JP7452187B2 - 重金属イオンの拡散性の評価方法、及び、構造体の製造方法 - Google Patents

重金属イオンの拡散性の評価方法、及び、構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、重金属イオンの拡散性の評価方法、構造体及びその製造方法に関する。
近年、半導体素子(半導体チップ)を多段積層するスタックドMCP(Multi Chip Package)が普及しており、携帯電話、携帯オーディオ機器用のメモリ半導体パッケージ等として搭載されている。また、携帯電話等の多機能化に伴い、半導体パッケージの高速化、高密度化、高集積化等も推し進められている。これに伴い、半導体素子における回路の配線材料として銅等の重金属を使用することによって高速化が図られている。また、複雑な搭載基板への接続信頼性の向上の観点、又は、半導体パッケージからの排熱促進の観点から、重金属を素材としたリードフレーム等が使用されつつある。
半導体素子を多段積層する半導体パッケージでは、構成部材を接合する樹脂部材(接着シート等)において重金属イオンが拡散し、半導体素子内、又は、半導体素子/半導体素子間での電気信号のロスが起こり得る。このような電気信号のロス等を防ぐ観点から、半導体パッケージ内で発生する重金属イオンを捕捉することが検討されている。例えば、下記特許文献1には、エポキシ基を有し、且つ、カルボキシル基を有さない熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、3級の窒素原子を環原子に含む複素環化合物を有し、陽イオンと錯体を形成する有機系錯体形成化合物と、を有する半導体装置製造用の接着シートが開示されている。
特開2013-026566号公報
重金属イオンの拡散に起因する問題(上述の電気信号のロス等)が生じることを抑制する観点では、重金属イオンの拡散性の低い樹脂部材を用いることが求められる。このような樹脂部材を用いる観点では、樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価し得る新たな方法が求められる。
本発明の一側面は、樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価可能な重金属イオンの拡散性の評価方法を提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、前記重金属イオンの拡散性の評価結果に基づき選定された樹脂部材を用いた構造体の製造方法を提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、前記重金属イオンの拡散性の評価結果に基づき選定された樹脂部材を用いて得ることが可能な構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討したところ、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度と樹脂部材における重金属イオンの拡散性とに相関があり、樹脂材料のガラス転移温度に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価可能であることを見出した。
本発明の一側面は、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度に基づき前記樹脂部材における重金属イオンの拡散性を評価する、重金属イオンの拡散性の評価方法を提供する。
本発明の他の一側面は、重金属イオンを含有する金属部材と、上述の重金属イオンの拡散性の評価方法の評価結果に基づき選定された樹脂部材と、を接触させる工程を備える、構造体の製造方法を提供する。
本発明の他の一側面は、重金属イオンを含有する金属部材と、当該金属部材に接する樹脂部材と、当該樹脂部材に対して前記金属部材とは反対側に配置された半導体素子と、を備え、前記樹脂部材の前記金属部材側の半分の領域における重金属イオンの存在量が前記樹脂部材の前記半導体素子側の半分の領域における重金属イオンの存在量よりも多い、構造体を提供する。
本発明の一側面によれば、樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価可能な重金属イオンの拡散性の評価方法を提供することができる。本発明の他の一側面によれば、前記重金属イオンの拡散性の評価結果に基づき選定された樹脂部材を用いた構造体の製造方法を提供することができる。本発明の他の一側面によれば、前記重金属イオンの拡散性の評価結果に基づき選定された樹脂部材を用いて得ることが可能な構造体を提供することができる。
重金属イオンの拡散性の評価に用いられる評価装置の一例を示す模式図である。 構造体の一例を示す模式断面図である。 樹脂材料の重量平均分子量に対する銅イオンの透過時間を示す図である。 評価フィルムにおける厚み方向の位置に対する銅イオンの存在量を示す図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。数値範囲の「A以上」とは、A、及び、Aを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A、及び、A未満の範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「(メタ)アクリル」とは、アクリル、及び、それに対応するメタクリルの少なくとも一方を意味する。
本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法は、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性(透過性。拡散速度等)を評価する評価工程を備える。本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法によれば、樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価できる。これにより、重金属イオンの拡散性の低い樹脂部材を選定できることから、重金属イオンの拡散に起因する問題(電気信号のロス等)が生じることを抑制できる。
本発明者の知見によれば、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度と樹脂部材における重金属イオンの拡散性とに相関があり、樹脂材料のガラス転移温度に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性を簡便に評価できる。ガラス転移温度と重金属イオンの拡散性とに相関がある理由について、ガラス転移温度が増加するに伴い、分子の運動性が低くなる傾向にあり、重金属イオンが分子の隙間を通過する確率が低くなることで拡散し難くなると推測される。但し、上述の相関の理由は当該理由に限定されない。
本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法によれば、例えば、重金属イオンの拡散性のガラス転移温度に対する依存性に関する情報(データベース等)を事前に取得しておき、当該情報を用いて、ガラス転移温度の測定結果に基づき重金属イオンの拡散性を評価(予測)することができる。本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法によれば、重金属イオンの拡散性を実際に測定することなく、重金属イオンの拡散性を評価(予測)できる。本実施形態によれば、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性を予測する重金属イオンの拡散性の予測方法を提供することもできる。
本実施形態によれば、樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性を調整する重金属イオンの拡散性の調整方法も提供可能であり、樹脂材料のガラス転移温度を調整する(増加させる又は減少させる)ことにより重金属イオンの拡散性を調整できる。本発明者の知見によれば、樹脂材料のガラス転移温度が高くなるほど重金属イオンの拡散性が低下する。そのため、樹脂材料のガラス転移温度を増加させることにより重金属イオンの拡散性を低減できる。樹脂材料のガラス転移温度を減少させることにより重金属イオンの拡散性を増加させてもよい。
重金属イオンとしては、銅イオン、鉄イオン、鉛イオン、金イオン、白金イオン、銀イオン、クロムイオン、カドミウムイオン、水銀イオン、亜鉛イオン、砒素イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、タングステンイオン、スズイオン、ビスマスイオン等が挙げられる。重金属イオンは、ガラス転移温度に基づき拡散性を更に簡便に評価しやすい観点から、銅イオンであることが好ましい。
樹脂部材は、未硬化(Aステージ)状態、半硬化(Bステージ)状態、完全硬化(Cステージ)状態等のいずれであってもよい。樹脂部材の形状は、特に限定されず、フィルム状、柱状、棒状、不定形状等であってよい。フィルム状の樹脂部材は、例えば、樹脂材料を含有する樹脂組成物を基材フィルムに塗布することにより得ることができる。樹脂部材は、例えば絶縁性を有しており、半導体製造に用いられる絶縁部材であってよい。
樹脂部材がフィルム状である場合、樹脂部材の厚さ(例えば平均厚さ)は、下記の範囲であってよい。樹脂部材の厚さは、1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は、20μm以上であってよい。樹脂部材の厚さは、200μm以下、150μm以下、100μm以下、80μm以下、50μm以下、30μm以下、又は、20μm以下であってよい。
樹脂材料のガラス転移温度は、重金属イオンの所望の拡散性に応じて調整可能であるが、下記の範囲であってよい。ガラス転移温度は、1℃以上、3℃以上、4℃以上、5℃以上、8℃以上、10℃以上、又は、12℃以上であってよい。ガラス転移温度は、100℃以下、80℃以下、60℃以下、50℃以下、30℃以下、20℃以下、15℃以下、又は、12℃以下であってよい。ガラス転移温度は、例えば、DSC(熱示差走査熱量計、例えば、株式会社リガク製、Thermo Plus 2)を用いて測定できる。ガラス転移温度は、例えば、樹脂材料の構造単位を与える単量体の種類、含有量等によって調整できる。
樹脂材料の重量平均分子量(Mw)は、下記の範囲であってよい。重量平均分子量は、10万以上、20万以上、30万以上、50万以上、60万以上、70万以上、又は、80万以上であってよい。重量平均分子量は、200万以下、150万以下、120万以下、100万以下、90万以下、又は、80万以下であってよい。本発明者の知見によれば、重量平均分子量が減少するほど重金属イオンが拡散しやすい。本実施形態によれば、ガラス転移温度を重量平均分子量に代えることにより、樹脂部材を構成する樹脂材料の重量平均分子量に基づき樹脂部材における重金属イオンの拡散性(透過性。拡散速度等)を評価する評価工程を備える、重金属イオンの拡散性の評価方法を提供することもできる。
樹脂材料の重量平均分子量は、例えば、下記条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算することにより得ることができる。
ポンプ:L-6000(株式会社日立製作所製)
カラム:ゲルパック(Gelpack)GL-R440(日立化成株式会社製)、ゲルパック(Gelpack)GL-R450(日立化成株式会社製)、及び、ゲルパックGL-R400M(日立化成株式会社製)(各10.7mm(直径)×300mm)をこの順に連結したカラム
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
サンプル:試料120mgをTHF5mLに溶解させた溶液
流速:1.75mL/分
樹脂部材を構成する樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含んでよく、熱硬化性樹脂を含んでよい。樹脂材料としては、(メタ)アクリル樹脂(例えばアクリルゴム)、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有するゴムであってよい。アクリルゴムは、アクリロニトリルに由来する構造単位を有してよく、アクリロニトリルに由来する構造単位を有していなくてもよい。
樹脂部材における樹脂材料の含有量は、樹脂部材の全体を基準として、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、又は、99質量%以上であってよい。樹脂部材は、樹脂材料からなる態様(樹脂部材における樹脂材料の含有量が実質的に100質量%である態様)であってよく、樹脂材料以外の成分を含有してもよい。樹脂材料以外の成分としては、顔料、イオン補捉剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法における評価工程では、例えば、重金属イオンの拡散性として、樹脂部材の一方側から他方側に向けて樹脂部材内において重金属イオンを拡散させた際に樹脂部材の前記一方側の半分の領域(第1の領域)における重金属イオンの存在量が樹脂部材の前記他方側の半分の領域(第2の領域)における重金属イオンの存在量よりも多い状態を与えるか否かを評価してよい。この場合、樹脂部材の一方側から他方側に向けて樹脂部材内において重金属イオンを拡散させて定常状態に至った際の重金属イオンの存在量を対象とすることができる。樹脂部材の一方側から他方側に向けて樹脂部材内において重金属イオンを拡散させた際において、拡散性が高い場合、重金属イオンは第2の領域側に多く分布し、第1の領域における重金属イオンの存在量が第2の領域における重金属イオンの存在量よりも少ない状態が与えられるのに対し、拡散性が低い場合、重金属イオンは第1の領域側に多く分布し、第1の領域における重金属イオンの存在量が第2の領域における重金属イオンの存在量よりも多い状態が与えられる。第1の領域における重金属イオンの存在量が第2の領域における重金属イオンの存在量よりも多い状態であると、第1の領域側から供給された重金属イオンが第2の領域側に拡散にくいことから、樹脂部材に対する重金属イオンの供給側とは反対側に配置された部材(例えば半導体素子)にまで重金属イオンが拡散することに起因する問題(電気信号のロス等)が生じることを抑制しやすい。
「樹脂部材の一方側の半分の領域」とは、例えば、樹脂部材に対する重金属イオンの供給側から重金属イオンの拡散方向における樹脂部材の半分の位置までの領域であり、樹脂部材がフィルム状であって一方面から重金属イオンを供給する場合、フィルム状の樹脂部材の厚み方向における一方面側の半分の領域である。「樹脂部材の他方側の半分の領域」は、樹脂部材から「樹脂部材の一方側の半分の領域」を除いた残部である。樹脂部材における第1の領域及び第2の領域の重金属イオンの存在量は、グロー放電発光分析に基づき、実施例に記載の方法により測定できる。
第1の領域における重金属イオンの存在量が第2の領域における重金属イオンの存在量よりも多い状態を与えるか否かについては、グロー放電発光分析により得られる重金属イオンの濃度の割合として、樹脂部材の全領域の重金属イオンの濃度の積算値S1に対する、重金属イオンの供給側から重金属イオンの拡散方向における樹脂部材の半分の位置までの領域の重金属イオンの濃度の積算値S2の割合S2/S1に基づき評価できる。割合S2/S1は、50%を超えてよく、60%以上、65%以上、70%以上、又は、75%以上であってよい。割合S2/S1は、100%以下、100%未満、95%以下、90%以下、85%以下、又は、80%以下であってよい。
評価工程において評価する重金属イオンの拡散性は、上述のとおり樹脂部材内の各領域における重金属イオンの存在量の比較に基づき評価されることに限られず、例えば、樹脂部材の一方側から他方側まで重金属イオンが透過する際の透過時間に基づき評価されてもよい。
図1は、重金属イオンの拡散性の評価に用いられる評価装置の一例を示す模式図である。図1(a)は、装置の全体を示す図である。図1(b)は、セル同士の接続部Cを拡大して示す図である。図1(c)は、図1(b)のIc-Ic線に沿った模式断面図である。評価装置100は、図1(a)に示すように、セル(第1のセル)10aと、セル(第2のセル)10bと、直流電源20と、電流計30とを備えている。
セル10a,10bは、例えば透過セルである。セル10aは、セル本体12aと、開口部14aと、フランジ部16aとを有している。セル10bは、セル本体12bと、開口部14bと、フランジ部16bとを有している。セル本体12aの内部空間には、液体Aが保持されている。セル本体12bの内部空間には、液体Bが保持されている。
図1(b)に示すように、セル10aのフランジ部16a、及び、セル10bのフランジ部16bは、パッキン(第1のパッキン)50a、樹脂部材(評価対象)40及びパッキン(第2のパッキン)50bを介して互いに接続されている。樹脂部材40は、例えば、円状であり、主面(第1の主面)40aと、当該主面40aと対向する主面(第2の主面)40bとを有している。
パッキン50aは、環状(例えば円環状)であり、フランジ部16aに接触している。パッキン50bは、環状(例えば円環状)であり、フランジ部16bに接触している。樹脂部材40は、パッキン50a及びパッキン50bの間に配置されている。樹脂部材40の主面40aは、パッキン50aに接触している。樹脂部材40の主面40bは、パッキン50bに接触している。
図1(c)に示すように、フランジ部16a,16b、樹脂部材40、パッキン50a,50bの中心軸が一致するようにこれらの部材が配置されている。例えば、各セルの容積が50mL、セル底面の直径が4.5cm、セルの高さが4.5cmの場合、パッキン50a,50bの内径Dは、0.5~2.0cmである。フランジ部16a,16bの内径は、例えば、0.5~2.5cmである。パッキン50a,50bの外径は、例えば内径D+0.2cm~内径D+1.0cmである。樹脂部材40の直径は、例えば内径D+0.2cm~内径D+2.0cmである。
セル10aに保持された液体Aは、フランジ部16aにおいて樹脂部材40の主面40aに接触している。セル10bに保持された液体Bは、フランジ部16bにおいて樹脂部材40の主面40bに接触している。液体A及び液体Bは、樹脂部材40を介して隔てられている。
セル10aの内部空間には、開口部14aを通して陽極60aが挿入されている。陽極60aの下端側(一端側)は、セル10aの内部空間において液Aに浸漬されることにより液Aに接している。陽極60aの上端側(他端側)は、開口部14aの外部に位置している。陽極60aの上端には、クリップ62aが取り付けられている。クリップ62aは、導電性を有している。
セル10bの内部空間には、開口部14bを通して陰極60bが挿入されている。陰極60bの下端側(一端側)は、セル10bの内部空間において液Bに浸漬されることにより液Bに接している。陰極60bの上端側(他端側)は、開口部14bの外部に位置している。陰極60bの上端には、クリップ62bが取り付けられている。クリップ62bは、導電性を有している。
直流電源20の陽極側は、電気配線70aを介してクリップ62aに接続されている。直流電源20の陰極側は、電気配線70bを介して電流計30に接続されている。直流電源20と電流計30とは、直列接続されている。電流計30は、電気配線70cを介してクリップ62bに接続されている。
A液は、重金属イオンを含む重金属塩と、溶媒と、を混合し、重金属塩を溶媒に溶解して得られる溶液であってよい。重金属イオン(陽イオン)を含有するA液が陽極側のセルに保持されていることで、陽極と陰極との間に電圧を印加することにより、A液に含まれる重金属イオンが、樹脂部材内を拡散(透過)して陰極側のセルへ移動する。
重金属塩としては、例えば、塩化物塩、硫酸塩、酢酸塩、ヨウ化物塩及び硝酸塩が挙げられる。銅金属塩としては、例えば、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(I)、硫酸銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ヨウ化銅(I)及び硝酸銅(II)が挙げられる。
A液は水溶液であってよい。水溶液であることで、様々な重金属塩を用いることができると共に、様々な濃度に調整することができる。A液の溶媒としては、樹脂部材が溶解しない限り、水、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、及び、これらの混合物を使用することができる。
A液の重金属イオン濃度(例えば銅イオン濃度)は、A液の全量を基準として、例えば0.5~50000mg/kgであってよい。A液の重金属イオン濃度は、例えば、陽極と陰極との間に電圧を印加する前の濃度である。重金属塩(例えば銅金属塩)を用いる場合、重金属イオン濃度(例えば銅イオン濃度)が重金属換算(例えば銅元素換算)で上記範囲に調整されてよい。
B液は、重金属イオン(例えば重金属塩)を含有していなくてよい。B液は、水、有機溶媒等を含有してよい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリドンが挙げられる。B液としては、樹脂部材が溶解しない限り、水、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、及び、これらの混合物を使用することができる。有機溶媒(例えばN-メチル-2-ピロリドン)の含有量(混合割合)は、B液の全量を基準として、例えば20~80質量%であってよい。
各セルに挿入される電極(陽極及び陰極)の材料としては、導電体であればよく、電極として市販されている材料に限らず、様々な材料を使用することができる。また、市販された電極でなくてもよく、電極としては、例えば、金属板を任意形状に加工したものを用いてもよく、鉛筆、シャープペンシル等の芯をそのまま用いることもできる。電極としては、例えば、白金、金、パラジウム等の金属電極;カーボン電極(カーボン材料の電極)が挙げられる。
電圧印加に用いる直流電源としては、特に制限はなく、市販の装置を使用できる。直流電源における出力可能な電圧は、1V以上であってよい。
測定時に陽極と陰極との間に印加する電圧は、樹脂部材、重金属イオン、A液及びB液の種類に応じて異なるが、例えば、厚さ20μmのフィルム状の樹脂部材を用い、A液に硫酸銅水溶液、B液に水:N-メチル-2-ピロリドン:硫酸ナトリウムの質量比50:50:0.05の溶液を用いる場合、6~24V程度を電極に印加してよい。
このような評価装置においては、陽極と陰極との間に電圧を印加し、樹脂部材に対する重金属イオンの拡散現象(透過現象)を検出して、樹脂部材に対する重金属イオンの拡散性(透過性)を評価できる。樹脂部材に対する重金属イオンの拡散現象(透過現象)を検出する方法としては、例えば、陽極と陰極との間に電圧を印加した後、陽極と陰極との間に流れる電流値を測定する方法、及び、陽極と陰極との間に電圧を印加した後、B液の重金属イオン濃度を定量する方法を使用できる。
陽極と陰極との間に流れる電流値を測定する方法において、陽極と陰極との間に電圧を印加し、重金属イオンが樹脂部材を透過してA液からB液へ移動すると、樹脂部材で仕切られたA液及びB液の間にわずかな電流が流れ始め、徐々に電流値が増加する。電流値の変化(所定の電流値に達するまでの所要時間、所定時間後の電流値等)を確認することで、拡散性(透過性)の違いを評価することができる。例えば、測定対象の樹脂部材を用いた場合において所定の電流値に達するまでの所要時間と、比較対象の樹脂部材を用いた場合において所定の電流値に達するまでの所要時間とをそれぞれ取得し、所要時間を互いに比較することで拡散性(透過性)を評価することができる。例えば、所定の電流値に達するまでの所要時間が短い方が、拡散性(透過性)が高いと評価することができる。
このような評価装置は、樹脂部材内において重金属イオンを拡散させるために用いてもよく、当該評価装置を用いて重金属イオンを拡散させた後に上述のとおり樹脂部材内の各領域における重金属イオンの存在量を比較してよい。
本実施形態に係る構造体は、重金属イオンを含有する金属部材(第1部材)と、当該金属部材に接する樹脂部材(第2部材)と、を備える。本実施形態に係る構造体は、重金属イオンを含有する金属部材(第1部材)と、当該金属部材に接する樹脂部材(第2部材)と、当該樹脂部材に対して金属部材とは反対側に配置された構成部材(構造体の構成部材、第3部材。例えば半導体素子)と、を備えてもよい。本実施形態に係る構造体は、例えば積層体であってよい。金属部材(第1部材)、樹脂部材(第2部材)及び第3部材は、鉛直方向に配列されていてよく、鉛直方向に交差する方向(例えば鉛直方向に垂直な方向)に配列されていてもよい。本実施形態に係る構造体は、第3部材として半導体素子を備える半導体装置(例えば半導体パッケージ)であってよい。本実施形態に係る構造体は、複数の半導体素子を積み重ねた構造のStacked-PKGであってもよい。
金属部材は、本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法における評価対象の重金属イオンを含有する。重金属イオンとしては、重金属イオンの拡散性の評価方法において上述した重金属イオンを用いることができる。金属部材としては、リードフレーム(42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等)、配線、ワイヤ、放熱材などが挙げられる。樹脂部材は、本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法における評価対象の樹脂部材である。第3部材としては、特に限定されず、金属部材、樹脂部材、半導体部材等であってよい。半導体部材としては、半導体素子(半導体チップ。IC、LSI等)、半導体ウェハなどが挙げられる。半導体ウェハとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、各種セラミック、ガリウムヒ素等の化合物半導体などが挙げられる。第3部材は、樹脂部材(第2部材)に接していてよく、樹脂部材(第2部材)に接していなくてもよい(樹脂部材と第3部材との間に他の部材が介在してよい)。
本実施形態に係る構造体において、樹脂部材の金属部材側の半分の領域(第1の領域)における重金属イオンの存在量は、樹脂部材における金属部材側とは反対側の半分の領域(第2の領域)における重金属イオンの存在量よりも多くてよく、構造体が上述の第3部材を備える場合、樹脂部材の金属部材側の半分の領域(第1の領域)における重金属イオンの存在量は、樹脂部材の第3部材(例えば半導体素子)側の半分の領域(第2の領域)における重金属イオンの存在量よりも多くてよい。これらの場合、金属部材から供給された重金属イオンが金属部材側とは反対側(半導体素子等の第3部材側)に拡散にくいことから、重金属イオンの拡散に起因する問題(上述の電気信号のロス等)が生じることを抑制しやすい。
本実施形態に係る構造体の製造方法は、重金属イオンを含有する金属部材(第1部材)と、本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法の評価結果に基づき選定された樹脂部材(第2部材)と、を接触させる工程Aを備える。
本実施形態に係る構造体の製造方法は、工程Aの前に、本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法の評価結果(重金属イオンの拡散性の評価結果)に基づき樹脂部材を選定する選定工程を備えてよい。選定工程では、例えば、重金属イオンの拡散性のガラス転移温度に対する依存性に関する情報(データベース等)を用いて、ガラス転移温度の測定結果に基づき、所望の重金属イオンの拡散性を有する樹脂部材を選定できる。
選定工程では、樹脂材料のガラス転移温度を、所望の重金属イオンの拡散性を与えるガラス転移温度に調整してよい。例えば、樹脂材料のガラス転移温度を、樹脂部材の一方側から他方側に向けて樹脂部材内において重金属イオンを拡散させた際に樹脂部材の前記一方側の半分の領域(第1の領域)における重金属イオンの存在量が樹脂部材の前記他方側の半分の領域(第2の領域)における重金属イオンの存在量よりも多い状態を与えるガラス転移温度に調整してよい。
本実施形態に係る構造体の製造方法は、樹脂部材に対して金属部材とは反対側に上述の第3部材(例えば半導体素子)を配置する工程Bを備えてよい。工程Bは、工程Aの前に行われよく、工程Aの後に行われてもよい。
図2は、構造体の一例を示す模式断面図である。図2に示す半導体装置200は、半導体素子210と、金属部材220と、樹脂部材230と、一対のワイヤ240と、封止材250と、を備える。
半導体素子210及び金属部材220としては、上述した半導体素子及び金属部材を用いることができる。金属部材220は、半導体素子210を支持している。金属部材220は、重金属イオンを含有している。
樹脂部材230は、本実施形態に係る重金属イオンの拡散性の評価方法における評価対象の樹脂部材である。樹脂部材230は、半導体素子210及び金属部材220の間において半導体素子210と金属部材220とを接着する接着部材である。樹脂部材230は、硬化物であってよい。樹脂部材230として、重金属イオンの拡散性の低い樹脂部材を用いることにより、金属部材220から重金属イオンが拡散して半導体素子210に至ることに起因する電気的な不具合の発生を抑制できる。
ワイヤ240のそれぞれは、半導体素子210の接続端子(図示せず)及び金属部材220の接続端子(図示せず)を電気的に接続する。ワイヤ240としては、金線、アルミニウム線、銅線等が挙げられる。
封止材250は、半導体素子210、樹脂部材230及びワイヤ240の全体と、金属部材220の表面とを封止している。封止材250を構成する封止材料としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
半導体装置200は、例えば、半導体素子210と金属部材220との間に樹脂部材230を介在させた状態で圧着した後、ワイヤーボンディングによりワイヤ240を形成し、さらに、封止材250により半導体素子210等を封止することにより得ることができる。(1)半導体素子210と金属部材220との圧着時、(2)半導体素子210と金属部材220とを圧着した後、かつ、封止材250により封止する前、又は、(3)封止材250により封止した後に、加熱処理を施すことにより樹脂部材230を硬化(熱硬化)させてよい。
以下、本発明を実験例に基づいて具体的に説明するが、本発明は当該実験例に限定されるものではない。
<評価フィルムの作製>
下記アクリルゴム溶液を100メッシュのフィルターでろ過した後に真空脱泡した。離型処理を施した厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET。基材フィルム)上に真空脱泡後のアクリルゴム溶液を塗布して塗膜を得た。塗膜を90℃で5分間、130℃で5分間の2段階で加熱乾燥することにより、評価対象の樹脂部材としてBステージ状態の評価フィルム(厚さ:20μm)をそれぞれ得た。
A:重量平均分子量:80万、ガラス転移温度:12℃、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:HTR-860P-3CSP、溶剤:シクロヘキサノン
B:重量平均分子量:60万、ガラス転移温度:12℃、溶剤:シクロヘキサノン
C:重量平均分子量:30万、ガラス転移温度:12℃、溶剤:シクロヘキサノン
D:重量平均分子量:100万、ガラス転移温度:3℃、溶剤:シクロヘキサノン
<実験A:重金属イオンの拡散性の重量平均分子量に対する依存性の評価>
無水硫酸銅(II)2.0gを蒸留水1020gに溶解し、完全に硫酸銅が溶解するまでよく撹拌することにより、銅イオン濃度がCu元素換算で濃度500mg/kgである硫酸銅水溶液(以下、「A液」という)を調製した。
無水硫酸ナトリウム1.0gを蒸留水1000gに溶解し、完全に硫酸ナトリウムが溶解するまでよく撹拌した。これにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を1000g加えた後に撹拌した。その後、室温(25℃。以下同様)になるまで空冷して硫酸ナトリウム溶液(以下、「B液」という)を得た。
以下のとおり、図1に示す構成を有する評価装置を用いて評価を行った。ガラス転移温度が互いに同一である上述の評価フィルムA~Cのそれぞれを直径約3cmの円状に切り抜いて試験片を得た。次に、厚さ1.5mm、外径約3cm、内径1.8cmのシリコンパッキンシートを2枚用意した。試験片を2枚のシリコンパッキンシートで挟み、これを容積50mLの2つのガラス製セル(図1の構成を有するセル)のフランジ部で挟んだ後、ゴムバンドで固定した。
次に、一方のガラス製セルにA液を50g注入した後、他方のガラス製セルにB液を50g注入した。各セルにカーボン電極としてSTAEDTLER製のMars Carbon(φ2mm/130mm)を挿入した。A液側を陽極、B液側を陰極として、陽極と直流電源(株式会社エーアンドディ製、直流電源装置AD-9723D)とを接続した。また、陰極と直流電源とを、電流計(三和電気計器株式会社製、Degital multimeter PC-720M)を介して直列に接続した。室温下、印加電圧24.0Vにて電圧を印加し、印加した後から電流値の計測を開始した。この状態で室温下48時間(2880分)放置した。その後、電流計に記録された電流値の変化を読み取り、電流値が1μAとなった時点を銅イオンの透過時間として求めた。
評価フィルムAの透過時間は281分であり、評価フィルムBの透過時間は250分であり、評価フィルムCの透過時間は181分であった。図3は、評価フィルムを構成する樹脂材料の重量平均分子量(横軸。単位:万)に対する銅イオンの透過時間(縦軸。単位:分)を示す。図3に示されるように、重量平均分子量が減少するほど透過時間が短くなることから、重量平均分子量が減少するほど銅イオンが拡散しやすいことが確認される。
<実験B:重金属イオンの拡散性のガラス転移温度に対する依存性の評価>
(銅イオンの拡散)
上述の評価フィルムA及びDのそれぞれについて、上述の実験Aと同様の評価装置を用いて評価フィルム内に銅イオンを拡散させた。上述の実験Aと同様に印加電圧24.0Vにて電圧を印加した。600分が経過した後、評価フィルムを回収した。評価フィルム中の水を蒸発させるため25℃で評価フィルムを8時間乾燥し、グロー放電発光分析の評価フィルムとして得た。
(拡散性の評価)
グロー放電発光分析(GD-OES)に基づき、評価フィルムの厚み方向における銅イオンの存在量を測定した。測定装置として株式会社リガク製の商品名「GDA750」を用いて下記の測定条件で測定を行った。
・測定直径:4mm
・電圧:700V
・電流:15mA
・周波数:110Hz
・Duty:20%
・時間:20000秒
図4は、評価フィルムにおける厚み方向の位置(横軸。単位:μm)に対する銅イオンの存在量(銅イオン強度。縦軸。単位:a.u.)を示す。図4(a)は評価フィルムAの銅イオン分布を示し、図4(b)は評価フィルムDの銅イオン分布を示す。横軸において、左側が銅イオン供給側(A液側)であり、右側が銅イオン受け取り側(B液側)である。株式会社リガク製の商品名「GDA750」を用いて、全領域(銅イオン供給側~銅イオン受け取り側)における面積S1と、銅イオン供給側の半分の領域(銅イオン供給側から10μmの領域)の面積S2とを測定し、面積比S2/S1を算出した。評価フィルムAの面積比は78.74%であり、評価フィルムDの面積比は12.31%であった。図4に示される銅イオン分布及び面積比に示されるように、評価フィルムAでは、銅イオン供給側に銅イオンが分布しており、銅イオンが拡散しづらいのに対し、評価フィルムDでは、銅イオン受け取り側に銅イオンが分布しており、銅イオンが拡散しやすいことが確認される。
評価フィルムAと評価フィルムDとでは、ガラス転移温度及び重量平均分子量が異なり、評価フィルムAの重量平均分子量は評価フィルムDよりも小さい。上述の実験Aによれば、重量平均分子量が減少するほど銅イオンが拡散しやすいことから、重量平均分子量の観点では、評価フィルムAにおいて銅イオンは評価フィルムDよりも拡散しやすいものの、図4に結果によれば、評価フィルムAにおいて銅イオンは評価フィルムDよりも拡散しづらいことが確認される。このような結果によれば、重金属イオンの拡散性にガラス転移温度が大きく寄与しており、樹脂材料のガラス転移温度に基づき重金属イオンの拡散性を評価(予測)できると考えられる。
10a,10b…セル、12a,12b…セル本体、14a,14b…開口部、16a,16b…フランジ部、20…直流電源、40…樹脂部材、40a,40b…主面、50a,50b…パッキン、60a…陽極、60b…陰極、62a,62b…クリップ、70a,70b,70c…電気配線、100…評価装置、200…半導体装置、210…半導体素子、220…金属部材、230…樹脂部材、240…ワイヤ、250…封止材、D…内径。

Claims (5)

  1. 樹脂部材を構成する樹脂材料のガラス転移温度に基づき前記樹脂部材における重金属イオンの拡散性を評価する評価方法であって、
    前記重金属イオンの拡散性として、前記樹脂部材の一方側から他方側に向けて前記樹脂部材内において重金属イオンを拡散させた際に前記樹脂部材の前記一方側の半分の領域における重金属イオンの存在量が前記樹脂部材の前記他方側の半分の領域における重金属イオンの存在量よりも多い状態を与えるか否かを評価し、
    前記ガラス転移温度が100℃以下である、重金属イオンの拡散性の評価方法。
  2. 前記重金属イオンが銅イオンである、請求項1に記載の重金属イオンの拡散性の評価方法。
  3. 前記樹脂部材がフィルム状である、請求項1又は2に記載の重金属イオンの拡散性の評価方法。
  4. 重金属イオンを含有する金属部材と、請求項1~3のいずれか一項に記載の重金属イオンの拡散性の評価方法の評価結果に基づき選定された樹脂部材と、を接触させる工程を備える、構造体の製造方法。
  5. 前記樹脂部材に対して前記金属部材とは反対側に半導体素子を配置する工程を更に備える、請求項4に記載の構造体の製造方法。
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