JP6049753B2 - フロントガラスのワイパー装置 - Google Patents

Description

関連出願への相互参照
この出願は、２０１１年１２月１４日に出願された出願連続番号６１／５７０，５６３の利益を主張し、その全内容がここに引用により援用される。

発明の背景
１．発明の分野
本発明は、一般的に自動車のためのフロントガラスのワイパー装置に関し、より特定的にはハイブリッドフロントガラスワイパー装置に関する。

２．関連技術
自動車のフロントガラスのワイパー装置またはワイパーブレードの大多数は、従来型ワイパーブレード（以下、「従来のブレード」と称される）またはビーム型ワイパーブレード（以下、「ビームブレード」と称される）として分類することができる。従来のブレードは典型的に、細長いワイパーストリップと、（フレクサ（flexor）としても公知の）少なくとも１つの担体要素と、ワイパーアームへの装着のための接続装置、複数の結合機構、および複数の爪を有するフレーム構造とを含む。担体要素は一般的に、緩んだ状態で線形に形作られ、フレーム構造は、担体要素およびワイパーストリップが屈曲して車両のフロントガラスの曲率に合うことができるようにしながら、担体要素およびワイパーストリップの長さにわたってワイパーアームからの力を分散させる。これは、ワイパーストリップとフロントガラスとの間の封止を確立する。典型的に、フレーム構造中のいずれの爪も、担体要素もしくは複数の担体要素との係合状態にクランプされるか、または担体要素は、１組の爪のいずれかの側で変形されて、ワイパーストリップおよび担体要素もしくは複数の担体要素がフレーム構造から外れないようにする。これらの構成のいずれも費用がかさむことがあり、フレーム構造に対する担体要素およびワイパーストリップの動きを制限することもある。

従来のブレードに対して、ビームブレードはフレーム構造を欠いている。代わりに、ビームブレードの担体要素は緩んだ状態で湾曲しており、接続装置は担体要素または複数の担体要素に直接に装着される。ビームブレードがフロントガラスに対して押圧されると、湾曲した担体要素は、ワイパーストリップをフロントガラスの曲率に合わせ、フロントガラスに対してワイパーストリップの実質的に全長を押圧して、ワイパーストリップとフロントガラスとの間で封止を確立する。ビームブレードは典型的に１つ以上のスポイラー要素も含み、これは、ビームブレード上方の空気の流れを用いて、車両が動いている間に担体要素およびワイパーストリップに対して下向きの力を加えて、ワイパーをさらに押圧する。一般的に、少なくとも１対の端キャップおよび接続装置が担体要素との係合状態にクランプされ、ラッチされ、溶接され、または繋がれるが、これは、これらの構成要素に対する担体要素の動きを制限する。典型的に、端キャップは、端キャップとの接続を容易にする切り欠きまたは他の特徴を含むように変形される。

ワイパーブレード製造者の中には、従来のブレードおよびビームブレードの両方からのある特徴を含む「ハイブリッドブレード」の生産および販売を始めているものがある。そのようなハイブリッドブレードは典型的に従来のブレードと同様のフレーム構造を含むが、フレーム構造は、フレーム構造の上方に配設されるスポイラー形状のカバー部分で覆われる。これは、さもなければ従来のブレードにビームブレードの下向きの力の効果を与える。典型的なハイブリッドブレードは、１つ以上の担体要素と係合する複数の爪を含み、それらの爪のうち少なくとも１組は担体要素との係合状態にクランプされるか、またはさもなければラッチされる。

発明の概要
本発明の１つの局面に従うと、車両のフロントガラスを綺麗にするためのフロントガラスのワイパー装置が提供される。フロントガラスのワイパー装置は、対向するワイパーストリップ端同士の間に長手方向に延在し、かつフロントガラスに対する封止のための可撓性材料の細長いワイパーストリップを含む。ワイパーストリップは長手方向に延在する１対の溝を提示し、溝の中に少なくとも１つの担体要素が配設され、対向する担体要素端の間に長手方向に延在する。フロントガラスのワイパー装置は、担体要素または複数の担体要素と摺動係合する複数の爪を有し、かつワイパーストリップおよび担体要素の両方の端を過ぎて長手方向に延在するフレーム構造も有する。フレーム構造は、フレーム構造に対する担体要素およびワイパーストリップの動きを制限する１対のフランジ部分をさらに含む。フランジ部分は、担体要素またはワイパーストリップとの係合状態に係止せずに、ワイパーストリップおよび担体要素がフレームアセンブリから外れないようにする。係止してしまうと、これらの構成要素のいずかにおいて所望されない内部応力を作り出し、耐久性および拭き取り品質の低減を生じる可能性がある。

本発明の別の局面に従うと、担体要素はそれらの全長に沿って延在するほぼ一定の断面を有する。これは、他の公知のワイパーブレードアセンブリの担体要素に通常見出される切り欠きまたは他の特別な特徴を形成するのに切断プロセスが必要ないために、製造上の利点を提供し得る。

本発明のまた別の局面に従うと、フランジ部分は、フロントガラスのワイパー装置の対向端上に位置決めされる１対の端キャップの一部である。

本発明のこれらおよび他の特徴および利点は容易に認められるであろう。というのも、これらは、添付の図面と関連して考慮されると、以下の詳細な説明を参照してより十分に理解されるからである。

例示的なワイパーブレードアセンブリの斜視立面図である。 図１のワイパーブレードアセンブリの部分分解図である。 図１のワイパーブレードアセンブリからの例示的な端部分サブアセンブリの分解図である。 部分の２つがともに結合されるのを示す、図３の端部分サブアセンブリの部分分解図である。 図１のワイパーブレードアセンブリからの端部分サブアセンブリの斜視立面図である。 図１のワイパーブレードアセンブリからの主橋部の部分の斜視部分図である。 図６の線７−７に沿って取られた主橋部の断面図である。 図１のワイパーブレードアセンブリからの１対の担体要素の斜視立面図である。

実施可能実施形態の説明
いくつかの図を通して同じ番号が対応の部分を示す図を参照して、ハイブリッドフロントガラスワイパー装置またはハイブリッドワイパーブレードアセンブリ２０の例示的な実施形態を図１に全般的に示す。例示的なワイパーブレードアセンブリ２０は、雨、雪、氷、または他の要素を吹き飛ばすための、車両のフロントガラスに対する封止のためのゴムなどの可撓性かつ弾性材料のワイパーストリップ２２を含む。例示的なワイパーストリップ２２は、対向するワイパーストリップ端同士の間に長手方向に延在し、かつワイパーストリップ２２の実質的に長手方向長さ全体に延在する１対の対向する溝を含む。（フレクサとしても公知の）１対の担体要素２４が溝の中に配設されて、ワイパーストリップ２２を予め定められた構成に付勢する。担体要素２４は、ばね鋼などの可撓性かつばね状の材料の薄いストリップから形成され、対向する担体要素端同士の間に長手方向に延在する。担体要素２４は好ましくは、溝の中に摺動可能に配設され、ワイパーストリップ２２との係合状態に係止されない。この構成は、ワイパーストリップ２２がフロントガラス（図示せず）の曲率に合うように曲げられるとワイパーストリップ２２内の内部応力を緩和して、これによりワイパーブレードアセンブリ２０の拭き取り品質および耐久性を向上させる効果を有する。交互に、担体要素２４は、ワイパーストリップ２２内の内部応力を実質的に増大させずに、１か所でワイパーストリップ２２との係合状態に係止されてもよい。

例示的なワイパーブレードアセンブリ２０は、担体要素２４に結合され、ワイパーストリップ２２の部分にわたってワイパーアーム（図示せず）からの力を分散させてフロントガラスに対するワイパーストリップ２２のその部分を封止するフレーム構造２６も含む。図２の部分分解図に最もよく示されるように、例示的なフレーム構造２６は、主橋部２８と、主橋部２８の対向端との装着のために構成される１対の端部分サブアセンブリ３０とを含む。接続装置３２は、主橋部２８のほぼ中央の場所に配設され、ワイパーアームの端への装着のために構成される。接続装置３２は、たとえば、フック型ワイパーアーム、ピン型ワイパーアーム、または差込みピン型ワイパーアームを含む異なる種類のワイパーアームとの装着のための異なる設計範囲のものであり得ることを認めるべきである。

ここで図３を参照して、端部分サブアセンブリ３０のうち１つの分解図が示される。例示的な端部分サブアセンブリ３０は、結合機構３４と、接続部分３６と、端キャップ３８（または端カバー）とを含む。例示的な接続部分３６は断面で見るとほぼＵ字状であり、上側壁および１対の側壁を有する。側壁は、互いから離間された２組のアパーチャ４０を含み、上側壁は、アパーチャ４０の組の間に長さ方向に位置するばね荷重を付与された弾性タブ４２（または差込みピン）を有する。ばね荷重を付与されたタブ４２は、ばね荷重を付与されたタブ４２と同様に形作られ、かつ主橋部２８内に配設されて端部分サブアセンブリ３０を主橋部２８と相互接続する（図７に示される）凹部４４との係合状態にパチンと嵌まるように構成される。

示されるように、端キャップ３８の一方端は、端キャップ３８およびフレーム構造２６の残余に対する担体要素２４の長さ方向の動きを制限することなく（図１に示される）担体要素２４の周りを部分的に包み、かつこれを支持するように、１対のほぼＬ字状の保持要素４８を提示する。すなわち、保持要素４８は、担体要素２４に対して固定されていない、またはそれ以外のやり方でラッチされていない。１対の対向する柱５２を有する外向きに延在する舌部５０は、端キャップ３８の一方端上に配設される。図４に示されるように、舌部５０上の柱５２は、接続部分３６上のアパーチャ４０の組のうち１つの中に挿入されて、端キャップ３８と接続部分３６との間の回動関係を確立する。このように、端キャップ３８は、主橋部２８に対して回動可能でもある。接続部分３６の開いた底部は端キャップ３８が下向きに回動できるようにし、接続部分３６の上側壁は、端キャップ３８の上向きの回動を制限する止まり点として働く。

各々の端部分サブアセンブリ３０の結合機構３４は、互いから離間される２組の爪５４を含む。爪５４の組は、１対の対向して延在する柱５３がその頂点に配設されたＶ字状の橋部５６を通して互いと相互接続される。図５に示されるように、柱５３は、接続部分３６中のアパーチャ４０の組のうち１つの中に挿入されて、結合機構３４と接続部分３６との間の回動関係を確立する。接続部分３６の開いた底部は、結合機構３４が２方向に回動できるようにする。端キャップ３８上の保持要素４８と同様に、爪５４は、例示的な担体要素２４と摺動（すなわち非固定）係合して、これにより、担体要素２４およびワイパーストリップ２２が結合機構３４に対して長さ方向に摺動できるようにもしながら、フロントガラスに対してワイパーストリップ２２を付勢する。この特徴は、担体要素２４およびワイパーストリップ２２がフロントガラスの曲率に合うように曲げられた際の担体要素２４およびワイパーストリップ２２内の内部応力を低減することによって、ワイパーブレードアセンブリ２０の拭き取り品質および耐久性を向上させる。

図１に戻って、例示的なフレーム構造２６は、ワイパーブレードアセンブリ２０の両側で、担体要素２４およびワイパーストリップ２２の端を過ぎて長手方向に延在する。具体的に、例示的なワイパーブレードアセンブリ２０では、端キャップ３８は、担体要素２４およびワイパーストリップ２２の端を過ぎて延在する。各々の端キャップ３８は、フレーム構造２６に対する担体要素２４およびワイパーストリップ２２の動きを制限するための下向きに延在するフランジ部分５８を有する。このように、担体要素２４およびワイパーストリップ２２は、端部分サブアセンブリ３０のフランジ部分５８によって確立される領域内でフレーム構造２６に対して摺動のみし得る。応じて、ワイパーブレードアセンブリ２０は、ワイパーストリップ２２または担体要素２４がフレーム構造２６から外れないように構成される。フランジ部分５８は、担体要素２４およびワイパーストリップ２２の端から離間され得るか、またはそれらは、ワイパーブレードが緩んだ状態にある場合は、担体要素２４およびワイパーストリップ２２の端に当接し得る。下向きに延在するフランジ部分５８は、ワイパーストリップ２２または担体要素２４内の内部応力を生じさせずにワイパーストリップ２２および担体要素２４が外れないようにする重要な機能を果たし、これは、少なくとも１つの構成要素、たとえば爪、端キャップ、または接続装置が担体要素との係合状態にラッチされる他の公知のワイパーブレードアセンブリとは対照的である。

ここで図８を参照して、担体要素２４の各々はほぼＭ字状に予め形作られ、これがワイパーストリップ２２中の溝の中に挿入される前の緩んだ応力の掛かっていない状態で、１対の下向きの曲線は上向きの曲線によって互いから離間される。これは、ワイパーストリップ２２を湾曲したフロントガラスに対してより均一に押圧する効果を有し得る。しかしながら、担体要素２４はほぼ線形に付勢されてもよく、またはそれらは緩んだ状態で任意の所望の曲率または複数の曲率を有することができることが認められるべきである。例示的な担体要素２４の各々は、その全長に沿ってほぼ一定の断面を有する。すなわち、担体要素は、ワイパーブレードアセンブリ２０の他の要素を係合する指部または任意の他の特別な特徴を欠いている。これは、他の公知のワイパーブレードアセンブリと比べて、製造上の利点を与え得る。というのも、担体要素２４は、そのような特徴を作り出すいずれの切断プロセスも経なくてよいからである。

図１に戻って、端キャップ３８および主橋部２８の外面は、ほぼスポイラー形状である。これは下向きの力を作り出し、フロントガラスに対してワイパーストリップ２２をさらに付勢し、かつ車両がスピードを出して走行している際にそれらの間に確立される封止を向上させるとともに拭き取り品質を向上させる。例示的な実施形態では、この空力的な下向きの力は、主橋部２８に対して自由に回動可能な端キャップ３８が担体要素２４およびワイパーストリップ２２に加える実質的に唯一の付勢力である。すなわち、重力からの担体要素２４およびワイパーストリップ２２に対する端キャップ３８によるいずれの付勢も実質的でない。

上記教示に照らして、本発明の多数の修正例および変形例が可能であることが明白であり、それらは添付の請求項の範囲内にありながら、具体的に記載される以外のやり方で実践されてもよい。

Claims (12)

1. 車両のフロントガラスを綺麗にするためのフロントガラスのワイパー装置であって、
   対向するワイパーストリップ端同士の間で長手方向に延在し、かつ前記フロントガラスに対する封止のための可撓性材料からなる細長いワイパーストリップを備え、前記ワイパーストリップは前記長手方向に延在する１対の溝を提示し、さらに
   前記溝の中に配設され、かつ対向する担体要素端同士の間で前記長手方向に延在する少なくとも１つの担体要素と、
   前記少なくとも１つの担体要素と摺動係合する複数の爪を含むフレーム構造とを備え、前記フレーム構造は前記ワイパーストリップ端の両方および前記担体要素の両端を過ぎて長手方向に延在し、
   前記フレーム構造は、前記フレーム構造に対する前記担体要素およびワイパーストリップの動きを制限する１対のフランジ部分を含み、
   前記フレーム構造は、主橋部と、前記主橋部の対向端に結合される１対の端部分サブアセンブリとを含み、前記端部分サブアセンブリの各々は、前記フランジ部分の１つを有する端キャップを含み、前記端部分サブアセンブリの各々は、少なくとも１組の前記爪を有する少なくとも１つの結合機構を含み、２つの爪の組は互いに離間しており、前記端部分サブアセンブリの各々は、前記結合機構と前記端キャップとを前記主橋部に相互接続する接続部分を含み、
   各端部分サブアセンブリの前記端キャップは第１の回動点の周りに前記接続部分に対して回動可能であり、前記結合機構は、前記第１の回動点から離間された第２の回動点のまわりに前記接続部分に対して回動可能であり、
   各端部分サブアセンブリの前記端キャップは、それぞれの前記サブアセンブリの前記結合機構とは独立に前記主橋部に対して移動可能である、フロントガラスのワイパー装置。
2. 前記少なくとも１つの担体要素はその全長に沿ってほぼ一定の断面を有する、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
3. 前記フランジ部分は下向き方向に延在する、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
4. 前記端キャップの各々は、前記少なくとも１つの担体要素の周りを部分的に包み、かつ前記フランジ部分から長手方向に離間される少なくとも２つの保持要素を含む、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
5. 前記保持要素はほぼＬ字状である、請求項４に記載のフロントガラスのワイパー装置。
6. 前記爪は、前記少なくとも１つの担体要素と摺動係合する、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
7. 前記端部分サブアセンブリの前記接続部分は、前記端キャップおよび前記結合機構上の柱を受けて、前記端キャップと前記接続部分との間および前記結合機構と前記接続部分との間の前記第１および第２の回動点それぞれを確立するためのアパーチャの組を含む、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
8. 前記接続部分の各々は、１対の側壁および上側壁を有する、断面で見るとほぼＵ字状である、請求項６に記載のフロントガラスのワイパー装置。
9. 前記接続部分上の前記アパーチャは前記側壁上にある、請求項８に記載のフロントガラスのワイパー装置。
10. 前記接続部分の各々は、前記主橋部との係合状態にパチンと嵌まるようにその上側壁上にばね荷重を付与されたタブを含む、請求項８に記載のフロントガラスのワイパー装置。
11. 前記少なくとも１つの担体要素は１対の担体要素としてさらに規定される、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。
12. 前記フレーム構造はほぼスポイラー形状である、請求項１に記載のフロントガラスのワイパー装置。

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