1.実施形態
1.1 実施形態1
(1)監視制御システム
まず、本実施形態に係る操作端末器2が用いられる監視制御システム10について説明する。
監視制御システム10は、図1に示すように、親機としての伝送ユニット1と、子機としての複数(図1では2つ)の操作端末器2とを備える。また、監視制御システム10は、複数(図1では2つ)の制御端末器3を更に備える。これらの伝送ユニット1、操作端末器2及び制御端末器3は、2線式(図1では1線で表す)の信号線7により互いに電気的に接続されている。
各制御端末器3には、図1に示すように、複数(図1では4つ)のリレー4が接続線8により電気的に接続されている。また、各リレー4は、対応する照明器具5と電源との間に電気的に接続されている。そして、各リレー4は、制御端末器3からの出力に従って、対応する照明器具5への給電経路を形成する状態と、対応する照明器具5への給電経路を遮断する状態とが切り替わる。つまり、制御端末器3は、リレー4を制御することによって、リレー4に電気的に接続された負荷(図1では照明器具5)の通電状態を制御する。図1では、左側の制御端末器3に電気的に接続されるリレー4及び照明器具5の図示を省略している。
各操作端末器2及び各制御端末器3には、固有のアドレスが設定される。伝送ユニット1は、これらのアドレスを用いて操作端末器2及び制御端末器3を個別に認識する。ここで、1つの操作端末器2に複数のスイッチ22(図7参照)が備わっている場合には、複数のスイッチ22の各々に固有のアドレスが設定される。同様に、1つの制御端末器3に複数のリレー4が接続されている場合には、複数のリレー4の各々に固有のアドレスが設定される。
監視制御システム10では、例えば双極性(±24V)の時分割多重信号からなる伝送信号によりデータの送受信が行われる。伝送ユニット1は、サイクリックに変更されるアドレスデータを含む伝送信号を信号線7に対して定期的に送出する。一方、操作端末器2及び制御端末器3は、伝送信号に含まれるアドレスデータが自己のアドレスに一致すると、伝送信号に含まれる制御データを取り込む。そして、操作端末器2及び制御端末器3は、伝送信号の信号返送期間において監視データを電流モード信号として返送する。
例えば、操作端末器2は、自己が備えるスイッチ22の操作状態を監視データとして伝送ユニット1に返送する。制御端末器3は、対応する照明器具5の制御状態(リレー4のオンオフ)を監視データとして伝送ユニット1に返送する。電流モード信号とは、信号線7の線間を開放した状態と、線間に低インピーダンスの素子を接続した状態との切り替えによって生じる電流変化で表される信号である。
上記構成の監視制御システム10によれば、操作端末器2においてスイッチ22が操作されると、操作端末器2から伝送ユニット1へは、信号線7を介して操作信号が送信されることになる。ここでいう操作信号は、スイッチ22のオンオフに応じて操作端末器2で発生する信号であって、操作端末器2から伝送ユニット1へ送信される電流モード信号である。
操作端末器2からの操作信号を受信した伝送ユニット1は、操作されたスイッチ22にアドレスが対応するリレー4を制御するための制御信号を、信号線7を介して制御端末器3へ送信する。ここでいう制御信号は、リレー4をオンオフするための信号であって、伝送ユニット1から制御端末器3へ送信される信号である。
(2)操作端末器
(2−1)構成
以下、本実施形態の操作端末器2について説明する。図2A及び図2Bは、操作端末器2の外観図(斜視図)を示す。操作端末器2は、建物の造営材(例えば壁)100(図14A〜図14C参照)に取り付けられる。操作端末器2は、図3及び図4に示すように、本体ブロック30と、カバー40と、取付枠50と、を備える。
(2−1−1)本体ブロック
本体ブロック30は、図5及び図6に示すように、ボディ31と、回路ブロック32と、ばねブロック33と、複数(本実施形態では8つ)のハンドル34(34a〜34h)と、を備える。また、本体ブロック30は、保護シート35と、保護カバー36とを備える。また、本体ブロック30は、一対の第1取付ねじ371と、一対の第2取付ねじ372と、固定ねじ373とを備える。さらに、本体ブロック30は、一対の端子38を備える。
ボディ31は、回路ブロック32と、ばねブロック33と、複数(本実施形態では8つ)のハンドル34(34a〜34h)と、一対の端子38と、を保持する。ボディ31は、図4に示すように、前側部分310と、後側部分311とを有する。ボディ31は、電気絶縁性の樹脂製である。前側部分310は、四辺形(矩形又は正方形)の板状である。後側部分311は、中空の矩形の箱状である(図12参照)。後側部分311は、前側部分310の後面の中央部から後方に突出している。また、前側部分310は、図12に示すように、中央に開口3101を有している。開口3101は、後側部分311の内部に繋がっている。ここで、ボディ31の後側部分311は、図4に示すように、前後方向に交差する規定方向(図4の略左右方向)の両側から突出する一対の突起3111を有する。一対の突起3111は、本体ブロック30を取付枠50に仮固定するために用いられる。一対の突起3111はそれぞれ円柱状である。
また、ボディ31は、複数(本実施形態では4つ)の第1規制片312と、複数(本実施形態では6つ)の第2規制片313とを有する。複数の第1規制片312はいずれも同じ形状であり、一つの貫通孔3121を有している。第1規制片312は、いわゆるU字状である。4つの第1規制片312(312a〜312d)は、図11に示すように、前側部分310の前面の4隅に配置される。ただし、各第1規制片312の貫通孔3121は、前側部分310の前面のうち前後方向に直交する第1方向(図11の左右方向)を向いている。複数の第2規制片313はいずれも同じ形状であり、一対の貫通孔3131を有している。第2規制片313は、いわゆるW字状である。6つの第2規制片313のうち3つ(第2規制片313a〜313c)は、前側部分310の前面の第1方向(図11の左右方向)の第1端において、2つの第1規制片312間に配置されている。残りの3つ(第2規制片313d〜313f)は、前側部分310の前面の第1方向(図11の左右方向)の第2端において、2つの第1規制片312間に配置される。ただし、各第2規制片313の一対の貫通孔3131は、第1方向(図11の左右方向)を向いている。前側部分310の前面の第1方向(図11の左右方向)の第1端において、2つの第1規制片312と3つの第2規制片313は、前側部分310の前後方向及び第1方向に直交する第2方向(図11の上下方向)に沿って並んでいる。同様に、前側部分310の前面の第1方向(図11の左右方向)の第2端において、2つの第1規制片312と3つの第2規制片313は、前側部分310の前後方向及び第1方向に直交する第2方向(図11の上下方向)に沿って並んでいる。なお、図11では、単に図面の簡略化のためだけに、保護シート35及び保護カバー36が省略されている。
また、ボディ31は、複数の第1結合部314を有する。複数の第1結合部314は、前側部分310の前面から前方に突出している。複数の第1結合部314は、カバー40を本体ブロック30に取り付けるために用いられる。本実施形態では、前側部分310の4辺の各々に第1結合部314が2つずつ配置されている。
また、ボディ31は、複数(本実施形態では4つ)の軸受部315を有する。複数の軸受部315は、共通の中心軸(回転軸)を有するように、前側部分310の前面の第2方向(図11の上下方向)の第1端(図11の下端)に形成されている。複数の軸受部315は、共通の中心軸の方向が前側部分310の第1方向に平行する方向となるように、並んでいる。なお、各軸受部315は、筒状ではなく、弧状となっている。そのため、中心軸に交差する方向から、軸受部315に後述する軸部336を取り付けることができる。
また、ボディ31は、図5に示すように、一対の第1ねじ孔3161と、一対の第2ねじ孔3162と、を有する。一対の第1ねじ孔3161と、一対の第2ねじ孔3162とは、ばねブロック33をボディ31に固定するために用いられる。一対の第1ねじ孔3161は、前側部分310の前面の第2方向(図5の上下方向)の第2端(図5の上端)に形成されている。一対の第1ねじ孔3161は、前側部分310の前面の第1方向において所定の間隔を隔てて並んでいる。一対の第2ねじ孔3162は、前側部分310の前面の第2方向(図5の上下方向)の中央部に形成されている。一対の第2ねじ孔3162は、前側部分310の前面の第1方向において所定の間隔を隔てて並んでいる。
また、ボディ31は、ボディ31をその前後方向に貫通する貫通孔3163を有する。貫通孔3163は、前側部分310の前面の第2方向(図5の上下方向)の第2端(図5の上端)に形成されている。特に、貫通孔3163は、前側部分310の前面の第1方向の中央部に位置する。
また、ボディ31は、周壁部317を有する。周壁部317は、前側部分310の前面の周縁部から前方に突出している。前側部分310と周壁部317とが、回路ブロック32及びばねブロック33を収容する収容スペースを形成する。なお、周壁部317は、当該収容スペースを完全に囲っているわけではない。周壁部317は、図5から分かるように、複数の軸受部315を外部に露出させている。また、周壁部317は、ユーザが切替部26を操作するための操作孔3171を有する。操作孔3171は、切替部26の手動操作部261を外部に臨ませる。
回路ブロック32は、図7に示すように、複数のスイッチ22と、信号処理部23と、記憶部24と、通信部25と、切替部26と、表示部27と、を備える。また、回路ブロック32は、図5に示すように、基板320を有している。基板320は、矩形の板状である。基板320に、電子部品が実装されることで、図7に示す回路構成(複数のスイッチ22、信号処理部23、記憶部24、通信部25、切替部26、及び表示部27)が実現され得る。
複数のスイッチ22(22a〜22h)は、基板320の前面に実装される。複数のスイッチ22はいずれも同じ構造である。各スイッチ22は、いわゆる、タクトスイッチである。複数のスイッチ22a〜22hは、所定方向に並ぶ複数の列を構成するように並んでいる。より詳細には、8つのスイッチ22a〜22hは、基板320の幅方向(図5の略左右方向)に並ぶ2つの列を構成する。2つの列の一方は、4つのスイッチ22a〜22dが基板320の長さ方向(図5の上下方向)に並んだ列であり、他方は、4つのスイッチ22e〜22hが基板320の長さ方向(図5の上下方向)に並んだ列である。
通信部25は、複数のスイッチ22から選択される設定対象に対応付けるアドレスを指定する設定信号を受け取るように構成される。設定信号は、例えば、図1に示す設定器6から送信される。この場合、通信部25は、設定器6と通信するように構成される。設定器6との通信は、例えば、赤外線を媒体とする赤外線通信である。本実施形態では、通信部25は、発光部251と受光部252とを備える。発光部251は、特定波長帯域の光(本実施形態では赤外線)を放射する素子である。発光部251は、赤外線を媒体として信号(状態信号)を送信する。受光部252は、特定波長帯域の光(本実施形態では赤外線)を受光する素子である。受光部252は、赤外線を媒体として信号(設定信号)を受け取る。発光部251と受光部252とは、基板320の前面に実装される。特に、発光部251及び受光部252は、基板320の長さ方向の第1端(図5の下端)において、基板320の幅方向の第1端側(図5の左端側)に位置する。
切替部26は、基板320の前面に実装される。特に、切替部26は、基板320の長さ方向の第1端(図5の下端)において、基板320の幅方向の第2端側(図5の右端側)に位置する。切替部26は、複数の切替位置の間で移動可能な手動操作部261を有する。本実施形態において、複数の切替位置は、第1切替位置と、第2切替位置とを含む。切替部26は、第1切替位置と第2切替位置とが基板320の幅方向において異なる位置となるように、基板320に実装される。そのため、第1切替位置と第2切替位置とは、4つのスイッチ22a〜22dの列と4つのスイッチ22e〜22hの列とが並ぶ方向において、異なる位置である。特に、第1切替位置は、基板320の幅方向の第1端側(図5の左端側)の位置であり、第2切替位置は、基板320の幅方向の第2端側(図5の右端側)の位置である。また、切替部26は、手動操作部261が基板360の長さ方向に沿って基板360の外方に向かうように、基板320に実装されている。
表示部27は、複数対(本実施形態では8対)の表示素子270を含む。複数対の表示素子270はそれぞれ複数のスイッチ22に対応付けられている。特に、図11に示すように、複数対の表示素子270は、8対の表示素子270a,270b,270c,270d,270e,270f,270g,270hを含む。8対の表示素子270a,270b,270c,270d,270e,270f,270g,270hは、それぞれ、8つのスイッチ22a,22b,22c,22d,22e,22f,22g,22hに対応する。各表示素子270は、発光ダイオード(LED)である。
信号処理部23及び記憶部24は、基板320の後面に実装される。信号処理部23は、複数のスイッチ22のいずれかのスイッチ22が操作されると、操作されたスイッチ22に対応するアドレスを含む操作信号を出力するように構成される。信号処理部23は、例えば、メモリ及びプロセッサを備えるマイクロコンピュータで実現され得る。つまり、マイクロコンピュータが、そのメモリに格納されたプログラムをプロセッサで実行することで信号処理部23として機能する。記憶部24は、複数のスイッチ22とアドレスとの対応関係を記憶するための記憶装置である。記憶部24は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。つまり、信号処理部23は、複数のスイッチ22のいずれかのスイッチ22が操作されると、記憶部24に記憶された対応関係を参照して、操作されたスイッチ22に対応するアドレスを含む操作信号を出力する。なお、信号処理部23が対応関係を記憶するのに十分なメモリを有する場合には、記憶部24は設けなくてもよい。
また、信号処理部23は、スイッチ22のオンオフに応じた操作信号による負荷の制御状態に応じて、複数のスイッチ22にそれぞれ対応する複数対の表示素子270の発光状態が変化させるように構成される。発光状態は、一対の表示素子270の発光色(例えば赤、緑)や、一対の表示素子270の点灯、消灯、点滅の別、更には点滅パターンなどである。
また、信号処理部23は、手動操作部261の位置に応じて複数のスイッチ22から選択した設定対象に、通信部25から受け取った設定信号で指定されたアドレスを対応付けるように構成される。信号処理部23は、手動操作部261が第1切替位置にある場合、複数のスイッチ22から、4つのスイッチ22a,22b,22c,22dを設定対象として選択するように構成される。また、信号処理部23は、手動操作部261が第2切替位置にある場合、複数のスイッチ22から、別の4つのスイッチ22e,22f,22g,22hを設定対象として選択するように構成される。信号処理部23は、複数のスイッチ22から、設定対象として、4つのスイッチ22a〜22dの列と4つのスイッチ22e〜22hの列とのいずれかを選択する。上述したように、第1切替位置は、基板320の幅方向の第1端側(図5の左端側)の位置であり、第2切替位置は、基板320の幅方向の第2端側(図5の右端側)の位置である。つまり、複数の切替位置の各々は、複数の列のうち、所定方向における順番が同じ列に対応付けられている。そのため、ユーザが直感的に設定対象を切替部26で選択することが可能になる。
信号処理部23は、通信部25を通じて設定器6から設定信号を受け取ると、設定対象として選択しているスイッチ22に、設定信号で指定されたアドレスを対応付ける。これによって、記憶部24に記憶されている対応関係を更新する。設定信号は、例えば、4つのアドレスを含む。信号処理部23は、手動操作部261が第1切替位置にある場合、4つのスイッチ22a,22b,22c,22dを設定対象として選択する。そのため、信号処理部23は、設定信号を受け取ると、4つのスイッチ22a,22b,22c,22dに4つのアドレスを順番に対応付ける(割り当てる)。また、信号処理部23は、手動操作部261が第2切替位置にある場合、4つのスイッチ22e,22f,22g,22hを設定対象として選択する。そのため、信号処理部23は、設定信号を受け取ると、4つのスイッチ22e,22f,22g,22hに4つのアドレスを順番に対応付ける(割り当てる)。
また、信号処理部23は、表示部27により、複数のスイッチ22から選択された設定対象を示すように構成される。信号処理部23は、通信部25を通じて設定器6からアドレス設定を開始する旨の開始信号を受け取ると、設定対象に対応する表示素子270を点灯させるように構成される。これにより、表示部27は、複数のスイッチ22から選択された設定対象を示す。この構成によれば、信号処理部23は、設定対象をユーザに知らせることができる。なお、信号処理部23は、切替部26の手動操作部261の位置が変更された際に、設定対象に対応する表示素子270を点灯させてもよい。
また、信号処理部23は、通信部25を通じて設定器6から開始信号を受け取ると、状態信号を通信部25を通じて出力するように構成される。状態信号は、設定対象として選択されているスイッチとアドレスとの関係を示す信号である。この構成によれば、信号処理部23は、現在のスイッチとアドレスとの対応関係をユーザに知らせることができる。
複数のハンドル34a〜34hは、複数のスイッチ22をユーザが操作するために設けられる。複数のハンドル34a〜34hは、複数のスイッチ22a〜22hと同様に、所定方向に並ぶ複数の列を構成するように並んでいる。より詳細には、8つのハンドル34a〜34hは、前側部分310の前面の第1方向(図5の略左右方向)に並ぶ2つの列を構成する。2つの列の一方は、4つのハンドル34a〜34dが前側部分310の前面の第2方向(図5の上下方向)に並んだ列であり、他方は、4つのハンドル34e〜34hが前側部分310の前面の第2方向(図5の上下方向)に並んだ列である。複数のハンドル34a〜34hは、いずれも同じ構造である。各ハンドル34は、図8A及び図8Bに示すように、ハンドル本体341と、ハンドルカバー342と、を備える。
ハンドル本体341は、矩形の板状である。ハンドル本体341は、不透明な樹脂製である。ハンドル本体341は、その長さ方向の第1端側に、一対の貫通孔3411を有する。一対の貫通孔3411は、複数対の表示素子270のうち対応する一対の表示素子270を露出させるために設けられる。また、ハンドル本体341は、前面に、収納スペース3412を有する。収納スペース3412は、矩形の凹部である。収納スペース3412は、ラベル343を収納するために用いることができる。ラベル343は、例えば、対応するスイッチ22に関連付けられた負荷を特定するための情報(名称等)が表記された、いわゆるネームカードである。
また、ハンドル本体341は、後面に、一対の第1突起3413と、一対の第2突起3414と、一対のストッパ3415と、を有する。一対の第1突起3413は、ハンドル本体341の長さ方向の第1端(図8Bの右端)から外方に突出している。一対の第1突起3413は、ハンドル本体341の幅方向において並んでいる。各第1突起3413は、第1規制片312の貫通孔3121と、第2規制片313の一対の貫通孔3131とのいずれかに挿入される。つまり、第1突起3413が、第1規制片312の前端部分の後面(貫通孔3121の内面)又は第2規制片313の前端部分の後面(貫通孔3131の内面)に当たることで、ハンドル34の前方への移動が規制される。一対の第2突起3414は、それぞれ先端が折れ曲がったL字状であり、ハンドル本体341の後面から後方に突出する。一対の第2突起3414は、ハンドル本体341の幅方向において並んでいる。一対の第1突起3413及び一対の第2突起3414は、ハンドル34をボディ31に取り付けるために用いられる。一対のストッパ3415は、それぞれ棒状であり、ハンドル本体341の後面から後方に突出する。一対のストッパ3415は、ハンドル34の過度の押し込みを防止するために設けられている。つまり、一対のストッパ3415が、前側部分310の前面に当たることで、ハンドル34の過度の押し込みが防止される。さらに、ハンドル本体341は、前面に、複数(4つ)の凹部3416を備える。複数(4つ)の凹部3416は、ハンドルカバー342をハンドル本体341に取り付けるために用いられる。
ハンドルカバー342は、矩形の板状である。ハンドルカバー342は、透明な樹脂製である。図8Bに示すように、ハンドルカバー342は、後面に、複数(4つ)の凹部3416にそれぞれ嵌る複数(4つ)の突起3421を備える。ハンドルカバー342は、複数の突起3421をハンドル本体341の複数の凹部3416にそれぞれ嵌めることで、ハンドル本体341の前面側に取り付けられる。ハンドルカバー342は、ラベル343に記載された情報の視認性を確保するために、ハンドル本体341の収納スペース3412に対向する部分が透明であるように形成される。一方で、ハンドルカバー342は、ハンドル本体341の一対の貫通孔3411に対応する部分が光散乱性を有するように形成される。
ばねブロック33は、図5及び図6に示すように、回路ブロック32の複数のスイッチ22と複数のハンドル34との間に配置される。ばねブロック33は、樹脂(好ましくは可撓性を有する樹脂)製である。ばねブロック33は、図5、図6及び図9に示すように、支持枠330と、複数のばね片331,332と、複数の復帰ばね333と、を備える。
支持枠330は、中央片3301と、一対の側片3302,3303と、一対の連結片3304,3305と、を備える。中央片3301は、長尺状である。一対の側片3302,3303は、中央片3301の幅方向(図9の左右方向)の両側に所定間隔を空けて位置し、中央片3301と同じ方向(図9の上下方向)に延びる。連結片3304は、中央片3301と一対の側片3302,3303とをそれらの長さ方向の第1端(図9の上端)で連結する。連結片3305は、中央片3301と一対の側片3302,3303とをそれらの長さ方向の第2端(図9の下端)で連結する。このように、支持枠330では、一対の側片3302,3303と、一対の連結片3304,3305とが矩形の枠を形成し、中央片3301がこの矩形の枠の中央に位置する。
複数のばね片331は、複数(本実施形態では8つ)の第1ばね片331(331a〜331h)と、複数(本実施形態では4つ)の第2ばね片332(332a〜332d)と、を含む。
複数の第1ばね片331は、いずれも同じ形状である。第1ばね片331は、長尺の板状である。第1ばね片331は、その前面の先端部に、前方に突出する一対の突起3311を有する。一対の突起3311は、第1ばね片331の長さ方向に並んでいる。一対の突起3311は、ハンドル34を前方に付勢する際に、ハンドル34に接触される。また、第1ばね片331は、後面に、スイッチ22に接触される突起3312を有する。複数の第1ばね片331a〜331dは、側片3302の長さ方向の第1端から第2端に向かって、この順番で並んでいる。また、複数の第1ばね片331e〜331hは、側片3303の長さ方向の第1端から第2端に向かって、この順番で並んでいる。複数の第1ばね片331a〜331hは、それぞれ、複数のスイッチ22a〜22hと複数のハンドル34a〜34hとの間に位置する。第1ばね片331a〜331dは、側片3302から中央片3301(つまり側片3303)側へ突出し、第1ばね片331e〜331hは、側片3303から中央片3301(つまり側片3302)側へ突出している。
複数の第2ばね片332は、いずれも同じ形状である。第2ばね片332は、長尺の板状である。ただし、第2ばね片332は、第1ばね片331よりも幅が広い。第2ばね片332は、第1ばね片331と同様に、その前面の先端部に、前方に突出する一対の突起3321を有する。一対の突起3321は、第2ばね片332の長さ方向に並んでいる。また、第2ばね片332は、第1ばね片331と同様に、後面に突起3322を有する。複数の第2ばね片332a〜332dは、複数のスイッチ22a〜22hのいずれとも重ならない。第2ばね片332aは、第1ばね片331a,331bの間(つまり、第1ばね片331a,331bの隣)に位置し、側片3302から中央片3301(つまり、側片3303)側へ突出する。つまり、第2ばね片332aは、隣の第1ばね片331a,331bと同じ方向に突出する。第2ばね片332bは、第1ばね片331c,331dの間(つまり、第1ばね片331c,331dの隣)に位置し、側片3302から中央片3301(つまり、側片3303)側へ突出する。つまり、第2ばね片332bは、隣の第1ばね片331c,331dと同じ方向に突出する。第2ばね片332cは、第1ばね片331e,331fの間(つまり、第1ばね片331e,331fの隣)に位置し、側片3303から中央片3301(つまり、側片3302)側へ突出する。つまり、第2ばね片332cは、隣の第1ばね片331e,331fと同じ方向に突出する。第2ばね片332dは、第1ばね片331g,331hの間(つまり、第1ばね片331g,331hの隣)に位置し、側片3303から中央片3301(つまり、側片3302)側へ突出する。つまり、第2ばね片332dは、隣の第1ばね片331g,331hと同じ方向に突出する。このように、複数の第2ばね片332の各々は、複数の第1ばね片331のいずれかの隣に位置し、隣の第1ばね片331と同じ方向に突出する。
本実施形態において、複数の第1ばね片331は、複数のハンドル34と複数のスイッチ22との間にそれぞれ位置して複数のハンドル34を前方に付勢する複数の主ばね片を構成する。複数の第2ばね片332は、複数のスイッチ22のいずれとも重ならない複数の副ばね片を構成する。
複数(本実施形態では8つ)の復帰ばね333は、いずれも同じ形状である。復帰ばね333は、長尺の板状である。復帰ばね333は、その前面の先端部に、前方に突出する突起3331を有する。複数の復帰ばね333a〜333dは、中央片3301における側片3302側の端部から側片3302側へ突出している。複数の復帰ばね333a〜333dは、中央片3301の幅方向において、複数の第1ばね片331a〜331dとそれぞれ間隔を空けて対向している。複数の復帰ばね333a〜333dは、複数のハンドル34a〜34dを前方に付勢するために用いられる。複数の復帰ばね333e〜333hは、中央片3301における側片3303側の端部から側片3303側へ突出している。複数の復帰ばね333e〜333hは、中央片3301の幅方向において、複数の第1ばね片331e〜331hとそれぞれ間隔を空けて対向している。複数の復帰ばね333e〜333hは、複数のハンドル34e〜34hを前方に付勢するために用いられる。
また、ばねブロック33は、一対の突出片334を有する。一対の突出片334の一方は、側片3302における第1ばね片331b,331c間の部位と中央片3301の長さ方向の中央部とを連結する。他方は、側片3303における第1ばね片331f,331g間の部位と中央片3301の長さ方向の中央部とを連結する。
また、ばねブロック33は、複数(本実施形態では24つ)の窓孔335を有する。複数の窓孔335は、支持枠330の中央片3301に形成される。複数の窓孔335は、図9に示すように、複数の表示素子270にそれぞれ対応する位置に形成される複数(16つ)の第1窓孔3351と、複数の表示素子270と対応しない位置に形成される複数(8つ)の第2窓孔3352と、を含む。
また、ばねブロック33は、複数(本実施形態では、4つ)の軸部336を有する。複数の軸部336は、共通の中心軸を有するように、ばねブロック33(支持枠330)の一端(図9の下端)に形成されている。複数の軸部336は、共通の中心軸の方向が支持枠330の中央片3301の幅方向に平行する方向となるように、並んでいる。複数の軸部336は、ボディ31の複数の軸受部315にそれぞれ回転可能に取り付けられる。また、各軸受部315は、筒状ではなく、弧状となっている。そのため、複数の軸部336は、複数の軸受部315に取り外し可能に取り付けられる。このように、複数の軸部336と複数の軸受部315とで構成される取付構造によって、ばねブロック33は、第1端で、ボディ31に、ボディ31の前後方向に直交する方向(第1方向)の回りに、回転可能に取り付けられる。特に、ばねブロック33は、互いに異なる第1位置と第2位置との間で、ボディ31に対して回転可能である。第1位置は、図10Aに示すように、ばねブロック33をボディ31から取り外し可能な位置である。別の言い方をすれば、ばねブロック33の複数の軸部336をボディ31の複数の軸受部315に取り付けた際には、ばねブロック33は第1位置に位置する。第2位置は、図10Bに示すように、ばねブロック33がボディ31に対する規定位置にある位置である。規定位置は、図11に示すように、少なくとも、複数の第1ばね片331a〜331gが複数のスイッチ22a〜22hにそれぞれ対向する位置である。
また、ばねブロック33は、窓孔337を有する。窓孔337は、通信部25を構成する発光部251及び受光部252を露出させる孔である。つまり、窓孔337は、赤外線を通すために設けられている。
また、ばねブロック33は、一対の第1挿通孔3381と、一対の第2挿通孔3382とを有する。一対の第1挿通孔3381は、ボディ31の第1ねじ孔3161と対応する位置に形成され、一対の第2挿通孔3382は、ボディ31の第2ねじ孔3162と対応する位置に形成される。本実施形態では、一対の第1挿通孔3381は、連結片3304に形成され、一対の第2挿通孔3382は、一対の突出片334にそれぞれ形成されている。一対の第1挿通孔3381と一対の第2挿通孔3382とは、ばねブロック33をボディ31に固定するために用いられる。
また、ばねブロック33は、複数の規制突起339を有する。複数の規制突起339は、中央片3301の幅方向の両側に設けられている。規制突起339は、後面に、ハンドル34の第2突起3414の先端が当たることで、ハンドル34の前方への移動を規制する。
保護シート35は、長尺状であり、ばねブロック33の中央片3301の前面に取り付けられる。保護シート35は、表示素子270の保護(例えば静電気からの保護)のために設けられる。保護シート35は、部分的に不透明であるが、少なくとも、ばねブロック33の複数の窓孔335に対応する部位が透明である。なお、保護シート35において不透明である部分を、図5、図6、図10A及び図10Bではドットの網掛けで示している。
保護カバー36は、ばねブロック33の連結片3304の前面に、窓孔337を覆うように取り付けられる。保護カバー36は、矩形状であり、赤外線を透過する材料により形成される。保護カバー36は、通信部25の発光部251及び受光部252を保護するために設けられる。言い換えれば、通信部25は、発光部251及び受光部252を保護する保護カバー36を備えている。
一対の第1取付ねじ371と一対の第2取付ねじ372は、ばねブロック33をボディ31に固定するために用いられる。
固定ねじ373は、本体ブロック30を取付枠50に固定するために用いられる。
一対の端子38は、回路ブロック32を信号線7に電気的に接続するための端子である。一対の端子38は、図4に示すように、ボディ31の後側部分311の後面に設けられる。一対の端子38は、後側部分311の内部において、回路ブロック32に電気的に接続される。一対の端子38は、ねじ端子である。
(2−1−2)カバー
カバー40は、本体ブロック30の前面の周縁部分を覆う。カバー40は、主に、操作端末器2の見栄えをよくするために用いられる。カバー40は、図3及び図4に示すように、前壁部41と、周壁部42と、複数の第2結合部43と、を備える。カバー40は、樹脂(特に、赤外線を透過しない樹脂)製であり、前壁部41と、周壁部42と、複数の第2結合部43とは一体に形成されている。前壁部41は、長方形(矩形又は正方形)の枠状であり、中央に、長方形(矩形又は正方形)の開口411を有している。開口411の大きさは、本体ブロック30の複数のハンドル34の全てを露出させるように設定される。周壁部42は、前壁部41の周縁から後方に突出する。周壁部42は、本体ブロック30(特にボディ31)を囲ってその側面を覆うように形成される。複数の第2結合部43は、前壁部41の後面から後方に突出している。複数の第2結合部43は、カバー40を本体ブロック30に取り付けるために用いられる。複数の第2結合部43を本体ブロック30のボディ31の複数の第1結合部314にそれぞれ機械的に結合することで、カバー40が本体ブロック30に取り付けられる。複数の第2結合部43は、複数の第1結合部314に対応する位置に配置される。本実施形態では、前壁部41の4辺の各々に第2結合部43が2つずつ配置されている。
(2−1−3)取付枠
取付枠50は、造営材に固定される。例えば、取付枠50は、造営材に埋め込まれた配線ボックスに固定され、これによって、造営材に固定される。取付枠50は、前面側で本体ブロック30を支持する。取付枠50は、図3及び図4に示すように、枠体51と、一対の支持部52と、を備える。取付枠50は、ボディ31より強度(機械的な強度)が高い。例えば、取付枠50は、ボディ31よりも硬い材料(例えば、金属)で形成されている。また、取付枠50では、枠体51と、一対の支持部52とが一体に形成されている。取付枠50は、金属板に打ち抜き加工及び折り曲げ加工をすることで形成され得る。
枠体51は、長方形(矩形又は正方形)の枠状であり、中央に、開口511を有している。開口511の大きさは、ボディ31の後側部分311を収容可能に設定される。開口511は矩形である。枠体51は、その前後方向(厚み方向)に直交する第1方向(図3及び図4の略左右方向)において、開口511の両側に、取付孔512を有する。取付孔512は、ねじ等により、取付枠50を造営材(配線ボックス)に固定するために使用される。また、枠体51は、その前後方向及び第1方向に直交する第2方向(図3及び図4の略上下方向)の一端(図3及び図4の下端)に、ねじ孔513を有する。ねじ孔513は、本体ブロック30の貫通孔3163に対応する。ねじ孔513には、貫通孔3163を通して固定ねじ373が挿入される。
一対の支持部52は、本体ブロック30を仮保持(又は仮固定)するために用いられる。詳しくは、一対の支持部52は、本体ブロック30(ボディ31)の一対の突起3111をそれぞれ支持する。これによって、一対の支持部52は、本体ブロック30を保持する。一対の支持部52は、板状であり、互いに対向するように、枠体51の開口511の第1方向の両縁から後方に突出する。一対の支持部52の各々は、一対の突起3111のうちの対応するほうが挿入される空所521を有する。空所521は、第1通路5211と、第2通路5212とを含む。第1通路5211は、取付枠50の前後方向(ボディ31の前後方向に一致する)に延び、前端が開放されている。第2通路5212は、取付枠50の第1方向(ボディ31の規定方向に一致する)に交差する方向(本実施形態では、取付枠50の第2方向)に延びる。第2通路5212は、第1端(図3及び図4の上端)で第1通路5211に連結され、第2端(図3及び図4の下端)が閉じている。
このような取付枠50は、回路部品を保持するボディ31を、造営材100に固定するための取付枠であって、ボディ31より固い材料で形成される。取付枠50は、ボディ31をその前後方向に貫通する貫通孔3163に対応するねじ孔513と、ボディ31の前後方向に交差する規定方向の両側から突出する一対の突起3111をそれぞれ支持する一対の支持部52と、を有する。ここで、実施形態1の場合、回路部品は、複数のスイッチ22と、信号処理部23とを含む。ただし、取付枠50に着目した場合には、回路部品は、操作端末器2の回路部品に限定されない。つまり、ボディ31で保持される回路部品は、制御端末器3の回路部品や、コンセント(交流コンセント、直流コンセント、USBコンセント等)の回路部品であってもよい。
(2−2)組み立て
次に、操作端末器2の組み立て方法について説明する。以下の組み立て方法はあくまでも一例であって、操作端末器2の組み立て方法は下記の例のみに限定されない。
図4及び図5に示すように、回路ブロック32と一対の端子38とをボディ31に取り付ける。回路ブロック32は、前側部分310の前面の中央部に、開口3101を塞ぐように取り付けられる。これにより、ボディ31は、前面に、複数のスイッチ22、通信部25、信号処理部23、及び切替部26が取り付けられる。一対の端子38は、後側部分311の後面に取り付けられ、回路ブロック32に電気的に接続される。また、ばねブロック33には、保護シート35及び保護カバー36が取り付けられる。また、複数のハンドル34の各々において、複数の突起3421をハンドル本体341の複数の凹部3416にそれぞれ嵌めることで、ハンドルカバー342をハンドル本体341の前面側に取り付ける。なお、ハンドル本体341の収納スペース3412には、必要に応じて、ラベル343が収容される。
次に、ばねブロック33をボディ31に固定する作業を行う。この作業では、まず、ばねブロック33の複数の軸部336をボディ31の複数の軸受部315に取り付ける。これによって、図10Aに示すように、ばねブロック33がボディ31に対して第1位置に位置する。この後に、ばねブロック33を、複数の軸部336の中心軸(複数の軸受部315の回転軸)の回りに回転させて、第1位置から第2位置へ移動させる(図10B参照)。第2位置では、複数の第1ばね片331a〜331gが複数のスイッチ22a〜22hにそれぞれ対向する。また、第2位置では、ばねブロック33の一対の第1挿通孔3381がボディ31の一対の第1ねじ孔3161と対向し、ばねブロック33の一対の第2挿通孔3382がボディ31の一対の第2ねじ孔3162と対向する。そして、一対の第1取付ねじ371を、一対の第1挿通孔3381を介して、一対の第1ねじ孔3161に挿入する。同様に、一対の第2取付ねじ372を、一対の第2挿通孔3382を介して、一対の第2ねじ孔3162に挿入する。
その後、複数のハンドル34a〜34hがボディ31に取り付けられる。複数のハンドル34a〜34hはいずれも同様の方法でボディ31に取り付けられる。そのため、ハンドル34aについてのみ説明をする。ハンドル34aをボディ31に取り付けるにあたっては、まず、ハンドル34aの一対の第1突起3413を、第1規制片312aの貫通孔3121と第2規制片313aの一対の貫通孔3131の一方に、挿入する。この後、ハンドル34aをボディ31側へ押圧し、ハンドル34aの一対の第2突起3414の各々の先端を、ばねブロック33の対応する規制突起339(復帰ばね333aの両側の規制突起339)の後面側に移動させる。これによって、図12及び図13に示すように、ハンドル34aが本体ブロック30に取り付けられる。このように、ハンドル34を取り付けるにあたっては、複数の第1規制片312aの貫通孔3121と複数の第2規制片313aの一対の貫通孔3131とから選択される一対の貫通孔に、一対の第1突起3413が挿入される。また、複数の規制突起339から選択される一対の規制突起339の後面に、一対の第2突起3414が当接される。
図13に示すように、ハンドル34aとスイッチ22aとの間には、第1ばね片331aが位置する。第1ばね片331aは、その後面の突起3312で、スイッチ22aに接触する。一方、第1ばね片331aは、その前面の一対の突起3311で、ハンドル34aの後面に接触する。また、ハンドル34aの後面には、復帰ばね333aの突起3331が接触する。このように、ハンドル34aは、主にばねブロック33の第1ばね片331aによって、前方へ付勢される。一方、図12に示すように、ハンドル34aの一対の第1突起3413が、第1規制片312又は第2規制片313の先端部分の後面に接触する。また、ハンドル34aの一対の第2突起3414の各々が、ばねブロック33の規制突起339の後面に接触する。第1規制片312又は第2規制片313と規制突起339によって、ハンドル34aの前方への移動が規制される。換言すれば、第1規制片312又は第2規制片313が、ハンドル34の第1端側の第1部位(第1突起3413)が後面に当たる複数の第1規制部を構成する。また、規制突起339がハンドル34の第2端端の第2部位(第2突起3414)が後面に当たる第2規制部を構成する。
このようにして、ハンドル34aは、第1ばね片331aによって、第1規制片312又は第2規制片313と規制突起339に押し当てられている。そのため、ハンドル34aの前面のどの部分を押しても、ハンドル34aを後方へ移動させることができる。ハンドル34aが後方へ移動すると、第1ばね片331aがボディ31側へ押圧され、これによって、スイッチ22aが押圧される。
複数のハンドル34a〜34hをボディ31に取り付けることで、図3及び図4に示すような、本体ブロック30が得られる。本体ブロック30では、図11に示すように、複数のハンドル34a〜34hが、複数のスイッチ22a〜22hの前方にそれぞれ配置される。さらに、複数の第1ばね片331a〜331hが複数のハンドル34a〜34hと複数のスイッチ22a〜22hとの間にそれぞれ配置される。なお、図11では、複数のハンドル34a〜34hを2点鎖線で示している。
操作端末器2を造営材100に取り付けるにあたっては、まず、取付枠50を造営材100に固定する。より詳細には、取付枠50の一対の取付孔512を通してねじを造営材100に埋め込まれた配線ボックスに挿入し、取付枠50を配線ボックスに固定する。ここで、取付枠50は、ボディ31よりも固いから、ボディ31を直接配線ボックスに取り付ける場合とは異なり、造営材100への取付時のボディ31の変形が抑制される。次に、本体ブロック30を、予め造営材100に固定しておいた取付枠50に固定する作業を行う。この作業では、まず、図14Aに示すように、本体ブロック30を取付枠50の前方に配置する。このとき、本体ブロック30の一対の突起3111が、取付枠50の一対の空所521の前方に位置するようにおおまかに位置を合わせる。次に、本体ブロック30を取付枠50側に移動させて、ボディ31の後側部分311を取付枠50の開口511に挿入するとともに、一対の突起3111のそれぞれを、対応する空所521の第1通路5211に前端側から挿入する。そのまま本体ブロック30を押し込んでいくと、取付枠50の枠体51の前面が、ボディ31の前側部分310の後面に接触する。また、図14Bに示すように、各突起3111は、空所521の第1通路5211の後端に位置する。この後に、各突起3111が空所521の第1通路5211から第2通路5212に移動するように、本体ブロック30を取付枠50に対して移動させる(図14Bでは、本体ブロック30を取付枠50に対して下方に移動させる)。これによって、各突起3111が、第2通路5212の第2端に位置して、支持部52によって支持される。つまり、取付枠50の一対の支持部52が、本体ブロック30を一対の突起3111で支持する。そのため、本体ブロック30を取付枠50に仮固定できる。この後、固定ねじ373を、本体ブロック30の貫通孔3163を通して、取付枠50のねじ孔513に挿入する。これによって、本体ブロック30が取付枠50の前面に固定される。
この後、本体ブロック30に、カバー40を取り付ける。具体的には、本体ブロック30の複数の第1結合部314(図5参照)にカバー40の複数の第2結合部43を引掛けることで、カバー40を、本体ブロック30の前面に取り付ける。これにより、図2Aに示すように、複数のハンドル34は、カバー40の開口411より露出するが、通信部25及び切替部26はカバー40により覆われる(隠される)。
(2−3)動作
次に、図15A及び図15Bを参照して、複数のスイッチ22にアドレスを対応付ける方法について説明する。初期状態では、図15Aに示すように、手動操作部261が第1切替位置にあるとする。
複数のスイッチ22にアドレスを対応付けるには、設定器6を使用する。設定器6と操作端末器2との通信を可能にするため、まず、操作端末器2からカバー40を外す。これによって、図15A及び図15Bに示すように、通信部25が露出する。また、切替部26が露出する。周壁部317には操作孔3171が設けられているため、切替部26の手動操作部261を操作する際に、周壁部317が邪魔になることが抑制されている。
まず、ユーザが設定器6を操作して開始信号を送信する。信号処理部23は、通信部25を通じて開始信号を受け取ると、設定対象に対応する表示素子270を点灯させる。手動操作部261が第1切替位置にあるから、4つのスイッチ22a〜22dが設定対象である。したがって、信号処理部23は、図15Aに示すように、4つのスイッチ22a〜22dに対応する表示素子270a〜270dを点灯させ、4つのスイッチ22e〜22hに対応する表示素子270e〜270hを消灯する。これによって、4つのスイッチ22a〜22dに対応する4つのハンドル34a〜34dの一対の貫通孔3411から光が放射される。また、信号処理部23は、設定対象の4つのスイッチ22a〜22dについてアドレスとの対応関係を示す状態信号を通信部25から出力する。設定器6は、状態信号を受け取ると、状態信号が示す対応関係を設定器6のディスプレイに表示する。
4つのスイッチ22a〜22dについてアドレスを設定する場合、ユーザが設定器6を操作して4つのアドレスを設定して、設定信号を送信すればよい。信号処理部23は、通信部25を通じて設定信号を受け取ると、4つのスイッチ22a〜22dに4つのアドレスを順番に対応付ける。これによって、記憶部24に記憶されている4つのスイッチ22a〜22dとアドレスとの対応関係が更新される。
一方、別の4つのスイッチ22e〜22hについてアドレスを設定する場合、ユーザは、手動操作部261を第1切替位置から第2切替位置に移動させればよい。これによって、信号処理部23は、4つのスイッチ22a〜22dではなく、4つのスイッチ22e〜22hを設定対象として選択する。そして、ユーザが設定器6を操作して開始信号を送信すると、信号処理部23は、開始信号に応答して、設定対象に対応する表示素子270を点灯させる。この場合、4つのスイッチ22e〜22hが設定対象である。信号処理部23は、図15Bに示すように、4つのスイッチ22e〜22hに対応する表示素子270e〜270hを点灯させ、4つのスイッチ22a〜22dに対応する表示素子270a〜270dを消灯する。これによって、4つのスイッチ22e〜22hに対応する4つのハンドル34e〜34hの一対の貫通孔3411から光が放射される。また、信号処理部23は、設定対象の4つのスイッチ22e〜22hについてアドレスとの対応関係を示す状態信号を通信部25から出力する。設定器6は、状態信号を受け取ると、状態信号が示す対応関係を設定器6のディスプレイに表示する。この後に、ユーザが設定器6を操作して4つのアドレスを設定して、設定信号を送信すると、信号処理部23は、4つのスイッチ22e〜22hに4つのアドレスを順番に対応付ける。これによって、記憶部24に記憶されている4つのスイッチ22e〜22hとアドレスとの対応関係が更新される。
このように、操作端末器2では、切替部26の手動操作部261によって、設定対象のスイッチを変更できる。そのため、通信部25を複数用意する必要がない。したがって、ユーザが設定器6によりアドレスを設定する際に、どの通信部25に設定信号を送ればよいのかを迷わなくて済む。また、したがって、複数のスイッチ22にアドレスを対応付ける作業を容易に行える。
(2−4)まとめ
以上述べたように、操作端末器2では、切替部26の手動操作部261によって、設定対象のスイッチを変更できる。そのため、スイッチ22の数が設定器6で一度に設定可能なアドレスの数より多い場合でも、通信部25を複数用意する必要がない。したがって、ユーザが設定器6によりアドレスを設定する際に、どの通信部25に設定信号を送ればよいのかを迷わなくて済む。また、通信部25が一つであるから、設定器6から通信部25に送った設定信号が別の通信部で受信されてしまう可能性がない。したがって、複数のスイッチ22にアドレスを対応付ける作業を容易に行える。
ここで、特開2006−94452号公報は、操作スイッチ配線器具(操作端末器)を開示する。操作スイッチ配線器具は、リレーのアドレスに対応付けたアドレスが個別に割り当てられる8つの操作スイッチ(スイッチ)を有する。また、操作スイッチ配線器具は、各操作スイッチの操作に応じた操作情報と操作された操作スイッチのアドレスとを含む伝送信号(操作信号)を信号線に送出する信号処理部を収納している。8つの操作スイッチと信号処理部は、ボディとカバーとで構成される器体に収納されている。カバーには、操作スイッチに対向する部位に各操作スイッチの操作子に被せられる操作ボタンが前後方向に移動自在に取り付けられている。特開2006−94452号公報では、操作スイッチ配線器具の操作スイッチの数を増減させることは考慮されていなかった。そのため、操作スイッチの数が異なる操作スイッチ配線器具を製造する場合には、全体的な製造コストが増加する可能性がある。
これに対して、操作端末器2では、ばねブロック33が、複数の主ばね片(本実施形態では第1ばね片331)に加えて、複数の副ばね片(本実施形態では第2ばね片332)を有している。そのため、同一のばねブロック33を、スイッチの数が異なる操作端末器2に使用できる。そのため、スイッチの数が異なる操作端末器2を製造する場合に、製造コストの低減を図ることができる。
また、特開2006−94452号公報では、ボディの上下両側面の前縁からは取付片が上下両側に延出しており、各取付片には施工面(造営材)に埋設された埋込ボックス(配線ボックス)にねじ止めするためのボックスねじを挿通する長孔が設けられている。ここで、ボディを埋込ボックスにねじ止めする際に、ボックスねじが強く締め付けられると、ボディに負荷がかかり、ボディが変形する場合がある。このようにボディが変形すると、ボディにカバーや化粧プレート等を取り付け難くなる可能性がある。
これに対して、操作端末器2では、ボディ31は、ボディ31より固い材料で形成される取付枠50を用いて、造営材100に固定される。そのため、ボディ31を直接配線ボックスに取り付ける場合とは異なり、造営材100への取付時のボディ31の変形が抑制される。また、取付枠50の一対の支持部52が、本体ブロック30(ボディ31)を一対の突起3111で支持する。そのため、ボディ31を取付枠50に仮固定できる。したがって、操作端末器2を造営材100に固定する作業が容易に行える。
1.2 実施形態2
図16A及び図16Bは、本実施形態の操作端末器2Aの外観図(斜視図)を示す。操作端末器2Aは、主に、ハンドル及びスイッチの数が、操作端末器2とは異なる。
以下、操作端末器2Aについてさらに詳細に説明する。本実施形態の操作端末器2Aは、図16A及び図16Bに示すように、本体ブロック30Aと、カバー40と、取付枠50と、を備える。
本体ブロック30Aは、本体ブロック30と同様であるが、回路ブロック32の代わりに、回路ブロック32Aを備える。また、本体ブロック30Aは、本体ブロック30と同様であるが、4つのハンドル34(34i〜34l)を備える。つまり、ボディ31、ばねブロック33、保護シート35、保護カバー36、一対の第1取付ねじ371、一対の第2取付ねじ372、固定ねじ373、及び一対の端子38は、本体ブロック30Aと本体ブロック30とで共通に使用されている。なお、図17では、単に図面の簡略化のためだけに、保護シート35及び保護カバー36が省略されている。
回路ブロック32Aは、回路ブロック32とは異なり、4つのスイッチ22(22i〜22l)を有する。4つのスイッチ22i〜22lは、基板320の前面に実装される。4つのスイッチ22i〜22lは、所定方向に並ぶ複数の列を構成するように並んでいる。より詳細には、4つのスイッチ22i〜22lは、基板320の幅方向(図17の左右方向)に並ぶ2つの列を構成する。2つの列の一方は、2つのスイッチ22i,22jが基板320の長さ方向(図17の上下方向)に並んだ列であり、他方は、2つのスイッチ22k,22lが基板320の長さ方向(図17の上下方向)に並んだ列である。なお、本実施形態において、切替部26の第1切替位置と第2切替位置とは、2つのスイッチ22i,22jの列と2つのスイッチ22k,22lの列とが並ぶ方向において、異なる位置である。
表示部27は、複数対(本実施形態では4対)の表示素子270(270i〜270l)を含む。一対の表示素子270iはスイッチ22iに、一対の表示素子270jはスイッチ22j、一対の表示素子270kはスイッチ22k、一対の表示素子270lはスイッチ22lに対応する。
また、信号処理部23は、実施形態1と同様に、手動操作部261の位置に応じて複数のスイッチ22から選択した設定対象に、通信部25から受け取った設定信号で指定されたアドレスを対応付けるように構成される。信号処理部23は、手動操作部261が第1切替位置にある場合、複数のスイッチ22から、4つのスイッチ22i,22jを設定対象として選択するように構成される。また、信号処理部23は、手動操作部261が第2切替位置にある場合、複数のスイッチ22から、別の2つのスイッチ22k,22lを設定対象として選択するように構成される。信号処理部23は、複数のスイッチ22から、設定対象として、2つのスイッチ22i,22jの列と2つのスイッチ22k.22lの列とのいずれかを選択する。上述したように、第1切替位置は、基板320の幅方向の第1端側(図17の左端側)の位置であり、第2切替位置は、基板320の幅方向の第2端側(図17の右端側)の位置である。つまり、複数の切替位置の各々は、複数の列のうち、所定方向における順番が同じ列に対応付けられている。そのため、ユーザが直感的に設定対象を切替部26で選択することが可能になる。
信号処理部23は、通信部25を通じて設定器6から設定信号を受け取ると、設定対象として選択しているスイッチ22に、設定信号で指定されたアドレスを対応付ける。これによって、記憶部24に記憶されている対応関係を更新する。設定信号は、例えば、2つのアドレスを含む。信号処理部23は、手動操作部261が第1切替位置にある場合、2つのスイッチ22i,22jを設定対象として選択するから、設定信号を受け取ると、2つのスイッチ22i,22jに2つのアドレスを順番に対応付ける。また、信号処理部23は、手動操作部261が第2切替位置にある場合、2つのスイッチ22k,22lを設定対象として選択するから、設定信号を受け取ると、2つのスイッチ22k,22lに2つのアドレスを順番に対応付ける。また、信号処理部23は、表示部27により、複数のスイッチ22から選択された設定対象を示すように構成される。信号処理部23は、通信部25を通じて設定器6からアドレス設定を開始する旨の開始信号を受け取ると、設定対象に対応する表示素子270を点灯させるように構成される。これにより、表示部27は、複数のスイッチ22から選択された設定対象を示す。この構成によれば、信号処理部23は、設定対象をユーザに知らせることができる。なお、信号処理部23は、切替部26の手動操作部261の位置が変更された際に、設定対象に対応する表示素子270を点灯させてもよい。
4つのハンドル34i〜34lは、4つのスイッチ22i〜22lをユーザが操作するために設けられる。4つのハンドル34i〜34lは、いずれも同じ形状である。4つのハンドル34i〜34lの各々は、幅方向の大きさが、実施形態1の8つのハンドル34a〜34hの各々の約2倍の大きさである点で相違している。つまり、ハンドル34i〜34lは、概ねハンドル34a〜34hを幅方向に2つ並べた大きさである。4つのハンドル34i〜34lは、4つのスイッチ22i〜22lと同様に、所定方向に並ぶ複数の列を構成するように並んでいる。より詳細には、4つのハンドル34i〜34lは、前側部分310の前面の第1方向(図17の左右方向)に並ぶ2つの列を構成する。2つの列の一方は、2つのハンドル34i,34jが前側部分310の前面の第2方向(図17の上下方向)に並んだ列であり、他方は、2つのハンドル34k,34lが前側部分310の前面の第2方向(図17の上下方向)に並んだ列である。
4つのハンドル34i〜34lはいずれも実施形態1で述べたハンドル34aの取り付け方法と同様の方法で本体ブロック30Aに取り付けられる。特に、本実施形態の場合、ハンドル34iを取り付けるにあたっては、第2規制片313aの一対の貫通孔3131に一対の第1突起3413が挿入され、復帰ばね333a,333b間の一対の規制突起339の後面に一対の第2突起3414が当接される。同様に、ハンドル34jを取り付けるにあたっては、第2規制片313cの一対の貫通孔3131に一対の第1突起3413が挿入され、復帰ばね333c,333d間の一対の規制突起339の後面に一対の第2突起3414が当接される。ハンドル34kを取り付けるにあたっては、第2規制片313dの一対の貫通孔3131に一対の第1突起3413が挿入され、復帰ばね333e,333f間の一対の規制突起339の後面に一対の第2突起3414が当接される。ハンドル34lを取り付けるにあたっては、第2規制片313fの一対の貫通孔3131に一対の第1突起3413が挿入され、復帰ばね333g,333h間の一対の規制突起339の後面に一対の第2突起3414が当接される。
本実施形態では、ハンドル34iとスイッチ22iとの間には、第2ばね片332aが位置する。第2ばね片332aは、その後面の突起3322で、スイッチ22iに接触する。一方、第2ばね片332aは、その前面の一対の突起3321で、ハンドル34iの後面に接触する。また、ハンドル34iの後面には、復帰ばね333a,333bの突起3331が接触する。このように、ハンドル34iは、主にばねブロック33の第2ばね片332aによって、前方へ付勢される。一方、ハンドル34iの一対の第1突起3413が、第2規制片313aの先端部分の後面に接触する。また、ハンドル34iの一対の第2突起3414の各々が、ばねブロック33の規制突起339の後面に接触する。第2規制片313と規制突起339によって、ハンドル34iの前方への移動が規制される。これによって、ハンドル34iは、第2ばね片332aによって、第2規制片313と規制突起339に押し当てられている。そのため、ハンドル34iの前面のどの部分を押しても、ハンドル34iを後方へ移動させることができる。ハンドル34iが後方へ移動すると、第2ばね片332aがボディ31側へ押圧され、これによって、スイッチ22iが押圧される。
ばねブロック33は、実施形態1と同じ構造である。ただし、本実施形態では、基板320には、8つのスイッチ22a〜22hの代わりに4つのスイッチ22i〜22lが実装されている。ここで、4つのスイッチ22i〜22lは、4つの第2ばね片332a〜332dの後方に、それぞれ位置する。そのため、本実施形態では、実施形態1とは異なり、複数の第2ばね片332が、複数のハンドル34と複数のスイッチ22との間にそれぞれ位置して複数のハンドル34を前方に付勢する複数の主ばね片を構成する。一方で、複数の第1ばね片331が、複数のスイッチ22のいずれとも重ならない複数の副ばね片を構成する。また、本実施形態では、基板320には、16つの表示素子270の代わりに8つの表示素子270が実装されている。ここで、8つの表示素子270は、基板320において、ばねブロック33の8つの第2窓孔3352にそれぞれ対応する位置に実装されている。換言すれば、ばねブロック33の複数の窓孔335は、複数(本実施形態では16つ)の第1窓孔3351と、複数(本実施形態では8つ)の第2窓孔3352と、を含む。ここで、16つの第1窓孔3351は、表示素子270i〜270lと対応しない位置に形成される。8つの第2窓孔3352は、表示素子270i〜270lとそれぞれ対応する位置に形成される。
つまり、ばねブロック33の複数の第2ばね片332及び複数の第2窓孔3352は、実施形態1では実質的に使用されていなかったが、本実施形態では使用されている。逆に、ばねブロック33の複数の第1ばね片331及び複数の第1窓孔3351は、実施形態1では使用されていたが、本実施形態では実質的には使用されていない。このように、ばねブロック33は、ハンドル34及びスイッチ22の数が異なる操作端末器2と操作端末器2Aとのいずれにも用いることができる。したがって、ばねブロック33を利用することで、スイッチの数が異なる操作端末器2,2Aを製造する場合に、製造コストの低減を図ることができる。
2.変形例
以上説明した実施形態1,2は、本発明の様々な実施形態のあり得る例に過ぎない。また、上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態1,2の変形例を列挙する。
例えば、本体ブロック30(30A)において、保護シート35と、保護カバー36とは必須ではない。また、一対の第1取付ねじ371と、一対の第2取付ねじ372は、ばねブロック33をボディ31の固定する方法によっては、不要である。例えば、ばねブロック33はボディ31に、ばねブロック33とボディ31との一方の突起を他方の凹部に嵌めることで、固定されてもよい。また、一対の端子38は、ねじ端子に限定されない。端子38は、いわゆる速結端子であってもよいし、その他のコネクタであってもよい。
例えば、ボディ31は、必ずしも、前側部分310と、後側部分311とを有していなくてもよい。また、前側部分310は、四辺形(矩形又は正方形)の板状でなくてもよく、円形状やその他の多角形状であってもよい。また、後側部分311は、必ずしも中空の矩形の箱状でなくてもよい。ボディ31は、少なくとも、前面に、複数のスイッチ22及び信号処理部23が取り付けられる構造であればよい。
例えば、回路ブロック32では、スイッチ22の数は2以上であれば特に限定されない。また、スイッチ22は、タクトスイッチに限定されず、その他のスイッチであってもよい。
また、実施形態1では、信号処理部23は、2以上のスイッチ22を設定対象として選択するが、1つのスイッチ22だけを設定対象として選択してもよい。また、信号処理部23は、必ずしも、一列のスイッチ22を設定対象として選択しなくてもよい。例えば、実施形態1において、信号処理部23は、手動操作部261が第1切替位置にある場合に、スイッチ22a,22b,22c,22d,22hを設定対象として選択してもよい。この場合、信号処理部23は、手動操作部261が第2切替位置にある場合に、残りのスイッチ22e,22f,22gを設定対象として選択してもよい。つまり、複数のスイッチ22は、設定対象となる2以上のグループに分類されていてもよい。ここで、各グループは、少なくとも一つのスイッチ22を含んでいればよい。
また、通信部25は、受光部252を有していればよく、発光部251は必須ではない。つまり、通信部25は、少なくとも設定信号を受信することができればよい。また、通信部25は、赤外線以外を媒体とする無線通信(例えば光通信)を行うように構成されていてもよい。あるいは、通信部25は、有線通信により設定信号を受信するように構成されていればよい。この場合、通信部25は、例えば、通信線を接続可能なコネクタ(USBコネクタや、LANケーブルのコネクタ)であってよい。
切替部26は、スライドスイッチに限定されず、ロータリスイッチなどであってもよい。要するに、切替部26は、手動操作部261が複数の切替位置の間で移動可能であればよい。また、切替位置の数は2つに限定されず、2以上であればよい。
表示部27は、スイッチ22毎に、一対の表示素子270を有しているが、一つにスイッチ22に対応する表示素子270の数は1つでもよいし、3以上であってもよい。
例えば、ばねブロック33において、複数のばね片(第1ばね片331及び第2ばね片332)の数は特に限定されない。複数のばね片(第1ばね片331及び第2ばね片332)の数は、想定するスイッチの数によって適宜決定され得る。例えば、上述のばねブロック33は、少なくとも、8つのスイッチ22を有する操作端末器2と、4つのスイッチ22を有する操作端末器2Aとに用いることができるように、8つの第1ばね片331と、4つの第2ばね片332とを有している。
上記実施形態1では、ばねブロック33が複数の軸部315を有し、ボディ31が複数の複数の軸受部336を有している。逆に、ボディ31が複数の軸部を有し、ばねブロック33が複数の軸部を回転自在に支持する複数の複数の軸受部を有していてもよい。
例えば、ハンドル34において、ハンドルカバー342は必須ではなく、ハンドル本体341が単独で用いられてもよい。この場合、ハンドル本体341は、凹部3416を有していなくてもよい。なお、実施形態1では、ボディ31が、ハンドル34の第1端側の第1部位(第1突起3413)が後面に当たる複数の第1規制部(第1規制片312及び第2規制片313)を有している。このような第1規制部は、ばねブロック33に設けられていてもよい。また、実施形態1では、ばねブロック33が、ハンドル34の第2端側の第2部位(第2突起3414)が後面に当たる第2規制部(規制突起339)を有している。このような第2規制部は、ボディ31に設けられていてもよい。要するに、ボディ31とばねブロック33との一方が第1規制部と第2規制部との少なくとも一方を有していればよい。あるいは、ハンドル34は、一端で回動自在に、ボディ31又はばねブロック33に取り付けられていてもよい。
また、操作端末器2は、必ずしも、カバー40と、取付枠50と、を備えていなくてもよい。なお、カバー40は、樹脂製ではなく金属製であってもよい。また、取付枠50は、金属製ではなく、樹脂製であってもよい。ただし、取付枠50は、ボディ31より硬い材料で形成されていることが好ましい。また、取付枠50において、空所521は、第1通路5211と第2通路5212とを有しているが、直線状又は曲線状の通路であってもよい。この場合、空所521は、前端と後端とが、取付枠50の前後方向に交差する方向(例えば、図14Cの上下方向)において、異なる位置であることが好ましい。これにより、ボディ31が取付枠50に仮固定された状態が維持され易くなる。なお、空所521は、必ずしも、支持部52をその厚み方向に貫通している必要はなく、突起3111が挿入可能な溝であってもよい。あるいは、空所521は、突起3111が嵌る凹部又は貫通孔であってもよい。この場合、一対の支持部52は互いに離れる方向に撓むように形成されていることが好ましい。
3.態様
以上説明した実施形態1,2及び変形例によれば、複数のスイッチにアドレスを対応付ける作業を容易に行える。この観点からすれば、本発明に係る第1の態様の操作端末器(2,2A)は、複数のスイッチ(22)と、信号処理部(23)と、通信部(25)と、切替部(26)と、を備える。前記信号処理部(23)は、前記複数のスイッチ(22)のいずれかのスイッチ(22)が操作されると、操作されたスイッチ(22)に対応するアドレスを含む操作信号を出力するように構成される。前記通信部(25)は、前記複数のスイッチ(22)から選択される設定対象に対応付けるアドレスを指定する設定信号を受け取るように構成される。前記切替部(26)と、複数の切替位置の間で移動可能な手動操作部(261)を有する。前記信号処理部(23)は、前記手動操作部(261)の位置に応じて前記複数のスイッチ(22)から選択した前記設定対象に、前記通信部(25)から受け取った前記設定信号で指定されたアドレスを対応付けるように構成される。
第2の態様の操作端末器(2,2A)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記操作端末器(2,2A)は、前記複数のスイッチ(22)から選択された前記設定対象を示す表示部(27)をさらに備える。第2の態様によれば、ユーザが設定対象を容易に知ることができる。
第3の態様の操作端末器(2,2A)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記信号処理部(23)は、前記手動操作部(261)の位置に応じて、前記複数のスイッチ(22)から2以上のスイッチ(22)を前記設定対象として選択するように構成される。第3の態様によれば、2以上のスイッチのアドレスを一括して設定できる。
第4の態様の操作端末器(2,2A)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記複数のスイッチ(22)は、所定方向に並ぶ複数の列を構成するように並ぶ。前記複数の切替位置は、少なくとも前記所定方向において異なる位置である。前記複数の切替位置の各々は、前記複数の列のうち、前記所定方向における順番が同じ列に対応付けられる。第4の態様によれば、ユーザが設定対象を直感的な操作で選択できる。
第5の態様の操作端末器(2,2A)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記操作端末器(2,2A)は、ボディ(31)と、カバー(40)と、を更に備える。前記ボディ(31)は、前面に、前記複数のスイッチ(22)、前記通信部(25)、前記信号処理部(23)、及び前記切替部(26)が取り付けられる。前記カバー(40)は、少なくとも前記通信部(25)及び前記切替部(26)を覆うように前記ボディ(31)の前記前面に取り付けられる。第5の態様によれば、通常は、カバー(40)により通信部(25)及び切替部(26)が隠されているから、意図せずにアドレス設定が行われてしまう可能性を低減できる。
第6の態様の操作端末器(2,2A)は、第1〜第5の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記通信部(25)は、赤外線を媒体として前記設定信号を受け取る受光部(252)を有する。第6の態様によれば、アドレスの設定を容易に行える。
第7の態様の操作端末器(2,2A)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記操作端末器(2,2A)は、ボディ(31)と、複数のハンドル(34)と、ばねブロック(33)と、を更に備える。前記ボディ(31)は、前面に、前記複数のスイッチ(22)、前記通信部(25)、前記信号処理部(23)、及び前記切替部(26)が取り付けられる。前記複数のハンドル(34)は、前記複数のスイッチ(22)の前方にそれぞれ配置され前記ボディ(31)に対して前後方向に移動可能である。前記ばねブロック(33)は、前記ボディ(31)に固定される。前記ばねブロック(33)は、複数のばね片(331,332)を含む。前記複数のばね片(331,332)は、複数の主ばね片と、複数の副ばね片と、を含む。前記複数の主ばね片は、前記複数のハンドル(34)と前記複数のスイッチ(22)との間にそれぞれ位置して前記複数のハンドル(34)を前方に付勢する。前記複数の副ばね片は、前記複数のスイッチのいずれとも重ならない。前記複数の副ばね片の各々は、前記複数の主ばね片のいずれかの隣に位置し、隣の主ばね片と同じ方向に突出する。
第7の態様によれば、スイッチの数が異なる操作端末器を製造する場合に、製造コストの低減を図ることができる。この観点からすれば、第7の態様は、通信部(25)及び切替部(26)を備えていなくてもよい。換言すれば、本発明に係る第7の態様の操作端末器(2,2A)は、複数のスイッチ(22)と、信号処理部(23)と、ボディ(31)と、複数のハンドル(34)と、ばねブロック(33)と、備える。前記信号処理部(23)は、前記複数のスイッチ(22)のいずれかのスイッチ(22)が操作されると、操作されたスイッチ(22)に対応するアドレスを含む操作信号を出力するように構成される。前記ボディ(31)は、前面に、前記複数のスイッチ(22)、及び前記信号処理部(23)が取り付けられる。前記複数のハンドル(34)は、前記複数のスイッチ(22)の前方にそれぞれ配置され前記ボディ(31)に対して前後方向に移動可能である。前記ばねブロック(33)は、前記ボディ(31)に固定される。前記ばねブロック(33)は、複数のばね片(331,332)を含む。前記複数のばね片(331,332)は、複数の主ばね片と、複数の副ばね片と、を含む。前記複数の主ばね片は、前記複数のハンドル(34)と前記複数のスイッチ(22)との間にそれぞれ位置して前記複数のハンドル(34)を前方に付勢する。前記複数の副ばね片は、前記複数のスイッチのいずれとも重ならない。前記複数の副ばね片の各々は、前記複数の主ばね片のいずれかの隣に位置し、隣の主ばね片と同じ方向に突出する。
第8の態様の操作端末器(2,2A)は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記ボディ(31)と前記ばねブロック(33)との少なくとも一方は、前記複数のハンドル(34)の各々の第1端側の第1部位(第1突起3413)がそれぞれ後面に当たる複数の第1規制部(312,313)を有する。前記ボディ(31)と前記ばねブロック(33)との少なくとも一方は、前記複数のハンドル(34)の各々の第2端端の第2部位(第2突起3414)がそれぞれ後面に当たる複数の第2規制部(339)を有する。第8の態様によれば、ハンドル(34)が一端でボディ(31)又はばねブロック(33)に固定される場合とは異なり、ハンドル(34)の前面のどの部分を押圧しても、対応するスイッチ(22)を操作できる。
第9の態様の操作端末器(2,2A)は、第7又は第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記ばねブロック(33)は、一端で、前記ボディ(31)に、前記ボディ(31)の前後方向に直交する方向の回りに、互いに異なる第1位置と第2位置との間で、回転可能に、取り付けられる。前記第1位置は、前記ばねブロック(33)を前記ボディ(31)から取り外し可能な位置である。前記第2位置は、前記ばねブロック(33)が前記ボディ(31)に対する規定位置にある位置である。第9の態様によれば、ばねブロック(33)をボディ(31)に取り付ける作業が容易になる。
第10の態様の操作端末器(2,2A)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前記操作端末器(2,2A)は、ボディ(31)と、取付枠(50)と、を更に備える。前記ボディ(31)は、前面に、前記複数のスイッチ(22)、前記通信部(25)、前記信号処理部(23)、及び前記切替部(26)が取り付けられる。前記取付枠(50)は、造営材(100)に固定され前記ボディ(31)より固い材料で形成される。前記ボディ(31)は、前記ボディ(31)をその前後方向に貫通する貫通孔(3163)と、前記前後方向に交差する規定方向の両側から突出する一対の突起(3111)と、を有する。前記取付枠(50)は、前記貫通孔(3163)に対応するねじ孔(513)と、前記一対の突起(3111)をそれぞれ支持する一対の支持部(52)と、を有する。
第10の態様によれば、造営材への取付時のボディの変形が抑制される。この観点からすれば、第10の態様は、通信部(25)及び切替部(26)を備えていなくてもよい。換言すれば、本発明に係る第10の態様の操作端末器(2,2A)は、複数のスイッチ(22)と、信号処理部(23)と、ボディ(31)と、取付枠(50)と、備える。前記信号処理部(23)は、前記複数のスイッチ(22)のいずれかのスイッチ(22)が操作されると、操作されたスイッチ(22)に対応するアドレスを含む操作信号を出力するように構成される。前記ボディ(31)は、前面に、前記複数のスイッチ(22)、及び前記信号処理部(23)が取り付けられる。前記取付枠(50)は、造営材(100)に固定され前記ボディ(31)より固い材料で形成される。前記ボディ(31)は、前記ボディ(31)をその前後方向に貫通する貫通孔(3163)と、前記前後方向に交差する規定方向の両側から突出する一対の突起(3111)と、を有する。前記取付枠(50)は、前記貫通孔(3163)に対応するねじ孔(513)と、前記一対の突起(3111)をそれぞれ支持する一対の支持部(52)と、を有する。
第11の態様の操作端末器(2,2A)は、第10の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、前記一対の支持部(52)の各々は、前記一対の突起(3111)のうちの対応するほうが挿入される空所(521)を有する。第11の態様によれば、一対の支持部(52)の空所に(521)に一対の突起(3111)を挿入するだけでボディ(31)を取付枠(50)に仮固定できるから、仮固定を容易に行える。
第12の態様の操作端末器(2,2A)は、第11の態様との組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、前記空所(521)は、第1通路(5211)と、第2通路(5212)とを有する。前記第1通路(5211)は、前記ボディ(31)の前後方向に延び、前端が開放されている。前記第2通路(5212)は、前記ボディ(31)の前後方向及び前記規定方向に交差する方向に延びる。前記第2通路(5212)は、第1端で前記第1通路(5211)に連結され、第2端が閉じている。第12の態様によれば、空所(521)が直線的な通路である場合に比べれば、取付枠(50)に仮固定されたボディ(31)が取付枠(50)から外れる可能性を低減できる。