JP2003147317A - 接着用樹脂ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

接着用樹脂ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置

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JP2003147317A
JP2003147317A JP2001351772A JP2001351772A JP2003147317A JP 2003147317 A JP2003147317 A JP 2003147317A JP 2001351772 A JP2001351772 A JP 2001351772A JP 2001351772 A JP2001351772 A JP 2001351772A JP 2003147317 A JP2003147317 A JP 2003147317A
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Junichi Kikuchi
純一 菊池
Masao Kawasumi
雅夫 川澄
秀次 ▲くわ▼島
Hideji Kuwashima
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な銅を主成分として使うも、
マイグレーション性、接着強度、導電性、作業性にバラ
ンス良く優れる接着用樹脂ペースト組成物を提供する。 【解決手段】 1)エポキシ樹脂、(2)硬化剤
及び(3)導電性フィラーを含有してなり、前記導電性
フィラーの必須成分が銅粉又は銅合金粉の一部を露出し
て大略銀で被覆された銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉で
あり、前記銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、扁平状の
ものと球状又は略球状のものとの混合粉である接着用樹
脂ペースト組成物、並びにこれを用いて半導体素子と基
板とを接着した後、封止してなる半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSI等の
半導体素子をリードフレーム、ガラスエポキシ基板等に
接着する、いわゆるダイボンド用として好適な接着用樹
脂ペースト組成物及びこの組成物を用いた半導体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置を製造する際の半導体
素子とリードフレーム(支持部材)の接合方法として、
(1)金−シリコン共晶体等の無機材料を接着剤として
用いる方法、(2)エポキシ樹脂等の有機材料に銀粉等
を分散させてペースト状態とし、これを接着剤として用
いる方法などがある。しかしながら、前者の方法ではコ
ストが高く、350℃から400℃程度の高い熱処理が
必要であり、また接着剤が硬く、熱応力によってチップ
の破壊が起こるため、最近では銀粉を含んだ銀ペースト
を用いる後者の方が主流となっている。
【0003】しかしながら、この方法では、銀が高価で
あることからペーストも高価になるという問題があっ
た。また、銀は高温多湿の雰囲気下で電解が印加される
と、マイグレーションと称する銀の電析が生じるという
問題もあった。さらに、扁平状の銀フィラーを用いると
導電性は良好であるが粘度が高くなり作業性が悪くな
る。球状又は略球状の銀フィラーを用いると作業性は改
善できるが導電性が低下してしまうという問題もあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な銅を
主成分として使うも、マイグレーション性、接着強度、
導電性、作業性にバランス良く優れる接着用樹脂ペース
ト組成物を提供するものである。また本発明は、導電性
及び作業性の向上効果に優れる接着用樹脂ペースト組成
物を提供するものである。
【0005】また本発明は、導電性、接着強度及び作業
性のバランスに優れる接着用樹脂ペースト組成物を提供
するものである。さらに本発明は、前記接着用樹脂ペー
スト組成物を使用することにより、信頼性に優れる半導
体装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)エポキ
シ樹脂、(2)硬化剤及び(3)導電性フィラーを含有
してなり、前記導電性フィラーの必須成分が銅粉又は銅
合金粉の一部を露出して大略銀で被覆された銀被覆銅粉
又は銀被覆銅合金粉であり、前記銀被覆銅粉又は銀被覆
銅合金粉が、扁平状のものと球状又は略球状のものとの
混合粉である接着用樹脂ペースト組成物に関する。
【0007】また本発明は、前記銀被覆銅粉又は銀被覆
銅合金粉が、(a)銀の被覆量が5〜25重量%、
(b)比重が8.99〜9.31及び(c)銅又は銅合
金の露出面積が10〜60%のうち、少なくとも(a)
〜(c)の1つを満たす銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉
である接着用樹脂ペースト組成物に関する。また本発明
は、前記銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、銀の被覆量
が5〜25重量%であり、比重が8.99〜9.31で
あり、かつ、露出面積が10〜60%である接着用樹脂
ペースト組成物に関する。
【0008】また本発明は、銀被覆銅粉又は銀被覆銅合
金粉が、扁平状のものが、長径の平均粒径1〜30μ
m、アスペクト比1.5〜20、タップ密度2.5〜
5.8g/cm3、相対密度27〜63%、比表面積
0.4〜2.0m2/gであり、球状又は略球状のもの
が、長径の平均粒径1〜20μm、アスペクト比1〜
1.5、タップ密度4.5〜6.2g/cm3、相対密
度50〜68%、比表面積0.1〜1.0m2/gであ
る接着用樹脂ペースト組成物に関する。
【0009】また本発明は、扁平状のものと球状又は略
球状のものの混合比率が、重量比で扁平状:球状又は略
球状=5:95〜95:5である前記接着用樹脂ペース
ト組成物に関する。また本発明は、(1)エポキシ樹
脂、(2)硬化剤及び(3)導電性フィラーの総量10
0重量部に対して、(1)エポキシ樹脂を10〜80重
量部、(2)硬化剤を0.5〜20重量部及び(3)導
電性フィラーを19.5〜80重量部含有する接着用樹
脂ペースト組成物に関する。さらに本発明は、前記の接
着用樹脂ペースト組成物を用いて半導体素子と基板とを
接着した後、封止してなる半導体装置に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の接着用樹脂ペースト組成
物は、前記のように、(1)〜(3)成分を含有するも
のであるが、(1)成分として用いられるエポキシ樹脂
としては、20℃(室温)で液状であり、芳香族基を有
するエポキシ樹脂が好ましく用いられる。20℃で液状
のエポキシ樹脂としては、希釈剤を低減できる等の点か
ら、粘度の低いもの、具体的には20℃で粘度が5Pa
・s以下のものが好ましく用いられる。さらに好ましく
は0.1〜2Pa・sのものが用いられる。また、硬化
性の点から、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
ものが好ましい。
【0011】20℃で液状である、ベンゼン環等の芳香
族基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂[AER−X8501(旭化成
(株)、商品名)等]、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂[YDF−170(東都化成(株)、商品名)等]、
ビスフェノールAD型エポキシ樹脂[R−1710(三
井化学(株)、商品名)等]、芳香族系のグリシジルア
ミン型エポキシ樹脂[ELM−100(住友化学工業
(株)、商品名)等]、レゾルシン型エポキシ樹脂[デ
ナコールEX−201(ナガセ化成工業(株)、商品
名)等]、一般式(1)
【化1】 (式中、nは0〜5の整数を表す)で示されるエポキシ
樹脂[E−XL−24、E−XL−3L(三井化学
(株)、商品名)等]などが挙げられる。これらのエポ
キシ樹脂は、2種以上を適宜組み合わせて用いることも
できる。
【0012】(1)成分は、耐半田リフロー性の点か
ら、(1)〜(3)成分の総量100重量部に対して1
0〜80重量部使用することが好ましく、20〜50重
量部使用することが好ましい。また、上記エポキシ樹脂
のうち、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂は、粘度が低く、希釈剤量を
低減できるため好ましい。なお、ビスフェノールFは、
2つのヒドロキシフェニル基を結ぶ基がメチレン基であ
る化合物であり、ビスフェノールADは、2つのヒドロ
キシフェニル基を結ぶ基が1,1−エチレン基である化
合物である。
【0013】本発明に用いられる(2)硬化剤には特に
制限はないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、フ
ェノールアラルキル樹脂、ジシアンジアミド、二塩基酸
ジヒドラジドなどを用いることができる。上記の硬化剤
は、フェノール樹脂H−1(明和化成(株)製)、フェ
ノールアラルキル樹脂XL−225(三井化学(株)
製)、ジシアンジアミドSP−10(日本カーバイド
(株)製)、二塩基酸ジヒドラジドADH、PDH、S
DH、(日本ヒドラジン(株)製)、マイクロカプセル
型硬化剤ノバキュア(旭化成(株)製)などとして市販
されている。また、(2)成分である硬化剤の配合量は
(1)〜(3)成分の総量100重量部に対して0.5
〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好まし
い。
【0014】本発明に(3)成分として用いられる導電
性フィラーの必須成分は、銅粉又は銅合金粉の一部を露
出して表面が大略銀で被覆された銀被覆銅粉又は銀被覆
銅合金粉を用いる。もし銅粉又は銅合金粉の一部を露出
させないで全面に銀を被覆したものを用いるとマイグレ
ーション性が悪くなる。それとともに、(a)銀の被覆
量が5〜25重量%、(b)比重が8.99〜9.31
及び(c)銅又は銅合金の露出面積が10〜60%のう
ち、少なくとも(a)〜(c)のいずれか1つを満たす
銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉であることが好ましく、
全てを満たすものがより好ましい。もし上記(a)〜
(c)のいずれも満たさないものを用いるとマイグレー
ション性が悪くなる傾向がある。
【0015】銅粉又は銅合金粉の露出面積は、マイグレ
ーション性、露出部の酸化、導電性等の点から平均値で
10〜60%の範囲が好ましく、10〜55%の範囲が
さらに好ましい。銅粉又は銅合金粉は、アトマイズ法で
作製された粉体を用いることが好ましく、その粒径は小
さいほど好ましい。例えば平均粒径が1〜30μmの範
囲の粉体を用いることが好ましく、平均粒径が1〜20
μmの範囲の粉体を用いることがより好ましく、1〜1
0μmの範囲の粉体を用いることがさらに好ましい。
【0016】銅粉又は銅合金粉の表面に銀を被覆するに
は、置換めっき、電気めっき、無電解めっき等の方法が
あり、銅粉又は銅合金粉と銀の付着力が高いこと及びラ
ンニングコストが安価であることから、置換めっきで被
覆することが好ましい。銅粉又は銅合金粉の表面への銀
の被覆量及び比重は、耐マイグレーション性、コスト、
導電性向上等の点から銅粉に対して5〜25重量%、比
重は8.99〜9.31の範囲が好ましく、銀の被覆量
10〜23重量%、比重は9.08〜9.28の範囲が
さらに好ましい。
【0017】本発明に用いられる扁平状銀被覆銅粉又は
扁平状銀被覆銅合金粉は、導電性の点から、長径の平均
粒径5〜30μm、アスペクト比1.5〜20、タップ
密度2.5〜5.8g/cm3、相対密度27〜63%
及び比表面積0.4〜1.3m2/gの範囲のものを用
いることが好ましく、球状又は略球状銀被覆銅粉又は球
状又は略球状銀被覆銅合金粉は、作業性の点から、長径
の平均粒径1〜20μm、アスペクト比1〜1.5、タ
ップ密度4.5〜6.2g/cm3、相対密度50〜6
8%及び比表面積0.1〜1.0m2/gの範囲のもの
を用いることが好ましい。
【0018】本発明においては、銀被覆銅粉又は銀被覆
銅合金粉は、扁平状のものと、球状又は略球状のものの
混合粉である必要がある。これにより、安価な銅を主成
分として使うも、マイグレーション性、接着強度、導電
性、作業性にバランス良く優れる。前記の点から、その
混合比率は重量比で扁平状:球状又は略球状=5:95
〜95:5の範囲が好ましく、10:90〜90:10
の範囲がさらに好ましい。
【0019】本発明では、各特性がバランス良く優れる
が、さらに銀粉を併用してもよい。導電性及びマイグレ
ーション性の点からは、重量比で扁平状銀被覆銅粉又は
銀被覆銅合金粉:銀粉が30:70〜100:0の範囲
が好ましく、重量比で扁平状銀被覆銅粉又は銀被覆銅合
金粉:銀粉が40:60〜100:0の範囲がさらに好
ましい。
【0020】なお上記でいう平均粒径はマスターサイザ
ー・レーザー散乱型粒度分布測定装置(マルバン社製)
により測定し、比表面積はガス吸着式比表面積・細孔径
分布測定装置(ユアサアイオニクス社製)により測定し
た。また、上記に示すタップ密度は、メスシリンダーに
適量の導電粉を投入し、1000回タッピングを行い、
投入した量と1000回タッピング後のメスシリンダー
が示す体積から換算して求める。より具体的には、内径
22mmの100mlメスシリンダーに、導電粉100
gを投入し、落差20mmで1分間に60回の速度で1
000回行うことにより測定することができる。
【0021】また、相対密度は次式から求めた。 相対密度(%)=(タップ密度/真密度)×f×100 (ただしfは実測値による補正係数である。)
【0022】本発明におけるアスペクト比とは、導電粉
の粒子の長径と短径の比率(長径/短径)をいう。本発
明においては、粘度の低い硬化性樹脂中に導電粉の粒子
をよく混合し、静置して粒子を沈降させるとともにその
まま樹脂を硬化させ、得られた硬化物を垂直方向に切断
し、その切断面に現れる粒子の形状を電子顕微鏡で拡大
して観察し、少なくとも100の粒子について一つ一つ
の粒子の長径/短径を求め、それらの平均値をもってア
スペクト比とする。
【0023】ここで、短径とは、前記切断面に現れる粒
子について、その粒子の外側に接する二つの平行線の組
み合わせ粒子を挟むように選択し、それらの組み合わせ
のうち最短間隔になる二つの平行線の距離である。一
方、長径とは、前記短径を決する平行線に直角方向の二
つの平行線であって、粒子の外側に接する二つの平行線
の組み合わせのうち、最長間隔になる二つの平行線の距
離である。これらの四つの線で形成される長方形は、粒
子がちょうどその中に納まる大きさとなる。なお、本発
明において行った具体的方法については後述する
【0024】(3)成分の導電性フィラーの配合量は、
接着性、導電性、作業性の点から、(1)〜(3)成分
の総量100重量部に対して19.5〜80重量部が好
ましく、30〜50重量部がより好ましい。
【0025】更に、本発明の接着用樹脂ペースト組成物
には、必要に応じて硬化促進剤を添加することができ
る。硬化促進剤としては、有機ボロン塩[EMZ・K、
TPP(北興化学(株)、商品名)等]、三級アミン類
及びその塩[DBU、U−CAT102、106、83
0、840、5002(いずれもサンアプロ(株)、商
品名)等]、イミダゾール類は[キュアゾール2P4M
HZ、C17Z、2PZ−O(いずれも四国化成
(株)、商品名)等]、アセチルアセトン金属塩(金属
としてAl、Cu、Co、Ni、Zn等)などが挙げら
れる。必要に応じて添加される硬化促進剤は単独でもよ
く、複数種の硬化促進剤を適宜組み合わせて用いてもよ
い。これらを用いる場合、その量は(1)成分のエポキ
シ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ま
しく、1〜10重量部がより好ましい。
【0026】本発明になる接着用樹脂ペースト組成物に
は、ペースト組成物の作製時の作業性及び使用時の塗布
製をより良好するため、必要に応じて希釈剤を添加する
ことができる。これらの希釈剤としては、ブチルセロソ
ルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カル
ビトール、エチレングリコールジエチルエーテル、α−
テルピネオールなどの比較的沸点の高い有機溶剤、PG
E(日本化薬(株)、商品名)PP−101(東都化成
(株)、商品名)、ED−502、503、509(旭
電化(株)、商品名)、YED−122(油化シェルエ
ポキシ(株)、商品名)、KBM−403、LS−79
70(信越化学工業(株)、商品名)、TSL−835
0、TSL−8355、TSL−9905(東芝シリコ
ーン(株)、商品名)など1分子中に1〜2個のエポキ
シ基を有する反応性希釈剤が挙げられる。これらは接着
用樹脂ペースト組成物中に5重量%以上配合することが
好ましく、10〜20重量%配合することがより好まし
い。
【0027】更に、本発明になる接着用樹脂ペースト組
成物には、必要に応じてシランカップリング剤、チタン
カップリング剤等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性
剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ性向上剤、シリコーン
油等の消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤
などを適宜添加することができる。
【0028】本発明の接着用樹脂ペースト組成物を製造
するには、前記の(1)、(2)及び(3)成分並びに
必要に応じて添加される硬化促進剤、希釈剤及び各種添
加剤を、一括又は分割して、攪拌機、らいかい機、3本
ロール、プラネタリーミキサー等の分散、溶解装置又は
これらを適宜組み合わせた装置に投入し、必要に応じて
加熱して混合、溶解、解粒混練又は分散して均一なペー
スト状とすればよい。
【0029】更に、本発明においては、上記のようにし
て製造した接着用樹脂ペースト組成物をダイボンド材と
して用いて半導体素子と基板とを接着した後、封止する
ことにより半導体装置とすることができる。本発明の接
着用樹脂ペースト組成物を用いて半導体素子をリードフ
レーム等の基板と接着させるには、まず、基板上に接着
用樹脂ペースト組成物をディスペンス法、スクリーン印
刷法、スタンピング法などにより塗布した後、半導体素
子を圧着し、その後、オーブン、ヒートブロック等の加
熱装置を用いて、例えば120〜250℃に加熱硬化す
ることにより行うことができる。さらにワイヤボンド工
程を経た後、通常の方法、例えば各種封止剤を用いて封
止することにより完成された半導体装置とすることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施
例及び比較例で用いた材料は、下記の方法で作製したも
の、あるいは入手したものである。
【0031】(1)エポキシ樹脂 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)、商
品名YDF−170)、ビスフェノールAD型エポキシ
樹脂(三井化学(株)、商品名R−1710) (2)フェノール樹脂溶液 フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)、商品名H
−1、OH当量=160)3重量部及び希釈剤としてア
ルキルフェニルグリシジルエーテル(東都化成(株)、
商品名PP−101、エポキシ当量=230)2重量部
を100℃に加熱し、1時間撹拌を続け、均一なフェノ
ール樹脂を得た。
【0032】(3)希釈剤 アルキルフェニルグリシジルエーテル(東都化成
(株)、商品名PP−101、エポキシ当量=230) (4)硬化促進剤 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾー
ル(四国化成(株)、商品名2P4MHZ)
【0033】(5)銀被覆銅粉 アトマイズ法で作製した平均粒径5.1μmの球状銅粉
(日本アトマイズ加工(株)、商品名SFR−Cu)を
希塩酸及び純水で洗浄した後、水1リットルあたりAgC
N 80g及びNaCN75g含むめっき溶液で球状銅
粉に対して銀の量が18重量%、比重が9.20になる
ように置換めっきを行い、水洗、乾燥して銀めっき銅粉
を得た。
【0034】この後、2リットルのボールミル容器内に
上記で得た銀めっき銅粉750g及び直径が10mmの
ジルコニアボール3kgを投入し、8時間回転させて、1
000回のタッピングによるタップ密度が3.79g/
cm3、相対密度が48%、アスペクト比が平均5.2
及び長径の平均粒径7.7μmの扁平状銀被覆銅粉を得
た。得られた銀被覆銅粉の粒子を5個取り出し、走査型オ
ージェ電子分光分析装置で定量分析して銅の露出面積に
ついて調べたところ10〜60%の範囲で平均が41%
であった。
【0035】また、2リットルのボールミル容器内に上
記で得た銀めっき銅粉750g及び直径が5mmのジル
コニアボール3kgを投入し、40分間回転させて、10
00回のタッピングによるタップ密度が5.93g/c
m3、相対密度が93%、アスペクト比が平均1.3、
長径の平均粒径が5.5μm、銅の露出面積の平均が2
8%の略球状銀被覆銅粉を得た。
【0036】なお、本実施例におけるアスペクト比の具
体的測定法を以下に示す。低粘度のエポキシ樹脂(ビュ
ーラー社)の主剤(No.10−8130)8gと硬化
剤(No.10−8132)2gを混合し、ここへ導電
粉2gを混合して良く分散させ、そのまま30℃で真空
脱泡した後、10時間30℃で静置して粒子を沈降させ
硬化させた。その後、得られた硬化物を垂直方向に切断
し、切断面を電子顕微鏡で1000倍に拡大して切断面
に現れた150個の粒子について長径/短径を求め、そ
れらの平均値をもって、アスペクト比とした。
【0037】(6)銀粉 銀粉((株)徳力化学研究所、商品名TCG−1) (7)銀被覆銅粉1〜4 前記(5)の銀被覆銅粉と同様の球状銅粉を用い、Ag
CN 及びNaCNの量を変え球状銅粉に対して銀の量
が2重量%、比重が8.95及び銀の量が32重量%、
比重が9.42になるように置換めっきを行い、水洗、
乾燥して銀めっき銅粉を得た。
【0038】この後、(5)扁平状銀被覆銅粉と同様の
操作を行い、銀の被覆量が2重量%、比重が8.95、
タップ密度が3.81g/cm3、相対密度が48%、
アスペクト比が平均5.2、長径の平均粒径が7.6μ
m、露出面積の平均が82%の扁平状銀被覆銅粉−1、
銀の被覆量が32重量%、比重が9.42、タップ密度
が3.60g/cm3、相対密度が48%、アスペクト
比が平均5.2、長径の平均粒径が7.3μm、露出面
積の平均が2%の扁平状銀被覆銅粉−2を得た。
【0039】さらに、(5)略球状銀被覆銅粉と同様の
操作を行い、銀の被覆量が2重量%、比重が8.95、
タップ密度が5.94g/cm3、相対密度が93%、
アスペクト比が平均1.3、長径の平均粒径が5.4μ
m、露出面積の平均が74%の略球状銀被覆銅粉−3、
銀の被覆量が32重量%、比重が9.42、タップ密度
が5.89g/cm3、相対密度が91%、アスペクト
比が平均1.4、長径の平均粒径が5.6μm、露出面
積の平均が2%の扁平状銀被覆銅粉−4を得た。
【0040】実施例1〜2及び比較例1〜2 表1に示す配合割合で各成分を混合し、3本ロールを用
いて混練した後、666.61Pa(5トル(Tor
r))以下で10分間脱泡処理を行い、接着用樹脂ペー
スト組成物を得た。
【0041】この接着用樹脂ペースト組成物の特性(粘
度、接着強度、ピール強度、体積固有抵抗及びマイグレ
ーション性)を下記の方法で測定し、結果を表1に示
す。 (1)粘度 EHD型回転粘度計(東京計器(株))を用いて25℃
における粘度(Pa・s)を測定した。
【0042】(2)接着強度 接着用樹脂ペースト組成物をAgめっき付き銅リードフ
レーム上に約80μg塗布し、この上に2mm×2mm
のSiチップ(厚さ0.4mm)を圧着し、更に200
℃に設定したヒートブロック上に載せ、60秒加熱し
た。この試料について自動接着力試験装置(Dage
社、マイクロテスター)を用いて室温における剪断接着
強度(kg/チップ)を測定した。
【0043】(3)ピール強度 接着用樹脂ペースト組成物を42アロイ上に約1.0m
mg塗布し、この上に8mm×8mmのSiチップ(厚
さ0.4mm)を圧着し、更に200℃に設定したヒー
トブロック上に載せ、60秒加熱した。この試料につい
て自動接着力試験装置(日立化成工業(株))を用いて
240℃における引き剥がし強さ(kg/チップ)を測
定した。
【0044】(4)体積固有抵抗 接着用樹脂ペースト組成物をガラス板上に図1のように
塗布し、更に180℃1時間乾燥機で加熱した。この試
料について抵抗値、厚さ、幅及び長さを測定し、体積固
有抵抗を算出した。
【0045】(5)マイグレ−ション性 ウォータードロップ法でマイグレーション性を評価し
た。接着用樹脂ペースト組成物をよく洗浄したガラス板
上に図2のように塗布し、更に180℃1時間乾燥機で
加熱した。この電極間上に純水で湿らせたろ紙を置き、
10V印可した。印加中、ろ紙が乾かないように純水を
随時ろ紙に滴下し、電極間に100μA流れるまでの時
間を測定した。
【0046】表1に示した結果から、実施例1及び2に
示した本発明の銀被覆銅粉を用いた本発明の接着用樹脂
ペースト組成物を用いた場合は、粘度、導電性、耐マイ
グレーション性がバランス良く優れることが確認され
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の接着用樹脂ペースト組成物は、
マイグレーション性、接着強度、導電性、作業性にバラ
ンス良く優れる。また本発明の接着用樹脂ペースト組成
物は、導電性及び作業性の向上効果に優れる。また本発
明の接着用樹脂ペースト組成物は、導電性、接着強度及
び作業性のバランスに優れる。さらに本発明の半導体装
置は、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス板上に体積固有抵抗測定回路を形成した
状態を示す平面図である。
【図2】ガラス板上にウォータードロップ法を行うため
の回路を形成した状態を示す平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC051 EC061 EC072 EC121 HA066 HC15 HC16 JA05 KA01 KA03 KA16 LA09 NA20 5F047 BA34 BA52 BA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エポキシ樹脂、(2)硬化剤及び
    (3)導電性フィラーを含有してなり、前記導電性フィ
    ラーの必須成分が銅粉又は銅合金粉の一部を露出して大
    略銀で被覆された銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉であ
    り、前記銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、扁平状のも
    のと球状又は略球状のものとの混合粉である接着用樹脂
    ペースト組成物。
  2. 【請求項2】 銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、
    (a)銀の被覆量が5〜25重量%、(b)比重が8.
    99〜9.31及び(c)銅又は銅合金の露出面積が1
    0〜60%のうち、少なくとも(a)〜(c)の1つを
    満たす銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉である請求項1記
    載の接着用樹脂ペースト組成物。
  3. 【請求項3】 銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、銀の
    被覆量が5〜25重量%であり、比重が8.99〜9.
    31であり、かつ、露出面積が10〜60%である請求
    項2記載の接着用樹脂ペースト組成物。
  4. 【請求項4】 銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉が、扁平
    状のものが、長径の平均粒径1〜30μm、アスペクト
    比1.5〜20、タップ密度2.5〜5.8g/c
    3、相対密度27〜63%、比表面積0.4〜2.0
    2/gであり、球状又は略球状のものが、長径の平均
    粒径1〜20μm、アスペクト比1〜1.5、タップ密
    度4.5〜6.2g/cm3、相対密度50〜68%、
    比表面積0.1〜1.0m2/gである請求項1、2又
    は3記載の接着用樹脂ペースト組成物。
  5. 【請求項5】 扁平状のものと球状又は略球状のものの
    混合比率が、重量比で扁平状:球状又は略球状=5:9
    5〜95:5である請求項1、2、3又は4記載の接着
    用樹脂ペースト組成物。
  6. 【請求項6】 (1)エポキシ樹脂、(2)硬化剤及び
    (3)導電性フィラーの総量100重量部に対して、
    (1)エポキシ樹脂を10〜80重量部、(2)硬化剤
    を0.5〜20重量部及び(3)導電性フィラーを1
    9.5〜80重量部含有する請求項1〜5のいずれか記
    載の接着用樹脂ペースト組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の接着用樹
    脂ペースト組成物を用いて半導体素子と基板とを接着し
    た後、封止してなる半導体装置。
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