(実施例1)
本発明の実施例1を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例1は、遠隔監視制御システムに含まれる操作端末器のスイッチ用カバーに関する。スイッチ用カバーには、枠と化粧カバーとが取り付けられる。枠が汎用品である場合、スイッチ用カバーのサイズは、枠のサイズに制限される。また、前述のごとく、操作端末器の耐用年数を増加させるためには、取付部分の破損の防止が必要になる。破損を防止させるための構成をスイッチ用カバーに追加することによって、スイッチ用カバーのサイズが大きくなってしまうと、枠の取付ができなくなる。そのため、取付部分には、破損の防止機能を持たせ、かつ効率的に配置することが要求される。以上の背景のもと、本実施例に係るスイッチ用カバーは以下のように構成される。
図1は、本発明の実施例1に係る遠隔監視制御システム500の構成を示す。遠隔監視制御システム500は、操作端末器510と総称される第1操作端末器510a、第2操作端末器510b、制御端末器512と総称される第1制御端末器512a、第2制御端末器512b、伝送制御装置514を含む。ここでは、一例として、2台の操作端末器510と2台の制御端末器512が含まれているが、これらの台数は、「2」に限定されない。また、操作端末器510、制御端末器512は、2線式の信号線Lsを介して伝送制御装置514に接続される。
各操作端末器510は、前方からの押力により押操作されるスイッチを少なくとも1個備える。各制御端末器512は、照明器具あるいは換気扇などの負荷(図示せず)への給電路に挿入されたリレー(図示せず)を少なくとも1個有し、このリレーのオンオフを切りかえることによって、負荷をオンオフ制御する。各操作端末器510のスイッチと各リレーとには、それぞれ個別のアドレスが設定される。遠隔監視制御システム500において使用可能なアドレスは、例えば、0〜63の番号が付された64個のチャンネルのそれぞれに、1〜4の番号が付された4回路が配置されると、計256個になる。アドレスは、チャンネル番号と回路番号との組合せから例えば63−3のように示される。
伝送制御装置514は、信号線Lsに伝送信号Vsを送出する。図2(a)−(c)は、遠隔監視制御システム500における伝送信号を示す。ここで、図2(a)は、伝送信号Vsのフォーマットを示す。伝送信号Vsでは、信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、操作端末器510あるいは制御端末器512を個別に呼び出すためのアドレスデータAD、負荷を制御する制御データCDが時分割多重される。また、伝送信号Vsでは、これらに加えて、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、操作端末器510あるいは制御端末器512からの返信信号(監視データ)を受信するタイムスロットである信号返信期間WTも時分割多重される。
図2(b)は、伝送信号Vsの波形の一例を示す。伝送信号Vsは、双極性(±24V)の信号であり、パルス幅変調によって生成される。各操作端末器510および各制御端末器512では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADが、予め設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込む。また、各操作端末器510および各制御端末器512は、伝送信号Vsの信号返信期間WTに監視データを電流モード信号として返信する。電流モード信号とは、信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号である。図1に戻る。
伝送制御装置514は、操作端末器510あるいは制御端末器512にデータを送出する場合、モードデータMDを制御モードとし、操作端末器510あるいは制御端末器512のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。アドレスデータADに一致する操作端末器510あるいは制御端末器512は、制御データCDを受け取り、信号返信期間WTに監視データを返信する。伝送制御装置514は、送出した制御データCDと、信号返信期間WTに受信した監視データとの関係によって、制御データCDが所望の操作端末器510あるいは制御端末器512に伝送されたことを確認する。制御端末器512は、受け取った制御データCDにしたがって負荷Lを制御するための負荷制御信号を出力し、操作端末器510は、受け取った制御データCDにしたがって負荷Lの動作確認表示を行なうための表示信号を出力する。
一方、伝送制御装置514は、通常の場合、つまりデータを送出しない場合、モードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送出する。これは、常時ポーリングと呼ばれる。この場合、伝送制御装置514は、ある制御端末器512にアクセスして、負荷状態を示す監視データの返信を要求し、アクセスされた制御端末器512は、接続している負荷状態を監視データとして伝送制御装置514に返信する。この返信を受け取った伝送制御装置514は、その制御端末器512に対応関係がある操作端末器510のアドレスにアクセスして、対応する制御端末器512に接続されている負荷の状態を表示させるための制御データCDを伝送する。このようにして常時ポーリングでは、制御端末器512と、この制御端末器512に対応関係を持つ操作端末器510とのアドレスにアクセスする動作がサイクリックに繰り返される。
常時ポーリング下において、操作端末器510は、伝送制御装置514に対して何らかの情報を伝送する場合、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて、割込信号Viを発生させる。図2(c)は、割込信号Viの波形の一例を示す。割込信号Viは、パルス状の信号である。図1に戻る。操作端末器510は、割込フラグを設定して伝送制御装置514との以後の情報授受に備える。伝送制御装置514は、割込信号Viを受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとし、かつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出する。一方、操作端末器510は、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位4ビットが操作端末器510に設定されているアドレスの上位4ビットに一致する場合に、信号返信期間WTにアドレスの下位4ビットを伝送制御装置514に返信する。このように、伝送制御装置514は、割込信号Viを発生した操作端末器510を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で操作端末器510を発見できる。
伝送制御装置514は、割込信号Viを発生した操作端末器510のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。この伝送信号Vsに対して操作端末器510は、伝送しようとする情報を信号返信期間WTに返信する。最後に、伝送制御装置514は、割込信号Viを発生した操作端末器510に対して割込リセットを指示する信号を送出し、操作端末器510の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器510から伝送制御装置514への情報伝送は、伝送制御装置514から操作端末器510への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送制御装置514が所望の制御端末器512の動作状態を知ろうとする場合には、モードデータMDを監視モードとした伝送信号を送出するだけでよい。
いずれかの制御スイッチが押操作されると、操作端末器510は、押操作された制御スイッチに設定されたアドレスの情報を含む監視データを伝送制御装置514に返信する。伝送制御装置514は、この監視データに基づいて生成した制御データCDを含む伝送信号Vsを制御端末器512に伝送し、制御端末器512は、伝送された伝送信号Vs中の制御データCDに応じて負荷を制御する。また、負荷を制御した制御端末器512は、監視データを伝送制御装置514に返信し、伝送制御装置514は、返信された監視データをもとに動作状態表示のための制御データCDを含む伝送信号Vsを生成して操作端末器510に伝送する。この伝送信号Vsによって操作端末器510では負荷の動作状態を表示するための点灯・消灯を実行する。
図3は、操作端末器510の構成を示す。操作端末器510は、通信部170、スイッチ本体12、発光素子14、制御部172、光通信部174を含む。通信部170は、信号線Lsに接続されて、伝送信号Vsの受信、割込信号Viおよび監視データの送信を実行する。スイッチ本体12は、押釦スイッチであり、前述のごとく、個別にアドレスが設定されて制御スイッチを構成する。なお、図3では、1つのスイッチ本体12を示しているが、操作端末器510には、複数のスイッチ本体12、例えば4個のスイッチ本体12が備えられてもよい。
発光素子14は、例えば発光ダイオードによって構成され、負荷の動作状態を発光状態によって表示する。図3では、1つの発光素子14を示しているが、1個のスイッチ本体12に対応して複数の発光素子14、例えば2個の発光素子14が設けられてもよく、前述の場合は、8個の発光素子14が設けられてもよい。制御部172は、通信部170に受信された伝送信号Vs、スイッチ本体12に受け付けられた操作入力に応じて、通信部170と各発光素子14とをそれぞれ制御する。
光通信部174は、スイッチ本体12のアドレスを設定するためのアドレス設定器(図示せず)との間で例えば赤外光を媒体とする光信号を送受信する。制御部172は、各スイッチ本体12のアドレスが格納されるメモリ(図示せず)を有する。制御部172は、スイッチ本体12のアドレスを指示する光信号が光通信部174に受信された場合、該光信号に応じて、上記メモリに格納された各スイッチ本体12のアドレスを書きかえる。つまり、制御部172には、光通信部174への光信号によって各スイッチ本体12のアドレスがそれぞれ設定される。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、操作端末器510を示す分解斜視図である。以下、上下方向は図4を基準とし、図4の左上−右下方向を左右方向と呼び、図4の左下−右上方向を前後方向と呼ぶ。つまり、前から順に、化粧カバー8、枠6、スイッチ用カバー40、回路ブロック2、ボディ20が並べられている。また、図5は、操作端末器510を示す正面図である。これは、組み立てられた操作端末器510を前方から見た場合を示す。図4に戻る。
回路ブロック2は、スイッチ本体12、発光素子14、受発光部16がプリント配線板10の前方側に実装されることによって、構成されている。なお、通信部170および制御部172は、それぞれ周知技術によって実現可能であるので、詳細な図示および説明は省略する。また、光通信部174も周知技術で実現可能であるので、詳細な図示および説明は省略する。光通信部174に含まれた受発光部16は、例えば赤外光を媒体とする光信号を送信する通信用発光素子と、光信号を電気信号に変換する受光素子との組合せである。受発光部16は、回路ブロック2において、4個のスイッチ本体12よりも上方部分に配置される。
スイッチ本体12は、上下方向に4個直線状に並べて配置される。ここで、各スイッチ本体12について、対応する2個の発光素子14が、スイッチ本体12の上方に、かつ左右に離間して設けられる。また、スイッチ本体12の左側の発光素子14の光色が緑色であり、スイッチ本体12の右側の発光素子14の光色が赤色であるように、2個の発光素子14の光色が互いに異なっている。図示しない制御部172は、例えば、スイッチ本体12に関係付けられた負荷がオン状態である期間に、該スイッチ本体12に対応する右側の発光素子14を点灯させ、左側の発光素子14を消灯させる。一方、制御部172は、スイッチ本体12に関係付けられた負荷がオフ状態である期間に、該スイッチ本体12に対応する右側の発光素子14を消灯させ、左側の発光素子14を点灯させる。
ハウジング4は、プリント配線板10を収納する。ハウジング4は、前面が開口した直方体形状のボディ20と、ボディ20の前面の開口を閉塞する形でボディ20に機械的に結合するスイッチ用カバー40とを備える。また、スイッチ用カバー40は、枠6を取付可能である。ボディ20とスイッチ用カバー40とは、例えば合成樹脂成型品からなる。ボディ20の左右の壁には、それぞれ上下方向に離間した位置に結合片22が前方へ突設され、各結合片22には、それぞれ上下方向に長い結合穴24が貫設されている。また、スイッチ用カバー40の左右の両側面には、それぞれ上下方向に離間した位置に結合溝42が設けられ、各結合溝42の底面にはそれぞれ上下方向に長い結合爪44が左右方向の外向きに突設されている。このような構成において、各結合溝42にそれぞれ結合片22が導入され、かつ結合爪44が結合穴24に係入することによって、ボディ20とスイッチ用カバー40とが機械的に結合する。
ボディ20の底面の上部には一対のねじ端子26が保持され、各ねじ端子26には後側から一対の信号線Lsのうちの1つが接続される。さらに、各ねじ端子26には、一端が通信部170に接続された電線(図示せず)が、前側から接続される。つまり、通信部170は、電線とねじ端子26とを介して信号線Lsに接続される。各ねじ端子26は、ねじ穴が貫設されてボディ20に嵌合される端子板28と、端子板28のねじ穴に螺合する端子ねじ30とからなる。端子ねじ30においては、端子板28との間に信号線Lsを挟持する座金が一体化されている。
スイッチ用カバー40の外形を説明するために、図4に加えて、図6、図7もあわせて使用する。図6は、スイッチ用カバー40を示す正面図であり、図7は、スイッチ用カバー40を示す側面図である。スイッチ用カバー40の左右の両側のそれぞれには、枠6を取り付けるための取付面46が設けられる。突出部48は、スイッチ用カバー40において2つの取付面46に挟まれた部分であり、取付面46から前方に突出して設けられる。そのため、スイッチ用カバー40を上方から見ると、突出部48と2つの取付面46とによって、スイッチ用カバー40は、略凸型の形状を有している。
左右の取付面46のそれぞれに、第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56が上下方向に並べて立設される。ここで、第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56における突出部48側の面が、突出部48の突出側面50に対向する。また、第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56の前後方向の長さは、突出側面50の前後方向の長さの半分よりも長くなるように設計される。
第1壁部52における突出部48側の面の反対面には、第1穴部58が設けられる。第1穴部58は、上下方向に長い形状を有する。第1穴部58には、後述する枠6に設けられた突状部124あるいは突起部126が挿入され、突状部124あるいは突起部126が係止される。なお、左側の第1壁部52における第1穴部58には、突状部124が挿入され、右側の第1壁部52における第1穴部58には、突起部126が挿入される。第2穴部60は、第2壁部54に対して同様に形成され、第3穴部62は、第3壁部56に対して同様に形成される。第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62は、枠6に設けられた突状部124および突起部126の上下方向の位置に合わせて配置される。
第1連結壁部64、第2連結壁部66は、取付面46上において第1壁部52の両端部から突出側面50に延びるように形成される。具体的には、第1連結壁部64は、第1壁部52の上端部から突出側面50へ延設され、第2連結壁部66は、第1壁部52の下端部から突出側面50へ延設される。第1連結壁部64、第2連結壁部66の前後方向の長さは、第1壁部52の前後方向の長さ以下になるように設計される。第3連結壁部68、第4連結壁部70は、第2壁部54に対して同様に形成され、第5連結壁部72、第6連結壁部74は、第3壁部56に対して同様に形成される。
第1突状爪部76は、第1壁部52に対向する突出側面50に外向きに突設される。さらに、第1突状爪部76は、スイッチ用カバー40を前方から見た場合に、第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66によって取り囲まれる。このように、突出側面50、第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66に取り囲まれた上下方向に長い空間において、第1突状爪部76は、突出側面50の中央よりも下方部分に位置する。さらに、第1突状爪部76は、スイッチ用カバー40の側面において、第1壁部52の前側縁から一部が露出して配置される。
第1突状爪部76は、後述する化粧カバー8を係止するために設けられる。具体的に説明すると、第1突状爪部76は、化粧カバー8の被係止部である弾性片148を係止する。第1突状爪部76と弾性片148の係止部分は、第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66に取り囲まれているので、左右方向および上下方向からの衝撃を受けても、弾性片148あるいは弾性片148の破損が抑制される。第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66は、第1突状爪部76と弾性片148とを防護し、さらに、第1穴部58によって突状部124あるいは突起部126を係止する。このように、第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66は、2つの機能を有しており、効率的な配置がなされている。
第2突状爪部78は、第3壁部56に対向した突出側面50に設けられる。しかしながら、第2突状爪部78は、第1突状爪部76とは異なって、突出側面50、第5連結壁部72、第3壁部56、第6連結壁部74に取り囲まれた上下方向に長い空間において、突出側面50の中央部分に位置する。このような違いは、化粧カバー8の上下方向に並べられた弾性片148の位置に、第1突状爪部76および第2突状爪部78を合わせるために生じている。なお、弾性片148は、上下方向に2つ並べられているだけであるので、第2壁部54に対向した突出側面50には、突状爪部が設けられていない。
突出部48には、4つの開口86が上下方向に並べて配置される。ここで、スイッチ用カバー40に設けられた押釦ハンドル88を説明するために、図4、図6、図7に加えて、図8、図9、図10もあわせて使用する。図8は、スイッチ用カバー40を示す裏面図であり、図9は、図8に示すA−A’方向の断面図であり、図10は、スイッチ用カバー40の一部を示す斜視図である。4つの開口86付近の構成は共通であるので、図10では、1つの開口86のみを示す。開口86は、突出部48に設けられた開口縁部98によって形成されており、左右方向に長い長方形状を有する。開口縁部98は、開口86の外周に一致した内周と、当該内周を囲む外周とを有し、内周と外周とに挟まれた領域を有する。図10においては、説明を明りょうにするために、開口縁部98を斜線部分にて示す。また、開口縁部98は、図10において斜線が示されたスイッチ用カバー40の面の裏側の面にも、斜線部分と同等の領域を有する。さらに、開口縁部98は、突出部48の両面のそれぞれに設けられた領域に挟まれた側面の領域も有する。
各開口86には、押釦ハンドル88が配置される。そのため、4つの押釦ハンドル88は、突出部48の前面に上下方向に並べて配置される。なお、4つの押釦ハンドル88は、図9のごとく、スイッチ操作部96と総称されるので、突出部48の前面に、スイッチ操作部96が設けられるともいえる。また、押釦ハンドル88は、合成樹脂成型品のような弾性を有する材料からなる。各押釦ハンドル88は、前方から見て左右方向に長い長方形状であって、前面が突出部48よりも前方へ突出する。また、押釦ハンドル88の前面には、左右方向の中央部が左右方向の両端部よりも後方に窪んだ凹部が設けられている。
前述のごとく、開口86は長方形状に形成されているので、開口縁部98は、上下左右の4つの棒状の領域の組合せによって形成される。図10に示すように、4つの棒状の領域のうち、上側の領域が第1縁部100と定義され、下側の領域が第2縁部102と定義される。第1縁部100と第2縁部102とは、互いに対向して配置される。第1アーム90は、第1縁部100の側面から延設されて押釦ハンドル88に連結される。第1アーム90は、クランク形状を有する。クランク形状とは、直線運動を回転運動に変換させる機構であるクランクに似た形状であり、例えば、直線の一端がほぼ垂直な方向へ屈曲し、直線の他端がほぼ垂直な別の方向へ屈曲する形状である。なお、クランク形状とは、特定の1形状を意味するものではなく、連続的な曲がりを有する場合も含み、例えば、S字形状等滑らかな曲がりも含む。また、ほぼ垂直とは、完全な直角を意味するのではなく、実質的に直角と認められる程度を意味する。
そのため、第1アーム90は、第1縁部100における押釦ハンドル88の右端よりも右側の部分からほぼ垂直に下方へ延びてから、ほぼ垂直に左方向に屈曲し、第1縁部100および押釦ハンドル88の上縁の間をそれらに沿って延びる。さらに、第1アーム90は、押釦ハンドル88の左端よりも右側の部分でほぼ垂直に下方に屈曲し、押釦ハンドル88の上縁に到達する。このように、第1アーム90は、第1縁部100から押釦ハンドル88までの間を迂回することによって、押釦ハンドル88の上縁と第1縁部100との最短距離よりも長くなる形状を有する。その結果、第1アーム90の弾性力が増加し、押釦ハンドル88を押操作する際の操作感覚が改善される。
第2アーム92は、第2縁部102と押釦ハンドル88との間で、押釦ハンドル88の前面の中心を軸として、第1アーム90の略回転対称となる位置に配置される。略回転対称とは、完全な回転対称ではなくても、誤差の範囲でずれる程度も含まれることを意味する。なお、第1アーム90、第2アーム92は、ヒンジと呼ばれてもよい。さらに、開口縁部98、押釦ハンドル88、第1アーム90、第2アーム92は、一体成形されている。
押釦ハンドル88は、スイッチ本体12の前側に位置して、前方からの押力をスイッチ本体12に伝達する。そのため、押釦ハンドル88は、スイッチ本体12と1対1で対応する。押釦ハンドル88の構成をさらに詳しく説明するために、図11も使用する。図11は、スイッチ用カバー40の一部を示すB−B’方向の断面図である。押圧部94は、押釦ハンドル88の後面の中央部から後方に突設され、スイッチ本体12に対向する。このように開口縁部98、押釦ハンドル88、第1アーム90、第2アーム92が構成されることによって、押釦ハンドル88の前面が押操作されると、第1アーム90および第2アーム92が弾性変形して、押釦ハンドル88が後方へ変位する。その際、第1アーム90および第2アーム92の弾性変形は、ほぼ均等になされるので、押釦ハンドル88がまっすぐ後方に移動しやすくなる。このことによっても、操作感覚が改善される。
突出部48の上端部において左右方向の中央には、窓穴80が前後方向に貫設されている。窓穴80は、左右方向に長い長方形状を有する。窓穴80の後側の開口の周囲には、信号用隔壁82が後方へ突設されており、その後側には、受発光部16が位置する。受発光部16には窓穴80を通じて光信号が入射する。
突出部48において、左右方向に並べられた2個の第1導光部84が各開口86の上側に配置されており、8個の第1導光部84が貫設されている。特に、最上段の2個の第1導光部84は、窓穴80を挟んで配置される。各第1導光部84は、発光素子14と1対1で対応づけられており、第1導光部84の後側に発光素子14が位置する。発光素子14から照射された光は、第1導光部84を通じて前方へ出力される。
枠6は、例えば、JIS C 8375に規定された大角形連用配線器具の取付枠であり、金属製である。なお、枠6は、JIS C 8375とは異なった規格に適合してもよい。ここでは、図4に加えて、図12も使用して枠6の構成を説明する。図12は、枠6を示す正面図である。枠6の上下両端部には、ボディ20よりも上下方向の外側に突出して、壁面等の施工面(図示せず)へのハウジング4の固定に用いられる取付部110が設けられている。各取付部110において、中央部には、それぞれ左右方向に長い長穴形状であって、施工面に埋め込まれた埋込ボックス(図示せず)に螺合するボックスねじが挿通されるボックス穴112が貫設されている。
また、各取付部110においてボックス穴112の左右両側には、それぞれ、施工面がパネル材で形成されているときにパネル材を取付部110との間で挟持する挟み金具(図示せず)を引掛け係止するための引掛け穴114が貫設されている。さらに、各取付部110においてそれぞれボックス穴112よりも上下方向の外側となる位置には、それぞれプレート(図示せず)を取り付けるためのねじが挿通されるプレート穴116が貫設されている。さらに、各取付部110においてプレート穴116の左右両側には、それぞれ、施工面に螺合する直付け用のねじが挿通される直付け穴118が貫設されている。
枠本体120は、枠6の上下両端部に設けられた2つの取付部110の間に位置する。枠本体120は、上下方向に長い長方形状を有しており、中央部分に開口122を備える。開口122は、突出部48、第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56、第1連結壁部64、第2連結壁部66、第3連結壁部68、第4連結壁部70、第5連結壁部72、第6連結壁部74を後方から挿入可能な大きさで形成されている。突出部48等を開口122に挿入した場合、枠本体120は、取付面46に載置される。
突状部124は、開口122での左側の側面に、上下方向に3個離間して突設される。突出部48等を開口122に挿入した場合、3個の突状部124は、スイッチ用カバー40の左側に設けられた第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62に挿入されて、突状部124と第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62とが係止される。
突起部126は、開口122での右側の側面に、上下方向に3個離間して突設される。特に、突起部126は、突状部124と1対1で正対する位置に配置される。図12の場合、突起部126は、開口122での右側の側面から左方向に突出していない。このような状態で、突出部48等が開口122に挿入される。挿入後、各突起部126の右側部分を左方向へ押圧すると、突起部126の左側部分が左方向へ突出する。突起部126が突出すると、3個の突起部126は、スイッチ用カバー40の右側に設けられた第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62に挿入されて、3個の突起部126と第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62とが係止される。
ハウジング4の前側には、前方から見てボックス穴112の上下位置までを覆う長方形状の化粧カバー8が着脱自在に取り付けられる。化粧カバー8は、スイッチ操作部96を覆うために、スイッチ用カバー40の前側に被着されるカバー本体140と、カバー本体140から後方へ垂設された4個の弾性片148からなる。弾性片148は、前述のごとく被係止部であり、カバー本体140の左右両側に上下方向に2個離間して配置される。弾性片148、カバー本体140は、例えば合成樹脂成型品からなる。
カバー本体140において、第1導光部84の前側となる部分には、第2導光部142が貫設されている。第2導光部142は、第1導光部84と1対1で対応づけられているので、左右方向に並べられた2個の第2導光部142が、上下方向に4段並べられて配置されている。発光素子14から照射された光は、第2導光部142を通じて前方へ出力される。また、カバー本体140の上端部において左右方向の中央であって、かつ窓穴80の前側となる部分には、受発光部16に入出力される光信号を通過させるように透明な材料で構成された信号用窓部144が設けられている。アドレス設定器によるアドレスの設定は、アドレス設定器が有する光通信部(図示せず)を、信号用窓部144に押し付けて行なわれる。
メンブレン146は、押釦ハンドル88を覆設するために、カバー本体140において、押釦ハンドル88の前側となる部分に設けられる。4個のメンブレン146は、上下方向に4段配置されている。このような構成によって、押釦ハンドル88への押操作は、メンブレン146を介してなされる。
図13は、スイッチ用カバー40に化粧カバー8が取り付けられた状態を示す斜視図である。スイッチ用カバー40の前方から、化粧カバー8をスイッチ用カバー40へ近づけていく。カバー本体140の後側に垂設された弾性片148が、第1連結壁部64、第1壁部52、第2連結壁部66で囲まれた凹部、第5連結壁部72、第3壁部56、第6連結壁部74で囲まれた凹部に挿入される。凹部への挿入後、弾性片148は、第1突状爪部76、第2突状爪部78に係止される。これにより、スイッチ用カバー40の前面が化粧カバー8によって覆われる。
図14は、スイッチ用カバー40に、化粧カバー8と枠とが取り付けられた状態を示す斜視図である。図13のごとく、化粧カバー8が係止されたスイッチ用カバー40が、枠6に設けられた開口122に、枠6の後方から挿入される。その際、枠6に突設された突状部124(図示せず)がスイッチ用カバー40の左側の第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62(図示せず)に係止されて、枠6とスイッチ用カバー40とが重ねられる。これに続いて、枠6に突設された突起部126がスイッチ用カバー40の右側の第1穴部58、第2穴部60、第3穴部62に係止される。図14のように、枠6に設けられた突起部126が第1穴部58、第3穴部62に挿入された場合に、スイッチ用カバー40を正面から見て、第1突状爪部76、第2突状爪部78は、突起部126からずれた位置に設けられる。つまり、上下方向において、第1穴部58、第3穴部62は、突起部126に干渉しない位置に配置される。
本発明の実施例によれば、スイッチ用カバーと押釦ハンドルとを一体成形する場合であっても、両者の間を2つのアームで連結するので、押釦ハンドルをまっすぐに押しやすくできる。また、押釦ハンドルがまっすぐに押しやすくなるので、押釦ハンドルの操作感覚を改善できる。また、互いに対向する縁部のそれぞれから2つのアームを延設させるので、押釦ハンドルを押圧する場合に2つのアームのそれぞれが受ける力を略均等にできる。また、2つのアームのそれぞれが受ける力が略均等になるので、押釦ハンドルをバランスよく押し下げることができる。また、押釦ハンドル、開口縁部、2つのアームを一体成形するので、組立て時間あるいは組立て工程数を短縮できる。また、押釦ハンドル、開口縁部、2つのアームを一体成形するので、組立てコストを低減できる。
2つのアームのそれぞれが、縁部から押釦ハンドルまでの間を迂回する形状を有するので、縁部から押釦ハンドルまでの最短距離よりも、各アームの長さを長くできる。また、各アームの長さが長くなるので、押釦ハンドルの押下げ幅を拡大できる。また、押釦ハンドルの押下げ幅が拡大するので、押釦ハンドルの操作感覚を改善できる。また、2つのアームのそれぞれが、クランク形状を有するので、アームの長さを効率的に長くできる。また、アームの長さが効率的に長くなるので、開口に占める押釦ハンドルの面積を広くできる。また、開口に占める押釦ハンドルの面積が広くなるので、押釦ハンドルを押しやすくできる。
壁部に穴部を設けるので、穴部にて枠を係止できる。また、壁部で第1突状爪部、第2突状爪部を覆うので、第1突状爪部、第2突状爪部に係止される化粧カバーを壁部にて保護できる。また、枠の係止および化粧カバーの保護に壁部を使用するので、壁部に2つの役割を持たせることができる。また、壁部が2つの役割を持つので、スイッチ用カバーにおける構成要素の配置を効率的にできる。また、枠および化粧カバーの取付部分の破損を防止しながら、サイズの増加を抑制できる。また、破損の防止機能と、効率的な配置とを両立できる。また、穴部が、汎用の金属枠の突状部、突起部に合わせて配置されるので、汎用の金属枠を使用できる。また、汎用の金属枠が使用されるので、枠の強度を増加できる。また、汎用の金属枠が使用されるので、製造コストの上昇を抑制できる。
また、第1突状爪部、第2突状爪部を連結壁部によって取り囲むので、上下方向からの衝撃に対してもスイッチ用カバーを保護できる。また、第1突状爪部、第2突状爪部は、化粧カバーに形成された弾性片を係止するので、汎用的な化粧カバーを使用できる。また、汎用的な化粧カバーが使用されるので、製造コストの上昇を抑制できる。また、スイッチ用カバーを前面から見て、突起部からずれた位置に第1突状爪部、第2突状爪部78が設けられるので、スイッチ用カバーの厚みを薄くすることができる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様に、遠隔監視制御システムに含まれる操作端末器のスイッチ用カバーに関する。実施例2は、実施例1と比較して、2つのアームの形状が異なる。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
図15は、本発明の実施例2に係るスイッチ用カバー40を示す斜視図である。これは、実施例1における図4、図10と比較可能なように示されている。図15において、図4、図10における符号と同一の符号を付した構成要素は、図4、図10の対応する構成要素と同一の形状、機能を持つ。また、図15に示した構成要素のうち、図4、図10に示した構成要素と同一のものについては、符号を付していないこともある。開口200は、突出部48に設けられた開口縁部210によって形成されており、左右方向に長い長方形状を有する。開口縁部210の形状は、開口縁部98の形状と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、図10と同様に、図15でも、説明を明りょうにするために、開口縁部210を斜線部分にて示す。
各開口200には、押釦ハンドル202が配置される。そのため、4つの押釦ハンドル202は、突出部48の前面に上下方向に並べて配置される。押釦ハンドル202は、後述する第1アーム204、第2アーム206との連結を除いて、押釦ハンドル88と同様に構成される。押釦ハンドル202と第1アーム204、第2アーム206との連結をさらに詳しく説明するために、図16も使用する。図16は、スイッチ用カバー40の一部を示すC−C’方向の断面図である。押圧部208は、押釦ハンドル202の後面の中央部から後方に突設され、スイッチ本体12に対向する。
開口200を形成している上下左右の4つの棒状の領域のうち、上側の領域が第1縁部212と定義され、下側の領域が第2縁部214と定義される。第1縁部212と第2縁部214とは、互いに対向して配置される。第1アーム204は、第1縁部212の裏面から延設されて押釦ハンドル202に連結する。第1アーム204は、U字形状を有する。
第1アーム204は、第1縁部212の左右方向の中央部分であって、かつ図15での斜線部分の後面から後方へ延びてから、半円の円弧状に湾曲し、前方へ延びる。さらに、第1アーム204は、押釦ハンドル202の後面に到達する。このような形状の第1アーム204も、第1アーム90と同様に、第1縁部212から押釦ハンドル202までの間を迂回することによって、押釦ハンドル202の上縁と第1縁部212との最短距離よりも長くなる形状を有する。
第2アーム206は、第2縁部214と押釦ハンドル202との間で、押釦ハンドル202の前面の中心を軸として、第1アーム204の略回転対称となる位置に配置される。ここでも、開口200、押釦ハンドル202、第1アーム204、第2アーム206は、一体成形されている。
本発明の実施例によれば、2つのアームが押釦ハンドルの押操作の方向に延びた形状を有するので、各アームの幅を広くできる。また、各アームの幅が広くなるので、アームの強度を向上できる。
(実施例3)
実施例3は、実施例1、2と同様に、遠隔監視制御システムに含まれる操作端末器のスイッチ用カバーに関する。これまでのスイッチ用カバーは、2つのアームを備えている。一方、実施例3に係るスイッチ用カバーは、1つのアームを備えている。実施例1、2で示したように、2つのアームを使用することによって操作性が向上するが、実施例3では、1つのアームの使用によっても、操作性を損なわない構造を提供する。以下では、アームが1つである場合に一般的に操作性が悪化することを説明した後に、実施例3に係るスイッチ用カバーをこれまでとの差異を中心に説明する。
図17は、本発明の実施例3の比較対象となるスイッチ用カバー300を示す斜視図である。図17において、図4、図10に示した構成要素と同一のものについては、符号を付していないこともある。また、図18は、スイッチ用カバー300の一部を示すD−D’方向の断面図である。取付面302、突出部304、メンブレン314は、これまでの取付面46、突出部48、メンブレン146に対応する。また、開口306、押釦ハンドル308、押圧部312は、実施例2での開口200、押釦ハンドル202、押圧部208に対応する。
アーム310は、押釦ハンドル308の上側に備えられており、押釦ハンドル308の下側には、アームが備えられていない。そのため、アーム310は、実施例2での第1アーム204に対応するが、実施例2での第2アーム206は、図17に含まれない。つまり、比較技術として示すスイッチ用カバー300は、実施例2に含まれた2つのアームを1つにした構成に相当する。
このような構成において、図18に示されたメンブレン314を介して、押釦ハンドル308が前方から後方へ押操作される。ポイントP1はアーム310の近傍に位置するので、アーム310の存在によって、ポイントP1における押釦ハンドル308の前方から後方への移動が制限される。一方、ポイントP2は、ポイントP1よりもアーム310から離れた位置であるので、ポイントP2は、ポイントP1よりもアーム310の影響を受けにくい。そのため、ポイントP2における押釦ハンドル308の前方から後方への移動は、ポイントP1と比較して制限されない。その結果、押釦ハンドル308が前方から後方へ移動する場合、後方への移動距離が、ポイントP1とポイントP2との間で異なり、アーム310による回転運動によって、ポイントP1の角が立ってくる。図示のごとく、ポイントP1の前側にはメンブレン314が位置するので、ポイントP1において、押釦ハンドル308はメンブレン314に干渉する。この干渉によって、押釦ハンドル308の操作感が悪化する。
図19は、本発明の実施例3に係るスイッチ用カバー40を示す斜視図であり、図20は、スイッチ用カバー40の一部を示すE−E’方向の断面図である。ここでは、図17、図18と比較しながら説明する。開口400は、突出部48に設けられた開口縁部410によって形成される。開口縁部410の形状は、開口縁部98、開口縁部210の形状と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、図19でも、説明を明りょうにするために、開口縁部410を斜線部分にて示す。
また、押釦ハンドル402の前面408は、断面図における下側の部分において直線的な形状を有するが、上側の部分においてカーブ形状を有する。カーブ形状は、上に行くほど後方へ向かうように形成されている。なお、図20のごとく、前面408を覆設するためのメンブレン146が設けられるので、前面408は、押釦ハンドル402にアーム404が連結される位置に近づくほどメンブレン146から離れる形状となる。このような押釦ハンドル402、開口縁部410、前面408も、一体成形されている。
このような構成において、比較対象の場合と同様に、図20に示されたメンブレン146を介して、押釦ハンドル402が前方から後方へ押操作される。押釦ハンドル402が前方から後方へ移動する場合、後方への移動距離が、ポイントP1とポイントP2との間で異なり、アーム404による回転運動によって、ポイントP1の角が立ってくる。ポイントP1での押釦ハンドル402とメンブレン146との距離は、比較対象と比べて、長くなっているので、ポイントP1における押釦ハンドル402とメンブレン146との干渉は低減される。干渉の低減によって、押釦ハンドル402の操作感が改善される。
本発明の実施例によれば、押釦ハンドルの前面が、アームが連結される位置に近づくほどメンブレンから離れるので、アームが1つでも、押釦ハンドルを押し下げた場合のメンブレンと押釦ハンドルとの干渉を低減できる。また、メンブレンと押釦ハンドルとの干渉が低減されるので、押釦ハンドルの操作感覚を改善できる。また、アームが1つになるので、製造コストを低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1乃至3において図4をもとに、方向が規定されている。しかしながらこれに限らず例えば、相対的な位置関係が維持されているならば、方向は任意でもよい。一例として、これまで使用した「前方」が、「上方」とされてもよい。その場合、これまでの「前面」あるいは「正面」は、「上面」とされる。本変形例によれば、方向を任意に規定できる。
本発明の実施例1乃至3において、操作端末器510は、遠隔監視制御システム500に含まれる。しかしながらこれに限らず例えば、操作端末器510は、遠隔監視制御システム500に含まれず、通常の電灯等のスイッチとして使用されてもよい。その場合、回路ブロック2の構成が異なるが、公知の技術が使用されればよい。本変形例によれば、スイッチ用カバー40の適用範囲を拡大できる。
本発明の実施例1乃至3において、第1突状爪部76、第2突状爪部78は、化粧カバー8の弾性片148を係止するために、突出側面50に突設されている。しかしながらこれに限らず例えば、化粧カバー8の弾性片148を係止するため係止部は、第1突状爪部76、第2突状爪部78ではなく、突出側面50に設けられた穴部であってもよい。当該穴部に弾性片148が挿入されることによって、スイッチ用カバー40に化粧カバー8が係止される。本変形例によれば、設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例1乃至3において、開口86、開口200、開口400は、長方形状を有しているので、それに合わせて押釦ハンドル88、押釦ハンドル202、押釦ハンドル402も長方形状を有している。しかしながらこれに限らず例えば、これらは長方形状以外の形状を有していてもよい。そのような形状の一例は、円形状である。開口86、開口200、開口400が円形状である場合、互いに対向した第1縁部と第2縁部とは、互いに重複しない半円周を含む領域として定義される。本変形例によれば、さまざまな形状の押釦ハンドルを使用できる。
本発明の実施例1乃至3において、押釦ハンドル88、押釦ハンドル202、押釦ハンドル402の数は「4」とされている。しかしながらこれに限らず例えば、押釦ハンドル88、押釦ハンドル202、押釦ハンドル402の数は「4」以外の値、「3」、「5」等であってもよい。本変形例によれば、必要とされる数の押釦ハンドル88、押釦ハンドル202、押釦ハンドル402を実装できる。
本発明の実施例1乃至3において、第1突状爪部76、第2突状爪部78は、スイッチ用カバー40の側面において、第1壁部52、第3壁部56の前側縁から一部が露出して配置されている。しかしながらこれに限らず例えば、第1突状爪部76、第2突状爪部78は、スイッチ用カバー40の側面において、第1壁部52、第3壁部56にすべて隠れるように配置されてもよい。本変形例によれば、取付面46の厚みを薄くできる。
本発明の実施例1において、第1アーム90、第2アーム92は、第1縁部100、第2縁部102の側面から延設されている。しかしながらこれに限らず例えば、第1アーム90、第2アーム92は、第1縁部100、第2縁部102の裏面から延設されてもよい。本変形例によれば、設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例1において、第1アーム90、第2アーム92は、クランク形状を有している。しかしながらこれに限らず例えば、第1アーム90、第2アーム92は、他の形状を有していてもよい。第1アーム90は、第1縁部100における押釦ハンドル88の右端よりも右側の部分からほぼ垂直に下方へ延びてから、ほぼ垂直に左方向に屈曲し、第1縁部100および押釦ハンドル88の上縁の間をそれらに沿って延びる。また、第1アーム90は、押釦ハンドル88の左端よりも左側の部分でほぼ垂直に下方に屈曲し、押釦ハンドル88の左側の縁部および押釦ハンドル88の左縁の間をそれらに沿って延びる。さらに、押釦ハンドル88の左端よりも上側の部分でほぼ垂直に右方に屈曲し、押釦ハンドル88の左縁に到達する。第2アーム92は、第1アーム90に対応するように設けられる。本変形例によれば、第1アーム90、第2アーム92がさらに長くなるので、押釦ハンドルの押下げ幅をさらに拡大できる。