従来から、時分割多重伝送信号を用いた遠隔監視制御システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種の遠隔監視制御システムの概略構成を図28に示す。
この遠隔監視制御システムは、伝送制御装置CUと、それぞれ2線式の信号線Lsを介して伝送制御装置CUに分岐接続された複数台(図28では2台)の操作端末器1と複数台(図28では2台)の制御端末器RUとを備える。
各操作端末器1は、それぞれ前方からの押力により押操作される押釦ハンドル部51を有する制御スイッチを少なくとも1個ずつ(図28では4個ずつ)備える。
各制御端末器RUは、それぞれ照明器具や換気扇などの負荷(図示せず)への給電路に挿入されたリレー(図示せず)を少なくとも1個ずつ有し、このリレーをオンオフ制御することによって負荷をオンオフ制御する。
各制御スイッチと各負荷(厳密には各リレー)とには、それぞれ個別のアドレスが設定されている。システム全体で使用可能なアドレスは、例えば0〜63の番号が付された64個のチャンネルに、それぞれ1〜4の番号が付された4回路ずつの計256個であって、チャンネル番号と回路番号とから例えば63−3のように表される。
伝送制御装置CUは信号線Lsに対して、図29(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。すなわち、この伝送信号Vsは信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、操作端末器1や制御端末器RUを格別に呼び出すためのアドレスデータAD、負荷を制御する制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、操作端末器1や制御端末器RUからの返信信号(監視データ)を受信するタイムスロットである信号返信機関WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、図29(b)のようなパルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。各操作端末器1及び各制御端末器RUでは、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADが予め設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返信期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返信する。
伝送制御装置CUから所望の操作端末器1や制御端末器RUにデータを送出する場合には、モードデータMDを制御モードとし、操作端末器1または制御端末器RUのアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを信号線Lsに送出すれば、アドレスデータADに一致する操作端末器1または制御端末器RUが制御データCDを受け取り、信号返信期間WTに監視データを返信する。伝送制御装置CUでは送出した制御データCDと信号返信期間WTに受信した監視データとの関係によって制御データCDが所望の操作端末器1または制御端末器RUに伝送されたことを確認する。制御端末器RUは受け取った制御データCDに従って負荷Lを制御するための負荷制御信号を出力し、操作端末器1では受け取った制御データCDに従って負荷Lの動作確認表示を行なうための表示信号を出力する。
一方、伝送制御装置CUは通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送出している(常時ポーリングという)。この場合、ある制御端末器RUに対してアクセスして、負荷状態を示す監視データの返信を要求し、これに対してアクセスされた制御端末器RUからは接続している負荷状態を監視データとして伝送制御装置CUに返信する。この返信を受け取った伝送制御装置CUはこの制御端末器RUに対応関係がある操作端末器1のアドレスをアクセスして対応する制御端末器RUに接続されている負荷4の状態を表示させるための制御データCDを伝送制御装置から伝送する。
このようにして常時ポーリングでは制御端末器RUとこの制御端末器RUに対応関係を持つ操作端末器1のアドレスをアクセスする動作をサイクリックに繰り返している。
そして常時ポーリング下で、伝送制御装置CUに対して何らかの情報を伝送しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図29(c)のような割込信号Viを発生させる。このとき、操作端末器1は割込フラグを設定して伝送制御装置CUとの以後の情報授受に備える。伝送制御装置CUでは割込信号Viを受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとしかつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出し、割込信号Viを発生した操作端末器1では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位4ビットが操作端末器1に設定されているアドレスの上位4ビットに一致するときに、信号返信期間WTにアドレスの下位4ビットを伝送制御装置CUに返信する。このように、伝送制御装置CUは割込信号Viを発生した操作端末器1を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で操作端末器1を発見することができる。
伝送制御装置CUが割込信号Viを発生した操作端末器1のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出するのであって、この伝送信号Vsに対して操作端末器1は伝送しようとする情報を信号返信期間WTに返信するのである。最後に、伝送制御装置CUは割込信号Viを発生した操作端末器1に対して割込リセットを指示する信号を送出し、操作端末器1の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器1から伝送制御装置CUへの情報伝送は、伝送制御装置CUから操作端末器1への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送制御装置CUが所望の制御端末器RUの動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視モードとした伝送信号を送出するだけでよい。
そして、いずれかの制御スイッチにおいて押釦ハンドル部51が押操作されると、操作端末器1は、押釦ハンドル部51を押操作された制御スイッチに設定されたアドレスの情報を含む監視データを伝送制御装置CUに返信し、伝送制御装置CUは、この監視データに基づいて生成した制御データCDを含む伝送信号Vsを制御端末器RUに伝送し、制御端末器RUは、伝送された伝送信号Vs中の制御データCDに応じて負荷を制御する。また、負荷を制御した制御端末器RUは、監視データを伝送制御装置CUに返信し、伝送制御装置CUは、返信された監視データを基に動作状態表示のための制御データCDを含む伝送信号Vsを生成して操作端末器1に伝送する。この伝送信号Vsによって操作端末器1では負荷の動作状態を表示する発光部を点灯・消灯させる。発光部は、例えば発光ダイオードのような発光素子(図示せず)と、透光性を有する材料からなり図30及び図31に示すように操作端末器1の前面に露出し上記の発光素子の光を前方へ出射させる導光部41とを有する。
図30や図31の操作端末器1は、制御スイッチ(押釦ハンドル部51)毎に発光部(導光部41)を2個ずつ有する。2個の発光部は、負荷がオン状態である期間には一方(例えば、図30の例では上側、図31の例では右側)の発光部を発光させ、負荷がオフ状態である期間には他方(例えば、図30の例では下側、図31の例では左側)の発光部を発光させるといったように、互いに異なる動作状態で発光する。
また、図30や図31の操作端末器1の前面には、制御スイッチのアドレスを設定するためのアドレス設定器(図示せず)からの光信号が入力される信号用窓部62bが設けられている。
特開2001−086577号公報
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、図28及び図29(a)〜(c)を用いて説明した遠隔監視制御システムにおいて信号線Lsに接続して用いられる操作端末器であって、図1〜図4に示すように、信号線Lsに接続されて伝送信号Vsの受信並びに割込信号Viや監視データの送信を行う通信部11と、それぞれ押釦スイッチからなり個別にアドレスが設定され後述する押釦ハンドル部51のうちの1個ずつとともに制御スイッチを構成する8個のスイッチ本体21(図2には1個のみ図示)と、それぞれ例えば発光ダイオードからなり1個ずつのスイッチ本体21に対応してスイッチ本体21毎に2個ずつ設けられ後述する導光部41のうちの1個ずつとともに発光部を構成し対応するスイッチ本体21に関係データによって関係付けられた負荷の動作状態を発光状態によって表示する16個の発光素子22(図2には1個のみ図示)と、通信部11に受信された伝送信号Vsやスイッチ本体21に受け付けられた操作入力に応じて通信部11と各発光素子22とをそれぞれ制御する制御部12とを備える。さらに、本実施形態は、それぞれスイッチ本体21のアドレスを設定するためのアドレス設定器(図示せず)との間で例えば赤外光を媒体とする光信号を送受信する2個の光通信部13(図2には1個のみ図示)を備える。制御部12は、各スイッチ本体21のアドレスが格納されるメモリ(図示せず)を有しており、スイッチ本体21のアドレスを指示する光信号が光通信部13に受信されたとき、該光信号に応じて、上記メモリに格納された各スイッチ本体21のアドレスを書き換える。つまり、制御部12には、光通信部13への光信号によって各スイッチ本体21のアドレスがそれぞれ設定されるのであり、光通信部13が請求項における受光部である。
通信部11と光通信部13と制御部12との各回路部品、並びに、各スイッチ本体21と各発光素子22とは、それぞれ図3に示すプリント配線板20に実装されて回路ブロック2を構成している。以下、上下方向は図3を基準とし、図3の左上−右下方向を左右方向と呼び、図3の左下−右上方向を前後方向と呼ぶ。つまり、プリント配線板20の厚さ方向は前後方向と呼ぶ。
スイッチ本体21は、上下方向に4列、左右方向に2列並べて配置されている。
各光通信部13は、それぞれ、例えば赤外光を媒体とする光信号を送信する通信用発光素子と、光信号を電気信号に変換する受光素子とが左右に並べられてなる受発光部23と、上記の通信用発光素子を駆動する駆動回路(図示せず)と、上記の受光素子の出力に対して増幅やノイズ除去といった信号処理を行う信号処理回路(図示せず)とを有する。このような光通信部13は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。また、2個の受発光部23はスイッチ本体21の下側に左右に並べて設けられており、各受発光部23はそれぞれ4個ずつのスイッチ本体21の下側に位置している。ここで、上記のアドレス設定器は、一度に4個までの制御スイッチのアドレスを設定することができる仕様であって、受発光部23に入力される光信号によって該受発光部23の上側の4個のスイッチ本体21のアドレスがそれぞれ設定されるようになっている。
ここで、各スイッチ本体21について、それぞれ、対応する2個の発光素子22はスイッチ本体21を左右から挟む配置で設けられている。また、上記の2個の発光素子22は、例えばスイッチ本体21の左側の発光素子22の光色は緑色であってスイッチ本体21の右側の発光素子22の光色は赤色といったように、光色を互いに異ならせてある。そして、制御部14は、スイッチ本体21に関係データによって関係付けられた負荷がオン状態である期間には、該スイッチ本体21に対応する発光素子22のうち右側の発光素子22を点灯させて左側の発光素子22を消灯させ、スイッチ本体21に関係データによって関係付けられた負荷がオフ状態である期間には、上記とは逆に、該スイッチ本体21に対応する発光素子22のうち右側の発光素子22を消灯させて左側の発光素子22を点灯させるように、各発光素子22をそれぞれ制御する。
通信部11及び制御部12は、それぞれ周知技術によって実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
さらに、本実施形態は、プリント配線板20を収納するハウジング3を備える。ハウジング3は、前面が開口した直方体形状のボディ31と、前後に扁平な形状であってボディ31の前面の開口を閉塞する形でボディ31に機械的に結合するカバー32とを備える。ボディ31とカバー32とはそれぞれ例えば合成樹脂成型品からなる。ボディ31の左右の壁には、それぞれ前端部に上下に並べて結合片31aが前方へ突設され、各結合片31aの後端部には、それぞれ上下に長い結合穴31bが左右に貫設されている。また、カバー32の左右の両側面には、それぞれ前後両側に開放された結合溝32aが設けられ、各結合溝32aの底面にはそれぞれ上下に長い結合爪32bが左右方向の外向きに突設されていて、各結合溝32aにそれぞれ1個ずつの結合片31aが導入されるとともに結合爪32bが結合穴31bに係入することにより、ボディ31とカバー32とは機械的に結合する。
また、ボディ31の底面の上端部には一対のねじ端子33が保持されており、各ねじ端子33にはそれぞれ後側から一対の信号線Lsのうちの一方ずつが接続され、一端が通信部11に接続された電線(図示せず)が前側から接続される。つまり、通信部11は上記電線とねじ端子33とを介して信号線Lsに接続される。各ねじ端子33は、それぞれ、ねじ穴が前後に貫設されてボディ31に例えば嵌合によって保持された端子板33aと、端子板33aとの間に信号線Lsを挟持する座金が一体化され端子板33aのねじ穴に螺合する端子ねじ33bとからなる。
さらに、カバー32は、JIS C 8304に規定された大角連用型の既成の取付枠が一体化されたような形状に形成されている。すなわち、カバー32の上下両端部には、それぞれボディ31よりも上下方向の外側に突出して壁面等の施工面(図示せず)へのハウジング3の固定に用いられる取付部32cが設けられている。各取付部32cにおいて、中央部には、それぞれ左右に長い長穴形状であって施工面に埋め込まれた埋込ボックス(図示せず)に螺合するボックスねじが挿通されるボックス穴32dが前後に貫設されている。また、各取付部32cにおいてボックス穴32dの左右両側には、それぞれ、施工面がパネル材で形成されているときにパネル材を取付部32cとの間で挟持する挟み金具(図示せず)を引掛け係止するための引掛け穴32eが前後に貫設されている。さらに、各取付部32cにおいてそれぞれボックス穴32dよりも上下方向の外側となる位置には、それぞれプレート(図示せず)を取り付けるためのねじが挿通されるプレート穴32fが前後に貫設されている。さらに、各取付部32cにおいてプレート穴32fの左右両側には、それぞれ、施工面に螺合する直付け用のねじが挿通される直付け穴32gが貫設されている。
また、カバー32には、それぞれ透光性を有し且つ弾性変形可能な合成樹脂からなる4個の導光部材4が上下に並べて保持されている。各導光部材4は、それぞれ、図5に示すように、左右に並べて4個設けられてそれぞれ1個ずつの発光素子22の前側に位置して該発光素子22の光を前方に出射させる導光部41と、厚さ方向を前後方向に向けた扁平な形状であって4個の導光部41間に架設された本体部42とを有する。各導光部材4において、それぞれ、各導光部41はそれぞれ本体部42よりも前後両側に突出しており、本体部42は各導光部41よりも上下両側に突出している。カバー32の前面には、それぞれ左右に長い長方形状であって1個ずつの導光部材4の本体部42が収納される凹部32hが、上下に並べて4個設けられている。各凹部32hの底面には、それぞれ、導光部材4の各導光部41が挿通される挿通穴32iが前後に貫設されている。さらに、各導光部材4において、それぞれ本体部42の上下両端部には、それぞれ2個ずつの係合部43が後方へ突設されている。各係合部43にはそれぞれ係合爪43aが上下方向の外向きに突設されており、各係合部43において上下方向の外側の面の係合爪43a以後の部位は、それぞれ後方へ向かって上下方向の内向きに傾斜した傾斜面となっている。また、挿通孔32iの内周面において係合部43に対応する4箇所には、それぞれ前後方向に開放された係合溝32jが設けられている。導光部材4をカバー32に取り付ける際には、図6に示すように前方から各係合爪43aをそれぞれ係合溝32jに導入するようにして、本体部42を凹部32hに押し込む。すると、各係合部43がそれぞれ上記の傾斜面を係合溝32jの内面に摺接させながら後端部を下方へ変位させるように弾性変形する。やがて各係合爪43aがそれぞれ挿通穴32iの後側の開後面よりも後側に至ると、図7に示すように各係合部43がそれぞれ弾性復帰し、各係合爪43aがそれぞれカバー32の後側に入り込む。つまり各係合部43がそれぞれカバー32(ハウジング3)に係合する。上記のように各係合部43がそれぞれカバー32に係合した状態では、カバー32の前方への導光部材4の変位は各係合部43の係合によって防止され、カバー32の後方への導光部材4の変位は凹部32hの底面への本体部42の当接によって防止されることで、導光部材4はカバー32に対して保持される。また、カバー32に対する上下左右への導光部材4の変位(がたつき)は、凹部32hの内周面への本体部42の当接と、各係合溝32jの内面への係合部43の当接によって防止される。
さらに、カバー32には、それぞれ1個ずつのスイッチ本体21の前側に位置して前方からの押力をスイッチ本体21の押釦に伝達する押釦ハンドル部51を4個ずつ有する2個の押釦ハンドル部材5が上下に並べて保持されている。各押釦ハンドル部材5は、それぞれ例えば合成樹脂のような弾性を有する材料からなり、図8に示すように、カバー32に対して固定される本体部52と、本体部52の左右にそれぞれ突設されて2個ずつの押釦ハンドル部51を本体部52に対して前後に変位可能に支持する2個のばね部53とを有する。すなわち、上側の押釦ハンドル部材5は上側2列の4個のスイッチ本体21に対応するものであり、下側の押釦ハンドル部材5は下側2列の4個のスイッチ本体21に対応するものである。
各押釦ハンドル部材5において、それぞれ本体部52の中央部には、2個の係合穴52aが上下に並べて前後に貫設されている。図9に示すように、カバー32の後面において押釦ハンドル部材5の係合穴52aに対応する位置にはそれぞれ係合凸部32kが後方へ突設されていて、各押釦ハンドル部材5は、図10に示すように、それぞれ2個の係合凸部32kが係合穴52aに挿入されて各係合凸部32kがそれぞれ本体部52に係合することにより、カバー32に対して固定されている。
また、各押釦ハンドル部材5において、それぞれ本体部52は、前方から見て左右を押釦ハンドル部51に挟まれる位置(つまり、左右に並ぶ4個の導光部のうちの、左右方向の中央の2個の導光部41に挟まれる位置)まで上下に延長されており、本体部52の後面の上下両端部には、それぞれ表示用隔壁54が後方へ突設されている。各表示用隔壁54の後端は、それぞれ導光部41の後端よりも後方に突出している。ここで、図11に矢印A1で示すように、左右方向の中央の2個の発光素子22のうちの一方の光が、前記2個の発光素子22のうちの他方の前側に位置する導光部41に入射した場合、前方から見て前記導光部41が発光して見えることにより、あたかも前記2個の発光素子22のうちの他方が発光しているかのように誤認される可能性がある。これに対し、本実施形態では、表示用隔壁54により、上記のような発光素子22の光の誤った導光部41への入射が抑制されるから、上記のような誤認が抑制される。
各押釦ハンドル部51は、前方から見て左右に長い長方形状であって前面が本体部52やばね部53の前面よりも前方へ突出する押釦本体51aと、押釦本体51aの後端部から上下両側にそれぞれ突設された鍔部51bと、押釦本体51aの後面の中央部から後方に突設されスイッチ本体21の押釦に対向する押圧部51cとを有する。すなわち、押釦本体51aの前面が押操作さればね部53が弾性変形して押釦ハンドル部51が後方へ変位すると、押圧部51cの後面によってスイッチ本体21の押釦が押圧されるようになっている。また、導光部材4には、それぞれ1個ずつの押釦ハンドル部51の押釦本体51aが後方から挿通される2個の押釦挿通穴40が前後に貫設されており、押釦本体51aは、カバー32の挿通穴32hと導光部材4の押釦挿通穴40とに挿通されて前面をハウジング3の前面よりも前方へ突出させている。また、各鍔部51bは、それぞれ導光部材4の係合部43を避けるように切欠が設けられた形状となっている。ここで、押釦本体51aの前面(すなわち押釦ハンドル部51の前面)は、左右方向の中央部が左右方向の両端部よりも後方に窪んだ曲面形状となっている。また、押釦ハンドル部51が前方からの押力を受けておらずばね部53が弾性変形していない状態では、図12に示すように、各導光部41の前面の前後位置はそれぞれ押釦ハンドル部51の前面の左右両端部の前後位置と略一致しており、すなわち各導光部41の前面はそれぞれ押釦ハンドル部51の前面よりも前方に位置している。これにより、押釦ハンドル部51よりも大きい例えば家具のような物体Mが前方から押し当てられても、その物体Mは導光部41に当接することにより後方への変位を阻止されて押釦ハンドル部51を押圧することがないから、上記のような物体Mによる誤操作が抑制される。また、押釦ハンドル部51と導光部41との対向面は、それぞれハウジング3に対する押釦ハンドル部51の変位方向である前後方向に平行な平面となっており、且つ、押釦挿通穴40を挟む各2個の導光部41の間隔は、押釦ハンドル部51の本体部51aの左右の寸法よりも僅かに大きい程度となっている。すなわち、本実施形態では、押釦ハンドル部51は上下方向では挿通穴32hの内面に挟まれて左右方向では導光部41に挟まれることにより、押釦ハンドル部51がハウジング3に対して前後にスライド可能にガイドされているのであり、例えば押操作されていないときの押釦ハンドル部51の前端よりも導光部41の前端を後方に位置させる場合に比べ、押釦ハンドル部51のがたつきが抑制されている。
また、カバー32の下端部には、それぞれ左右に長い長方形状の3個の窓穴32lが左右に並べて前後に貫設されている。中央の窓穴32lはカバー32の左右方向の中央に位置し、左右の窓穴32lはそれぞれ上下に並んだ4個ずつの押釦ハンドル部51の下側に位置する。左側の受発光部23は左側の窓穴32lの後側に位置しており、右側の受発光部23は右側の窓穴32lの後側に位置していて、各受発光部23にはそれぞれ前側に設けられた1個の窓穴32lを通じて光信号が入射する。すなわち、左右両端の2個の窓穴32lがそれぞれ請求項における信号用窓部である。
また、ハウジング3の前側には、前方から見てボックス穴32dの上下位置までを覆う長方形状の化粧カバー6を着脱自在に取り付けることができる。化粧カバー6は、カバー32の前側に被着されるカバー本体61と、前方から見てカバー本体61を覆う形でカバー本体61の前側に着脱自在に結合する表カバー62とからなる。カバー本体61と表カバー62とはそれぞれ例えば合成樹脂成型品からなる。カバー32に対するカバー本体61の結合や、カバー本体61に対する表カバー62の結合は、例えば凹凸係合のような周知技術によって実現可能である。
化粧カバー6について詳しく説明すると、カバー本体61には、それぞれカバー32の挿通穴32iのうちの1個ずつに連通する長方形状の4個の挿通穴61aが上下に並べて前後に貫設されるとともに、下端の挿通穴61aの下側にはそれぞれカバー32の窓穴32lのうちの1個ずつに連通する長方形状の3個の窓穴61bが左右に並べて前後に貫設されている。表カバー62には、それぞれカバー本体61の挿通穴61aのうちの1個ずつに連通し1個の制御スイッチに対応する1個の押釦ハンドル部51の本体部51aと2個の導光部41とがそれぞれ挿通される長方形状の8個の挿通穴62aが、上下方向に4列、左右方向に2列並べて、前後に貫設されている。すなわち、化粧カバー6がハウジング3に取り付けられた状態では、各押釦ハンドル部51と各導光部41とは、それぞれカバー本体61の挿通穴61aと表カバー62の挿通穴62aとを通じて化粧カバー6の前面よりも前方へ突出する。また、表カバー62においてカバー本体61の左右両端の窓穴61bの前側となる2箇所には、それぞれ受発光部23に入出力される光信号を通過させるように透明な材料で構成された信号用窓部62bが設けられている。アドレス設定器によるアドレスの設定は、アドレス設定器が有する光通信部(図示せず)を、表カバー62の信号用窓部62bのうちアドレスを設定すべきスイッチ本体21(制御スイッチ)に応じた一方の信号用窓部62bに押し付けて行われる。
さらに、化粧カバー6には、それぞれスイッチ本体21に関係データにより関係付けられた負荷(つまり、制御の対象となる負荷)の情報が記入される長方形のシート状のネームカード7が保持される。ネームカード7は例えば紙からなり、本実施形態では左右に並ぶ2個のスイッチ本体21で1枚のネームカード7を共用として最大4枚までのネームカード7を使用可能となっている。詳しく説明すると、カバー本体61の前面において各挿通穴61aの上側にはそれぞれ左方に開放されたカード用凹部61cが設けられており、各ネームカード7はそれぞれカード用凹部61cに収納され、各カード用凹部61cが表カバー62によって閉塞されることで各ネームカード7はそれぞれ化粧カバー6に保持される。また、表カバー62においてカード用凹部61cの前側となる4箇所にはそれぞれ透明な材料で構成された長方形状のカード用窓部62cが設けられており、化粧カバー6に保持された各ネームカード7はそれぞれカード用窓部62cを通じて視認可能となっている。さらに、各カード用凹部61cの底面の左端部には、それぞれ前後に解放された半円形状の切欠61dが設けられており、カード用凹部61cに収納されたネームカード7をカード用凹部61cから取り出す際には、ネームカード7において切欠61dから後方に露出した左端部に指をかけることで、ネームカード7を容易にカード用凹部61cから取り出すことができる。
ここで、図9に示すように、各窓穴32lの後側の開口の周囲には、それぞれ信号用隔壁32mが後方へ突設されている。
上記構成によれば、信号用隔壁32mにより、例えば左側の窓穴32lから入射した光信号が右側の受発光部23に入射してしまうといった誤受信が防止される。
また、スイッチ本体21と押釦ハンドル部51とが、それぞれ、上下方向に4列並べ、左右方向に2列並べて設けられていることにより、スイッチ本体21や押釦ハンドル部51を上下に直線状に8個並べて設ける場合に比べ、押釦ハンドル部51間の間隔を大きくとって誤操作を抑制することができる。
さらに、4個の押釦ハンドル部51が設けられた押釦ハンドル部材5を用いていることにより、各押釦ハンドル部51をそれぞれ個別の部品に構成する場合に比べて部品点数が減少して製造コストの低減が可能となっている。本実施形態では上記のように4個の押釦ハンドル部51が設けられた押釦ハンドル部材5を2個用いたが、図13及び図14に示すように8個の押釦ハンドル部51が設けられた押釦ハンドル部材5を1個用いるようにすれば、さらに部品点数が減少し製造コストのさらなる低減が可能となる。
また、カバー32と化粧カバー6のカバー本体61とにおいてそれぞれ左右に並ぶ押釦ハンドル部51が挿通される挿通穴32i,61aが連続していて、左右に並ぶ押釦ハンドル部51に対応する4個の導光部41が互いに共通の導光部材4に設けられていることにより、本実施形態のハウジング3と化粧カバー6のカバー本体61とは、それぞれ、図15〜図20に示すように制御スイッチ(すなわちスイッチ本体21と押釦ハンドル部51との組)を上下に並べて4個有する操作端末器1と共用可能となっている。図15〜20の例では、それぞれ1個の押釦ハンドル部51からなる4個の押釦ハンドル部材5と、それぞれ2個の導光部41と導光部41間に設けられた1個の押釦挿通穴40とを有する4個の導光部材4とが用いられている。本実施形態と図15〜図20の例とのいずれにおいても、カバー32の挿通穴32iは導光部材4と押釦ハンドル部材5とで閉塞される。
なお、各ネームカード7をそれぞれ化粧カバー6に保持する代わりに、図21〜図23に示すようにそれぞれネームカード7を保持する4個のネームカード保持部32nをハウジング3に設けたり、図24〜図27に示すように各導光部材4にそれぞれネームカード7を保持するネームカード保持部44を設けてもよい。詳しく説明すると、図21〜図23の例と図24〜図27の例とでは、それぞれ、化粧カバー6のカバー本体61においてカード用凹部61cが設けられる代わりに挿通穴61aが導光部41と押釦ハンドル部51とだけではなくネームカード7とネームカード保持部32n,44とをも挿通可能な寸法形状とされ、カバー32の前面において各挿通穴32iの上側となる4箇所にはそれぞれネームカード7の後面に当接する直方体形状の台座凸部32oが前方へ突設されている。さらに、各ネームカード保持部32n,44は、それぞれ、ネームカード7を支持するとともにネームカード7の左右方向への変位を制限する断面上向きコ字形状の支持部32p,44aと、支持部32p,44aの左右両端部にそれぞれ設けられて後面がカバー32の台座凸部32oの前面よりも前方に位置してネームカード7の前方への変位を制限する前壁32q,44bとからなる。すなわち、図23及び図27に矢印A2で示すようにカバー32の台座凸部32oとネームカード保持部32n,44の前壁32q,44aとの間に上方からネームカード7を導入することで、ネームカード7をハウジング3に対して保持させることができる。上記のようにネームカード保持部32n,44をハウジング3や導光部材44に設けて各ネームカード7をそれぞれハウジング3に対して保持させれば、化粧カバー6に各ネームカード7をそれぞれ保持させる場合に比べ、化粧カバー6の着脱時にネームカード7の位置ずれが発生しにくい。