JP6080974B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
しかし、このような加熱調理器では、食品を調理容器に収納した状態で長時間保持する場合があり、食品の腐敗、及び食中毒の原因となる微生物の増殖等が発生し、食品を衛生的に保つことができない課題がある。
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。以下、図1に基づいて加熱調理器100について説明する。
加熱調理器100は、被調理物(本実施の形態1では食材200及び煮汁201)を入れた鍋状容器5を加熱コイル3で加熱することで、被調理物を調理するものである。
本体1は、容器カバー2と、加熱手段としての加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、時間計測手段7と、各部及び各装置を駆動制御して調理工程を実行する制御手段8とを備えている。
なお、鍋状容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成され、有底円筒形状である。鍋状容器5の上端部外周には、フランジ部5aが形成されている。また、鍋状容器5に樹脂性の取っ手18を設ける。
蓋体10は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、蓋体10の周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するシール材である蓋パッキン9が取り付けられている。また、蓋体10には、鍋状容器5の内部と外部とが連通し、鍋状容器5内の蒸気が通る通気口10aと、通気口10aを開閉する通気弁22を備え、蓋体10の中央には蓋つまみ19が設けられている。
操作表示部15は、本体1の前面に設けられている。この操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報及び加熱調理器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、調理の開始、取り消し、予約調理の時間(調理終了時刻)、加熱時間、火力の強弱、食材の種類、調理方法、自動調理メニューなどがある。
操作表示部15が表示する項目としては、例えば、調理中又は予約待機中等の加熱調理器100の状態、設定されている自動調理メニューの内容、調理終了の予定時刻、現在時刻等が挙げられる。なお、ここで示した操作表示部15の具体的構成は一例であり、本願発明を限定するものではない。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の予約調理工程の動作について説明する。
実施の形態1に係る加熱調理器100の予約調理工程は、加熱殺菌工程A(S2)、中間工程A(S3)、仕上げ工程A(S4)を有する。
以下、予約調理工程の動作を、図2を参照して説明する。
そして、使用者は、操作表示部15の設定キーで、調理終了時刻、加熱時間、食材の種類、調理方法などの予約設定を行う。例えば、使用者は、操作表示部15の設定キーで、「予約19:00」、「加熱時間15分」、「野菜」、「煮物」と設定し、スタートスイッチを押して予約開始の動作指示を行う。制御手段8は、操作表示部15によって入力された予約設定に従い、予約調理工程を開始する。
そして、ステップS1において、制御手段8は、算出した残り時間Tが、予め設定された残り時間T0(例えば0.5時間)よりも大きいか否か判定する。
予め設定された残り時間T0以下である場合(S1;No)、制御手段8は、ステップS1xへ進み、予約調理が不可能である旨を報知する。なお、報知する手段として、操作表示部15でLEDを点灯させても良い。また、音声発生手段でブザーを鳴らしても良い。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の加熱殺菌工程Aを説明するフローチャートである。
加熱殺菌工程Aの動作の詳細を、図3を参照して説明する。
次に、ステップS22で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2(例えば65℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2よりも大きくない場合(S22;No)、ステップS21へ戻る。
温度θが温度θ2よりも大きい場合(S22;Yes)、時間計測手段7は、経過時間Aの計測を開始する(S23)。
温度θが温度θ1以下である場合(S24;Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S25)、ステップS28へ進む。
温度θが温度θ1以下でない場合(S24;No)、ステップS26で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3(例えば67℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3は、温度θ2よりも高い温度である。即ち、θ1<θ2<θ3、の関係である。
温度θが温度θ3よりも大きい場合(S26;Yes)、ステップS27で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS28へ進む。
温度θが温度θ3よりも大きくない場合(S26;No)、ステップS28へ進む。
なお、温度θ1以上θ3以下の温度帯は、本発明における「第1温度帯」に相当する。
経過時間Aが経過時間A1以上でない場合(S28;No)、ステップS24へ戻る。
なお、予め設定した経過時間A1は、本発明における「第1経過時間」に相当する。
加熱殺菌工程A(S2)の後、制御手段8は、中間工程A(S3)を実行する。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の中間工程Aを説明するフローチャートである。
中間工程Aの動作の詳細を、図4を参照して説明する。
ステップS32では、制御手段8は、現在時刻(例えば、13:00)と操作表示部15で予約設定された調理終了時刻「予約19:00」とから、予約調理終了までの残り時間T(ここでは6時間)を算出する。そして、残り時間Tが、予め設定された残り時間T1(例えば15分)以下であるか否かを判定する。
残り時間Tが残り時間T1以下でない場合(S32;No)、ステップS31へ戻る。
残り時間Tが残り時間T1以下である場合(S32;Yes)、中間工程Aの動作を終了する。
なお、予め設定された残り時間T1は、操作表示部15で加熱時間が設定された場合は少なくとも残り時間T1≧加熱時間という関係が成り立つ。なお、予め設定された残り時間T1は、操作表示部15で設定された加熱時間に限るものではなく、食材の種類、調理方法、自動調理メニューのいずれか1つ以上の情報に基づき設定されても良い。
中間工程A(S3)の後、制御手段8は、仕上げ工程A(S4)を実行する。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の仕上げ工程Aを説明するフローチャートである。
仕上げ工程Aの動作の詳細を、図5を参照して説明する。
ステップS42において、制御手段8は、現在時刻(例えば、19:00)と操作表示部15で予約設定された調理終了時刻「予約19:00」とから、予約調理終了までの残り時間T(ここでは0分)を算出し、残り時間Tが0分以下であるか否かを判定する。
残り時間Tが0分以下でない場合(S42;No)、ステップS41へ戻る。
残り時間Tが0分以下である場合(S42;Yes)、仕上げ工程Aの動作を終了する。
仕上げ工程A(S4)の後、制御手段8は、予約調理工程を終了する。
なお、制御手段8は、予約調理工程を終了した旨を報知するようにしても良い。報知する手段として、操作表示部15でLEDを点灯させても良い。また、音声発生手段でブザーを鳴らしても良い。
このため、被調理物の腐敗及び食中毒の原因となる微生物を加熱殺菌することができる。
また、加熱殺菌工程Aの後は、蓋体10の通気口10aから空気中の微生物がわずかに混入したり、耐熱性の強い微生物又は芽胞を形成する菌などがわずかに生存している可能性もあるが、被調理物内の微生物の数は非常に少ない状態となる。このため、その後の仕上げ工程Aまでの間に被調理物が微生物によって腐敗するのを抑制することができる。
よって、予約調理工程において食品を衛生的に保つことができる。また、食品を冷却する冷却手段を備えないため、省エネルギー性を向上でき且つコンパクトな加熱調理器100を得ることができる。
本実施の形態2では、中間工程がない場合の予約調理工程について説明する。なお、本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図5と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
以下、予約調理工程の動作を、図6を参照して説明する。
ステップS1において、残り時間Tが、予め設定された残り時間T0よりも大きい場合(S1;Yes)、ステップS1aに進む。
残り時間Tが、予め設定された残り時間T2よりも小さい場合(S1a;Yes)、ステップS2の加熱殺菌工程Aに進む。以降の動作は実施の形態1と同様である。
ステップS1aにおいて、残り時間Tが、予め設定された残り時間T2よりも小さくない場合(S1a;No)、ステップS2bの加熱殺菌工程Bを実行する。
図7は、実施の形態2に係る加熱調理器100の加熱殺菌工程Bを説明するフローチャートである。
加熱殺菌工程Bの動作の詳細を、図7を参照して説明する。
次に、ステップS202で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ5よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ5よりも大きくない場合(S202;No)、ステップS201へ戻る。
温度θが温度θ5よりも大きい場合(S202;Yes)、時間計測手段7は、経過時間Bの計測を開始する(S203)。
温度θが温度θ4以下である場合(S204;Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S205)、ステップS208へ進む。
温度θが温度θ4以下でない場合(S204;No)、ステップS206で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ6よりも大きいか否かを判定する。この温度θ6は、温度θ5よりも高い温度である。即ち、θ4<θ5<θ6、の関係である。
温度θが温度θ6よりも大きい場合(S206;Yes)、ステップS207で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS208へ進む。
温度θが温度θ6よりも大きくない場合(S206;No)、ステップS208へ進む。
なお、温度θ4以上θ6以下の温度帯は、本発明における「第1温度帯」に相当する。
なお、温度θ4、θ5、θ6は、加熱殺菌工程Aにおける温度θ1、θ2、θ3と同じ温度でも良いし、異なる温度を設定しても良い。
経過時間Bが経過時間B1以上でない場合(S208;No)、ステップS204へ戻る。
なお、予め設定した経過時間B1は、本発明における「第1経過時間」に相当する。
なお、経過時間B1は、加熱殺菌工程Aにおける経過時間A1と同じ時間でも良いし、異なる時間を設定しても良い。
残り時間Tが残り時間T3よりも大きい場合(S209;Yes)、ステップS210へ進む。
残り時間Tが残り時間T3よりも大きくない場合(S209;No)、ステップS214へ進む。
ステップS211で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS212へ進む。
ステップS212で、制御手段8は、時間計測手段7が計測した経過時間Cが、予め設定した経過時間C1(例えば2時間)以上であるか否かを判定する。
経過時間Cが経過時間C1以上でない場合(S212;No)、ステップS211へ戻る。
経過時間Cが経過時間C1以上である場合(S212;Yes)、ステップS213へ進む。
残り時間Tが残り時間T4以下である場合(S213;Yes)、ステップS214へ進む。
残り時間Tが残り時間T4以下でない場合(S213;No)、ステップS201へ戻る。
ステップS215において、制御手段8は、現在時刻(例えば、18:00)と操作表示部15で予約設定された調理終了時刻「予約19:00」とから、予約調理終了までの残り時間T(ここでは1時間)を算出する。そして、残り時間Tが、予め設定された残り時間T1(例えば15分)以下であるか否かを判定する。なお、残り時間T1は、例えば中間工程Aの残り時間T1と同じに設定する。
残り時間Tが残り時間T1以下でない場合(S215;No)、ステップS214へ戻る。
残り時間Tが残り時間T1以下である場合(S214;Yes)、加熱殺菌工程Bの動作を終了する。
加熱殺菌工程B(S2b)の後、制御手段8は、仕上げ工程A(S4)を実行する。
仕上げ工程A(S4)の動作は、実施の形態1と同様である。
このため、予約調理終了までの残り時間Tが長い場合でも微生物の増殖を抑えることができる。一方、予約調理終了までの残り時間が短い場合は、加熱殺菌工程Aでの加熱殺菌は1度しか実行しないため、加熱コイル3に通電する電力量が少なくて済むため、省エネルギーである。
ステップS1aの判定条件として、操作表示部15で設定した食材の種類、調理方法、自動調理メニューの情報に基づいて判断しても良い。又は、本体1に室温センサー11を備え(実施の形態3参照)、室温に基づいて判断しても良い。また、これらを複数組み合わせた情報に基づいて判断しても良い。
本実施の形態3では、中間工程において鍋状容器5内の食品を保温する制御について説明する。なお、本実施の形態3では実施の形態1及び2との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図7と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図8に示すように、実施の形態3に係る加熱調理器100は、室温センサー11を備えている。室温センサー11は、当該加熱調理器100が配置される周囲空気(室温)の温度を検知する。室温センサー11が検知した検知温度Dは、制御手段8に出力される。
その他の構成は、前述の実施の形態1(図1)と同様である。
以下、予約調理工程の動作を、図9を参照して説明する。
また、ステップS2の加熱殺菌工程Aも、実施の形態1と同様である。ステップS2の後、ステップS1bに進む。
検知温度Dが、予め設定された室温D1よりも小さい場合(S1b;Yes)、ステップS3の中間工程Aに進む。以降の動作は実施の形態1と同様である。
ステップS1bにおいて、検知温度Dが、予め設定された室温D1よりも小さくない場合(S1b;No)、ステップS3bの中間工程Bを実行する。
図10は、実施の形態3に係る加熱調理器100の中間工程Bを説明するフローチャートである。
中間工程Bの動作の詳細を、図10を参照して説明する。
温度θが温度θ7以下である場合(S301;Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S302)、ステップS305へ進む。
温度θが温度θ7以下でない場合(S301;No)、ステップS303で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ8よりも大きいか否かを判定する。この温度θ8は、温度θ7よりも高い温度である。即ち、θ7<θ8、の関係である。
温度θが温度θ8よりも大きい場合(S303;Yes)、ステップS304で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS305へ進む。
温度θが温度θ8よりも大きくない場合(S303;No)、ステップS305へ進む。
なお、温度θ7以上θ8以下の温度帯は、微生物の繁殖を抑制する温度である。例えば70℃以上75℃である。
なお、温度θ7以上θ8以下の温度帯は、本発明における「第2温度帯」に相当する。
残り時間Tが残り時間T1以下でない場合(S305;No)、ステップS301へ戻る。
残り時間Tが残り時間T1以下である場合(S305;Yes)、中間工程Bの動作を終了する。
即ち、残り時間Tが、予め設定された残り時間T1以下になるまで、鍋状容器5内は温度θ7以上θ8以下の間の温度帯を保持した保温状態となる。
中間工程B(S3b)の後、制御手段8は、仕上げ工程A(S4)を実行する。
仕上げ工程A(S4)の動作は、実施の形態1と同様である。
このため、本体1を設置している環境温度が高く、微生物が繁殖しやすい温度帯(30〜40℃)であっても、中間工程Bで鍋状容器5内を保温することで、微生物の増殖を抑えることができる。
一方、室温が低い場合は、中間工程Aで加熱コイル3を動作させないため、省エネルギーである。さらに、中間工程Aにおいては、保温せずに自然冷却で徐々に鍋状容器5内の食品が冷やされることで、ソレー効果により食品に味が染みこみやすくなるという効果を奏する。
ステップS1bの判定条件として、予約調理終了までの残り時間T、操作表示部15で設定した食材の種類、調理方法、自動調理メニューの情報に基づいて判断しても良い。また、これらを複数組み合わせた情報に基づいて判断しても良い。
本実施の形態4では、操作表示部15で設定された情報に基づいて加熱殺菌工程又は仕上げ工程を可変する場合について説明する。なお、本実施の形態4では実施の形態1〜3との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図10と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
以下、予約調理工程の動作を、図11を参照して説明する。
ステップS1において、残り時間Tが、予め設定された残り時間T0よりも大きい場合(S1;Yes)、ステップS1cに進む。
操作表示部15で設定された食材が野菜でない場合(S1c;Yes)、ステップS2の加熱殺菌工程Aに進む。以降の動作は実施の形態1と同様である。
ステップS1cにおいて、操作表示部15で設定された食材が野菜である場合(S1c;No)、ステップS2cの加熱殺菌工程Cを実行する。
図12は、実施の形態4に係る加熱調理器100の加熱殺菌工程Cを説明するフローチャートである。
加熱殺菌工程Cの動作の詳細を、図12を参照して説明する。
次に、ステップS222で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ10よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ10よりも大きくない場合(S222;No)、ステップS221へ戻る。
温度θが温度θ10よりも大きい場合(S222;Yes)、時間計測手段7は、経過時間Dの計測を開始する(S223)。
温度θが温度θ9以下である場合(S224;Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S225)、ステップS228へ進む。
温度θが温度θ9以下でない場合(S224;No)、ステップS226で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ11よりも大きいか否かを判定する。この温度θ11は、温度θ10よりも高い温度である。即ち、θ9<θ10<θ11、の関係である。
温度θが温度θ11よりも大きい場合(S226;Yes)、ステップS227で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS228へ進む。
温度θが温度θ11よりも大きくない場合(S226;No)、ステップS228へ進む。
なお、温度θ9、θ11の少なくとも一方は、加熱殺菌工程Aの温度θ1、θ3とは異なる値である。
経過時間Dが経過時間D1以上でない場合(S228;No)、ステップS224へ戻る。
なお、予め設定した経過時間D1は、加熱工程Aの経過時間A1とは異なる値である。
加熱殺菌工程C(S2c)の後、制御手段8は、仕上げ工程A(S4)を実行する。
仕上げ工程A(S4)の動作は、実施の形態1と同様である。
例えば、食材が野菜であれば、野菜の硬化が起こる温度帯60〜70℃ではなく、80℃15分加熱することで、軟らかい状態にすることができる。このため、加熱殺菌工程Cでは、例えば温度θ9を80℃に設定し、経過時間D1を15分に設定する。
例えば、ステップS1cにおいて、食材が牛乳であるか否かを判定し、食材が牛乳である場合には、加熱殺菌工程Cを実行する。牛乳を高温で加熱すると独特の臭気が生じるため、できるだけ低温例えば63℃で30分加熱すると良い。このため、加熱殺菌工程Cでは、例えば温度θ9を63℃に設定し、経過時間D1を30分に設定する。
このため、食材、調理方法、自動調理メニューに応じた適切な加熱殺菌を行うことができる。よって、菌の繁殖を抑え美味しく調理することができる。
例えば、自動調理メニューに応じて仕上げ工程を変更する予約調理工程の動作について、図13を参照して説明する。
以下、予約調理工程の動作を、図13を参照して説明する。
また、ステップS2の加熱殺菌工程A及びステップS3の中間工程Aも、実施の形態1と同様である。ステップS3の後、ステップS1dに進む。
操作表示部15で設定された自動調理メニューがシチューでない場合(S1d;Yes)、ステップS4の仕上げ工程Aに進む。以降の動作は実施の形態1と同様である。
ステップS1dにおいて、操作表示部15で設定された自動調理メニューがシチューでない場合(S1d;No)、ステップS4bの仕上げ工程Bを実行する。
図14は、実施の形態4に係る加熱調理器100の仕上げ工程Bを説明するフローチャートである。
仕上げ工程Bの動作の詳細を、図14を参照して説明する。
温度θが温度θ12以下である場合(S401;Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S402)、ステップS405へ進む。
温度θが温度θ12以下でない場合(S401;No)、ステップS403で、制御手段8は、鍋底温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ13よりも大きいか否かを判定する。この温度θ13は、温度θ12よりも高い温度である。即ち、θ12<θ13、の関係である。
温度θが温度θ13よりも大きい場合(S403;Yes)、ステップS404で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS405へ進む。
温度θが温度θ13よりも大きくない場合(S403;No)、ステップS405へ進む。
なお、温度θ12以上θ13以下の温度帯は、本発明における「第3温度帯」に相当する。
残り時間Tが0分以下でない場合(S405;No)、ステップS401へ戻る。
残り時間Tが0分以下である場合(S405;Yes)、仕上げ工程Bの動作を終了する。
即ち、残り時間Tが0分以下になるまで、鍋状容器5内は温度θ12以上θ13以下の間の温度帯を保持した温調加熱が行われる。
仕上げ工程B(S4b)の後、制御手段8は、予約調理工程を終了する。
このため、シチューのようなとろみのある焦げ付きやすい食品でも焦げ付きを防ぐことができるため、美味しく仕上げることができる。
次に、鍋状容器5の変形例を説明する。
鍋状容器5に、鍋状容器5の内部と外部とを連通及び遮断する手段を備えても良い。その一例を図15に示す。
図15に示すように、蓋体10に、通気口10aを開閉する通気弁22を備えても良い。
鍋状容器5が加熱されると、鍋状容器5内の食材及び空気が加熱される。これにより、鍋状容器5内には、食材由来の水蒸気の発生及び空気の膨張によって、鍋状容器5内の圧力が上昇する。鍋状容器5内の圧力が上昇すると、通気弁22は、その圧力で押し上げられ、通気口10aが開いた状態、すなわち鍋状容器5の内部と外部とが連通した状態となる(図16)。
具体的には、加熱殺菌工程では加熱により腐敗及び食中毒の原因となる菌を殺菌し、その後、中間工程では通気弁22を閉じて鍋状容器5内を密閉して保持する。これにより、中間工程において通気口10aを通して空気中の菌が鍋状容器5内に混入することを防ぐことができ、結果として、菌による食品の腐敗をさらに防ぐことができる。
また、加熱殺菌工程で鍋状容器5内に食材から発生する水蒸気が充満すると、その後、中間工程で発生した水蒸気が冷えて鍋状容器5内が略真空状態となる。その結果、中間工程において食品の酸化による劣化(例えば、変色)を抑制することも可能となる。
一つの例としては、加熱調理器100の本体1に、高機能携帯電話(スマートフォン)や携帯情報通信端末などの通信端末と通信する通信手段を設ける。そして、通信端末から送信された加熱殺菌工程の実行指示の信号を通信手段が受け付けると、制御手段8はその信号に基づいて、加熱殺菌工程を実行する。加熱殺菌工程を一度実行した後に上記の信号を受けると、加熱殺菌工程を再実行することになる。このような構成を採用することで、使用者は外出先から加熱殺菌工程の再実行の設定を行うことができる。
Claims (14)
- 被加熱物を加熱する加熱手段と、
少なくとも、調理終了時間を含む予約設定を入力する操作部と、
前記予約設定に応じて、前記加熱手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段を制御して、前記被加熱物内の食品を殺菌する加熱殺菌工程と、
前記加熱殺菌工程の後に実行する工程であって、前記予約設定に応じた調理として、前記食品を使用者が食べる際に所望する状態にするための工程である仕上げ工程と、を実行し、
前記制御手段は、前記調理終了時間に前記仕上げ工程を完了するように前記加熱手段を制御して、前記被加熱物を加熱することを特徴とする加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記加熱殺菌工程と前記仕上げ工程との間に、
前記加熱手段の動作を停止させる中間工程を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
予め設定した条件を満たす場合、前記加熱殺菌工程において、
前記被加熱物の温度を第1経過時間の間第1温度帯にする加熱を、間欠的に繰り返し行う
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
予め設定した条件を満たす場合、
前記加熱殺菌工程と前記仕上げ工程との間に、前記被加熱物の温度が第2温度帯となるように前記加熱手段を制御して、前記被加熱物内の食品を保温する中間工程を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
予め設定した条件を満たす場合、前記加熱殺菌工程において、
前記条件に応じて、第1経過時間及び第1温度帯の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
予め設定した条件を満たす場合、前記仕上げ工程において、
前記被加熱物の温度が第3温度帯となるように、前記加熱手段を制御する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記予め設定した条件は、
現在時刻から前記調理終了時間までの残り時間が、予め設定された残り時間以上であるか否かである
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 当該加熱調理器が配置される周囲空気の温度を検知する温度センサーを備え、
前記予め設定した条件は、
前記周囲空気の温度が、予め設定された温度以上であるか否かである
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記予約設定は、
前記被加熱物内の食材の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つが設定され、
前記予め設定した条件は、
前記食材の種類が米又は野菜である場合、前記調理方法が焼き物でない場合、前記自動調理メニューが煮込み調理である場合、の何れかである
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記予約設定が入力された後に、前記調理終了時間の変更を受け付ける
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記加熱殺菌工程の実行指示を入力する操作部又は通信手段を備え、
前記加熱殺菌工程の実行指示が入力されると、前記制御手段は、前記加熱殺菌工程を実行した後であっても前記加熱殺菌工程を再実行する
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記被加熱物の蓋の開閉状態を検知する蓋開閉センサーを備え、
前記蓋開閉センサーが前記蓋の開放または閉塞を検知すると、前記制御手段は、前記加熱殺菌工程を実行した後であっても前記加熱殺菌工程を再実行する
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記仕上げ工程の一時停止指示を入力する操作部又は通信手段を備え、
前記仕上げ工程の一時停止指示が入力されると、前記制御手段は、前記仕上げ工程を実行前であれば当該仕上げ工程の実行を保留し、前記仕上げ工程を実行中であれば当該仕上げ工程を一時停止する
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記仕上げ工程の実行開始指示を入力する操作部又は通信手段を備え、
前記仕上げ工程の実行開始指示が入力されると、前記制御手段は、前記仕上げ工程以外の工程を実行中であっても、前記仕上げ工程を開始する
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の加熱調理器。
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