JP6269821B2 - 透過性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重金属イオンの透過性評価方法に関する。詳細には、本発明は、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価可能な透過性評価方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC等の高機能化・高速化に伴い、それらに用いられる半導体パッケージは、更なる小型化、高容量化、高速化、薄型化が求められている。そのため、半導体パッケージで使用されるウェハにおいて、更なる配線の微細化が進行し、また、パッケージ組立ての際にもチップは更に薄くなる傾向となっている。
このような流れの中、近年、特にDRAM及びNAND型フラッシュメモリの分野において、極微量の銅イオン等の重金属イオンにより、動作不具合が発生する問題が顕在化し始めている。
重金属イオンがシリコン結晶に接すると、結晶内を拡散し、回路面まで達する結果、動作不具合が発生することが昔から知られている。そこで、シリコンウェハに付いた重金属イオンが回路面まで拡散しないよう、シリコンウェハに重金属イオンを捕捉するためのゲッタリング処理を行うことが一般的である。
ゲッタリング処理としては、例えば、ウェハ内部にゲッタリング層を設ける方法(イントリンシックゲッタリング、以下「IG」という)、及び、ウェハ裏面にゲッタリング層を設ける方法(エキストリンシックゲッタリング、以下「EG」という)が主に用いられている。しかしながら、近年の薄チップ化により、内部に形成できるゲッタリング層の厚みは小さくなっており、その効果は充分なものとは言えなくなってきている。また、EGでは、ウェハ裏面に微小なクラックを形成させるため、チップの抗折強度が低下してしまう。そのため、特にハンドリングが難しい極薄ウェハでは、過度のゲッタリング処理を行い難いという問題が生じてきている。このような状況の中、チップ−基板間又はチップ−チップ間の接着に用いられるダイボンディグフィルムに、ゲッタリング機能を付与することが近年検討されている(例えば、下記特許文献1,2参照)
しかしながら、このような材料によってゲッタリング機能が付与されることを判断する場合、配線層が形成された基板、又は、回路が形成されたウェハを用いて実際にパッケージを作製した後に評価する必要がある。この場合、多額の費用、長期の時間、装置等が必要となる問題がある。
このような中、半導体用材料がゲッタリング能力を有しているか否かを判断するための新しい評価方法が検討されている。例えば、下記特許文献3では、シリコンウェハの一方面を重金属で汚染し、加熱により重金属を拡散し、汚染した前記一方面に評価対象のフィルムを貼り付け、擬似リフロー条件にて熱処理後、シリコンウェハの他方面(非汚染面)の重金属イオンの量を測定する手法が示されている。また、下記特許文献4では、シリコンウェハの一方面に評価対象のフィルムを貼り付け、フィルム表面を重金属で汚染後、擬似リフロー条件にて熱処理し、シリコンウェハの他方面(フィルムを貼り付けていない面)の重金属イオンの量を測定する手法が示されている。
特開2011−213878号公報 特開2012−241157号公報 特開2012−216621号公報 特開2012−216622号公報
いずれの手法も、評価対象が重金属を優先的にゲッタリングする能力、又は、評価対象が重金属の透過を抑制する能力を直接確認する手法として優れていると思われる。しかしながら、いずれの手法も、シリコンウェハ中の重金属を定量する際に極めて危険性の高いふっ酸を用いており、また、クリーン度の高い環境が必要である。さらに、評価に至る作業が煩雑であるため、一時的な評価方法としては有効であるものの、例えば製品出荷時の製品検査等の定常的な評価方法としては不向きである。
また、上記特許文献2では、評価対象となるフィルムの重金属イオンの吸着量に基づき評価している。しかしながら、この場合、評価方法としては簡便であるものの、例えば、汚染されている基板における重金属イオンの透過性の評価方法としては不向きであり、また、錯体形成して生じる重金属錯体のフィルム中での移動現象等の影響は考慮されていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価可能な透過性評価方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法として、重金属イオンを含有する第1の液と、水及び有機溶媒を含有する第2の液とが試験片を介して隔てられた状態で、前記第1の液側に設けられた陽極と、前記第2の液側に設けられた陰極との間に電圧を印加する特定の評価方法によって、上述課題を解決し得ることを見出した。
本発明の第1実施形態に係る透過性評価方法は、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法であって、重金属イオンを含有する第1の液と、水及び有機溶媒を含有する第2の液とが試験片を介して隔てられた状態で、前記第1の液側に設けられた陽極と、前記第2の液側に設けられた陰極との間に電圧を印加して前記陽極と前記陰極との間に流れる電流値を測定する工程を備え、前記試験片が、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有し、前記第1の液の銅イオン濃度が0.5mg/kg(=ppm)以上である。
本発明の第2実施形態に係る透過性評価方法は、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法であって、重金属イオンを含有する第1の液と、水及び有機溶媒を含有する第2の液とが試験片を介して隔てられた状態で、前記第1の液側に設けられた陽極と、前記第2の液側に設けられた陰極との間に電圧を印加した後に前記第2の液の重金属イオン濃度を測定する工程を備え、前記試験片が、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有し、前記第1の液の銅イオン濃度が0.5mg/kg(=ppm)以上である。
本発明に係る透過性評価方法によれば、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価できる。本発明に係る透過性評価方法によれば、特別な装置を使わずとも重金属イオンの透過性を簡便且つ短時間で評価できる。また、本発明に係る透過性評価方法は、製品検査等の定常的な評価に適用できる。さらに、本発明に係る透過性評価方法によれば、重金属イオンに対するゲッタリング性、及び、重金属イオンの透過性を同時に評価できる。
前記第2の液は、前記有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを含有することが好ましい。前記第2の液のN−メチル−2−ピロリドンの含有量は、20質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
前記第2の液の導電率は、23℃において1μS以上であることが好ましい。
前記第1の液は、前記重金属イオンとして銅イオンを含有していてもよい。前記第1の液の銅イオン濃度は、50000mg/kg以下であることが好ましい。
前記半導体製造に用いられる絶縁材料は、半導体用接着テープであってもよい。
本発明によれば、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価できる透過性評価方法を提供することができる。本発明に係る透過性評価方法によれば、特別な装置を使わずとも重金属イオンの透過性を簡便且つ短時間で評価できる。また、本発明に係る透過性評価方法は、製品検査等の定常的な評価に適用できる。さらに、本発明に係る透過性評価方法によれば、重金属イオンに対するゲッタリング性、及び、重金属イオンの透過性を同時に評価できる。
重金属イオンの透過性の評価に用いられるセルの一例を示す模式図である。 重金属イオンの透過性の評価に用いられる測定装置の一例を示す模式図である。 重金属イオンの透過性の評価に用いられる測定装置の一例を示す模式図である。 実施例1の電流値の測定結果を示す図である。 実施例5の銅イオン濃度の測定結果を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る透過性評価方法(以下、場合により、単に「評価方法」という)は、半導体製造に用いられる絶縁材料(半導体用絶縁材料)を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法である。本実施形態に係る評価方法は、A液(第1の液)とB液(第2の液)とが試験片を介して隔てられた状態で、A液側に設けられた陽極と、B液側に設けられた陰極との間に電圧を印加する。A液は、重金属イオンを含有する。B液は、水及び有機溶媒を含有する。A液の重金属イオン濃度は0.5mg/kg以上である。
本実施形態に係る評価方法は、(I)A液とB液とが試験片を介して隔てられた状態で、A液側に設けられた陽極と、B液側に設けられた陰極との間に電圧を印加して陽極と陰極との間に流れる電流値を測定する工程、又は、(II)A液とB液とが試験片を介して隔てられた状態で、A液側に設けられた陽極と、B液側に設けられた陰極との間に電圧を印加した後にB液の重金属イオン濃度を測定する工程を備えている。工程(I)では、陽極と陰極との間に流れる電流値に基づき、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する。工程(II)では、B液の重金属イオン濃度に基づき、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する。
試験片は、絶縁材料を含有し絶縁性を有していれば特に制限はない。試験片の形状としては、例えば、フィルム状及びシート状が挙げられる。常温(23℃)において液状である絶縁材料は、熱、光線、電子線等により硬化して固形化する材料であれば用いることができる。半導体製造に用いられる絶縁材料としては、例えば、チップ−チップ間又はチップ−基板間の接着に用いられる接着フィルム及び接着ペースト;フリップチップ接続に用いられるNon−Conductive Film及びNon−Conductive Paste;アンダーフィル材;基板表面の保護材に用いられるソルダーレジスト;チップ回路面の保護に用いられるバッファーコート材が挙げられる。これらのうち、チップ−チップ間又はチップ−基板間の接着に用いられる接着フィルム等の半導体用接着テープ(半導体用接着フィルム)を用いる場合、透過性を更に好適に評価することができる。半導体製造に用いられる絶縁材料は、例えば、樹脂(エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂等)、無機フィラー(シリカフィラー、アルミナフィラー、酸化チタンフィラー、カーボンフィラー等)、シランカップリング材、硬貨促進剤、アクリル単量体、メタクリル単量体及びビニル化合物から選ばれる少なくとも1種を含有している。
本実施形態に係る評価方法では、例えば、試験片を介して隔てられた二つのセルを用いる。セルの材質、大きさ等には制限はない。セルの材質としては、例えば、各種ガラス、各種金属及び各種樹脂が挙げられる。その中でも、各種ガラス又は各種樹脂を用いたセルは、材料自体に含有される金属不純物の影響がないため好ましい。ガラスは、樹脂よりも硬いためセルが変形しにくく、且つ、透明であるため測定中の電極の様子及び各液の様子が観察しやすいため好ましい。ここで、セル(例えば、ガラスセル等の透過セル)の容積(保持可能な液量)は、特に制限はないが、セルの作製しやすさ、及び、測定後の廃液処理の手間を考慮すると、10ml以上1000ml以下が好ましい。
測定装置は、測定対象物である試験片を介して隔てられた二つのセルを備える。各セルの形状は、一方のセル中に満たされたA液と測定対象物が直接接触すると共に、他方のセル中に満たされたB液と測定対象物が直接接触し、且つ、A液とB液とが混ざり合わないような形状であれば特に制限はない。A液を保持するセルと、B液を保持するセルとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
図1は、重金属イオンの透過性の評価に用いられるセルの一例を示す模式図である。図1に示すように、セル10は、セル本体12と、開口部(サンプリング口、電極挿入口)14と、フランジ部(試験片接触部、試験片装着部)16とを有している。セル本体12は、液体を保持可能な内部空間を有している。開口部14は、管状であり、セル本体12の上部に配置されている。セル本体12の内部空間は、開口部14を介して外部と連通している。フランジ部16は、管状(例えば円環状)であり、セル本体12の側部に配置されている。セル本体12の内部空間は、フランジ部16を介して外部と連通している。
図2は、重金属イオンの透過性の評価に用いられる測定装置の一例として、電流値に基づき透過性を評価するために用いられる測定装置を示す模式図である。図2(a)は、測定装置の全体を示す図である。図2(b)は、セル同士の接続部Cを拡大して示す図である。図2(c)は、図2(b)のIIc−IIc線に沿った模式断面図である。測定装置100は、図2(a)に示すように、第1のセル10aと、第2のセル10bと、直流電源20と、電流計30とを備えている。
セル10a,10bは、図1のセル10と同様の構成を有しており、例えば透過セルである。セル10aは、セル本体12aと、開口部14aと、フランジ部16aとを有している。セル10bは、セル本体12bと、開口部14bと、フランジ部16bとを有している。セル本体12aの内部空間には、液体Aが保持されている。セル本体12bの内部空間には、液体Bが保持されている。
図2(b)に示すように、セル10aのフランジ部16a、及び、セル10bのフランジ部16bは、第1のパッキン50a、試験片40及び第2のパッキン50bを介して互いに接続されている。試験片40は、例えば、円状であり、第1の主面40aと、当該主面40aと対向する第2の主面40bとを有している。
パッキン50aは、環状(例えば円環状)であり、フランジ部16aに接触している。パッキン50bは、環状(例えば円環状)であり、フランジ部16bに接触している。試験片40は、パッキン50a及びパッキン50bの間に配置されている。試験片40の主面40aは、パッキン50aに接触している。試験片40の主面40bは、パッキン50bに接触している。
図2(c)に示すように、フランジ部16a,16b、試験片40、パッキン50a,50bの中心軸が一致するようにこれらの部材が配置されている。例えば、各セルの容積が50ml、セル底面の直径が4.5cm、セルの高さが4.5cmの場合、パッキン50a,50bの内径Dは、0.5〜2.0cmである。フランジ部16a,16bの内径は、例えば、0.5〜2.5cmである。パッキン50a,50bの外径は、例えば内径D+0.2cm〜内径D+1.0cmである。試験片40の直径は、例えば内径D+0.2cm〜内径D+2.0cmである。試験片40の厚さは、例えば0.0005〜0.02cm(5〜200μm)である。
セル10aに保持された液体Aは、フランジ部16aにおいて試験片40の主面40aに接触している。セル10bに保持された液体Bは、フランジ部16bにおいて試験片40の主面40bに接触している。液体A及び液体Bは、試験片40を介して隔てられている。
セル10aの内部空間には、開口部14aを通して陽極60aが挿入されている。陽極60aの下端側(一端側)は、セル10aの内部空間において液Aに浸漬されることにより液Aに接している。陽極60aの上端側(他端側)は、開口部14aの外部に位置している。陽極60aの上端には、クリップ62aが取り付けられている。クリップ62aは、導電性を有している。
セル10bの内部空間には、開口部14bを通して陰極60bが挿入されている。陰極60bの下端側(一端側)は、セル10bの内部空間において液Bに浸漬されることにより液Bに接している。陰極60bの上端側(他端側)は、開口部14bの外部に位置している。陰極60bの上端には、クリップ62bが取り付けられている。クリップ62bは、導電性を有している。
直流電源20の陽極側は、電気配線70aを介してクリップ62aに接続されている。直流電源20の陰極側は、電気配線70bを介して電流計30に接続されている。直流電源20と電流計30とは、直列接続されている。電流計30は、電気配線70cを介してクリップ62bに接続されている。
図3は、重金属イオンの透過性の評価に用いられる測定装置の一例として、重金属イオン濃度に基づき透過性を評価するために用いられる測定装置を示す模式図である。図3(a)は、測定装置の全体を示す図である。図3(b)は、セル同士の接続部Cを拡大して示す図である。図3(b)のIIIc−IIIc線に沿った模式断面図である。測定装置200は、電流計30を備えていない点、及び、直流電源20とクリップ62bとが電気配線70dを介して直接接続されている点を除き、測定装置100と同様の構成を有している。
A液は、重金属イオンを含む重金属塩(イオン性化合物)と溶媒とを混合し重金属塩を溶媒に溶解して得られる溶液が好ましい。重金属イオン(陽イオン)を含有するA液が陽極側のセルに保持されていることで、陽極と陰極との間に電圧を印加することにより、A液に含まれる重金属イオンが、測定対象となる試験片内を透過して陰極側のセルへ移動する。これにより、重金属イオンの試験片に対する透過性を測定することができる。
A液に含まれる重金属イオンとしては、特に制限はないが、例えば、鉄イオン、鉛イオン、金イオン、白金イオン、銀イオン、銅イオン、クロムイオン、カドミウムイオン、水銀イオン、亜鉛イオン、砒素イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、タングステンイオン、スズイオン及びビスマスイオンが挙げられる。これらの中でも、特に、半導体製造に用いられる絶縁材料の透過性に更に優れる観点から、銅イオンが好ましい。重金属塩としては、例えば、塩化物塩、硫酸塩、酢酸塩、ヨウ化物塩及び硝酸塩が挙げられる。重金属塩は、溶媒(例えば水)に溶解しやすい(例えば、23℃の水への溶解度が0.5mg/kg以上)ことがより好ましい。このような可溶性の銅金属塩としては、例えば、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(I)、硫酸銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ヨウ化銅(I)及び硝酸銅(II)等が挙げられる。
A液は水溶液であることが好ましい。水溶液であることで、様々な重金属塩を用いることができると共に、様々な濃度に調整することができる。なお、A液の溶媒としては、測定に用いる試験片が溶解しない限り、水、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、及び、これらの混合物を使用することができる。
A液の重金属イオン濃度(例えば銅イオン濃度)は、0.5mg/kg以上である。これにより、充分量の重金属イオン(例えば銅イオン)が存在するため、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価できる。A液の重金属イオン濃度(例えば銅イオン濃度)は、試験片に対する重金属イオン(例えば銅イオン)の透過が電流値の変化及び重金属イオンの定量分析によって容易に検出される観点から、下記の濃度が好ましい。重金属イオン濃度は、充分量の重金属イオン(例えば銅イオン)が存在するため重金属イオンの透過性を評価しやすい観点から、5mg/kg以上が好ましい。重金属イオン濃度は、測定中に一部の重金属が析出することが抑制されると共に、透過量が過剰に多くなることを抑制し透過性の有意差を判断しやすい観点から、50000mg/kg以下が好ましく、5000mg/kg以下がより好ましい。なお、A液の前記重金属イオン濃度は、例えば、陽極と陰極との間に電圧を印加する前の濃度である。重金属塩(例えば銅金属塩)を用いる場合、重金属イオン濃度(例えば銅イオン濃度)が重金属換算(例えば銅元素換算)で上記範囲に調整されることが好ましい。
B液は、重金属イオン(例えば重金属塩)を含有していないことが好ましい。B液が含有する有機溶媒は、水との混和性に優れる(例えば水と完全に混和する)有機溶媒が好ましい。水と、水との混和性に優れる(例えば水と完全に混和する)有機溶媒との混合溶液を用いることで、重金属イオンの透過性を更に迅速に測定することができる。水との混和性に優れる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。これらの中でも、沸点が高く、混合溶液の可燃性が低い観点から、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。なお、B液としては、測定に用いる試験片が溶解しない限り、水、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、及び、これらの混合物を使用することができる。
有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)の含有量(混合割合)は、重金属イオンが透過するために必要な時間を短縮する観点から、B液の全量を基準として、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)の含有量は、透過速度が速すぎることを抑制して透過性の有意差が判断しやすい観点、及び、試験片が溶解することが抑制されやすい観点から、B液の全量を基準として、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
B液の導電率は、23℃において1μS以上が好ましく、200μS以上がより好ましい。このようにB液がわずかに導電率を有することで、重金属イオンの透過に要する時間が短くなり更に迅速に評価することができる。B液の導電率の上限値は特に制限はない。B液の導電率は、例えば、株式会社マザーツール製のSDデータロガマルチ水質測定器CD−4307SDを用いて測定することができる。
B液の導電率を1μS以上に調整する手法としては、水中でイオン化する化合物を少量添加することが挙げられる。このような化合物としては、例えば、軽金属塩、無機塩(例えば硫酸ナトリウム)、酸及びアルカリが挙げられる。その中でも、試験片に化学的変化を生じることが抑制されやすい観点から、軽金属塩及び無機塩(例えば硫酸ナトリウム)が好ましい。
各セルに挿入される電極(陽極及び陰極)について説明する。電極の材料としては、導電体であればよく、電極として市販されている材料に限らず、様々な材料を使用することができる。また、市販された電極でなくてもよく、電極としては、例えば、金属板を任意形状に加工したものを用いてもよく、鉛筆及びシャープペンシル等の芯をそのまま用いることもできる。電極としては、例えば、白金、金、パラジウム等の金属電極;カーボン電極(カーボン材料の電極)が挙げられる。その中でも、安価である観点から、カーボン電極が好ましい。
次に、直流電源について説明する。電圧印加に用いる直流電源としては、特に制限はなく、市販の装置を使用できる。直流電源における出力可能な電圧は、重金属イオンの透過に要する時間が短くなり更に迅速に評価することができる観点から、1V以上が好ましい。
測定時に陽極と陰極との間に印加する電圧は、試験片、重金属イオン、A液及びB液の種類に応じて異なるが、例えば、厚さ20μmの試験片(例えば半導体用接着テープ)を用い、A液に硫酸銅水溶液、B液に水:N−メチル−2−ピロリドン:硫酸ナトリウムの質量比50:50:0.05の溶液を用いる場合、6〜24V程度を電極に印加することで更に迅速に測定できる。
本実施形態に係る評価方法においては、陽極と陰極との間に電圧を印加し、試験片に対する重金属イオンの透過現象を検出して、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する。試験片に対する重金属イオンの透過現象を検出する方法としては、例えば、陽極と陰極との間に電圧を印加した後、陽極と陰極との間に流れる電流値を測定する方法、及び、陽極と陰極との間に電圧を印加した後、B液の重金属イオン濃度を定量する方法を使用できる。
陽極と陰極との間に流れる電流値を測定する方法において、陽極と陰極との間に電圧を印加し、重金属イオンが試験片を透過してA液からB液へ移動すると、試験片で仕切られたA液及びB液の間にわずかな電流が流れ始め、徐々に電流値が増加する。電流値の変化(例えば、所定の電流値に達するまでの所要時間、所定時間後の電流値)を確認することで、透過性の違いを評価することができる。例えば、測定対象の試験片を用いた場合において所定の電流値に達するまでの所要時間と、比較対象の試験片を用いた場合において所定の電流値に達するまでの所要時間とをそれぞれ取得し、所要時間を互いに比較することで透過性を評価することができる。例えば、所定の電流値に達するまでの所要時間が短い方が、透過性が高いと評価することができる。
電流値を測定する方法を用いる場合、用いる電流計の種類としては、特に制限はないが、例えば、検出下限が1μA以上の電流計を用いることで、再現性よく重金属イオンの透過性を評価することができる。
B液の重金属イオン濃度を定量する方法において、陽極と陰極との間に電圧を印加すると、重金属イオンが試験片を透過してA液からB液へ移動し、徐々にB液の重金属イオン濃度が増加する。重金属イオン濃度の変化(例えば、所定の重金属イオン濃度に達するまでの所要時間、所定時間後の重金属イオン濃度)を確認することで、透過性の違いを評価することができる。例えば、測定対象の試験片を用いた場合において所定の重金属イオン濃度に達するまでの所要時間と、比較対象の試験片を用いた場合において所定の重金属イオン濃度に達するまでの所要時間とをそれぞれ取得し、所要時間を互いに比較することで透過性を評価することができる。例えば、所定の重金属イオン濃度に達するまでの所要時間が短い方が、透過性が高いと評価することができる。
B液中に含まれる重金属イオン濃度を定量する手法としては、特に制限はないが、例えば、イオンクロマトグラフ法又はバソクプロイン法を用いた比色分析等が簡便な手法として用いられる。
本実施形態に係る透過性評価方法は、半導体の製造方法において用いられてもよい。例えば、本実施形態に係る半導体の製造方法は、半導体製造に用いられる絶縁材料を用いて半導体を製造する工程と、本実施形態に係る透過性評価方法により、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有する試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する工程と、を備える。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記述が無い限り、薬品は全て試薬を使用した。
[ダイ接着用接着フィルムAの作製]
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)55質量部と、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製、商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)45質量部と、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー株式会社製、商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部及びNUCA−1160(日本ユニカー株式会社製、商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部と、フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基等の有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル株式会社製、商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部とからなる組成物にシクロヘキサノンを加えて攪拌混合した後、ビーズミルを用いて90分混練した。
次に、グリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名、重量平均分子量80万)280質量部、及び、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.5質量部を加えた後、攪拌混合した。さらに、真空脱気することによりワニスを得た。
厚さ35μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にワニスを塗布した後に140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態の塗膜を形成することにより、キャリアフィルムを備えたダイボンディングフィルム(ダイ接着用接着フィルムA、以下「接着フィルムA」という)を作製した。
[ダイ接着用接着フィルムBの作製]
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)15質量部と、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製、商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)12質量部と、フィラーとして球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:SO−25R、平均粒径0.5μm)200質量部と、シクロヘキサノンとを加えて攪拌混合した後、ビーズミルを用いて90分混練した。
次に、グリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名、重量平均分子量80万)200質量部、及び、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.2質量部を加えた後、攪拌混合した。さらに、真空脱気することによりワニスを得た。
厚さ35μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にワニスを塗布した後、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態の塗膜を形成することにより、キャリアフィルムを備えたダイボンディングフィルム(ダイ接着用接着フィルムB、以下「接着フィルムB」という)を作製した。
[接着フィルム付きダイにおけるシリコン表面への銅汚染性評価]
ポリアクリル酸水溶液(Nv=25%、粘度8000〜12000mPa・s)、硫酸銅水溶液(銅元素換算500mg/kg)及び蒸留水を適宜混合し、Nv=1%、銅イオン含有量5000mg/kg(対固形分)となる銅イオン含有ポリアクリル酸水溶液を調製した。この水溶液をカバーガラス上にキャストした。そして、ホットプレート上にて100℃10分乾燥した後に175℃10分乾燥することにより、銅イオンで汚染されたガラス基板を作製した。
裏面がドライポリッシュされた厚み30μmのシリコンウェハを10mm×10mmサイズにダイシングしてシリコンダイを作製した。次に、上記で作製した接着フィルムA,Bをキャリアフィルムごと10mm×10mmにカットした。そして、キャリアフィルムを剥がし、シリコンダイの裏面側に接着フィルムA,Bを80℃にてラミネートしてシリコンダイを得た。
次に、接着フィルムがラミネートされたシリコンダイを、銅イオンで汚染されたガラス基板上に150℃、40N、5秒間ダイアタッチしてサンプル1を作製した。
ガラス基板−接着フィルム付きシリコンダイサンプル(サンプル1)を150℃で1時間、次いで、175℃で3時間、更に、簡易リフロー条件として265℃1時間キュアしてサンプル2を作製した。
キュア終了後、N−メチル−2−ピロリドンを染み込ませた綿棒を使ってシリコンウェハ表面を軽く拭いた。次に、アセトンを染み込ませた綿棒を用いて更にクリーニングした後、室温で風乾した。
サンプル1及びサンプル2のシリコン側表面を、飛行時間型二次イオン質量分析法(一次イオン:Au、中和銃併用、測定領域:400μm□)を用いて5箇所測定した。正イオンマススペクトルにおける銅イオン強度と、基板表面のシリコン部の強度とから、シリコン表面に存在する銅の強度比(Cu/Si強度比、5箇所の平均値)を求めた。また、強度比の変化率として、サンプル1の強度比に対するサンプル2の強度比の変化率(サンプル2の強度比/サンプル1の強度比、Cu/Si強度変化率)を求めた。結果を下記表1に示す。
Figure 0006269821
この結果から、接着フィルムBは接着フィルムAよりも、基板表面に存在する銅イオンを透過しやすい傾向にあることが分かる。次に、この結果を元に、試験片に対する重金属イオンの透過性を評価した。
<実験A:電流値に基づく評価>
(実施例1)
[A液の調製]
無水硫酸銅(II)2.0gを蒸留水1020gに溶解し、完全に硫酸銅が溶解するまでよく撹拌することにより、銅イオン濃度がCu元素換算で濃度500mg/kgとなるように調整した硫酸銅水溶液を調製した。この水溶液をA液として用いた。
[B液の調製]
無水硫酸ナトリウム1.0gを蒸留水1000gに溶解し、完全に硫酸ナトリウムが溶解するまでよく撹拌した。これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1000g加え、よくかき混ぜた。その後、室温になるまで空冷して溶液を得た。この溶液をB液として用いた。
株式会社マザーツール製のSDデータロガマルチ水質測定器CD−4307SDを用いてB液の導電率(23℃)を測定したところ、210μSであった。
[透過実験]
上記で作製した接着フィルムA(厚さ20μm)を、直径約3cmの円状に切り抜いた。次に、厚さ1.5mm、外径約3cm、内径1.8cmのシリコンパッキンシートを2枚作製した。接着フィルムAを2枚のシリコンパッキンシートで挟んだ。シリコンパッキンシートで挟んだ接着フィルムAを容積50mlの2つのガラス製セル(図1の構成を有するセル)のフランジ部で挟み、ゴムバンドで固定した。
次に、一方のガラス製セルにA液を50g注入した後、他方のガラス製セルにB液を50g注入した。各セルにカーボン電極としてSTAEDTLER製Mars Carbon(φ2mm/130mm)を挿入した。A液側を陽極、B液側を陰極として、陽極と、直流電源(株式会社エーアンドディ製、直流電源装置AD−9723D)とを接続した。また、陰極と、直流電源とを、電流計(三和電気計器株式会社製、Degital multimeter PC−720M)を介して直列に接続した。印加電圧24.0Vにて電圧を印加し、印加後より電流値の計測を開始した。この状態で室温下48時間(2880分)放置した。
48時間(2880分)後、電流計に記録された電流値の変化を読み取り、電流値が10μAとなった点を銅イオンの透過時間として求めた。
同様の操作により接着フィルムB(厚さ20μm)の銅イオンの透過時間を求めた。また、接着フィルムBの透過時間に対する接着フィルムAの透過時間の透過時間比(接着フィルムAの透過時間/接着フィルムBの透過時間)を算出した。結果を下記表2に示す。
また、実施例1の電流値の測定結果を図4に示す。図4中、実線A1は、接着フィルムAの測定結果であり、破線B1は、接着フィルムBの測定結果である。
(実施例2〜4及び比較例1,3)
B液の構成成分を下記表2,3に示す成分に変更したことを除き実施例1と同様に評価を行った。結果を表2,3に示す。
(比較例2)
電圧を印加しなかったことを除き実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表3に示す。
Figure 0006269821
Figure 0006269821
実施例の結果に示されるとおり、実施例の透過性評価方法を用いることにより、パッケージを作製した後の評価を要することなく、重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価することができる。一方、B液に有機溶媒を用いていない比較例1、及び、電圧を印加していない比較例2では、透過性を迅速に評価することができなかった。また、水を用いていない比較例3では、測定対象となるフィルムが溶解してしまい測定ができなかった。
<実験B:重金属イオン濃度に基づく評価>
(実施例5)
実施例1と同様のA液及びB液を準備した。
上記で作製した接着フィルムA(厚さ20μm)を、直径約3cmの円状に切り抜いた。次に、厚さ1.5mm、外径約3cm、内径1.8cmのシリコンパッキンシートを2枚作製した。接着フィルムAを2枚のシリコンパッキンシートで挟んだ。シリコンパッキンシートで挟んだ接着フィルムAを容積50mlの2つのガラス製セル(図1の構成を有するセル)のフランジ部で挟み、ゴムバンドで固定した。
次に、一方のガラス製セルにA液を50g注入した後、他方のガラス製セルにB液を50g注入した。各セルにカーボン電極としてSTAEDTLER製Mars Carbon(φ2mm/130mm)を挿入した。A液側を陽極、B液側を陰極として、陽極と陰極とを、直流電源(株式会社エーアンドディ製、直流電源装置AD−9723D)を介して接続した。印加電圧24.0Vにて電圧を印加し、印加後より一定時間ごとに48時間(2880分)後までB液をサンプリングして銅イオン濃度を測定した。
サンプリングしたB液は、株式会社共立理化学研究所製パックテストWAK−Cuを用いて発色化し、これを株式会社共立理化学研究所製デジタルパックテストDPM−Cuを用いて定量化した。サンプリングしたB液の銅イオン濃度が0.15mg/kg以上である点を銅イオンの透過時間とした。
同様の操作により接着フィルムB(厚さ20μm)の銅イオンの透過時間を求めた。また、接着フィルムBの透過時間に対する接着フィルムAの透過時間の透過時間比(接着フィルムAの透過時間/接着フィルムBの透過時間)を算出した。結果を下記表4に示す。
また、実施例5の銅イオン濃度の測定結果を図5に示す。図5中、実線A2は、接着フィルムAの測定結果であり、破線B2は、接着フィルムBの測定結果である。
(実施例5〜10及び比較例4)
B液の構成成分を下記表4,5に示す成分に変更したことを除き実施例5と同様に評価を行った。結果を表4,5に示す。
Figure 0006269821
Figure 0006269821
実施例の結果に示されるとおり、実施例の透過性評価方法を用いることにより、パッケージを作製した後の評価を要することなく、重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価することができる。実施例10では、A液に銅塩が析出しているが、重金属イオンの透過性を評価することができることが確認された。一方、銅イオン濃度が小さい比較例4では、透過性を迅速に評価することができなかった。
本発明に係る透過性評価方法は、半導体製造に用いられる絶縁材料(半導体用絶縁材料)に対する重金属イオンの透過性を簡便且つ迅速に評価することが可能であるため、例えば、半導体用絶縁材料のゲッタリング機能の評価、バリヤ能力の評価及び材料の検査手法に活用できる。その結果、極薄PKG構造における高信頼性材料の開発、品質管理等に役立てることができる。
10,10a,10b…セル、12,12a,12b…セル本体、14,14a,14b…開口部、16,16a,16b…フランジ部、20…直流電源、30…電流計、40…試験片、40a,40b…主面、50a,50b…パッキン、60a…陽極、60b…陰極、62a,62b…クリップ、70a,70b,70c,70d…電気配線、100,200…測定装置、C…接続部、D…内径。

Claims (8)

  1. 試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法であって、
    重金属イオンを含有する第1の液と、水及び有機溶媒を含有する第2の液とが試験片を介して隔てられた状態で、前記第1の液側に設けられた陽極と、前記第2の液側に設けられた陰極との間に電圧を印加して前記陽極と前記陰極との間に流れる電流値を測定する工程を備え、
    前記試験片が、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有し、
    前記第1の液の重金属イオン濃度が0.5mg/kg以上である、透過性評価方法。
  2. 試験片に対する重金属イオンの透過性を評価する透過性評価方法であって、
    重金属イオンを含有する第1の液と、水及び有機溶媒を含有する第2の液とが試験片を介して隔てられた状態で、前記第1の液側に設けられた陽極と、前記第2の液側に設けられた陰極との間に電圧を印加した後に前記第2の液の重金属イオン濃度を測定する工程を備え、
    前記試験片が、半導体製造に用いられる絶縁材料を含有し、
    前記第1の液の重金属イオン濃度が0.5mg/kg以上である、透過性評価方法。
  3. 前記第2の液が前記有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを含有する、請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 前記第2の液のN−メチル−2−ピロリドンの含有量が20質量%以上80質量%以下である、請求項3に記載の評価方法。
  5. 前記第2の液の導電率が23℃において1μS以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の評価方法。
  6. 前記第1の液が前記重金属イオンとして銅イオンを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の評価方法。
  7. 前記第1の液の銅イオン濃度が50000mg/kg以下である、請求項6に記載の評価方法。
  8. 前記半導体製造に用いられる絶縁材料が半導体用接着テープである、請求項1〜7いずれか一項に記載の評価方法。
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