1〜1.5(μeq/m)であるカーボンブラックを分散させたスラリーと、天然ゴム及び/又は合成ゴムを含有するラテックスとを混合後水分を除去することにより得たウェットマスターバッチと、シリカを含有せず、少なくともシランカップリング剤を含む成分とを配合することにより、ゴム組成物を製造するゴム組成物の製造方法。
  2. 表面平均酸性官能基量が0.1〜1.5(μeq/m )であるカーボンブラックを分散させたスラリーと、天然ゴム及び/又は合成ゴムを含有するラテックスとを混合後水分を除去することにより得たウェットマスターバッチと、少なくともシランカップリング剤を含む成分(シリカを除く)とを配合した後、更にシリカを配合することにより、ゴム組成物を製造するゴム組成物の製造方法。
  3. カーボンブラックのDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)が、45〜100cm/100gである、請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、80〜290m/gである請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  5. ゴム組成物に配合されるゴム成分のうち、30質量%以上のゴム成分がウェットマスターバッチ中のゴム成分として配合される請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  6. ゴム組成物に配合されるゴム成分が天然ゴム及び合成ゴムの両方を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  7. シランカップリング剤の配合量が、カーボンブラック100質量部に対し1質量部以上20質量部以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法を含む、タイヤの製造方法。
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