JP6199899B2 - 味の締まりが付与された、ノンアルコールのビールテイスト飲料 - Google Patents

味の締まりが付与された、ノンアルコールのビールテイスト飲料 Download PDF

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Description

本発明は、特定量のポリフェノールを含有するノンアルコールのビールテイスト飲料、その製造方法、及びその製造において用いる麦汁を提供する。
ビールの製造において、麦芽とホップは大変重要な原料である。麦芽とホップに由来するポリフェノールは、ビールにコクを付与すると共に、味に締まりを与える。そして、ホップに由来する芳香成分は、ビールに華やかな香味を付与する。さらに、ホップに由来する苦味成分は、ビールにすっきりとした苦味と豊かな泡持ちを付与する。
ビールの苦味は、麦芽とホップの重量比率に影響を受ける。これに関し、非特許文献1は、第78頁〜79頁において、麦芽の使用量が高いコクのあるビールでホップの使用量を抑えると、味の締まりに欠け、キレが劣った飲みにくいものになること、そして麦芽の使用量が小さい比較的淡白な味のビールでホップの使用量を高めると、苦味の浮いたバランスに欠けたものになることを報告している。従って、ビールの製造においては、麦芽の使用量が高いコクのあるビールではホップの使用量を高め、比較的淡白な味のビールではホップの使用量を低くするのが一般的である。
近年、消費者の健康志向が高まる中、ノンアルコール、即ちアルコール度数が0.00%であるビールテイスト飲料の需要が高まっている。発酵が行われるとアルコールが生成することから、ノンアルコールビールテイスト飲料は、発酵を経ずに製造されることが多い。特許文献1は、植物性タンパク分解物並びに、麦芽抽出物を原料として用いることにより、ビール様の苦味やコク感のある、香味に厚みとまとまりが加わった、エタノールを実質的に含まない非発酵ビール風味炭酸飲料を製造することを記載する。
特開2011−142901号公報
渡 淳二 書 「ビールの科学」、2010年6月4日 第7刷発行、株式会社講談社
ビールの製造において一般的に採用されている麦芽とホップの重量比で、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造したところ、製造されたビールテイスト飲料は、味の締まりに欠けることが判明した。このような課題は、発酵を行わずに製造されるノンアルコールのビールテイスト飲料における特有の課題である。
本発明は、味の締まりが付与されたノンアルコールのビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
以上の事情に鑑み、本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、ビールにおいては、渋みの浮いたバランスに欠ける風味となることが想定されるほどに麦芽に対するホップの重量比を上げることによって、予想に反し、バランスに優れたノンアルコールのビールテイスト飲料を製造できることを知見として得た。当該知見は、全くの予想外であり、驚くべきものであった。そして、この知見に基づき、ノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が特定の範囲内であれば、ノンアルコールのビールテイスト飲料に、渋みの浮いたバランスに欠けた風味になることなく、味の締まりを付与できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、(1)〜(26)のノンアルコールのビールテイスト飲料、その製造方法、及びその製造において使用する麦汁が提供される。
(1)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜50×10−4である、ノンアルコールのビールテイスト飲料。
(2)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜40×10−4である、(1)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(3)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜30×10−4である、(1)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(4)前記エキス分の総量が0.1〜2重量%である、(1)〜(3)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(5)前記エキス分の総量が0.1〜1重量%である、(4)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(6)前記エキス分の総量が0.1〜0.5重量%である、(4)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(7)前記エキス分の総量が0.1〜0.35重量%である、(4)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(8)前記エキス分に、麦由来のエキス分が含まれる、(1)〜(7)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(9)カロリーが0.4〜8kcal/100mlである、(1)〜(8)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(10)カロリーが0.4〜4kcal/100mlである、(9)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(11)カロリーが0.4〜2kcal/100mlである、(9)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(12)カロリーが0.4〜1.4kcal/100mlである、(9)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(13)糖質の含量が0.1〜2.0g/100mlである、(1)〜(12)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(14)糖質の含量が0.1〜1.0g/100mlである、(13)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(15)糖質の含量が0.1〜0.5g/100mlである、(13)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(16)糖質の含量が0.1〜0.35g/100mlである、(13)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(17)非発酵である、(1)〜(16)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(18)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜50×10−4である麦汁。
(19)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜40×10−4である、(18)に記載の麦汁。
(20)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜30×10−4である、(18)に記載の麦汁。
(21)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜50×10−4である麦汁に、調味成分及び炭酸ガスを加える工程を含む、ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法。
(22)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜40×10−4である、(21)に記載の製造方法。
(23)エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が20×10−4〜30×10−4である、(21)に記載の製造方法。
(24)ホップペレットを麦汁濾液に添加し、煮沸することによって得られる麦汁を用いる、(21)〜(23)のいずれかに記載の製造方法。
(25)前記ビールテイスト飲料が、非発酵である、(21)〜(24)のいずれかに記載の製造方法。
(26)(1)〜(17)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を製造するための、(21)〜(25)のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、ノンアルコールのビールテイスト飲料において、渋みの浮いたバランスに欠けた風味とすることなく、味の締まりを付与することができる。
<ノンアルコールのビールテイスト飲料>
本発明は、ノンアルコールのビールテイスト飲料を提供する。本明細書において、ノンアルコールのビールテイスト飲料とは、特に非発酵のビールテイスト飲料であってよい。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料は、ポリフェノールを含有する。本発明においては、ポリフェノールはノンアルコールのビールテイスト飲料の味に締まりを付与できることから、風味の観点から重要である。従って、ノンアルコールのビールテイスト飲料の総ポリフェノール含量を高めるために、ポリフェノール含量の高いホップを使用することが好ましい。ホップペレットは、ホップエキスに比べてポリフェノールを多く含んでいるため、本発明において好ましく使用することができる。
本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料のポリフェノール含量は、エキス分の総量に対する重量比によって規定することができる。前記のエキス分の総量に対するポリフェノールの重量比は、渋みが浮かず、かつ味に締まりを前記飲料に付与するという、本発明の効果に影響する。従って、前記の重量比は、本発明の効果を妨げない範囲であればよい。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)は、下限を20×10−4以上、好ましくは21×10−4以上、より好ましくは22×10−4以上、さらに好ましくは23×10−4以上、さらにより好ましくは24×10−4以上、上限を50×10−4以下、好ましくは40×10−4以下、より好ましくは35×10−4以下、さらに好ましくは30×10−4以下、さらにより好ましくは29×10−4以下、もっと好ましくは28×10−4以下、さらにもっと好ましくは27×10−4以下、さらにより好ましくは26×10−4以下、さらにもっと好ましくは25×10−4以下とするいずれの組合わせによる範囲としてよい。例えば、エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)を20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4にすることができる。更なる例として、エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)を20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4、さらに好ましくは20×10−4〜30×10−4、さらにより好ましくは20×10−4〜29×10−4、もっと好ましくは20×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは21×10−4〜28×10−4、さらにより好ましくは22×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは22×10−4〜27×10−4、よりさらに好ましくは23×10−4〜27×10−4、よりさらにもっと好ましくは23×10−4〜26×10−4、特に好ましくは24×10−4〜26×10−4、特にさらに好ましくは24×10−4〜25×10−4にすることができる。既存のノンアルコールのビールテイスト飲料においては、前記の重量比でポリフェノールを含有するものは見当たらない。
エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が20×10−4より低くなると、ノンアルコールのビールテイスト飲料において渋みが浮くことはないものの、味に締まりがなくなり好ましくない。一方、エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が50×10−4より高くなると、ノンアルコールのビールテイスト飲料において味に締まりはあるものの、渋みが浮いてしまうため好ましくない。
本明細書において、味の「締まり」とは、味のまとまりがあり、キレがある(キレが良い)ことをいう。
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無に拘わらず、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。本発明は、この飲料の内の、ノンアルコールタイプ、例えば非発酵のノンアルコールタイプのものに向けられ、これはアルコールを実質的に含まない。ここで、本発明の飲料は、検出できない程度の極く微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、本発明のノンアルコール飲料に包含される。酵母による発酵工程を経た飲料からアルコールを完全に除去することは難しいため、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料にあっては、非発酵で造ることが望ましい。本明細書において、非発酵とは、微生物による有機物の分解が起こらないことをいい、特に、酵母による有機物の分解によってアルコールが生成しないことをいう。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料の種類としては、例えば、非発酵のノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。
本明細書においては、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、アルコール分は、公知のいずれの方法を用いて測定することができ、振動式密度計を用いて測定することができる。以下に具体例を説明する。飲料を濾過又は超音波処理し、炭酸ガスが除去された試料を調製する。当該試料を直火蒸留することにより蒸留液を得、当該蒸留液の15℃における密度を測定する。国税庁所定分析法(平成19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改定)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて、前記測定値を換算することによって、飲料中のアルコール分を求めることができる。また、アルコール分が低濃度、例えば、1.0v/v%未満の場合は、市販のアルコール測定装置、又はガスクロマトグラフィー等を用いてアルコール分を測定してもよい。
本明細書でいうポリフェノールとは、例えば、麦及びホップに由来するポリフェノール、添加物として加えられるポリフェノールが挙げられる。麦由来のポリフェノールとしては、例えばカテキン、プロデルフィニジンB3、プロシアニジンB3等が挙げられる。ホップ由来のポリフェノールとしては、例えばカテキン、プロシアニジンB3、プロシアニジンC2等が挙げられる。添加物として加えられるポリフェノールとしては、食品添加物として認められているものであればよく、例えば、緑茶ポリフェノール、ウ一口ン茶ポリフェノール、リンゴポリフェノール等が挙げられる。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料は、麦由来のポリフェノールとホップ由来のポリフェノールを含有する。ポリフェノール含量の測定は、一般に知られているいずれの方法によって行うことができる。本発明においては、別段の記載がない限り、ビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.11 総ポリフェノール」に従い測定する。
本明細書でいうホップとは、ビール等の製造において使用されるものであればよく、例えば、ベールホップ、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス、や、イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップといったホップ加工品等から目的に応じて1又は複数を適宜選択することができる。前記ホップはいずれの形態であってもよいが、ポリフェノール含量が高いものが好ましく、ホップペレットが好適である。
本明細書でいうエキス分の総量とは、ノンアルコールのビールテイスト飲料に含まれるエキス分の合計をいい、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.2 エキス」に従って測定することができる。
本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料においては、エキス分の総量は、ノンアルコールのビールテイスト飲料の液面に形成される泡に影響を与える。エキス分の総量を特定の範囲内にすることによって、液面に形成される泡に十分な品質、特に高い泡持ちの安定性を与えることができるため、外観をビールに近づける観点から好ましい。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、もっと好ましくは0.4重量%以下、さらにもっと好ましくは0.35重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%とすることができる。更なる例として、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量は、例えば0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜0.6重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%、もっと好ましくは0.1〜0.4重量%、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.3重量%、よりさらに好ましくは0.2〜0.3重量%とすることができる。
そして、前記のエキス分には麦由来のエキス分が含まれてもよい。本明細書でいう麦由来のエキス分とは、麦芽等の麦に由来するエキス分であればよく、いずれの原料の麦から得られるものであってもよい。麦由来のエキス分の総量は、前記エキス分の総量から、別途求めた添加物やその他の原料のエキス分の量を減じることによって求めることができる。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料における麦由来のエキス分の総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、もっと好ましくは0.4重量%以下、さらにもっと好ましくは0.35重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料における麦由来のエキス分の総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%とすることができる。更なる例として、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料における麦由来のエキス分の総量は、例えば0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜0.6重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%、もっと好ましくは0.1〜0.4重量%、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.3重量%、よりさらに好ましくは0.2〜0.3重量%とすることができる。
本明細書でいう麦とは、ビールや発泡酒の製造において一般的に用いられるものであればよい。前記麦とは、外見が類似するイネ科の穀物を意味する。前記麦として、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等が挙げられ、好ましくは大麦を用いる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を複数組合わせて用いてもよい。上記の麦は、発芽した麦、未発芽の麦のいずれでもよいが、本発明においては発芽した麦が好ましい。当該発芽した麦のうち麦芽がさらに好ましい。本明細書でいう麦芽とは、発芽した麦を乾燥し、除根したものをいう。
本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料のカロリーは、飲料100mlあたり、下限を0.4kcal以上、好ましくは0.8kcal以上、上限を8kcal以下、好ましくは4kcal以下、より好ましくは3.2kcal以下、さらに好ましくは2.4kcal以下、さらにより好ましくは2kcal以下、もっと好ましくは1.6kcal以下、さらにもっと好ましくは1.4kcal以下、さらにより好ましくは1.2kcal以下とするいずれの組合わせによる範囲としてよい。例えば、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料のカロリーは、飲料100mlあたり、0.4〜8kcal、好ましくは0.4〜4kcal、より好ましくは0.4〜2kcalにすることができる。更なる例として、前記ノンアルコールのビールテイスト飲料のカロリーは、飲料100mlあたり0.4〜8kcal、好ましくは0.4〜4kcal、より好ましくは0.4〜3.2kcal、さらに好ましくは0.4〜2.4kcal、さらにより好ましくは0.4〜2kcal、もっと好ましくは0.4〜1.6kcal、さらにもっと好ましくは0.4〜1.4kcal、さらにより好ましくは0.4〜1.2kcal、よりさらに好ましくは0.8〜1.2kcalとすることができる。
飲料に含まれるカロリーは、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。
すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。
飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料は、糖質を含有する。本明細書でいう糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。糖質として、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類〜十糖類のオリゴ糖を挙げることができ、本発明においては単糖類及び二糖類が好ましい。単糖類としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース等が挙げられる。二糖類としては、スクロース、乳糖、麦芽糖、トレハロース、セロビオース等が挙げられる。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料の糖質含量は、下限を0.1g/100ml以上、好ましくは0.2g/100ml以上、上限を2.0g/100ml以下、好ましくは1.0g/100ml以下、より好ましくは0.8g/100ml以下、さらに好ましくは0.6g/100ml以下、さらにより好ましくは0.5g/100ml以下、もっと好ましくは0.4g/100ml以下、さらにもっと好ましくは0.35g/100ml以下、さらにより好ましくは0.3g/100ml以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料の糖質含量は、0.1〜2.0g/100ml、好ましくは0.1〜1.0g/100ml、より好ましくは0.1〜0.5g/100mlとすることができる。更なる例として、前記ノンアルコールのビールテイスト飲料の糖質含量は、0.1〜2.0g/100ml、好ましくは0.1〜1.0g/100ml、より好ましくは0.1〜0.8g/100ml、さらに好ましくは0.1〜0.6g/100ml、さらに好ましくは0.1〜0.5g/100ml、もっと好ましくは0.1〜0.4g/100ml、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35g/100ml、さらにより好ましくは0.1〜0.3g/100ml、よりさらに好ましくは0.2〜0.3g/100mlとすることができる。
糖質の量は、飲料全体の重量からタンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分、及び水分の量を差し引くことによって算出することができる。前記タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定することができる。具体的には、タンパク質量は、窒素定量換算法により測定することができる。脂質量は、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法、又はレーゼゴットリーブ法により測定することができる。食物繊維の量は、高速液体クロマトグラフ法又は硫酸添加灰化法で測定することができる。水分量は、カールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法、又はプラスチックフィルム法で測定することができる。これらの測定方法は、当業者間で一般的に知られている。
本発明の別の側面によれば、エキス分の総量とポリフェノールの重量比が特定の範囲内の麦汁が提供される。前記麦汁は、マッシング後の麦汁濾液を煮沸することによって得ることができる。前記麦汁は、味の締まりを有し、かつ渋みが浮かないノンアルコールのビールテイスト飲料の製造に好ましく用いることができる。
本発明の麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比は、本発明の効果を妨げない範囲にすることができる。本発明の麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)は、下限を20×10−4以上、好ましくは21×10−4以上、より好ましくは22×10−4以上、さらに好ましくは23×10−4以上、さらにより好ましくは24×10−4以上、上限を50×10−4以下、好ましくは40×10−4以下、より好ましくは35×10−4以下、さらに好ましくは30×10−4以下、さらにより好ましくは29×10−4以下、もっと好ましくは28×10−4以下、さらにもっと好ましくは27×10−4以下、さらにより好ましくは26×10−4以下、さらにもっと好ましくは25×10−4以下とするいずれの組合わせによる範囲としてよい。例えば、エキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)を20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4にすることができる。更なる例として、エキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)を20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4、さらに好ましくは20×10−4〜30×10−4、さらにより好ましくは20×10−4〜29×10−4、もっと好ましくは20×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは21×10−4〜28×10−4、さらにより好ましくは22×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは22×10−4〜27×10−4、よりさらに好ましくは23×10−4〜27×10−4、よりさらにもっと好ましくは23×10−4〜26×10−4、特に好ましくは24×10−4〜26×10−4、特にさらに好ましくは24×10−4〜25×10−4にすることができる。既存の麦汁においては、前記の重量比でポリフェノールを含有するものは見当たらない。
エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が20×10−4より低くなると、ノンアルコールのビールテイスト飲料において渋みが浮くことはないものの、味に締まりがなくなり好ましくない。一方、エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が50×10−4より高くなると、ノンアルコールのビールテイスト飲料において味に締まりはあるものの、渋みが浮いてしまい好ましくない。
そして、本発明の麦汁における、前記のエキス分には麦由来のエキス分が含まれてもよい。麦由来エキス分を含む場合、その総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、もっと好ましくは0.4重量%以下、さらにもっと好ましくは0.35重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば、麦由来エキス分の総量は、その総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%とすることができる。更なる例として、麦由来エキス分を含む場合、その総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜0.6重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%、もっと好ましくは0.1〜0.4重量%、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.3重量%、よりさらに好ましくは0.2〜0.3重量%とすることができる。ここで、麦汁中のエキス分の総量は、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.2 エキス」に従って測定することができる。
本発明の麦汁に脱気水、炭酸ガス、調味成分等を加えることによってノンアルコールのビールテイスト飲料を得ることができる。即ち、本発明の麦汁は、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造するための中間体として有用である。前記麦汁は、使用するまで貯蔵タンクやコンテナ等で保存しておくことができる。保存は常温(25℃)以下の温度であればよいが、品質劣化を抑制する観点から冷却して保存することが好ましい。ここでいう冷却とは、例えば20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下である。冷却された麦汁を、特に冷麦汁という。本発明の麦汁の使用の一態様としては、ノンアルコールのビールテイスト飲料の中間体として麦汁をある工場で製造し、当該麦汁を冷却コンテナ等に充填し、国内外の別の工場に運搬し、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造することが挙げられる。
<ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法>
本発明の別の側面によれば、ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法が提供される。当該製造方法は、エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が特定の範囲内である、ノンアルコールのビールテイスト飲料が製造できるのであれば、いずれの手段を用いてもよい。例えば、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法は、麦汁調製工程、及び製品調製工程を含む。
本明細書でいう麦汁調製工程とは、例えば、糖化工程及びタンパク分解工程を含むマッシング工程、麦汁濾過工程、及び麦汁煮沸工程を含む。
マッシング工程は、糖化工程及びタンパク分解工程を含む。ここでいう糖化工程とは、粉砕機で粉砕された麦芽等に由来する炭素源および/または窒素源を水に懸濁・溶解し、デンプン等の糖質を分解することによって、糖類を生成させる工程をいう。タンパク質の分解工程とは、タンパク質やペプチド等を分解し、アミノ酸やオリゴペプチドを生成させる工程をいう。
マッシング工程は、例えば、麦芽等の原料と水を混合し、任意の温度で任意の時間処理することによって行う。ここにおいて、麦芽を原料として用いる場合、麦芽は粉砕麦芽を用いる。
そして、マッシング工程の処理条件は、麦汁調製工程を経て得られる麦汁における糖質含量、又は麦汁調製工程及び製品調製工程を経て得られるノンアルコールのビールテイスト飲料における糖質含量が、下限が0.1g/100ml以上、好ましくは0.2g/100ml以上、上限が2.0g/100ml以下、好ましくは1.0g/100ml以下、より好ましくは0.8g/100ml以下、さらに好ましくは0.6g/100ml以下、さらにより好ましくは0.5g/100ml以下、もっと好ましくは0.4g/100ml以下、さらにもっと好ましくは0.35g/100ml以下、さらにより好ましくは0.3g/100ml以下とするいずれの組合わせによる範囲となるように設定してよい。例えば、マッシング工程の処理条件は、麦汁調製工程を経て得られる麦汁における糖質含量、又は麦汁調製工程及び製品調製工程を経て得られるノンアルコールのビールテイスト飲料における糖質含量が、0.1〜2.0g/100ml、好ましくは0.1〜1.0g/100ml、より好ましくは0.1〜0.5g/100mlとなるように設定することができる。更なる例として、マッシング工程の処理条件は、麦汁調製工程を経て得られる麦汁における糖質含量、又は麦汁調製工程及び製品調製工程を経て得られるノンアルコールのビールテイスト飲料における糖質含量が、0.1〜2.0g/100ml、好ましくは0.1〜1.0g/100ml、より好ましくは、0.1〜0.8g/100ml、さらに好ましくは0.1〜0.6g/100ml、さらにより好ましくは0.1〜0.5g/100ml、もっと好ましくは0.1〜0.4g/100ml、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35g/100ml、さらにより好ましくは0.1〜0.3g/100ml、よりさらに好ましくは0.2〜0.3g/100mlとなるように設定することができる。マッシング工程の温度は、商品の香味設計に応じて、適切なマッシングパターンを選択することができる。マッシング工程においては、麦芽に由来する内在性の酵素のみを用いてもよいが、糖化効率を高めたり、目的とする糖質組成を得るために、糖化酵素を別途加えてもよい。
マッシング工程においては、更に、副原料を加えることもできる。副原料としては、ビールの製造において一般的に用いられるものであればよいが、例えばコーンスターチ、コーングリッツ、米等が挙げられる。
本明細書でいう麦汁濾過工程とは、マッシング工程後のマッシュを濾過する工程をいう。
本明細書でいう麦汁煮沸工程とは、麦汁濾過工程により得られる濾液にホップを加えて煮沸する工程をいう。ホップを加えるタイミングとしては、煮沸開始前、煮沸開始と同時、又は煮沸開始直後が好ましい。ホップは、一度に全量を加えてもよいし、数回に分けて加えてもよい。後の工程において得られる麦汁又はノンアルコールのビールテイスト飲料におけるポリフェノール含量を特定の範囲内とするために、麦汁煮沸工程においてポリフェノールを加えることができる。例えば、ホップの添加量を調節することによって、ホップに由来するポリフェノールを所望の量で加えることができる。あるいは、添加物として加えることができるポリフェノールを加えることができる。このようなポリフェノールとしては、例えばカテキン、プロデルフィニジンB3、プロシアニジンB3、プロシアニジンC2、緑茶ポリフェノール、ウ一口ン茶ポリフェノール、リンゴポリフェノール等が挙げられる。
麦汁煮沸工程における煮沸条件は、エキス分の総量とポリフェノールの重量比が特定の範囲内になるように設定する。煮沸後の麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)は、下限を20×10−4以上、好ましくは21×10−4以上、より好ましくは22×10−4以上、さらに好ましくは23×10−4以上、さらにより好ましくは24×10−4以上、上限を50×10−4以下、好ましくは40×10−4以下、より好ましくは35×10−4以下、さらに好ましくは30×10−4以下、さらにより好ましくは29×10−4以下、もっと好ましくは28×10−4以下、さらにもっと好ましくは27×10−4以下、さらにより好ましくは26×10−4以下、さらにもっと好ましくは25×10−4以下とするいずれの組合わせによる範囲としてよい。即ち、前記煮沸条件は、煮沸後の麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が、例えば20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4となるように設定することが挙げられる。更なる例として、前記煮沸条件は、煮沸後の麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が、20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4、さらに好ましくは20×10−4〜30×10−4、さらにより好ましくは20×10−4〜29×10−4、もっと好ましくは20×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは21×10−4〜28×10−4、さらにより好ましくは22×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは22×10−4〜27×10−4、よりさらに好ましくは23×10−4〜27×10−4、よりさらにもっと好ましくは23×10−4〜26×10−4、特に好ましくは24×10−4〜26×10−4、特にさらに好ましくは24×10−4〜25×10−4となるように設定することが挙げられる。
また、麦汁煮沸工程においては、ホップ以外の成分を加えることができる。そのような成分としては、ビールの製造において一般的に用いられている成分であり、例えば着色料、香料等が挙げられる。
上記の麦汁煮沸工程を経ることによって麦汁を調製することができる。麦汁におけるエキス分の総量とポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)は、下限を20×10−4以上、好ましくは21×10−4以上、より好ましくは22×10−4以上、さらに好ましくは23×10−4以上、さらにより好ましくは24×10−4以上、上限を50×10−4以下、好ましくは40×10−4以下、より好ましくは35×10−4以下、さらに好ましくは30×10−4以下、さらにより好ましくは29×10−4以下、もっと好ましくは28×10−4以下、さらにもっと好ましくは27×10−4以下、さらにより好ましくは26×10−4以下、さらにもっと好ましくは25×10−4以下とするいずれの組合わせによる範囲としてよい。当該麦汁は、エキス分の総量とポリフェノールを重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が、例えば20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4である。更なる例として、当該麦汁は、エキス分の総量とポリフェノールを重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が、20×10−4〜50×10−4、好ましくは20×10−4〜40×10−4、より好ましくは20×10−4〜35×10−4、さらに好ましくは20×10−4〜30×10−4、さらにより好ましくは20×10−4〜29×10−4、もっと好ましくは20×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは21×10−4〜28×10−4、さらにより好ましくは22×10−4〜28×10−4、さらにもっと好ましくは22×10−4〜27×10−4、よりさらに好ましくは23×10−4〜27×10−4、よりさらにもっと好ましくは23×10−4〜26×10−4、特に好ましくは24×10−4〜26×10−4、特にさらに好ましくは24×10−4〜25×10−4である。
そして前記麦汁におけるエキス分の総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、もっと好ましくは0.4重量%以下、さらにもっと好ましくは0.35重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば、前記麦汁におけるエキス分の総量は、例えば0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。更なる例として、前記麦汁におけるエキス分の総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜0.6重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%、もっと好ましくは0.1〜0.4重量%、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.3重量%、よりさらに好ましくは0.2〜0.3重量%であってもよい。
さらに、前記麦汁における麦由来エキス分の総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、もっと好ましくは0.4重量%以下、さらにもっと好ましくは0.35重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下とするいずれの組合わせによる範囲であってよい。例えば前記麦汁における麦由来エキス分の総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%であってもよい。更なる例として、前記麦汁における麦由来エキス分の総量は、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜0.6重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%、もっと好ましくは0.1〜0.4重量%、さらにもっと好ましくは0.1〜0.35重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.3重量%、よりさらに好ましくは0.2〜0.3重量%であってもよい。
上記の麦汁は、次の製品調製工程に用いるまで保存することができる。保存は、貯蔵タンクやコンテナ等で常温(25℃)以下で行うことができるが、好ましくは冷却して保存する。冷却温度は、例えば20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下で行うことができる。
本明細書でいう製品調製工程とは、麦汁煮沸工程を経て得られる麦汁を用いてノンアルコールのビールテイスト飲料を調製する工程をいう。前記麦汁に調味成分や炭酸ガスを加えることができる。調味成分を加えることによって、ノンアルコールのビールテイスト飲料の味を任意に調製することができる。調味成分としては、酸味料、香料、甘味料等が挙げられる。また、必要に応じてビタミンC等の保存剤を加えてもよい。その後、必要に応じ、麦汁を静置し、更に濾過することにより、ノンアルコールのビールテイスト飲料を得ることができる。
上記したノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法は、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料の製造に好ましく適用することができる。
<その他の成分>
本発明においては、本発明の効果を妨げない限り、食品添加物として認められている成分を用いてもよい。例えば、甘味料、各種酸味料、香料、酵母エキス、カラメル色素等の着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆、そら豆等の植物タンパク質及びペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸等の調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤等が挙げられる。
<容器詰飲料>
本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、例えば、ビン、缶、樽、又はペットボトル等の容器に充填・密閉することができる。
実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は当該実施例によって限定されるものではない。
<ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造>
エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が所望の範囲にある、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料(実施例1〜7)、及びエキス分の総量に対するポリフェノールの重量比が所望の範囲外にある、ノンアルコールのビールテイスト飲料(比較例1〜3)を、以下の方法により製造した。
実施例1〜7、及び比較例1〜3については、麦芽20kgを適当な粒度に粉砕し、これを仕込槽に入れた後、120Lの温水を加えて、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し、濾過を行い、濾液を得た。
得られた濾液の一部をとり、温水を加えた。その際、濾液と温水の混合割合は、後述する煮沸完了時のエキス分の総量が実施例2〜5及び比較例1と3については0.4重量%、実施例1については0.1重量%、実施例6については1重量%、実施例7については2重量%、比較例2については0.05重量%、となるように調整した。
濾液と温水との混合液それぞれについて、製造スケールを100Lとし、ホップを添加し、100℃で80分間煮沸した。この際、苦味価を同じとする条件の下、エキスホップ及びペレットホップの添加量を調整して、同じエキス分の総量であり、かつ総ポリフェノール量の異なる麦汁(以下、原麦汁という)を多く作製した。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、エキス分の総量が同じ原麦汁同士を、混和・調整することによって、所望のポリフェノール量を含む調整麦汁を得た。
これら調整麦汁に、酸化防止剤、香料、酸味料(pHが4未満となる量を添加)を各々適量加えて、約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを適量添加した。その後、濾過・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料(実施例1〜7)と、ノンアルコールのビールテイスト飲料(比較例1〜3)とを得た。
なお、飲料の苦味価については、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.12 苦味価」に従って計測した。脱ガスしたサンプルに酸を加えた後イソオクタンで抽出し、得られたイソオクタン層の吸光度を純粋なイソオクタンを対照に275nmで計測し、ファクターを乗じて苦味価(BU)を得た。
また、ポリフェノール含量については、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.11 総ポリフェノール」に従って計測した。
<香味の評価>
本明細書において、ノンアルコールのビールテイスト飲料の香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「味の締まり」及び「渋み」の有無について、4点満点で評価した。「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「わずかに感じる」=2点、「感じない」=1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均値1.0以上〜2.0未満 ×;
平均値2.0以上〜3.0未満 △;
平均値3.0以上〜4.0以下 ○。
<エキス分の評価>
実施例においては、飲料中のエキス分の量を以下の方法により評価した。即ち、エキス分は、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.2 エキス」に従って計測した。
<カロリーの評価>
カロリーは、健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出した。
<糖質の評価>
糖質の測定は、栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)による計算式を用いた。
<品質評価>
実施例1〜7及び比較例1〜3の香味についての評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 0006199899
表1から明らかなように、エキス分の総量に対するポリフェノール分の重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が、20×10−4〜50×10−4の場合に、味の締まりが感じられた(実施例1〜7)。
比較例1については、渋みが浮くことはないものの、味に締まりがなく、好ましくなかった。比較例2についても、渋みが浮くことはないものの、味に締まりが足りず好ましくなかった。また、比較例3については、味に締まりが感じられるものの、渋みが浮いており、好ましくなかった。
なお、実施例1〜7、及び比較例1〜3については、調整麦汁を作製した段階で、ノンアルコールのビールテイスト飲料で行ったのと同様の品質評価を行った。調整麦汁においても、実施例1〜7については、味に締まりを感じ、一方、比較例1については、渋みが浮くことはないものの、味に締まりがなく、好ましくなかった。比較例2についても、渋みが浮くことはないものの、味に締まりが足りず好ましくなかった。また、比較例3については、味に締まりが感じられるものの、渋みが浮いており、好ましくなかった。

Claims (20)

  1. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜50×10−4である、ノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料であって
    前記エキス分の総量が0.1〜2重量%であり、
    前記エキス分に、麦由来のエキス分が含まれ、
    前記ポリフェノールに、ホップ由来のポリフェノールが含まれ、
    酸化防止剤、香料、及び酸味料を含む
    前記ノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  2. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜40×10−4である、請求項1に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  3. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜30×10−4である、請求項1に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  4. 前記エキス分の総量が0.1〜1重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  5. 前記エキス分の総量が0.1〜0.5重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  6. 前記エキス分の総量が0.1〜0.35重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  7. カロリーが0.4〜8kcal/100mlである、請求項1〜のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  8. カロリーが0.4〜4kcal/100mlである、請求項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  9. カロリーが0.4〜2kcal/100mlである、請求項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  10. カロリーが0.4〜1.4kcal/100mlである、請求項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  11. 糖質の含量が0.1〜2.0g/100mlである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  12. 糖質の含量が0.1〜1.0g/100mlである、請求項11に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  13. 糖質の含量が0.1〜0.5g/100mlである、請求項11に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  14. 糖質の含量が0.1〜0.35g/100mlである、請求項11に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  15. 非発酵である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料。
  16. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜50×10−4である麦汁に、調味成分及び炭酸ガスを加える工程を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のノンアルコールのビールテイスト炭酸飲料の製造方法。
  17. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜40×10−4である、請求項16に記載の製造方法。
  18. エキス分の総量に対するポリフェノールの重量比(ポリフェノールの重量%/エキス分の総量の重量%)が21×10−4〜30×10−4である、請求項16に記載の製造方法。
  19. ホップペレットを麦汁濾液に加え、煮沸することによって得られる麦汁を用いる、請求項16〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 前記ビールテイスト炭酸飲料が、非発酵である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
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