(優先権の主張) 本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2005年11月18日に出願された「Methods and Systems for Utilizing Design Data in Combination with Inspection Data」という表題の米国仮出願第60/737,947号及び2005年11月18日に出願された「Methods and Systems for Utilizing Design Data in Combination with Inspection Data」という表題の米国仮出願第60/738,290号の優先権を主張するものである。
本発明は、さまざまな修正及び代替形態により異なるが、特定の実施態様は、図面の例で示され、本明細書で詳細に説明される。図面は縮尺どおりとは限らない。しかし、図面及びその詳細説明は、本発明を開示されている特定の形態に限定することを意図されていないが、それどころか、本発明は、付属の請求項により定められているような本発明の精神及び範囲から逸脱しないすべての修正形態、等価形態、及び代替形態を対象とする。
本明細書で使用されているように、「ウェハ」という用語は、半導体又は非半導体材料から形成される基板を指す。このような半導体又は非半導体材料の例は、限定はしないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、及びリン化インジウムを含む。このような基板は、一般に、半導体製造設備において見いだされ、及び/又は処理される。
ウェハは、基板上に形成された1つ又は複数の層を備える。例えば、このような層は、限定はしないが、レジスト、誘電体、及び導電体を含む。多くの異なるタイプのこのような層は、当業界で知られており、本明細書で使用されているようなウェハという用語は、このような層のすべてのタイプを含むウェハを含むことが意図されている。
ウェハ上に形成される1つ又は複数の層は、パターン付き、又はパターン無しとすることができる。例えば、ウェハは、それぞれ繰り返し可能なパターン付きフィーチャを有する複数のダイを含む。このような材料層を形成し、処理することで、最終的に、完成デバイスが得られる。集積回路(IC)などの多くの異なるタイプのデバイスがウェハ上に形成され、本明細書で使用されているようなウェハという用語は、当業界で知られているタイプのデバイスが形成されるウェハを含むことが意図されている。
本明細書では、ウェハに関して実施形態が説明されているが、一般にマスク又はフォトマスクと呼ばれることがある、レチクルなどの他の試料についてもこれらの実施形態を使用することができることは理解されるであろう。多くの異なるタイプのレチクルは、当業界で知られており、本明細書で使用されているような「レチクル」、「マスク」、「フォトマスク」という用語は、当業界で知られているすべてのタイプのレチクルを含むことが意図されている。
本明細書で使用されるような「設計データ」という用語は、一般に、ICの物理的設計(レイアウト)や、複雑なシミュレーション又は単純な幾何学的及びブール演算により物理的設計から導き出されるデータを指す。それに加えて、レチクル検査システムにより取り込まれるレチクルのイメージ及び/又はその派生物は、設計データに対する1つ又は複数の「プロキシ」として使用される。このようなレチクル・イメージ又はその派生物は、設計データを使用する本明細書で説明されている任意の実施形態において設計レイアウトの代わりに使用できる。
例えば、一実施形態では、レチクル検査システムにより生成されたレチクルのイメージが、設計データ空間における設計データとして使用される。レチクルは、ウェハ上に設計データを印刷するために使用される。このように、レチクル検査システムにより生成されたレチクルのイメージは、設計データの代わりに使用される。この実施形態で使用されるレチクルのイメージは、当業界で知られているレチクル検査システムにより好適な方法で生成されるレチクルの好適なイメージを含む。例えば、レチクルのイメージは、高倍率光学的レチクル検査システム又は電子ビーム・ベースのレチクル検査システムによりそれぞれ取り込まれたレチクルの高倍率光学的又は電子ビーム・イメージであってよい。それとは別に、レチクルのイメージは、空間イメージング・レチクル検査システムにより取り込まれたレチクルの空間イメージであってもよい。レチクルのイメージは、設計データを使用して1つ又は複数のステップを実行する本明細書で説明されている実施形態において設計データのプロキシとして使用される。
追加の実施形態では、この方法は、ウェハ上に設計データを印刷するために使用されるレチクルについて取り込まれたレチクル検査データに基づいて設計データ空間における設計データに対するコンテキスト・マップを生成することを含む。このように、レチクル検査データは、コンテキスト・マップの生成への入力として取り込まれる。コンテキスト・マップは、本明細書でさらに説明されるように構成される(例えば、コンテキスト・マップは、設計データ空間にわたる設計データの1つ又は複数の属性に対する値を含む)。コンテキスト・マップを生成するために使用されるレチクル検査データは、上述のレチクル・イメージの1つ又は複数などの当業界で知られている好適なレチクル検査データを含む。したがって、この実施形態では、レチクル検査データは、レチクルを横切る形でレチクル上に印刷されている設計データの1つ又は複数の属性に対する値を決定するため使用され、これらの値は、コンテキスト・マップを生成するために設計データ空間的にマッピングされる。レチクル上に印刷された設計データの1つ又は複数の属性に対する値を決定することは、本明細書で説明されているように、又は他の好適な方法でも、実行される。設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。1つ又は複数の属性に対する値をレチクル空間から設計データ空間へマッピングすることは、さらに本明細書で説明されているように実行される。このようなコンテキスト・マップは、コンテキスト・マップを使用して1つ又は複数のステップを実行することを含む本明細書で説明されている実施形態のどれかにおいて使用される。それに加えて、このようなコンテキスト・マップは、さらに、本明細書で説明されているように、及び/又は本明細書で説明されている他の情報に基づいて、生成される。
レチクル・イメージから導き出されたイメージは、さらに、設計データの「プロキシ」として使用できる。例えば、レチクル検査システム又は他の好適な結像系により生成されるレチクル・イメージを使用して、レチクル・イメージをウェハ上にどのように印刷するかを例示するシミュレートされたイメージを生成することができ、これは設計データの「プロキシ」として使用される。一実施形態では、レチクル・イメージをウェハ上に印刷する方法を例示するシミュレートされたイメージが、設計データ空間において設計データとして使用される。このように、レチクル・イメージがウェハ表面にどのように現れるかを示すシミュレーションは、さらに、設計データの代用とすることもできる。シミュレートされたイメージは、当業界で知られている好適な方法又はシステムを使用するいかなる方法でも生成される。シミュレートされたイメージは、設計データを使用して1つ又は複数のステップを実行する本明細書で説明されている実施形態において設計データのプロキシとして使用される。
少なくとも一部は1つ又は複数のステップを実行するために設計データを使用する本明細書で説明されている実施形態において、設計データは、上述の設計データ若しくは設計データ・プロキシ又はそれらの組合せを含む。
次に図面を参照する際に、図はスケール通りでないことに留意されたい。特に、図の要素の一部のスケールは、要素の特性を強調するために大きく誇張されている。図は同じスケールで描かれていないことにも留意されたい。同じ参照番号を使用することで、同様の構成をとりうる複数の図に示されている要素が示されている。
図1は、設計データ空間における検査データの位置を決定するためのコンピュータ実施方法の一実施形態を例示している。図1に示されているステップがすべて、方法の実施に本質的なものであるわけではないことに留意されたい。1つ又は複数のステップを図1に例示されている方法から省いたり、又は追加したりすることができ、又はこの方法は、そのまま、この実施形態の範囲内で実施される。
一般に、この方法は、データ準備フェーズ、レシピー・セットアップ・フェーズ(例えば、ウェハ検査レシピー・セットアップ)、ウェハ検査フェーズそれ自体を含む。この方法は、さらに、レビュー・フェーズと分析フェーズも含む。データ準備フェーズは、ウェハ上に加工されている、又はウェハ上に加工されるべきデバイスの物理的設計レイアウトを反映する設計データ(例えば、グラフィック・データ・ストリーム(GDS)ファイル、GDSIIファイル、又は他の標準ファイル若しくはデータベースなどのデータ構造体から得られる情報)を作成又は取り込むことを含む。GDSファイル、他のファイル、又はデータベースからの情報には、物理的設計レイアウト事前装飾を記述する(つまり、光近接効果補正(OPC)フィーチャ及び他の分解能向上技術(RET)フィーチャを設計に追加しないで)。
図1に示されている方法は、一般に、本明細書でさらに説明されているように検査データ・ストリームをサブピクセル精度で設計データにアラインさせることを含む。このように、本明細書で説明されている方法は、検査のため「設計にアラインさせる」方法と一般的に呼べる(例えば、ウェハ検査)。この方法では、ウェハ検査に設計データ、及び適宜、コンテキスト・データを使用する。このように、本明細書で説明されている方法は、「コンテキスト・ベース検査」(CBI)法とも呼べる。デバイス設計データとコンテキスト・データを使用することで、ウェハ検査感度を高め、ニュイサンス事象検出を劇的に減らし、欠陥を分類する精度を高め、プロセス・ウィンドウ・クォリフィケーション(PWQ)などの検査システムのアプリケーションの機能を増強することができる。コンテキスト・データは、本明細書でさらに説明されているように欠陥レビュー・プロセスやシステムを有利に利用するためにも使用される。それに加えて、設計データとコンテキスト・データを使用する方法の例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれている、Bevisの米国特許第6,886,153号、及びVolkらにより米国特許出願公開第2005/6,886,153号として2005年1月6日に公開された2004年7月1日に出願された米国特許出願第10/883,372号に例示されている。本明細書で説明されている方法は、本特許及び特許出願において説明されている(複数の)方法のどれかの(複数の)ステップを含む。
本明細書で説明されている方法は、ホット・スポット発見フェーズを含む。ホット・スポット発見は、技術研究開発、製品設計、RET設計、レチクル設計と製造、製品増産において実行される。ホット・スポット発見フェーズは、レチクル設計改善及び欠陥監視と分類のためホット・スポットを識別することを含む。ホット・スポット発見フェーズは、さらに、ホット・スポット・データベースなどのホット・スポットに関する情報を格納するデータ構造体を生成することをも含む。いくつかの実施形態では、ホット・スポット発見は、複数のソースを使用して実行される。例えば、ホット・スポット発見は、設計空間ホット・スポット発見、ウェハ空間ホット・スポット発見、レチクル空間ホット・スポット発見、試験空間ホット・スポット発見、プロセス空間ホット・スポット発見の間の相関関係を使用して実行される。このような一例では、ホット・スポットの発見は、設計、モデル化結果、検査結果、計量結果、試験と障害分析(FA)結果からの複数の入力ソースを相関させることにより実行される。本明細書で説明されているステップはどれも、ホット・スポットを発見するために併用される。
設計空間では、設計ルール・チェック(DRC)の結果を使用して設計データにおけるクリティカル・ポイントのリストを作成し、これによりホット・スポットを識別する。DRCは、一般に、マスク製造に先立って(マスク処理前)レチクル・レイアウト・データの品質管理(QC)に関して実行される。そのため、DRCは、ホット・スポットを生成しない場合がある。代わりに、DRCの結果を使用して、設計マニュアルにはあったが、DRCルールの一部ではないか、又は新たに発見される新しい限界ホット・スポットを識別することができる。それに加えて、コンピュータによる設計の自動化(EDA)を使用して、ホット・スポットを発見することができる。このように、ホット・スポット発見フェーズにおいて、設計ルール(マージナリティ・チェッカーとして使用されるDRC)及び/又はEDA設計ツールをホット・スポットのソースとして使用することができる。さらに、コンピュータ支援設計技術(TCAD)ツールとプロキシを使用することで、ホット・スポットを発見することができる。TCADツールは、カリフォルニア州マウンテンビュー所在のSynopsis,Inc.社から市販されている。それに加えて、又はそれとは別に、カリフォルニア州サンノゼ所在のKLA−Teneor社から市販されているDesignScan分析ソフトウェア、任意のパターン探索、及び設計コンテキスト(例えば、機能ブロック、設計ライブラリ要素、セル、パターンが冗長かどうか、パターン密度、ダミー/フィル対アクティブなど)をホット・スポットのソースとして使用できる。他の例では、欠陥の設計データに基づくグループ分け(パレート分析を含む、又は含まない)を使用して、ホット・スポットを発見し、グループ分けすることができ、これは、本明細書で説明されているように実行される。
追加の例では、設計空間において、ホット・スポット発見フェーズは、ウェハ上に印刷された設計データの走査型電子顕微鏡(SEM)イメージを設計データに揃えるか、又はオーバーレイすることで(本明細書で説明されているように実行される)、設計データ空間における実際の欠陥位置を識別し、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データに基づく任意のパターン探索を実行して、設計における類似の可能なホット・スポットを識別することができる。次いで、ウェハに対する元の検査結果に実行されたリピータ解析を使用して、設計データにおける系統的欠陥とその設計グループを識別することができ、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。このアプローチの利点の1つは、ターゲットの欠陥が設計データ空間において実質的に正確に位置決めされる場合、任意のパターン探索及び/又は系統的欠陥識別に使用されるパターン探索ウィンドウを欠陥毎に調節することができる。
ウェハ空間において、リピータ解析、系統的(例えば、プロセス限界)欠陥のゾーン/空間シグネチャ解析、系統的欠陥の時間シグネチャ解析、レチクル/ダイ空間における発見について信号対雑音比(S/N)を高める設計オーバーレイを有する積層ダイ(又はレチクル)結果、さらに系統的欠陥又は系統的欠陥のグループを優先順位付けするため欠陥の属性として欠陥空間に相関する歩留まり(又は致命確率(KP))のうちの1つ又は複数を使用してホット・スポットを発見することができ、それぞれ、本明細書でさらに説明されているように実行される。
レチクル/ダイ空間において、リピータ解析、欠陥密度マッピング、設計パターン・ベースのグループ分け解析、S/N比改善のための設計コンテキスト(例えば、機能ブロック)によるフィルタリング、設計におけるコールド・スポットを発見するためのレチクル検査からの注目していない欠陥の識別のうちの1つ又は複数を使用して、ホット・スポットを発見することができ、それぞれ、本明細書でさらに説明されるように実行される。
試験空間では、メモリ・ビット・エラーから設計へのマッピング及び論理ビットマップ密度から設計へのマッピングのうちの1つ又は複数を使用してホット・スポットを発見することができ、これらを両方とも、注目しない欠陥(又は設計におけるコールド・スポット)を識別するためにリピータ解析(ウェハ空間内で実行される)又は設計データ・ベースのグループ分け(レチクル/ダイ空間において実行される)と組み合わせることができる。これらのステップはそれぞれ、本明細書でさらに説明されているように実行される。
プロセス空間では、PWQをホット・スポットのソースとして使用し(ダイ−ダイ、標準参照ダイ、又はダイ−データベースの方法を使用して)、またプロセスの実験計画法(DOE)を使用してプロセス・ウィンドウ及びクリティカルな設計フィーチャをホット・スポットとして決定することで(ダイ−ダイ、標準参照ダイ、又はダイ−データベースの方法を使用して)、ホット・スポットを発見することができ、それぞれ、本明細書でさらに詳しく説明されるように実行される。
いくつかの実施形態では、図1のステップ10に示されているように、この方法は、設計データにおける所定のアライメント部位を選択することを含む。所定のアライメント部位を選択することは、検査システムを使用して実行される。所定のアライメント部位は、検査プロセス・レシピーのセットアップ時に選択される。「レシピー」は、一般に、検査などのプロセスを実行する命令群として定義される。ウェハ検査のレシピーを本明細書で説明されているようにセットアップすることは、自動的に、半自動的に(例えば、ユーザー補助の下で)、又は手動で実行される。
一例では、検査システムにより実行される検査プロセスのセットアップ時に、ウェハ・スワス分割情報、検査システム・モデル番号、検査に使用される(複数の)光学モード、ピクセル・サイズなどの検査システムのパラメータに関する情報を、設計データに加えて、所定のアライメント部位を選択するために使用する。所定のアライメント部位は、さらに、検査されるウェハの1つ又は複数の属性に基づいて選択される。所定のアライメント部位に対するデータ及び/又はイメージ(又はこのデータを参照するインデックス)は、検査プロセスに対するレシピーに格納される。例えば、ウェハ上の層に対する所定のアライメント部位に関する情報は、ウェハ上の層に対する検査プロセス・レシピーにおけるアライメント・データとして格納され、アライメント・データは、検査システムがこの特定のデバイス及び層のウェハを検査する毎に使用される。
いくつかの実施形態は、本明細書では、ウェハに対するデータ及び/又はイメージを取り込むために「ウェハ・スキャニング」又は「ウェハをスキャンすること」を含むものとして説明されているが、当業界で知られている適切な技術及び/又はシステムを使用することで、このようなデータ及び/又はイメージを取り込むことができるものと理解されるべきである。例えば、本明細書で説明されている検査システム又はフィールド毎のイメージ収集を実行するように構成された他の検査システムにより、ウェハに対するデータ及び/又はイメージを取り込むことができる。このように、ウェハの端から端までスキャンする代わりに、検査システムは、ステッピング方式でデータ及び/又はイメージを取り込むことができる。他の例では、本明細書で説明されている検査システム、又はポイント毎の検査を実行するように構成されている他の検査システムにより、ウェハに対するデータ及び/又はイメージを取り込むことができるが、これは、一般に、自動プロセス検査(API)と呼ばれうる。
所定のアライメント部位を選択するために、いくつかの方法を使用できる。一実施形態では、この方法は、所定のアライメント部位に対応する設計データを取り込むことを含む。本明細書で説明されている方法において使用される所定のアライメント部位に対するデータ又はイメージは、レンダリングされたGDSクリップ(本明細書で使用されている「クリップ」という用語は、設計レイアウトの比較的小さな部分を意味する)とレンダリングされGDSクリップにアラインされた検査システムにより生成されたイメージを含む。
所定のアライメント部位に対応する設計データをシミュレート(又は「レンダリング」)することを用いて、ウェハ上に設計データをどのように印刷するかを例示するイメージを生成することができる。この方法は、さらに、設計データ又はGDSクリップとシミュレート(「レンダリング」)されたイメージとの相互相関を実行することと、設計データ空間におけるシミュレートされたイメージの位置を(つまり、設計データ空間内の座標とともに)記録することを含む。所定のアライメント部位に対応する設計データが上述のようにウェハ上にどのように印刷されるかを例示するイメージをシミュレートすることは、好適な方法、アルゴリズム、又はKLA−Tencorから市販されているPROLITHなどの当業界で知られているソフトウェアを使用して実行される。
それに加えて、ウェハに対し1つ又は複数のプロセスが実行された後に所定のアライメント部位がウェハ上にどのように印刷されるかを例示するシミュレートされたイメージが、上述のように生成される。例えば、1つ又は複数のプロセスは、リソグラフィ、リソグラフィとエッチングの組合せ、異なるリソグラフィ・プロセスなどを含む。このように、本明細書で説明されている方法で使用される所定のアライメント部位に対するデータは、検査に先立ってウェハ上で実行される1つ又は複数のプロセスに基づいて選択又は生成された1つ又は複数のシミュレートされたイメージを含む。ウェハ上で異なるプロセスが実行された後に取り込まれた検査データのアライメントに対し所定のアライメント部位の異なるデータを使用することで、本明細書で説明されている方法の精度の高めることができる。
所定のアライメント部位を選択することは、設計データ(例えば、GDSデータ)を前処理して、検査プロセスやシステムに適合する所定のアライメント部位を選択することを含む。例えば、場合によっては、レンダリングされたGDSクリップは、ウェハ加工プロセスにより引き起こされる変化(例えば、色の変化)の影響を受けにくいため、本明細書で説明されている方法で所定のアライメント部位に対するデータとして使用するのに都合がよい。しかし、レンダリングされたGDSクリップ「オフライン」にアラインされている検査システムにより取り込まれた所定のアライメント部位のイメージは、デバイス加工の後の段階において生成される検査データとともに使用すると都合がよい場合があるが、それは、これらのイメージが、レンダリングされたGDSクリップに比べて、検査システムにより生成されたウェハ上のアライメント部位のイメージに類似している可能性があるからであり、これにより、より正確なアライメントを得ることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されている方法で使用されるアライメント・データは、GDSクリップと、検査実行時にウェハ上のアライメント部位に対する好適なデータ一致が必ず見つかるようにGDSクリップにアラインされたイメージの両方を含む。それとは別に、所定のアライメント部位の重心などの設計データにおける所定のアライメント部位の1つ又は複数の属性を決定し、検査システムにより取り込まれたアライメント部位のイメージの対応する重心を決定し、これを使用して、検査ピクセル・データを設計データにアラインさせることができる。
ダイ毎に選択された所定のアライメント部位の個数は大きく変化する。例えば、比較的疎らな所定のアライメント部位の集まりを選択する。それに加えて、所定のアライメント部位を、1つのダイ上で所定の頻度により選択する。所定のアライメント部位は、ダイそれ自体の中に含まれているため、ダイの中のデバイスのフィーチャ及び/又はダイのデバイス領域内に配置されているフィーチャを含むように所定のアライメント部位を選択する。このように、所定のアライメント部位が、設計データの既存のフィーチャを含むように選択される。このような所定の選択部位は有益である。なぜなら、アライメント・フィーチャを含むように設計データを修正する必要がなく、またアライメント・フィーチャはダイのサイズを増やさなくてもよいからである。
この方法は、さらに、検査システムにより取り込まれたイメージ又はデータにおいて(ミスアライメント公差範囲内で)ユニークに識別可能な設計データ内の所定のアライメント部位を選択することも含む。例えば、所定の探索範囲不確定の範囲内でユニークであるアライメント・フィーチャ(つまり、ターゲット)を含むように、所定のアライメント部位を選択することができる。こうして、イメージ又はデータにおけるウェハ上のアライメント部位の配置に特定の位置不確実さが与えられた場合、アライメント・データ及びイメージ又はデータに対し相関を実行し、2つのアライメント部位の比較的強い一致を明確に識別することができる。
一実施形態では、所定のアライメント部位は、x及びy方向でユニークな1つ又は複数の属性を有する少なくとも1つのアライメント・フィーチャを含む。このような1つの所定のアライメント部位の一実施形態が図2に示されている。図2に示されているように、所定のアライメント部位32は、アライメント・フィーチャ34を含む。アライメント・フィーチャ34は、x方向及びy方向にユニークな1つ又は複数の属性を有する。例えば、アライメント・フィーチャの隅は、そのアライメント・フィーチャをダイにおける他のフィーチャに関して、アライメント・フィーチャに近接するx方向とy方向にユニークなものにすることができる。所定のアライメント部位は、さらに、同様に、又は異なる形で構成される複数のそのようなアライメント・フィーチャを含むこともできる。このように、1つ又は複数のアライメント・フィーチャは、xとyの両方向においてユニークなものとすることができる。
代替の実施形態では、所定のアライメント部位は、少なくとも2つのアライメント・フィーチャを含む。2つのアライメント・フィーチャのうちの第1のものは、x方向にユニークな1つ又は複数の属性を有する。2つのアライメント・フィーチャのうちの第2のものは、y方向にユニークな1つ又は複数の属性を有する。このような1つの所定のアライメント部位の一実施形態が図2に示されている。図2に示されているように、所定のアライメント部位32は、アライメント・フィーチャ38を含む。アライメント・フィーチャ38は、x方向にユニークであるが、y方向ではアライメントに関する情報をもたらさない1つ又は複数の属性を有する。例えば、アライメント・フィーチャ38の垂直エッジは、そのアライメント・フィーチャをダイにおける他のフィーチャに関して、アライメント・フィーチャに近接する、x方向にユニークなものにすることができる。所定のアライメント部位は、複数のそのようなフィーチャを含む。
所定のアライメント部位36は、アライメント・フィーチャ40を含む。アライメント・フィーチャ40は、y方向にユニークであるが、x方向ではアライメントに関する情報をもたらさない1つ又は複数の属性を有する。例えば、アライメント・フィーチャ40の水平エッジは、このアライメント・フィーチャをダイにおける他のフィーチャに関して、アライメント・フィーチャに近接する、y方向にユニークなものにする。所定のアライメント部位は、複数のそのようなフィーチャを含む。さらに、所定のアライメント部位は、x及び/又はy方向でユニークな2つよりも多い属性を含む。このように、組み合わせることで「ライブ」イメージ又はデータ(例えば、検査時に検査システムにより取り込まれたイメージ又はデータ)と所定のアライメント部位に対するデータとの間の絶対(x,y)オフセットを決定するのに十分なx及びyのアライメント情報をもたらすフィーチャ38、40などのアライメント・フィーチャの集合を含むように所定のアライメント部位を選択することができる。
所定のアライメント部位の選択は、手動で、自動的に、又は手動と自動の何らかの組合せ(つまり、半自動又はユーザー補助)により実行される。手動で実行されるか、自動的に実行されるか、又はその両方で実行されるかに関係なく、所定のアライメント部位選択は、設計データ、ウェハの光学又は電子ビーム・イメージ、又はその両方を使用して実行される。所定のアライメント部位のユーザー補助による選択では、ユーザーは、コンピュータ支援設計(CAD)レイアウト、ウェハのライブ若しくは格納されている光若しくは電子ビーム・イメージ、又はその両方を調べて、上述の一意性基準を満たす1つ又は複数の所定のアライメント部位を決定することができる。
所定のアライメント部位の自動的又は半自動的な選択において、この方法は、検査システムを使用してウェハ上のダイの行をスキャンすることと、ダイのそれぞれのフレームを(例えば、アルゴリズムを実行することにより)処理し、ユニークなアライメント部位を識別することを含む。「フレーム」という用語は、一般的に、ウェハをスキャンするときに取り込まれる検査データ又はイメージのスワス内のダイの一部に対するデータ又はイメージとして本明細書では定義される。フレームを処理することは、フレーム内のフィーチャのxとyの勾配を決定することと、所定のアライメント部位において使用するx及び/又はy方向に比較的強い勾配を有する1つ又は複数のフィーチャを選択することとを含む。この方法は、さらに、フレームとそのようなフィーチャを含むパッチ・イメージの相互相関を実行し、(複数の)勾配の比較的強いピークがただ1つ所定の探索範囲内に置かれているかどうかを判定することを含む。このように、パターン探索ウィンドウ内でユニークなアライメント・フィーチャは、所定のアライメント部位について識別され、選択される。この方法は、さらに、設計データにアクセスすることと、設計データの1つ又は複数の比較的小さな領域を1つ又は複数のイメージとしてレンダリングすることと、好適なアライメント部位を識別するために上記ステップを実行することとを含む。この方法は、さらに、この方法により識別される1つ又は複数の潜在的アライメント部位(例えば、潜在的アライメント部位に対する光又は電子ビーム及びCADイメージの対)を表示することと、ユーザーが所定の最低距離間隔でダイ上に分散されている1つ又は複数の好適なアライメント部位を選択できるようにすることとを含む。
他の実施形態では、所定のアライメント部位を選択するために使用される検査システム又は他のイメージ収集システムのイメージング・モードは、検査データを取り込むために使用される検査システムの1つ又は複数のイメージング・モードと異なる。このように、この方法は、アライメント部位選択及びウェハ検査に異なるイメージング・モードを使用することを含む。また、アライメント部位選択ステップは、ウェハを検査するために使用されるさまざまなイメージング・モードに基づいて実行される。例えば、検査システムは、明視野(BF)モード、暗視野(DF)モード、Edge Contrast(KLA−Tencorの商標である)モード、さまざまなアパーチャ・モード、及び/又は電子ビーム・イメージング・モードなどの検査用の複数の光学的イメージング・モードを使用するように構成される。エッジコントラスト(Edge Contrast:EC)検査は、一般に、相補的イメージング・アパーチャで円形対称照射アパーチャを使用して実行される。ウェハ上の特定の層の検査に最良のイメージング・モードは、欠陥S/N比を最大にするイメージング・モードであり、最良のイメージング・モードは、層のタイプにより異なる。それに加えて、検査システムは、複数のイメージング・モードを同時に使用するか、又は順次使用してウェハを検査するように構成される。ウェハ検査時に実行されるアライメント部位イメージ又はデータ取り込みでは、ウェハ検査に最良のイメージング・モードを使用するので、アライメント部位選択では、好ましくは、そのモードを使用して、適切なアライメント部位及びアライメント・フィーチャを選択する。
しかし、設計データ空間において選択された所定のアライメント部位の位置を正確に決定するために、所定のアライメント部位(ウェハ上の)の光学的パッチ・イメージを上述のような設計データ又はGDSIIクリップから導き出されたシミュレートされたイメージにアラインさせることができる。シミュレートされたイメージと光学イメージをアラインさせるのに好適な品質を有するシミュレートされたイメージを取得することは、あらゆるイメージング・モードに対し困難であると思われる。しかし、特定のイメージング・モード(例えば、BFモード)に関しては、シミュレートされたイメージと光学イメージの最良一致を得ることができる。したがって、この方法は、検査に最良のイメージング・モードを使用してウェハをスキャンすることで好適な所定のアライメント部位を選択することを含む。この方法は、さらに、検査システムを使用してウェハ上の選択された所定のアライメント部位に再び訪れ、シミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップに最もよく一致するイメージとなるモードを使用して光学パッチ・イメージを取り込むことを含む。
シミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップと一致する最良のモードを使用して得られたイメージを、設計データにおいて対応するアライメント部位のシミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップにアラインさせる。シミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップに一致する最良のモードを使用して取り込まれたイメージをアラインさせることにより決定された設計データ空間における選択されたアライメント部位の(x,y)位置を使用することで、これらのx位置とy位置を、検査に最良のモードを使用して取り込まれたパッチ・イメージに関連付けることができる。異なるモード(検査モードとシミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップに一致する最良のモード)で同じ部位について集められたイメージの間にある種の固定されたオフセットがある場合、好適な較正ターゲットを使用して検査の開始時(又はその前)にこのオフセットを測定し、及び/又は補正する。
このような一実施形態では、この方法は、所定のアライメント部位の光学又は電子ビーム・イメージに対しCADでシミュレートされたイメージ又はGDSIIクリップのオフラインアラインを行って、マッピングを決定する(つまり、設計データ空間における光学又は電子ビーム・イメージの個別ピクセルの位置を決定する)ことを含む。例えば、所定のアライメント部位を選択し、シミュレートされたイメージと一致する最良のイメージを提供することができるイメージング・モードを使用してウェハ上のそれらの部位のイメージを取り込んだ後、所定のアライメント部位に対応する設計データを取り込み(ポリゴン表現などの形式で)、次いで、適切な変換関数を使用して適切なピクセル・サイズでシミュレートされたイメージとしてレンダリングする。次いで、適切な方法及び/又は当業界で知られているアルゴリズムを使用して光学(又は電子ビーム)イメージとシミュレートされたイメージを互いにアラインさせる。光学(又は電子ビーム)イメージとシミュレートされたイメージを互いにアラインさせることは、十分に正確なアラインを行うために前の層ジオメトリが光学イメージから排除されるか、又は他の何らかの形でわかるように光学イメージ内のノイズ源となりうる前の層ジオメトリなどの設計データ(例えば、設計データベースにおける)に関する他の情報を使用して実行される。
検査用のレシピーをセットアップするプロセスの結果は、所定のアライメント部位、設計データ空間における所定のアライメント部位のそれぞれの位置(例えば、x及びy座標)、その後のウェハ検査時に実質的に正確なアラインを実行するために検査システムにより使用される追加の情報を表す1つ又は複数の光学又は電子ビーム・パッチ・イメージを含む。
図1のステップ12に示されているように、この方法は、ウェハ上のアライメント部位に対する検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることを含む。所定のアライメント部位に対するデータは、上述のデータのどれかを含む。例えば、所定のアライメント部位に対するデータは、GDSIIファイル又は他の標準的な機械可読ファイル・フォーマットなどのデータ構造体に格納されている設計データを含む。他の実施形態では、所定のアライメント部位に対するデータは、所定のアライメント部位がウェハ上にどのように印刷されるかを示す1つ又は複数のシミュレートされたイメージを含む。1つ又は複数のシミュレートされたイメージは、設計データ空間においてウェハ上のアライメント部位の位置を、設計データ空間における所定のアライメント部位の位置に基づいて本明細書のさらなる説明に従って決定できるように本明細書でさらに説明されているとおりに設計データ空間にマッピングされる。
追加の実施形態では、所定のアライメント部位に対するデータは、所定のアライメント部位の1つ又は複数の属性を含み、ウェハ上のアライメント部位に対するデータは、アライメント部位の1つ又は複数の属性を含み、アラインさせるステップは、所定のアライメント部位の1つ又は複数の属性をアライメント部位の1つ又は複数の属性にアラインさせることを含む。所定のアライメント部位及びこの実施形態で使用されるウェハ上のアライメント部位の1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。
例えば、一実施形態では、所定のアライメント部位の1つ又は複数の属性は、所定のアライメント部位の重心を含み、ウェハ上のアライメント部位の1つ又は複数の属性は、アライメント部位の重心を含む。所定のアライメント部位とウェハ上のアライメント部位の重心は、これらの部位における1つ又は複数のアライメント・フィーチャに対する重心である。このように、この方法は、所定のアライメント部位とウェハ上のアライメント部位の重心を一致させて、ウェハ上のアライメント部位を所定のアライメント部位にアラインさせることを含む。その際、所定のアライメント部位に対するデータは、ウェハ上のアライメント部位に対するデータの対応する1つの特性(又は複数の特性)に合わせてアラインさせられる重心などの所定のアライメント部位のある種の1つの特性(又は複数の特性)を含む。所定のアライメント部位とウェハ上のアライメント部位の重心などの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されているように、又は当業界で知られている好適な方法により決定される。
追加の実施形態では、所定のアライメント部位に対するデータは、検査システムにより取り込まれ、GDSIIファイルなどのデータ構造体に格納されている設計データにアラインされたデータを含む。所定のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータは、本明細書で説明されているように設計データにアラインされる。いくつかの実施形態では、所定のアライメント部位に対するデータは、設計データ空間における設計座標にアラインされた標準参照ダイ・イメージの少なくとも一部を含む。標準参照ダイ・イメージは、本明細書で説明されている標準参照ダイ・イメージのどれかを含むことができ、標準参照ダイ・イメージは、本明細書で説明されているように設計座標に合わせてアラインされる。例えば、標準参照ダイ・イメージを設計空間にマッピングし、次いで、これを使用してアラインすることができる。
アライメント部位に対するデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることは、当業界で知られている(複数の)好適なアライン方法及び/又は(複数の)アラインアルゴリズムを使用して実行される。
一実施形態では、ステップ12は、ウェハ検査中に実行される。それに加えて、このステップは、検査プロセス・レシピーを使用してウェハが検査される毎に実行される。例えば、検査プロセスは、1ロットのウェハの検査の開始時、及びそのロットのそれぞれのウェハの検査の開始時に、実行される初期化フェーズを含む。初期化フェーズにおいて、所定のアライメント部位と、設計データ空間における所定のアライメント部位の(x、y、又は2次元)マッピングをレシピー・セットアップ結果からアクセスし、格納されているアライメント・パッチ・イメージと検査されているウェハに対する検査システムにより取り込まれたライブ・パッチ・イメージとのアラインを実行するために使用されるイメージ・コンピュータ処理ノード内にダウンロードすることができる。イメージ・コンピュータと処理ノードは、当業界で知られている好適な構成を有することができる。
検査プロセスにおいて、この方法は、検査システムを使用してウェハをスキャンし、検査データのスワスを取り込むことを含む。それぞれのスワスは、検査システムがウェハ上の行又は列においてダイを横切って(x方向に)スキャンするときに何らかの高さH(y方向)のピクセルのストリームとして取り込まれる。イメージ・コンピュータにおけるそれぞれの処理ノードは、スワスのある種の部分を処理する。例えば、スワスを複数の部分、つまり「ページ」に分割し、スワスの部分のそれぞれを異なる処理ノードに向ける。処理ノードは、処理のノードにより受け取られたスワスの部分の中のピクセルを使用して欠陥検出を実行するように構成される。この方法及びイメージ・コンピュータは、ウェハ上のアライメント部位の配置(例えば、それぞれダイの中の配置)、及びイメージ・コンピュータの記憶媒体から取り込まれた(例えば、初期化フェーズの際にダウンロードされた)所定のアライメント部位のパッチ・イメージに関する情報を利用して、所定のアライメント部位をウェハ上のアライメント部位のライブ・ストリーム・データにアラインさせることができる。
いくつかの実施形態では、コンテキスト・マップ(例えば、データベースなどのデータ構造体に格納されている)をアクセスし、処理ノードにダウンロードする。このコンテキスト・データは、当業界で知られている好適なフォーマットで格納される。このコンテキスト・データを、イメージ・フォーマットではなくコンパクトなポリゴン表現で格納し、及び/又は使用することができる。しかし、コンテキスト・マップは、欠陥検出のために使用されるようにイメージにレンダリングされる場合がある。このレンダリングは、初期化時に1回、又は検査の際にコンテキスト・マップが使用される毎に実行される。前者のアプローチの利点は、初期化時にコンテキスト・マップをレンダリングすることで、検査プロセスにおいて実行されるデータ処理サイクルが減らされるという点である。しかし、このアプローチの不利な点は、コンテキスト・マップ全体のレンダリングされたイメージを格納するので、比較的大量のメモリが必要になる場合があるという点である。
図1のステップ14に示されているように、この方法は、設計データ空間における所定のアライメント部位の位置に基づいて設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置を決定することを含む。例えば、設計データ座標(つまり、設計データ空間内の)に関する所定のアライメント部位の(x,y)位置が決定されており、このアライメント部位に対するデータに対し、所定のアライメント部位に対するデータがアラインされているため、ウェハ上のアライメント部位のライブ・ピクセル座標の絶対配置を設計データ空間において決定することができる。他の実施形態では、設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置を決定することは、生データ・ストリーム(例えば、ライブ・イメージ)を所定のアライメント部位に対するデータ(例えば、参照イメージ)にアラインさせることを含む。設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置を決定することは、ウェハを検査する前に、又はウェハの検査データを取り込んだ後に、実行される。
図1のステップ16に示されているように、この方法は、設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置に基づいて設計データ空間における検査システムによりそのウェハについて取り込まれた検査データの位置を決定することを含む。設計データ空間における位置が決定される検査データは、検査時に検査システムによりウェハについて取り込まれたデータ(例えば、イメージ・データ)を含む。それに加えて、検査データの位置を、ウェハの検査時に検査システムにより取り込まれたデータの一部又は全部について決定することができる。例えば、ウェハ上の検査対象領域について取り込まれた検査データのみについて、検査データの位置を決定することができる。
一実施形態では、この方法は、ウェハ上のアライメント部位に対応する生データ・ストリームの位置を上述のように所定のアライメント部位の参照イメージにアラインさせた後に、検査データ・ストリームと設計データとの間の座標オフセットをサブピクセル精度の範囲内まで測定することを含む。それに加えて、ライブ検査データと設計データとの間の座標誤差は、ウェハ上のアライメント部位がダイ上のすべての点について所定のアライメント部位に実質的に正確にアラインされるように所定のアライメント部位に対する参照イメージに関して生検査データ・イメージをシフトすることにより補正される。本明細書で説明されている方法及びシステムの1つの著しい利点は、設計データ空間における検査データの位置をサブピクセル精度で決定できるという点である。このように、ウェハ上の対象領域と対象外領域を、100nm以下の精度の比較的高い精度で本明細書においてさらに説明されるように決定することができる。
異なる実施形態では、所定のアライメント部位に対するデータを使用することで、ライブ・イメージ・ピクセル空間を設計データ空間にマッピングするために使用される2次元マッピング変換を決定することができる。例えば、上述のように、この方法は、所定の探索範囲についてダウンロードされた所定のアライメント部位パッチ・イメージ(検査プロセスのセットアップ時に取り込まれる)をライブ・イメージ・データと相関させることと、ダウンロードされたイメージとライブ・イメージとの間のオフセットを決定することとを含む。設計データ空間における所定のアライメント部位の(x,y)位置はセットアップ時に決定されているため、この方法は、さらに、ライブ・イメージ・ピクセル位置と設計データ座標との間の対応関係を決定することを含むこともできる。次いで、この方法は、ライブ・イメージ・ピクセル位置と設計データ座標との間の対応関係を使用してライブ・ピクセル座標を設計データ空間にマッピングする2次元関数を決定することを含む。
そのような一例では、設計データ空間における絶対座標に対しアライメント部位のグリッドの好適な多項式フィットを使用することで、検査データにおけるピクセル(例えば、ライブ・ピクセル・ストリーム)を設計データ空間における対応する位置にマッピングするために使用可能なマッピング関数を決定する。同様にして、後述のように検査データにおけるピクセルをコンテキスト空間内の対応する位置にマッピングする。複数の他の補正を用いて、実質的に正確なマッピングを行わせることができる。例えば、検査システムのランタイム・アライメント(RTA)サブシステムによる取り込みが可能なx方向のピクセル・サイズなどの検査システムにより与えられるデータに基づいて補正を実行する。このマッピングは、ダイ−ダイ検査モードに使用される。上述のようなライブ・ピクセル・ストリームのマッピングは、ウェハの検査時にリアルタイムで、又はウェハに対する検査データの取り込みの後に実行される。この方法により、設計データ空間における検査データの位置を決定することは、ウェハの検査時に実行される。それとは別に、設計データ空間における検査データの位置を決定することは、ウェハの検査の後に実行される。
設計データ空間における検査データの位置は、本明細書で説明されているような形で格納され、使用される。
一実施形態では、この方法は、検査データと標準参照ダイ・ベースの検査用の標準参照ダイとを使用してウェハ上の欠陥を検出することを含む。このように、本明細書で説明されている方法の実施形態は、標準参照ダイ・ベースの検査を実行することを含む。このようないくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における標準参照ダイ・イメージのマッピングを標準参照ダイ−ダイ検査モードに対するウェハについて検査システムにより取り込まれたライブ・イメージに適用することを含む。「標準参照ダイ」という用語は、一般的に、検査されているが、ダイ−ダイ検査に必要な「試験」ダイに対する通常の隣接性制約条件を満たさないウェハ上の参照ダイを指す。いくつかの市販の検査システムは、標準参照ダイ−ダイ検査モードと同様のモードを使用するように構成されている。
標準参照ダイ−ダイ検査モードの一実装は、ダイとダイ行内の任意のダイとを比較することを含む。他の実装では、標準参照ダイ・イメージは、格納されているイメージである。
したがって、格納されている標準参照ダイ−ダイ検査モードは、標準参照ダイ−ダイ検査モードによく似ているが、ただし、ウェハ上で参照ダイを使用するという制約条件が取り除かれる。この検査モードの利点の1つは、格納されている標準参照ダイ・イメージを修正し、標準参照ダイ・イメージを「実質的無欠陥」にすることができることにある。それに加えて、この検査モードでは、異なるウェハからの標準参照ダイ・イメージを使用し、これによりiPWQアプリケーションの最も単純な実装を行うことことができるが、これについては本明細書でさらに説明される。
標準参照ダイ−ダイ検査モードに使用される、一実施形態では、検査されているダイについて取り込まれたライブ・イメージは、他のウェハ上の知られている良好なダイ(標準参照ダイ)から得られた格納されているダイ・イメージにアラインされ、比較される。このようなアラインと比較は、本明細書で説明されているように実行される。この場合、標準参照ダイ・ピクセルを設計データ座標空間にマッピングすることは、完全にオフラインで実行される。例えば、標準参照ダイにおけるアライメント部位は、上述のように設計データ空間においてマッピングされ、マッピングされた標準参照ダイ・ピクセルは、検査時にオフラインで格納され、検査システムに供給される。このように、標準参照ダイ−ダイ検査モードについては、設計データ座標空間におけるライブ検査データの位置を決定することは、ライブ・データを、それ自体設計空間にマッピングされている格納された標準参照ダイ・イメージ又はデータにアラインさせることにより実行される。
他の実施形態では、標準参照ダイ−ダイ検査について、参照ウェハ上の知られている良好なダイが、選択されたピクセル・サイズとイメージング・モードでスキャンされ、知られている良好なダイ・イメージ全体が、適切な記憶媒体(例えば、ディスク)に格納される。ウェハの検査時に、適切な標準参照ダイ・イメージのスワスが、検査システム・イメージ・コンピュータ内にダウンロードされ、ダイがスキャンされる毎に、ターゲット・ダイ(つまり、検査されているダイ)のフレームは、対応する標準参照ダイ・フレームとアラインさせられる。フレーム間のミスアライメントは、サブピクセル補間を使用して補正される。次いで、標準参照ダイ・イメージは、ウェハのイメージと比較され、これにより、ウェハ上の欠陥を検出することができる(例えば、欠陥ピクセルを検出する)。このように、検査データを設計データ空間座標にアラインさせるために、又は欠陥検出のために、同じイメージを使用することができる。
異なる実施形態では、この方法は、検査データ・ストリームにおけるウェハ上のアライメント部位に対するデータを所定のアライメント部位に対するレンダリングされたGDSクリップにアラインさせて、リアルタイムで誤差を補正することを含む。例えば、この方法は、設計データ空間におけるレンダリングされたGDSIIクリップのマッピングをダイ−ダイ検査モードに対するウェハ上のアライメント部位に対するデータに適用することを含む。この方法は、所定の探索範囲についてダウンロードされたアライメント部位パッチ・イメージ(検査プロセスのセットアップ時に選択される)をライブ・イメージ・データと相関させることと、2つのイメージの間のオフセットを決定することとを含む。他の例では、検査データ・ストリームにおけるウェハ上のアライメント部位に対するデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることは、アライメント部位における1つ又は複数のフィーチャの重心又は他の属性をアラインさせることにより実行されるが、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
一実施形態では、ダイ−ダイ検査モードにおける欠陥検出のために、それぞれのスキャンされたダイ・フレームに対するデータをスワス内の後続のダイ・フレームに対するデータにアラインさせる。この場合、所定のアライメント部位とウェハ上のアライメント部位とのマッピングは、オンラインでは実行されないが、それは、検査データ・ストリームにおけるそれぞれのダイに対するデータの位置が、検査システムの機械的誤差や他の誤差発生源に左右されるからである。したがって、この場合、この方法は、検査データの取り込み時にそれぞれのダイのアライメント部位を(例えば、イメージ・コンピュータを使用して)識別することを含む。
他の実施形態では、欠陥検出は、ウェハ−ウェハ検査モードで実行される。このような一実施形態では、1つのウェハ上のアライメント部位に対するデータは、所定のアライメント部位に対するデータにアラインされ、このウェハ上のアライメント部位に対するデータは、他のウェハ上のアライメント部位に対するデータにアラインされる。それとは別に、両方のウェハ上のアライメント部位に対するデータは、本明細書で説明されているデータのどれかを含む所定のアライメント部位に対するデータにアラインされる。このように、ウェハ上のアライメント部位に対するデータが所定のアライメント部位に対するデータにアラインされた後、これらのウェハの検査データ同士が、実際に、アラインされ、欠陥検出のためオーバーレイ又は比較される。いくつかの実施形態では、ウェハ−ウェハ検査モードは、検査されているウェハの外に存在する参照ダイを使用することを含む(つまり、オフ・ウェハ参照)。この方法の実装は、直接的とは言い難いが、それは、適切な感度結果を得るために検査システムがダイ−ダイ・レベルのオーバーレイ公差(例えば、0.1ピクセル)を達成できるように現在使用されているランタイム・フィードバックという概念を分離することを含むからである。
このような一実施形態では、この方法は、検査されているウェハとオフ・ウェハ参照イメージとのRTAを含む。オフ・ウェハ・イメージとのRTAは、ダイ−ダイ比較及びセル−セル比較などのウェハ「自己参照」アプローチからパターニングされたウェハ上の欠陥を検出するためのウェハ−ウェハ検査に至るスキャン検査技術の拡張を可能にするために使用されるイメージ・アライメント・アプローチである。例えば、RTAは、検査システムの1つ又は複数の検出器により生成される信号を2値化するのに先立って、取り込まれたライブ・イメージとすでに取り込まれているイメージとの電気機械的アラインを行ってサブピクセル精度の位置決めを行うことを含む。本明細書で説明されている実施形態においてRTAがどのように実行されるかを示す例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、Hwangらの米国特許第7,061,625号において例示されている。
ウェハのイメージとオフ・ウェハ・イメージとの比較を含む現在利用可能な検査アプローチの1つは、日本のナノジオメトリ研究所(NGR)により使用されているダイ−データベース検査モードである。このダイ−データベース検査アプローチでは、「ステップ・アンド・リピート方式」のイメージ収集及び縫合と、その後に続く、エッジ・ベースのイメージ処理、プロセス・シミュレーション、検出アルゴリズムの複数のステップからなる複雑な一連の処理を含む。しかし、異なるウェハのイメージを直接比較するのに、この方法を使用することはできない。特に、ダイ−データベース検査モードでは、ウェハ・イメージと設計レイアウト・データベースから導き出されたシミュレートされた参照とを比較する。このアプローチのシミュレーションステップは、試験用のウェハを生産するために使用される特定の製造プロセスに合わせて慎重に較正されなければならない。較正は、費用も時間もかかるプロセスである。較正は、複数のステップを有する統合プロセス・フローについては特に複雑な作業である。それに加えて、「ステップ・アンド・リピート方式」のイメージ収集検査プロセスは、ステージの慣性、ステージの振動、静止イメージ収集、イメージの縫合などについて実用上の限界があるため、スキャン・ベースの検査プロセスと比べて、典型的に低速である。
代替のダイ−データベース検査モードは、上述の「オフ・ウェハ」参照ダイを使用する検査モードの論理的拡張である。この場合、「データベース」は、上述のように設計データとプロセス・シミュレーションから生成されたレンダリングされたイメージである。したがって、データベースに基づく検査は、取り込まれたイメージから(場合によっては、本明細書で説明されているように実行される、統計に基づく増強により)生成された「標準参照ダイ」及び設計データとプロセス・モデリングから厳密に生成された「標準参照ダイ」を使用してウェハ−ウェハ検査が実行可能であるため、「オフ・ウェハ」参照検査モードの論理的拡張であるとみなされる。設計データとプロセス・モデリングから厳密に生成された標準参照ダイを使用するのは、実装するのに最も複雑なウェハ検査モードである。この検査モードを実装する多くの試みがなされてきたが、試みられた実装の現在の性能は、このアプリケーションの計算量の多さ(モデリング及び検出)、イメージ収集速度、イメージ画質の問題のせいで十分とはいえない。しかし、本明細書で説明されている方法は、試験対象のウェハとオフ・ウェハ参照とに対する検査データをアラインするために共通の絶対参照(例えば、設計データ)を使用できるため、実装するうえで実用性が高い。
したがって、本明細書で説明されている方法は、ウェハ同士の比較を可能にするために使用されるが、これは潜在的に極端に有用なアプリケーションといえる。ウェハ−ウェハ比較を使用する欠陥検査の動機の1つは、特定の回路レイアウトの相互作用とウェハ製造プロセスの積み重ね公差から結果として生じうる「系統的欠陥機構」を発見することである。この発見プロセスは、同じデバイス設計が印刷されるが、異なる形で処理されたウェハを比較することを含む。最も決定論的なアプローチは、単一変量又は多変量実験においてプロセス・パラメータを変形することである(例えば、系統的DOEアプローチを使用して)。一実施形態では、上述のように、又は他の好適な方法で実行される、ウェハ・レベルのプロセス・パラメータ変調を用いて、ウェハと追加のウェハ(例えば、2つ又はそれ以上のウェハ)が処理される。これらのプロセス・パラメータを変形して、結果として得られるウェハの測定可能な物理的及び/又は電気的属性を許容限界に近づけることができる。それに加えて、この方法は、ウェハと追加のウェハ上のダイに対する検査データを共通の標準参照ダイと比較することによりウェハと追加のウェハ上の欠陥を検出することを含む。このように、ウェハ上の欠陥を検出することは、本明細書でさらに説明されているように実行される。このような一実施形態では、この方法は、「欠陥」の検出により測定されたとおりウェハ間の構造的な違いが生じるかどうかを判定することを含む。このようなアプローチは、統合PWQ(iPWQ)と呼ばれる。このように、本明細書で説明されている方法を使用することで、iPWQの実装を可能になる(例えば、iPWQに対する標準参照ダイ・アプローチを使用して)。そのとき、PWQ法は、ウェハ・レベルのプロセス・パラメータの変形を含み、かつiPWQ法を実装することを目的とする異なるウェハ上のダイと共通の標準参照ダイとの比較を含むように拡張される。
対照的に、リソグラフィに起因する「系統的欠陥機構」の発見は、本明細書で全体が述べられているかのように参照により組み込まれている、Petersonらの米国特許第6,902,855号において説明されている方法、及びKLA−Tencorから市販されているPWQ製品を使用して実行される。PWQは、設計−リソグラフィ相互作用を決定するために焦点と露光を変数として使用し、リソグラフィ・ツールがレチクル・ショット・レベルでリソグラフィ露光プロセス・パラメータを変形する独自の機能を利用する。このアプリケーションは、OPC検証に使用されることが多い。しかし、PWQは、変調された焦点及び/又は露光パラメータにより印刷されたウェハ上のダイの直接的比較に限られる。エッチング、堆積、熱処理、化学機械研磨(CMP)などのプロセスステップに関連付けられた他のプロセス変数の影響は、これらの変数がウェハ・レベルでしか変形されないため、PWQにより直接的に評価されない。しかし、これらのプロセス変数に関連付けられている、又はこれらのプロセス変数により引き起こされる系統的欠陥機構は、本明細書で説明されている方法を使用することで発見される。特に、本明細書で説明されている方法は、ウェハ−ウェハ間比較によりPWQ型アプリケーションにおいて非リソグラフィ・プロセス変調を調べるために使用される。
スキャン・ベースの欠陥検出システムでは、「サブピクセル」イメージ・アライメントによりダイ−ダイ・イメージ減算を実行し、差分イメージ・レジストレーション・ノイズを低減し、これにより、欠陥に対する感度を高めることが可能になる。欠陥は、1つ又は複数のしきい値を超える差分イメージ内のピクセルを検出することにより識別される。スキャン・ベースのイメージ収集プロセスは、RTAと呼ばれることが多いフィードバック機構を含む。この機構は、取り込まれたイメージを現在のイメージよりも少し前に同じウェハから取り込まれた(複数の)イメージに正確にアラインさせる。検査システムの構成に応じて、フィードバック機構は、光学機械的アプローチ、電気機械的アプローチ、電子/アルゴリズム的アプローチの組合せを含む。
一実施形態では、本明細書で説明されている方法は、格納されているイメージを試験対象のウェハについて取り込まれたイメージではなく参照として使用するRTAを含む。格納されているイメージは、「標準参照ウェハ」又は参照ウェハのイメージあってよい。試験対象のウェハ上のそれぞれのダイを標準参照ウェハ上の対応するダイと比較することができる。本明細書では実施形態は2つのウェハ又はウェハのイメージの比較結果を含むものとして説明されているが、それらの実施形態は、2つ又はそれ以上のウェハの検査により取り込まれたデータを比較することを含むことは理解されるであろう。
図4は、ウェハ−ウェハ間比較を実行するためのコンピュータ実施方法のさまざまな実施形態を例示している。図4に示されているステップは、方法の実施に本質的ではないことに留意されたい。1つ又は複数のステップを図4に例示されている方法から省いたり、又は追加したりすることができ、又はこの方法は、そのまま、この実施形態の範囲内で実施される。
ステップ220に示されているように、この方法は、ウェハ−ウェハ間比較を含む。一実施形態では、ウェハ−ウェハ間比較は、ステップ222に示されているように、参照ウェハ・イメージと試験ウェハ・イメージとを比較することを含む。例えば、本明細書で説明されている方法において使用される参照ウェハ・イメージは、参照ウェハ全体の格納されているイメージとすることができる。参照ウェハ・イメージと試験ウェハ・イメージとの比較は、本明細書で説明されている通りに実行される。それとは別に、ステップ224に示されているように、ウェハ−ウェハ間比較は、標準参照ダイ・イメージをウェハ(例えば、参照又は試験ウェハ)上のすべてのダイのイメージと比較することを含む。
一実施形態では、この方法は、検査データ、標準参照ダイ、標準参照ダイ・ベースの検査に対する摂動行列における標準参照ダイに関連するウェハ・ノイズの表現を使用してウェハ上の欠陥を検出することを含む。このように、この方法は、摂動行列の形で標準参照ダイに関連するウェハ・ノイズの比較的コンパクトな表現を使用することを含む。例えば、参照ウェハ上の参照ダイのイメージは、参照ウェハ上でダイ毎にダイ・ピクセルがどのように変化するかを示す摂動行列又は他の好適なデータ構造体に加えて格納される。参照ウェハ・イメージ全体の代わりに摂動行列に加えて参照ダイのイメージを格納することにより、参照ウェハのよりコンパクトな表現を格納することができる。このように、摂動行列を参照ウェハの表現に含めて、参照ウェハ・イメージ・サイズを実用的で手頃な範囲において実装されるレベルまで縮小することができる。この方法は、ノイズ・シグネチャの摂動行列圧縮を使用することを含む標準参照ダイ・ベースの検査を含む。
参照ウェハ・イメージと対応する摂動行列を生成するには、参照ウェハから得られる標準参照ダイを使用して標準参照ダイ・ベースの検査が必要になる(つまり、ある種の自己参照)。参照ウェハ上の単一の標準参照ダイ・イメージは、実行時にRTA参照として使用され、これにより、RTA性能が感度、さらには、参照ウェハ上のそれぞれのダイについて格納されている圧縮された差分データにより摂動される基準イメージに及ぼすと思われる影響を低減することができる。格納される差分データのサイズは、圧縮アルゴリズムを通じて、それだけでなく、ダイ・スワス当たりの全対象領域サイズに制限を課すことにより低減される。実行時に、ロードされた対応する標準参照ダイ・スワス毎にスワスにより参照ウェハ全体について差分イメージ・データの摂動行列がロードされる。ウェハ全体に対する摂動行列のデータ量は、約1Gbから約3Gb程度でよく、標準参照ダイに対するデータ量は、1Gb程度としてよい。標準参照ダイの比較を含む本明細書で説明されている他のすべての方法では、上述のように摂動行列を使用することができる。
摂動行列は、1つの行内にm個のダイがある場合にP1(x,y),Dx(1,2),Dy(1,2),Diff1,2(x,y);P2(x,y),Dx(2,3),Dy(2,3),Diff2,3(x,y);...Pm-1(x,y),Dx(m−1,m),Dy(m−1,m),Diffm-1,m(x,y)であるが、ただし、Pi(x,y)は、位置(x,y)のi番目のダイにおけるピクセル値であり、Dx(i,i+1)とDy(i,i+1)は、ダイ(i+1)に関するダイ(i)のそれぞれx及びyにおけるオフセットであり、Diffi,i+1(x,y)は、ダイ(i)のフレームにアラインさせるためにダイ(i+1)がx及びyオフセットだけシフトされた後の位置x,yにおけるダイ(i)に関するダイ(i+1)の差分グレー・レベルである。しかし、補間誤差限界内で、P2(x,y)は、P1(x,y)、Dx(1,2)、Dy(1,2)、Diff1,2(x,y)から再構成される。それに加えて、Pi(x,y)は、これらのステップをそれぞれのダイに次々に適用することにより他のダイについて再構成される。もちろん、このことで、補間誤差が大きくなる可能性があり、またダイからダイへ進むにつれイメージがぼける可能性もある。
しかし、標準参照ダイが、格納され、すべての補間が、このダイに関して実行される場合、上述の推移的誤差累積は生じない。むしろ、誤差は、オフセットと差分イメージが与えられた場合に、単純に、標準参照ダイからウェハ上のダイを再構成することに関連する補間誤差である。したがって、ステップ226に示されているように、この方法は、標準参照ダイに関してそれぞれのダイの差分イメージを保存することを含む。
図5は、比較の参照としてそのような差分イメージを使用してウェハ−ウェハ間比較を実行する方法の一実施形態を例示している。例えば、参照ウェハ250は、多数のダイ[(0,0),(0,1)...(4,2)]を含むが、そのうちの1つ(例えば、ダイ(2,2))は、標準参照ダイとして指定される。試験ウェハとの比較のため使用される参照ウェハ252は、標準参照ダイ・イメージ254に関してダイのそれぞれについて差分イメージ[Diff(0,0),Diff(0,1)...Diff(4,2)]を格納することにより生成される。次いで、試験ウェハ256を参照ウェハ252と比較する。
例えば、図5に示されているように、欠陥検出は、標準参照ダイ・イメージ254と対応する差分イメージ(Diff(1,3))を加算し、次いで、試験ダイ(1,3)を減算して、試験ダイ(1,3)と参照ダイ(1,3)との差分258を生成することにより、試験ダイ(1,3)について実行される。
したがって、ダイ(試験対象の)と標準参照ダイとの差分イメージは、コンパクトに表現される。高度のコンパクト化を行うために、不可逆圧縮アルゴリズムを使用することができる。このような圧縮方式で失われる可能性のある情報は、その方式自体に依存する。
例えば、図4のステップ228に示されているように、この方法は、差分イメージの非クリティカル領域に対し不可逆圧縮を実行し、差分イメージのクリティカル領域に対し可逆圧縮を実行することを含む。このように、あまりクリティカルでないデバイス領域については、クリティカルな領域に比べて高い情報喪失を被ることを許すような「インテリジェント」な圧縮方式を使用することができる。参照ウェハ・イメージについても、同様の圧縮方式を使用することができる。例えば、ステップ230に示されているように、この方法は、ウェハ・イメージの非クリティカル領域に対しては不可逆圧縮を実行し、ウェハ・イメージのクリティカル領域に対しては可逆圧縮を実行することを含む。
それとは別に、この方法は、ステップ232に示されているように、標準参照ダイに関してピクセル毎の差分統計量を保存することを含む。例えば、ステップ234に示されているように、この方法は、コンテキスト・タイプ毎にダイ毎の統計量を格納することを含む。それぞれのダイは、1つ又は複数のコンテキスト・タイプに分けられ、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。このような一例では、この方法は、ダイの異なるグループに関して標準参照ダイにおけるそれぞれの(x,y)位置の差分に関して統計量を記録することを含む。ステップ236に示されているように、コンテキストは、ダイ領域であってよい。それとは別に、ステップ238に示されているように、コンテキストは、バックグラウンド・タイプであってよい。ピクセル毎の差分統計量を適当な方法で決定することができる。
他の例では、ウェハは、N個の放射状セクタ及び/又はM個のアニュラ・リングに分割される。例えば、図6に示されているように、ウェハ260は、アニュラ・リング1、2、3に分割される。ウェハ260は、3つのアニュラ・リングに分割されているように示されているが、ウェハは任意の適当な数のアニュラ・リングに分割できることは理解されるであろう。それに加えて、又はそれとは別に、図7に示されているように、ウェハ260は、ウェハ・セクタA、E、C、D、E、F、G、Hに分割される。ウェハ260は、8つのセクタに分割されているように示されているが、ウェハは任意の適当な数のセクタに分割されることは理解されるであろう。この方法は、図4のステップ240に示されているように、ピクセル毎ウェハ・セクタ及び/又はアニュラ・リング毎の統計量を保存することを含む。そのような一例では、(N+M)個のパーティションのそれぞれについて、(x,y)位置の標準参照ダイ・イメージに関する差分の平均と標準偏差を記録することができる。8ビットの平均及び8ビットの標準偏差を使用するには、ウェハ上のダイ毎に差分の1バイトを格納することに対して、それぞれの(x,y)位置で2*(N+M)バイトを格納する必要がある。このように、ウェハ上に100個のダイがある場合、8個のセクタと8個のアニュラ・リングを使用するには、(x,y)位置毎に100バイトに対し(x,y)位置毎に32バイトを必要とする。他の例では、この方法は、ステップ242に示されているように、コンテキスト・タイプ毎に上述のようにウェハ・セクタ及び/又はアニュラ・リング毎に統計量を格納することを含む。コンテキスト・タイプは、ステップ244に示されているように、ダイ領域に基づいていてよい。それとは別に、コンテキスト・タイプは、ステップ246に示されているように、バックグラウンド・タイプに基づいていてよい。コンテキスト・タイプ毎の統計量、及びコンテキスト・タイプは、本明細書で説明されているように決定される。
図8は、アニュラ・リング・ベース毎に標準参照ダイ上のそれぞれの(x,y)位置について統計量が格納される場合にそのような方式をどのように実行できるかを示している。特に、図8は、参照としてアニュラ・リングによる差分統計量を使用してウェハ−ウェハ間比較を実行する方法の一実施形態を例示している。例えば、図8に示されているように、参照ウェハ262は、多数のダイ[(0,0),(0,1)...(4,2)]を含むが、そのうちの1つ(例えば、ダイ(2,2))は、標準参照ダイとして指定される。
試験ウェハとの比較に使用される参照ウェハ264は、ピクセル(x,y)における平均差分とアニュラ・リング毎の標準参照ダイ・イメージ266に関するピクセル(x,y)における差分の標準偏差を決定することにより生成される。試験ウェハ268(試験ウェハ上にオーバーレイされたアニュラ・リングとともに図8に示されている)を参照ウェハ264と比較することができる。例えば、試験ダイ(1,3)は、標準参照ダイ・イメージ266から減算され、これにより、試験ダイ(1,3)と標準参照ダイ・イメージ266との差分270を生成する。さらに図8に示されているように、試験ダイ(1,3)は、アニュラ・リング1とアニュラ・リング2との間に配置される。したがって、ステップ272において、差分イメージ270をアニュラ・リング・ベース毎に試験ダイのそれぞれの(x,y)位置において統計量274(例えば、平均差分±k*差分の標準偏差)と比較する。言い換えると、アニュラ・リング1内に配置されている試験ダイの部分に対する差分270は、アニュラ・リング1の統計量と比較され、アニュラ・リング2内に配置されている試験ダイの部分に対する差分270は、アニュラ・リング2の統計量と比較される。
標準参照ダイの格納のコンパクト化は、標準参照ダイ・データを統計量に基づいて格納することにより行える(例えば、ダイを複数のフレームに分割し、フレームを異なるジオメトリ(ビン範囲に従って分けられたコンテキスト)に分け、フレーム/コンテキスト毎に、ダイ−ダイ差分の平均/標準偏差を保存する)。例えば、図4のステップ248に示されているように、この方法は、標準参照ダイに関してダイ毎の、フレーム毎の、コンテキスト毎の差分統計量を保存することを含む。例えば、図9に示されているように、ダイ[(0,0),(0,1),...(M,N)]276の配列がウェハ278上に形成される。それに加えて、図10に示されているように、ダイ276を複数のフレーム280に分割する。ダイは、複数のフレーム280に分割され、それぞれのフレームのピクセルは、コンテキストに基づいて分割される(図10には示されていない)。それぞれのダイにおけるそれぞれのフレームのそれぞれの異なるコンテキストに対する差分統計量は、本明細書で説明されているように決定される。
図11は、コンテキストでソートされた差分フレーム統計量を使用してウェハ−ウェハ間比較を実行する方法の一実施形態を例示している。図11に示されているように、参照ウェハ282は、多数のダイ[(0,0),(0,1)...(4,2)]を含むが、そのうちの1つ(例えば、ダイ(2,2))は、標準参照ダイとして指定される。試験ウェハ286と比較するために使用される参照284は、複数のフレーム280に分割されたダイ276と標準参照ダイ・イメージ288を含む。フレーム280は、上述のように構成される。参照284は、それぞれのフレーム及びそれぞれのダイに対するそれぞれのフレーム内のそれぞれのコンテキストに対する差分の平均と標準偏差などの統計量290を決定することにより生成される。試験ウェハ286上の欠陥を検出するために、試験ウェハを参照284と比較する。例えば、試験ダイ(1,3)における欠陥を検出するために、試験ダイ(1,3)を標準参照ダイ・イメージ288から減算して、試験ダイと標準参照ダイ・イメージとの差分292を生成する。ステップ294では、差分292を、フレーム毎に、またコンテキスト・ベース毎に参照ウェハ282のダイ(1,3)に対する統計量290(例えば、それぞれのフレーム及びコンテキストに対する差分の平均と標準偏差)と比較する。
「標準参照ダイ」に欠陥がないということが知られていない場合、「研磨」方式を使用してアービトレーション(まったく欠陥がない参照ダイと1回比較することで欠陥検出を実行できる)を1回だけ実行できる。それに加えて、「研磨」は、「固有の」又は予想されるプロセス変動によりウェハ上で予想されるイメージ変動を標準参照ウェハが反映するように実行される。したがって、「欠陥のない」参照ウェハを生成するために、参照ウェハ上のすべてのダイについて標準参照ダイ「研磨」を実行することができる。
以下の表1は、最大ダイ・サイズが40mm×40mm、最小検査ピクセル・サイズが90nm、ウェハ上の最大サイズ・ダイの数が44、最大サイズ・ダイの中のピクセルの数が1.975E÷11、フレーム・サイズが512×512ピクセル、最大サイズ・ダイ1つ当たりのフレーム数が7.535E+05、平均差分及び差分の標準偏差を格納するバイト数が2、最大サイズ・ダイのスワス1つ当たりのピクセル数が0.91Gpixel、最大サイズ・ダイ1つ当たりのスワス数が217、スワスの高さが2048ピクセルであると仮定して、上述のさまざまなウェハ−ウェハ間比較に対する参照データの近似的サイズを示している。標準参照ダイは、高さ2Kのセンサであることを仮定して、スワス1つ当たり197Gpixel又は0.91Gpixelを含む。それに加えて、参照ウェハ上のそれぞれのダイに対する差分イメージ又はその何らかの圧縮形式のイメージが格納されなければならない。
表1は、差分イメージを格納するためのデータ・サイズが、ダイ毎のフレームとコンテキスト・ベースの統計量とを格納するためのデータ・サイズよりもかなり大きいことを明確に示している。しかし、最大の差分を有する差分ピクセルの一部(例えば、0.1%)とクリティカル領域内のピクセルを保存することで、差分イメージに必要なデータ・サイズは8727.8Gbyteから8.7Gbyteに減る。
蛇行スキャン経路を使用して試験ウェハ上のダイを何回かスキャンし、検査データの多数のスワスを生成することができる。このような蛇行スキャンの一実施形態は、図12に示されている。図12に示されているように、試験ウェハ296は、ダイの配列[(0,0),(0,1)...(4,2)]を含む。試験ウェハ296は、蛇行スキャン298と蛇行スキャン300によりスキャンされる。2つの蛇行スキャンが図12に示されているが、試験ウェハは、任意の好適な回数を用いてスキャンされることは理解されるであろう。ダイ1つ当たり217個のスワスがあると仮定し、すべてのダイ行で同じ蛇行スキャンを実行することで、スワス1、次いでスワス2というように、すべてのダイについて標準参照ダイ・スワスと圧縮された差分とをロードすることができる。この場合、試験ウェハ・スキャンの参照データを格納するのに必要なメモリのサイズは、スワス1つ当たり(197+8.7)/217=0.95Gpixelである。
標準参照ダイ−ダイ検査の実装で考えなければならないのは、ディスク入力/出力(I/O)速度、及び速度がスループットに影響を及ぼす場合である。「標準参照ダイ」のそれぞれのスワスを1回ロードすることにより、ディスクI/Oトラヒックを減らすことができる。ウェハをスキャンしてから次のスキャンまでの間のダイ・レベルのステップ動作によるウェハ全体にわたる蛇行スキャンとともに、このようなロードを使用できる(隣接ウェハ・スキャンの蛇行パターンに対して)。
もちろん、本明細書で説明されている検査モードすべてについて、ディスク上に格納されている他方のイメージに対しディスク上に格納されている一方のイメージを使用して、又はリアルタイムでウェハから取り込んだばかりのメモリ内のイメージを使用して、検査を実行することができる。上述のデータはすべて、本明細書でさらに説明されるように格納又は保存され、本明細書で説明されている格納又は保存のステップはすべて、本明細書で説明されている任意の方法で実行される。
上述のように、設計データ空間において検査データの位置を決定することは、ウェハの検査の後に実行される。このような一実施形態では、設計データ空間における検査データの位置を決定することは、ウェハ上で検出された欠陥に対応する検査データの部分について実行され、ウェハ上で検出された欠陥に対応していない検査データの部分については実行されない。この方法で、ピクセル又はウェハ空間から設計データ空間へのマッピング変換は、欠陥が見つかった配置にのみ適用される。言い換えると、この方法は、ウェハ上で検出された欠陥から設計データ空間への後処理マッピングを含むということである。それに加えて、それぞれのダイにおけるアライメント部位は、検査時に識別されるが、このアライン(例えば、アライン誤差測定)は、欠陥検出が後処理フェーズで完了した後に実行される。次いで、このマッピングを適用して、設計データ空間における欠陥の位置を見つける。
設計データ空間における検査データの位置を決定することを、いつ実行するか、又はどのように実行するかに関係なく、ウェハ上に1つ又は複数の欠陥が存在する場合に、検査データは、ウェハ上の1つ又は複数の欠陥に対するデータを含む。したがって、設計データ空間における1つ又は複数の欠陥の位置は、設計データ空間における検査データの位置から決定される。それに加えて、設計データ空間における1つ又は複数の欠陥の位置は、設計データ空間における検査データの位置と同じ、実質的に高い(例えば、サブピクセル)精度で有利に決定される。
本明細書でさらに説明されているように、いくつかの実施形態では、ウェハをスキャンすることによりスワスにおける検査データを取り込むことができる。このような一実施形態では、それぞれのスワスにおけるアライメント部位に対するデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることにより検査データのそれぞれのスワスを個別に設計データ空間にアラインさせることができるが、これは、上述のように実行される。
異なる実施形態では、検査データの位置を決定することは、設計データ空間におけるアライメント部位の位置に基づいて設計データ空間内の検査データのスワスの位置を決定することと、設計データ空間におけるスワスの位置に基づいて設計データ空間における検査データの追加のスワスの位置を決定することとを含む。この方法で、上述のように検査データの1つのスワスを設計データ空間にアラインさせることができ(例えば、検査データのスワスにおけるウェハ上のアライメント部位に対するデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることにより)、検査データの追加のスワスを検査データのこのスワスにアラインさせることができる。
例えば、図13に示されているように、スワス(例えば、スワス#N+1)を、スワス間イメージ・アライメントを使用して前のスワス(例えば、スワス#N)にアラインさせることができる。特に、図13に示されているように、スワス#N+1と#Nは、ウェハ空間内の領域41において部分的に互いに重なり合う。したがって、スワスは両方とも、領域41内に形成されたフィーチャに対する検査データを含むことになる。その際、これらのフィーチャに対する検査データは、一方のスワスを他方のスワスにアラインさせるために使用される。そのような一例において、図14は、2つの連続するスキャンに対する検査データが重なるウェハ空間においてスワス間オーバーラップ領域41内に形成されたフィーチャ41aと41bを例示している。フィーチャ41a、41bは、スワス−スワス間レジストレーションを実行するために使用される。フィーチャ41a、41bは、さらに、他のアライメント・フィーチャに関して本明細書で説明されているように構成される。
このように、ダイ行に対する第1のスワスが、そのダイ行内のアライメント部位(又は複数の部位)に対するデータを設計データベース又は本明細書で説明されている他の所定のアライメント部位データからレンダリングされたイメージにアラインさせることにより設計データ空間にアラインさせられている場合、そのダイ行の後のスワスは、本明細書で説明されている技術を使用してアラインされる。特に、設計データ空間に関するスワス#Nの位置とスワス内のアライメント・フィーチャの位置とを使用することで、設計データ空間に関するスワス#N+1の位置を決定することができる。例えば、スワス#N+1の位置を決定することは、スワス#Nの取り込みスキャン実行時に取り込まれたアライメント・フィーチャ・イメージを格納し、次いで、アライメント・フィーチャ・イメージをスワス#N+1の取り込み時に取り込まれた同じフィーチャのイメージにアラインさせることにより、実行される。2つのアライメント・フィーチャ・イメージの間のミスアライメント・オフセットを決定することにより、設計データ空間に関するスワス#N+1の絶対位置が決定される。
検査レシピーのセットアップ時に、連続するスワス間の比較的大きなオーバーラップ(例えば、50%のオーバーラップ)でウェハをスキャンし、スワス間オーバーラップ領域内の好適なアライメント部位を決定することができる。これらの部位位置を使用することで、対応する前のスワスに関するそれぞれのスワスの位置を決定することができる。所定のアライメント部位をウェハ上のアライメント部位にアラインさせる上述の方法を用いて設計データ空間に関する第1のスワスの位置を使用し、また第1のスワスと第2のスワスの間のオーバーラップ領域内のアライメント部位を使用して第1の決定された部位に関して第2のスワスのシフトを使用することで、設計データ空間に関する第2のスワスの絶対位置を決定することができる。それぞれの後続のスワスに対しこの手順を繰り返すことにより、ダイ全体のピクセルを設計データ空間にマッピングすることができる。
こうして、好適なアライメント部位は(上述の方法を使用して)、それぞれの検査スワス(つまり、スワス間のオーバーラップがダイを完全にスキャンできるように最小のオーバーラップである検査時に使用されるスワス)内に少なくとも1つのそのような部位があるように選択される。設計データ空間におけるこれらのアライメント部位の位置は、それぞれのアライメント部位のパッチ・イメージとともに検査レシピーに保存される。検査時に、それぞれのスワスについて、対応するアライメント部位が、レシピーから取り出され、その位置が、検査システムにより取り込まれたピクセル・ストリームにおいて決定される。アライメント部位がピクセル・ストリーム内に配置された後、相互相関又は他のイメージ・マッチング技術を使用して、検査スワス内のピクセルの位置を設計データ座標空間においてサブピクセル精度で決定する。この方法の一利点は、ダイ全体に対するピクセルを設計データ座標空間にマッピングするために使用されるスワス「縫合」を実行し、それぞれの検査スワス内に出現するこの空間内の好適なアライメント部位を見つけるためにセットアップ・スワス(レシピー・セットアップにのみ使用される)を比較的大きなオーバーラップで取り込む一方で、比較的小さなオーバーラップで検査スワスを取り込める(したがって、速度が向上する)ことである。スワスを縫合する技術は、例えば、領域センサを使用してフィールド毎に取り込むために、異なるスキャン・パターンに適用されることに留意されたい。フィールドは、上述の方法と似た方法でともに縫合される。
設計データ空間に関してそれぞれのスワスをアラインさせることに対し上述の実施形態が勝る他の利点は、アライメント部位に対するデータが設計データからレンダリングされることであるが、この方式だと、アライメント部位が少なくて済むことにある。それに加えて、特にウェハに複数の層が形成されている場合に、ウェハ上に所与のフィーチャがどのように印刷されるかを予測するために使用されるモデルが複雑になるため、設計データから忠実にアライメント部位に対するデータをレンダリングすることは、難題をもたらす可能性がある。しかし、上記のように、所定のアライメント部位に対するデータを、検査されている層に基づいて選択されるさまざまな異なる方法で取り込むことができ、これにより、検査されている層に関係なく、所定のアライメント部位に対する好適なデータを供給することができる。
上述のように、検査データを設計データにアラインさせるために、カバレッジ・モードで「短いスワス」を使用するスワス縫合を使用することができる。しかし、いくつかの実施形態では、図14aに示されているように、アライメント部位302は、第1の検査スワス304aに対応するウェハ上の領域から相隔てられる(例えば、遠く離れている)ウェハ上に配置される。このような状況は、好適なアライメント部位のみが第1の検査スワスについてスキャンされたウェハの領域から隔てられている場合に発生する。第1の検査スワスの配置は、検査対象領域定義から決定される(例えば、自動的に定義されるか、又はユーザーにより定義された検査対象領域)。このような状況では、本明細書で説明されている方法又はシステムは、図14aに示されているように、ウェハ上で一連の「ミニスキャン」306をそれぞれダイ1つ分の幅だけ実行することができる。ミニスキャンにより取り込まれたスワスは、上述のスワス間アライメント方法を使用し第1の検査スワス304aとともにアライメント部位を含むスワスを「縫合」するために使用される。次いで、後続の検査スワス304b、304cは、さらに上で説明されているように第1の検査スワス304aにアラインされる。
本明細書で説明されている方法及びシステムは、多数の異なる方法でウェハに対する検査スワスを取り込むことができる。例えば、図14bに示されているように、システムは、100%検査モードでウェハに対する検査スワス308を取り込むことができる。特に、システムは、ウェハを前後にスキャンして、ダイ領域の100%を検査するために使用されるオーバーラップするスワスを取り込む。他の例では、図14cに示されているように、システムは、標準カバレッジ・モードでウェハに対する検査スワス310を取り込むことができる。このカバレッジ・モードでは、スワスが取り込まれたウェハ上の領域は、ダイ領域の約25%から約50%としてよい。図14cに示されているスワスは、検査に交互に並ぶスワスが使用される50%カバレッジ・モードに対応する。異なる例では、図14dに示されているように、システムは、「スマート・スキャニング」モードでウェハに対する検査スワス312を取り込むことができる。このモードでは、ダイ領域の約50%をスキャンし、設計又は設計とプロセスとの間の予想される相互作用に関する情報に基づいてスキャンされる領域を選択することができる。それに加えて、本明細書で説明されているシステムは、上述のさまざまなスキャン方法のどれかを実行するように構成される(例えば、異なるウェハには異なるスキャン方法を使用する)。さらに、本明細書で説明されている方法(又は設計分析ツール)は、検査システムに関する知識(例えば、スキャン能力)を使用してウェハに対する最適な「カバレッジ」方式を決定することを含む。
他の実施形態では、この方法は、検査データを設計データにアラインさせ、次いで、このアラインするステップにより決定されるダイ相対設計データ空間座標を使用して追加の検査データの座標を設計データ空間座標に変換することを含む。この変換は、ユーザー入力に基づいて、又は適切な設計ファイル及び/又はプロセス・レシピー(ステッパー・レシピー)から関連する情報を抽出することにより、実行される。ユーザーからの情報なしで変換を決定する代替アプローチは、アライメント部位を手動で選択するか、又はアルゴリズム・オーバーレイ最適化アプローチを使用することにより、検査データを設計データにアラインさせる(例えば、オーバーレイする)ことを含む。これは、ダイ・アライメント技術であることに留意されたい。ウェハ・アライメント技術は、ダイ相対座標が使用される場合には実行されなくてもよい(つまり、アライメント部位がそれぞれのダイについてどこにあるかを検査システムがすでに正確に知っている場合)。
本明細書で説明されている方法は、ウェハの検査を実行することにより検査データを取り込むことを含む場合もあれば、含まない場合もある。言い換えると、本明細書で説明されている方法を、光学又は電子ビーム検査サブシステムを備えていないシステム(本明細書でさらに説明されるシステムなど)により実行できるということである。その代わりに、システムは、検査システムから検査データを受け取るように構成された「スタンドアロン型」システムとして構成される。こうして、スタンドアロン型システムは、検査システムから検査データを取り込むことができる。スタンドアロン型システムは、当業界で知られているどのような方法でも検査データを取り込むことができる(例えば、「有線」及び/又は「無線」部分を備えることができる伝送媒体を介して)。それとは別に、この方法は、検査システムを備えるシステムにより実行される。この方法では、検査システムは、システムの一部をなし、検査データは、ウェハの検査を実行することによりシステムによって取り込まれる。それに加えて、検査データがどのような方法で取り込まれようと、本明細書で説明されている方法は、当業界で知られているフォーマットの当業界で知られているタイプの検査データを使用して実行される。検査データは、ウェハ上で検出された1つ又は複数の欠陥に対するデータを含む。他の例では、一実施形態において、検査データはPWQについて取り込まれるが、これは、本明細書でさらに説明される。
本明細書で説明されている方法は、比較的高い精度で検査空間を設計データ空間座標に相関させるためにうまく使用され、このような相関は、本明細書でさらに説明されるように多数のステップにおいて使用される。例えば、設計データ空間における検査データの位置は、検査データがウェハ上の検査対象領域又は検査対象外領域に対応しているかどうかを判定するために有利に使用され、検査プロセスは、検査データ又は検査データの異なる部分に対応する領域のタイプに基づいて実行される。例えば、本明細書で説明されている方法及びシステムは、検査対象領域がダイ上のすべての点について設計又はCADデータベース内の所定のフィーチャに対し実質的に正確にアラインされるように検査対象領域に関して生イメージ・データをシフトすることにより、CMPパターン・フィル領域などの非クリティカル領域を無視できる間、ビア配置などのダイ上のクリティカル配置においてのみ検査を実行できるように実質的に正確な検査対象領域を生成することができる。これらのクリティカル配置、又は「検査する場所」領域は、レシピー・セットアップ時に入力され、設計スキャン及び/又はPWQ分析、電気的試験、FA、又はこれらの何らかの組合せなどのCAD DRC、DFM分析の結果を使用して実行される「ホット・スポット」分析により決定される。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されている方法は、レイアウト分析ソフトウェア・ツールから生成された標準EDAレイアウト・フォーマット(例えば、GDSII、OASISなど)で格納されている検査対象領域などの設計データやその設計データに関する情報を検査システムにおいて使用できるフォーマットに変換することを含む。このように、この方法は、設計ツールから検査対象領域情報を検査システムに移送することを含む。例えば、トランスレータ・モジュール(図に示されていない)は、GDS又はOASISなどの標準設計フォーマットから検査対象領域を生成するように構成される。したがって、このような設計フォーマットが入っているファイルは、設計を含まないが、EDAツールにより実行された設計分析から結果として得られるポリゴンを含む。したがって、トランスレータ・モジュールを使用することで、2つの空間(つまり、設計と検査)の間の変換を効率よく行うことができる。
他の実施形態では、この方法は、明細書で説明されているように実行される、設計データ空間における検査データの位置に基づいて設計データ空間におけるウェハ上で検出された欠陥の位置を決定することと、設計データの1つ又は複数の属性に対する所定の値が、設計データ空間における位置の関数として格納されているデータ構造体を使用して欠陥の位置に対応する設計データの1つ又は複数の属性に対する値を決定することとを含む。このように、欠陥の位置に対応する設計データの1つ又は複数の属性に対する値は、永続的なすでに抽出されている設計レイアウト属性データから決定される。言い換えると、欠陥位置に対応する(複数の)設計データ属性に対する値は、設計のジオメトリに基づいてすでに計算されている属性から、例えば、ジオメトリ内のポリゴンから1つ又は複数の属性に対する値を決定することにより(例えば、ポリゴンに対する幾何学的演算の関数として)、決定される。このように、設計をポリゴン・レベルで処理することができ、また決定されるポリゴン・レベルの属性の値をデータ構造体に格納することができる。その際、データ構造体は、データ構造体に格納されている設計データの1つ又は複数の属性の値に対するデータの「上位集合」を含む。EDAレイアウト分析ツール又は他の方法又は当業界で知られているシステムを使用して、設計データ空間における位置の関数として設計データの1つ又は複数の属性に対する所定の値を生成することができる。このように、設計は、設計データ空間全体にわたる位置の関数として設計データの1つ又は複数の属性の値を決定するように前処理され、1つ又は複数の属性に対する値は、設計データ空間における欠陥位置を使用して「オンザフライ」でデータ構造体の中の1つ又は複数の属性の値を検索することにより欠陥毎に決定される。所定の値が設計データ空間位置の関数として格納されるデータ構造体は、当業界で知られている好適なデータ構造体を含む。同様にして、設計データ構造体は、設計データ空間における位置の関数として設計の設計レイアウトの1つ又は複数の属性、設計のフロア・プランの1つ又は複数の属性、設計におけるセルの1つ又は複数の属性、設計に関する他の情報、又はそれらの何らかの組合せに対する所定の値を含む。
一実施形態では、この方法は、図1のステップ18に示されているように、ウェハの異なる位置で欠陥を検出する感度を決定することを含む。そのような一実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することを含む。このような一実施形態では、この方法は、設計ツールから検査対象領域情報を検査システムに移送することにより設計ベースの検査を実行することを含む。例えば、検査対象領域情報を使用して、ウェハ上の異なる部分、及び異なる部分における欠陥を検出するために使用される感度を識別する。その際、設計データの1つ又は複数の属性は、検査対象領域情報を含む。しかし、設計データの1つ又は複数の属性は、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含むこともできる。
データ準備フェーズは、設計データの1つ又は複数の属性に対するデータを生成するか、又は取り込むことを含む。ウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定するために使用される設計データの1つ又は複数の属性は、設計データに関連するプロセス又は歩留まり情報を含む。例えば、一実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、ウェハの検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はそれらの何らかの組合せに対する設計データ、異なる設計データ、又はそれらの何らかの組合せに対するウェハ、他のウェハ、又はそれらの何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性に基づいて選択される。このように、ウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定するために使用される設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性は、同じ又は異なるプロセス層で同じ又は異なる設計における同じウェハ又は異なるウェハからすでに集められている検査データの属性との相関に基づいて選択される。すでに集められている検査データは、ファブ・データベース又は他の好適なデータベース、ファイルなどのデータ構造体に格納されるか、又は本明細書で説明されているように構成される、知識ベースに格納される。このように、設計データの1つ又は複数の属性は、累積学習、履歴データ、又はデータの訓練集合に基づいてこの実施形態において選択される。
他の実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、異なる部分においてすでに検出されている欠陥の歩留まりクリティカル度、それらの部分においてすでに検出されている欠陥の故障確率、又はそれらの何らかの組合せに基づいて選択される。このように、欠陥を検出する感度は、異なる部分において検出された欠陥の歩留まりクリティカル度及び/又は故障確率に基づいて選択された設計データの1つ又は複数の属性に少なくとも一部は基づく。プロセス又は歩留まりクリティカル度情報は、例えば、PWQにより決定されるクリティカル欠陥、ホット・スポットに基づく注目する欠陥(DOI)の配置(例えば、検査から決定される)、論理ビットマップから決定されるホット・スポット情報、ホット・スポットで検出された欠陥に対する試験結果から決定されるKP値、本明細書で説明されている他のプロセス又は歩留まり情報、又はそれらの何らかの組合せを含む。KP値は、さらに本明細書で説明されているように決定される。それに加えて、故障確率は、欠陥に対するKP値を決定するために本明細書で説明されている方法と似た方法で決定される。歩留まりクリティカル度は、欠陥に対する歩留まり関連性を決定するために本明細書でさらに説明されている方法と似た方法で決定される。
設計データの1つ又は複数の属性に対するデータは、1つ又は複数の属性の異なる値を有するデバイス設計における幾何学的領域を定める「コンテキスト」データとも称される(例えば、接触領域又はダミー・フィル領域、「検査する場所」情報又は「検査対象領域」、プロセス障害が発生する可能性がある「クリティカル」領域、又はそれらの何らかの組合せなどの領域内の(複数の)タイプのフィーチャ)。コンテキスト・データという用語は、本明細書では「コンテキスト情報」や「コンテキスト・マップ」という用語と入れ替えて使用される。コンテキスト情報は、シミュレーション、モデル化、及び/又はLKA−Tencorから市販されている分析ソフトウェア製品、DRCソフトウェアなどの他のソフトウェア、又はそれらの何らかの組合せを含むさまざまな情報源から取り込まれる。さらに、追加のコンテキスト・データは、設計データの(複数の)属性に対するデータにより決定され、それらのデータと組み合わせられる。設計データ及び/又はコンテキスト・データを含むデータベース又はファイルなどのデータ構造体は、当業界で知られている好適なフォーマットを使用できる。
上述のように感度を決定することは、設計データの1つ又は複数の属性の異なる値を有する設計データに対応するウェハの異なる部分で検出される欠陥が、異なる感度で検出されるように実行される。このように、この方法は、さらに、設計データの空間位置の関数として1つ又は複数の設計データ属性の値に基づいて異なる部分を決定し、識別し、及び/又は選択することを含むこともできる。異なる部分の寸法が異なること、また設計データの(複数の)属性の値が利用可能であるか、又は取り込まれる分解能に応じて変化することは、それらの異なる部分の全部について、又は一部について生じるか、又はまったく生じない。例えば、コンテキスト・マップが本明細書でさらに説明されているように異なる部分に対する感度を決定するために使用される場合、異なる部分の寸法は、コンテキスト・マップの分解能に応じて変化する。
そのような一実施形態では、感度は、設計データ空間における検査データの位置、及び本明細書でさらに説明されているように設計データ空間にわたる設計データの1つ又は複数の属性に対する値を含むコンテキスト・マップに基づいて決定される。例えば、この方法は、コンテキスト・マップを使用して、クリティカル領域に対するウェハ上のダイの比較的高い感度領域及びコンテキストのクリティカル度に基づく可変感度領域を定めることを含む。一例では、設計データのセグメントは、密アレイと論理、開放領域、粒状金属を絶縁するように定められる。イメージ・グレー・レベルとコンテキストの組合せも、設計データにおける1つ又は複数のセグメントを定めるために使用される。例えば、中間グレー・レベルを有するピクセルは、1つのセグメントにまとめられる。イメージ・グレー・レベルは、シミュレートされたイメージ又は検査システム又は他のイメージ収集システムにより取り込まれたイメージを使用して決定される。
いくつかの実施形態では、設計データ空間における検査データの位置とコンテキスト・マップとに基づいてウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することは、ウェハの検査時に検査システムにより実行される。例えば、コンテキスト・マップは、ウェハを検査するときに本明細書で説明されているように検査システムにより使用される。他の実施形態では、設計データ空間における検査データの位置とコンテキスト・マップとに基づいてウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することは、ウェハの検査データの取り込みが完了した後に検査システムにより実行される。例えば、コンテキスト・マップは、検査データがオフラインで利用可能になった後、上述のように検査システムにより使用される。これらの実施形態の両方において、この方法は、コンテキスト・マップを使用して、ウェハ上のダイのダミー領域(領域を検査しない)を自動的に定め、異なる感度しきい値が使用されるダイの粗領域を定めることができる。例えば、コンテキスト・マップ(例えば、ダミー・フィル領域を定めるコンテキスト・マップ)を使用して、検査を必要としない検査対象外領域を自動的に定めることができ、したがって欠陥検出の目的のために除外される。このような領域は、典型的にはあまりうまく制御をされず、したがって、比較的大量のノイズを発生する(ダイ同士の比較の場合)。したがって、そのような領域を除外することで、検査の全体的S/N比を高めることができる。
一実施形態では、設計データ空間における検査データの位置とコンテキスト・マップとに基づいてウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することは、ウェハの異なる部分の欠陥を検出するために検査データとともに使用される感度しきい値を決定することを含む。このように、欠陥検出に使用される1つ又は複数のしきい値を変更することにより領域間で感度を変更することができ、これは、セグメント化自動しきい値(SAT)法に類似している。例えば、低しきい値(高感度)検出は、クリティカル領域に使用され、高しきい値(低感度)検出は、非クリティカル領域に使用される。設計データをセグメント分割し、設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥検出に使用される(複数の)しきい値を変化させることにより、検査プロセスの全体的な感度を高めることができる。
したがって、本明細書で説明されているこれらの方法及びシステムは、改善された欠陥検出を実現している。
この方法は、さらに、上述のコンテキスト・マップを使用して、多数の異なるステップを実行することをも含む。例えば、コンテキスト・マップ(ダイ−ダイ検査モード、標準参照ダイ−ダイ検査モードなどを欠陥検査に使用するかどうかに関係なく)を使用して、限定はしないが、感度を決定するステップ、ニュイサンス欠陥をフィルタリングするステップ、欠陥を分類するステップ、オンライン又はオフライン・レビューに対するレビュー・サンプルを生成するステップなどのさまざまなステップを実行することができる。本明細書でさらに説明されているように設計又はコンテキスト情報を使用するために、検査プロセス時に(例えば、ウェハをスキャンすることにより)取り込まれたイメージ・ピクセル又は他の検査データの絶対位置は、設計データ空間(例えば、設計データベース座標)で決定される。検査データを検査ピクセル・サイズの半分の範囲内で設計データ空間にマッピングすることで、検出しきい値を実質的に正確に設定すること(クリティカル領域と非クリティカル領域とを実質的に正確に分離することによる)、実際の欠陥からニュイサンス欠陥をフィルタリングすることや、他のステップを実行することができるが、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
それに加えて、比較的高い帯域幅のピクセル・レベル・コンテキスト情報を、さまざまなアプリケーションにおける検査空間から設計空間座標への実質的に高い精度のマッピングとともに使用することができる。例えば、比較的高い分解能のコンテキスト・マップを使用して、異なる感度で検査されるピクセル・レベル領域を自動的に定めることができる。本明細書で説明されているような比較的高い分解能のコンテキストは、一般に、比較的粗い(例えば、約50μm×約50μm)ユーザー定義領域に基づく複数しきい値(RBMT)に比べて正確であり、検査対象領域境界では曖昧であるため不正確である(例えば、約5μm以上の広がりを持つ境界不確定性)。
一実施形態では、コンテキスト・マップは、それぞれのピクセルで検出感度を制御するためにピクセル・レベルで使用される。しかし、より単純なアプローチ(システムの複雑度の観点から)では、コンテキスト・マップを、コンテキスト情報を使用して欠陥を検出しない検出方法を使用して検出された欠陥の後処理にのみ使用する。この方法で、検査又はウェハ空間から設計データ空間へのマッピングは、検出された欠陥に対応する検査データにのみ適用される。ダイ−ダイ及び標準参照ダイ−ダイ検査について上で説明されているように、欠陥の位置は、設計データ空間において決定される。その後、設計データ空間における欠陥の位置の設計データのパッチ・イメージが取り込まれ、このパッチ・イメージは、欠陥に対応する設計コンテキストを決定するために使用される。それとは別に、設計データに対しアラインされたコンテキスト・マップは、設計データ空間における欠陥の位置に基づいて欠陥に対応する設計データ・コンテキストを決定するために使用される。
標準参照ダイ−ダイ検査では、検査データにおけるそれぞれのピクセルのコンテキストを決定することは、それぞれの標準参照ダイ・ピクセルのコンテキストを決定することを含む。標準参照ダイ・イメージは、レシピー・セットアップ・フェーズにおいて取り込まれるため、この方法は、標準参照ダイ・イメージにおけるアライメント部位(上述のように選択された)に対するデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることと、マッピング変換を実行して、設計データ空間におけるそれぞれの標準参照ダイ・ピクセルの配置を決定することとを含む。これらのステップは、さらに、レシピー・セットアップ・フェーズにおいて実行される。それに加えて、標準参照ダイは、設計データ空間への標準参照ダイのマッピングに基づいてコンテキスト・データにマッピングされ、標準参照ダイ・ピクセルはそれぞれのピクセルに対応するコンテキストとともに、オフラインで格納され、検査時に検査システムに供給されるか、又は検査システムにより取り込まれる。この処理は、オフラインで実行され、レシピー・セットアップ・フェーズにおいて一度だけ実行される。
そのような一実施形態では、それぞれの標準参照ダイ・ピクセルをコンテキスト情報に関連付ける(「タグ付けする」)ことができる。この方法で、コンテキスト情報を、標準参照ダイ・ピクセルに「付着させる」ことができる。一例では、16個の異なる可能なコンテキストがある場合、4ビットのタグをそれぞれのピクセルに付着させることができる。それとは別に、好適な圧縮アルゴリズム又は方法を使用してコンテキスト・データを圧縮するか、又はコンテキスト・データをポリゴン形式で表現することができる。この方法により、検査時に、標準参照ダイ・ピクセル・データと標準参照ダイ・ピクセル・データに関連付けられているマッピングされた(変換された)コンテキスト・データは、検査システムのイメージ・コンピュータ又は他のプロセスに供給されるか、又は検査システムのイメージ・コンピュータ又は他のプロセスにより取り込まれる。したがって、検査データ・ピクセルに対応するコンテキストは、標準参照ダイ・イメージにおける対応するピクセルのコンテキスト情報に基づいて決定される。その際、検査データ・ピクセルに対応するコンテキスト情報は、欠陥検出アプリケーションや欠陥分類(及び/又はビン範囲によるグループ分け)アプリケーションに利用することができ、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、任意の分解能でコンテキスト・マップを使用してウェハ検査を補助することができる。例えば、可変分解能コンテキスト・マップは、ウェハ検査及び欠陥のビン範囲によるグループ分けを補助するために使用される。コンテキスト・マップの分解能は、例えば、ライブ・ピクセル・ストリームを設計データにアラインさせる精度、及びアプリケーションの必要な精度に応じて異なることがある。異なる分解能のコンテキスト・マップを、多くの異なる方法で表すことができる。例えば、ポリゴン形式のコンテキスト・マップの絶対(つまり、ミクロン範囲の小数位以下の桁数)表現を適切なピクセル・サイズの検査システムの内部表現に変換し、ピクセル・レベルのコンテキスト・マップを生成することができる。それに加えて、又はそれとは別に、粗コンテキスト・マップは、例えば約1μm×約1μmの横方向寸法を有する比較的粗い領域に対するコンテキストを含む。粗領域は、設計データを分離する「タイル」を形成する。フィーチャ・タイプ(例えば、ダミー・フィーチャ、接点、線端部)などのコンテキスト・データ、フィーチャ属性(例えば、ジオメトリ間の最小線幅/間隔など)、又はその何らかの組合せがそれぞれのタイルに関連付けられる。
一実施形態では、この方法は、クリティカルな領域及び可能な設計ルール違反について設計を分析するために使用可能なソフトウェア・プログラムから取り込まれる設計に対する配置情報と属性情報を使用して比較的高い分解能のコンテキスト・マップを生成することを含む。このようなコンテキスト・マップは、KLA−Tencorから市販されている分析ソフトウェア(Design Scanなど)又は検査、計量、又はレビュー・システムにより使用するフォーマットに変換される配置及びそれぞれの配置のいくつかの属性(又はラベル)のリストを生成するDRCソフトウェアなどの他のソフトウェアを使用して生成される。
他の実施形態では、この方法は、CADレイアウトからフィーチャ・ベクトルを抽出し、教師なしクラスタリングを使用して同等のコンテキスト・グループを定義することにより比較的低い分解能の粗コンテキスト・マップを生成することを含む。例えば、比較的粗いコンテキスト・マップ(例えば、約1μm×約1μmの領域又はタイルを含むマップ)を生成する方法は、CADレイアウト・ファイルを処理することと、それらのファイルをレンダリング又は分析することと、それぞれのタイルに対するいくつかの属性又はフィーチャ・ベクトルを抽出することを含む。それぞれの領域について、複数のフィーチャを所定のフィーチャ集合から抽出することができる。それぞれのフィーチャの値は、そのフィーチャ・ベクトルである。それぞれの領域に対するフィーチャ・ベクトルを、フィーチャ空間内のクラスタリングを評価することにより領域の類似性を判定するために使用される一連のフィーチャ・ベクトルにまとめることができる。これらのフィーチャ・ベクトル(タイル毎に1つ又は複数のベクトル)は、ベクトルのクラスタ(つまり、類似の属性を有するタイル)を見つけるために使用される当業界で知られている教師なしのクラスタリング・アルゴリズム及び/又は方法を使用してフィーチャ空間内にクラスタ化される。本明細書で説明されている方法で使用されるそのようなアルゴリズム及び方法の例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、Hanの米国特許第6,104,835号において例示されている。それぞれのそのようなクラスタは、次いで、ユニークなコンテキスト・コード又は識別を割り当てられる。次いで、それぞれのファイルがこのコード又は識別により表されるダイのマップは、本明細書でさらに説明されているように検査システムにより使用される。
異なる実施形態では、この方法は、CADレイアウト・パッチ・イメージをレンダリングし、CADレイアウト・パッチ・イメージを相互相関させて、(本明細書でさらに説明されているようにビン範囲に従って分けるために使用される)同等のコンテキスト・グループを識別することにより比較的低い分解の粗いコンテキスト・マップを生成することを含む。コンテキスト・マップ(例えば、比較的粗いコンテキスト・マップ)を生成する他の方法は、CADレイアウト・ファイルを複数のパッチ・イメージにレンダリングすることと、設計データを複数のパッチ・イメージに分割することと、比較的高い相互相関性を有するパッチ・イメージが、ビン範囲に従って同じコンテキスト・タイプに対応するパッチ・イメージの複数のグループに分けられるようにパッチ・イメージ間のイメージ相互相関を識別することとを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されている方法で使用されるコンテキスト・データは、ウェハ上にある、又はウェハに形成される複数の層に対するコンテキスト・データを含む。例えば、いくつかの欠陥は、欠陥が検出された層内のクリティカル領域では位置を特定されない。しかし、上に載る層のクリティカル領域がウェハ上に形成されるウェハ上の一領域に欠陥が配置されている場合には、これらの非クリティカル欠陥がクリティカルにされることがある。本明細書で説明されているステップのどれかで使用されるコンテキスト・マップは、ウェハ上の複数の層に対するコンテキスト・マップとすることができる。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、検査データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度とを決定することを含む。このステップで使用される設計データの複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。このような一実施形態では、検査データの1つ又は複数の属性は、異なる部分で欠陥が検出された場合に、1つ又は複数のイメージ・ノイズ属性、又はそれらの何らかの組合せを含む。このように、この実施形態で使用される検査データの1つ又は複数の属性は、イメージ・ノイズ属性、及び/又は検査データの異なる領域における欠陥の検出又は無検出を含む。このステップで使用される検査データの複数の属性は、本明細書で説明されている他の属性を含む。この実施形態において感度を決定することは、設計属性に相関するイメージ・ノイズに基づいて検査プロセスに対するRBMTセットアップに関して実行される。この実施形態で感度を決定することは、さらに、本明細書で説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、ウェハ上で加工されるデバイスの設計に対するスキーマ・データの1つ又は複数の属性、デバイスに対する物理的レイアウトの予想される電気的挙動の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいてウェハ上の欠陥を検出する1つ又は複数のパラメータをアラインさせることを含む。このように、(複数の)設計スキーマ・データ属性や、物理設計(レイアウト)の予想される挙動の他の電気的記述を使用して、欠陥を検出するための1つ又は複数のパラメータ又は検査プロセスの任意の他のパラメータを変更することができる。例えば、クリティカル及び非クリティカル・パス、アクティブ及び非アクティブ・ジオメトリに関する情報、物理設計(レイアウト)のスキーマ・データ又は予想される電気的挙動に関する他のそのような情報を使用して、欠陥を検出する感度を変更し、欠陥を検出すべきウェハの部分を決定し(例えば、検査対象領域と検査対象外領域)、検査データのどの部分を欠陥を検出するために使用すべきかを決定し(例えば、ウェハ空間と設計データ空間との相関に基づいて)、検査プロセスの他の1つ又は複数のパラメータを変更する。
他の例では、設計/イメージ・コンテキストに基づいて欠陥捕捉率及び電気的挙動監視を実行する。例えば、電気的挙動は、電気的試験、FA、又は当業界で知られている他の試験若しくは分析を実行することにより、又はそのような試験若しくは分析の結果を使用することにより、監視される。電気的試験、FA、又は他の試験若しくは分析の結果を、デバイスのスキーマ・データと物理的レイアウトに関するコンテキスト情報に相関させることができる。監視されている欠陥捕捉率と電気的挙動を、ウェハ上で検出された欠陥に関する情報、欠陥を検出するために使用される検査プロセスに関する情報、設計に関する情報を決定するために設計/イメージ・コンテキストに相関させることができる。例えば、欠陥捕捉率と電気的挙動を監視した結果を使用して、どのようなタイプの欠陥がウェハ上で検出されるか、どの欠陥を検出すべきか(例えば、オンライン検査プロセスで)、どの欠陥が検出されていないかを決定し、かつ設計における弱点を決定することができる。
このような情報を使用して、本明細書でさらに説明されているように検査プロセスを変更することができる。
追加の実施形態では、この方法は、ウェハ上で実行されるべき電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータに基づいて検査データを使用してウェハ上で欠陥を検出するために1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。例えば、ウェハ上の欠陥を検出するための1つ又は複数のパラメータ又は検査プロセスの他のパラメータは、関連する(物理的)設計データ空間に関連付けられている電気的試験定義に基づいて変更される。このように、電気的試験をどのように実行するかに基づいて検査プロセスを変更することができる。このような一例では、電気的試験プロセスにより分析されるウェハ上の領域は、電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータに基づいて決定され、欠陥を検出するための1つ又は複数のパラメータ又は検査プロセスの他のパラメータは、電気的試験プロセスにおいて分析されないウェハ上の領域内の欠陥が適切な感度により検査されるように変更される。
それに加えて、電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータ及び設計データ空間又はウェハ空間における欠陥の位置を使用して、電気的試験プロセスにより試験されない(又は「電気的試験を逃れる」)欠陥を識別することができる。このような一例では、電気的試験プロセスで試験されるウェハ上の領域及びウェハ上の欠陥の位置を使用して、電気的試験プロセスにより試験されない欠陥を決定することができる。他の例では、電気的試験プロセスで試験される設計における領域及び設計データ空間における欠陥の位置を使用して、電気的試験プロセスにより試験されない欠陥を決定することができる。同様にして、電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータ及び設計データ空間又はウェハ空間における欠陥の位置を使用し、欠陥が電気的試験プロセスにより試験されるか、されないかに応じて欠陥を異なるグループに分離するか、又はビン範囲に従って異なるグループに分けることができる。
ウェハ空間において、設計データの属性及びホット・スポットに関する情報(例えば、ホット・スポット・データベースからの情報)を使用して、監視フェーズにおいて検査レシピーをセットアップすることができる。例えば、検査対象領域は、ウェハ空間において監視フェーズで自動的に定義される。自動的に定められた検査対象領域は、マクロとミクロの検査対象領域を含む。自動的に定められた検査対象領域は、さらに、検査対象外領域を含むこともできる。それに加えて、検査レシピーは、感度を自動的に変更すること、ニュイサンス欠陥をフィルタリングすること、知られている系統的欠陥の捕捉率を高めること(例えば、ホット・スポット又はホット・スポット領域に対する感度を増強すること)、コールド・スポット領域に対応する検出信号又はデータを抑制することに対してセットアップされる。さらに、設計データの属性及びホット・スポットに関する情報を使用して、欠陥をうまくグループ化し、分類し、又はビン範囲に従って欠陥を分け、欠陥をサンプリングすることができ、これは、GDS(つまり、GDSパターン・グループ化)及び/又はGDSパターン・グループ化パレートを使用して設計データに基づいてビン範囲に従って欠陥を分けることを含み、それぞれ本明細書で説明されているよう実行される。
他の実施形態では、この方法は、フィードバック制御技術を使用して方法の1つ又は複数のステップの結果に基づいて検査システムにより実行される検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを定期的に変更することを含む。他の実施形態では、この方法は、フィードバック制御技術を使用して方法の1つ又は複数のステップの結果に基づいて検査システムにより実行される検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを自動的に変更することを含む。例えば、監視フェーズは、恐らくはプロセス・ゾーンの差に関する事前の知識と組み合わせて前の計量結果に基づいて検査レシピー又はパラメータを変更することを含む検査プロセスの自動プロセス制御(APC)を含む。計量プロセスに対するAPCは、後続の計量において実行されるべき測定に加えて測定が実行されるべき配置を決定するために、本明細書で説明されている実施形態のどれかに従って識別される、系統的欠陥に基づいて実行される。試験プロセスに対するAPCは、試験が実施されるべき配置と、後続の電気的試験において試験されるべき電気的パラメータとを決定するために、本明細書で説明されている実施形態のどれかに従って識別される、系統的欠陥に基づいて実行される。
追加の実施形態では、この方法は、方法の1つ又は複数のステップの結果を使用して知識ベースを生成することと、知識ベースを使用して検査システムにより実行される検査プロセスを生成することとを含む。知識ベースは、好適なデータ構造体に1つ又は複数のイメージ属性及び/又は設計データの1つ又は複数の属性を格納することにより生成される。それに加えて、知識ベースは、検査プロセスを生成するために使用される検査システムにより取り込まれる累積学習を含む。例えば、検査プロセスについては、知識ベースを使用して、欠陥検出の頻度やニュイサンス欠陥である検出された欠陥の割合などの検査の累積的結果を決定し、そのような累積的結果を使用して、欠陥がニュイサンス欠陥である確率などの追加の情報を決定することができる。
このような知識ベースを使用することで、本明細書でさらに説明されているように検査プロセスを生成することができる。この方法では、知識ベースは、新しい検査レシピーを生成するために使用される。それに加えて、知識ベースは、レシピー・セットアップ及び/又はウェハなしレシピー・セットアップの検査プロセスを生成するために使用される。
検査プロセスを生成することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択することを含む。それに加えて、知識ベースは、レシピー最適化及び自動化レシピー最適化により検査プロセスを変更するために使用される。例えば、この方法は、既存の検査プロセスの1つ又は複数のパラメータの定期的又は自動最適化に知識ベースの訓練のフィードバック機構を使用することを含む。検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置とコンテキスト・マップとを使用してウェハ上のレチクル欠陥の印刷可能性を判定するウェハ検査プロセスを最適化することを含む。このように、この方法は、コンテキスト・マップと組み合わせてCBIを使用してレチクル上で検出された欠陥の印刷可能性を判定することを目的とするウェハ検査プロセスの最適化を含む。ウェハ検査プロセスを最適化することは、本明細書で説明されている(複数の)ウェハ検査プロセスのパラメータを含んでいてもよい、ウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。一般に、ウェハ上のレチクル欠陥の印刷可能性を判定することは、ウェハを検査してレチクル上の欠陥に対応しうるウェハ上の欠陥を検出することを含む。このように、(複数の)レチクル欠陥の印刷可能性を判定するようにウェハ検査プロセスを最適化することは、レチクル上の欠陥に対応しうるウェハ上の欠陥を検出するようにウェハ検査プロセスを最適化することを含む。
一例では、この方法は、設計データ空間における、ウェハについて取り込まれた、検査データの位置と、本明細書で説明されているように決定される、設計データ空間における1つ又は複数のレチクル欠陥の位置とを使用して、(複数の)レチクル欠陥の印刷可能性を判定するために使用される検査データの部分を識別することを含む。このように、(複数の)レチクル欠陥の設計データ空間位置及びウェハについて取り込まれた検査データを使用することで、(複数の)レチクル欠陥に対応しうるウェハ上の欠陥を検出するために使用される検査データの部分を決定することができる。コンテキスト・マップを含む設計データの(複数の)属性を使用して、ウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択し、レチクル欠陥の印刷可能性を判定することができる。例えば、コンテキスト・マップを使用することで、上述のように識別された検査データの部分に対応する設計データの1つ又は複数の属性を決定することができる。このように、異なる部分に対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて、上述のように識別された検査データの異なる部分に対し使用されるウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択する。その際、1つ又は複数の属性の異なる値を有する設計データに対応する、上述のように識別された検査データの異なる部分を1つ又は複数の異なるパラメータで処理し、(複数の)レチクル欠陥に対応するウェハ欠陥を検出することができる。このような一例では、コンテキスト・マップは、ウェハについて取り込まれた検査データの異なる部分に対応する設計データのクリティカル度を決定するために使用され、これは上述のように識別され、またクリティカル度は、検査データの異なる部分における欠陥を検出する場合の感度を決定するために使用される。このような特定の一例では、検査データの異なる部分についてウェハ検査プロセスの異なるパラメータを選択し、1つ又は複数のレチクル欠陥の印刷可能性を設計データにおける非クリティカル領域に比べて設計データのクリティカル領域ではより高い精度で判定することができる。
ウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータは、さらに、設計データ空間における検査データの位置、コンテキスト・マップ、本明細書で説明されている他の情報に基づいて変更及び/又は最適化される。例えば、コンテキスト・マップを使用して、1つ又は複数のレチクル欠陥が検出された設計データの異なる部分の1つ又は複数の属性を決定することができ、異なる部分の1つ又は複数の設計データ属性をレチクル検査データの1つ又は複数の属性(1つ又は複数のレチクル欠陥の属性など)と組み合わせて使用して、(複数の)レチクル欠陥が検出された設計データの異なる部分に対応する検査データの異なる部分についてウェハ検査プロセス・パラメータを選択することができる。このような一例では、実質的に同じ(複数の)属性を有する設計データの部分に配置されている異なるタイプのレチクル欠陥の印刷可能性がウェハ検査プロセスの1つ又は複数の異なるパラメータで判定されるようにウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択することができる。他の例では、(複数の)属性の異なる値を有する設計データの部分に配置されている同じタイプのレチクル欠陥の印刷可能性がウェハ検査プロセスの1つ又は複数の異なるパラメータで判定されるようにウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択することができる。
レチクル欠陥の印刷可能性を判定するようにウェハ検査プロセスを最適化するため上で説明されている実施形態において使用されるコンテキスト・マップは、本明細書で説明されているよう構成され、本明細書で説明されているコンテキスト・マップのどれかを含む。それに加えて、コンテキスト・マップに含まれる情報はどれも、ウェハ検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更するために上で説明されている実施形態において使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、検査データを使用してウェハ上で検出された結果に基づいてウェハ上で実行されるべき電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。例えば、試験空間において、監視フェーズは、本明細書で説明されている実施形態に従って識別された系統的欠陥を使用して試験パターン及び/又は他の試験パラメータを定義又は修正することを含む。それに加えて、検査データを使用してウェハ上で検出された欠陥を使用することで、欠陥の1つ又は複数が電気的試験プロセスにより試験されない(又は「電気的試験を逃れる」)かどうかを判定し、また1つ又は複数の欠陥が電気的試験プロセスにより試験されるように電気的試験プロセスが実行されるウェハ上の領域を定める1つ又は複数のパラメータを変更することができる。このように、検査プロセスの結果を電気的試験プロセスにフィードフォワードし、電気的試験プロセスで試験されない欠陥の数を減らすことができる。それに加えて、電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータは、検査データを使用してウェハ上で検出された欠陥、本明細書で説明されているように決定される設計データ空間、又はウェハ空間における欠陥の位置、本明細書で説明されている任意の方法で決定された本明細書で説明されている欠陥の(複数の)属性を含む欠陥の1つ又は複数の属性、本明細書で説明されている任意の方法で決定された本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性を含む設計データの1つ又は複数の属性、本明細書で説明されている他の情報、又はそれらの何らかの組合せに基づいて変更される。例えば、欠陥の位置、欠陥の(複数の)属性、設計データの(複数の)属性を使用して、本明細書で説明されているように欠陥の1つ又は複数に対する故障確率値を決定することができる。既存の電気的試験プロセスにより試験されない欠陥が、比較的低い故障確率値を有する場合、この方法により電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することはできない。対照的に、既存の電気的試験プロセスにより試験されない欠陥が、比較的高い故障確率値を有する場合、比較的高い故障確率値を有する欠陥がこの電気的試験プロセスにより試験されるように電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することができる。同様にして、計量プロセスのサンプリングなどの計量プロセスの1つ又は複数のパラメータは、上述のように選択、決定、又は変更される。
検査データを設計データにアラインさせることで、ウェハ上の「ホット・スポット」を検査することが可能になる。「ホット・スポット」は、致命欠陥が存在しうるウェハ上で印刷される設計データの一配置として一般に定義される。対照的に、「コールド・スポット」は、ニュイサンス欠陥が存在しうるウェハ上で印刷される設計データの一配置として一般に定義される。ニュイサンス欠陥の一例は、ウェハ上に形成されるデバイスの歩留まりに実質的に影響を及ぼさないフィーチャの限界寸法(CD)の変動であるが、これにより検査システムは、その配置に欠陥があることを示す。いくつかの欠陥は、欠陥がウェハの他の層上に形成されたデバイスの構造と接触しているなどのいくつかの条件の下でのみ致命欠陥となる。したがって、このような欠陥がウェハ上に印刷される設計データにおいて存在しうる配置は、一般に、「条件付きホット・スポット」と呼ばれる。
追加の実施形態では、この方法は、図1のステップ20に示されているように、ウェハ上で検出された欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することを含む。欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかは、設計データ空間における検査データの位置及び設計データの1つ又は複数の属性に基づいて判定される。例えば、いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置に基づいて設計データ空間における欠陥の位置を決定することと、設計データ空間における欠陥の位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することとを含む。このステップでニュイサンス欠陥を識別するために使用される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。
例えば、設計データの1つ又は複数の属性は、コンテキスト・マップ内に定義される。このように、この方法は、コンテキスト・マップを欠陥データに適用し、限定はしないがPWQなどのアプリケーションにおいて重要と考えられない欠陥(例えば、ニュイサンス欠陥)をフィルタリング(例えば、破棄)することを含む。その際、加工プロセスの能力の限界に近づきつつある設計の部分を、コンテキストに基づいてクリティカルである部分とクリティカルでない部分とに分ける。他の例では、このステップでニュイサンス欠陥を識別するために使用される設計データの(複数の)属性は、設計データに対するホット・スポット情報を含む。このように、設計データ空間における欠陥の位置とホット・スポット情報を使用して、設計データにおいてコールド・スポットで検出された欠陥をニュイサンス欠陥として識別することができる。
リソグラフィのPWQアプリケーションは、一般に、異なる露光量と焦点オフセットで(つまり、変調された線量と焦点で)ウェハ上のダイを露光することと、設計上の弱点のある領域を決定し、プロセス・ウィンドウを決定するために使用されるダイにおける系統的欠陥を識別することとを含む。リソグラフィに対するPWQアプリケーションの例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、2004年12月7日に出願されたWuらの同一出願人による米国特許出願第11/005,658号において例示されている。焦点と露光変調の多くのアーチファクトは、欠陥として現れるが(ダイ−標準参照ダイ差分)、実際にはニュイサンス欠陥である。このようなアーチファクトの例は、CDのバラツキ、及びこれらのアーチファクトがデバイスの歩留まり又は性能に全く又はほとんど影響を及ぼさない領域内の線端プルバック又はショートを含む。しかし、欠陥の位置は、本明細書で説明されている方法を使用して設計レイアウトに関して実質的に正確に決定される。それに加えて、本明細書で説明されている方法を使用することで、上でさらに説明されているように、比較的高い精度で対象領域を決定することができる。これらの「微小」検査対象領域は、知られているホット・スポットを中心とし、比較的高い感度で検査されるか、又は検査対象外領域又は比較的低い感度で検査される領域として知られているコールド・スポット(系統的ニュイサンス)を中心とすることができる。
したがって、上述のように、この方法は、設計データ空間に関する欠陥の位置と、その位置が検査対象領域内にあるかどうかとに基づいて、欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することを含む。欠陥は、さらに、コンテキスト、サイズ、冗長性、PWQ「ルール」、又はその何らかの組合せに応じてフィルタリングされる。例えば、プロセス空間では、PWQ分析及びDOE分析は、監視フェーズにおいてホット・スポットを使用して実行される。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、PWQアプリケーションを、現在使用されているノイズ・フィルタが分解能の制限のため機能しない65nm設計ルールよりも下に拡張するために使用される。したがって、本明細書で説明されている方法の利点の1つは、BF検査を拡張し系統的及びDFM欠陥を検出するためにこの方法を使用できることにある。特に、本明細書で説明されているようなCBIを使用すると、65nm設計ルール以下の系統的欠陥検査及び/又はDFMアプリケーションなどのBF検査システムの機能を付加することができる。これらの方法は、さらに、DFM系統的欠陥の根本原因を比較的迅速に突き止めることを可能にするか、又は保持する。根本原因を突き止めることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて(上でさらに説明されているようにコンテキスト・マップで定義される)、又は欠陥の位置と、リスト又はデータベースなどのデータ構造体に格納される、ホット・スポットの位置とを比較することにより、ステップ22に示されているように、ニュイサンス欠陥であると判定されていない欠陥が系統的又はランダム欠陥であるかどうかを判定することを含む。それに加えて、注目していない欠陥のすべてが、ニュイサンス欠陥でない場合もある。例えば、比較的低い歩留まり影響を有するか、又は全く歩留まりに影響のない系統的欠陥は注目していない欠陥であり、ニュイサンス欠陥でないと考えられる。
そのような欠陥は、ウェハ上のアクティブ・パターン又はデバイス領域上に現れる。本明細書で説明されている方法は、そのような欠陥を識別することを含む。そのような欠陥、又はコールド・スポットに配置されている欠陥は、設計コンテキスト(例えば、冗長ビア)、モデル化(例えば、DesignScan)、PWQ、検査とレビュー、試験との欠陥相関(例えば、ある配置の比較的高い積層欠陥密度と比較的低い積層電気的障害配置など)から識別される。それに加えて、これらの欠陥の監視は、欠陥の位置とホット・スポット及びコールド・スポットの位置とを比較することにより実行される。さらに、これらの欠陥が配置されるパターンが共通であれば本明細書で説明されている設計データに基づくグループ分けの方法を使用して、これらの欠陥を他の系統的欠陥とは別にビン範囲に従って分けることができる。さらに、系統的欠陥の発見は、設計、モデル化結果、検査結果、計量結果、並びに試験及びFA結果からの複数の入力ソースを相関させることにより実行される。
系統的DOIは、すべてのパターン依存欠陥タイプを含む。系統的欠陥を識別することは有益な作業であり、これらの欠陥がデバイスに及ぼす影響を分析することができる。ランダムDOIは、クリティカルなタイプのランダム欠陥の統計サンプルを含む。ランダム欠陥を識別することは有益な作業であるが、それは、クリティカルなタイプのランダム欠陥を分析してこれらの欠陥がデバイスに及ぼす影響を調べることができるからである。それに加えて、ランダム欠陥を識別することにより、ニュイサンス欠陥と考えられるランダム欠陥の検出を抑制するように、1つ又は複数の検査プロセス・パラメータを変更することができる。さらに、ニュイサンス欠陥を系統的原因(コールド・スポット)から区別するように(複数の)検査プロセス・パラメータを変更することができる。
欠陥がニュイサンス欠陥であるか、系統的欠陥であるか、又はランダム欠陥であるかを判定することも、有益な作業であるが、それは、1つ又は複数のウェハ上で検出される欠陥のタイプや異なるタイプの欠陥が有する歩留まりとの関連性に基づいて歩留まりをより正確に推測することができるからである。それに加えて、本明細書で説明されている方法の結果を、場合によっては歩留まり予測と組み合わせて使用し、設計データ及び製造プロセスに関する1つ又は複数の決定を下すことができる。例えば、IC設計を検証するために、本明細書で説明されている方法の結果を使用することができる。他の例では、プロセスにより生成されるIC設計に影響を及ぼす系統的欠陥の数と系統的欠陥のタイプの数が少なくなるように、本明細書で説明されている方法の結果をIC設計プロセスにフィードバックすることができる。このような一例では、設計及び/又はIC設計プロセスで使用される光学ルールを変更するために、本明細書で説明されている方法の結果を使用することができる。さらに他の例では、検査されるウェハ・レベルを加工するために使用される1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更するために、本明細書で説明されている方法の結果を使用することができる。好ましくは、(複数の)プロセスにより引き起こされる系統的欠陥及び/又は系統的欠陥のタイプの数、場合によってはクリティカルなランダム欠陥の数及び/又はクリティカルなランダム欠陥のタイプの数が少なくなるように、(複数の)プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更する。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて、ステップ24に示されているように、1つ又は複数の欠陥を分類することを含む。例えば、設計データ空間における欠陥の位置は、設計データ空間における検査データの位置から決定される。それに加えて、設計データ空間における欠陥の位置に関連する設計データの1つ又は複数の属性は、3テキスト・マップから、又は本明細書で説明されている他の方法により決定され、欠陥を分類するために欠陥の位置に関連する1つ又は複数の属性が使用される。他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における欠陥に対応する検査データの部分の位置と、本明細書でさらに説明されるように設計データ空間にわたる設計データの1つ又は複数の属性とに対する値を含むコンテキスト・マップに基づいてウェハの異なる部分で検出された欠陥を分類することを含む。このように、この方法では、コンテキスト・マップを使用してコンテキストで欠陥を分類することができる。このステップで(複数の)欠陥を分類することは、さらに、本明細書で説明されている他の方法でも実行される。
そのような一実施形態では、欠陥を分類することは、ウェハの検査時に検査システムにより実行される。例えば、コンテキスト・マップは、ウェハを検査するときに本明細書で説明されているように欠陥を分類するために検査システムにより使用される。他のそのような実施形態では、欠陥を分類することは、ウェハに対する検査データの取り込みが完了した後に実行される。例えば、コンテキスト・マップは、検査データがオフラインで利用可能になった後、本明細書で説明されているように欠陥を分類するために検査システムにより使用される。このように、この方法は、コンテキスト・マップを使用して、欠陥を第2パス高分解能欠陥分類(HRDC)によりオンライン(例えば、検査システムを使用して)で分類するか、又はHRDCにより(例えば、SEMレビュー・ステーションを使用して)オフラインで分類することを含む。典型的には、第2パス欠陥分類は、検査システムによりオンラインで実行されようと、レビュー・システム(光学式又はSEM)によりオフラインで実行されようと、欠陥の再検出と分類を含む。再検出と分類は、両方とも、ユーザーにより手動で、又は自動的に(つまり、自動欠陥分類、ADC)実行できる。設計ルールが縮小すると、レビュー・プロセスで間違った物体を欠陥として識別する確率が高まる。設計データとコンテキスト・マップは、再検出と分類の両方に有益である。
再検出に関しては、コンテキスト・マップは、ユーザー又はシステムがレビュー・システムの視野内で確かな欠陥を位置決めできるように欠陥の近くの局所的バックグラウンド情報を与える。例えば、レビュー・システムにより生成されるウェハの局所イメージを設計データにアラインさせることができ、これにより、設計データ空間における欠陥の位置をアラインされた局所イメージにおいて実質的に正確に識別することができる。それに加えて、レビュー・システムでは、局所イメージとのアラインのため設計データのシミュレートされたイメージ(例えば、階調イメージ)を使用することができ、設計データ空間における欠陥の位置を使用して、局所イメージの中の欠陥の位置を決定することができる。
このようなシミュレートされたイメージは、レビュー・プロセスにおける欠陥の再検出と細かいアライメント調整に使用される。このようなシミュレーションの例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、McGheeらの米国特許第6,581,193号において例示されている。本明細書で説明されている方法は、本特許において説明されている方法のどれかの(複数の)ステップを含む。したがって、本明細書で説明されているこれらの方法及びシステムは、比較的高い精度の欠陥検出を実行するために使用される。
分類に関して、コンテキスト・マップは、欠陥が属しているクラスを決定するために(レビューにより取り込まれたデータとともに)使用される追加の情報を与える。レビューは、さらに、コンテキスト・マップ、レビューにより取り込まれたデータと検査データを使用して実行される。例えば、検査システムの時間遅延積分(TDI)カメラにより取り込まれたパッチ・イメージ及び/又は検査システムにより取り込まれた高分解能パッチ・イメージを欠陥サンプルのレビューに送る。パッチ・イメージは、光学又はSEMレビュー及び分類用のコンテキスト・マップと組み合わせて使用される。このように、上でさらに説明されているように欠陥位置を決定できる際の座標の正確さにより、システムは、設計コンテキスト及び/又はDRC障害事象コードに基づいて、欠陥を実質的に正確に分類することができる。
上述のステップの1つ又は複数は、系統的欠陥が検査結果及び本明細書で説明されている他の結果を使用して識別、分類される(又はビン範囲に従って分けられる)監視フェーズにおいて実行される。監視フェーズは、偏倚監視と基準改善を含む。監視フェーズは、製品増産時や生産時に実行される。マルチソース空間(設計、ウェハ、レチクル、試験、プロセス空間の間の相関を含む)において、検査により検出された系統的欠陥を識別し、分類する際に、本明細書で説明されているステップの任意の組合せを使用することができる。それに加えて、それらと組み合わせてマルチソース空間のステップの1つ又は複数を使用し、系統的欠陥識別結果を検証することができる。
それに加えて、設計データ空間における欠陥の位置を検査データ、設計データ、又は分類データと組み合わせて、監視フェーズにおける系統的欠陥(例えば、ホット・スポット又はコールド・スポットに配置される欠陥)を識別することができる。また、識別されたホット・スポットを使用することで、ホット・スポット配置で「ヒット」がある場合の検査結果の設計コンテキストを決定することができ、これは後処理のオンツール又はオフツールで実行される。設計データ空間に相関する歩留まり(又はKP値)も、系統的欠陥を監視するための属性として使用することができる。それに加えて、1つ又は複数の欠陥属性を使用して、複数のホット・スポット候補がある場合のホット・スポットとの関連性を推論することができる。
レチクル空間において、監視フェーズは、知られている系統的欠陥をランダム欠陥から分離するために検査結果と比較できるホット・スポットに関する情報を生成すること(例えば、(複数の)ホット・スポット・リストの作成)を含む。それに加えて、ホット・スポットに対するコンテキスト情報などの1つ又は複数のホット・スポット属性を使用して、複数の技術、層、又はデバイスにまたがってホット・スポットを共有できるか、またできるのであれば、どの技術、層、又はデバイスであるのかを判定することができる。さらに、検査により識別される系統的欠陥を使用して、計量部位配置、測定、又は他のパラメータなどの計量プロセスの1つ又は複数のパラメータを定義又は修正することができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハ上で検出された1つ又は複数の欠陥に対する故障確率値を決定することを含む。それに加えて、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハの異なる部分で検出された欠陥の故障確率属性値を決定することを含む。欠陥に対する故障確率値は、本明細書でさらに説明されるように欠陥に対応する検査データの設計データ空間位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて決定される。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置に基づいて設計データ空間におけるウェハ上で検出された欠陥の位置の座標を決定することと、設計データに対するフロア・プランに基づいて欠陥の位置の座標を設計セル座標に変換することとを含む。このように、欠陥座標は、チップ設計のフロア・プランに基づいて設計セル座標に変換される。このような一実施形態では、この方法は、オーバーレイ公差を使用して欠陥の周囲の異なる領域を決定することと、1つ又は複数のセル・タイプに対する領域を使用して欠陥リピータ解析を実行し、1つ又は複数のセル・タイプが系統的欠陥セル・タイプであるかどうかを判定し、また系統的欠陥セル・タイプ内の1つの又は複数の系統的欠陥ジオメトリの1つ又は複数の配置を決定することとを含む。このように、この方法は、リピータ分析にセル・ベース座標を使用することを含む。特に、欠陥リピータ分析は、オーバーレイ公差を使用して実行され(例えば、それぞれの欠陥を囲む2次元領域を定義する)、セル・タイプ毎に、系統的欠陥のあるセル・タイプの有無を判定し、セル内の系統的欠陥のあるジオメトリの配置を決定することができる。それに加えて、この方法は、セル・コンテキストに基づいて欠陥のセル・ベースのビン範囲によるグループ分けを含む。このようなビン範囲に従って分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。このような一実施形態では、この方法は、系統的欠陥セル・タイプの近くに配置されているセル、ジオメトリ、又はそれらの何らかの組合せに対する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて空間的系統的欠陥が系統的欠陥セル・タイプ内に生じるかどうかを判定することを含む。このように、空間的系統的欠陥のあるセルの設計コンテキスト(セル又はジオメトリを囲む)を属性として使用し、空間的系統的欠陥の出現をさらに特徴付けることができる。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて、ステップ26に示されているように、ビン範囲に従って欠陥(例えば、欠陥の全部又は一部)をグループ分けすることを含む。例えば、本明細書で説明されているように、設計データ空間における欠陥の位置は、設計データ空間における検査データの位置から決定される。次いで、ビン範囲に従って欠陥を分けるために使用される設計データの1つ又は複数の属性は、設計データ空間における欠陥の位置に基づいて決定される。この実施形態で使用される設計データの1つ又は複数の属性は、恐らくは他の検査結果(例えば、統合欠陥オーガナイザー(iDO)の結果及び統合自動欠陥分類(iADC)の結果)と組み合わせて設計データに関連する値などの本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性(例えば、歩留まり影響)を含む。それに加えて、設計データ空間における欠陥の位置に関連する設計データの1つ又は複数の属性をコンテキスト・マップから決定することができる。このように、この方法は、ウェハ検査時に検出された欠陥にコンテキスト・マップを適用し欠陥をコンテキストにソートすることを含む。
したがって、本明細書で説明されている方法は、ウェハ検査のためコンテキスト・ベースのバックグラウンドでビン範囲に従って分けることを含む。例えば、上述のように、この方法では、コンテキスト・マップを使用してコンテキストで欠陥をビン範囲に従って分けることができる。このような一例では、ニュイサンス・フィルタリングの後に残る欠陥は、コンテキスト又は上で説明されている他の情報によりソートされ、それにより、ランダム欠陥ではない系統的欠陥である欠陥を識別することができる。コンテキストは、さらに、ビン範囲に従って分けてソートする欠陥に関連する他のイメージ導出属性と併用される。
さらに、これらの欠陥は、欠陥の予想電気的パラメータ及び/又は設計データ空間における欠陥位置に近接するデバイス・フィーチャの予想電気的パラメータに基づいてビン範囲に従って分けられる。欠陥及びデバイス・フィーチャの予想電気的パラメータは、前の電気的試験、欠陥の電気的パラメータのシミュレーション、欠陥のレビュー、又はそれらの何らかの組合せに基づいて決定される。それに加えて、1つ又は複数の欠陥に対する障害シミュレーションは、設計データ空間における(複数の)欠陥の位置及び/又はビン範囲に従って(複数の)欠陥が分けられるグループに基づく。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、設計データが印刷されるレチクルについて取り込まれるレチクル検査データの1つ又は複数の属性に基づいて、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを含む。このように、レチクル検査データを、ビン範囲によるグループ分けの属性として使用することができる。特に、レチクル検査データ属性は、ウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分ける際に使用される。この実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。レチクル検査データの1つ又は複数の属性は、レチクル上で検出された欠陥、レチクル空間におけるレチクル上で検出された欠陥の位置、レチクル上で検出された欠陥の1つ又は複数の属性、レチクル上に印刷される設計データの1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せなどのレチクル検査データの属性を含む。
レチクル上で検出された欠陥の1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)欠陥属性を含む。それに加えて、レチクル上に印刷される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)設計データ属性のどれかを含む。
レチクル検査データの(複数の)属性は、本明細書で説明されている方法及びシステムの実施形態により(例えば、レチクル検査システムの出力を使用することにより)好適な方法で決定される。それとは別に、又はそれに加えて、レチクル検査データの(複数の)属性を、本明細書で説明されている方法及びシステムの実施形態により、(複数の)属性が格納されている記憶媒体及び/又は(複数の)属性を決定したレチクル検査システムから取り込むことができる。
レチクル検査データの1つ又は複数の属性に少なくとも一部は基づいてビン範囲に従って欠陥を分けることを用いて、欠陥がレチクル上の欠陥により引き起こされたかどうか、ウェハ上の欠陥の原因となったレチクル欠陥の1つ又は複数の属性、ウェハ上の欠陥の原因となった可能性のある、レチクル上に印刷される設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥を分離することができる。そのようにして、ビン範囲に従って分けた結果は、欠陥の原因及び/又はレチクルが欠陥及び/又はウェハ上に印刷される設計データにどのような影響を及ぼすかに関する追加の情報を与える。このようなビン範囲に従って分けた結果は、レチクル製造プロセスの1つ又は複数のパラメータ、レチクル検査プロセスの1つ又は複数のパラメータ、レチクル欠陥レビュー・プロセスの1つ又は複数のパラメータ、レチクル修復プロセスの1つ又は複数のパラメータ、他のレチクル又は設計関係プロセスの1つ又は複数のパラメータ、本明細書で説明されている他のプロセスの1つ又は複数のパラメータ、又はその何らかの組合せを変更するために有利に使用される。また、この実施形態においてビン範囲に従って欠陥を分けることは、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、レチクル検査データの1つ又は複数の属性、本明細書で説明されている他の情報に基づいて実行される。
他の一実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、検査データの1つ又は複数の属性に基づいて、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを含む。このように、検査データから導き出される1つ又は複数の属性を、ビン範囲によるグループ分けの計算で使用することができる。この実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。それに加えて、ビン範囲によるグループ分けに使用される検査データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている検査データの(複数の)属性のどれかを含む。この実施形態では、本明細書で説明されている他の情報を使用して、ビン範囲に従って欠陥を分けることもできる。この実施形態においてビン範囲に従って分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
追加の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、検査データの1つ又は複数の属性、設計データが印刷されるレチクルについて取り込まれるレチクル検査データの1つ又は複数の属性に基づいて、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを含む。このように、レチクル検査データを、ビン範囲によるグループ分けの属性として使用することができる。特に、レチクル検査データ属性は、ウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分ける際に使用される。この実施形態でビン範囲によるグループ分けに使用される設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性を含む。この実施形態におけるビン範囲によるグループ分けに使用される検査データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている検査データの(複数の)属性のどれかを含む。この実施形態におけるビン範囲によるグループ分けに使用されるレチクル検査データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されているレチクル検査データの(複数の)属性のどれかを含む。この実施形態においてビン範囲に従って分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、この実施形態のビン範囲に従って分けた結果は、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを実行するために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、検査データの1つ又は複数の属性、及びウェハの検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はそれらの何らかの組合せに対し、設計データ、異なる設計データ、又はそれらの何らかの組合せについて、そのウェハ、他の複数のウェハ、又はそれらの何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性に基づいて、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを含む。このように、同じ又は異なるウェハ、同じ又は異なる設計、同じ又は異なるプロセス層についてすでに集められている検査データから決定される属性をビン範囲によるグループ分けの計算に含めることができる。すでに集められている検査データは、データ構造体に格納されるか、又は本明細書で説明されているように構成される、知識ベースに格納される。このように、すでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性は、累積学習データ、履歴データ、又はデータの訓練集合から決定される。この実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。それに加えて、ビン範囲によるグループ分けに使用される検査データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている検査データの(複数の)属性のどれかを含む。この実施形態では、本明細書で説明されている他の情報を使用して、ビン範囲に従って欠陥を分けることもできる。この実施形態においてビン範囲に従って分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
上述の実施形態のどれかにおいて、ビン範囲に従って分けることは、オンツール、オフツール、又はその何らかの組合せで実行される。
追加の実施形態では、この方法は、恐らくは他の検査結果(例えば、iDO結果及びiADC結果)と組み合わせた設計データに関連する歩留まりの影響など設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、図28に示されているように、レビューのため欠陥の少なくとも一部を選択することを含む。レビューのため欠陥を選択するのに使用される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性を含む。それに加えて、設計データ空間における検査データの位置は、本明細書で説明されているような欠陥に対応する設計データの(複数の)属性を決定するために使用される、本明細書で説明されているような設計データ空間における欠陥の位置を決定するために使用される。このようないくつかの実施形態では、本明細書で説明されているようにニュイサンス欠陥をフィルタリングして、ウェハ上で検出された他の欠陥から分離し、DOI(又は非ニュイサンス欠陥)のみをレビュー又はさらなる分析のために保持することができる。他の実施形態では、欠陥リストと識別されたホット・スポット、欠陥とホット・スポットの分類、設計コンテキストを使用して、監視フェーズにおけるレビュー・サンプリング(サブサンプリングを含んでいてもよい)を改善することができ、これは、オンツールで、又はオフツールで後処理の際に実行される。
他の実施形態では、レビューのため欠陥を選択することは、ビン範囲に従って分けた結果に応じて実行される。例えば、あるグループの欠陥は、レビューのため選択されるが、他のグループの欠陥は、レビューのため選択されない。他の例では、欠陥のあるグループは、他のグループに比べて重いサンプリングとなる(つまり、あるグループからの欠陥がレビューのため多く選択される)。サンプリングされる欠陥のグループとそれらのグループがサンプリングされる程度は、例えば、グループのそれぞれに関連付けられている設計の1つ又は複数の属性、あるいは欠陥のグループに関連付けられている本明細書で説明されている他の情報に基づいて決定される。レビューのため欠陥を選択することは、さらに、欠陥又は欠陥ビンに関連付けられた歩留まり関連性に応じて実行される。例えば、欠陥の母集団をランダム欠陥と系統的欠陥とに分割することができ、異なるサンプル・プランを異なる欠陥タイプのそれぞれについて使用することができる。このように、異なるタイプの欠陥に対するサンプリング戦略は、劇的に異なりうる。
いくつかの実施形態では、この方法は、レビューのため欠陥の少なくとも一部を選択することを含み、これは、設計データの1つ又は複数の属性の異なる値を有する設計データ空間における設計データのそれぞれの部分において位置特定される少なくとも1つの欠陥を含む。このように、設計データのそれぞれの異なる部分における欠陥は、レビューのためサンプリングされる。例えば、それぞれの欠陥のコンテキストを使用して、レビューのため欠陥をソートし(例えば、コンテキストのクリティカル度により)、欠陥が検出されるすべてのコンテキストがレビュー・サンプルに表されることを保証するレビュー・サンプルを生成する。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて、ステップ30に示されているように、欠陥がレビューされる順序を決定することを含む。例えば、この方法は、コンテキスト・マップを使用し、オフライン・レビュー(例えば、光学又はSEMレビュー)の優先度に基づいて欠陥をソートすることを含む。それぞれの欠陥のコンテキストは、系統的欠陥と潜在的系統的欠陥に、他の欠陥タイプよりも高い優先度が与えられるようにレビューの欠陥をソートする(例えば、コンテキストのクリティカル度により)ために使用される。
ウェハ上のダイを横切るサンプル点で検査データ・ストリームを所定のアライメント部位(GDSデータベースからのレンダリングされたイメージなど)にアラインさせて、ウェハ上のすべての点で検査データのサブピクセル・アライメントを行う方法には、多数の利点がある。例えば、生データ・ストリームは、設計データに実質的に正確にアラインされるため、設計データ空間における欠陥位置は、サブピクセル精度(例えば、現在達成可能な100nm以下の精度と1000nmの精度)で決定される。実質的に高い精度の欠陥位置であれば、任意の後続のレビュー・プロセスの精度を大幅に高め、またSEM又はFIBシステムなどの欠陥レビュー・システム上で欠陥の位置を特定し、画像処理し、分析することができる速度を増大することができる。それに加えて、欠陥に関連付けられているコンテキスト情報は、HRDCフェーズにおいて使用されるが、これは、第2パス・レビューで検査システム上で、又はSEM又は光学レビュー・ステーション上でオフラインにより実行される。このような情報は、さらに、欠陥を自動的に又は手動で位置特定するのを補助できる欠陥に関する任意の他の局所的コンテキスト情報に加えて自動欠陥位置特定(ADL)システムなどの他のシステムに供給されるか、又はそのようなシステムにより取り込まれる。それに加えて、レビュー・システムは、この情報を使用して、測定パラメータの下で、そのシステムとそのウェハに適した論理座標から物理座標への変換を生成することができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハの異なる部分について取り込まれた検査システムの1つ又は複数の検出器から出力の1つ又は複数の所定の属性を抽出することを含む。このように、この方法は、設計データ空間における検査データの位置と設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に基づいて検査データ領域(例えば、検査される領域の特定の部分集合)に対する所定の信号又はイメージ属性を抽出することを含む。1つ又は複数の検出器からの出力の抽出された(複数の)属性は、例えば、異なる部分のピクセルに対する信号又はイメージの輝度又は標準偏差を含む。それに加えて、ウェハは、パターン形成されたウェハであってよく、そのウェハ上で設計データに対応するパターンが印刷される。したがって、出力の(複数の)属性は、ウェハ上に形成されたパターンに対応する出力に関する知識に基づいて抽出される。それに加えて、ウェハ上に形成されたパターンの構造に関する情報は、1つ又は複数の検出器の出力から抽出される。
(複数の)検出器の出力の抽出された(複数の)属性を使用して、ウェハの異なる部分にわたる(複数の)属性のイメージを生成することができる。このように、この方法は、ウェハの表面の「設計を意識したイメージ」を生成することを含む。これらのイメージは、計量により決定されるウェハの属性などのウェハの1つ又は複数の属性を決定するために使用される。このように、検査システムは、設計データ又は設計データに対するレイアウトに基づいて実質的に正確に定義された配置の1つ又は複数の検出器から出力(信号など)の(複数の)属性を抽出することにより計量ツールのように使用される。したがって、この実施形態では、ウェハの異なる部分を本質的に計量部位として取り扱うことができる。それに加えて、検査システムの1つ又は複数の検出器の出力の1つ又は複数の抽出された所定の属性を使用して、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、2006年2月9日に出願された共通出願のKirkらの米国特許出願第60/772,418号で説明されているステップなどの1つ又は複数のステップを実行することができる。
この実施形態で使用される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。このような一実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、ウェハの検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はそれらの何らかの組合せに対し、設計データ、異なる設計データ、又はそれらの何らかの組合せについて、そのウェハ、他の複数のウェハ、又はそれらの何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性に基づいて選択される。このように、この実施形態で使用される設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性は、同じ又は異なるプロセス層で同じ又は異なる設計に対する同じウェハ又は異なるウェハからすでに集められている検査データの属性との相関に基づいて選択される。すでに集められている検査データは、データ構造体に格納されるか、又は本明細書で説明されているように構成される、知識ベースに格納される。このように、設計データの1つ又は複数の属性は、累積学習、履歴データ、又はデータの訓練集合に基づいてこの実施形態において選択される。
他の実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置、設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性、検査データの1つ又は複数の属性に基づいてウェハの異なる部分について取り込まれた検査システムの1つ又は複数の検出器から出力の1つ又は複数の所定の属性を抽出することを含む。この実施形態で使用される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。それに加えて、検査データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている検査データの(複数の)属性のどれかを含む。例えば、一実施形態では、検査データの1つ又は複数の属性は、異なる部分で1つ又は複数の欠陥が検出された場合に、1つ又は複数のイメージ・ノイズ属性、又はそれらの何らかの組合せを含む。このように、検査データの1つ又は複数の属性は、限定はしないが、イメージ・ノイズ特性、及び/又は検査データ領域における欠陥の検出/無検出を含む。出力の1つ又は複数の所定の属性を抽出することは、さらに、本明細書で説明されているように実行される。それに加えて、出力の抽出された(複数の)属性は、本明細書でさらに説明されているように使用される。
上述の方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述の方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムにより実行される。
図15は、設計データ空間における検査データの位置を決定するためのコンピュータ実施方法の他の実施形態を例示している。図15に示されているステップは、方法の実施に本質的ではないことに留意されたい。1つ又は複数のステップを図15に例示されている方法から省いたり、又は追加したりすることができ、又はこの方法は、そのまま、この実施形態の範囲内で実施される。
図15に示されている方法は、一般的にCBIに使用される。この実施形態では、データ準備フェーズ42は、データベース44を生成することを含む。データベース44は、設計データのCADレイアウト及びその設計データの1つ又は複数のコンテキスト層を含む。データベース44は、当業界で知られている好適な構成を有し、本明細書で説明されている他のデータ又は情報を含む。それに加えて、データベース44内のデータは、他の好適なデータ構造体に格納される。データベース44は、ソフトウェア46により、GDSIIファイル48と(複数の)コンテキスト層50を入力として使用して生成される。
ソフトウェア46は、当業界で知られている適切なソフトウェアであればどのようなものでもよい。一般に、ソフトウェアは、GDSIIファイルと(複数の)コンテキスト層を使用してデータベースを生成するためにプロセッサ(図15には示されていないが、本明細書でさらに説明されているように構成される)上で実行可能なプログラム命令(図15に示されていない)として構成される。(複数の)コンテキスト層50は、当業界で知られている方法で取り込まれるか、又は生成され、本明細書で説明されているコンテキスト情報又はデータを含む。それに加えて、GDSIIファイル48は、設計データが格納される他の好適なデータ構造体で置き換えられる。
図15に示されている方法は、レシピー・セットアップ・フェーズ52も含む。レシピー・セットアップ・フェーズ52は、アライメント情報56を決定するために実行されるステップ54を含む。ステップ54は、ウェハ上のダイをスキャンすることを含み、本明細書でさらに説明されているように構成された検査システムにより実行される。ステップ54は、さらに、ウェハをスキャンすることにより取り込まれるデータを使用してウェハ上のアライメント部位を選択することも含む。ウェハ上のアライメント部位は、本明細書で説明されているように選択される。それに加えて、ウェハ上のアライメント部位は、検査スワス・レイアウト情報58と本明細書でさらに説明されているような他の好適な情報に基づいて選択される。検査スワス・レイアウト情報は、本明細書で説明されているスワス情報を含み、本明細書で説明されているように決定される。ウェハ上のアライメント部位の選択は、本明細書でさらに説明されているように自動的に、又は半自動的に(又はユーザー補助の下で)、又は手動で実行される。
ステップ54は、データベース44のCADレイアウト情報からウェハ上のアライメント部位に対応してイメージをレンダリングするか、又は他の好適なデータを取り込むことを含むこともできる。例えば、ステップ54は、ウェハ上の選択されたアライメント部位に対応するCADパッチ60を使用して、ウェハ上のアライメント部位にアラインさせることができる、いくつかのフィーチャの重心など、好適なデータ又はイメージをレンダリングするか、又は幾何学的フィーチャ属性の値を計算することを含む。ステップ54は、さらに、ウェハ上のアライメント部位からCADレイアウト情報から得た情報への(x,y)マッピングを計算することを含む。アライメント情報56は、所定のアライメント部位に対するデータと設計データ空間における所定のアライメント部位の(x,y)位置を含む。
図15に示されている方法は、ウェハ検査フェーズ62も含む。ウェハ検査フェーズ62は、初期化フェーズ64と実行フェーズ66を含む。ステップ68に示されているような初期化フェーズ64において、この方法は、所定のアライメント部位に対するデータと、設計データ空間における所定のアライメント部位の(x,y)位置とを含むアライメント情報56をプリロードすることを含む。ステップ70に示されているように、初期化フェーズは、さらに、データベース44から(複数の)コンテキスト層72をプリロードすることも含む。初期化フェーズは、さらに、ステップ74に示されているように、所定のアライメント部位に対するデータをポリゴンからピクセルにレンダリングすることを適宜含むが、これは明細書で説明されているように実行される。コンテキスト層72は、本明細書で説明されているコンテキスト情報を含む。
実行フェーズ66では、この方法は、ステップ76に示されているような検査データの設計データ空間へのアライメントとマッピングを実行することを含む。このステップは、ウェハの検査時に実行される。アライメントとマッピングは、本明細書でさらに説明されているように実行される。実行フェーズは、さらに、ステップ78に示されているように、コンテキスト・マップにマッピングを適用することを含む。コンテキスト・データは、さらに本明細書で説明されているようにマッピングされる。実行フェーズは、さらに、ステップ80に示されているように、欠陥検出時にコンテキスト・マップを検査データに適用することを含むが、これは明細書で説明されているように実行される。それに加えて、実行フェーズは、さらに、ステップ82に示されているように、欠陥座標をコンテキスト・マップにマッピングすることを含むが、これは明細書で説明されているように実行される。実行フェーズは、さらに、追加のステップ84を含み、これは、検出された欠陥をコンテキストによりフィルタリングすること、欠陥を分類すること、レビュー・サンプルを生成すること、本明細書で説明されている他のステップ、又はその何らかの組合せを含む。追加のステップ84はそれぞれ、本明細書でさらに説明されているように実行される。
図15に示されている方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、図15に示されている方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムにより実行される。
本明細書で説明されているような方法を実行するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、又はキャリア媒体上に格納される。キャリア媒体は、有線、ケーブル、又は無線伝送リンクなどの伝送媒体としてよい。キャリア媒体は、さらに、読み取り専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気若しくは光ディスク、又は磁気テープなどの記憶媒体としてもよい。
図16は、設計データ空間における検査データの位置を決定するように構成されたシステムのさまざまな実施形態を例示している。一実施形態では、システムは、設計データ(図16に示されていない)を収めた記憶媒体86を備える。記憶媒体86は、さらに、本明細書で説明されている他のデータと情報も収めることができる。記憶媒体は、上述の記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体のどれかを含む。この実施形態では、システムは、さらに、記憶媒体86に結合されたプロセッサ88も備える。プロセッサ88は、当業界で知られている方法で記憶媒体に結合される。この実施形態では、システムは、プロセス、検査、計量、レビュー、又は他のツールの一部をなさないスタンドアロン型システムとして構成される。このような実施形態では、プロセッサ88は、「有線」及び/又は「無線」部分を備えることができる伝送媒体により他のシステムからデータ(例えば、検査システムからの検査データ)を受信及び/又は取り組むように構成される。
このように、伝送媒体は、プロセッサと他のシステムとの間のデータ・リンクとして使用される。それに加えて、プロセッサ88は、伝送媒体を介して他のシステムにデータを送信することができる。このようなデータは、例えば、設計データ、コンテキスト・データ、本明細書で説明されている方法の結果、検査レシピー又は他のレシピー、又はその何らかの組合せを含む。
プロセッサ88は、パーソナル・コンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、ワークステーション、画像処理用コンピュータ、並列プロセッサ、又は当業界で知られている他のデバイスを含む、さまざまな形態を取りうる。一般に、「コンピュータ・システム」という用語は、メモリ媒体から命令を実行する1つ又は複数のプロセッサを有するデバイスを含むように広い意味で定義される。
しかし、他の実施形態では、システムは、検査システム90を含む。検査システム90は、ウェハ92上のアライメント部位に対するデータとウェハに対する検査データを取り込むように構成される。検査システムを含むシステムの実施形態では、プロセッサ88は、当業界で知られている方法により検査システムに結合される。例えば、プロセッサ88は、プロセッサがウェハ上のアライメント部位に対するデータと検出器により生成される検査データを受け取るように検査システム90の検出器94に結合される。それに加えて、プロセッサは、イメージ・データや信号などの検出器の他の出力を受け取ることができる。さらに、検査システムが複数の検出器を備えている場合、プロセッサは、上述のようにそれぞれの検出器に結合される。
プロセッサ88は、ウェハ上のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせるように構成される。プロセッサは、本明細書で説明されている実施形態によりデータをアラインさせるように構成される。プロセッサ88は、さらに、設計データ空間における所定のアライメント部位の位置に基づいて設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置を決定するように構成される。プロセッサは、本明細書で説明されている実施形態により設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置を決定するように構成される。それに加えて、プロセッサ88は、設計データ空間におけるウェハ上のアライメント部位の位置に基づいて設計データ空間における検査システムによりそのウェハについて取り込まれた検査データの位置を決定するように構成される。プロセッサは、本明細書で説明されている実施形態により設計データ空間における検査データの位置を決定するように構成される。プロセッサは、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを実行するように構成される。
一実施形態では、検査システム90は、光源96を備える。源96は、当業界で知られている適切な光源であればどのようなものでもよい。光源96は、光をビーム・スプリッタ98に当てるように構成される。ビーム・スプリッタ98は、光源96から光を実質的に法線方向の入射角でウェハ92に入射するように構成される。ビーム・スプリッタ98は、当業界で知られている適切な光学コンポーネントを備える。ウェハ92から反射された光は、ビーム・スプリッタ98を通って検出器94に到達する。検出器94は、当業界で知られている適切な検出器であればどのようなものでもよい。検出器94により生成される出力を使用して、ウェハ92上の欠陥を検出する。例えば、プロセッサ88は、検出器により生成される出力を使用してウェハ92上の欠陥を検出するように構成される。プロセッサは、当業界で知られている方法及び/又はアルゴリズムを使用してウェハ上の欠陥を検出することができる。検査時に、ウェハ92をステージ100上に配置する。ステージ100は、当業界で知られている適切な機械的及び/又はロボット・アセンブリを備えることができる。図16に示されている検出システムは、当業界で知られている他の好適なコンポーネント(図に示されていない)を備えることもできる。
図16に示されているように、検査システムは、ウェハから正反射された光を検出するように構成される。このように、図16に示されている検査システムは、BF検査システムとして構成される。しかし、検査システムは、DF検査システム、EC検査システム、アパーチャ・モード検査システム、又は当業界で知られている他の光学検査システムとして構成される検査システムで置き換えられる。それに加えて、検査システムは、1つ又は複数の検査モードを実行するように構成される。例えば、図16に示されている検査システムは、光がウェハに入射する入射角及び/又は光がウェハから集光される角度を変更することによりDF検査を実行するように構成される。他の例では、検査システムは、アパーチャなどの1つ又は複数の光学コンポーネント(図に示されていない)が照射路及び集光路内に位置決めされ、検査システムがECモードの検査及び/又はアパーチャ・モードの検査を実行できるように構成される。
さらに、図16に示されている光学検査システムは、KLA−Tencorから入手できる2360、2365、2371、23xxシステムなどの市販の検査システムを含む。他の実施形態では、図16に示されている光学検査システムは、電子ビーム検査システムで置き換えられる。図16のシステムに含めることができる市販の電子ビーム検査システムの例としては、KLA−TencorのeS25、eS30、eS31システムがある。図16に示されているシステムの実施形態は、さらに、本明細書で説明されているように構成される。それに加えて、システムは、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを実行するように構成される。図16に示されているシステムの実施形態は、上述の方法の実施形態のすべての利点を有する。
上述の方法及びシステムは、一般に、ウェハ上のアライメント部位について取り込まれたデータ(例えば、BFパッチ・イメージ)を所定のアライメント部位に対するデータ(例えば、GDSIIファイルから導き出されるイメージ)にアラインさせることにより検査データと設計データとのアライメントを実行する。本明細書で説明されている追加の方法及びシステムでは、一般に検査データと設計データとの間のアライメントを実行し、統計技術などの技術を使用して異なる欠陥の間の類似性を判定する(例えば、パッチ・イメージ又はSEMイメージを使用せずに)。
本明細書で説明されている実施形態は、コンテキスト・ベースのセットアップ、検査、ビン範囲によるグループ分け、レビュー、測定、試験、分析、又はその何らかの組合せに使用される。これらの実施形態で使用されるコンテキストは、設計データベース又はファイル(例えば、GDSファイル、OASISファイル、Open Accessファイル、ネット・リストなど)のデータ構造体に格納されている設計データ又は設計に関する情報、プロセス・シミュレーション結果、電気的シミュレーション結果、注目するパターン(POI)、ホット・スポット情報(例えば、OPC、電気的試験結果、検査結果)、プロセス・ツール・データ(生産中の未完成品)、又はそれらの何らかの組合せを含む。それに加えて、これらの実施形態は、本明細書で説明されている実施形態により生み出される結果に基づいて1つ又は複数の欠陥及び/又は欠陥の1つ又は複数のグループの歩留まり影響を予測することを含む。歩留まり影響を予測することは、本明細書でさらに説明されているように実行される。さらに、本明細書で説明されている実施形態は、処置可能な歩留まり関連情報を比較的迅速に提供するために都合よく使用される。
本明細書で説明されている実施形態を使用して、欠陥配置座標を不正確に決定する検査システムにより検出された欠陥をグループ化することができる(つまり、本当の欠陥は、報告されている座標の近くに配置される可能性があるが、正確には報告された座標ではない)。例えば、本明細書で説明されている方法及びシステムは、パターンを互いにアラインさせようとして検査システムにより報告された欠陥座標が完全に正確であるわけではない場合でも欠陥のグループ化を改善することにより報告された欠陥位置に近接するものに少なくとも類似しているパターンを探索するために使用される。他の場合には、報告された欠陥配置の近くで取り込まれた検査イメージ又はレビュー・イメージ(例えば、SEMイメージ)を設計データと比較するか、又は設計データにオーバーレイして、ウェハ空間における欠陥の実際の配置(検査により報告された欠陥の配置とは反対に)及び欠陥位置の近くにおける設計データの正確な表現を決定することができる。少なくとも類似しているパターンのすべてのインスタンスを設計データ(パターンの回転された、フリップされた、又は他の何らかの形で歪んでいるインスタンスを含む)において識別し、ビン範囲に従ってパターン・グループに分けることができる。次いで、上述のように決定されたウェハ空間における実際の欠陥位置をパターン・グループに対する配置と比較し、所定の公差範囲内のパターン・グループに対する場所に配置されている欠陥をビン範囲によってグループ分けるすることができる。欠陥のこのようなグループ化は、オンツール又はオフツールで実行され、本明細書で説明されている方法の実行効率を改善することができる(例えば、検査により報告される欠陥配置座標に対し座標の不正確さがある場合に探索範囲を縮小する)。特に、座標の不正確さがある場合、報告された検査座標に基づいて決定されたソース・パターンは、近似的ソース・パターンである(パターンが孤立していたり、欠陥の座標がたまたま実質的に正確であったりすることがない限り)。もちろん、本明細書で説明されている実施形態は、非常に正確な検査システムにより生成される検査結果とともに使用される。
一実施形態は、ウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分けるコンピュータ実施方法に関係する。一般に、本明細書で説明されている方法では、欠陥の母集団は、ソース欠陥を選択し、設計データ空間におけるソース欠陥の位置に近接する設計データ(「ソース設計データ」)をターゲット欠陥(例えば、欠陥母集団の全部又は一部)の設計データ空間における位置に近接する設計データ(「ターゲット設定データ」)と比較し、比較された設計データの間に一致又は少なくとも類似性がある場合に、ターゲット欠陥をソース欠陥グループに割り当てることにより設計データ(例えば、GDS設計データ)に基づいてグループ化される。この比較は、ソース設計データとターゲット設計データとの直接的な比較に基づく。それに加えて、この比較は、ソース欠陥とターゲット欠陥の設計データ空間における位置の間にわずかな座標の不正確さが補正された後に、実行される。さらに、この比較は、ソース欠陥位置とターゲット欠陥位置における座標の不正確さの原因となるターゲット設計データにおけるソース設計データを探索することを含む。アライメント及び/又は探索は、本明細書で説明されているように実行されるサブピクセル・アライメント技術を使用することにより改善される。さらに、ソース設計データとターゲット設計データとを比較することは、ソース設計データとターゲット設計データとの間に正確な位置があるか、又はソース設計データとターゲット設計データとの間に類似しているが、正確でない一致があるかどうかを判定するために実行される。上述のステップはそれぞれ、本明細書で説明されているようにさらに実行される。
ターゲット欠陥母集団がソース欠陥に関して試験された後、次のソース欠陥が選択される。まだグループ化されていない欠陥が、次のソース欠陥として選択される。上記のステップは、すべての欠陥がグループ化される(か、又は少なくとも試験される)まで繰り返される。本明細書で説明されている方法において使用される欠陥母集団は、ウェハ上で検出されたすべての欠陥、複数のウェハ上で検出されたすべての欠陥、又は1つ又は複数のウェハ上で検出された欠陥の部分集合(例えば、1つ又は複数のウェハ上で検出され、ホット・スポットの近くにあると識別された欠陥)を含む。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、欠陥母集団全体について、又は欠陥母集団全体における欠陥の部分集合について実行される(これは、ロジック、メモリなどの設計機能ブロックに基づいて選択される)。ビン範囲によるグループ分けは、自動単一パス又はマルチパス・グループ化として実行される。
この方法は、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分同士を比較することを含む。例えば、図17に示されているように、この方法は、設計データ空間106における欠陥104の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分102と設計データ空間106における欠陥110の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分108とを比較することを含む。欠陥104は、本明細書では「ソース欠陥」と呼ばれ、欠陥110は、本明細書では「ターゲット欠陥」と呼ばれる。設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データは、欠陥に対するバックグラウンド・パターン・データ又はバックグラウンド情報を定める。
図17に示されているように、部分102は、欠陥104よりも大きい。部分102の寸法(x方向とy方向)は、ユーザーによって選択される。それに加えて、部分108は、欠陥110よりも大きい。部分108の寸法も、ユーザーによって選択される。部分108の寸法は、典型的には、本明細書でさらに説明されるように部分102の寸法よりも大きい。それとは別に、それらの部分の寸法は、本明細書で説明されているコンピュータ実施方法により選択される(例えば、自動的に)。
一実施形態では、これらの部分の寸法(x方向とy方向)は、少なくとも一部は、欠陥を検出するために使用される検査システムにより報告された欠陥の位置、検査システムの座標の不正確さ、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥サイズ、検査システムの欠陥サイズ誤差、又はそれらの何らかの組合せに基づいて決定される。例えば、この方法は、報告された欠陥配置を中心とする設計データの一部(つまり、「パターン・ウィンドウ」)を定めることを含む。パターン・ウィンドウは、欠陥の寸法より大きい幅と高さを有し、座標の不正確さによる欠陥位置の誤差を説明するように選択される。例えば、検査システムにより報告される欠陥配置の座標が約±3μmの精度である場合、パターン・ウィンドウは、約6μm×約6μmの全最小サイズに対し報告された欠陥配置のx及びy座標からすべての方向に少なくとも3μmを含むように定義される。このように、検査システムの座標精度がよいほど、パターン・ウィンドウが小さく、その結果グループ化は高速になり、より正確になる。パターン・ウィンドウの寸法は、さらに、パターン・ウィンドウが設計データにおける十分な数のフィーチャなどの「十分な」量のバックグラウンド・パターン・データを含むように選択される。それに加えて、パターン・ウィンドウ内の設計データがクリップと比較される場合、パターン・ウィンドウの寸法は、パターン・ウィンドウがクリップに部分的にしか含まれないポリゴン全体を含むように選択される。
本明細書で説明されている方法で使用される設計データの部分は、設計データ空間における欠陥の位置の周りで取られた設計のクリップを含む。「クリップ」という用語は、一般に、欠陥の周りの設計データの領域として定義され、欠陥の近傍であるとみなせる。ポリゴンは、クリップ内にパターンを定めるが、ポリゴンは、部分的にクリップを越えて拡大できる。複数の欠陥のうちのいくつかについて本明細書で説明されている方法で使用されるクリップは、1つ又は複数の異なる寸法をとりうる。しかし、本明細書で説明される方法で使用される設計データの部分は、欠陥が配置されている可能性のある一定範囲の位置の周りの拡張バウンディング・ボックス(EBB)内の設計データを含む。EBBは、欠陥及び欠陥サイズ(及び恐らくは検査システムの欠陥サイズ誤差)を検出するために使用される検査システムの座標精度に基づいて選択される。例えば、検査の座標精度が高まると、EBBの寸法は縮小される。EBBが小さいほど、その中の欠陥の位置は、大きなEBBに比べてより正確に判定され、EBB内の欠陥のより正確な位置を使用して欠陥の1つ又は複数の属性(例えば、設計におけるポリゴンに関する欠陥の位置、欠陥の分類、欠陥の根本原因)をより高い精度で決定することができるため、EBBは小さいほうが好ましい。それに加えて、複数の欠陥の少なくともいくつかに使用されるEBBの1つ又は複数の寸法は、異なっていてもよい。EBBは、一般に、クリップよりも小さく、欠陥が何に配置されている可能性があるかを表すことができる。
他の実施形態では、これらの部分の少なくとも一部の寸法は、異なる。例えば、図17に示されているように、部分108と欠陥110の寸法の差は、部分102と欠陥104の寸法の差よりも大きい。言い換えると、ターゲット欠陥の周りのターゲット部分の面積は、ソース欠陥の周りのソース部分の面積よりも大きい。このように、ターゲット部分は、ソース部分よりも設計データの多くを含む。
設計データのソース部分を設計データのターゲット部分の異なる領域と比較することができる。このように、この方法は、ターゲット部分の中の設計データのソース部分を探索することを含む。例えば、ソースとターゲット部分とのオーバーレイ112に示されているように、設計データのソース部分をターゲット部分の一方の領域と比較することができる。この比較の後、ターゲット部分の他方の領域における設計データを設計データのソース部分と比較できるように、ターゲット部分に関するソース部分の位置を変更する。このように、この方法は、一致が識別されるまで、又はターゲット部分のすべての領域がソース部分と比較されるまで、ターゲット部分において設計データのソース部分をあちこち「スライド」させることを含む。
設計データの部分同士を比較することは、比較のステップに利用できる情報を使って実行される。例えば、比較される設計データの部分は、GDSファイルなどのデータ構造体に格納された設計データの部分である。それに加えて、設計データの部分同士を比較することは、それらの部分におけるポリゴン同士を比較することを含む。他の実施形態では、この方法は、比較するステップの前に、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分をビットマップに変換することを含む。例えば、処理を高速化するために設計データの部分におけるポリゴンをビットマップに変換する。設計データの部分は、当業界で知られている好適な方法又はシステムを使用してビットマップに変換される。例えば、設計データの部分は、本明細書において全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、Neureutherらの米国特許第7,030,997号において説明されている方法又はシステムを使用してビットマップに変換される。このような一実施形態では、設計データの部分を比較するステップは、ビットマップ同士を比較することを含む。ビットマップ同士を比較することは、任意の適当な方法で実行される。それに加えて、設計データの部分同士を比較することは、それらの部分における設計データの1つ又は複数の属性を比較することを含む。比較される1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性を含む。
この方法は、さらに、比較するステップの結果に基づいてそれらの部分における設計データが少なくとも類似している(類似しているか、又はまったく同じである)かどうかを判定することも含む。それらの部分における設計データの1つ又は複数の属性が決定される場合、グループ化は、共通パターン類似性、共通の(複数の)属性の類似性、フィーチャ空間における共通の(複数の)属性の類似性、又はその何らかの組合せに基づく。例えば、一実施形態では、それらの部分における設計データが少なくとも類似しているかどうかを判定することは、それらの部分における設計データの中の共通パターンが少なくとも類似しているかどうかを判定することを含むが、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。他の実施形態では、それらの部分における設計データが少なくとも類似しているかどうかを判定することは、それらの部分における設計データの中の共通属性が少なくとも類似しているかどうかを判定することを含むが、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。追加の実施形態では、それらの部分における設計データが少なくとも類似しているかどうかを判定することは、それらの部分における設計データのフィーチャ空間における共通属性が少なくとも類似しているかどうかを判定することを含むが、これは、本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、この方法は、それらの部分における異なる領域がどれだけ類似しているかを判定することを含む。さらに、それらの部分における設計データは、互いにわずかにオフセットされるか、又はわずかに異なる設計ジオメトリを含む場合があるけれども、それらの部分は、著しい共通ジオメトリを含む場合に、互いに類似していると判定される。この方法は、設計データ空間におけるそれぞれの欠陥の位置に近接する設計データを設計データ空間における他のすべての欠陥の位置に近接する設計データと比較して、「バックグラウンド」パターンに基づいてどの欠陥が互いに類似しているかを判定することを含む。
それらの部分における設計データが、少なくとも類似しているかどうかを判定することは、好ましくは、欠陥が設計データ内の同じ位置に配置されているかどうかに基づいて実行されることはない。言い換えると、本明細書で説明されている方法により「バックグラウンド」に基づいてビン範囲によるグループ分けられた欠陥は、必ずしも、設計データにおけるパターン、フィーチャ、ポリゴン、又はジオメトリに関して同じ位置に配置されるとは限らない。設計データに関して欠陥の位置の一致に依存しないことにより、この方法は、ビン範囲に従って欠陥をより正確に分けることができる。例えば、2つの欠陥が、同じタイプのパターン内であるが、そのパターンの異なる位置に配置される。それに加えて、POI内の系統的欠陥は局在することがあるが、局在しない場合もある。しかし、このような欠陥は、同じパターン・ベースの問題が原因であるか、又はそれに関係する。したがって、設計データ内の実際の欠陥位置同士の類似性に依存することなくビン範囲に従って欠陥を分けることで、より正確にビン範囲に従って欠陥を分けることが可能になり、これを使用して、系統的問題のより正確な評価を行い、またこれらの系統的問題に基づいて歩留まりを予測し、制御することができる。設計データの部分が少なくとも類似しているかどうかを判定することは、適切なアルゴリズムを使用して実行される。したがって、この方法は、「類似性チェッカー」として使用される。ターゲット部分はターゲット部分に対し比較されるソース部分よりも大きい場合があるため、類似性チェッカーは、設計データ内の実際の欠陥位置の座標が不正確である場合に有利に使用される。
図17に示されている実施形態では、ソース部分全体が、ターゲット部分の異なる領域と比較される。いくつかの実施形態では、この方法は、それらの部分の少なくとも一部における設計データの全体を他の部分における設計データと比較することを含む。それに加えて、この方法は、設計データのソース部分の全体を設計データのターゲット部分の異なる領域と比較することを含む。その際、この方法は、設計データのソース部分全体に少なくとも類似している設計データに対するターゲット部分を探索することを含む。
この方法は、さらに、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置に近接する設計データの位置が少なくとも類似しているようにグループ分けすることを含む。このように、この方法は、設計データ及び/又は設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データのコンテキストに基づいて、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを含む。例えば、少なくとも類似しているか、又は一致する設計データの部分におけるポリゴンを使用して、教師なしの方法でビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることができる。それに加えて、ビン範囲に従って分けるステップは、少なくとも1つのグループの中の少なくとも2つの欠陥の位置に近接する設計データが少なくとも類似しているようにビン範囲に従って少なくとも2つの欠陥を少なくとも1つのグループに分けることを含む。さらに、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分のどれもが少なくとも類似していると判定されない希な場合に、この方法は、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けすることを行わない。
この方法は、さらに、ビン範囲に従ってグループ分けするステップの結果を記憶媒体に格納することを含む。ビン範囲に従って分けた結果は、本明細書で説明されている結果を含む。それに加えて、格納するステップは、本明細書で説明されている方法の実施形態のステップの他の結果に加えてビン範囲に従って分けるステップの結果を格納することを含む。結果は、当業界で知られている方法により格納される。それに加えて、記憶媒体としては、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体が考えられる。本明細書で説明されているような方法又はシステムの実施形態のどれかにおいて、結果が格納された後、記録媒体の中の結果にアクセスし、それらの結果を利用することができる。さらに、結果を、「永久的に」、「半永久的に」、一時的に、又は何らかの期間の間、格納しておくことができる。例えば、記憶媒体は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)とすることができ、ビン範囲に従って分けるステップの結果は、記憶媒体において必ずしも持続しえない。
設計データの部分が少なくとも類似しているかどうかを判定することは、比較のステップの結果を類似性に関する所定の基準と比較することを含む。例えば、比較するステップの結果をしきい値と比較することができる。それらの部分における設計データが少なくともこのしきい値だけ少なくとも類似している場合、この方法では、ビン範囲に従って欠陥をグループに分けることができる。他の例では、比較するステップの結果を「類似の割合」値と比較することができる。それらの部分における設計データが少なくともこの割合だけ少なくとも類似している場合、この方法では、ビン範囲に従って欠陥をグループに分けることができる。
いずれにせよ、この方法は、設計データの2つ又はそれ以上の部分(例えば、GDSパターン・クリップ)について類似性チェックが実行され、2つ又はそれ以上の部分における共通パターンが識別された場合に、ビン範囲に従って欠陥をグループに分けることを含む。それらの部分における設計データが少なくとも類似しているかどうかを判定することにより得られた結果は、ソース部分における設計データがターゲット部分に見つかるかどうかを示す指標を含む。それに加えて、共通ジオメトリの中心点は、系統的欠陥の近似的設計データ空間位置であるとみなせる。したがって、それぞれのグループの欠陥の設計データ空間位置の(x,y)座標は、それぞれのグループに対応するジオメトリの中心点に合わせて調節(変換)される。座標補正ベクトル(又は誤差ベクトル)は、欠陥の設計データ空間座標及びビン範囲に従って欠陥が分けられたグループに対応する共通ジオメトリの中心点に基づいてそれぞれのビン範囲により分けられた欠陥について決定される。欠陥位置の設計データ空間座標における全体的系統的不確定性(ウェハ空間と設計データ空間変換誤差プラス報告された座標における誤差)を決定するために、この方法は、統計的に有意な数の欠陥に対しそれらの変換又は誤差ベクトルの平均を決定することを含む。この方法は、さらに、誤差ベクトルのすべての標準偏差を決定することと、±1の標準偏差又は±3の標準偏差の内側に入るベクトルのみの平均を決定することを含む。このように、平均値を損なう可能性のある外れ値を計算から排除することができる。決定された平均値は、さらに、大域的補正値としても使用される。例えば、大域的補正値は、より正確なオーバーレイが後続のデータ処理ステップにおいて決定されるように設計データ変換に対するウェハ空間により決定された欠陥位置の追加の設計データ空間座標に適用される。
決定するステップの結果は、さらに、ターゲット部分と少なくとも類似する設計データが見つかったターゲット部分内のソース部分の位置との間のx及びyオフセットを含む。
これらのx及びyオフセットは、ビン範囲に従って分ける方法を最適化するために使用される。例えば、最初にそれらの部分を比較したときに、2つの部分の中心点がアラインされるようにソース部分はターゲット部分内に位置決めされる。しかし、ターゲット部分内のソース部分の最初に使用された位置と少なくとも類似の設計データが見つけられるターゲット部分内のソース部分の位置との間に決定される予測可能な、又は繰り返し可能なオフセット(x及び/又はy方向の)がある場合、このオフセットを使用して、ビン範囲に従って分ける方法の比較ステップで使用されるオーバーレイをチューニングすることができる。
いくつかの実施形態では、これらの部分における設計データは、複数の設計層に対する設計データを含む。このように、この方法は、欠陥のバックグラウンド類似性について1つの設計層をチェックすることによりビン範囲に従って欠陥を分けること、又は欠陥のバックグラウンド類似性(つまり、多層バックグラウンド類似性)について一組の設計層をチェックすることによりビン範囲に従って欠陥を分けることを含む。例えば、ウェハ上の多結晶シリコン層(例えば、ゲート電極層)を検査するときに、下にある拡散層は、検査システムから見え、したがって検査結果に影響を及ぼす可能性がある。その際、それらの部分に含まれる設計データは、バックグラウンド・ベースのビン範囲によるグループ分けの精度を高めるため多結晶シリコン層及び拡散層に対する設計データを含む。それに加えて、下にある設計層は、検査システムからは見えない。しかし、複数の設計層に対する設計データを使用することにより、少なくとも類似しているか、又は下にある層上の異なる設計データの上に配置されている設計データの部分に近接して配置されている欠陥をビン範囲に従って異なる複数のグループに分けることができる。
ソース部分における設計データがターゲット部分内に見つかったかどうかに関係なく、この方法は、ソース部分を設計データ空間における他の欠陥の位置に近接する設計データの他の部分と比較することを含む。ソース部分における設計データに少なくとも類似しているか、又は同じである設計データに近接して配置された複数のターゲット欠陥は、ウェハ上で検出されるため、ソース部分における設計データを複数のターゲット部分における設計データと比較することを実行できる。
図17に示されているこのような一例では、部分102は、設計データ空間106における欠陥116の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分114と比較される。部分114の寸法は、本明細書で説明されているように選択される。設計データのソース部分は、上でさらに説明されているようにターゲット部分の異なる領域における設計データと比較される。この方法は、さらに、比較の結果に基づいてソース部分における設計データがターゲット部分における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似しているかどうかを判定することも含むが、これは、上でさらに説明されているように実行される。これらの部分のオーバーレイ118は、少なくとも類似している設計データが見つかったターゲット部分内のソース部分の位置を例示している。したがって、この方法は、ビン範囲に従って欠陥104、116をグループに分けることを含むが、それは、部分102における設計データが部分114における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似していると判定されるからである。それに加えて、ソース部分における設計データがターゲット部分の両方における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似していると判定されるため、欠陥104、110、116は、ビン範囲によるグループ分けられる。
このような他の例では、部分102は、設計データ空間106における欠陥122の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分120と比較される。部分120の寸法は、本明細書で説明されているように選択される。設計データのソース部分は、上でさらに説明されているように部分120の異なる領域における設計データと比較される。この方法は、さらに、比較の結果に基づいて部分102における設計データが部分120における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似しているかどうかを判定することも含むが、これは、上でさらに説明されているように実行される。部分102、120のオーバーレイ124は、少なくとも類似している設計データが見つかった部分120内の部分102の位置を例示している。したがって、この方法は、ビン範囲に従ってソース欠陥とターゲット欠陥112をグループに分けることを含む。それに加えて、ソース部分における設計データが3つのターゲット部分における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似していると判定されるため、ソース欠陥と3つのターゲット欠陥は、ビン範囲によるグループ分けられる。上述のステップは、ウェハ上で検出されたそれぞれの欠陥に対するバックグラウンド情報がウェハ上で検出された他のすべての欠陥に対するバックグラウンド情報と比較されるまで実行される。
上述のように、この方法は、場合によっては設計データ及び/又は設計レイアウトの1つ又は複数の属性などの他の情報と組み合わせて、設計データ及び/又は設計データ空間における欠陥の位置に近接して配置されている設計データのコンテキストに基づいて、ビン範囲に従って欠陥を分けることを含む。コンテキスト情報に基づいてビン範囲に従って欠陥を分ける他の方法とは対照的に、本明細書で説明されている方法では、ウェハ上に印刷されるようなバックグラウンド情報に基づいてビン範囲によるグループ分けを実行しない。その代わりに、本明細書で説明されている方法は、設計データにおいて定められているようなバックグラウンド情報に基づいてビン範囲によるグループ分けを実行する。このように、本明細書で説明されている方法では、設計データがウェハ上に印刷されるかどうか、あるいはどのように印刷されるかに関係なくバックグラウンド・ベースのビン範囲によるグループ分けを実行することができる。
ウェハ上に印刷されるような設計データとそのように無関係であることは、特に、PWQ法や焦点露光マトリックス(FPM)法に対し有利であり、その場合、ウェハ上に印刷されるような設計データは、そのような方法に使用されるプロセス・ウィンドウ・パラメータに関して(ときには劇的に)変化し、そのためウェハ上に印刷された設計データのイメージに基づくビン範囲による欠陥のグループ分けの方法の精度が低下する。PWQなどの経験的技術をそのように適用する際に、この方法は、設計データ空間における欠陥の位置で設計データのGDSクリップ又は抜粋を使用することにより改善されたバックグラウンド・ベースのビン範囲によるグループ分けを実現する。その際、ビン範囲によるグループ分けは、共通パターンにより実行される。ビン範囲に従って分けられる欠陥は、本明細書でさらに説明されているように個別に又は欠陥の一グループとしてまとめて分類される。例えば、この方法は、設計データの1つ又は複数の属性(例えば、設計データ空間における欠陥位置に近接して配置されている設計データの1つ又は複数の属性)に基づいて欠陥を分類することを含むが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。
ウェハ上で検出された欠陥は、欠陥の設計データ空間位置に近接する設計データによりビン範囲に従って分けられるため、設計データ空間における欠陥の位置は、ビン範囲によるグループ分けが実行される前に決定される。一実施形態では、この方法は、設計データ空間における検出された欠陥の位置のx及びy座標に対するデータを取り込むことを含むが(又は変換関数を決定する)、これは本明細書で説明されているように実行される。他の実施形態では、この方法は、アライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータと比較することにより設計データ空間における欠陥の位置を決定することを含む。ウェハ上のアライメント部位に対するデータを取り込むことは、製品レイアウト・データ、適宜レチクル・フレーム・データ、ステッパー・レシピー(又はステッパーへの入力)を使用してウェハ上のアライメント部位の近似的なウェハ空間位置を決定することと、それらの近似的な位置でデータを取り込むこととを含む。このような比較と決定は、上でさらに説明されているように実行される。それに加えて、この方法は、ウェハ上のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータと比較することにより設計データ空間における欠陥の少なくとも一部の位置を決定することを含む。次いで、欠陥の少なくとも一部について決定された位置を使用して、設計データ空間における他の欠陥の位置を決定することができる(例えば、報告された欠陥位置を設計データ空間における欠陥位置に変換する変換を生成して使用することにより)。設計データ空間において欠陥の位置を決定することは、さらに、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。
ときには、上述のデータのすべてが利用可能であるわけではなかったり、又はウェハが設計データに適切にアラインされていなかったりする場合がある。そのような場合、検査又はレビュー時に変換情報の一部をウェハから経験的に決定すると有益な場合がある。一実施形態では、この方法は、欠陥の検出時に検査システムにより取り込まれたデータをレビューにより決定された設計データ空間における配置でレビュー・システムにより取り込まれたデータと比較することにより設計データ空間における欠陥の位置を決定することを含む。このように、この方法は、1つ又は複数の欠陥に対する検査結果をレビューにより決定された設計データ空間配置で取り込まれたレビュー結果にアラインさせることを含む。それに加えて、この方法は、欠陥の検出時に検査システムにより取り込まれたデータをレビューにより決定された設計データ空間における配置でレビュー・システムにより取り込まれたデータと比較することにより欠陥の少なくとも一部の設計データ空間位置を決定することを含む。次いで、欠陥の少なくとも一部について決定された位置を使用して、設計データ空間における他の欠陥の位置を決定する(例えば、報告された欠陥位置を設計データ空間における欠陥位置に変換する変換を生成して使用することにより)。しかし、このアプローチでは、検査システムの座標の不正確さにより複雑になっている可能性のあるウェハ・スケール・オフセットをもたらす。したがって、欠陥の報告された配置に座標の不正確さがある場合、変換関数を測定の統計サンプルに基づくようにすると都合がよいであろう。
設計データ空間における欠陥の位置が決定された後、決定された位置の周りの設計データの部分は、設計データの抽出された部分が、ビン範囲に従って欠陥を分け、本明細書で説明されている他のステップを実行するのに使用されるように抽出される。それに加えて、ビン範囲によるグループ分けに設計データの抽出された部分を使用するのに先立って、抽出された部分のそれぞれ(又は1つ又は複数)は、鏡映、回転、拡大縮小、平行移動(シフト)、又はそれらの何らかの組合せを施され、抽出された部分のそれぞれに対応し、それぞれを含む部分の集合を生成する。部分のこれらの集合は、ビン範囲によるグループ分けの方法の精度を高めるためにビン範囲によるグループ分けに使用される。
この方法は、さらに、x方向の寸法(例えば、幅)、y方向の寸法(例えば、長さ)、z方向の寸法(例えば、高さ)、本明細書で説明されている他の(複数の)属性、又はそれらの何らかの組合せなどの検出された欠陥の1つ又は複数の属性を決定することを含む。1つ又は複数の属性は、テーブル又はリストなどの好適なデータ構造体に編成及び/又は格納される。他の実施形態では、ビン範囲に従って欠陥を分けることは、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の設計データ空間位置に近接する設計データの部分が少なくとも類似し、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の1つ又は複数の属性が少なくとも類似するようにグループ分けすることを含む。このような一実施形態では、欠陥の1つ又は複数の属性は、欠陥が検出された検査の結果の1つ又は複数の属性、検査の1つ又は複数のパラメータ、又はそれらの何らかの組合せを含む。例えば、検査の結果の1つ又は複数の属性は、光学モード及び/又は欠陥が選択的に検出される偏光、集束角、入射角などの検査の1つ又は複数の他のパラメータを含む。それに加えて、又はそれとは別に、1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている欠陥の(複数の)他の属性のどれかを含む。このように、ビン範囲によるグループ分けは、設計データや(複数の)欠陥属性により欠陥が複数のグループに分けられるように実行される。このようなビン範囲によるグループ分けは、設計データの少なくとも類似する部分内に配置されている異なる(複数の)属性を有する異なる欠陥タイプ又は欠陥が異なる複数のグループに分けられるように実行される。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されているようにビン範囲に従って分けられた欠陥は、光学検査又は電子ビーム検査により検出される。光や電子ビームは、本明細書で説明されている検査システムにより実行される。他の実施形態では、本明細書で説明されているようにビン範囲に従って分けられた欠陥は、PWQ又はFEM法で検出されるが、これは本明細書で説明されているように実行される。本明細書で説明されている実施形態は、PWQ又はFEM法で検出される欠陥に対し特に有用である。例えば、本明細書で説明されている方法の実施形態は、潜在的系統的問題をより容易に、またより正確に識別できるようにPWQ及びFEM法で検出された欠陥をフィルタリングするために使用されるが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、本明細書で説明されている方法の実施形態は、ビン範囲に従ってPWQ又はFEMにより検出され欠陥を有用なグループに分けるために使用されるが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。さらに、本明細書で説明されている方法の実施形態は、ビン範囲に従って分けられたPWQ又はFEM欠陥をレビュー、測定、又は試験のため優先順位付けするために使用されるが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、この方法は、少なくとも類似の設計/レイアウト・パターンに基づいてビン範囲に従って検査及び/又は電気的試験欠陥をグループ分けすることを含む。
一実施形態では、本明細書で説明されている実施形態においてビン範囲に従って分けられる欠陥を検出するために使用される検査システムを、ウェハ上の3つ又は4つのアライメント部位にアラインさせる。アライメント部位は、上でさらに説明されているように選択される。それに加えて、物理的ウェハ上で、また設計データ若しくはレイアウト内で見える1つ又は複数のアライメント・フィーチャ、パターン、及び/又はジオメトリを含むアライメント部位を選択して、本明細書で説明されている方法で使用することができる。
検査システムをアライメント部位にアラインさせた後、ステージの位置精度、回転誤差、x及びy平行移動誤差、倍率(拡大縮小)誤差、又はその何らかの組合せを補正する。この補正は、検査プロセス実行時に行われるか、又は処理後に実行される(つまり、検査結果が出力された後に実行される)。補正は、少なくとも一部は、検査システムにより報告されたアライメント部位に対する座標と同じアライメント部位に対する基準座標との比較の結果に基づく。
いくつかの実施形態では、この方法は、ウェハの左側、右側、上、下、中心のダイなどのウェハ上の複数のダイにおける3つ又は4つのアライメント部位に対する座標を取得することを含む。他の実施形態では、ウェハ上のアライメント部位は、ウェハ上の3つの異なるダイに配置される。そのような一実施形態は、図18に例示されている。図18に示されているように、ウェハ126は、複数のダイ128を含む。アライメント部位130は、ダイ128a、128b、128cに配置される。アライメント部位は、3つのダイにのみ示されているが、アライメント部位はウェハ上のそれぞれのダイに配置してもよいことは理解されるであろう。それぞれのダイのアライメント部位の部分集合又はダイの部分集合内のアライメント部位を本明細書で説明されている方法で使用することができる。
この方法は、さらに、ダイ内の三角分布の3つの共通アライメント部位(つまり、ウェハ上に印刷されたダイと設計データ(例えば、GDSレイアウト)に共通のアライメント部位)を識別することを含む。例えば、図18に示されているように、アライメント部位130は、ダイ128a、128b、128c内に三角分布で配列される。そのような一実施形態では、3つの異なるダイが、さらに、所定の配列でウェハ上に分布する(例えば、三角形又は他の配列)。例えば、図18に示されているように、ダイ128a、128b、128cは、ウェハ126上に三角形配列132で配置される。このように、この方法は、ウェハ上のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたイメージ(例えば、BF及び/又はDFイメージ)を所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることを含む。この方法は、検査システムにより取り込まれた検査データの座標を設計データ座標(例えば、GDS座標)にマッピングすることと、変換行列を作成することとを含む。変換行列は、以下のような好適な形式で表すことができる。
これらのアライメント部位の座標は、さらに、「ツール・マッチング」を実行して(例えば、自動的に実行して)、検査システム同士の間の座標の差をなくすために使用される。このような方法の一利点は、これらの座標を個別に、また自動的に、検査されたウェハ毎に決定し、それにより、補正係数のウェハ毎の集合を形成することができることにある。このような方法の他の利点は、決定された座標を使用して、検査データと設計データとのアライン精度を他の何らかの形で低下させる可能性のあるウェハ上の検査システム又は他のシステムにおける座標ドリフト(例えば、累積誤差、ステージ移動誤差により引き起こされる、及び機械、電気、熱によるノイズを原因とする誤差により引き起こされる座標ドリフト)を決定することができるということにある。
上述のように、それらの部分において設計データを比較することは、それらの部分の少なくとも一部における設計データの全体を他の部分における設計データと比較することを含む。このように、そのような比較の結果を使用して、ソース部分における設計データがすべてターゲット部分における設計データの少なくとも一部に少なくとも類似しているかどうかを判定することができる。しかし、代替の実施形態では、それらの部分において設計データを比較することは、それらの部分の少なくとも一部における設計データの異なる領域を他の部分における設計データと比較することを含むが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。さらに、ソース部分の複数の領域における設計データは、ターゲット部分の領域における設計データに少なくとも類似しているか、又は同一である場合があるが、そのような比較の結果を使用して、ターゲット部分における設計データの類似のサイズの領域に少なくとも類似しているか、又は同一であるソース部分における設計データの最大領域を識別することができる。このように、この方法は、設計データ空間におけるソース欠陥やターゲット欠陥の位置に近接する設計データが「そっくりである」か、又は少なくとも類似しているかどうかを判定することを含む。したがって、この方法は、本明細書で説明されているように、バックグラウンド・ベースでビン範囲に従って欠陥を分けるうえで特定の設計層においてかなり効果的である。
方法のそのような一実施形態は、図19に例示されている。例えば、図19に示されているように、方法は、設計データ空間138における欠陥136の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分134を定める。欠陥136は、本明細書では「ソース欠陥」と呼ばれる。設計データの部分134を定めることは、部分の寸法を選択することを含むが、これは上でさらに説明されているように実行される。この方法は、さらに、設計データの部分を1つ又は複数の異なる領域に分けるか、セグメント分割するか、又はパーティション分割することを含む。例えば、図19に示されているように、部分134は、4つの異なる領域140、142、144、146に分割される。部分134が分けられた異なる領域は、この場合、「ソース象限」と呼ばれる。図19では、部分134は4つの象限に分割されているように示されているが、その部分は任意の適当な数の領域に分けられることは理解されるであろう。領域はすべて、同じサイズを有するか、又は領域の全部若しくは一部が異なるサイズとすることができる。
この例では、この方法は、ソース象限140、142、144、146における設計データと設計データ空間138における欠陥150の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分148とを比較することを含む。欠陥150は、本明細書では「ターゲット欠陥」と呼ばれる。図19に示されているように、部分148は欠陥150よりも広く、少なくとも部分134と同じくらいである。部分148の寸法は、上でさらに説明されているように選択される。
ソース象限のそれぞれにおける設計データをターゲット部分の異なる領域における設計データと比較する。このように、この方法は、ターゲット部分の中のソース象限のそれぞれにおける設計データを探索することを含む。この例では、この方法は、さらに、比較するステップの結果に基づいてソース象限における設計データがターゲット部分における設計データに少なくとも類似しているかどうかを判定することも含む。例えば、この方法は、ソース象限のそれぞれにおける設計データがターゲット部分における設計データにどれだけ類似しているかを判定することを含む。ターゲット部分における設計データに少なくとも類似していると判定される設計データは、ソース象限のどれにもないか、又は一部にあるか、又は全部にある。オーバーレイ152に示されているように、4つのソース象限のうちの3つの象限における設計データは、オーバーレイ152に示されているソース象限140、144、146の位置の部分148の領域内の設計データに少なくとも類似していると判定された。
このように、この方法は、ソース象限における設計データをターゲット部分における設計データと比較して、その対応する設計データに基づいて少なくともどの欠陥をビン範囲に従ってグループ分けできるかを判定することを含む。ソース象限とターゲット部分のそれぞれにおける設計データが少なくとも類似しているかどうかを判定した結果は、いくつのソース象限が、またどのソース象限がターゲット部分における設計データに少なくとも類似している設計データを含むと判定されたかを示す指標を含む。判定するステップの結果は、さらに、ターゲット部分と少なくとも類似する設計データが見つかったターゲット部分内のソース象限のそれぞれとの間のx及びyオフセットを含むこともできる。ソース欠陥がターゲット欠陥とともにビン範囲によるグループ分けられるかどうかは、いくつのソース象限が、またどのソース象限が、ターゲット部分における設計データに少なくとも類似している設計データを含むと判定されたかということ、及びターゲット部分と少なくとも類似している設計データが見つかったターゲット部分内のソース象限のそれぞれとの間のオフセットに基づいて決定される。
いくつかの実施形態では、ソース象限及びターゲット部分のそれぞれにおける設計データは、複数の設計層に対する設計データを含む。このように、この方法は、少なくとも類似している設計データについて1つの設計層をチェックすることによりビン範囲に従って欠陥を分けるか、又は少なくとも類似している設計データに対する設計層の集合(例えば、多重層)をチェックすることによりビン範囲に従って欠陥を分けることを含む。
ソース象限における設計データがターゲット部分における設計データに少なくとも類似していると判定されたかどうかに関係なく、この方法は、ソース象限のそれぞれを他の欠陥の設計データ空間における位置に近接する設計データの他の部分と比較することを含む。
このような一例では、ソース象限140、142、144、146における設計データは、設計データ空間138における欠陥156の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分154と比較される。部分154は、上述のように構成される。ソース象限及び部分154における設計データは、上述のように比較される。この方法は、さらに、ソース象限のそれぞれにおける設計データが部分154における設計データに少なくとも類似しているかどうかを判定することも含むが、これは、上でさらに説明されているように実行される。オーバーレイ158に示されているように、4つのソース象限のうちの2つの象限(例えば、象限144、146)は、オーバーレイ158に示されているソース象限の位置の部分154における設計データに少なくとも類似している設計データを含むと判定された。したがって、この方法では、設計データ空間における欠陥136、156の位置に近接する設計データが欠陥136、150に比べてあまり類似していないと判定される。設計データ空間における欠陥136、156の位置に近接する設計データが、ビン範囲に従って欠陥136、156を同じグループに分けられるくらい十分に小さいかどうかを、上でさらに説明されているように判定することができる。
このような他の例では、ソース象限140、142、144、146における設計データは、設計データ空間138における欠陥162の位置に近接する設計データ(図に示されていない)の部分160と比較される。部分160は、上述のように構成される。ソース象限及び部分160における設計データは、上述のように比較される。この方法は、さらに、ソース象限のそれぞれにおける設計データが部分160における設計データに少なくとも類似しているかどうかを判定することも含むが、これは、上でさらに説明されているように実行される。オーバーレイ164に示されているように、4つのソース象限のうちの2つの象限(例えば、象限142、144)は、オーバーレイ164に示されているソース象限の位置の設計データの部分160に少なくとも類似している設計データを含むと判定された。したがって、この方法では、設計データ空間における欠陥136、162の位置に近接する設計データが設計データ空間における欠陥136、150の位置に近接する設計データに比べてあまり類似していないと判定しうる。設計データ空間における欠陥136、162の位置に近接する設計データが、ビン範囲に従って欠陥136、162を同じグループに分けられるくらい十分に小さいかどうかを、上でさらに説明されているように判定することができる。
上述のように決定された象限情報は、格納され、及び/又は表示される。この情報は、セットアップ、検証、及びトラブルシューティングの目的のために使用される。
この方法は、さらに、設計データにおけるユニークパターンの、テーブル、リスト、又は他のデータ構造体を動的にコンパイルし、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分をそのテーブル、リスト、又は他のデータ構造体の中のパターンと比較することにより、系統的欠陥及びニュイサンス欠陥(例えば、現実のものでも、注目するものでもない欠陥)のオンツール分類を行うことを含む。動的に作成されたパターン集合(又は静的パターン集合)は、パターンのそれぞれに関連付けられている設計ベース分類(DBC)とともにライブラリなどのデータ構造体に格納される。このように、DBCは、ビン範囲に従って欠陥が分けられるグループを定め、ユニークパターンは、POI設計の例を含む。その際、設計データ空間欠陥位置に近接する設計データは、他の設計データ空間欠陥位置に近接する設計データと比較されず、動的に生成されたパターン集合内のユニークなパターンと比較される。このような比較は、本明細書でさらに説明されているように実行される。例えば、そのようなデータ構造体を利用することができる(動的に生成される場合もあればされない場合もある)一実施形態は、以下で詳しく説明される、ウェハ上で検出された欠陥に分類を割り当てるためのコンピュータ実施方法である。
それに加えて、いくつかの実施形態では、コンピュータ実施方法は、欠陥を検出するために使用される検査システムにより実行される。このように、ビン範囲に従って欠陥を分けることは、「オンツール」で実行される。この方法をオンツールで実行する利点の1つは、結果が出るまでの時間を短縮できることにある。この方法は、欠陥が検出された後に(例えば、他の欠陥が検出されている間又はその後の検査中、検査結果の分析中、レビュー中など)、オンツールで実行される。それに加えて、潜在的系統的欠陥又は系統的欠陥(ホット・スポット)の配置とビン範囲によるグループ分けに使用されるデータとは、データ構造体(例えば、ホット・スポット・データベース)に格納され、検査比較(監視)に使用される。したがって、ビン範囲によるグループ分けは、分類をしやすくするために検査時に実行される(発見のためのビン範囲によるグループ分け、フィルタリング、又は監視)。
代替の実施形態では、コンピュータ実施方法は、欠陥を検出するために使用される検査システム以外のシステムにより実行される。このように、本明細書で説明されている方法の実施形態は、「オフツール」で実行される。方法をオフツールで実行するシステムとしては、例えば、顕微鏡(光学又は電子ビーム)、レビュー・システム、ウェハが装填されないシステム(例えば、スタンドアロン型コンピュータ・システム)、又は方法を実行するように構成される当業界で知られている他の適切なシステムがある。例えば、この方法は、検出された欠陥の少なくとも一部のイメージを取り込むために顕微鏡が使用されるウェハの第2パスにおける欠陥検出の後に実行される。このようなイメージ取り込みは、電子ビーム顕微鏡が欠陥の一部(例えば、ウェハの上面の下に配置されている欠陥などの電子ビーム顕微鏡からは見えない欠陥)を撮像できない場合があるため光学顕微鏡を使用して実行される。イメージ取り込みは、オフラインで実行され、レビューに関して欠陥のサンプリング能力を高めるために使用される。ビン範囲に従って欠陥を分けることは、さらに本明細書でさらに説明されているように欠陥の分析及びサンプリングに使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいて設計データにおけるホット・スポットを識別することを含む。このように、設計ベースのビン範囲に従って分けることは、ホット・スポットの発見に使用される。それに加えて、ホット・スポットの発見は、「オンツール」で実行される。この方法は、さらに、発見されたホット・スポットを含むデータ構造体を生成すること、及び配置などのホット・スポット、ホット・スポットの位置に近接する設計データ、その他などの1つ又は複数の属性を含むデータ構造体を生成することも含む。データ構造体としては、リスト、データベース、ファイルなどがある。ホット・スポットは、ホット・スポット管理に使用される(場合によってはオンツールで)。ホット・スポット管理は、ホット・スポットを発見すること、オンツール・パターン・グループ化を使用してホット・スポット・データ構造体を生成すること、さらにホット・スポット監視を含むが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、設計ベースのビン範囲によるグループ分けにより発見されたホット・スポットは、DesignScan、PWQ、DOE、レビューの入力として使用される。それとは別に、本明細書で説明されている方法で使用されるホット・スポットは、レチクル検査システムなどの当業界で知られている他の方法又はシステムを使用して発見される。
図20は、本明細書で説明されている実施形態によりウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分けるコンピュータ実施方法を実行するように構成されたモジュール166への入力と、モジュール166からの出力の一実施形態を例示している。モジュール166は、GDSパターン・チェッカー(設計データ又は2つの欠陥の設計データ空間位置に近接する設計データの部分の正確さチェッカー)、及び/又は類似性チェッカー(非正確さチェッカー)として機能するように構成される。モジュールは、本明細書で説明されているステップの1つ又は複数をオンツール又はオフツールで実行するように構成される。
例えば、モジュールは、本明細書で説明されているステップの1つ又は複数を処理後にオンツールで(例えば、オンツール、欠陥検出後)実行するように構成される。それに加えて、モジュールは、本明細書で説明されているステップの1つ又は複数を欠陥検出時に実行するように構成される。モジュールは、本明細書で説明されているステップの1つ又は複数をオンツールで実行するように構成されている場合、欠陥の編成などの本明細書で説明されている他の機能を実行するように構成される。
モジュール166への入力は、欠陥リスト168を含む。一実施形態では、欠陥リスト168は、KLARFファイル又は検査システムにより生成される他の標準ファイルに収められた情報など欠陥情報を含む。モジュールへの入力は、上述のように決定される座標変換情報や、設計データを含むこともできる。このような実施形態では、モジュール166は、検査システムにより報告されるような欠陥リスト168における欠陥の位置を設計データ空間における欠陥の位置に変換するように構成される。
それとは別に、モジュール166は、他のソフトウェア・モジュール(変換機能を実行するように構成されたソフトウェア・モジュール)を通じて用意される変換された設計データ空間座標にアクセスすることでウェハ空間における機能を実行するように構成される。他の代替手段において、欠陥リスト168は、設計データ空間における欠陥の位置を含む。このような実施形態では、検査システムにより報告された欠陥位置は、他のソフトウェア・モジュールにより設計データ空間における欠陥位置に変換される。このような欠陥情報は、同じ計算ハードウェア上の、又はネットワークで接続された計算ハードウェアの集合体の間のプロセス内又はプロセス間通信を介して好適なデータ・ファイル・フォーマットにより、又はプログラム手段を通じて、モジュール166に入力される。このように、欠陥情報は、モジュールを他のシステムに結合する伝送媒体を介して他のシステムによりモジュール166に供給される。伝送媒体は、当業界で知られている好適な伝送媒体を含み、「有線」及び「無線」伝送媒体又はその何らかの組合せを含む。
追加の入力(図20に示されていない)は、さらに、モジュール166に供給され、本明細書で説明されている1つ又は複数の実施形態の1つ又は複数のステップを実行するため、そのモジュールにより使用される。追加の入力は、電気的検査データなどの利用可能な他の欠陥及び/又は設計データ情報、複数のウェハに対する欠陥情報、ホット・スポット又はウィーク・スポット情報(「ウィーク・スポット」は、限定はしないが、OPC後検証ソフトウェアなどのモデル・ベースのシミュレーション、及び限定はしないが、PWQなどの経験的方法により識別された設計における潜在的弱点の配置として一般的に定義される)、探索ウィンドウ・サイズ(例えば、上述のような設計データ空間におけるソース及びターゲット欠陥の位置に近接する設計データの位置の寸法又はソース欠陥の拡大とターゲット欠陥の拡大)、類似性の何らかの所定の基準(例えば、類似性しきい値)、又はこれらの何らかの組合せを含む。
それに加えて、ホット・スポットは、予め設計データに基づいてグループ化される。例えば、少なくとも類似している設計データに近接して配置されているホット・スポットは、互いに相関し、本明細書で説明されている方法及びシステムの実施形態は、ホット・スポットのそのような相関を実行する。相関するホット・スポットを使用して、本明細書でさらに説明されているようにビン範囲に従って欠陥を分けることができる。このような一実施形態では、モジュール166は、それぞれのグループ内の欠陥が互いに相関するホット・スポットのみの位置に少なくとも類似している設計データ空間における位置を有するように、ビン範囲に従って欠陥をグループ分けするように構成される。このように、モジュールは、設計データを使用せずにビン範囲に従って欠陥を分けるように構成される。さらに、後から分析に使用するため相関するホット・スポットの1つ又は複数の属性を決定することができる(例えば、KPなどの歩留まり情報を相関するホット・スポットについて決定することができる)。このように、相関するホット・スポットに対応してビン範囲に従って欠陥がグループに分けられると、モジュールは、欠陥グループに対する相関するホット・スポットについて決定された予想歩留まり影響を報告する。
モジュール166は、設計データ空間における異なる欠陥の位置に近接する設計データが一致するか「チェックする」ことにより欠陥リスト168でビン範囲に従って欠陥を分けることによりGDSパターン・チェッカーとして機能するように構成される。このように、モジュール166は、それぞれのグループ内の欠陥が一致する設計データに近接する設計データ空間に配置されるようにビン範囲に従って欠陥をグループに分けるように構成される。それに加えて、又はそれとは別に、モジュール166は、設計データ空間における異なる欠陥の位置に近接する設計データの類似性をチェックすることにより欠陥リスト168でビン範囲に従って欠陥を分けることにより類似性チェッカーとして機能するように構成される。
モジュール166の出力は、出力170を含む。出力170は、限定はしないが、検査システムにより報告されるような欠陥位置のx及びy座標、設計データ空間における欠陥位置のx及びy座標、ビン範囲に従って欠陥が同じグループに分けられた場合にビン範囲に従って欠陥が分けられたグループの識別記号(例えば、1、2、3、a、b、cなど)(例えば、ビン範囲に従って欠陥が同じグループに分けられた場合に、その識別記号は同じものとしてよい)、さらに、ターゲット部分の中心とソース部分における設計データに一致するか、又は少なくとも類似している設計データが配置されているターゲット部分内の領域の中心との間のx及び/又はy方向のシフト又はオフセットを含む、さまざまな情報のリストを含む。出力は、当業界で知られている好適なフォーマットを有する1つ又は複数のデータ構造体を含む(例えば、通常のテキスト・ファイル・フォーマット)。それに加えて、出力を、後からアクセスし、及び/又は分析できるように当業界で知られている適切な記憶媒体に格納してもよい。出力は、本明細書でさらに説明されているように格納され、使用される。
それに加えて、又はそれとは別に、図21に示されているように、モジュール166の出力は、設計データ空間におけるそれぞれの欠陥の位置に近接する設計データと設計データ空間におけるそれぞれの他の欠陥の位置に近接する設計データとどれだけ類似しているか否か(例えば、%類似性)を例示するテーブルを含む。図21に示されている例では、設計データ空間における欠陥1及び2の位置に近接する設計データの部分は40%の類似性を有しているが、設計データ空間における欠陥1及び3の位置に近接する設計データの部分は95%の類似性を有している。このように、この方法では、図21に示されている出力を使用して、ビン範囲に従ってどの欠陥が同じグループに分けられるかを決定することができる。例えば、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分が、90%を超える類似性を有する場合、欠陥は、ビン範囲に従って同じグループに分けられる。それに加えて、図21に示されているように、設計データ空間における欠陥1の位置に近接する設計データの部分は、設計データ空間における欠陥3及び4の位置に近接する設計データの部分と90%を超える類似性を有している。このように、欠陥1、3、4は、ビン範囲に従って同じグループに分けられる。
他の例では、図22に示されているように、モジュール166の出力は、異なるグループの関数として欠陥の数(例えば、欠陥カウント又は頻度)を示すグラフ(例えば、棒グラフ)を含む。異なるグループはそれぞれ、上でさらに説明されているように同じであるか、又は少なくとも類似している設計データに近接する設計データ空間位置に配置されている欠陥を含む。このように、図22に示されている出力は、設計においてどのパターン・タイプに欠陥が多いかに関する情報を提供する。チャートは、さまざまな設計コンテキストによるパターン・タイプの分解を示す(例えば、機能ブロックによるバックグラウンド・パターン・コンテキスト)。チャート内の情報は、さらに、共通設計パターンに近接する設計データ空間に配置されている欠陥の空間分布に関する情報を提供するために、本明細書でさらに説明されているようにウェハ上の環状又は角のあるゾーンにより分割される。この情報及び類似若しくは他の情報を使用して、本明細書で説明されている方法の1つ又は複数のステップを実行することができる(例えば、バックグラウンド・パターン・コンテキストに基づく欠陥サンプリング)。ビン範囲に従ってそれぞれのグループに分けられた欠陥に関する追加の情報も、本明細書で説明されている(複数の)方法のどれかの(複数の)ステップのどれかを使用して決定される。
モジュール166は、図20〜22に示されているフォーマットのうちの1つのフォーマットのみの出力をする。しかし、このモジュールは、図20〜22に示されているフォーマットのうちの複数のフォーマットで出力することができる。
モジュール166の異なる入力と出力の追加の例は、図23に例示されている。図23に示されているように、モジュール166への1つの入力は、ウェハ上の検出された欠陥の位置を例示するウェハ・マップ172を含む。ウェハ・マップは、検査システムにより生成される。ウェハ・マップは、ウェハ上の欠陥の位置を例示し、欠陥に関する他の情報を例示しない。例えば、ウェハ・マップ172に対応する棒グラフ174は、検査されたウェハの層に対応する単一のグループ内の検出された欠陥のすべてを例示している。
モジュール166の出力は、ウェハ上の検出された欠陥の位置を例示するウェハ・マップ176を含み、ビン範囲に従って同じグループに分けられた欠陥は、同じ特性を有するウェハ・マップ内に示される(例えば、異なるグループに対して異なる色又は記号)。欠陥は、本明細書でさらに説明されているようにビン範囲に従って分けられる(例えば、共通のGDSレイアウトにより欠陥の自動グループ化)。このように、ウェハ・マップ176は、ウェハ上の個々の欠陥の位置及びビン範囲に従って個々の欠陥が分けられたグループを示す。出力は、監視機能を高め、かつ根本原因を突き止める機能を高めるため、KLA−Tencorから市販されている、KLARITY DEFECT SSAなどの空間シグネチャ分析(SSA)ツールに送られ、このツールにより使用される。
モジュールの出力は、さらに、パターン・グループを表すように欠陥が表示される積層ダイ・マップ、積層レチクル・マップ、又は積層ウェハ・マップをも含む。この積層マップを使用して、系統的欠陥が多くのダイ、レチクル、又はウェハ上のどこに統計的に出現する傾向があるかを例示することができ、またこの積層マップは、空間シグネチャを識別するのにも有用である。さらに、本明細書で説明されているモジュールの出力は、1つ又は複数のGDSクリップ、1つ又は複数のSEMイメージ、1つ又は複数の光学イメージ、又はそれらの何らかの組合せを含むこともできる。モジュールの出力は、本明細書でさらに説明されているユーザー・インターフェイス実施形態などのユーザー・インターフェイスにより表示される。
ウェハ・マップ176に対応する棒グラフ178は、ビン範囲に従ってそれぞれのグループに分けられた欠陥の数を例示している。それに加えて、欠陥のそれぞれのグループに対応するレイアウト・パターン・シグネチャは、棒グラフに示されている。このように、棒グラフは、最大の欠陥性を示す(又は引き起こす)設計におけるパターンを例示している。例えば、ビン範囲に従ってレイアウト・パターン・シグネチャ2に分けられた欠陥の個数が比較的多い場合は、このレイアウト・パターン・シグネチャに対応する潜在的パターン依存障害機構があることを示す。この情報を使用して、本明細書で説明されている方法の1つ又は複数のステップを実行することができる(例えば、設計バックグラウンド・コンテキストに基づく欠陥サンプリング)。ビン範囲に従って複数のグループに分けられた欠陥に関する追加の情報も、本明細書で説明されている(複数の)方法のどれかの(複数の)ステップのどれかを使用して決定される。モジュール166は、ウェハ・マップ176と棒グラフ178を含む出力を生成することができる。モジュールの出力は、本明細書でさらに説明されているユーザー・インターフェイス実施形態のうちの1つなどのユーザー・インターフェイスにより表示される。
モジュール166の出力を本明細書で説明されている方法でどのように使用されるかを示す一例は、異なる欠陥を有するデバイス・レイアウトにおける異なる密度ゾーンの相関に対するものである。例えば、デバイス・レイアウトを異なる複数のゾーンにパーティション分割できる。異なるゾーンは、図24に示されているように、デバイスの異なる領域の設計パターン密度に基づいて決定される。一例では、デバイス内の主要セル・ブロックを異なる複数のゾーンにパーティション分割できる。他の例では、デバイス・レイアウト上のさまざまなデバイス構造(例えば、接点、ビア、金属線など)の密度に基づいて、デバイス・レイアウトを自動的にパーティション分割することができる。一実施形態では、本明細書で説明されている方法の実施形態は、設計データの異なる部分に対する欠陥密度を決定することを含む。例えば、本明細書で説明されている方法では、デバイス・レイアウトのパーティション分割に関する情報を使用して、設計データにおけるセルの異なる部分の欠陥密度を決定することができる。このような場合、設計データにおけるそれぞれのゾーンで検出された欠陥の数を決定することができる。このような情報は、棒グラフ又は他の好適な出力フォーマットでプロットされる。
他の実施形態では、モジュール166は、設計データを複数の「機能ブロック」又は「セル・ブロック」に分割する。セル・ブロックは、設計データにおいて定義され、入出力(I/O)ブロック、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)ブロックなどの設計の大きな、また小さなサブセルの境界を識別する。モジュールは、それぞれのセル・ブロック内の欠陥の頻度を決定することができる。このように、設計における大又は小セルが受ける歩留まり問題の影響が大きいか小さいかを判定することが可能である。
本明細書で説明されている実施形態では、統計的アプローチを使用して、欠陥が配置されている設計セルを決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、欠陥が系統的欠陥であるかどうかを判定することと、系統的欠陥のうちの2つ又はそれ以上が設計データの1つ又は複数の異なる部分に配置されている確率を求めることと、系統的欠陥と確率との間に相関が存在するかどうかを判定することとを含む。特に、本明細書でさらに説明されているように、設計データ(つまり、階層設計データ)における領域情報を設計データ空間における欠陥の位置と組み合わせて使用し、設計データにおけるセルなどの設計データにおける欠陥の階層を決定することができる。本明細書でさらに説明されているように、設計データにおける欠陥の階層を使用して、歩留まりを改善するため設計データのどの部分を変更することができるか、又は変更すべきかを決定することができる。欠陥の階層を決定するうえで1つ問題になるのが、セルが小さくなるほど、セルのサイズは検査システムの座標精度に近づき、小さくなり、それにより、欠陥が配置されているセルを決定できる精度が低くなるという点である。この問題を克服するために、統計を使用して、欠陥が設計データのさまざまな部分に配置されている確率(例えば、それぞれの欠陥が異なるセル内に配置されている確率)を決定することができる。このように、系統的欠陥については、統計を使用して、系統的欠陥と欠陥が設計データのさまざまな部分に配置されている確率との間に相関が存在するかどうかを判定することができる。
他の実施形態では、モジュール166に与えられる入力は、設計データ(例えば、GDSレイアウト)、検査データ(例えば、物理的欠陥データ)を含み、かつ適宜、メモリ・ビットマップ及び/又は論理ビットマップを含む。モジュールは、その入力の一部又は全部を使用して、限定はしないが、歩留まりに影響を及ぼす、又は及ぼす可能性のある欠陥の発見、特徴付け、監視、処分(例えば、1つ又は複数の実施可能な決定を下す)などの1つ又は複数の追加のステップを実行することができる。モジュールは、上で説明されているステップを実行するように構成されるが、ただし、それに加えて、ホット・スポット/ウィーク・スポット・データ構造体を生成するステップ、設計データを使用することにより欠陥(例えば、光学又は電子ビーム検査システムにより検出された欠陥及び/又はビットマップで表示される電気的検査により検出された欠陥)をグループ化するステップ、レビュー・サンプル・プランを生成するステップ、検査レシピーを最適化するステップ、レビュー・レシピーを変更するステップ(例えば、レビューする場所を決定する)、レビュー・レシピーを最適化するステップ、欠陥分析レシピーを変更するステップ(例えば、インラインFIBプロセス及び/又はFAプロセスにおいてどこを分析するかは、場合によっては本明細書で説明されている他の情報と組み合わせて設定コンテキストに基づいて決定される)、欠陥分析レシピーを最適化するステップ、FIBプロセス、EDXプロセス、又は他の欠陥分析プロセスのサンプリング・レシピーを生成するステップ、計量プロセスのサンプリング・レシピーを生成するステップ、DOIや場合によってはタイプと配置などのDOIの1つ又は複数の属性を予測するステップを実行することができる。それに加えて、上で説明されているサンプリング・プラン又はサンプリング・レシピーはどれも、ビン範囲に従って分けた結果に基づいて動的に決定される。このような一例では、モジュールは、設計データを分析するか、又はDRCからの結果などの設計データの分析結果を取り込み、インライン欠陥データとビットマップ・データで検出される潜在的DOIを予測するように構成される。
上述のように、モジュール166は、データベースなどのデータ構造体を生成するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における系統的欠陥と潜在的系統的欠陥の位置と、系統的欠陥と潜在的系統的欠陥の1つ又は複数の属性とを収めたデータ構造体を生成することを含む。このようなデータベースは、一般的に「ホット・スポット」データベースと呼ばれる。データベースは、さらに、ウィーク・スポット、条件付きホット・スポット、コールド・スポットに関する情報も含む(歩留まり影響がほとんど、又は全くない系統的欠陥の原因となりうる設計の非クリティカル領域(例えば、ダミー構造体、ダミー・フィル領域など))。データベースは、さらに、潜在的及び実際の系統的欠陥の配置と他の(複数の)属性を含むこともできる(例えば、設計コンテキスト、KP、他の歩留まり特性など)。
ホット・スポット・データベースではデータをさまざまなソースから取り込むことができる。例えば、データベースは、すべての(又は少なくとも一部の)可能なソースからの系統的問題に関するデータを収めた柔軟なデータベースとして構成される。例えば、モジュールへの入力の一部を、データベースに含めることができる。そのような一例では、検査結果(例えば、PWQ結果、BF及び/又はDF検査により検出される欠陥、メモリ・ビットマップ、論理ビットマップなど)をデータベースに収めることができる。いくつかの実施形態では、データベースは、さらに、リソグラフィやCMPなどの1つ又は複数の半導体製造プロセス用の設計ルールを含む。他の実施形態では、データベースは、OPCシミュレーションの結果などの設計データについて実行されたシミュレーションを含む。
このように、ホット・スポットと系統的欠陥を識別するために、マルチソース相関を使用することができる。
上述のように、この方法は、設計データに基づいてビン範囲に従って欠陥を分けることを含む。そのような一実施形態では、本明細書で説明されている方法は、設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することを含む。このように、ニュイサンス欠陥は、コンテキスト情報に基づいて識別される。いくつかの実施形態では、この方法は、検査プロセスの結果のS/N比を高めるために欠陥の位置に近接する設計データに基づいて欠陥が検出された検査プロセスの結果から欠陥の一部を除去することを含む。このように、設計データ空間における欠陥の位置に近接して配置されている設計に関する情報は、検査結果のノイズを低減し、それにより検査結果のS/N比を高めるために使用される。例えば、設計の非機能領域の欠陥は、ビン範囲に従って分けられ、検査結果が後の分析に使用される前に検査結果からニュイサンスとしてフィルタリングされる。他の例では、欠陥は、欠陥がウェハの検査対象領域内に配置されているか、検査対象外領域に配置されているかに基づいて分けられる。追加の例では、系統的欠陥であるが、ニュイサンス欠陥(例えば、非DOI)が出現することが知られている設計の一部に配置されている欠陥を検査結果から除去して、DOIの結果のS/N比を高めることができる。ニュイサンス欠陥が出現することが知られている設計の1つ又は複数の部分は、ユーザーによって決定され、設計ライブラリなどのデータ構造体に格納される。例えば、ニュイサンス欠陥が出現することが知られている設計の部分は、教師ありのビン範囲によるグループ分けに特に使用するためにユーザーが選択したポリゴンを含む。それに加えて、ビン範囲に従って分ける方法を実行するのに先立ってPOIが定義されている場合、ビン範囲に従って分ける方法は、定められているPOIを使用して教師ありでビン範囲に従って分けることを実行する。それとは別に、POIは、さらに本明細書で説明されているような方法により実行される。本明細書で説明されている方法は、検査システム上で教師ありでビン範囲に従って分けることと、検査結果からニュイサンス欠陥を除外することとを含む。
上述のように欠陥の一部を除去して、検査結果のS/N比を高めるのは、検査結果の後処理を行う場合に有利である。例えば、欠陥の一部を除去する(例えば、非歩留まり影響欠陥を除去する)ことは、ビン範囲に従って欠陥を分ける前に実行され、注目する欠陥タイプに対するビン範囲に従って分けた結果のS/N比を高めることができる。それに加えて、結果のS/N比が高く、含むノイズが少ない場合に、検査結果又は本明細書で説明されている方法の実施形態の結果の分析がより速く、より正確になる。特に有利な一例では、PWQ法において、主ノイズ源は、欠陥として検出される線端ショート(LES)である。しかし、LESは、一般的に、歩留まりに著しい影響を及ぼさない。したがって、ユーザーは、一般的に、LESを気にせず、またLESは比較的多数が出現しうるため、検出されたLESは、歩留まりに対する関連性の高い他の欠陥を圧倒する可能性がある。その際、本明細書で説明されているように検出されたLESを検査の結果から除去することは、検査結果をさらに処理するうえで特に有益である。欠陥は、光学又は電子ビーム検査システムにより検出された欠陥を含んでいてもよい。それに加えて、本明細書でさらに説明されているように、検査レシピーは、検査時にこれらの欠陥を区別するように設計コンテキストに基づいて作成される。このように、本明細書で説明されている方法及びシステムを使用することで、より多くのDOIを検出し、より多くのニュイサンス欠陥を抑制することができ、また系統的欠陥とランダム欠陥を分類し、パターン・ベースでビン範囲に従って系統的欠陥を分けることができる検査レシピーを作成することができる。
他の実施形態では、この方法は、検査プロセスの結果のS/N比を高めるためにグループの1つ又は複数の中の欠陥のうちの少なくともいくつかをレビューし、欠陥が検出された検査プロセスの結果からニュイサンス欠陥に対応する1つ又は複数のグループを取り除くことにより欠陥のグループの1つ又は複数がニュイサンス欠陥に対応しているかどうかを判定することを含む。欠陥の少なくとも一部をレビューすることは、本明細書で説明されているように、又は当業界で知られている他の好適な方法により実行される。1つ又は複数の欠陥グループがニュイサンス欠陥に対応しているかどうかを判定することは、好適な方法でレビューの結果を使用して実行される。欠陥の1つ又は複数のグループが、ニュイサンス欠陥に対応する場合、1つ又は複数のグループを検査結果から除去し(フィルタリングして取り除き)、検査結果内のDOIのS/N比を高めることもできる。
上述のように、本明細書で説明されている実施形態は、都合のよいことに、設計データ空間における設計データと欠陥位置を使用して、ウェハ上で印刷されるような欠陥情報及び/又はバックグラウンド情報とは反対にビン範囲に従って欠陥を分ける。しかし、設計データ空間における設計データは、ビン範囲に従って欠陥を分けるために他の情報と組み合わせて使用される(例えば、ビン範囲に従って異なる複数のグループに分けられた欠陥の欠陥との間の分離距離を細かくする)。例えば、一実施形態では、ビン範囲に従って欠陥を分けることは、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれの設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分が少なくとも類似し、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の1つ又は複数の属性が少なくとも類似するようにグループ分けすることを含む。これらの欠陥の(複数の)属性は、本明細書で説明されている(複数の)欠陥属性を含む。それに加えて、(複数の)欠陥属性は、検査の結果から判定される(複数の)欠陥属性を含む。その際、ビン範囲によるグループ分けは、設計と欠陥の1つ又は複数の属性との組合せを使用して実行される。このように、この方法は、設計データと(複数の)欠陥属性に基づいて欠陥を複数のグループに分けることができる。したがって、少なくとも類似する設計データの部分の設計データ空間において配置されている欠陥の異なるタイプの欠陥を分けることができる。このようにビン範囲によるグループ分けは、都合のよいことに、設計データの領域内の異なる欠陥の機構とその異なる欠陥の機構が生じる率とを識別するために使用される。
他の実施形態では、欠陥の位置に近接する設計データの部分は、欠陥が配置されている設計データを含む。言い換えると、ビン範囲に従って分けるために比較される設計データの部分は、欠陥の「背後にある」設計データを含む。このように、ビン範囲によるグループ分けは、欠陥が配置されている設計データにおけるジオメトリを使用することによるジオメトリのビン範囲によるグループ分けを含む。このようなビン範囲によるグループ分けは、正しいジオメトリがビン範囲によるグループ分けに使用される確率が比較的高くなるように欠陥配置が比較的高い座標精度で報告される欠陥について実行される。欠陥の「背後にある」設計データを使用することは、実施形態で使用される設計データがウェハ上で印刷されるような設計データではないため、本明細書で説明されている実施形態において可能である。それとは対照的に、ウェハ上の欠陥は、ウェハ上の同じ配置で、又は欠陥を囲む領域内で印刷された設計データを見えなくする可能性があり、このため、さらに、ウェハ上に印刷されるような設計データに基づいてビン範囲に従って欠陥を分ける方法の精度を低下させる。他の実施形態では、本明細書で説明されている実施形態に使用される欠陥の位置に近接する設計データの部分は、欠陥の位置の周りの設計データを含む。それに加えて、ビン範囲によるグループ分けは、欠陥が配置されているジオメトリと設計データ空間における欠陥の位置の周り、又は近接するジオメトリを使用して実行される。
上述のように、ビン範囲によるグループ分けは、設計データの部分の中の欠陥の位置に関係なく実行される。そのようなビン範囲によるグループ分けは、比較的低い精度で欠陥配置を報告する検査システムにより検出された欠陥について特に有利である。それに加えて、そのようなビン範囲によるグループ分けは、ビン範囲によるグループ分けの実質的に非常に正確な結果をもたらすが、特に高い欠陥度及び/又は特に高い欠陥率を示す設計データの部分などの重要情報をもたらす。しかし、追加の実施形態では、ビン範囲に従って欠陥を分けることは、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置に近接する設計データの部分が少なくとも類似し、部分内のポリゴンに関するそれらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置が少なくとも類似するようにグループ分けすることを含む。このように、ビン範囲によるグループ分けは、設計データの部分と、設計データ空間における欠陥の位置及び欠陥の位置に近接する設計データの部分との組合せを使用して実行される。その際、ビン範囲によるグループ分けは、ジオメトリにおいて欠陥が配置される場所に一部基づいて実行される。言い換えると、ビン範囲によるグループ分けは、部分間位置に近接する設計データと組み合わせて欠陥の部分間位置に基づいて実行される。このようなビン範囲によるグループ分けは、好ましくは、欠陥の実質的に正確な部分間の位置がビン範囲によるグループ分けに使用されるように比較的高い座標精度で配置が報告される欠陥について実行される。このように、設計データの同じ部分に配置されるが、部分間位置が異なるため異なる形でデバイスに影響を及ぼす欠陥を分けることができる。例えば、そのようなビン範囲によるグループ分けを使用することで、設計データの一部における2つのフィーチャの間に配置され、したがって、デバイス内に空き部分を生じさせる確率が比較的高い欠陥を、2つのフィーチャのうちの1つに完全に収まる形で配置され、したがってデバイス内に空き部分を生じさせる確率がかなり低い欠陥から分けることができる。したがって、このようにビン範囲によるグループ分けは、都合のよいことに、設計データの領域に対し歩留まりの異なる影響を及ぼす欠陥と歩留まりに異なる影響を及ぼす欠陥が生じる率を識別するために使用される。
いくつかの実施形態では、ビン範囲に従って分けるステップは、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置に近接する設計データの部分が少なくとも類似し、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置に近接する設計データの部分に対するホット・スポット情報が少なくとも類似するようにグループ分けすることを含む。ホット・スポット情報は、本明細書で説明されているホット・スポット情報又は当業界で知られている他のホット・スポット情報のどれかを含む。ホット・スポット情報は、本明細書でさらに説明されているように設計データの異なる部分について決定される。このように、この方法は、設計データとポート・スポット情報との組合せを使用してビン範囲によるグループ分けを実行することができる。このような一例では、歩留まりに類似の影響を及ぼす設計データのホット・スポットは、方法が実行される前に上述のようにビン範囲に従って分けられる。したがって、欠陥は、設計データの類似性に基づいてビン範囲に従って分けられ、このビン範囲によるグループ分けの結果得られる欠陥のグループは、類似の歩留まり影響を有する欠陥のサブグループに分けられる。
このような一例は、例えば、位置のいくつかが異なる設計データよりも上又は下に配置されている場合に、少なくとも類似している設計データのすべての部分が同じホット・スポット情報に関連付けられていない可能性がある。その際、設計データの少なくとも類似している部分に近接して配置されている欠陥を、設計データのそれぞれの部分に対するホット・スポット情報に基づいて分けることができる。このように、ウェハを加工するために使用されたプロセスの全体的な歩留まりをすばやく、かつ正確に評価することができる。
それに加えて、ホット・スポット情報をビン範囲によるグループ分けに使用し、設計データの一部の類似性が正しく判定されたことをチェック又は検証することができる。例えば、少なくとも類似していると判定される設計データの部分が、少なくとも類似しているホット・スポット情報に関連付けられていない場合、設計データの部分に対応する欠陥は、ビン範囲に従って同じグループに分けられない。
他の実施形態では、この方法は、グループの1つ又は複数の中の欠陥が、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて系統的欠陥であるか又はランダム欠陥であるかを判定することを含む。このように、この方法は、欠陥をまとめて1つのグループに分類することを含む。例えば、系統的欠陥は、1グループとしてニュイサンス欠陥又は注目していない欠陥に分類される。このような分類は、個々の欠陥について実行される。
欠陥が系統的欠陥又はランダム欠陥であるかどうかを判定するために使用される欠陥の(複数の)属性は、例えば、欠陥が複数のダイにおけるほぼ同じ配置に存在する場合、複数のダイにおける欠陥が(複数の)ほぼ同じ属性を有する場合、1つのダイにおける複数の欠陥の分布が規則正しく、及び/又はクラスタ化されている場合を含む。一例では、ウェハ上の1つのダイにのみ出現する欠陥は、ランダム欠陥として分類され、ほぼ同じ配置で多数のダイに出現する欠陥は、系統的欠陥として分類される。したがって、本明細書で説明されている方法は、欠陥に関する情報を使用して検査プロセス(インライン検査プロセス及び/又は電気的検査プロセス)によりウェハ上で検出された欠陥の原因を突き止めるために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ又は複数のグループの中の欠陥の少なくともいくつかのレビューの結果、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて、欠陥の1つ又は複数のグループを分類することを含む。1つ又は複数のグループにおける欠陥の少なくともいくつかのレビューは、本明細書で説明されているように、又は当業界で知られている好適な方法により実行される。設計データの1つ又は複数の属性や欠陥の1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。このように、実質的量の情報に基づいて欠陥をまとめて1つのグループに分類することができ、そうすることで、欠陥分類を比較的すばやく、比較的正確に実行することができる。
他の実施形態では、この方法は、本明細書で説明されているようにビン範囲に従って欠陥が分けられるグループが系統的又は潜在的系統的欠陥を含むかどうかを判定することを含む。このように、欠陥は、系統的又は潜在的系統的欠陥としてまとめて1つのグループに分類される。しかし、欠陥は、さらに、系統的又は潜在的系統的欠陥として個別に分類される。例えば、欠陥は、設計におけるポリゴンに関する欠陥の位置、及びホット・スポット、コールド・スポットなどがほぼ同じ位置に配置されているかどうかに基づいてこれらの実施形態において分類される。したがって、本明細書で説明されている方法は、設計データなどの情報を使用して検査プロセス(インライン検査プロセス及び/又は電気的検査プロセス)によりウェハ上で検出された欠陥の原因を突き止めるために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果を使用して時間の経過とともに系統的欠陥、潜在的系統的欠陥、又はそれらの何らかの組合せを監視することを含む。例えば、ビン範囲に従って分けるステップの結果を使用して、設計データにおける系統的問題を識別し、識別された系統的問題を、ウェハ及び/又は時間について再発に関して監視することができる。系統的及び/又は潜在的系統的欠陥を監視することは、本明細書で説明されている方法の結果を使用して実行される。
それに加えて、系統的及び/又は潜在的系統的欠陥を監視することは、統計的プロセス管理(SPC)法に似た方法で実行される。例えば、系統的欠陥、潜在的系統的欠陥、ランダム欠陥、又はその何らかの組合せを監視することで、歩留まりベースのSPCを実行することができ、その場合、異なるSPC法及び/又はアルゴリズムが、異なるタイプの欠陥に使用される。このような一例では、SPCパラメータは、異なるタイプの欠陥を監視するために使用され、SPCパラメータは、異なるタイプの欠陥の潜在的歩留まり影響に基づいて、決定若しくは選択されるが、これは本明細書で説明されているように実行される。このように、異なるタイプの欠陥は、SPCについて同時に監視されるが、異なるSPCパラメータを使用する。他の実施形態では、検査により検出された欠陥の部分集合のみが、SPCに使用される。例えば、非ニュイサンス系統的及び/又は潜在的系統的欠陥は、そのプロセスが設計ベースのプロセス限界について監視されるようにSPCの目的に関して監視される。追加の例では、歩留まりに対し潜在的に大きな影響を及ぼすと判定される系統的欠陥のみが、これらの欠陥の変化により引き起こされる加工プロセスの歩留まりの変化を比較的早期に、正確に検出できるようにSPCについて監視される。それに加えて、系統的欠陥グループやランダム欠陥の歩留まりの影響を推定するために異なる方法を用いることで、歩留まり関係問題のより正確な予測、監視、制御を有利に進めることができる。このように、この方法は、加工の歩留まりを監視し、改善するために使用されるデバイスの加工に関する情報をもたらすことができる(例えば、時間の経過に含む系統的欠陥の増大、時間の経過に含む系統的欠陥の減少、時間の経過に含む系統的欠陥の変化など)。
一実施形態では、この方法は、パターン・ベースの欠陥(例えば、系統的欠陥)の原因を突き止めることを含む。例えば、1つ又は複数のパターン・ベースの欠陥グループが支配的である場合、この方法は、同じ層及び同じデバイスについて多数の他のウェハのインライン検査データ及び/又は電気的検査データを取り込むことを含む。例えば、インライン検査データ及び/又は電気的検査データは、約100から約1000個までの他のウェハについて取り込まれる。このデータは、欠陥データベース又はファブ・データベースなどの記憶媒体から取り込まれる。このようなデータが利用可能でない場合、この方法は、系統的欠陥が検出されたウェハ上で実行されたプロセスにおいてすでに処理済みのウェハを検査(又は他のウェハを処理)し、次いでウェハを検査することによりそのような情報を生成することを含む。
この方法は、さらに、追加のウェハ上で検出された欠陥をパターン・ベースでビン範囲に従って分けることを実行することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。この方法は、1つ又は複数のパターン・ベース欠陥グループが追加のウェハについて支配的であるかどうかを判定することを含む。追加のウェハが、支配的なパターン・ベース欠陥の共通性を示している場合、この方法は、ウェハが共通の機器(又は処理ツール)を通じて処理されたかどうかを判定することを含む。このように、この方法は、機器共通性分析を実行することができる。この方法は、支配的なパターン・ベース欠陥グループが、特定の機器、特定のチャンバー(例えば、パラメータが何らかの理由でドリフトしている機器又はチャンバー)、又は特定のルートステップ(例えば、機器と2つ又はそれ以上のステップとの間の統合問題)に相関するかどうかを判定することを含む。支配的なパターン・ベース欠陥グループが特定の機器又は特定のチャンバーに相関する場合に、パターン・ベース欠陥グループの原因が分離され、場合によって識別されている。この方法は、データを積み重ねて注目するグループに対する空間シグネチャがあるかどうかを判定することを含む。空間シグネチャは、プロセス関係、OPC関係、又は設計関係の系統的問題、若しくはそれらの組合せの原因を絞り込むか、又は突き止めるうえで有用である。
支配的なパターン・ベース欠陥グループが特定の機器又は特定のチャンバーに相関しない場合、この方法は、データ・マイニングを実行して、欠陥を他のプロセス因子に相関させることを試みることを含む。データ・マイニングは、ファブ・データベースなどの1つ又は複数の記憶媒体に格納される、欠陥や設計データに関する情報、及びデバイス加工時に生成される情報に基づいて当業界で知られている好適な方法により実行される。1つ又は複数のプロセス因子と欠陥の間に比較的強い相関が識別される場合、欠陥に相関する(複数の)プロセス因子は、欠陥の原因として識別される。1つ又は複数の他のプロセス因子と欠陥との間に比較的強い相関が識別されない場合、この方法は、潜在的POIについて設計の任意のパターン探索を実行することと、パターン依存欠陥の原因が突き止められるように新しいインライン・ホット・スポット・モニタをセットアップすることとを含む。しかし、プロセス条件が除外される場合、プロセスそれ自体又は設計それ自体を評価し、必要ならば調整して、問題を整理又は取り除く。それに加えて、系統的欠陥の(複数の)属性をプロセス・ウィンドウ・マッピングの結果と比較することにより、ありそうなソース及び/又は根本原因について推論することができる。
この方法では、系統的及び/又は潜在的系統的欠陥に関する情報を使用して、データ整理を実行することができる。例えば、単一POIに対する完全ダイ・パターン・ベースの探索により、又は電気的機能試験やリソグラフィPWQ結果などの経験的技術から生成された50,000から200,000個を超えるホット・スポットがある。したがって、このデータを意味のある、タイムリーな方法で処理し、分析するために、データに対しデータ整理技術を実行する。このような一例では、パターン・ベースのホット・スポットについて、この方法は、ビン範囲に従ってホット・スポットを「そっくりな」グループに分けることを含む。例えば、それぞれのグループは、設計データにおける少なくとも類似しているパターンに近接して配置されている、及び/又は少なくとも類似している1つ又は複数の(複数の)属性を有する設計データに近接して配置されているホット・スポットを含む(例えば、設計の比較的低いパターン密度の領域内に配置されているホット・スポットをビン範囲によってグループ分けるすることができる)。その際、この方法は、設計コンテキスト及び/又は(複数の)設計属性に基づいてビン範囲に従ってホット・スポットを分けることを含む。追加の例では、PWQなどの経験的技術に関して、この方法は、歩留まり影響をほとんど又は全く有しない設計の配置に近接している欠陥をレビュー・サンプリングが実行される欠陥母集団から除去することを含む(コールド・スポット)。上述のようにデータ整理を実行することにより、本明細書でさらに説明されているように整理されたデータを使用することで、生成されるレビュー・サンプルを(例えば、歩留まりとのさらなる関連性について)改善することができる。
本明細書で説明されている方法及びシステムは、設計と検査結果の歩留まりベースの後処理(オンツール又はオフツールで実行される)とを組み合わせたCBIを含む。例えば、ニュイサンス欠陥、系統的欠陥、ランダム欠陥が識別された後、欠陥を何らかの形で整理することができる(例えば、欠陥オーガナイザー(DO)又はインライン欠陥オーガナイザー(iDO)を使用して)。一例では、結果は、データベースなどのデータ構造体に格納される。他の例では、上述のように、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分に基づいてビン範囲に従って欠陥がグループに分けられた後、それらのグループにおける欠陥を、さらに、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はその何らかの組合せに基づいて分けることができる。これらの欠陥を、iDOを使用して設計データの1つ又は複数の属性及び/又は欠陥の1つ又は複数の属性に基づいて分けることができる。このように、設計ベースのビン範囲によるグループ分けは、本明細書で説明されている実施形態においてiDOと組み合わせて使用される。特に、設計ベースのビン範囲によるグループ分けの出力をiDOに入力することができる。
設計データに基づいてビン範囲によるグループ分けられた欠陥をさらに分けるために使用される設計データの1つ又は複数の属性は、限定はしないが、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データ内のパターン若しくは構造の1つ又は複数の属性、設計データ空間における欠陥の位置に近接するパターン密度、欠陥が配置されている機能ブロック、デバイスの1つ又は複数の属性(例えば、n−MOS又はp−MOS)を含む。ビン範囲に従って分けられた欠陥をさらに分けるために使用される、欠陥の1つ又は複数の属性は、限定はしないが、サイズ、形状、輝度、コントラスト、極性、テクスチャを含む。
設計ベースのビン範囲によるグループ分け及びiDOの結果は棒グラフで例示される。
この棒グラフは、欠陥の総数と欠陥が検出された設計データにおけるパターンとの対比、及びパターンに応じて変わるサブグループ内の欠陥の数を例示することができる。上述のようにiDOと組み合わせて設計ベースのビン範囲によるグループ分けを使用することで、ランダム欠陥と系統的欠陥を分離し、ビン範囲に従って欠陥が分けられたグループを優先順位付けし、及び/又は設計データに加えられるべき変更を識別し、場合によっては優先順位付けする(例えば、欠陥グループの潜在的歩留まり影響を使用するが、これは本明細書でさらに説明されているように決定される)。特に、系統的欠陥とランダム欠陥とを分けるために設計ベースのビン範囲によるグループ分けにおいて与えられる値を、系統的(及び場合によってはランダム)欠陥をさらに分けるためにiDOを使用することにより大きくすることができる。それに加えて、系統的欠陥とランダム欠陥とを分けるために設計ベースのビン範囲によるグループ分けにおいて与えられる値を、系統的(及び場合によってはランダム)欠陥を分けるために場合によってはiDOと組み合わせて歩留まり関連性を使用することにより大きくすることができる。
このように、系統的欠陥母集団及びランダム欠陥母集団は、別々に処理される(例えば、系統的欠陥母集団及びランダム欠陥母集団は、独立にサンプリングされる)。系統的欠陥とランダム欠陥に対する異なる母集団又は異なる情報を使用して、系統的欠陥とランダム欠陥に対する別々の結果を生み出すことができる。例えば、系統的欠陥とランダム欠陥は、自動的に処理される、及び/又はユーザーによって使用される異なる棒グラフ又は他のグラフ若しくはテキスト表現で例示される。レビューのため欠陥をサンプリングした後、系統的欠陥、及び適宜、ランダム欠陥のいくつかを、好適なレビュー・システム(例えば、比較的高い倍率の光学的レビュー・システム又はSEM)を使用してレビューする。
欠陥レビューの結果を使用して、系統的欠陥とランダム欠陥の両方の欠陥密度を正規化することができる。
本明細書で説明されている方法及びシステムは、ユーザーに多くのメリットを与える。
例えば、これらの方法及びシステムは、効率的基準歩留まり改善、偏位検出の改善、レビュー・システム効率の向上、根本原因検出の効率向上、知識保持の改善を実現することができる。それに加えて、本明細書で説明されている実施形態の結果は、結果の消費者(例えば、デバイス・メーカーの消費者)にとって有用なさまざまなタイプの情報を含む。そのような他のタイプの情報は、プロセス・ツール所有者、設計者、インテグレーション・エンジニアなどの情報を含む。
さらに、90nm設計ルールとそれを超える歩留まり損失の50%を超える部分が系統的問題によって引き起こされると推定されている。そのため、系統的歩留まり問題は、90nm設計ルールにおいて有意であり、90nm未満の設計ルールでは支配的である。したがって、上で説明されているように系統的欠陥をニュイサンス欠陥とランダム欠陥から分離することで、それらの系統的問題の評価、分析、制御をうまく行うことができる。さらに、系統的欠陥の配置を設計データにおける機能ブロックの配置と比較することができる。このように、系統的欠陥を、1つ又は複数の機能ブロックと相関させることができ、この情報を使用してS/N比を改善することができる。特に、この方法は、S/N比を改善するために欠陥が配置されている機能ブロックに基づいて欠陥を分けることを含む。同様にして、この方法は、設計データが設計別に編成された階層セルに基づいて欠陥を分けることを含む。したがって、S/N比を改善するために、ビン範囲によるグループ分けられた欠陥及び/又はDBCを割り当てられた欠陥は、欠陥が配置されている機能ブロック(又は階層の任意のレベル)(例えば、メモリ又は論理回路)に基づいて分けられる。本明細書で説明されている実施形態において使用される設計データの部分は、セル構造又はセルの階層に対応しうる。
機能ブロック毎の欠陥の割合は、本明細書で説明されている方法で決定される。このように、設計問題を含む機能ブロックは、それぞれの機能ブロックにおいて検出された、及び/又はビン範囲に従って機能ブロックに対応するグループに分けられた欠陥の割合に基づいて識別される。機能ブロック内に配置されている欠陥に関する追加の情報を使用して、それぞれのブロックにおける設計問題を識別することができる。上述の情報は、さらに、補正により欠陥をどれだけ排除できるかに基づいて補正の設計問題を選択し、及び/又は優先順位付けするためにも使用される。例えば、欠陥の約70%は、設計の4つの異なる機能ブロックにおける4つの設計問題により引き起こされると決定された場合、補正のためそれら4つの設計問題のみを選択するか、又は他が補正される前に補正のためそれら4つの設計問題を選択することができる(例えば、設計問題により引き起こされた欠陥の個数又は割合に基づいて設計問題を優先順位付けすることにより)。ユーザー(例えば、チップ設計者)は、使用するセル設計を選択し、またより少ない系統的欠陥を時間の推移に関して示すセル設計を使用することを選択することができ、セル設計に関するそのような情報は、本明細書で説明されている実施形態を使用して生成される。
他の実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIを優先順位付けすることと、優先順位付けステップの結果に基づいて1つ又は複数のPOIのうちの少なくとも1つを最適化することとを含む。そのような一実施形態では、(複数の)POIは、(複数の)POIで検出された欠陥の数に基づいて優先順位付けされる。それぞれのPOIにおいて検出された欠陥の数は、例えば、(複数の)POI又は(複数の)POIの1つ又は複数の属性を、グループに対応する設計データの部分と比較し、POIに(複数の)POI(又は(複数の)POIの(複数の)属性)に少なくとも類似している設計データの部分(及び/又は設計データの部分の1つ又は複数の属性)に対応するグループ内の欠陥の数を割り当てることにより、ビン範囲に従って分けるステップの結果から決定される。このように、最大数の欠陥が検出されたPOIは、最高優先度を割り当てられ、次に多い数の欠陥が検出されたPOIは、次の高い優先度を割り当てられ、というように続く。
他の実施形態では、この方法は、歩留まり最適化のため1つ又は複数の系統的欠陥タイプを優先順位付けすることを含む(例えば、プロセス・パラメータ、設計、OPCなど、又はその何らかの組合せを変更することにより)。このような一実施形態では、系統的欠陥タイプは、POI又はPOIのグループとして分類され、POIは、上で説明されているように決定される、POI上で、又はその近くで検出された欠陥の数に基づいて優先順位付けされる。優先度は、さらに、POIにおいて検出された(複数の)系統的欠陥のクリティカル度、設計におけるPOIの頻度、プロセス変動に対するPOIの感度を使用して系統的欠陥を優先順位付けすることにより高められる。
それに加えて、又はそれとは別に、(複数の)POIは、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果又はその組合せに基づいて優先順位付けされる。例えば、(複数の)POIを優先順位付けすることは、(複数の)POIで検出された1つ又は複数の欠陥について欠陥クリティカル度指数(DCI)を決定することと、1つ又は複数の欠陥に対するDCIに基づいて(複数の)POIを優先順位付けすることとを含む。DCIは、本明細書でさらに説明されているようにこの実施形態において決定される。他の例では、(複数の)POIを優先順位付けすることは、(複数の)POIで検出された1つ又は複数の欠陥についてKP値を決定することと、1つ又は複数の欠陥に対するKP値に基づいて(複数の)POIを優先順位付けすることとを含む。さらに他の例では、(複数の)POIにおいて、又は近接して検出された欠陥の数と(複数の)POIにおいて、又は近接して検出された欠陥の1つ又は複数に対するDCIの組合せに基づいて(複数の)POIを優先順位付けすることができる。このように、(複数の)POIを優先順位付けすることは、高い欠陥度を有する(複数の)POIに高い優先度が割り当てられるように(複数の)POIにより示される欠陥度に基づいて(複数の)POIを優先順位付けすることを含む。
さらに、(複数の)POIは、場合によっては本明細書で説明されている他の結果と組み合わせて(複数の)POIの1つ又は複数の属性に基づいて識別され、及び/又は優先順位付けされる。(複数の)POIの1つ又は複数の属性は、例えば、(複数の)POIにおけるフィーチャの寸法、(複数の)POIにおけるフィーチャの密度、(複数の)POIに含まれるフィーチャの(複数の)タイプ、設計における(複数の)POIの位置、欠陥に対する(複数の)POIの歩留まり影響の受けやすさなど、又はそれらの何らかの組合せを含む。そのような一例では、欠陥による歩留まりの影響を受けやすい(複数の)POIは、歩留まりに対する欠陥の影響を受けにくい(複数の)POIに比べて高い優先度を割り当てられる。
さらに、(複数の)POIは、場合によっては(複数の)POIの1つ又は複数の属性及び/又は本明細書で説明されている他の結果と組み合わせて設計の1つ又は複数の属性に基づいて優先順位付けされる。設計の1つ又は複数の属性は、例えば、冗長性、電気的接続性、電気的属性など、又はそれらの何らかの組合せを含む。特に、設計データにおけるセルは、セル内に含まれるパターンを超えるコンテキストを持つことができる。そのようなコンテキストは、例えば、セルの階層、冗長性(又はなし)などを含んでいてもよい。したがって、本明細書で説明されている実施形態で使用される1つ又は複数の属性は、(複数の)POIが配置されるセルのコンテキストを含み、これは設計データ空間における(複数の)POIの位置及び(複数の)POIの設計データ(その設計データが設計データにおけるセルに特有である場合)に基づいて決定される。そのような一例では、設計において冗長でない(複数の)POI(例えば、非アレイ)は、冗長である(複数の)POI(例えば、アレイ)に比べて高い優先度を割り当てられる。(複数の)POIは、さらに、セル間の接続の冗長性(例えば、ルーティング又は冗長ビア)に基づいて優先順位付けされる。設計のこのようなコンテキストは、当業界で知られている方法で取り込まれる、及び/又は決定される。
優先順位付けステップの結果に基づいてPOIのうちの少なくとも1つを最適化することは、(複数の)POIの(複数の)フィーチャの(複数の)寸法、(複数の)POIの(複数の)フィーチャの密度など、又はそれらの組合せなどのPOIの1つ又は複数の属性を変更することを含む。POIの1つ又は複数の属性は、POIに対応をする設計データを変更することにより変更される。好ましくは、(複数の)POIを変更して、(複数の)POIの欠陥度(例えば、(複数の)POIで検出された欠陥の数)を低減し、(複数の)POIで検出された欠陥の1つ又は複数の属性(例えば、DCI、KPなど)を変更し、及び/又は(複数の)POIが含まれるデバイスの歩留まりを高める。それに加えて、優先順位付けステップにより決定された高い優先度を有する(複数の)POIは、優先順位付けステップにより決定された低い優先度を有する(複数の)POIの前に変更され、最適化される。このように、最大の欠陥度及び/又は歩留まりに対し最大の影響を有する欠陥度を示す(複数の)POIは、低い欠陥度及び/又は歩留まりに対する影響の小さい欠陥度を示す(複数の)POIの前に変更され、及び/又は最適化される。その際、優先順位付けステップの結果は、歩留まりの最大の改善が得られるようにどの(複数の)POIが変更され、及び/又は最適化されるかを示し、それらのPOIは、他の(複数の)POIの前に変更され、及び/又は最適化される。
したがって、(複数の)POIが歩留まりに最大の影響を及ぼすタイムリーな誘導がないと、設計データ及び/又は製造プロセスに加えられた変更が遅延し、その結果歩留まりの改善が遅れ、市場に出すまでの時間が長引くため、この実施形態は設計データを変更するために他のすでに使用されている方法やシステムよりも有利である。さらに、このステップで変更される(複数の)POIは、本明細書で説明されている実施形態においてビン範囲に従って分けられた欠陥の検出前にウェハ上に印刷される設計に含まれる(複数の)POIのみを含むが、(複数の)POIを最適化するように変更された(複数の)POIは、複数の設計に含まれる(複数の)POIを含む。例えば、複数の設計が(複数の)POIを含む場合、優先順位付け及び/又は本明細書で説明されている方法の他の結果に基づいて、異なる設計における(複数の)POIは、変更され、最適化され、これにより、異なる設計のそれぞれで加工されたデバイスの歩留まりを高めることができる。
追加の一実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIを優先順位付けすることと、優先順位付けステップの結果に基づいて1つ又は複数のPOIの1つ又は複数のRETフィーチャを最適化することとを含む。この実施形態で(複数の)POIを優先順位付けすることは、上述のように実行される。このステップで最適化される(複数の)RETフィーチャは、設計に含まれる(複数の)RETフィーチャ(例えば、OPCフィーチャ)を含む。優先順位付けステップの結果に基づいて1つ又は複数のPOIの1つ又は複数のRETフィーチャを最適化することは、(複数の)RETフィーチャの1つ又は複数の属性を変更することを含む(例えば、(複数の)RETフィーチャの寸法、(複数の)RETフィーチャの形状、(複数の)POIにおけるフィーチャに関する(複数の)RETフィーチャの位置など)。このステップで変更される(複数の)RETフィーチャの1つ又は複数の属性は、好ましくは、(複数の)POIにおける欠陥度を下げ、及び/又は歩留まりを高める(複数の)RETフィーチャの(複数の)属性を含む。
それに加えて、この実施形態の優先順位付けステップの結果に基づいて1つ又は複数のRETフィーチャを最適化することは、他のPOIについて(複数の)RETフィーチャを最適化する前に最高の優先度を有するように決定されているPOIについて(複数の)RETフィーチャを最適化することを含む。このように、高い優先度を有する(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャは、低い優先度を有する(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャが変更される前に変更される。このように、最大の欠陥度及び/又は歩留まりに対し最大の影響を有する欠陥度を示す(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャは、低い欠陥度及び/又は歩留まりに対する影響の小さい欠陥度を示す(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャの前に変更され、及び/又は最適化される。その際、優先順位付けステップの結果は、歩留まりの最大の改善が得られるようにどの(複数の)POIが変更され、及び/又は最適化されるかを示し、それらのPOIの(複数の)RETフィーチャは、他の(複数の)POIのRETフィーチャ前に変更され、及び/又は最適化される。
したがって、(複数の)POIが歩留まりに最大の影響を及ぼすタイムリーな誘導がないと、設計に対する変更が遅延し、その結果、歩留まりの改善が遅れ、市場に出すまでの時間が長引くため、この実施形態は設計データを変更するために他のすでに使用されている方法やシステムよりも有利である。さらに、このステップで変更される(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャは、本明細書で説明されている実施形態においてビン範囲に従って分けられた欠陥の検出前にウェハ上に印刷される設計に含まれる(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャのみを含むが、変更され及び/又は最適化される(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャは、複数の設計に含まれる(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャを含む。例えば、複数の設計が同じ(複数の)RETフィーチャとともに(複数の)POIを含む場合、優先順位付け及び/又は本明細書で説明されている方法の他の結果に基づいて、異なる設計における(複数の)POIの(複数の)RETフィーチャは、変更され、最適化され、これにより、異なる設計のそれぞれで加工されたデバイスの歩留まりを高めることができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥配置に関する設計データを使用して加工されているデバイスの電気的特性をモデル化することと、モデル化の結果に基づいて欠陥配置における欠陥のパラメータ関連性を決定することを含む。このように、モデル化のステップの結果は、欠陥のパラメータ関連性を決定するために使用される。例えば、モデル化のステップの結果は、設計を使用して加工されるデバイスの1つ又は複数の電気的パラメータを欠陥がどのように変えるかを決定するために使用される。上述のようにパラメータ関連性が決定される欠陥は、系統的欠陥としてよい。パラメータ関連性は、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップで使用される。例えば、パラメータ関連性は、場合によっては本明細書で説明されている他の情報と組み合わせて(例えば、1つ又は複数の欠陥属性、設計データの1つ又は複数の属性など)、欠陥のDCIを決定し、本明細書で説明されているように(複数の)POIを優先順位付けするといったことを行うために使用される。
この実施形態におけるデバイスの電気的特性をモデル化することは、当業界で知られている適切な方法又はシステムを使用して実行することができる。モデル化されるデバイスの電気的特性は、デバイスの1つ又は複数の電気的特性を含む。欠陥のパラメータ関連性は、モデル化された電気的特性と設計された通りの電気的特性を使用して決定される。例えば、モデル化された電気的特性を、設計された通りの電気的特性と比較して、欠陥が電気的特性を変える度合いを決定することができる。次いで、パラメータ関連性は、欠陥が電気的特性を変える度合いに基づいて決定される(例えば、電気的特性を大幅に変える欠陥は、電気的特性をあまり大きく変えない欠陥に比べてパラメータ関連性が強い)。パラメータ関連性は、デバイスのモデル化された電気的特性と一定範囲の好適な電気的特性とを使用して同様に決定される。例えば、モデル化された電気的特性は、この範囲と比較され、モデル化された電気的特性がこの範囲にあるか、又は範囲外にある場合に、パラメータ関連性を決定するために使用される。このような例では、モデル化された電気的特性が許容範囲の近くにあるか、又は外れている場合、欠陥は、モデル化された特性が許容範囲内にあった場合に比べてパラメータ関連性が強いと決定される。パラメータ関連性は、さらに、少なくとも一部は、限定はしないが、シミュレーション、光学検査結果、欠陥レビュー結果、電気的試験結果、又はそのなんらかの組合せを含む、多くの異なるソースからの情報に基づいて決定される。
一実施形態では、この方法は、系統的欠陥と潜在的系統的欠陥について決定された、又はそれに関連するパラメータ関連性に基づいて系統的欠陥と潜在的系統的欠陥に優先度を割り当てることを含む。例えば、ホット・スポットの優先度又は重大度は、パラメータ関連性に基づいてランク付けされる。パラメータ関連性は、ホット・スポットにおける欠陥がデバイスの電気的パラメータに影響を及ぼす及ぼし方と程度を定めることができる。
パラメータ関連性は、さらに、デバイスのパラメータ問題(例えば、歩留まり損失)を引き起こす可能性の高い欠陥を分離又は優先順位付けするために使用される。例えば、電気的試験結果又は抵抗、容量、タイミングなどのデバイスの電気的特性に関する他の情報を設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性及び/又は欠陥の1つ又は複数の属性と組み合わせて使用して、どの欠陥がデバイスの電気的特性に影響を及ぼし、どの欠陥が影響を及ぼさないかを決定することができる。電気的試験結果又は電気的特性に関する他の情報は、この方法により(例えば、シミュレーションを使用して)決定されるか、又は他のソース(例えば、ネットリスト情報)から取り込まれる。このように、パラメータ問題を引き起こす可能性の高い欠陥を、パラメータ問題を引き起こす可能性の低い、又は引き起こすことがあり得ない欠陥から分けることができる。
その際、デバイスのジオメトリの組成又は材料特性のみに影響を及ぼす欠陥は、その意図された目的に応じてデバイスが機能できる場合に影響を及ぼす欠陥から分けられる。それに加えて、電気的試験結果又はデバイスの電気的特性に関する他の情報を、設計データの1つ又は複数の属性及び/又は欠陥の1つ又は複数の属性と組み合わせて使用して、電気的欠陥をクリティカル・パラメータ欠陥(例えば、デバイスの電気的特性に著しい影響を及ぼす可能性のある電気的欠陥)と非クリティカル・パラメータ欠陥(例えば、デバイスの電気的特性に著しい影響を及ぼす可能性のない電気的欠陥)とに分けることができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥(例えば、欠陥のうちの1つ又は複数)に対するDCIを決定することを含む。DCIは、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はその何らかの組合せに基づいて決定される。例えば、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はその何らかの組合せを使用して、設計ベースの欠陥の潜在的歩留まり影響を決定し、それにより欠陥データの値を大きくできる。特定の例では、設計データにおける欠陥のサイズと位置を使用してDCIを決定し、欠陥が電気的障害を引き起こす可能性を調べることができる。次いで、DCIを使用して、欠陥の歩留まり関連性を示すことができる。特に、欠陥サイズを使用して、欠陥がダイをだめにする、又は他の何らかの形でウェハ上に加工されるデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える可能性を調べることができる。例えば、欠陥サイズが大きくなり、パターンの複雑度が増大すると、欠陥がダイをだめにしたり、デバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える可能性も高まる。したがって、欠陥がダイをだめにしたり、あるいはデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える可能性を欠陥サイズとパターン複雑度の関数として記述する関係を使用して、それぞれのウェハ上のそれぞれの欠陥の相対的リスクを決定することができる。それぞれの欠陥の相対的リスクは、検査直後に決定され、これにより、相対的リスクに基づいてより適切な決定を下すことができる。
それとは別に、DCIは、異なる欠陥サイズ及び場合によっては異なるタイプの欠陥(場合によってはダイ全体にわたる)について、欠陥がダイをだめにするか、又は1つ又は複数の電気的属性を変える確率を決定することを含む統計的方法を使用して決定されるが、これは欠陥に対するDCIを決定するために使用される。例えば、一実施形態では、この方法は、欠陥の1つ又は複数が、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性(欠陥サイズなど)、欠陥を検出するために使用される検査システムにより報告された欠陥の位置、検査システムの座標の不正確さ、又はそれらの何らかの組合せに基づいて設計データについて加工されたデバイス内に1つ又は複数の電気的障害を引き起こす(又はデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変えて、それによりパラメータ電気的問題を引き起こす)確率を決定することとその確率に基づいて1つ又は複数の欠陥に対するDCIを決定することとを含む。この確率は、当業界で知られている適切な統計的方法を使用するこの方法で決定される。
欠陥に対するDCIは、欠陥がレビューのため選択されるサンプリングなどのために本明細書で説明されている実施形態においてさまざまな方法により使用される。特に、それぞれの欠陥分類又は欠陥のグループについて、DCIは、共通に分類された欠陥又は共通にビン範囲に従って分けられた欠陥のランダム・サンプリングを実行する代わりに同じ分類で欠陥をサンプリングするために使用されるか、又はビン範囲に従って同じグループに分けられる。DCIをサンプリングに使用することで、DCIの分布を使用し、ダイをだめにするか、又は1つ又は複数の電気的属性を変える確率の高いか欠陥を判定することができ、またダイをだめにするか、又は1つ又は複数の電気的属性を変える確率の高い欠陥をより多くサンプリングすることができる。その際、歩留まりに影響を及ぼす可能性の高い欠陥をレビューのためより多くサンプリングすることができ、したがって、歩留まりに影響を及ぼす可能性の高い欠陥を識別し、分類するために特に有用な欠陥レビュー結果を生成することができる。DCIは、潜在的系統的欠陥や系統的欠陥をサンプリングするだけでなく、ランダム欠陥をもサンプリングするために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、電気的障害密度マップ上の高密度ゾーンを決定することを含む。障害密度マップは、障害試験連鎖又は障害フリップフロップの「論理的ビットマップ」又は物理的変換を生成することにより出力される(スキャン・ベースの試験の一種である、構造試験により検出される)。スキャン・ベースの試験により見つかるすべての障害線又は領域は、試験対象ダイ(DUT)のグラフィカル・レンダリングでそのようなものとして示される。「論理的ビットマップ」及び「ビットマップ」という用語は、本明細書では互いに取り替えて使用される。同じ(複数の)層と設計の、異なるダイに対する論理的ビットマップを積層して(つまり、オーバーレイして)、ダイ上のそれぞれの点における障害の数を示し、障害密度マップを作成することができる。所定の値よりも大きい頻度で障害密度マップに現れる欠陥は、系統的欠陥としてみなせる。ダイ座標空間におけるホット・スポットに近接して見つかる欠陥は、歩留まりに影響する系統的欠陥又は系統的候補とみなせる。
いくつかの実施形態では、インライン検査結果からの情報を使用して電気的検査プロセスの結果(例えば、ビットマップ)を分析し、電気的欠陥の原因がインライン検査結果から決定されるかどうかを判定することができる。インライン検査結果及び電気的検査結果を補正するために、本明細書で説明されているように異なる検査結果を互いにアラインさせることができる。それに加えて、異なる検査結果を、まず最初に、設計データにアラインさせ、次いで、検査結果を互いにアラインさせることができる。いずれの場合も、ビットマップ結果は、インライン検査結果でオーバーレイされる。
この方法は、さらに、インライン検査データ及び設計データに基づいてビットマップで電気的欠陥の原因を突き止めることを含む。それに加えて、異なる障害タイプやその候補配置又は経路を分析して、物理的欠陥とオーバーラップする電気的障害の数を決定することができる。これらの「ヒット」は、物理的欠陥が電気的欠陥の原因に関わる証拠となる。このように、障害タイプに対するヒットの比は、報告された物理的欠陥に対応するそのタイプの障害の数をそのタイプの障害の数で割った値として決定される。このヒット比を評価することで、障害タイプが報告された物理的欠陥に層化する傾向を有するかどうかを判定することができる。それに加えて、物理的欠陥のヒット比とインライン検査結果を使用して、電気的障害の原因となった同じタイプの物理的欠陥の数を決定することができる。このように、電気的障害を引き起こした同じタイプの欠陥の数を使用して、欠陥の歩留まりに有意性の統計的予測を決定することができる。
物理的欠陥に関する追加の情報も、ビット障害の原因を突き止めるために使用される。
このような情報は、限定はしないが、ビット障害の配置に対応する物理的欠陥のイメージ、物理的欠陥に対する分類結果、物理的欠陥に対するビン範囲によるグループ分けの結果、又はその何らかの組合せを含むことができ、これは、ビット障害が配置されているダイ全体のビットマップ・イメージ、複数のダイのビットマップ・イメージの積層(つまり、オーバーレイ)を示すイメージ(例えば、ダイ上の電気的障害の反復性を示す)、ビットマップ・パレート図、及びビットマップ結果に関する詳細情報(例えば、テーブル又はリストのデータ)などのビットマップ情報と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥遷移テーブル(DTT)法を使用して、欠陥が検出されなかった、又はノンキラー又は非有意欠陥が検出されたホット・スポットを識別することを含む。一般に、DTTの複数の行は、異なる欠陥に対する検査結果を含み、DTTの異なる列は、異なる時刻に実行された検査により生成された検査結果を含む。
検査結果は、時間順に列に配列される。このように、テーブルは、半導体製造プロセスにおいて異なる層でどの欠陥が再検出されたかを示す。テーブルは、さらに、異なる層で検出された欠陥に関する追加の情報を含むか、又はアクセス(例えば、リンク)を備えることもできる。このように、欠陥のイメージなどの追加の情報を使用して、欠陥が異なる層で変化したか、それはどのように変化したかを判定することができる。
追加の実施形態では、この方法は、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて欠陥の1つ又は複数に対するKP値を決定することを含む。同様にして、この方法は、1つ又は複数のグループに対応する設計データの1つ又は複数の属性、1つ又は複数のグループの欠陥の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて欠陥の1つ又は複数のグループに対するKP値を決定することを含む。系統的欠陥に対するKP値は、歩留まり比などの系統的欠陥の追加の属性を決定するために使用される。それに加えて、KP値は、本明細書で説明されている追加のステップを実行するために使用される。例えば、系統的欠陥に対するKP値は、どの欠陥がレビューのために選択されたかを判定するために使用される。特に、比較的高いKP値を有する系統的欠陥が、レビューのため選択される。それに加えて、この方法は、系統的欠陥に対するKP値を監視することと、KP値が所定のKP値を超えた場合に出力信号を生成することを含む。出力信号は、自動化されたレポート、可視出力信号、可聴出力信号、又はユーザーにプロセスに関する潜在的問題を知らせるために使用される他の何らかの出力信号とすることができる。このように、出力信号は、アラーム信号とすることができる。
本明細書でさらに説明されているように、本明細書で説明されている方法及びシステムの利点の1つは、多数の異なるソースからの情報にまとめてアクセスし、相関させ、格納し、表示し、及び/又は処理することができるということにある。このような情報は、限定はしないが、GDSファイル内の情報、ウェハ上で実行されるプロセスに関する情報(通常WIPデータと呼ばれ、ファブ製造実行システム(MES)データベースなどのソースから取り込まれる)、インライン検査結果、インライン計量又は測定結果、電気的試験結果、ライン終了歩留まり情報を含む。このような情報は、系統的欠陥に関する歩留まり関係情報を決定するために使用される。さらに、系統的欠陥について決定された歩留まり比又は他の歩留まり関係情報は、歩留まり関係コンテキストを系統的欠陥に割り当てるために使用される。歩留まり関係コンテキスト情報と設計コンテキストの両方を、系統的欠陥に割り当てることができる。一実施形態では、設計コンテキストに基づいて欠陥を分類する代わりに、歩留まり制限コンテキストに基づいて系統的欠陥を分類することができる。
本明細書でさらに説明されているように、系統的欠陥に対するホット・スポット・ベースの検査は、検出された系統的欠陥や系統的欠陥に対応する設計コンテキストを含む検査結果を出力する。このように、設計データにおける周縁フィーチャを識別し、SPCアプリケーションに使用される。例えば、プロセスがプロセス限界からドリフトしてずれると、これらのフィーチャが最初に不具合を生じる傾向があるため、設計データにおける周縁フィーチャの配置を監視することで、SPCを実行することができる。したがって、SPCは、設計におけるすべてのフィーチャの代わりに設計における最も重要なフィーチャを含む設計におけるすべてのフィーチャの部分集合を監視することによりより速く実行され、プロセスの変化に最も敏感な設計におけるフィーチャがSPCにおいて監視されるためプロセスのドリフトをより速く検出することができる。同様にして、周縁フィーチャ情報を使用して、CD測定プロセスなどの計量プロセスのレシピーを生成することができる。
CD測定プロセスは、当業界で知られている好適なCD測定プロセスであればどのようなものでもよい(例えば、CDSEM、散乱計CD測定など)。CD測定プロセスのレシピーを生成することは、CD測定がそのプロセスで実行されるウェハ上の配置(例えば、周縁フィーチャが印刷される配置)を決定することを含む。それに加えて、CD測定が実行されるウェハ上の配置で取り込まれたBFイメージなどのウェハの検査結果をレシピーに付けるか、又は計量システムに供給し、これにより、計量システムは結果を使用してウェハ上の配置に移動して測定することができる。
しかし、試験データを加えて、系統的欠陥に対応する設計の部分は、半導体製造プロセスの歩留まりの確率と系統的欠陥のKPに関係する。そのような一実施形態では、本明細書で説明されている検査システム又は他のシステムは、それぞれの個々のダイが得られる確率と歩留まりに影響を及ぼす可能性が最も高い欠陥などの系統的欠陥に対する歩留まり結果を出力することができる。系統的欠陥のKPは、SPCアプリケーションにも使用される。例えば、それぞれのダイが得られる確率やどの欠陥が歩留まりに影響を及ぼす可能性が最も高いかということを利用して、SPC監視アプリケーションとレビュー・サンプリングを改善することができる。このように、SPCは、コンテキスト・ベースの歩留まりに基づいて実行される。それに加えて、改善されたSPC監視とレビュー・サンプリングは、根本原因分析及び基準低減を改善することができる。
他の実施形態では、この方法は、時間の推移に従って欠陥のグループに対するKP値を監視することと、監視の結果に基づいて欠陥のグループの有意性を決定することとを含む。例えば、時間の経過とともに、KP値が更新され続けると、低いKP値を有するホット・スポットは、排除されるか、又は条件付ホット・スポット、ウィーク・スポット、又はコールド・スポットにダウングレードされる。このように、識別された潜在的ホット・スポットに低い又はゼロのKP値を割り当てる(つまり、コールド・スポット)。他の実施形態では、この方法は、設計データに関連付けられている電気的障害密度に基づいて欠陥のグループに対するKP値を決定することを含む。このように、電気的障害密度マップ上の比較的高い障害密度ゾーンとオーバーレイしないと判定されているホット・スポットは、KPにおいてダウングレードされ、適宜、ホット・スポット・データベース及び/又は関連する検査レシピーから除去される。
一実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIに対するKP値を監視することと、ビン範囲に従って1つ又は複数のグループに分けられた欠陥の位置に近接する設計データの部分が1つ又は複数のPOIに対応する場合にグループの1つ又は複数に1つ又は複数のPOIに対するKP値を割り当てることとを含む。例えば、設計データにおける1つ又は複数のPOIに対するKP値を監視することは、時間の経過とともに1つ又は複数のPOIについて決定された電気的障害、電気的障害密度、電気的障害の他の(複数の)属性、又はその何らかの組合せ、及び時間の経過とともに1つ又は複数のPOIについて取り込まれた検査結果に基づいて実行される。電気的障害、電気的障害密度、電気的障害の他の属性は、当業界で知られている好適な方法又はシステムを使用して決定される。検査結果は、本明細書で説明されているように取り込まれる。KP値を監視することは、この実施形態の方法により実行されるが、KP値を監視することは、異なる方法又はシステムにより実行されてもよく、また上述の割り当てるステップは、その方法により実行される。それに加えて、KP値を監視することは、ビン範囲に従って分ける方法を実行する前にセットアップ・フェーズにおいて実行され、それにより、検査と検査との間の時間を短縮し、KP値を欠陥の1つ又は複数のグループに割り当てることができる。1つ又は複数のPOIに対するKP値をグループの1つ又は複数に割り当てることは、ビン範囲によるグループ分けられた欠陥の少なくともいくつかの位置に近接する設計データの部分を1つ又は複数のPOIに対応する設計データの部分と比較することを含む。
1つのグループ内の欠陥の少なくともいくつかの位置に近接する設計データの部分が、比較するステップの結果に基づいて決定される、POIに対応する設計データの部分に少なくとも類似している場合に、POIに対応するKP値をそのグループ内の欠陥(例えば、欠陥のすべて)に割り当てることができる。
本明細書で説明されている方法は、ホット・スポットに敏感な1つ又は複数の診断又は修復プロセスに対する情報を生成することを含む(例えば、ホット・スポットに対する高い信号と低いノイズを有する)。この情報を使用して、ホット・スポットに対する1つ又は複数の診断又は修復プロセスを自動化又は最適化することができる。1つ又は複数のプロセスをホット・スポット検証及び分析、新規学習の取り込み、検査対象外領域とニュイサンス欠陥フィルタリングの最適化、報告、設計限界とプロセス限界との区別に使用することができる。このように、この方法は、ウェハ検査、レチクル検査、光学検査、マクロ欠陥検査、電子ビーム検査、光学欠陥レビュー、SEM欠陥レビュー、偏光解析法やCDSEMなどの計量プロセス、欠陥分析プロセス、FIBプロセスや他のFAプロセス、欠陥修復プロセスなどの、診断プロセスと修復プロセスのレシピーを生成するために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データにおいて1つ又は複数のPOIを優先順位付けすることと、優先順位付けステップの結果に基づいて設計データが印刷されるウェハ上で実行される1つ又は複数のプロセスを最適化することとを含む。1つ又は複数のPOIを優先順位付けすることは、本明細書で説明されているように実行される。この実施形態において1つ又は複数のプロセスを最適化することは、焦点、線量、露光ツール、レジスト、露光後ベーク(PEB)時間、PEB温度、エッチング時間、エッチング・ガス組成、エッチング・ツール、堆積ツール、堆積時間などの1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。好ましくは、(複数の)プロセスの(複数の)パラメータを変更して、(複数の)POIの欠陥度(例えば、(複数の)POIで検出された欠陥の数)を低減し、(複数の)POIで検出された欠陥の1つ又は複数の属性(例えば、DCI、KPなど)を変更し、及び/又は(複数の)POIが含まれるデバイスの歩留まりを高める。
それに加えて、1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを、優先順位付けステップにより決定された最高優先度を有するPOIのみ又は優先順位付けステップにより決定された比較的高い優先度を有する(複数の)POIについて最適化することができる。このように、最大の欠陥性及び/又は最高の歩留まり影響を有する欠陥性を示す(複数の)POIに基づいて1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更及び/又は最適化することができる。その際、優先順位付けステップの結果は、どの(複数の)POIを使用して1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更及び/又は最適化すれば歩留まりの最大の改善をもたらすかを示している。
したがって、(複数の)POIが歩留まりに最大の影響を及ぼす誘導がないと、歩留まり及び安定性に関してプロセスを最適化する有利な機会をタイミングよく識別又は作ることができず、その結果市場に出すまでの時間が長くなり、プロセス最適化の効率が低下するため、この実施形態は、プロセスを変更及び/又は最適化するうえで他のすでに使用されている方法及びシステムに比べて有利である。
さらに、このステップで変更及び/又は最適化される(複数の)プロセスは、本明細書で説明されている実施形態においてビン範囲に従って分けられた欠陥の検出前にウェハ上に設計データにおける(複数の)POIを印刷するために使用されたプロセスのみを含むが、変更及び/又は最適化される1つ又は複数のプロセスは、(複数の)POIも含む他の設計データを印刷するために使用される(複数の)プロセスを含む。例えば、複数の設計が(複数の)POIを含む場合、優先順位付け及び/又は本明細書で説明されている方法の他の結果に基づいて、複数の設計を印刷するために使用される1つ又は複数のプロセスを変更し、最適化して、異なる設計のそれぞれで加工されたデバイスの歩留まりを高めることができる。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果及び/又は本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップの他の結果に基づいてウェハ上で実行される、又はウェハ上で実行されるべきプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。このプロセスは、CMP、堆積(電気化学的堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積)、リソグラフィ、エッチング、イオン注入、洗浄などの当業界で知られているプロセスを含む。ビン範囲に従って1つ又は複数のグループに分けられた欠陥が、ウェハの後続の処理の後にウェハ上で減らされるように、又は他のウェハの処理の後に他のウェハ上で減らされるようにビン範囲によるグループ分けの結果に基づいて、1つ又は複数のパラメータを変更することができる。
例えば、検査に先立ってウェハ上でエッチング・プロセスが実行された場合、変更された(複数の)パラメータを使用するエッチング・プロセスで処理された他のウェハがグループの1つ又は複数においてより少ない欠陥を示すか、又は比較的高いDCIでより少ない欠陥を示すか、又は比較的高いKP値などでより少ない欠陥を示すか、又はその何らかの組合せの形を示すように、好ましくはフィードバック制御技術を使用してエッチング・プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することができる。(複数の)パラメータをこのように変更することは、欠陥のグループの優先順位付け又はDCI及びKP値などの本明細書で説明されている他の情報に基づいて実行される。このように、プロセスは、歩留まりに対する最大の影響を有する欠陥のグループに基づいて変更される。
他の例では、検査に先立ってウェハ上でエッチング・プロセスが実行された場合、変更された(複数の)パラメータを使用してウェハ上でエッチング後プロセスが実行された後、ウェハがグループの1つ又は複数においてより少ない欠陥を示すか、又は比較的高いDCIでより少ない欠陥を示すか、又は比較的高いKP値などでより少ない欠陥を示すか、又はその何らかの組合せの形を示すように、好ましくはフィードフォワード制御技術を使用してウェハ上で実行されるべきエッチング後プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することができる。エッチング後プロセス又は他の(複数の)プロセスの(複数の)パラメータも、上でさらに説明されているように変更される。
上述のようにプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することは、1つ又は複数のパラメータをどのように変更すべきかを決定することと、プロセスを実行するために使用されるレシピー内の1つ又は複数のパラメータの値を変更することとを含む。このような変更は、本明細書で説明されている方法及びシステムにより、例えば、ファブ・データベース、又はプロセスを実行するプロセス・ツールに結合された記憶媒体に収められているレシピーにアクセスし、レシピーに変更を直接加えることにより実行される。
それとは別に、上述のようにプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することは、1つ又は複数のパラメータをどのように変更すべきかを決定することと、1つ又は複数のパラメータの値をプロセスを実行するために使用されるレシピー内の1つ又は複数のパラメータの値を変更するために使用される他の方法又はシステム(例えば、プロセスを実行するプロセス・ツールに結合されたファブ・データベース又はプロセッサ)に送ることとを含む。変更されるべき1つ又は複数のパラメータの値も、他の方法又はシステムによりプロセスを変更できるように、レシピー識別記号、プロセス・ツール識別記号、1つ又は複数のパラメータを変更する命令などの他の情報とともに送ることができる。
一実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいてウェハを検査するプロセスを変更することを含む。ウェハを検査するプロセスは、本明細書で説明されているビン範囲によるグループ分けの結果に基づいてこの実施形態において変更することができる。それに加えて、この実施形態では、ウェハを検査するプロセスの(複数の)パラメータを変更することができる。例えば、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいて変更されるウェハを検査するためのプロセスの1つ又は複数のパラメータは、限定はしないが、検査対象領域(又はそれとは別に、検査対象外領域)、感度、インラインのビン範囲によるグループ分けプロセス、ウェハが検査される検査領域、又はその何らかの組合せを含む。特定の一例では、ビン範囲によるグループ分けの結果は、グループの1つ又は複数に含まれる欠陥の数を示し、検査対象領域は、比較的多数の欠陥を含む(複数の)グループ内の欠陥の設計データ空間における位置に対応するウェハ上の位置を含むように変更される。他の例では、ウェハを検査するプロセスは、ビン範囲によるグループ分けの結果に基づいてより多く又は異なる形で検査するように変更される。ウェハを検査するプロセスは、さらに、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの結果に基づいて変更される。
本明細書で説明されているように、欠陥は、検査プロセスにより検出される。一実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューすることと、レビューステップの結果に基づいて欠陥が1つ又は複数のPOIの配置のところで検出されているかどうかを判定することと、1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善するように検査プロセスを変更することとを含む。この実施形態における配置をレビューすることは、当業界で知られている方法又はシステムを使用して実行される。
このように、ウェハ上の配置をレビューすることは、欠陥がPOIの配置で検出されたかどうかを判定するためにPOIの配置のところで実行される。このような一実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIの配置を識別するため任意のパターン探索、及び設計データにおける1つ又は複数のPOIの配置からウェハ上の1つ又は複数のPOIの配置を決定することとを含む。このようにして(複数の)POIの配置を決定することは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
それに加えて、そのようないくつかの実施形態では、この方法は、レビューを補助するためにレビューステップにおいてヒットあり、及びヒットなしでPOIの配置を表示することを含む。その際、レビューの結果を使用して、欠陥が生じたが、検査システムにより捕捉されていない場所を決定する。したがって、(複数の)POIをレビューして、見逃した欠陥(又は捕捉されていない欠陥)を見つけて検査プロセスの変更又は最適化を実行すべき場所を知ることができる。
レビューの結果に加えてこの情報に基づいて(例えば、欠陥の1つ又は複数の属性、設計データの1つ又は複数の属性など)、光学モード、集束角、入射角などの検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更し、好ましくは、後続の検査で欠陥がより高い率でPOIの配置で取り込まれるようにする。このように、この方法は、POIにおける欠陥捕捉率の分析結果に基づくセットアップ・チューニングを含む。変更される検査プロセスの1つ又は複数のパラメータは、ルール・データベースを使用するなどの好適な方法により決定される。この実施形態で改善される1つ又は複数の欠陥捕捉率は、1つ又は複数のPOIにおける1つ又は複数の欠陥タイプに対する欠陥捕捉率を含む。同様にして、1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善するため上述の実施形態は、1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューする代わりに、設計における1つ又は複数のホット・スポットの位置に対応するウェハ上の配置をレビューすることにより実行される。
さらに、上述の方法が複数のPOIについて実行される場合、POIは、本明細書でさらに説明されているように優先順位付けされ、検査プロセスは、最高の優先度又は高い優先度を有するPOIについて欠陥捕捉率を改善するように変更される。このように、検査プロセスは、最高優先度のPOI又はより高い優先度のPOIについて最適化される(そのような最適化の結果、低い優先度のPOIに対する検査プロセスの最適化が行われる可能性があるが)。
他の実施形態では、この方法は、検査の結果に基づいて検査時にウェハを検査するプロセスを変更することを含む。このように、この方法は、その場のプロセス制御技術を使用して検査プロセスを変更することを含む。検査プロセスを変更するために使用される検査の結果は、本明細書で説明されている結果を含む。それに加えて、この実施形態において検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。
さらに上で説明されているように、この方法は、検査レシピーを最適化すること含む。
最適化される検査レシピーは、インライン検査レシピー及び/又は電気的検査レシピーを含む。一実施形態では、この方法は、ホット・スポット情報に基づいてウェハを検査するプロセスを変更することを含む。他の実施形態では、この方法は、ホット・スポット情報及び設計データに基づいてウェハを検査するプロセスを生成することを含む。それに加えて、この方法は、ホット・スポット情報及び/又は予測POIに基づいてウェハを検査するプロセスを変更又は生成することを含む。例えば、検査レシピーは、ホット・スポットとPOIの配置のみが検査され、及び/又は系統的ニュイサンス欠陥に対する配置が検査されないか、又はそのような配置において取り込まれたデータが他の何らかの方法で抑制されるように構成される。他の例では、上述のように、本明細書で説明されている方法の実施形態は、設計におけるホット・スポットを識別することを含む(例えば、系統的欠陥に基づいて)。このように、方法の実施形態は、ホット・スポットのソースであってよく、また設計におけるホット・スポットの配置は、フィードフォワード制御技術を使用して検査プロセスを変更するために使用される。
この方法は、さらに、他の利用可能な情報に基づいてウェハを検査するプロセスを変更することを含む。このような一例では、この方法は、設計データ、検査結果、1つ又は複数のビットマップに加えてホット・スポット情報に基づいて検査レシピーを変更することを含む。このように、この方法で利用できる情報は、歩留まりに影響を及ぼさない欠陥を検出するための検査レシピーの感度を下げつつ、歩留まりに影響を及ぼすか、又は及ぼす可能性のある欠陥を検出するための検査レシピーの感度を最適化するために使用される。
検査レシピーを生成し、最適化することは、さらに、本明細書でさらに説明されているように実行される(例えば、DOIの検出性に基づいて)。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データに基づいてウェハ上の欠陥を検出する感度を決定することを含む。このようないくつかの実施形態では、感度は、設計データの少なくとも2つの異なる部分に対応するウェハの少なくとも2つの異なる部分については異なる。それに加えて、この方法は、ウェハ上の「検査対象領域」(又は「領域を検査すべき場所」)を識別することを含む。検査結果は、検査対象外領域では取り込まれないか、又は欠陥検出は、検査対象外領域で取り込まれた検査結果について実行されない。しかし、この方法は、データ取り込みと欠陥検出が、検査対象外領域で実行される場合に、ビン範囲によるグループ分けなどの検査結果の追加の処理が実行される前に、検出された欠陥が検査対象領域内に配置されているか、又は検査対象外領域に配置されているかを判定することを含む。欠陥が検査対象外領域に配置されている場合、それらの欠陥に対して追加の処理は実行されない。このように、パターン・ベースのビン範囲によるグループ分けは、ビン範囲によるグループ分けのスループットを最適化するように設計データ内の敏感な領域に制約される。他の実施形態では、共通設計データ(例えば、パターン・グループ化又は他のコンテキスト・データ)により欠陥がグループ化された後、本明細書でさらに説明されているように、グループ化情報を使用して、カウント、ビン範囲によるグループ分け、監視、分析、サンプリング、レビュー、試験などを改善することができる。
この方法のこの実施形態では、ホット・スポット情報を使用する場合も使用しない場合もある。例えば、この方法は、設計データに関する知識に基づいて、歩留まりに対しクリティカルな、及び/又は歩留まりを下げる欠陥に弱い設計データの部分を識別することを含む。このように、設計データのそれらの部分における欠陥を検出する感度は、設計データの他の部分における欠陥を検出する感度よりも高い。この方法は、検査データを取り込む際に、検査データを設計データにアラインさせることを含むが、これは本明細書でさらに説明されるように実行される。次いで、設計データ空間における検査データの位置に基づいて検査プロセスの感度を変更することができる。そのような実施形態では、検査プロセスの感度は、リアルタイムで変更される。設計駆動検査又は測定レシピーの追加の例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれている、Bevisの米国特許第6,886,153号、及びHamamatsuらの米国特許出願公開第US2003/0022401号として公開されている、2002年2月22日に出願された米国特許出願第10/082,593号に例示されている。本明細書で説明されている方法は、本特許及び本特許出願において説明されている(複数の)ステップを含む。
一実施形態では、この方法は、ビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいてレビューする欠陥の少なくともいくつかを選択することを含む。例えば、ビン範囲によるグループ分けステップの結果を使用して、本明細書で説明されているように欠陥のうちのどれが最もクリティカルであるかを判定し(例えば、欠陥に対するDCIを決定することにより)、レビューのため最もクリティカルな欠陥を選択することができる。他の例では、ビン範囲によるグループ分けの結果を使用して、本明細書でさらに説明されているように欠陥のうちのどれが系統的欠陥であるかを判定することができる。このように、この方法は、DOIが生じる傾向のある設計データの部分からのレビュー・サンプリングを含む。それに加えて、どの欠陥が系統的であるかに関する情報とさらに系統的欠陥がSEMなどのレビュー・システムから見えるかどうか及び/又は系統的欠陥が歩留まりに関連しているかどうかに関する情報を使用して、レビューする欠陥の少なくともいくつかを選択することができる(例えば、SEMから見える欠陥のみをレビュー用に選択するように)。
このようにして欠陥を選択することは、レビュー時に欠陥を再配置することが困難である場合があり、また特にレビュー・システムがレビュー・システムから実際には見えない欠陥を探すのにかなりの時間を費やす場合に比較的時間がかかるため、特に有益である。レビューのため欠陥を選択した結果は、ウェハ上の選択された欠陥の配置及び本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果を含む。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいてレビューする欠陥をサンプリングするプロセスを生成することを含む。したがって、この方法は、レビューのため欠陥を選択する代わりに、又はそれに加えて、レビューのため欠陥をサンプリングするのに使用される(その方法、他の方法、その方法を実行するように構成されたシステム、又は他のシステムにより)プロセスを生成することを含む。このようなプロセスは、レビューのため複数のウェハ上で検出された欠陥をサンプリングし、及び/又は複数のレビュー・システムにより実行されるレビューのため欠陥をサンプリングするのに使用される。サンプリングのプロセスは、比較的多数の欠陥を含むビン範囲に従って分けられた欠陥の一グループに対応する設計データの部分において検出された欠陥が、比較的少数の欠陥を含むビン範囲に従って分けられた欠陥のグループに対応する設計データの部分において検出された欠陥に比べて大量にサンプリングされるようにビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいて生成される。レビューのため欠陥をサンプリングするプロセスは、欠陥に対するDCI、欠陥に対するKP値など本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果と組み合わせてビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいて生成される。
他の実施形態では、この方法は、ホット・スポット情報に基づいてレビューのため欠陥を選択するプロセスを生成することを含む。レビューのため欠陥を選択するプロセスは、ホット・スポット情報だけでなく、その方法で利用できる他の情報にも基づいて生成される。例えば、レビューのため欠陥を選択するプロセスは、設計データ、欠陥の1つ又は複数の属性、1つ又は複数のビットマップ、ホット・スポット情報に基づいて生成される。
好ましくは、レビューのため欠陥を選択するプロセスは、ホット・スポットで検出された欠陥、又は系統的欠陥などの特定のタイプの欠陥が、レビューのため選択され、その一方でコールド・スポットで検出された欠陥、及びニュイサンス欠陥などの他のタイプの欠陥が、レビューのために選択されないように生成される。このように、本明細書で説明されている方法は、歩留まりに影響を及ぼさないレビュー・サンプルから欠陥を大部分除外することによりレビュー・プロセスのスループットを高めつつ歩留まりに影響を及ぼすか、又は及ぼす可能性のある欠陥を大部分含む欠陥サンプルを出力することができる。
他の実施形態では、この方法は、上述のように少なくとも類似する設計データにより欠陥がビン範囲に従って分けられた後、物理的欠陥レビューのCDSEM、光学、又は他の形態及び分類又は検証に対するより「情報の多い」レビュー・サンプルを作成することを目的としてビン範囲によるグループ分けの結果を使用することを含む。このような一実施形態では、この方法は、x軸上のパターン・グループの識別記号とy軸上のそれぞれのパターン・グループで検出された欠陥の数を例示する上述のようなパターン・グループ・パレート図を生成することを含む。このように、この図は、異なるパターンで検出された欠陥の数を示す。しかし、異なるパターンで検出された欠陥の数を示す他のデータは、本明細書で説明されている方法ステップで使用される。本明細書で説明されている実施形態は、さらに、電気的、系統的、及び/又はランダムなパレート図を生成することを含む。
この方法は、この図に例示されている異なるパターンの1つ又は複数についてデータを分析してそれぞれのパターン・タイプで検出された1つ又は複数の物理的欠陥タイプを決定することを含む。パターン・グループにおいて複数の欠陥タイプが検出される。この方法は、さらに、この図に例示されている異なる空間シグネチャの1つ又は複数についてデータを分析して、ビン範囲に従って1つ又は複数の異なるシグネチャに対応する1つ又は複数のグループに分けられた欠陥の1つ又は複数の属性を決定することを含む。(複数の)欠陥属性は、限定はしないが、サイズやダイ配置(又はダイ識別記号)だけでなく当業界で知られている他の属性を含む。ダイ配置は、パターンが、エッジ、中心、3時方向の位置などのウェハの特定の配置、ゾーン、又は領域においてより高い出現頻度を有するかどうかを示す。
欠陥サンプリング・プランは、上述の分析ステップの結果から決定される。例えば、この方法は、強い信号が上述の分析ステップから発せられるかどうかを決定することを含む。この強い信号は、より高い割合で、又は低い割合で、どの欠陥(例えば、分析ステップにより決定されるどのパターン、またどの欠陥タイプ及び/又は属性)をサンプリングすべきかを示す。上述のサンプリング・プランは、電子ビーム・ベースのレビュー・システムや原子間力顕微鏡(AFM)又は走査型プローブ顕微鏡ベースのレビュー・システムなどの他の何らかの方法では比較的低速なレビュー・システムのスループットを高めるため特に有用である場合がある。
本明細書で説明されている方法は、さらに、レビュー・レシピーを最適化するために使用される。例えば、一実施形態では、この方法は、ホット・スポット情報及び適宜の方法で利用可能な他の情報に基づいてウェハ上の欠陥をレビューするプロセスを変更することを含む。この情報に基づいて変更又は選択されるレビュー・レシピーのパラメータは、レビュー・プロセスのデータ収集パラメータとデータ処理パラメータを含む。この方法は、さらに、欠陥をレビューするために使用されるべきレビュー・システムのタイプ(例えば、光学又は電子ビーム)や欠陥をレビューするために使用されるべきレビュー・システムの製造とモデルなどの、レビュー・プロセスの追加のパラメータを選択することを含む。
この方法は、さらに、レビューが実行されるべきウェハ上の配置を決定するのを支援するために使用される情報をレビュー・システムに供給することを含む。例えば、レビューされる欠陥の位置は、設計データ空間、ダイ空間、及び/又はウェハ空間においてレビュー・システムに報告される。それに加えて、欠陥及び/又は欠陥位置に関する他の情報をレビュー・システムに送ってもよい。例えば、欠陥位置に対応する設計データの部分に加えてインライン検査により生成される欠陥のイメージ又はオーバーレイをレビュー・システムに供給する。このように、レビュー・システムは、この情報の一部又は全部を使用して、レビュー時にウェハ上の選択された欠陥の配置を見つけることができる。それに加えて、本明細書で説明されている1つ又は複数の方法の1つ又は複数のステップの結果を、レビュー・システムに送ることができ、これにより、レビュー・システムはそれらの結果を使用して、エッジ配置誤差に基づいて自動欠陥位置特定(ADL)を実行する。さらに、この方法は、検査の結果と系統的識別記号に基づいてレビューのため測定又は試験する場所を決定することを含む(恐らくは歩留まり関連性及び/又はプロセス・ウィンドウ・マッピングを使用して)。レビューは、さらに、本明細書に全体が述べられていかのように参照により組み込まれている、2006年4月20日に米国特許出願公開第2006/0082763号として公開された2005年10月12日に出願された同一出願人による米国特許出願第11/249,144号においてTehらにより開示されているような方法やシステムを使用して実行される、ユーザー支援レビューを含む。したがって、ビン範囲によるグループ分けの方法(及び分類を本明細書でさらに説明されている欠陥に割り当てる方法)の使用事例は、系統的発見及びユーザー支援レビューを含む。
一実施形態では、この方法は、ビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいてウェハの計量プロセスを変更することを含む。例えば、計量プロセスは、ビン範囲によるグループ分けステップの結果から判定されるような最もクリティカルな欠陥が計量プロセスにおいて測定されるように変更される。したがって、計量プロセスを変更することは、計量プロセスにおいて測定が実行されるウェハ上の配置を変更することを含む。それに加えて、測定のため選択された欠陥のBFイメージ及び/又はSEMイメージなどの検査及び/又はレビューの結果を計量システムに送ることで、それらの結果を使用して、測定が実行される場所を決定することができる。例えば、計量プロセスは、ウェハ上の欠陥の近似的配置のイメージを生成することを含み、このイメージを欠陥に対する検査及び/又はレビューの結果と比較することで、計量システムは、必要ならば、正しいウェハ配置で、したがって正しい欠陥について測定が実行されるようにウェハ上の位置を補正する。このように、測定は、ウェハ上の実質的に正確な配置で実行される。計量プロセスを変更することは、さらに、実行される測定の(複数の)タイプ、測定が実行される(複数の)波長、測定が実行される(複数の)角度など、又はそれらの何らかの組合せなどの計量プロセスの他の1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。計量プロセスは、CD測定計量プロセスなどの当業界で知られている好適な計量プロセスを含む。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲によるグループ分けステップの結果に基づいてウェハに対する計量プロセスのサンプリング・プランを変更することを含む。したがって、この方法は適応サンプリングを含む。例えば、計量プロセスのサンプリング・プランは、ビン範囲によるグループ分けステップの結果から判定されるような最もクリティカルな、より多くの欠陥が計量プロセスにおいて測定されるように変更される。このように、最もクリティカルな欠陥は、計量プロセスにおいてより大量にサンプリングされ、これにより、最もクリティカルな欠陥に関するより多くの情報を有利に出力することができる。
計量プロセスは、当業界で知られている計量プロセスを含む。それに加えて、計量プロセスは、SEMなどの当業界で知られている好適な計量システムを含む。さらに、計量プロセスは、プロファイル、厚さ、CDなどのウェハ上に形成される欠陥又はフィーチャの好適な属性の当業界で知られている好適な測定を実行することを含む。
同様にして、この方法は、ホット・スポット情報や、適宜の方法で利用可能な他の情報に基づいて欠陥を分析するか(例えば、計量若しくは組成分析)、又はウェハ上の欠陥を修復するためのプロセスを変更することを含む。例えば、この方法は、欠陥の組成を分析する電子分散型X線分光法(EDS又はEDX)などのプロセス又は欠陥修復又はFAのFIBプロセスを変更することを含む。欠陥を分析又は修復するプロセスは、他のプロセスを変更することに関して本明細書で説明されているように変更される。例えば、分析又は修復プロセスは、選択された欠陥の配置においてのみ実行されるように変更されるが、これは本明細書で説明されているように選択される。それに加えて、分析又は修復プロセスの1つ又は複数のパラメータは、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果に基づいて選択され、変更される。このような結果は、例えば、欠陥分類、欠陥根本原因、欠陥サイズ、欠陥クリティカル度(分析及び/又は修復が実行される際の精度を示す)、歩留まり影響、分析及び/又は修復が実行される場合を示す欠陥に近接する設計データの1つ又は複数の属性(フィーチャの寸法、フィーチャの密度、階層、冗長性など)、さらに分析及び/又は修復が実行される際の精度などを含む。計量ツール用のレシピーを生成する方法及びシステムの追加の例は、本明細書において全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、McGheeらの米国特許第6,581,193号において例示されている。本明細書で説明されている方法及びシステムは、本特許において説明されている追加の(複数の)ステップを実行するように構成される。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥の根本原因を突き止めることを含む。他の実施形態では、この方法は、欠陥がビン範囲に従って分けられた1つ又は複数のグループの根本原因を突き止めることを含む。例えば、一実施形態では、この方法は、1つ又は複数のグループの中の欠陥の少なくともいくつかのレビューの結果、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて欠陥のグループの1つ又は複数の根本原因を突き止めることを含む。このように、この方法は、欠陥の根本原因を、個別に又はまとめて1つのグループとして決定することを含む。欠陥又は欠陥のグループの根本原因は、例えば、欠陥の組成を測定することにより欠陥を分析するために使用されるEDSシステムなどの診断システムから得られる分析結果に基づいて決定される。このようなEDSシステムの一例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれる、Wangらの米国特許第6,777,676号において例示されている。
根本原因フェーズは、系統的欠陥のソース、原因、及び/又は補正を識別することを含む。根本原因フェーズは、設計空間、ウェハ空間、レチクル空間、試験空間、プロセス空間の間の相関を使用してマルチソース空間において実行される。例えば、一実施形態では、この方法は、1つ又は複数のグループにおける欠陥の少なくともいくつかを実験プロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることにより欠陥のグループの1つ又は複数の根本原因を突き止めることを含む。実験プロセス・ウィンドウの結果は、その方法、他の方法、その方法を実行するように構成されているシステム、又はその方法を実行するように構成されているシステム以外のシステムにより生成される。それに加えて、PWQ法又は他の好適な実験を使用し(例えば、1つ又は複数の異なるパラメータとともに異なるウェハ上でエッチング・プロセスを実行する)、PWQ法又は他の実験の後にウェハ上で欠陥を検出することで、実験プロセス・ウィンドウの結果を取り込むことができる。実験プロセス・ウィンドウの結果は、検査及び/又はウェハ上で検出された欠陥のレビューにより取り込まれた結果を含む。例えば、実験プロセス・ウィンドウの結果は、欠陥のイメージ、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分、本明細書で説明されているように決定される、設計データ空間における欠陥の位置、又は本明細書で説明されている他の検査及び/又は欠陥レビュー結果を含む。
欠陥の少なくともいくつかを実験プロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることは、検査プロセスの結果を使用して実行される。例えば、実験プロセス・ウィンドウの結果が設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分やウェハ上の欠陥のイメージを含む場合、欠陥を実験プロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることは、ビン範囲に従うグループのうちの1つ又は複数に分けられた欠陥のイメージを設計データ空間においてビン範囲に従って分けられた欠陥の位置に近接する設計データに少なくとも類似している設計データに近接して検出された欠陥に対する実験プロセス・ウィンドウの結果におけるイメージと比較することを含む。他の例では、実験プロセス・ウィンドウの結果が設計データ空間における欠陥の位置を含む場合、ビン範囲に従って分けられた欠陥をこの実施形態における実験プロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることは、実験プロセス・ウィンドウの結果における設計データ空間内の欠陥の位置を設計データ空間におけるビン範囲に従って分けられた欠陥の位置と比較することを含む。
このように、マッピングするステップの結果は、プロセス・ウィンドウ空間において、欠陥の検出に先立ってウェハ上で実行されたプロセスが実行された場所を示す。特に、マッピングの結果が、ビン範囲に従って分けられた欠陥と実験プロセス・ウィンドウの結果に含まれている欠陥とが少なくとも類似しており、少なくとも類似する設計データに近接して配置されていることを示している場合、実験プロセス・ウィンドウの結果内に含まれている欠陥が検出されたプロセス・ウィンドウ内の1つ又は複数のパラメータの値が、ビン範囲に従って分けられた欠陥と相関し、ビン範囲に従って分けられた欠陥の根本原因として決定されるか、又はビン範囲に従って分けられた欠陥の根本原因を突き止めるために使用される。
他の実施形態では、この方法は、1つ又は複数のグループにおける欠陥の少なくともいくつかをシミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることにより欠陥のグループの1つ又は複数の根本原因を突き止めることを含む。シミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果は、上述の実験プロセス・ウィンドウの結果に類似する結果を含む。ただし、物理的ウェハ上で実験を実行するのではなく、プロセスの1つ又は複数のパラメータのさまざまな値でウェハ上に設計データをどのように印刷するかを示すイメージをシミュレートすることにより、シミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果を取り込む。プロセスは、設計データに対応するデバイスの加工に含むプロセスを含む。例えば、この実施形態は、系統的欠陥配置に関するパターニング・プロセス(例えば、リソグラフィ又はエッチング)をモデル化することを含み、またそのようなモデル化の結果を使用して、系統的欠陥の根本原因を突き止めることができる。シミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果は、当業界で知られている好適な方法又はシステムを使用して生成される。例えば、KLA−Tencorから市販されているPROLITHソフトウェアにより、シミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果を生成することができる。それに加えて、シミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果は、その方法、他の方法、その方法を実行するように構成されているシステム、又はその方法を実行するように構成されているシステム以外のシステムにより生成される。この実施形態において根本原因を突き止めることは、実験プロセス・ウィンドウの結果に関して上述のように実行される。
根本原因フェーズは、系統的欠陥のソース及び/又は補正を決定することを含む。系統的欠陥に対する可能な1つのソースは、プロセス・ウィンドウ・シフトである。それに加えて、ホット・スポット・シグネチャに関する知識から、プロセス・ウィンドウ内でプロセスが動作している場所に関する情報が得られる。根本原因フェーズは、さらに、プロセス・ウィンドウを拡大するようにプロセスを改善する最も有意な機会を決定することを含む。さらに、根本原因フェーズは、レチクル設計を改善するうえで最も有意な系統的問題を決定することを含む。根本原因フェーズは、さらに、次世代技術を改善し、及び/又は実装するうえで最も有意な系統的問題を決定することを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥のグループの1つ又は複数の影響を受けるウェハ上に形成されるダイの割合を決定することを含む。例えば、グループ内の欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上の検出されたダイの数を決定し、グループ内の欠陥が少なくとも1回検出された検査されたダイの数を検査されたダイの総数で除算することにより、割合を決定することができる。グループ内の欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上の検出されたダイの数は、欠陥の設計データ空間位置、ウェハ上で印刷されたダイの設計データ空間位置、欠陥を検出するために使用される検査プロセスに関する情報に基づいて決定される。これらのステップの結果に100を掛けて、この割合を得ることができる。特定の一例では、ビン範囲に従って1つのグループに分けられた欠陥が300ある場合、このグループ内の欠陥は、ウェハ上の5つのダイに配置され、ウェハ上に6000個のダイがあり、割合は、[(5)(100)]/(6000)又は0.083%として決定される。したがって、この割合は、欠陥のグループに対するダイ影響限界性を反映する。
このような割合は、欠陥の複数のグループについて決定され、これらの割合のそれぞれ(又は少なくともいくつか)は、この方法により生成される棒グラフなどのチャート内に表示される。したがって、このチャートは、欠陥がビン範囲に従って分けられたグループに応じて変わるダイ影響限界性を示している。このようなチャートは、本明細書でさらに説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。この方法は、さらに、この実施形態において決定された割合に基づいて欠陥の1つ又は複数のグループを優先順位付けすることを含む。このような優先順位付けは、本明細書でさらに説明されているように実行され、そのような優先順位付けの結果は、本明細書でさらに説明されているように使用される。
他の実施形態では、この方法は、グループの少なくとも1つに対応する設計データにおける1つ又は複数のPOIを決定することと、ビン範囲に従って1つ又は複数のPOIに対応するグループの少なくとも1つに分けられた欠陥の数とウェハ上の1つ又は複数のPOIの配置の数との比を決定することとを含む。これらのグループのうちの少なくとも1つに対応する設計データにおける1つ又は複数のPOIは、本明細書で説明されているように決定される。ウェハ上の1つ又は複数のPOIのすべてのインスタンスが、欠陥を検出するために使用される検査プロセスで検査されない場合、この実施形態で使用されるウェハ上の1つ又は複数のPOIの配置の数は、ウェハ上の1つ又は複数のPOIの検査された配置の数である。このように、この方法は、ウェハ上で印刷されたPOIの配置の数(又はウェハ上のPOIの検査された配置の数)と比較した欠陥がウェハ上で検出されたPOIの比又は割合を決定することにより限界性分析を実行することを含む。このような実施形態では、ウェハ上のPOIの配置の数は、任意のパターン探索により識別される。
それに加えて、ウェハ上のPOIの検査された配置の数は、任意のパターン探索により、また任意のパターン探索の結果や検査プロセスに関する情報を使用して識別され、これによりウェハ上のPOIの検査された配置の数を決定することができる。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、ウェハ上のPOIの配置を識別し、POIの面積を決定する任意のパターン探索を含む。次いで、POIの面積とウェハ上のPOIの配置の数(又はウェハ上のPOIの検査された配置の数)を使用して、POIによる欠陥密度を決定する。この方法は、さらに、この実施形態において決定された比に基づいて1つ又は複数のPOIを優先順位付けすることを含む。このような優先順位付けは、本明細書でさらに説明されているように実行され、そのような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
追加の実施形態では、この方法は、グループの少なくとも1つに対応する設計データにおける1つ又は複数のPOIを決定することと、ビン範囲に従って1つ又は複数のPOIに対応するグループの少なくとも1つに分けられた欠陥の数と設計データにおける1つ又は複数のPOIの配置の数(又は欠陥を検出するために使用される検査プロセス実行中に設計データにおける1つ又は複数のPOIのすべての配置が検査されるわけではない場合に設計データにおける1つ又は複数のPOIの検査された配置の数)との比を決定することとを含む。このように、この方法は、設計におけるPOIの配置の数(又は設計におけるPOIの検査された配置の数)と比較したPOIに対応するグループ内の欠陥の数の比又は割合を決定することにより限界性分析を実行することを含む。このような実施形態では、設計データにおけるPOIの配置の数は、任意のパターン探索により識別される。それに加えて、設計データにおけるPOIの検査された配置の数は、上述のように決定される。本明細書でさらに説明されているように、グループの少なくとも1つに対応する1つ又は複数のPOIを決定することができる。この方法は、さらに、この実施形態において決定された比に基づいてPOIの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。このような優先順位付けは、本明細書でさらに説明されているように実行され、そのような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
他の実施形態では、この方法は、グループの少なくとも1つに対応する設計データにおけるPOIを決定することと、ビン範囲に従ってグループの少なくとも1つに分けられた欠陥が配置されているウェハ上に形成されたダイの割合を決定することと、その割合に基づいてPOIに優先度を割り当てることとを含む。このように、この方法は、欠陥の影響を受けるダイの割合に基づいて限界性分析を実行することを含む。例えば、ビン範囲によるグループ分けられた欠陥の数は、ウェハ上で設計データを印刷するために使用されるレチクル上のPOIの設計インスタンスの数とレチクルがウェハ上に印刷される回数とで除算される。このステップの結果に100を掛けて、この割合を得ることができる。特定の例では、ビン範囲によるグループに分けられた欠陥が300個ある場合、POIの2000個の設計インスタンスはレチクル上のグループに対応し、レチクルは、ウェハ上に1000回印刷され、ビン範囲によるグループ分けられた欠陥が配置されるウェハ上に形成されるダイの割合は、[(300)(100)]/[(2000)(1000)]又は0.015%に等しく、これは、本質的に欠陥のこのグループに対するウェハ・ベースの限界性である。
このように、この方法は、欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上の検査されたダイの数により系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、ダイにおけるPOIの設計インスタンスの1%に対してダイにおけるPOIの設計インスタンスの10%で系統的欠陥が出現した場合により高い優先度をPOIに割り当てることができる。他の例では、ウェハ上で欠陥が検出されたダイが多い場合の欠陥のグループには、ウェハ上で欠陥が検出されたダイが少ない場合の欠陥のグループに比べて高い優先度を割り当てることができる。それに加えて、この方法は、ビン範囲に従って異なるグループに分けられた欠陥が配置されているウェハ上に形成されたダイの割合を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。したがって、このようなチャートは、欠陥の異なるグループに対するダイ・ベースの限界性をグラフで示す。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。このような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
さらに他の実施形態では、この方法は、グループの1つ又は複数に含まれる欠陥が検出されるウェハ上で全設計インスタンスの数によりグループの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。この実施形態で使用されるウェハ上の全設計インスタンスの数は、ウェハ上の設計インスタンスのすべてが欠陥を検出するために使用される検査プロセスの実行時に検査されない場合にウェハ上の全検査設計インスタンスの数としてよい。このように、この方法は、ウェハ上の全設計インスタンスの数(又は全検査設計インスタンスの数)により知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。その際、この方法は、ウェハ・ベースの限界性に基づいて知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、ウェハ上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が多い場合の欠陥のグループには、ウェハ上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が少ない場合の欠陥のグループに比べて高い優先度を割り当てることができる。このような優先順位付けは、さらに、欠陥が検出されたウェハ上の設計インスタンス(又は検査された設計インスタンス)の配置の割合に基づいて実行される。例えば、検出され、ビン範囲によるグループに分けられた欠陥の数を、ウェハ上の設計インスタンスの総数(又は検査された設計インスタンスの総数)で除算することができる。このステップの結果に100を掛けて、上述の割合を得る。それに加えて、この方法は、欠陥の異なるグループが検出されたウェハ上の設計インスタンスの数(又は検査された設計インスタンスの数)を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。このような優先順位付けは、本明細書で説明されているようにさらに実行され、そのような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、グループの1つ又は複数内で欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上に設計データを印刷するために使用される、レチクル上の設計インスタンスの数によりグループの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。この実施形態で使用されるレチクル上の設計インスタンスの数は、検査された設計インスタンスの数である。このように、この方法は、欠陥が少なくとも1回見つかったレチクル上の設計インスタンスの数により知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、レチクル上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が多い場合の欠陥のグループには、レチクル上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が少ない場合の欠陥のグループに比べて高い優先度が割り当てられる。それに加えて、この方法は、欠陥の異なるグループが検出されたレチクル上の設計インスタンスの数を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。このような優先順位付けは、本明細書で説明されているようにさらに実行される。それに加えて、このような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従ってグループの1つ又は複数に分けられた欠陥が検出されたレチクル上の配置の数、及びビン範囲に従ったグループの1つ又は複数に分けられた欠陥の位置に近接する設計データの部分に少なくとも類似しているレチクル上に印刷される設計データの部分の総数に基づいてグループの1つ又は複数に対するレチクル・ベースの限界を決定することを含む。この実施形態で使用されるレチクル上の配置の数は、検査された配置の数を含む。例えば、レチクル・ベースの限界性は、グループ内の少なくとも1つの欠陥が検出された積層レチクル・マップにおける配置の数をレチクル上の設計インスタンスの総数で除算することにより決定される。このステップの結果に100を掛けて、欠陥が検出された、グループに対応する、設計インスタンスの配置の割合を求めることができる。特定の一例では、300個の欠陥がビン範囲に従って1つのグループに分けられる場合、レチクル上のそのグループに対応するPOIに対し2000個の設計インスタンスがあり、ビン範囲によるグループ分けられた欠陥は、レチクルにおける50個の配置で検出され(積層レチクル・マップから決定される)、欠陥のこのグループに対するレチクル・ベースの限界性は、[(50)(100)]/(2000)又は2.5%に等しい。それに加えて、この方法は、異なるグループ内の欠陥が検出された配置のレチクル・ベースの限界性又は割合を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書でさらに説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。この方法は、さらに、これらのグループの1つ又は複数について決定されたレチクル・ベースの限界性に基づいて欠陥のグループのうちの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。例えば、比較的高いレチクル・ベースの限界性を示すグループは、低いレチクル・ベースの限界性を示す欠陥のグループに比べて高い優先度が割り当てられる。このような優先順位付けは、本明細書で説明されているようにさらに実行され、そのような優先順位付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
上述の実施形態のステップは、上述のような欠陥のグループ、又はビン範囲によるグループ分けられた個々の欠陥について実行される。
上述の方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述の方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムにより実行される。
上で詳細に説明されているように、ビン範囲に従って欠陥を分ける方法の実施形態は、DCIを決定することを含む。それに加えて、いくつかの方法は、ウェハ上で検出された1つ又は複数の欠陥についてDCIを決定することを含み、またウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分けることを含む場合もあれば、含まない場合もある。例えば、ウェハ上で検出された欠陥についてDCIを決定するコンピュータ実施方法の一実施形態は、欠陥がウェハに加工されているデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率を、設計データ空間における欠陥の位置に近接する、デバイスに対する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて決定することを含む。欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率は、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的パラメータを変え、及び/又はそのデバイスのダイをだめにする確率としてよい。設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)設計データ属性を含む。この確率は、さらに、欠陥の1つ又は複数の属性(例えば、欠陥サイズ)と組み合わせて設計データの1つ又は複数の属性に基づいて決定される。それに加えて、この確率は、欠陥の1つ又は複数の属性、欠陥を検出するために使用される検査システムにより報告される欠陥の配置や、検査システムの座標の不正確と組み合わせて設計データの(複数の)属性に基づいて決定される。
特定の一例では、確率を決定することは、設計データにおける欠陥に対するクリティカル領域などの設計データの1つ又は複数の属性を決定することを含む。このように、クリティカル領域、報告された欠陥サイズ、報告された欠陥配置を使用して、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率を決定することができる。例えば、欠陥サイズが大きくなり、パターンの複雑度が増大すると、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率も高くなる。したがって、デバイスの1つ又は複数の電気的属性をだめにしたり変えたりする可能性を欠陥サイズとパターン複雑度の関数として記述する関係を使用して、それぞれのウェハ上のそれぞれの欠陥の相対的リスクを決定することができる。
他の例では、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変えるかどうかを判定するために、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データと、設計データにおける欠陥の位置の確率と、モデルへの入力としての欠陥サイズとを使用して、その確率を決定する。このように、この確率は、欠陥が設計レイアウト内の特定のスポットに配置されている場合に欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率である。
この方法は、さらに、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える確率に基づいて、欠陥に対するDCIを決定することも含む。例えば、DCIは、少なくとも大まかに、この確率に相関する指数である。一例では、比較的高い確率が決定される欠陥については高いDCIが決定される。言い換えると、DCIは、デバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える比較的高い確率を有する欠陥に対してはクリティカル度が高いことを示すということである。DCIは、DCIと確率との間の関係を記述する好適な方法、アルゴリズム、データ構造、ルールなど、又はその何らかの組合せを使用して確率から決定される。本明細書で説明されている方法は、実験結果(例えば、検査、計量、レビュー、試験、又はそれらの何らかの組合せの結果)、シミュレーション結果、経験的データ、設計に関する情報、履歴データ、又はそれらの何らかの組合せを使用して、そのような方法、アルゴリズム、データ構造体、ルールなどを生成することを含む。それに加えて、DCIは、好適なフォーマット(数値、英数字、テキスト文字列など)を持つことができる。ユーザーがDCIの値を簡単に理解できるような形でDCIを表現することができる。例えば、DCIに1から10までの間の値を割り当てる。10は最高のDCI、1は最低のDCIである。さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている実施形態の1つ又は複数などの方法又はシステムでDCIを使用し本明細書において説明されているステップの1つ又は複数を実行できるような形でDCIを表現することができる。
この方法は、さらに、DCIを記憶媒体に格納することを含む。格納するステップは、本明細書で説明されている方法の実施形態の他の結果に加えてDCIを格納することをも含む。DCIは、当業界で知られている方法により格納される。記憶媒体としては、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体を含む。本明細書で説明されているような方法又はシステムの実施形態のどれかにおいて、DCIは、格納された後、記録媒体の中のDCIにアクセスし、利用することができる。さらに、DCIを、「永久的に」、「半永久的に」、又は一時的に何らかの期間の間、格納しておくことができることに留意されたい。それに加えて、DCIを格納することは、本明細書で説明されている他の方法で実行される。
一実施形態では、DCIが決定される欠陥はランダム欠陥を含む。他の実施形態では、DCIが決定される欠陥は、系統的欠陥を含む。このように、DCIは、ランダム欠陥と系統的欠陥の両方について決定される。欠陥は、本明細書でさらに説明されているようにランダム欠陥又は系統的欠陥として決定される。それに加えて、この方法の実施形態は、上で、欠陥についてDCIを決定することを含むものとして説明されているが、この方法は、1つの欠陥、いくつかの欠陥、又はウェハ上で検出されたすべての欠陥についてDCIを決定することを含むと理解されるべきである。この方法においてDCIが決定される(複数の)欠陥は、ユーザーによって選択される。それとは別に、この方法でDCIが決定される(複数の)欠陥は、方法により選択される(例えば、(複数の)欠陥の1つ又は複数の属性、設計データ空間における(複数の)欠陥の(複数の)位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性、(複数の)欠陥及び/又は本明細書で説明されている設計データに関する他の情報、又はこれらの何らかの組合せに基づいて)。
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電気的属性はデバイスの機能を含む。このように、DCIは、欠陥がデバイスの不具合又は機能不全の原因となる確率に基づいて決定される。他の実施形態では、デバイスの1つ又は複数の電気的属性は、デバイスの1つ又は複数の電気的パラメータを含む。このように、DCIは、欠陥がデバイスの1つ又は複数の電気的パラメータを変える確率に基づいて決定される。その際、この確率は、欠陥が電気的パラメータ問題を引き起こす確率である。電気的パラメータの問題は、電気的試験における電気的欠陥としてみなせない場合があるが、これは、欠陥がデバイスの電気的性能を変えることを示す指標であり、欠陥が持続する場合に他のウェハ上に時間の経過とともに電気的欠陥を引き起こし始める可能性がある。(複数の)電気的パラメータは、デバイスの速度、駆動電流、信号品位、配電などの当業界で知られている(複数の)電気的パラメータを含む。
一実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、冗長度、ネット・リスト、又はそれらの何らかの組合せを含む。他の実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、設計データにおけるフィーチャの寸法、設計データにおけるフィーチャの密度、又はそれらの何らかの組合せを含む。このような属性は、上で説明されているように確率を決定するために使用される。追加の実施形態では、設計データの1つ又は複数の属性は、デバイスの複数の設計層に対する設計データの1つ又は複数の属性を含む。このように、この確率は、欠陥に対する多層コンテキスト情報に基づいて決定されるが、これは、欠陥がデバイスを通じて伝播することにより設計の1つ又は複数の層に影響を及ぼす場合に、またウェハ上に形成されるデバイスは、典型的には、多数の層で形成されるため、有利である。したがって、欠陥は、デバイスの複数の層上に印刷される設計データを変え、これらの層のいずかの層、又は層の一部、又は層の全部に変化があれば、デバイスの1つ又は複数の電気的属性が変化する。その際、この確率を決定するために設計データの1つ又は複数の属性を使用し、デバイスの1つ又は複数の層に欠陥がどのような影響を及ぼしうるかに基づいて確率を決定して、それにより、場合によっては、その確率やその確率から決定されたDCIが潜在的パラメータ問題を強く示し、高い歩留まり関連性を有するようにすることができる。
いくつかの実施形態では、確率を決定することは、設計データに対する電気的試験結果と設計データの1つ又は複数の属性との間の相関を使用して確率を決定することを含む。
例えば、この方法は、データ・マイニングを実行して、設計データの1つ又は複数の属性と電気的試験結果との間に相関があるかどうかを判定することを含む。特に、ウェハ上に印刷される、線幅、間隔などの設計データの1つ又は複数の属性を測定し、ウェハに対する電気的試験結果を用いて、設計データの(複数の)属性と電気的試験結果との間の相関を決定することができる。電気的試験結果は、ウェハ上に形成された1つ又は複数のデバイスの1つ又は複数の電気的属性の測定結果を含むか、又は(複数の)デバイスの1つ又は複数の電気的属性を決定するために使用される。したがって、この相関は、設計データの1つ又は複数の属性と1つ又は複数の電気的属性との間の相関として決定される。電気的試験結果は、当業界で知られている方法又はシステムを使用して得られた適切な電気的試験結果を含む。欠陥は、本明細書で説明されている実施形態によりランダム欠陥として識別される。そのような相関を使用して、系統的欠陥とランダム欠陥の両方に対する確率を決定することができる。このような相関を使用して確率を決定することは、相関と、設計データ空間における欠陥の位置に近接して配置されている設計データの1つ又は複数の属性と、を使用することで比較的迅速に確率を決定できるため有利である。
他の実施形態では、確率を決定することは、設計データ空間内に欠陥が位置する確率と組み合わせた設計データの1つ又は複数の属性、欠陥を検出するために使用される検査システムにより報告される欠陥の位置、検査システムの座標の不正確さ、欠陥のサイズ、検査システムの欠陥サイズ誤差、又はそれらの何らかの組合せに基づいて確率を決定することを含む。そのような一実施形態では、欠陥は、ランダム欠陥を含む。このように、検査システムによって報告される欠陥サイズ、欠陥の配置、検査システムの座標の不正確さを使用して、ランダム欠陥に対するDCIを決定することができる。上述のように欠陥サイズ、欠陥サイズ誤差、報告された欠陥配置、座標の不正確さを使用してDCIを決定することは、ランダム欠陥のサイズと配置が比較的予測できない場合があるため有利である。
したがって、DCIを決定するのにこのような情報を使用することで、DCIの精度を高めることができる。
追加の実施形態では、確率を決定することは、欠陥の1つ又は複数の属性と組み合わせて設計データの1つ又は複数の属性に基づいて確率を決定することを含む。そのような一実施形態では、欠陥は系統的欠陥を含む。このように、系統的欠陥属性を使用して、系統的欠陥に対するDCIを決定することができる。欠陥は、本明細書で説明されている実施形態により系統的欠陥として識別される。本明細書で説明されている実施形態では設計データ空間における系統的欠陥の位置を比較的高い精度で決定することができるため、系統的欠陥の1つ又は複数の属性は、欠陥に対するDCIを決定するために使用される。
一実施形態では、DCIを決定することは、欠陥に割り当てられた分類と組み合わせて確率に基づいて欠陥に対するDCIを決定することを含む。例えば、DCIは、確率に基づいて決定され、次いで、DCIは、欠陥分類に基づいて修正され、これによりDCIを改善することができる。このような一例では、欠陥分類が、欠陥が短絡欠陥であることを示している場合、欠陥に対するDCIを変えて、変えられたDCIが欠陥について、最初に決定されたDCIよりも高いクリティカル度を示すようにすることができる。異なる例では、欠陥分類が、欠陥が部分的短絡欠陥であることを示している場合、欠陥に対し決定されたDCIを変えて、変えられたDCIが欠陥について、最初に決定されたDCIよりも低いクリティカル度を示すようにすることができる。この実施形態で使用される欠陥の分類は、本明細書で説明されている実施形態により、又は欠陥を分類するために当業界で知られている他の方法若しくはシステムを使用して、決定されるか、又は欠陥に割り当てられる。それに加えて、DCIは、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果(例えば、欠陥に対するKP値)又は他の利用可能な情報(例えば、ホット・スポット情報)を使用して修正される。
いくつかの実施形態では、この方法は、設計データ空間における検査データの位置を決定することにより設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データを決定することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。他の実施形態では、この方法は、欠陥のアライメントにより設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データを決定することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。追加の実施形態では、この方法は、少なくとも一部は、欠陥を検出するために使用される検査システムにより報告された欠陥の位置、検査システムの座標の不正確さ、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥サイズ、検査システムの欠陥サイズ誤差、又はそれらの何らかの組合せに基づいて欠陥の位置に近接する設計データを決定することを含むが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。このように、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データは、少なくとも一部は、欠陥の報告された配置と検査システムの座標精度の範囲内で欠陥の位置特定が可能と思われる配置に基づいて決定される。欠陥の位置特定が可能と思われる配置を超える設計データも、同様にして決定される。
一実施形態では、この方法は、欠陥に対する設計データの歩留まりの感度に基づいてDCIを修正することを含む。このように、DCIは、設計における領域(例えば、セル又は機能ブロック)内の歩留まり影響の感度に基づいて修正される。例えば、この方法は、本明細書で説明されているように実行される、設計データ空間における欠陥の位置を決定することを含み、またこの位置に配置されている欠陥による、及び/又はこの位置に近接する設計データにおける欠陥による歩留まり感度が決定される。このような歩留まり感度は、本明細書で説明されている実施形態を使用して決定される。例えば、この方法は、設計データの1つ又は複数の属性の異なる値について設計データ空間における位置に関して設計データを使用して加工されるデバイスの電気的特性をモデル化することを含み、これは欠陥による1つ又は複数の属性の変化方法に基づいて選択される。このようなモデル化は、本明細書で説明されているように実行され、モデル化された電気的特性は、設計データの1つ又は複数の属性の値が変化するときに歩留まりがどのように変化するかを決定するために使用され、このことを用いて、その位置に配置されている欠陥及び/又はこの位置に近接する設計データにおける欠陥に対する設計データの歩留まり感度を決定することができる。このように、設計データ空間における欠陥の位置は、欠陥に対する設計データの歩留まり感度を決定するために使用される。欠陥に対する設計データの歩留まり感度が比較的高い場合、その欠陥に対するDCIを修正し、修正されたDCIが最初に決定されていたDCIに比べて高いクリティカル度を示すようにすることができる。同様に、欠陥に対する設計データの歩留まり感度が比較的低い場合、その欠陥に対するDCIを修正し、修正されたDCIが最初に決定されていたDCIに比べて低いクリティカル度を示すようにすることができる。
上でさらに説明されているように、DCIは、本明細書で説明されている実施形態でさまざまな方法により使用できる。例えば、一実施形態では、この方法は、欠陥に対し決定されたDCIに基づいてウェハ上で実行されるプロセスを変えることを含む。このような一実施形態では、プロセスは、計量プロセスであるか、又はウェハ上の1つ又は複数の測定を含む。このように、この方法は、少なくとも一部はDCIに基づいて測定プロセスを適合させることを含む。他の実施形態では、プロセスは、欠陥レビュー・プロセスである。その際、この方法は、少なくとも一部はDCIに基づいて欠陥レビュー・プロセスを適合させることを含む。上述のようにこのプロセスを変更することは、プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。それに加えて、このような変更は、本明細書でさらに説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、欠陥に対し決定されたDCIに基づいて欠陥を検出するために使用されるプロセスを変えることを含む。欠陥を検出するために使用されるプロセスを変更することは、本明細書でさらに説明されているようなプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。それに加えて、DCIに基づいて欠陥を検出するために使用されるプロセスを変更することは、フィードバック制御技術を使用して実行される。そのような一例では、欠陥に対するDCIが、その欠陥が比較的クリティカルであることを示している場合、欠陥を検出するために使用されるプロセスは、DCIが決定された欠陥に対応する欠陥が潜在的に配置されるウェハ上の1つ又は複数の配置が、それらの配置を検査するためにすでに使用されている感度よりも高い感度で検査されるように変更される。プロセスの他の(複数の)パラメータも、同様に変えられる。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥について決定されたDCIに基づいてデバイスが加工される追加のウェハの検査用のプロセスを生成することを含む。このように、この方法は、欠陥が検出されたすでに使用されているプロセスを変更する代わりに、全く新しい検査プロセスを生成することを含む。新しい検査プロセスは、追加のウェハの1つ又は複数の層について生成される。例えば、プロセスは、DCIが決定された欠陥が検出された層について生成される。しかし、そのような検査プロセスは、さらに、追加のウェハの1つ又は複数の他の層についても生成される。例えば、欠陥に対するDCIが、欠陥が比較的クリティカルであることを示している場合、ウェハ上のその後に形成された層を検査するプロセスは、DCIが決定された欠陥により引き起こされる可能性のある欠陥が潜在的に配置されるその後に形成された層上の1つ又は複数の配置が比較的高い感度で検査されるように検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを選択することにより生成される。プロセスの他の(複数の)パラメータも、同様に選択される。追加のウェハを検査するプロセスを生成することも、本明細書でさらに説明されているように実行される。
一実施形態では、DCIを決定するためのコンピュータ実施方法は、欠陥を検出するために使用される検査システムにより実行される。このように、この方法は、オンツールで実行される。他の実施形態では、DCIを決定するためのコンピュータ実施方法は、欠陥を検出するために使用される検査システム以外のシステムにより実行される。その際、この方法は、オフツールで実行される。この方法をオフツールで実行するために使用されるシステムは、本明細書でさらに説明されているように構成される。
欠陥に対するDCIは、欠陥がレビューのため選択されるサンプリングなどのために本明細書で説明されている実施形態においてさまざまな方法により使用される。例えば、ビン範囲に従って欠陥が分けられたそれぞれのグループについて、DCIは、グループ化された欠陥のランダム・サンプリングを実行する代わりにサンプリングに使用される。それに加えて、欠陥について決定されたDCIは、デバイスの1つ又は複数の電気的属性を変える高い確率を有する欠陥、1つ又は複数の電気的属性を変える高い確率を有する欠陥のどれを大量にサンプリングするかを決定するために使用される。DCIは、系統的欠陥だけでなくランダム欠陥をもサンプリングするために使用される。
上述のDCIを決定するための方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のDCIを決定するための方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の実施形態は、ウェハ上に形成されたメモリ・バンクのメモリ修復指数(MRI)を決定するコンピュータ実施方法に関係する。メモリ・ダイは、メモリ・バンク(多くの場合、多数のメモリ・バンク)を含む。それぞれのメモリ・バンクは、アレイ・ブロック領域(又はロー領域)と冗長性領域を含む。冗長性領域は、多数の行と多数の列を含み、メモリ・バンクを修復するために使用される。メモリ・バンクに含まれる行と列の数は、ユーザー定義であってよい。アレイ・ブロック領域は、一般的に正方形又は矩形であってよい。冗長行は、アレイ・ブロック領域の片側にそって形成され、冗長列は、アレイ・ブロック領域の他の隣接する側にそって形成される。メモリ・バンクは、さらに、冗長行に隣接する行デコーダ、冗長列に隣接する列デコーダ、列デコーダに隣接するセンス・アンプも備える。この方法は、さらに、それぞれのアレイ・ブロック領域に対する冗長行と列、センス・アンプ、デコーダの配置を決定することを含む。このような配置は、当業界で知られている方法又はシステムを使用して決定される。
この方法は、メモリ・バンクのアレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥に基づいてメモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行と冗長列の個数を決定することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、この方法は、アレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥のうちどれがメモリ・バンク内のビットにエラーを引き起こすかを判定することと、それらのビットのエラーの原因となる欠陥の配置に基づいてエラーを起こすビットの位置を判定することとを含む。それとは別に、この方法は、アレイ・ブロック領域内の欠陥のうちどれがメモリ・バンク内のビットにエラーを引き起しうるかを判定することと、それらのビットのエラーの原因となりうる欠陥の配置に基づいてエラーを起こしうるビットの位置を決定することとを含む。アレイ・ブロック領域内の欠陥のうちどれが、ビットのエラーを引き起こすか、又は引き起こす可能性があるかを決定することは、欠陥の1つ又は複数の属性を使用して実行されるが、これは本明細書で説明されている(複数の)欠陥属性、及び/又は本明細書で説明されている(複数の)方法の1つ又は複数の他のステップの結果を含む。例えば、報告された欠陥配置、欠陥を検出するために使用される検査システムの座標精度、欠陥サイズ、欠陥システムの欠陥サイズの不正確さは、場合によって本明細書で説明されているように決定される、欠陥に対するDCIと組み合わせて、また場合によっては、メモリ・バンクに対する相関する検査及び/又は電気的試験結果とさらに組み合わせて、欠陥がビット・エラーの原因となるか、又は原因となる可能性があるかを判定するために使用される。
このような一実施形態では、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行の個数と冗長列の個数を決定することは、エラーを起こすビットの位置を使用して実行される。このステップは、それとは別に、エラーを起こしうるビットの位置を使用して実行される。例えば、個々のエラー・ビットは、必ずしも、一対一ベースで、冗長行と冗長列で置き換えられない。代わりに、個々のエラー・ビットが、同じ論理行又は論理列にそって互いに「隣接」している場合、その行又は列全体が、利用可能な冗長行又は冗長列による置き換えの候補となる。したがって、エラーを起こすか、又は起こす可能性のあるビットの位置を使用して、どのエラー・ビットが同じ論理行又は論理列にそって互いに「隣接」しているかを判定することができ、これを用いて、メモリ・バンクを修復するために必要な冗長行と冗長列の数を決定することができる。このように、この方法は、エラーを起こしたビットにより消費される冗長性の量を決定し、及び/又は監視するために使用される、予測ビット・エラー推定を含む。
それに加えて、2つのメモリ・ビットは、レイアウト内では物理的に互いに隣接しているが、異なる論理行又は論理列に属していることがある。言い換えると、物理的隣接性は、論理的又は電気的隣接性に相関しない。例えば、論理行1が256ビットを備える場合、これら256個のビットは、必ずしも、バンク又はセグメントの物理的レイアウトにおいて互いに隣り合わない。その際、物理(又はトポロジー的)アドレスは、それぞれのデバイスについて異なっていてもよいマッピング関数を通じて論理(又は電気的)アドレスに変換される。このようなマッピングは、当業界で知られている好適な方法又はシステムを使用して実行される。例えば、KLA−Tencorから市販されているKlarity Bitmapは、トポロジー的アドレス−電気的アドレス間マッピングを作成するためのグラフィックを使用する、又は他の何らかの使いやすい手段を提供する。したがって、この方法でこのようなマッピング関数を使用することにより、メモリ・バンクの修復性を正確に反映するMRIを決定することが可能である。
アレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥は、メモリ・バンクの検査の結果において、又は結果から識別される。例えば、検査では、アレイ・ブロック領域と冗長性領域の両方において(又はメモリ・バンク全体にわたって)欠陥を検出することができ、欠陥は、欠陥の配置に基づいてアレイ・ブロック領域内の欠陥と冗長領域内の欠陥とに分けられるが、これは本明細書で説明されている実施形態により決定される。アレイ・ブロック領域、冗長性領域、デコーダ領域、センス・アンプ領域内の欠陥を分離することで、そのような分離を使用して修復可能な欠陥を修復不可能な欠陥から分けることができるため、検査結果の価値が高まる。それに加えて、これらの欠陥を、ロー領域、冗長性領域、デコーダ領域、センス・アンプ領域内の欠陥に分けることは、ルール・ベース又は領域ベースとすることができる。
この方法は、さらに、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行の個数をメモリ・バンクの利用可能な冗長行の個数と比較することを含む。それに加えて、この方法は、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長列の個数をメモリ・バンクの利用可能な冗長列の個数と比較することを含む。いくつかの実施形態では、冗長行の個数を比較することは、メモリ・ダイのそれぞれのバンクごとに別々に実行され、冗長列の個数を比較することは、メモリ・ダイのそれぞれのバンクごとに別々に実行される。冗長行の数を比較し、冗長列の数を比較することは、好適な方法で実行される。
他の実施形態では、この方法は、メモリ・バンクの冗長行とメモリ・バンクの冗長列内に配置されている欠陥に基づいて利用可能な冗長行の個数及び利用可能な冗長列の個数を決定することを含む。冗長行と冗長列内に配置されている欠陥は、上述のように識別される。上述のように利用可能な冗長部分の量を決定することは、冗長部分に欠陥が十分ある場合、メモリ・バンク障害が発生しうるため、有利なことであると考えられる。それに加えて、冗長部分に一部欠陥がある場合、メモリ・バンクの修復に利用できる冗長部分の量が少なくなり、またエラーの数が欠陥のない冗長部分の量を超える場合、メモリ・バンクは修復可能でない場合がある。利用可能な冗長部分の量は、さらに、上でさらに説明されているようにそれぞれのバンクはそれ専用の冗長行と冗長列の集合を有し、それぞれのバンク内のエラー・ビットは同じバンク内の利用可能な冗長行又は冗長列でしか置き換えられないため、ダイ内の個々のメモリ・バンクについて決定される。
利用可能な冗長部分の量は、さらに、冗長性領域に配置されている欠陥、及び冗長性領域内に配置されている欠陥の1つ又は複数の属性に基づいて決定される。このステップで使用される1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)欠陥属性を含む。利用可能な冗長部分を決定することは、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの結果を使用して実行される。例えば、冗長性領域内の欠陥の報告された欠陥サイズ、欠陥を検出するために使用される検査システムの座標精度、及び欠陥に割り当てられた分類を使用して、欠陥が冗長性領域内に障害を引き起こすかどうかを判定することができるが、これは利用可能な冗長部分の量を決定するために使用される。
この方法は、さらに、冗長行の個数を比較した結果と冗長列の個数を比較した結果とに基づいてメモリ・バンクのMRIを決定することを含む。MRIは、メモリ・バンクが修復可能かどうかを示すものである。例えば、エラー・ビットを修復するために必要な冗長行及び/又は列の数が、利用可能な冗長行及び/又は列の数よりも多い場合、メモリ・バンクは修復可能でなく、ダイは修復できない。MRIを、そのような比較に基づいて決定し、メモリ・バンクが修復可能かどうかを示す値をMRIに割り当てることができる。例えば、メモリ・バンクが修復可能である場合に、MRIに第1の値を割り当て、メモリ・バンクが修復可能でない場合に、MRIに第2の値を割り当てることができる。MRIに対する異なる値は、好適なフォーマットで表現される(例えば、ユーザーにとって値がわかりやすいように、及び/又は本明細書で説明されている方法を実施形態により値を使用できるように)。好適なフォーマットとしては、限定はしないが、数値、英数字、テキスト文字列などがある。
この方法は、さらに、MRIを記憶媒体に格納することを含む。格納するステップは、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の結果に加えてMRIを格納することを含む。MRIは、当業界で知られている方法により格納される。それに加えて、記憶媒体としては、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体が考えられる。本明細書で説明されているような方法又はシステムの実施形態のどれかにおいて、MRIが格納された後、記録媒体の中のMRIにアクセスし、利用することができる。さらに、結果を、「永久的に」、「半永久的に」、一時的に何らかの期間の間、格納しておくことができる。MRIを格納することは、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されているように実行される。
したがって、上で説明されている方法の実施形態は、MRIを使用してメモリ喪失の早期検出に使用されるが、これは多くの理由から有利であり、またさまざまな方法で使用される。例えば、一実施形態では、この方法は、ダイ内に形成される複数のメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、複数のメモリ・バンクに対するMRIに基づいてダイの修復歩留まりを予測することとを含む。ダイ内のメモリ・バンクについて決定されたMRIに基づいてダイの修復歩留まりを予測することは、ダイのそれぞれのバンク又はセグメントが修復に利用可能な冗長行と冗長列の対応する集合を有するため、有利である。特定のバンク又はセグメント内でエラーを起こしているビットは、利用可能な対応する冗長行又は冗長列のみで置き換えられる。したがって、一方のバンクで冗長性を「使い果たす」可能性があるが、ダイ内の他のバンクには冗長性が残っている可能性がある。この場合、ダイは、もはや完全には修復できないが、それは、少なくとも1つのバンク又はセグメントが修復可能でないからである。その際、この方法は、ダイ内のメモリ・バンクに対するMRIに基づいて、ダイ上で実行される修復プロセスの歩留まりを決定することができる。それに加えて、MRIは、そのダイの中のメモリ・バンクについて決定されているMRIに基づいてそのダイについて決定されるが、これはダイが修復可能であるかどうかを示す。例えば、メモリ・バンクに対するMRIが、メモリ・バンクのどれかが修復可能でないことを示している場合、MRIは、メモリ・ダイが修復可能でないことを示す値であると判断される。
他の実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイのそれぞれのメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、それぞれのメモリ・バンクに対するMRIに基づいて1つ又は複数のダイのメモリ歩留まりを決定することとを含む。これらのステップは、上述のように実行される。方法のこの実施形態は、ダイ−ダイ・メモリ歩留まりを決定するために使用される。それに加えて、1つ又は複数のダイに対するメモリ歩留まりを使用して、ウェハに対するメモリ歩留まりを決定することができる。
他の実施形態では、この方法は、メモリ歩留まり予測をメモリ外部の歩留まり予測と組み合わせて、全歩留まり予測を決定することを含む。
追加の実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイに対する1つ又は複数のメモリ歩留まりに、少なくとも一部は基づいてウェハの配置を実行することを含む。
例えば、本明細書で説明されている方法を使用して、ウェハのインライン配置を実行し、それにより、WIPプランニングを改善(例えば、効率化)し、生産コストを削減することができる。例えば、何らかの所定のしきい値よりも低いメモリ歩留まりを有するダイの数を決定し、使用して、ウェハ上で修復を実行すべきか、ウェハを作り直すべきか、ウェハをスクラップにすべきかなどを決定することができる。このような一例では、所定のしきい値よりも低いメモリ歩留まりを有するダイの数を、他の所定のしきい値と比較することができ、ウェハ上で修復が実行されるべきかどうかを判断するために必要な最低ウェハ・ベース歩留まりを表すために両方のしきい値を選択することができる。例えば、しきい値は、ウェハの推定値がウェハを完成させるコストを超えない最低メモリ歩留まりに対応するように(例えば、ユーザーにより、又は本明細書で説明されている1つ又は複数の実施形態により)選択される。他の実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイに対するメモリ歩留まりに基づいてウェハに対するメモリ歩留まりを決定することを含む。したがって、メモリ歩留まりは、メモリ修復プロセスの後の歩留まりであるが、ただし、そのプロセスがウェハ上の1つ又は複数のダイ上で実行される場合とする。上述のように、ウェハに対するメモリ歩留まりを使用して、ウェハを処分することができる。例えば、メモリ修復プロセスの後のウェハの値は、少なくとも一部はメモリ歩留まりに基づいて決定され、この値をウェハを完成させるコストと比較して、ウェハをスクラップにすべきかどうかを判定することができる。
一実施形態では、冗長行の個数を比較することは、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行の一部を決定することを含み、冗長列の個数を比較することは、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長列の一部を決定することを含み、メモリ・バンクに対するMRIを決定することは、冗長行の一部と冗長列の一部に基づいてMRIを決定することを含む。
上述の割合に基づいてMRIを決定することを含む方法は、本明細書で説明されている他のステップを含む。例えば、そのような一実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイのそれぞれのメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、それぞれのメモリ・バンクに対するMRIに基づいて1つ又は複数のダイのメモリ歩留まりを決定することとを含む。この実施形態のステップは、本明細書でさらに説明されているように実行される。他の例では、そのような他の実施形態において、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイのそれぞれのメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、それぞれのメモリ・バンクに対するMRIに基づいて1つ又は複数のダイのメモリ歩留まりを決定することと、1つ又は複数のダイのそれぞれに対するメモリ修復歩留まりに基づいてウェハのメモリ歩留まりを決定することとを含む。この実施形態のステップは、本明細書でさらに説明されているように実行される。このように、この方法は、MRIを使用して、ウェハ−ウェハに基づいてメモリ歩留まりを予測することを含む。同様にして、MRIをウェハ上のそれぞれのダイについて決定し、それぞれのダイに対するMRIを使用して、ウェハ・ベースのメモリ歩留まりを決定することができる。例えば、ウェハ・ベースのメモリ歩留まりは、ウェハ上のそれぞれのダイに対するMRIの合計をウェハ上のダイの数で除算して、そのメモリに関して良好であるか、又は修復可能であるウェハ上のダイの割合を決定することにより決定される。良好であるか、又は修復可能であるウェハ上のダイの割合は、場合によっては時間的推移に応じた歩留まり又は成功率などの修復プロセスに関する情報と併用され、これにより、ウェハ上で実行される修復プロセスに対するメモリ歩留まりを適切に予測することができる。
いくつかの実施形態では、MRIは、さらに、メモリ・バンクが修復可能でなくなる確率を示す。このように、MRIは、メモリ・バンクが修復可能かどうか、メモリ・バンクが修復可能でない確率を示す。メモリ・バンクが修復可能でない確率は、上で説明されているように実行される、利用可能な冗長行の数と修復に必要な冗長行の数とを比較することと、利用可能な冗長列の数と修復に必要な冗長行の数とを比較することとに基づいて、また場合によっては欠陥の1つ又は複数の属性、メモリ設計の1つ又は複数の属性、修復プロセスの1つ又は複数の属性を組み合わせて決定される。このような属性は、例えば、確率が決定されるメモリ・バンクに設計面で少なくとも類似している他のメモリ・バンクにおいて実行される修復プロセスの時間的推移に応じた成功率を含む。このようなMRIは2つの値で表され、1つはメモリ・バンクが修復可能かどうかを示す値であり、もう1つはメモリ・バンクが修復可能でない確率を示す値とすることができる。それとは別に、MRIは単一値で表され、これは、メモリ・バンクが修復可能かどうかとメモリ・バンクが修復可能でない確率を示す値である。2つの値及び単一の値は、本明細書で説明されているフォーマットで表現される。そのような一実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイのそれぞれのメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、1つ又は複数のダイのメモリ・バンクのそれぞれに対するMRIに基づいて1つ又は複数のダイのMRIを決定することとを含む。これらのステップは、本明細書で説明されているように実行される。このような一実施形態では、1つ又は複数のダイに対するMRIは、1つ又は複数のダイが修復可能でなくなる確率を示す(それぞれのメモリ・バンクに対するMRIは、メモリ・バンクが修復可能でなくなる確率を示し、また上でさらに説明されているようにダイの修復可能性は、メモリ・バンクの修復可能性に関係しているため)。そのような一実施形態では、この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のダイに対するMRIのしきい値設定に基づいてウェハ・ベースのメモリ歩留まり予測を決定することを含む。ウェハ・ベースのメモリ歩留まり予測を決定することは、上で説明されているように実行されるが、ウェハの歩留まりは、上で説明されているように修復プロセスの歩留まりでなくなる。
いくつかの実施形態では、この方法は、メモリ・バンクのデコーダ領域に配置されている1つ又は複数の欠陥、メモリ・バンクのセンス・アンプ領域に配置されている1つ又は複数の欠陥、又はそれらの何らかの組合せに基づいてメモリ・バンク(例えば、メモリ・バンクの論理周辺回路)における修復不可能な欠陥を識別することを含む。例えば、メモリ・バンクの検査は、メモリ・バンクのすべての領域(例えば、論理周辺回路、デコーダ領域、センス・アンプ領域を含む)内の欠陥を検出するために実行され、本明細書で説明されている実施形態により決定される、メモリ・バンク内の欠陥の配置は、欠陥のそれぞれ又は1つ又は複数がメモリ・バンクのどの領域に配置されているかを判定するために使用される。メモリ・バンク内の修復不可能な欠陥の数は、少なくとも一部は、デコーダ領域とセンス・アンプ領域において検出され、位置特定された欠陥の数に基づいて決定される。この方法は、さらに、少なくとも一部は、メモリ・バンク内の修復不可能な欠陥に基づいてメモリ歩留まりを推定することを含むが、これは、修復不可能な欠陥が1つでもあればダイをだめにする可能性があるため有利である。
一実施形態では、この方法は、フィード・フォワード制御技術を使用してMRIに基づいて電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。他の実施形態では、この方法は、メモリ・バンクが修復可能でない場合に、メモリ・バンクが配置されているダイが電気的試験プロセス実行時に試験されないようにフィード・フォワード制御技術を使用してMRIに基づいて電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。例えば、メモリ試験は比較的長い時間を要する。したがって、上で説明されているように決定されるメモリ・バンク又はメモリ・ダイが修復可能でないという予測に基づいて、その情報をプローバ又は他のメモリ試験システムに供給し、メモリ試験時に、影響を受ける、修復可能でないダイをスキップする。このように、試験の量を減らし、メモリ試験のコストを削減することができる。それに加えて、メモリ試験は、開/短絡試験、機能試験、電気的パラメータ試験を含む。どのダイが修復可能であるかを判定するために本明細書で説明されている方法を使用することによりこのような試験を排除できる場合、メモリ試験プロセスは、かなり短い時間で実行される。それとは別に、電気的試験プロセスを、修復可能でないダイ上のさらなるFAのために関係性の高い試験データを集めるように変更することができ、またさまざまな可能性のある障害機構の予測される影響に基づいて試験を特定の配置に絞り込むことが可能である。さらに、メモリ修復は、レーザー若しくは電気的手段を使用してヒューズを飛ばし、それにより冗長行及び/又は列へのデコーダのルート変更を行うことを含む。メモリ修復の後、メモリ試験を実行して、修復を検証し、負荷試験などのさらなる試験を実施することができる。したがって、本明細書で説明されているようにどのダイを修復できるかを判定することにより、メモリ修復及び追加のメモリ試験を修復可能なダイに対してのみ実行することができ、したがって、かなり時間短縮できる。
いくつかの実施形態では、この方法は、メモリ・バンクのアレイ・ブロック領域内に配置された欠陥の1つ又は複数の属性、MRI、又はそれらの何らかの組合せに基づいて修復プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。例えば、メモリ修復プロセスは、修復可能でないと判定されたメモリ・バンクを含むメモリ・ダイに対しては修復が試みられないように変更される。それに加えて、メモリ修復プロセスは、修復が成功する確率を高めるように変更される。この実施形態で変更される修復プロセスの1つ又は複数のパラメータは、修復プロセスの(複数の)パラメータを含む。
いくつかの実施形態では、欠陥はメモリ・バンクのゲート層で検出された欠陥を含む。
他の実施形態では、欠陥は、メモリ・バンクの金属層で検出された欠陥を含む。例えば、メモリ加工では、ゲート層と金属層で検査を実行する。本明細書で説明されている方法は、これらの層の1つ又は複数で検出された欠陥について実行される。それに加えて、大半のメモリ加工は、ゲートと金属層での検査を含み、ゲートと金属層で得られた検査結果は歩留まりを十分予測できるものであり、ビット修復のためキャパシタ層で検査を実行することもできる。したがって、ゲート層、金属層、キャパシタ層で生成される検査結果を使用して、歩留まりを予測するだけでなく、それに加えて、本明細書で説明されている実施形態を容量層で検出された欠陥に対し実行することができる。
一実施形態では、この方法は、メモリ・バンク内の欠陥の配置に基づいて欠陥のビット・エラー・モードを予測することを含む。このように、欠陥の配置は、ビット・エラー・モードを予測するために使用される。このような情報は、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長部分の量を決定するうえで有用である。例えば、メモリ・バンクのp−MOS領域内の欠陥は、センス・アンプ障害の原因となり、これにより、n−MOS領域内の欠陥に比べて冗長性を多く消費する。欠陥に近接する設計データの1つ又は複数の属性及び/又は欠陥の1つ又は複数の欠陥属性(例えば、サイズ)も、ビット・エラー・モードの予測を向上させるために使用される。修復に必要な冗長性の予測を補助することに加えて、又はダイ内のメモリが形成される場合に、故障モードの予測を行うことで、結果として、(複数の)ビット・エラーを引き起こす(複数の)欠陥を高速に、又は適切に識別することができる。早期の予測により、ビット・エラーが試験時に発見された場合にFAなしでは不可能な、DOIを識別し、レビューすることが可能になる。また、デバイスの潜在故障に関わると思われる欠陥を識別し、レビューすることや、利用可能な冗長性を使用して潜在故障率を下げることも可能である。このように、欠陥をメモリの領域(例えば、センス・アンプ)にマッピングし、(複数の)欠陥及び/又は領域属性をルールと組み合わせて使用し、ビット・エラー・モードをインラインで予測することができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、MRIに基づいて、メモリ・バンクにおける利用可能な冗長列の個数、利用可能な冗長行の個数、又はそれらの何らかの組合せがメモリ・バンクの設計者により評価されるべきかどうかを決定することを含む。このように、この方法は、「冗長性分析」を実行して、冗長性領域内にさらに行又は列を追加することを特定のメモリ・バンクで実行すべきかどうかを設計者に示唆することを含む。本明細書で説明されている方法は、この方法を致命的ウェハの早期検出に使用することができ、また歩留まり学習を高速化できるため、ダイの設計に関するフィードバックを送るうえで特に有用である。
他の実施形態では、この方法は、アレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥の1つ又は複数に対するDCIを決定することを含む。1つ又は複数の欠陥に対するDCIは、本明細書で説明されているように決定される。このような一実施形態では、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行の個数と冗長列の個数を決定することは、1つ又は複数の欠陥についてDCIを使用して実行される。他の実施形態では、メモリ・バンクを修復するのに必要な冗長行の個数と冗長列の個数を決定することは、メモリ・バンクのアレイ・ブロック領域に配置されている欠陥のそれぞれに対するDCIを決定することと、DCIを所定のしきい値と比較することと、所定のしきい値よりも高いDCIを有する欠陥のすべてを修復するのに必要な冗長行の個数と冗長列の個数を決定することとを含む。例えば、DCIは、アレイ・ブロック領域内に配置されているすべての欠陥について決定される。DCIは、本明細書でさらに説明されているようにアレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥について決定される。それに加えて、この方法は、DCIを使用して、欠陥により引き起こされる行又は列の障害の数を予測することを含む。例えば、ユーザーによって定義される、DCIが所定の値よりも大きい欠陥の数が冗長性領域内の行又は列の数よりも多い場合、MRI(この例では、修復に必要な冗長行又は冗長列と利用可能な冗長行又は冗長列との比であると定義される)は1(不合格)よりも大きいと判定される。対照的に、ユーザーにより定義される、また第1の所定の値と異なるものとしてよい、DCIが第2の所定の値よりも小さい欠陥の数が冗長性領域内の行又は列の数よりも少ない場合、MRIは1未満であると判定される(合格、恐らくは何らかの修復あり)。それに加えて、この方法は、DCIがしきい値よりも高いすべての欠陥が修復を必要とする場合に、メモリ・バンクを修復するのに必要と思われる利用可能な冗長行及び/又は列の最大カウント又はパーセントを決定することを含む。
DCIを使用して、ダイ内のメモリが修復可能かどうかを判定することは、個別の欠陥の実際の歩留まりが、欠陥により引き起こされるパターン障害、欠陥の配置(例えば、層の最上部、層内に埋め込まれる、など)、欠陥サイズなどの欠陥の1つ又は複数の属性などに応じて変化するため、有利である。DCIは、本明細書で説明されているように欠陥におけるそのような変動に基づいて決定され、それにより異なる欠陥が歩留まりに実際に影響をどのように及ぼすかを反映することができる。それに加えて、系統的欠陥は実際の歩留まり影響の多くを有する可能性があるため、本明細書で説明されている方法は、メモリ・バンク内で検出されたどの欠陥が、系統的欠陥であるかを判定し、次いで、系統的欠陥のクリティカル度に基づいて本明細書で説明されているようにMRIを決定することを含む。系統的欠陥は、本明細書で説明されている(複数の)実施形態により識別される。
いくつかの実施形態では、この方法は、メモリ・バンクのアレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥によるメモリ・バンクの障害に対するMRIを決定することを含む。このように、この方法は、メモリ・バンクの非冗長領域内で検出された欠陥によるセグメント障害に対する指数を決定することを含む。同様に、この方法は、メモリ・バンクの冗長領域内で検出された欠陥によるセグメント障害に対する指数を決定することを含む。
他の実施形態では、この方法は、メモリ・バンクの冗長行と冗長列内に配置されている欠陥によるメモリ・バンクの障害に対するMRIを決定することを含む。このように、この方法は、論理的行及び/又は列障害に対する指数を決定することを含む。このような指数は、上述のように試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変えるために使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、メモリ・バンク内で検出された欠陥同士の空間的相関関係を例示する類似のメモリ・バンク設計の積層マップを生成することを含む。このように、この方法は、空間相関を示す積層マップを生成することを含む。このような積層マップは、当業界で知られている好適な方法で生成される。
一実施形態では、この方法は、ダイに基づいてMRIを決定することを含む。また、この方法は、ウェハ・ベース、及び/又はロット・ベースでMRIを決定することを含む。
ダイ・ベース、ウェハ・ベース、及び/又はロット・ベースでMRIを決定することは、本明細書で説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、ウェハ上のダイがアレイ・ブロック領域内に配置されている欠陥により不具合を生じる場合を示す指数又はメモリ歩留まり予測を決定することを含む。このように、この方法は、ダイが不良メモリ・バンクにより機能しないことを示す指数又は確率を決定することを含む。この指数は、本明細書でさらに説明されているように決定される。
追加の実施形態では、この方法は、ウェハ上のダイにおいてメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、修復可能でないことをMRIにより示されているメモリ・バンクの2つ又はそれ以上の間の空間的相関関係を例示するダイの積層マップを生成することとを含む。ダイ内のメモリ・バンクに対するMRIを決定することは、本明細書で説明されているように実行される。それに加えて、積層マップは、当業界で知られている好適な方法で生成される。
さらに他の実施形態では、この方法は、ウェハ上のダイにおいてメモリ・バンクに対するMRIを決定することと、修復可能でないことをMRIにより示されているメモリ・バンクの2つ又はそれ以上の間の空間的相関関係を例示するウェハ上のメモリ・バンクを形成するために使用されるレチクルの積層マップを生成することとを含む。ダイ内のメモリ・バンクに対するMRIを決定することは本明細書で説明されているように実行される。
それに加えて、積層マップは、当業界で知られている好適な方法で生成される。
いくつかの実施形態では、この方法は、ダイにおいて検出された欠陥の影響を受けるダイのメモリ・バンクを識別することと、メモリ・バンクに対する欠陥の影響に基づいてメモリ・バンクをランク付けすることとを含む。このように、この方法は、影響を受けるメモリ・バンクのリストのランク付けを行うことを含む。メモリ・バンクに対する欠陥の影響は、本明細書で説明されている情報(例えば、欠陥の1つ又は複数の属性、メモリ・バンクに対する設計データの1つ又は複数の属性など)に基づいて判定される。メモリ・バンクをランク付けするために使用されるメモリ・バンクに対する欠陥の影響は、メモリ・バンクに対し欠陥が及ぼす影響(例えば、悪影響)を含む。メモリ・バンクは、欠陥の影響が最も大きいメモリ・バンクが最高ランクを割り当てられ、欠陥の影響が最も低いメモリ・バンクが最低ランクを割り当てられるようにランク付けされる。メモリ・バンクのこのようなランク付けは、例えば、ダイ内のメモリ・バンクの配置と欠陥がメモリ・バンクに及ぼす影響の程度との間の関係を決定するために使用される。それに加えて、そのような関係を使用することで、欠陥の少なくとも一部の原因を予測し、この予測を用いて追加のウェハ上のそれらの欠陥を減らし、及び/又は最初にメモリ・バンクに対する最大の影響を及ぼす欠陥の数を減らし(例えば、欠陥の検出に先立ってメモリ・バンク上で実行されるプロセスを変更する、及び/又はメモリ・バンクの設計を変更するなどの本明細書で説明されている変更のステップの1つ又は複数を使用して)、その後メモリ・バンクに対する影響が小さい欠陥を減らすことができる(例えば、上述の変更するステップの1つ又は複数を使用して)。
他の実施形態では、この方法は、メモリ・バンクの修復不可能な領域における欠陥の影響を受けるウェハ上に形成されるメモリ・バンクの割合を決定することを含む。メモリ・バンクの修復不可能領域内の欠陥の影響を受けるメモリ・バンクは、本明細書で説明されているように決定される。この割合は、そのようなメモリ・バンクの数とウェハ上に形成されたメモリ・バンクの総数に基づいて決定される。それに加えて、この方法は、起こりうる冗長性障害の影響を受ける、及び/又は修復不可能な障害の影響を受けるダイの割合を決定することを含む。起こりうる冗長性障害と修復不可能な障害は、本明細書で説明されているように識別される。それに加えて、起こりうる冗長性障害及び/又は修復不可能な障害の影響を受けるダイは、本明細書で説明されているように識別される。影響を受けるダイの数とウェハ上に形成されたダイの総数を使用して、起こりうる冗長性障害及び/又は修復不可能な障害の影響を受けるダイの割合を決定することができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、発生する可能性のある障害の間の空間的相関関係を例示するウェハ上に形成されたメモリ・バンク内に発生する可能性のある障害の積層ウェハ・マップを生成することを含む。このように、この方法は、起こりうる障害又はビン範囲に従って分けられる指数(空間相関に対する)の積層ウェハ・マップを生成することを含む。起こりうる障害は、本明細書で説明されているように識別され、積層ウェハ・マップは、好適な任意の方法で生成される。積層マップは、それとは別に、色分けする確率ビンなどの方法によりメモリ障害をダイが有する確率を表示又はオーバーレイにすることができる。
他の実施形態では、この方法は、ウェハ上に形成された複数のダイに対するMRIを決定することと、MRIに基づいて複数のダイをランク付けすることとを含む。このように、この方法は、ウェハ上の影響受けるダイのランク付けされたリストを生成することを含む。複数のダイに対するMRIは、本明細書で説明されているように決定される。それに加えて、MRIに基づいて複数のダイをランク付けすることは、本明細書で説明されているように実行され、そのようなランク付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される。
上述のMRIを決定するための方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のMRIを決定するための方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の実施形態は、ウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分ける異なる方法に関係する。この方法は、設計データ空間における欠陥の位置と設計データにおけるホット・スポットの位置とを比較することを含む。欠陥の位置とホット・スポットを比較することは、好適な方法で実行される。少なくとも類似している設計データに近接して配置されているホット・スポットは、互いに相関する。ホット・スポットを、他の方法又はシステムにより互いに相関させることができる。それとは別に、ホット・スポットを、方法の一実施形態により互いに相関させることができる。例えば、一実施形態では、この方法は、系統的欠陥に関連付けられている設計データにおけるPOIの配置を識別することによりホット・スポット同士を相関させることと、POIと設計データにおける類似のパターンとを相関させることと、POIの配置と設計データにおける類似パターンの配置とを相関するホット・スポットの位置として相関させることとを含む。そのような一実施形態では、系統的欠陥を、他の方法又はシステムにより生成される、設計データに対する系統的欠陥のリスト、データベース、又はファイルなどのデータ構造体に収めることができる。他のそのような実施形態では、この方法は、系統的欠陥を識別することと、及び/又は系統的欠陥について設計データにおけるPOIを決定することとを含む。例えば、系統的欠陥は、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分に基づいてウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分けることにより識別されるが、これは上述のように実行される。POIは、欠陥がビン範囲に従って分けられたグループに対応する設計データの部分のパターンを抽出することにより決定される。このように、設計バックグラウンド・ベースのグループ化を使用してホット・スポットを互いに相関させることが可能であり、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。さらに、ビン範囲に従ってホット・スポットを分けることによりホット・スポットを互いに相関させることが可能であり、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。ホット・スポットを互いに相関させることは、オンツールで実行される。相関されたホット・スポットの位置は、「ホット・スポット・リスト」又はどのホット・スポットが互いに相関するのかを示す何らかの情報、リスト内のホット・スポットの識別記号、リスト内のホット・スポットの配置を含む他の好適なデータ構造体に格納される。このリストは、本質的にビン範囲によるグループ分けの方法において参照データとして使用される。
この方法は、さらに、欠陥と少なくとも類似している位置を有するホット・スポットとを関連付けることを含む。特に、設計データ空間において少なくとも類似する位置を有する欠陥とホット・スポットは、上述の比較するステップの結果に基づいて決定される。設計データ空間における位置を有する欠陥とホット・スポットを好適な方法で互いに関連付けることができる。それに加えて、この方法は、グループのそれぞれにおける欠陥が互いに相関するホット・スポットのみに関連付けられるように欠陥をビン範囲によってグループ分けるすることを含む。このように、欠陥のそれぞれのグループは、相関するホット・スポットのグループに対応することが可能である。
この方法は、さらに、ビン範囲に従ってグループ分けするステップの結果を記憶媒体に格納することを含む。格納するステップは、本明細書で説明されている方法の実施形態の他の結果に加えてビン範囲によるグループ分けのステップの結果を格納することを含む。
ビン範囲によるグループ分けのステップの結果は、当業界で知られている方法により格納される。それに加えて、記憶媒体としては、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体が考えられる。本明細書で説明されているような方法又はシステムの実施形態のどれかにおいて、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果が格納された後、記録媒体の中のビン範囲によるグループ分けのステップの結果にアクセスし、それらの結果を利用することができる。さらに、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果を、「永久的に」、半永久的に、一時的に、又はほんのわずかの間、格納しておくことができることに留意されたい。ビン範囲によるグループ分けのステップの結果を格納することは、さらに、本明細書で説明されている他の実施形態により実行される。
一実施形態では、この方法は、DBCをグループの1つ又は複数に割り当てることを含む。DBCをグループの1つ又は複数に割り当てることは、本明細書で説明されている実施形態により実行される。他の実施形態では、この方法は、欠陥の1つ又は複数に対するDCIを決定することを含む。この実施形態において欠陥の1つ又は複数に対するDCIを決定することは、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。
他の実施形態では、コンピュータ実施方法は、ウェハ上の欠陥を検出するために使用される検査システムにより実行される。このように、コンピュータ実施方法は、オンツールで実行される。それに加えて、この方法は、ホット・スポット管理をオンツールで実行することを含む。ホット・スポット管理は、例えば、ホット・スポット発見、ホット・スポット監視、ホット・スポット・リビジョン、又はその何らかの組合せを含み、それぞれ本明細書でさらに説明されているように実行される。例えば、いくつかの実施形態では、ホット・スポットは、ウェハ上の欠陥を検出するために使用される検査システムにより識別される。このように、ホット・スポットは、オンツールで識別又は発見される。ホット・スポットのこのような識別又は発見は、本明細書で説明されているように実行される(例えば、ウェハ上で検出された欠陥の設計バックグラウンド・ベースのグループ化を実行することにより)。
他の実施形態では、この方法は、設計データが印刷される1つ又は複数のウェハの検査結果を使用してホット・スポットを監視することを含む。検査の結果に基づいてホット・スポットを監視することは、本明細書で説明されているように実行される。ホット・スポットのこのような監視は、「オンツール」で実行される。ホット・スポットを監視することは、さらに、又はそれとは別に、上述の検査の結果、本明細書で説明されているビン範囲によるグループ分けの方法のうちの1つの方法の結果、本明細書で説明されているように実行される、1つ又は複数のDBCを1つ又は複数の欠陥に割り当てることを行った結果、本明細書で説明されている方法のどれかの他の結果、又はそれらの何らかの組合せを使用して実行される。
他の実施形態では、この方法は、ホット・スポット間の相関関係に基づいてウェハを検査することを含む。例えば、相関するホット・スポットの異なるグループに対応するウェハ上の位置は、異なる形で検査される。ホット・スポット同士の間の相関に基づいてウェハを検査することも、相関、及び相関するホット・スポットのグループに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて実行される。例えば、欠陥に対して特に高い歩留まり感度を有する設計データに対応する相関するホット・スポットのグループの位置を使用して、通常の感度よりも高い感度で検査されるべきウェハ上の位置を決定することができる。この実施形態で使用される設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている設計データの(複数の)属性のどれかを含む。それに加えて、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更し、相関するホット・スポットの異なるグループに対応するウェハ上の位置が異なる形で検査されるようにできる。検査の1つ又は複数のパラメータは、本明細書で説明されている(複数の)パラメータを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果を使用して時間の経過とともに系統的欠陥、潜在的系統的欠陥、又はそれらの何らかの組合せを監視することを含むが、これは本明細書で説明されている実施形態により実行される。他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいて設計データにおける系統的欠陥と潜在的系統的欠陥を識別することと、時間を追って系統的欠陥と潜在的系統的欠陥の発生を監視することとを含む。この方法の実施形態のステップは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
追加の一実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいて欠陥のレビューを実行することを含む。例えば、欠陥のレビューは、相関するホット・スポットの異なるグループに対応する欠陥のグループが異なる形で(例えば、レビュー・プロセスの1つ又は複数のパラメータの少なくとも1つの異なる値を使用して)レビューされるように実行される。ビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいてウェハをレビューすることも、ビン範囲によるグループ分けの結果及び相関するホット・スポットのグループに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて実行される。このように、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいて欠陥をレビューすることは、ホット・スポット同士の間の相関に基づいてウェハを検査することに関して上で説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいてレビューする欠陥を選択するプロセスを生成することを含む。この実施形態においてレビューする欠陥を選択するプロセスを生成することは、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。それに加えて、レビューのため欠陥を選択するプロセスは、欠陥のグループに関連付けられた相関するホット・スポットに関する情報と組み合わせて、また場合によっては本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップの結果を、本明細書で説明されている他の情報(例えば、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性など)に組み合わせてビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいて生成される。さらに、欠陥を選択するプロセスを生成することは、欠陥を選択するために使用されるプロセスの1つ又は複数のパラメータに対する値を選択することを含む。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいて設計データが印刷されているウェハを検査するプロセスを生成することを含む。この実施形態においてウェハを検査するプロセスを生成することは、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。それに加えて、ウェハを検査するプロセスは、欠陥のグループに関連付けられた相関するホット・スポットに関する情報と組み合わせて、また場合によっては本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップの結果を、本明細書で説明されている他の情報(例えば、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性など)に組み合わせてビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいて生成される。さらに、ウェハを検査するプロセスを生成することは、ウェハを検査するために使用されるプロセスの1つ又は複数のパラメータに対する値を選択することを含む。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果に基づいて設計データが印刷されているウェハを検査するプロセスを変更することを含む。この実施形態においてウェハを検査するプロセスを変更することは、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。それに加えて、ウェハを検査するプロセスは、欠陥のグループに関連付けられた相関するホット・スポットに関する情報と組み合わせて、また場合によっては本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップの結果を、本明細書で説明されている他の情報(例えば、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性など)に組み合わせてビン範囲によるグループ分けのステップの結果に基づいて変更される。さらに、ウェハを検査するプロセスを変更することは、ウェハを検査するために使用される変更されたプロセスの1つ又は複数のパラメータに対する値を選択することを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥のグループの1つ又は複数の影響を受けるウェハ上に形成されるダイの割合を決定することを含む。この実施形態では、ダイの割合は、本明細書で説明されている実施形態により決定される。
他の実施形態では、この方法は、ビン範囲に従ってグループの少なくとも1つに分けられた欠陥が配置されているウェハ上に形成されたダイの割合を決定することと、その割合に基づいて少なくとも1つのグループに優先度を割り当てることとを含む。この割合を決定し、優先度を割り当てることは、本明細書で説明されている実施形態のどれかにより実行される。
追加の実施形態では、この方法は、グループの1つ又は複数に含まれる欠陥に関連付けられているホット・スポットと相関する全ホット・スポットの数及びグループの1つ又は複数に含まれる欠陥の数によりグループの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。
例えば、相関するホット・スポットのグループ内のホット・スポットの数をホット・スポット・グループに対応するグループ内の欠陥の数と比較する。その結果、相関するホット・スポットのグループの欠陥度が決定される(例えば、欠陥が検出された相関するホット・スポットの割合を決定することにより、及び/又は欠陥が検出された相関するホット・スポットのパーセンテージを決定することにより)。したがって、欠陥のグループは、相関するホット・スポットの欠陥度により優先順位付けされる。例えば、多数の、大きな割合の、又は大きなパーセンテージの対応するホット・スポットで検出されるグループ内の欠陥に、少数の、小さな割合の、又は小さなパーセンテージの対応するホット・スポットで検出される欠陥のグループに比べて高い優先度を割り当てる。したがって、欠陥のグループは、ウェハ横断ホット・スポットの欠陥度に基づいて優先順位付けされる。
他の実施形態では、この方法は、グループの1つ又は複数に含まれる欠陥が少なくとも1回検出されるウェハに設計データを印刷するために使用されるレチクル上の対応するホット・スポット配置の数によりグループの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。
例えば、レチクル上の多数のホット・スポット配置に対応する欠陥のグループに、レチクル上の少数のホット・スポット配置に対応する欠陥のグループに比べて高い優先度を割り当てることができる。したがって、欠陥のグループは、ウェハ横断潜在的欠陥度に基づいて優先順位付けされる。それに加えて、ウェハ上にレクチルが印刷される回数が知られているか、決定されている場合、グループのレチクル横断潜在的欠陥度を使用して、グループの1つ又は複数の欠陥度に対するウェハ横断潜在性を決定するか、又は外挿することができる。この優先順位付けステップの結果を使用して、本明細書で説明されているように1つ又は複数の他のステップを実行することができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、ビン範囲に従ってグループの1つ又は複数に分けられた欠陥が検出されたレチクル上の配置の数、及びグループの1つ又は複数に含まれる欠陥に関連付けられているホット・スポットと相関するレチクル上のホット・スポット配置の総数に基づいてグループの1つ又は複数に対するレチクル・ベースの限界を決定することを含む。例えば、レチクル上の相関するホット・スポットのグループ内のホット・スポットの配置の数を、相関するホット・スポットのグループに対応するグループ内の欠陥が検出された配置の数と比較する。したがって、レチクル・ベース限界性は、そのような比較結果に基づいており、かつレチクル上の相関するホット・スポットの配置上の欠陥度の尺度である。このようなレチクル・ベースの限界性は、本明細書で説明されているように1つ又は複数のステップにおいて使用される。
上述のビン範囲に従って欠陥を分ける方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のビン範囲に従って欠陥を分ける方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の実施形態は、ウェハ上で検出された欠陥をビン範囲に従って分ける異なる方法に関係する。この実施形態では、この方法は、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性を比較することを含む。一実施形態では、1つ又は複数の属性は、パターン密度を含む。他の実施形態では、1つ又は複数の属性は、フィーチャ空間における1つ又は複数の属性を含む。フィーチャ空間は、設計データから導き出された1つ又は複数のフィーチャ・ベクトルを含む。設計空間とは異なり、フィーチャ空間では、教師ありの方法(例えば、最近傍のビン範囲によるグループ分けの技術)又は教師なしの方法(例えば、自然なグループ化の技術)により欠陥のグループを決定するのに有用と思われる多数の属性を効率的に考察することができる。このステップで使用される設計データの1つ又は複数の属性は、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている設計データ、欠陥データ、ホット・スポット、又はPOIの他の(複数の)属性を含む。
この方法は、さらに、比較するステップの結果に基づいて欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性が少なくとも類似しているかどうかを判定することも含む。1つ又は複数の属性が少なくとも類似しているかどうかを判定することは、本明細書で説明されている類似性を判定するための他のステップと同様にして実行される。それに加えて、この方法は、欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、それらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性が少なくとも類似しているようにグループ分けすることを含む。このビン範囲によるグループ分けのステップは、本明細書で説明されている他のビン範囲によるグループ分けのステップと同様にして実行される。この方法は、さらに、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果を記憶媒体に格納することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。
いくつかの実施形態では、この方法は、(複数の)属性を使用して欠陥がランダム欠陥であるか、系統的欠陥であるかを判定することを含む。それに加えて、ランダム又は系統的欠陥について(複数の)属性を直接使用することができる。1つ又は複数の属性を使用して、ビン範囲に従って分けられる欠陥及び/又はビン範囲に従って分けられない欠陥がランダム又は系統的欠陥であるかどうかを判定することができる。さらに、設計データの1つ又は複数の属性を本明細書で説明されている他の結果及び/又は本明細書で説明されている他の情報(例えば、欠陥の1つ又は複数の属性及びホット・スポット情報)と組み合わせて使用し、欠陥がランダム欠陥であるか系統的欠陥であるかを判定することができる。上で説明されている実施形態の一例では、欠陥が系統的であるかランダムであるかを判定するために使用される設計データの1つ又は複数の属性は、フィーチャに関する欠陥の位置で設計データにおけるフィーチャの1つ又は複数の属性を含む。例えば、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性が比較的高いパターン密度と比較的小さいフィーチャ寸法を有し、そのような属性を有する設計データが系統的欠陥(実験的に、又はシミュレーションにより、又は他の好適な方法若しくはシステムにより判定される)の影響を受けやすいと知られている場合、それらの欠陥は、系統的欠陥であると判定される。
他の実施形態では、この方法は、(複数の)属性を使用してグループの1つ又は複数をランク付けすることを含む。ビン範囲に従って分けられた欠陥の1つ又は複数のグループをランク付けするために使用される1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。一例では、設計の高パターン密度領域内に配置されている欠陥は歩留まりに対し大きな悪影響を及ぼすため、パターン密度に基づいてビン範囲に従って分けられた欠陥のグループをランク付けし、これにより、高いパターン密度に関連付けられている欠陥のグループは、低いパターン密度に関連付けられている欠陥のグループよりも高いランク付けをなされるようにすることができる。このようなランク付けの結果は、本明細書で説明されているように使用される(例えば、これらの結果は、優先順位付けの結果の代わりに優先順位付けの結果を含むステップで使用される)。
また(複数の)属性を使用して、グループ内の欠陥をランク付けすることもできる。例えば、追加の実施形態では、この方法は、1つ又は複数の属性を使用してグループの少なくとも1つに含まれる欠陥をランク付けすることを含む。グループ内の欠陥をランク付けするために使用される設計データの(複数の)属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。それに加えて、ビン範囲に従って欠陥を分けるために使用される(複数の)属性は、グループ内の欠陥をランク付けするために使用されるのと同じ属性であってもよいし、また同じでなくてもよい。この実施形態においてビン範囲に従って欠陥を分け、ランク付けすると、都合よくグループとランクで欠陥を細かく分けることができ、欠陥の歩留まりに対する影響に関するより多くの情報を得ることができる。グループ内の欠陥をランク付けすることは、本明細書で説明されているように実行される。それに加えて、複数のグループ内の欠陥は、それらのグループ内で別々にランク付けされる。上で説明されているグループ内の欠陥のランク付けの結果は、本明細書で説明されている1つ又は複数のステップで使用される。
また(複数の)属性を使用して、ビン範囲に従ってグループ内の欠陥を分けることもできる。例えば、他の実施形態では、この方法は、1つ又は複数の属性を使用してグループの少なくとも1つに含まれる欠陥をビン範囲に従ってサブグループに分けることを含む。
グループ内の欠陥をビン範囲に従ってサブグループにわけるために使用される設計データの(複数の)属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。それに加えて、ビン範囲に従って欠陥をグループに分けるために使用される(複数の)属性は、ビン範囲に従って欠陥をサブグループにわけるために使用されるのと同じ属性であってもよいし、また同じでなくてもよい。この実施形態においてビン範囲に従って欠陥をグループとサブグループに分けると、都合よくグループとサブグループで欠陥を細かく分けることができ、欠陥の歩留まりに対する影響に関するより多くの情報を得ることができる。ビン範囲に従ってグループ内の欠陥をサブグループに分けることは、本明細書で説明されているように実行される。それに加えて、複数のグループ内の欠陥は、ビン範囲に従って別々に1つ又は複数のサブグループに分けられる。上で説明されているグループとサブグループにビン範囲に従って欠陥を分けた結果は、本明細書で説明されている1つ又は複数のステップで使用される。
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ又は複数の属性を使用してグループの少なくとも1つに含まれる欠陥を分析することを含む。このように、(複数の)属性を使用して、グループ内の欠陥を分析することもできる。DCIの決定は、このタイプの分析の一例である。例えば、さらに他の実施形態では、この方法は、(複数の)属性を使用してDCIを欠陥の1つ又は複数に割り当てることを含む。欠陥を分析するために使用される設計データの(複数の)属性は、本明細書で説明されている属性を含む。この分析は、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている他の分析を含む。
他の実施形態では、この方法は、1つ又は複数の属性を使用して欠陥の1つ又は複数の歩留まり関連性を決定することを含む。このように、(複数の)属性を使用して、個々の欠陥の歩留まり関連性を推定することができる。歩留まり関連性を決定するために使用される1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。このような一例では、比較的高いパターン密度を有する設計データに近接して配置されている欠陥は、比較的低いパターン密度を有する設計データに近接して配置されている欠陥に比べて歩留まり関連性が高いと判断される。それに加えて、歩留まり関連性は、設計データの1つ又は複数の属性と、それらの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥が歩留まりに及ぼす確率とに基づいて決定される。歩留まり関連性が決定される欠陥は、ビン範囲に従って分けられた欠陥であってもよいし、そうでなくてもよい。
追加の一実施形態では、この方法は、(複数の)属性を使用してグループの1つ又は複数の全体的歩留まり関連性を決定することを含む。したがって、(複数の)属性を使用して、全体的歩留まり関連性を推定することができる。全体的歩留まり関連性は、上で説明されているように決定される。
いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥の位置に近接する設計データを欠陥の周りの領域における設計データと欠陥が配置されている領域における設計データに分けることを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。それに加えて、(複数の)属性を使用して、欠陥を中心とする近傍を欠陥が載っている可能性のある領域から区別することができる。
他の実施形態では、この方法は、ルールと(複数の)属性を使用してビン範囲に従ってグループ分けするか、又はフィルタリングするために設計データ内の構造を識別することを含む。例えば、この方法は、設計データのルール、1つ又は複数の属性を使用して、LESに弱い構造、大きなポリ・ブロックなどの構造体を識別することを含み、そのような構造体に近接して配置されている欠陥は、ビン範囲によるグループに分けられる、及び/又は結果からフィルタリングされる。これらのルールは、本明細書で説明されている方法により、実験及び/又はシミュレーション結果を使用するか、又は好適な方法を使用して生成される。
他の実施形態では、この方法は、欠陥の検出時に生成される検査結果に基づいて、また系統的欠陥として識別された欠陥に基づいてレビュー、測定、試験、又はそれらの何らかの組合せが実行されるウェハ上の配置を決定することを含むが、これは本明細書で説明されている実施形態により実行される。いくつかの実施形態では、この方法は、欠陥の検出時に生成される検査結果、系統的欠陥として識別された欠陥、欠陥の歩留まり関連性に基づいてレビュー、測定、試験、又はそれらの何らかの組合せが実行されるウェハ上の配置を決定することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。追加の実施形態では、この方法は、欠陥の検出時に生成される検査結果と、系統的欠陥として識別された欠陥と、プロセス・ウィンドウ・マッピングとに基づいて、レビュー、測定、試験、又はそれらの何らかの組合せが実行されるウェハ上の配置を決定することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。
いくつかの実施形態では、この方法は、ビン範囲に従って分けるステップの結果とユーザー支援レビューの結果を使用して系統的発見を実行することを含む。例えば、ビン範囲によるグループ分けのステップの結果を使用することで、ユーザーによるレビューを支援することができる(例えば、レビューする場所、レビューする方法などを決定するために)。レビューは、複数のグループのうちの1つ又は複数における少なくとも1つの欠陥に対するレビュー結果(例えば、高倍率イメージ)を生成することと、ユーザーが1つ又は複数の欠陥又は欠陥の1つ又は複数のグループを系統的欠陥として識別できるように結果をユーザーに表示することとを含む。
他の実施形態では、この方法は、比較するステップに先立ち、ビン範囲に従って分けるステップの結果に含まれるS/N比を改善するために欠陥が配置されている機能ブロックに基づいて欠陥を分離することを含む。欠陥が配置されている機能ブロックは、本明細書で説明されているように決定される。比較するステップに先立って機能ブロックにより欠陥を分けることで、いくつかの(例えば、非歩留まり関連の)機能ブロック内の欠陥を排除して方法の他のステップで使用できないようにするが、これによりビン範囲によるグループ分けの結果のS/N比が高まる。それに加えて、ビン範囲によるグループ分けは、欠陥が配置されている機能ブロックと組み合わせて設計データの1つ又は複数の属性に基づいて実行され、これにより、ビン範囲によるグループ分けの結果と高いS/N比をうまく分離することができる。さらに、ビン範囲によるグループ分けは、それぞれの機能クロックについて、又は1つ又は複数の異なる機能ブロックについて別々に実行され、これにより、ビン範囲によるグループ分けの結果のS/N比を高くすることができる。
他の実施形態では、設計データが階層的セルに編成され、この方法は、比較するステップに先立ち、ビン範囲に従って分けるステップの結果に含まれるS/N比を改善するために欠陥が配置されている階層的セルに基づいて欠陥を分離することを含む。設計データは、本明細書でさらに説明されているように階層セルに編成される。階層セルに基づいて欠陥を分けることは、機能ブロック・ベースの分離に関して上で説明されているように実行される。階層セルに基づいて欠陥を分けることは、上述のようにビン範囲によるグループ分けの結果のS/N比を改善するために使用される。
追加の実施形態では、設計データは、設計により階層的セルに編成され、欠陥が階層的セルの複数に配置される場合に、この方法は、階層的セルの面積、欠陥位置に関する確率、又はそれらの何らかの組合せに基づいて階層的セルのそれぞれに欠陥が配置される確率に基づいて欠陥を階層的セルのそれぞれと相関させることを含む。このように、欠陥を複数のセルに配置することが可能である場合、欠陥が異なるセル内に配置されている確率に基づいて欠陥をセルに相関させることができるが、これは欠陥位置確率の領域に基づいて決定される。これらの確率は、当業界で知られている方法により決定される。
いくつかの実施形態では、欠陥は、検査プロセスで検出されており、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューすることと、レビューステップの結果に基づいて欠陥が1つ又は複数のPOIの配置のところで検出されているかどうかを判定することと、1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善するように検査プロセスを変更することとを含むが、これは本明細書でさらに説明されているように実行される。
上述のビン範囲に従って欠陥を分ける方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のビン範囲に従って欠陥を分ける方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
上述のように、欠陥の位置に近接する設計データの部分は、ライブラリ又は他のデータ構造体に格納されている異なるDBC(例えば、DBCビン定義)に対応する設計データ(例えば、POI設計例)と比較される。そのようなライブラリ又はデータ構造体を利用することができる一実施形態は、ウェハ上で検出された欠陥に分類を割り当てるコンピュータ実施方法である。この方法は、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計データの部分を異なるDBCに対応する設計データと比較することを含む。設計データのそれらの部分(又は設計データの「ソース部分」)を異なるDBCに対応する設計データ(又は設計データの「ターゲット部分」又は「基準パターン」)と比較することは、本明細書で説明されているように実行される。いくつかの実施形態では、この方法は、設計データの部分の1つ又は複数の属性と異なるDBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性とを比較することを含む。それらの部分における設計データの1つ又は複数の属性とこのステップで比較される異なるDBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。それに加えて、比較するステップに使用される1つ又は複数の属性は、フィーチャ空間における1つ又は複数の属性を含む。さらに、比較するステップは、設計データの部分を基準パターンと比較して、ソース・パターンと基準パターンとの間に正確な一致があるか、類似性があるかを判定することを含む。
さらに、比較するステップは、本明細書で説明されているルールのどれかを含んでいるルール、又は本明細書で説明されている比較するステップを実行する方法に基づくルールを使用して実行される。さらに、比較するステップは、設計データ空間における欠陥の位置と設計データ空間におけるホット・スポットの位置とを比較することを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。
それらの部分の少なくともいくつかの部分の寸法は、いくつかの実施形態では異なり、それらの寸法は、本明細書でさらに説明されているように選択され、及び/又は決定される。他の実施形態では、これらの部分における設計データは、複数の設計層に対する設計データを含む。設計データのこのような部分は、本明細書でさらに説明されるように構成され、この方法で使用される。これらの部分における設計データは、本明細書で説明されている他の設計データを含む。例えば、欠陥の位置に近接する設計データは、一実施形態において欠陥が配置されている設計データを含む。このように、この方法で使用される設計データは、欠陥の下、又は背後にある設計データ又は欠陥が載っている設計データを含む。他の実施形態では、欠陥の位置に近接する設計データは、欠陥の位置の周りの設計データを含む。
追加の実施形態では、この方法は、本明細書で説明されているように実行される、比較するステップの前に欠陥の位置に近接する設計データの部分を第1のビットマップに変換することと、本明細書で説明されているように実行される、比較するステップの前にDBCに対応する設計データを第2のビットマップに変換することとを含む。このような一実施形態では、比較するステップは、第1のビットマップと第2のビットマップとを比較することを含む。このような比較は、本明細書でさらに説明されているように実行される。
分類を欠陥に割り当てる方法の実施形態は、本明細書で説明されている実施形態により設計データ空間における欠陥の位置を決定することを含む。
一実施形態では、DBCは、欠陥が配置されている設計データ又は欠陥の近くに配置されている設計データにおける1つ又は複数のポリゴンを識別する。このように、欠陥が配置されている1つ又は複数のポリゴン又は欠陥の近くに配置されている1つ又は複数のポリゴンは、欠陥に割り当てられたDBCにより識別される。そのようにして、欠陥の影響を受けるか、又は受ける可能性のある1つ又は複数のポリゴンが決定される。それに加えて、欠陥が配置されている1つ又は複数のポリゴン又は欠陥の近くに配置されている1つ又は複数のポリゴンが識別され、これらのポリゴンに関する情報を使用して、設計データにおける(複数の)ポリゴンに関して欠陥の位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、DBCは、設計データにおける1つ又は複数のポリゴン内の欠陥の配置を識別する。したがって、この方法は、欠陥に割り当てられたDBCに基づいてポリゴン内で欠陥が配置されているか又は近くにある場所を決定することを含む。
他の実施形態では、この方法は、欠陥の位置に近接する設計データを欠陥の周りの領域における設計データと欠陥が配置されている領域における設計データに分けることを含む。このように、この方法は、欠陥を中心とする近傍を欠陥が載っている可能性のある領域から区別することを含む。このように分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、このように分けた結果は、コンピュータ実施方法において、本明細書でさらに説明されているように分類を欠陥に割り当てるために使用される。
異なるDBCに対応する設計データと異なるDBCは、データ構造体内に格納される。
それに加えて、異なるDBCに対応する設計データと異なるDBCは、上述のようにデータ構造体内に格納される。特に、異なるDBCに対応する設計データと異なるDBCは、DBCライブラリ・ファイルとしてデータ構造体内に格納される。それに加えて、一実施形態では、データ構造体は、技術、プロセス、又はそれらの何らかの組合せにより編成された設計データの例を含むライブラリを含む。このように、データ構造体は、欠陥をオンツールで分類するために使用されるPOI設計例の集合を含む設計ライブラリとして構成され、POI設計例は、技術、プロセスステップ、又は他の好適な情報により編成される。データ構造体は、当業界で知られている好適なデータ構造体を含むことができ、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体のうちの1つなどの記憶媒体に格納される。
この方法は、さらに、比較するステップの結果に基づいてそれらの部分における設計データが異なるDBCに対応する設計データに少なくとも類似しているかどうかを判定することも含む。この判定するステップは、本明細書で説明されている実施形態により実行される。いくつかの実施形態では、この判定するステップは、部分における設計データが異なるDBCに対応する設計データに少なくとも類似しているかどうかを判定することと、比較するステップの結果に基づいて部分における設計データが異なるDBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性に少なくとも類似している1つ又は複数の属性を有するかどうかを判定することとを含む。1つ又は複数の属性は、本明細書で説明されている(複数の)属性を含む。例えば、1つ又は複数の属性は、欠陥を検出するために使用される検査システムに関する情報(例えば、検査システムのタイプ、欠陥が検出された時点において検査システムが動作していた検査システムの1つ又は複数のパラメータなど)及び/又は欠陥に関する属性(例えば、サイズ、おおよそのビン、極性など)を含む。
それに加えて、この方法は、それらの部分における設計データに少なくとも類似している設計データに対応するDBCを欠陥に割り当てることを含む。割り当てるステップは、好適な方法で実行される。いくつかの実施形態では、割り当てるステップは、それらの部分における設計データに少なくとも類似し、またそれらの部分における設計データの1つ又は複数の属性に少なくとも類似する1つ又は複数の属性を有する設計データに対応するDBCを欠陥に割り当てることを含む。一実施形態では、1つ又は複数の属性は、欠陥が検出された検査の結果の1つ又は複数の属性、検査の1つ又は複数のパラメータ、又はそれらの何らかの組合せを含む。1つ又は複数の属性は、さらに、又はそれとは別に、本明細書で説明されている他の(複数の)属性を含む。
この方法は、さらに、割り当てるステップの結果を記憶媒体に格納することを含む。これらの結果は、好適な方法で、又は本明細書で説明されているように、記憶媒体に格納される。記憶媒体は、本明細書で説明されている記憶媒体又は当業界で知られている他の好適な記憶媒体のどれかを含む。
上述のコンピュータ実施方法は、一実施形態において欠陥を検出するために使用される検査システムにより実行される。このように、本明細書で説明されているように分類を欠陥に割り当てることは、オンツールで実行される。他の実施形態では、コンピュータ実施方法は、欠陥を検出するために使用される検査システム以外のシステムにより実行される。このように、本明細書で説明されているように分類を欠陥に割り当てることは、オフツールで実行される。
一実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数に割り当てられている欠陥をビン範囲に従ってグループ分けする際に、欠陥の位置に近接する設計データの部分に含まれるポリゴンに関するそれらのグループのそれぞれにおける欠陥の位置が少なくとも類似しているようにグループ分けすることを含む。このように、この方法は、DBC及び部分内の欠陥の位置に基づいて欠陥をグループに分けることを含む。ポリゴンに関する欠陥の位置は、本明細書で説明されているように決定される。それに加えて、このようなビン範囲によるグループ分けは、さらに、本明細書で説明されているように実行される。
いくつかの実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいて設計データにおけるホット・スポットを監視することを含む。例えば、DBC又は異なるDBCに対応する設計データを、設計データにおけるホット・スポットに関連付ける。ホット・スポットは、本明細書で説明されているように設計データにおいて識別される。上述のように設計データにおけるホット・スポットを監視することは、ホット・スポット又は異なるDBCに対応する設計データに関連付けられ、またホット・スポットに関連付けられているDBCに割り当てられた欠陥の数が時間の経過とともに変化するかどうかを判定することを含む。それに加えて、割り当てるステップの結果に基づいて設計データにおけるホット・スポットを監視することは、異なるDBCが割り当てられた欠陥の1つ又は複数の属性など本明細書で説明されている他のデータと組み合わせて割り当てるステップの結果に基づいて実行される。それに加えて、この方法は、配置(例えば、近似的配置)に基づいてホット・スポットを監視することを含む。他の実施形態では、この方法は、DBCに対応する設計データに基づいてビン範囲に従ってホット・スポットを分けることを含む。このようなビン範囲に従ってホット・スポットを分けることは、本明細書でさらに説明されているように実行される。ビン範囲に従ってホット・スポットを分けることは、ホット・スポットの配置を含み、どのホット・スポットが少なくとも類似しているかを示すホット・スポットの1つ又は複数のデータ構造体(例えば、リスト、データベース、ファイルなど)を生成することを含む。このようにビン範囲に従ってホット・スポットを分けることは、オンツールで実行される。
他の実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果を使用して時間の経過とともに系統的欠陥、潜在的系統的欠陥、又はそれらの何らかの組合せを監視することを含む。例えば、割り当てるステップの結果を使用して、設計データにおける系統的問題を識別し、識別された系統的問題を、ウェハ及び/又は時間について監視する。系統的問題は、本明細書でさらに説明されているように割り当てるステップの結果に基づいて決定される。それに加えて、系統的欠陥、潜在的系統的欠陥、又はその何らかの組合せを監視することは、さらに、本明細書で説明されているように実行される。
一実施形態では、異なるDBCに対応する設計データは、設計データ空間における1つ又は複数の他のウェハ上で検出された欠陥の位置に近接する設計データの位置に基づいて1つ又は複数の他のウェハ上で検出された欠陥をグループ分けすることにより識別される。欠陥のこのようなグループ分けは、本明細書で説明されているように実行される。グループ分けの結果を使用して、異なるDBCに対応する設計データを識別する。例えば、欠陥のそれぞれのグループに対応する設計データは、異なるDBCに対応する設計データとして識別される。それに加えて、設計データに対応する異なるDBCは、本明細書で説明されているように実行される、欠陥をグループに分類すること、設計データの1つ又は複数の属性、欠陥の1つ又は複数の属性、本明細書で説明されている他の情報、又はそれらの何らかの組合せにより決定される。
他の実施形態では、この方法は、欠陥に割り当てられたDBCに基づいて欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することと、検査プロセスの結果のS/N比を高めるために欠陥が検出された検査プロセスの結果からニュイサンス欠陥を除去することとを含む。このように、この方法は、ニュイサンスのフィルタリングを含む。ニュイサンス欠陥として判定された欠陥は、ニュイサンスDBCを割り当てられている欠陥(例えば、LESのDBC)、DBCを割り当てられていない欠陥、又は欠陥が歩留まりに関連性のある欠陥でないこと、又は欠陥が注目していない欠陥であることを示すDBCを割り当てられている欠陥であってよい。検査結果のS/N比を高くすることは、検査結果を使用して1つ又は複数の他のステップを実行する場合に特に有利であり、これにより他のステップの結果のS/N比が高くなる。
いくつかの実施形態では、この方法は、パターン依存欠陥を示す設計データにおける1つ又は複数のフィーチャを識別することにより設計データにおける1つ又は複数のPOIを決定することを含む。このように、この方法は、設計データにおける(複数の)POIを識別することを含む。パターン依存欠陥を示す設計データにおける1つ又は複数のフィーチャは、実験結果、シミュレーション結果、ビン範囲によるグループ分けの結果、本明細書で説明されている他の結果、又はそれらの何らかの組合せに基づいて決定される。このような結果は、本明細書で説明されているように生成される。識別されたフィーチャを使用して1つ又は複数のPOIを決定し、設計データの任意のパターン探索を実行する。
任意のパターン探索により識別されたフィーチャに少なくとも類似していると判定された設計データにおけるパターンは、POIとして識別される。1つ又は複数のPOIは、複数のパターン依存欠陥についてこの方法で決定される。
本明細書で説明されている方法でDBCが割り当てられる欠陥は、検査プロセスにおいて検出された。一実施形態では、この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューすることと、レビューステップの結果に基づいて欠陥が1つ又は複数のPOIの配置のところで検出されているかどうかを判定することと、1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善するように検査プロセスを変更することとを含む。この実施形態のそれぞれのステップは、本明細書で説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、欠陥の1つ又は複数に対するKP値を決定することを含む。追加の実施形態では、この方法は、DBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいてDBCの1つ又は複数に対するKP値を決定することを含む。他の実施形態では、この方法は、1つ又は複数の欠陥に割り当てられたDBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて欠陥の1つ又は複数に対するKP値を決定することを含む。これらのステップはそれぞれ、本明細書で説明されているように実行される。いくつかの実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数に対するKP値を監視することと、欠陥に割り当てられたDBCに対するKP値を欠陥に割り当てることとを含む。1つ又は複数のDBCに対するKP値は、本明細書で説明されているように監視される。このように、欠陥が検出されたときに欠陥に割り当てられているDBCに対するKP値がさらに比較的高い精度で欠陥に割り当てられるように、1つ又は複数のDBCのKP値を時間とともに、及び/又はウェハに関して修正することができる。欠陥に割り当てられているDBCに基づいてKP値を欠陥に割り当てることは、さらに、本明細書で説明されているように実行される。
いくつかの実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてレビューする欠陥の少なくともいくつかを選択することを含む。例えば、割り当てるステップの結果を使用して、本明細書で説明されているように欠陥のうちのどれが最もクリティカルであるかを判定し(例えば、欠陥に割り当てられたDBCの1つ又は複数の属性に基づいて)、レビューのため最もクリティカルな欠陥を選択することができる。他の例では、割り当てるステップの結果を使用して、本明細書でさらに説明されているように欠陥のうちのどれが系統的欠陥であるかを判定する。このように、この方法は、DOIが生じる傾向のある設計データにおける領域からのレビュー・サンプリングを含む。
一実施形態では、この方法は、欠陥に割り当てられたDBCが、レビュー・システムから見える系統的欠陥に対応するかどうかを判定することと、レビューのためレビュー・システムから見える欠陥のみを選択することによりレビューのため欠陥をサンプリングすることとを含む。レビュー・システムから見える、又は見えない系統的欠陥に対応するDBCは、当業界で知られている方法により決定される。レビュー・システムから見える系統的欠陥に対応するDBCは、この方法に先立って決定され、DBCは、DBCが見える欠陥に対応するのか、又は見えない欠陥に対応するのかを示すある種の識別情報を割り当てられる。このように、欠陥は、この識別情報に基づいてレビューのため選択される。レビュー・システムから見える欠陥のみを選択することは、SEMなどのレビュー・システムから見えない欠陥がレビューのために選択されることのないように実行される。このようにして欠陥を選択することは、レビュー時に欠陥を再配置することが困難である場合があり、また特にレビュー・システムがレビュー・システムから実際には見えない欠陥を探すのにかなりの時間を費やす場合に比較的時間がかかるため、特に有益である。レビューのため欠陥を選択した結果は、ウェハ上のレビューのため選択された欠陥の配置と本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果を含む。
この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてプロセス、測定、又は試験を適合させることを含む。例えば、他の実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてレビューする欠陥をサンプリングするプロセスを生成することを含む。したがって、この方法は、レビューのため欠陥を選択する代わりに、又はそれに加えて、レビューのため欠陥をサンプリングするのに、その方法、他の方法、その方法を実行するように構成されたシステム、又は他のシステムにより使用されるプロセスを生成することを含む。
このようなプロセスは、複数のウェハ上で検出された欠陥のレビューのため欠陥をサンプリングし、及び/又は複数のレビュー・システムにより実行されるレビューのため欠陥をサンプリングするのに使用される。サンプリングのプロセスは、割り当てるステップの結果に基づいて生成され、これにより、同じDBCを割り当てられた比較的多数の欠陥は、同じDBCを割り当てられた比較的少数の欠陥に比べて大量にサンプリングされる。レビューのため欠陥をサンプリングするプロセスは、欠陥に対するDCI、欠陥に対するKP値など本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果と組み合わせて割り当てるステップの結果に基づいて生成される。
追加の実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてウェハを検査するプロセスを変更することを含む。この実施形態では、ウェハを検査するプロセスの(複数の)パラメータを変更することができる。例えば、割り当てるステップの結果に基づいて変更されるウェハを検査するためのプロセスの1つ又は複数のパラメータは、限定はしないが、検査対象領域(又はそれとは別に、検査対象外領域)、感度、インラインのビン範囲によるグループ分けプロセス、ウェハが検査される検査領域、又はその何らかの組合せを含む。特定の一例では、割り当てるステップの結果は、異なるDBCを割り当てられた欠陥の数を示し、検査対象領域は、比較的多数の欠陥が割り当てられているDBCに対応する設計データをさらに含む設計データ空間における追加の位置に対応するウェハ上の位置を含むように変更される。他の例では、ウェハを検査するプロセスは、割り当てるステップの結果に基づいてより多く又は異なる形で検査するように変更される。ウェハを検査するプロセスは、さらに、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの結果に基づいて変更される。
いくつかの実施形態では、この方法は、検査の結果に基づいて検査時にウェハを検査するプロセスを変更することを含む。この実施形態における検査のプロセスを変更することは、本明細書でさらに説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてウェハの計量プロセスを変更することを含む。例えば、計量プロセスは、割り当てるステップの結果から判定されるような最もクリティカルな欠陥が計量プロセスにおいて測定されるように変更される。したがって、計量プロセスを変更することは、計量プロセスにおいて測定が実行されるウェハ上の配置を変更することを含む。それに加えて、測定のため選択された欠陥のBFイメージ及び/又はSEMイメージなどの検査及び/又はレビューの結果を計量プロセスに送ることで、それらの結果を使用して、測定が実行される場所を決定する。例えば、計量プロセスは、ウェハ上の欠陥の近似的配置のイメージを生成することを含み、このイメージを欠陥に対する検査及び/又はレビューの結果と比較することで、計量システムは、必要ならば、正しいウェハ配置で、したがって正しい欠陥について測定が実行されるようにウェハ上の位置を補正する。このように、測定は、ウェハ上の実質的に正確な配置で実行される。計量プロセスを変更することは、さらに、実行される測定のタイプ、測定が実行される波長、測定が実行される角度など、又はそれらの何らかの組合せなどの計量プロセスの他の1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。計量プロセスは、CD測定計量プロセスなどの当業界で知られている好適な計量プロセスを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、割り当てるステップの結果に基づいてウェハに対する計量プロセスのサンプリング・プランを変更することを含む。したがって、この方法は、適応サンプリングを含む。例えば、計量プロセスのサンプリング・プランは、割り当てるステップの結果から判定されるような最もクリティカルなより多くの欠陥が計量プロセスにおいて測定されるように変更される。このように、最もクリティカルな欠陥は、計量プロセスにおいてより大量にサンプリングされ、これにより、最もクリティカルな欠陥に関するより多くの情報を有利に出力することができる。計量プロセスは、当業界で知られている計量プロセスを含む。それに加えて、計量システムは、SEMなどの当業界で知られている好適な計量システムにより実行される。さらに、計量プロセスは、プロファイル、厚さ、CDなどの当業界で知られているウェハ上に形成される欠陥又はフィーチャの好適な属性の当業界で知られている好適な測定を実行することを含む。
他の実施形態では、この方法は、DBC(例えば、欠陥に割り当てられたDBC)の1つ又は複数を優先順位付けすることと、優先順位付けステップの結果に基づいて設計データが印刷されるウェハ上で実行される1つ又は複数のプロセスを最適化することとを含む。そのような一実施形態では、(複数の)DBCは、DBCが割り当てられている欠陥の数に基づいて優先順位付けされる。それぞれのDBCが割り当てられている欠陥の数は、割り当てるステップの結果から決定される。このような一例では、最大数の欠陥に割り当てられたDBCは、最高優先度を割り当てられ、次に多い数の欠陥に割り当てられたDBCは、次の高い優先度を割り当てられ、というように続く。
それに加えて、又はそれとは別に、(複数の)DBCは、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の結果又は本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの結果の組合せに基づいて優先順位付けされる。例えば、(複数の)DBCを優先順位付けすることは、(複数の)DBCが割り当てられている1つ又は複数の欠陥についてDCIを決定することと、1つ又は複数の欠陥に対するDCIに基づいて(複数の)DBCを優先順位付けすることとを含む。DCIは、本明細書でさらに説明されているようにこの実施形態において決定される。他の例では、(複数の)DBCを優先順位付けすることは、(複数の)DBCが割り当てられている1つ又は複数の欠陥についてKP値を決定することと、1つ又は複数の欠陥に対するKP値に基づいて(複数の)DBCを優先順位付けすることとを含む。さらに他の例では、(複数の)DBCは、(複数の)DBCが割り当てられている欠陥の数と(複数の)DBCが割り当てられている欠陥の1つ又は複数に対するDCIの組合せに基づいて優先順位付けされる。このように、(複数の)DBCを優先順位付けすることは、高い欠陥度に対応する(複数の)DBCに高い優先度が割り当てられるように(複数の)DBCに対応する設計データにおいて検出される欠陥度に基づいて(複数の)DBCを優先順位付けすることを含む。
さらに、(複数の)DBCは、場合によっては本明細書で説明されている他の結果と組み合わせて(複数の)DBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて優先順位付けされる。設計データの1つ又は複数の属性は、例えば、設計データにおけるフィーチャの寸法、設計データにおけるフィーチャの密度、設計データに含まれるフィーチャのタイプ、設計における(複数の)DBCに対応する設計データの位置、欠陥に対する設計データの歩留まり影響の感受性など、又はそれらの何らかの組合せを含む。そのような一例では、欠陥による歩留まり影響を受けやすい設計データに対応する(複数の)DBCは、歩留まりに対する欠陥の影響を受けにくい設計データに対応する(複数の)DBCに比べて高い優先度を割り当てられる。
さらに、(複数の)DBCは、場合によっては(複数の)DBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性及び/又は本明細書で説明されている他の結果と組み合わせて設計の1つ又は複数の属性に基づいて優先順位付けされる。設計の1つ又は複数の属性は、例えば、冗長性、ネットリストなど、又はそれらの何らかの組合せを含む。特に、設計データにおけるPOIは、POI内に含まれるパターンを超えるコンテキストを持つことができる。このようなコンテキストは、例えば、POIを含むセルのラベル、POIを含むセルの上にあるセルの階層、POI上の系統的欠陥の冗長性(又は冗長性がないことの)影響などを含む。したがって、本明細書で説明されている実施形態で使用される1つ又は複数の属性は、(複数の)DBCに対応する設計データが配置されるPOIのコンテキストを含み、これは設計データ空間における(複数の)DBCに対応する設計データの位置及び/又は(複数の)DBCに対応するの設計データ((複数の)DBCに対応する設計データが設計データにおけるセルに特有である場合)に基づいて決定される。このような一例では、系統的欠陥が設計において歩留まり影響を持たないように冗長性を有する設計データに対応する(複数の)DBCは、系統的欠陥が有意な歩留まりに影響を持つように冗長性を有しない設計データに対応する(複数の)DBCよりも低い優先度を割り当てられる。セルのこのようなコンテキストは、当業界で知られている方法で取り込まれる、及び/又は決定される。
この実施形態において1つ又は複数のプロセスを最適化することは、焦点、線量、露光ツール、レジスト、PEB時間、PEB温度、エッチング時間、エッチング・ガス組成、エッチング・ツール、堆積ツール、堆積時間、CMPツール、CMPプロセスの1つ又は複数のパラメータなどの1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。好ましくは、(複数の)プロセスの(複数の)パラメータを変更して、(複数の)DBCに対応する設計データの欠陥度(例えば、(複数の)DBCに対応する設計データにおいて検出された欠陥の数)を低減し、(複数の)DBCに対応する設計データにおいて検出された欠陥の1つ又は複数の属性(例えば、DCI、KPなど)を変更し、及び/又は(複数の)DBCに対応する設計データが含まれるデバイスの歩留まりを高める。
それに加えて、1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを、優先順位付けステップにより決定された最高優先度を有するDBCのみに対して又は優先順位付けステップにより決定された比較的高い優先度を有する(複数の)DBCに対して最適化する。
このように、最大の欠陥性及び/又は最高の歩留まりに影響を有する欠陥性を示す(複数の)DBCに対応する設計データに基づいて1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更及び/又は最適化する。そのようにして、優先順位付けステップの結果は、どの(複数の)DBCを使用して1つ又は複数のプロセスの1つ又は複数のパラメータを変更及び/又は最適化すれば歩留まりの最大の改善をもたらすかを示している。
したがって、(複数の)DBCが歩留まりに最大の影響を及ぼす誘導がないと、歩留まりの大きな又は何らかの改善をもたらすことなくプロセスに多くの変更が加えられ、それによりプロセス最適化のターンアラウンド時間とコストが増大する可能性があるため、この実施形態は、プロセスを変更及び/又は最適化するうえで他のすでに使用されている方法及びシステムに比べて有利である。
さらに、このステップで変更及び/又は最適化される(複数の)プロセスは、本明細書で説明されている実施形態においてDBCを割り当てられた欠陥の検出前にウェハ上に(複数の)DBCに対応する設計データを印刷するために使用されたプロセスのみを含むが、変更及び/又は最適化される1つ又は複数のプロセスは、(複数の)DBCに対応する設計データも含む他の設計を印刷するために使用される(複数の)プロセスを含む。例えば、複数の設計が(複数の)DBCに対応する設計データを含む場合、優先順位付け及び/又は本明細書で説明されている方法の他の結果に基づいて、複数の設計を印刷するために使用される1つ又は複数のプロセスを変更し、最適化して、異なる設計のそれぞれで加工されたデバイスの歩留まりを高めることができる。
追加の実施形態では、この方法は、欠陥に割り当てられたDBCに基づいて欠陥の根本原因を突き止めることを含む。例えば、根本原因は、さらに、欠陥に割り当てられたDBCに対応する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて決定される。1つ又は複数の属性を使用して、本明細書でさらに説明されているように根本原因を突き止めることができる。根本原因を突き止めるために使用される設計データの(複数の)属性は、本明細書で説明されている(複数の)設計データ属性を含む。それに加えて、本明細書で説明されている(複数の)方法の(複数の)ステップの他の情報及び/又は結果は、欠陥の根本原因を突き止めるために設計データの(複数の)属性と組み合わせて使用される。
他の実施形態では、この方法は、複数の欠陥のうちの少なくともいくつかを実験プロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることにより複数の欠陥のうちの少なくともいくつかの根本原因を突き止めることを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。他の実施形態では、この方法は、複数の欠陥のうちの少なくともいくつかをシミュレートされたプロセス・ウィンドウの結果にマッピングすることにより複数の欠陥のうちの少なくともいくつかの根本原因を突き止めることを含むが、これは本明細書で説明されているように実行される。
他の実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数に対応する根本原因を突き止めることと、欠陥に割り当てられたDBCに対応する根本原因に基づいて根本原因を欠陥に割り当てることとを含む。例えば、DBCに対応する設計データにおいてすでに検出されている欠陥の根本原因がDBCに関連付けられる。すでに検出されている欠陥の根本原因は、本明細書で説明されているように、又は当業界で知られている他の好適な方法により実行される。このように、欠陥の根本原因は、欠陥に割り当てられたDBCに関連付けられている根本原因として決定される。
他の実施形態では、この方法は、DBCのうちの1つ又は複数が割り当てられた欠陥の影響を受けるウェハ上に形成されるダイの割合を決定することを含む。例えば、割合は、同じDBCを割り当てられた欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上のダイの数により決定される。このような割合は、同じDBCを割り当てられた少なくとも1つの欠陥が検出されるダイの数を検査されたダイの総数により除算することにより求められる。このステップの結果に100を掛けて、この割合を得ることができる。したがって、この割合は、同じDBCを割り当てられた欠陥のダイ影響限界性を反映する。このような割合は、欠陥に割り当てられた複数のDBCについて決定され、これらの割合のそれぞれ、又は少なくともいくつかは、この方法により生成される棒グラフなどのチャート内に表示される。
したがって、このチャートは、欠陥に割り当てられたDBCに応じて変わるダイ影響限界性を示している。このようなチャートは、本明細書でさらに説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。この方法は、さらに、この実施形態において決定された割合に基づいてDBCの1つ又は複数を割り当てられた欠陥を優先順位付けすることを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、DBCの少なくとも1つに対応する設計データにおけるPOIを決定することと、DBCの少なくとも1つが割り当てられている欠陥の数とウェハ上のPOIの配置の数との比を決定することとを含む。このように、この方法は、ウェハ上で印刷されるDBCに対応するPOIの配置の数と比較したDBCを割り当てられた欠陥の数の比又は割合を決定することにより限界性分析を実行することを含む。
このような実施形態では、ウェハ上のPOIの配置の数は、任意のパターン探索により識別される。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、設計の検査された領域内のPOIの配置を識別する任意のパターン探索を含み、かつ設計の検査された領域におけるPOIの累積面積の決定を含む。次いで、DBCが割り当てられている欠陥の数と設計の検査された領域内のPOIの累積面積との比を使用して、POIに対応するDBCの欠陥密度を決定することができる。この方法は、さらに、この実施形態において決定された比に基づいて1つ又は複数のDBCを優先順位付けすることを含む。
他の実施形態では、この方法は、DBCの少なくとも1つに対応する設計データにおける1つ又は複数のPOIを決定することと、DBCの少なくとも1つが割り当てられている欠陥の数と設計データにおける1つ又は複数のPOIの配置の数との比を決定することとを含む(例えば、ウェハの検査された領域に関して)。このように、この方法は、ウェハの検査された領域上の設計におけるPOIの配置の数と比較したウェハ上に見つかるPOIに対応するDBCを割り当てられた欠陥の数の比又は割合を決定することにより限界性分析を実行することを含む。このような実施形態では、ウェハ上のPOIの配置の数は、任意のパターン探索により識別される。この方法は、さらに、この実施形態において決定された比に基づいて(複数の)DBCの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。
追加の実施形態では、この方法は、DBCの少なくとも1つに対応する設計データにおけるPOIを決定することと、DBCの少なくとも1つが割り当てられている欠陥が配置されているウェハ上に形成されたダイの割合を決定することと、その割合に基づいてPOIに優先度を割り当てることとを含む。このように、この方法は、欠陥の影響を受けるダイの割合に基づいて限界性分析を実行することを含む。例えば、同じDBCを割り当てられた欠陥の数を、ウェハの検査された領域上で設計データを印刷するために使用されるレチクル内のPOIの設計インスタンスの数で除算し、さらにレチクルがウェハ上に印刷され、検査される回数で除算する。このステップの結果に100を掛けて、この割合を得ることができる。このように、この方法は、欠陥が少なくとも1回検出されたウェハ上のダイの数により知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、系統的欠陥が検出されたPOIには、POIがダイの1%に対しダイの10%で出現した場合に高い優先度を割り当てることができる。他の例では、ウェハ上の同じDBCを割り当てられた欠陥が検出されたダイが多い場合の欠陥には、ウェハ上の異なるDBCを割り当てられた欠陥が検出されたダイが少ない場合の欠陥に比べて高い優先度を割り当てることができる。それに加えて、この方法は、異なるDBCを割り当てられた欠陥が配置されているウェハ上に形成されたダイの割合を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。したがって、このようなチャートは、異なるDBCに対するダイ・ベースの限界性をグラフで示す。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。
さらに他の実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数が割り当てられている検出された欠陥の数によりDBCの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。このように、この方法は、DBCが割り当てられた欠陥の総数により知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。その際、この方法は、ウェハ・ベースの限界性に基づいて知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、ウェハ上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が多い場合の欠陥に割り当てられたDBCには、ウェハ上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が少ない場合の欠陥に割り当てられたDBCに比べて高い優先度を割り当てることができる。このような優先順位付けは、さらに、欠陥が検出されたウェハ上の設計インスタンスの配置の割合に基づいて実行される。例えば、検出され、DBCを割り当てられた欠陥の数を、ウェハ上のDBCに対応する検査された設計インスタンスの総数で除算する。このステップの結果に100を掛けて、上述の割合を得ることができる。それに加えて、この方法は、異なるDBCを割り当てられた欠陥が検出されたレチクル上の設計インスタンスの数を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。
いくつかの実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数が割り当てられている欠陥が少なくとも1回検出されるウェハ上に設計データを印刷するために使用される、レチクル上の設計インスタンスの数によりDBCの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。このように、この方法は、欠陥が少なくとも1回見つかったレチクル上の設計インスタンスの数により知られている系統的欠陥を優先順位付けすることを含む。例えば、レチクル上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が多い場合の欠陥に割り当てられたDBCには、レチクル上で欠陥が検出された設計インスタンスの数が少ない場合の欠陥に割り当てられたDBCに比べて高い優先度を割り当てることができる。それに加えて、この方法は、異なるDBCを割り当てられた欠陥が検出されたレチクル上の設計インスタンスの数を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書で説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。
他の実施形態では、この方法は、DBCの1つ又は複数が割り当てられている欠陥が検出されたレチクル上の配置の数と、DBCの1つ又は複数が割り当てられている欠陥の位置に近接する設計データの部分に少なくとも類似しているレチクル上に印刷される設計データの部分の総数とに基づいてDBCの1つ又は複数に対するレチクル・ベースの限界性を決定することを含む。例えば、レチクル・ベースの限界性は、DBCを割り当てられた少なくとも1つの欠陥が検出された積層レチクル・マップにおける配置の数をレチクル上の検査された設計インスタンスの総数で除算することにより決定される。このステップの結果に100を掛けて、DBCが割り当てられている欠陥が検出された、DBCに対応する、設計インスタンスの配置の割合を求めることができる。それに加えて、この方法は、異なるDBCを割り当てられた欠陥が検出された配置のレチクル・ベースの限界性又は割合を示す棒グラフなどのチャートを生成することを含む。このようなチャートは、本明細書でさらに説明されているように構成される、ユーザー・インターフェイスに表示される。この方法は、さらに、DBCの1つ又は複数について決定されたレチクル・ベースの限界性に基づいてDBCの1つ又は複数を優先順位付けすることを含む。例えば、比較的高いレチクル・ベースの限界性を示すDBCは、低いレチクル・ベースの限界性を示すDBCに比べて高い優先度を割り当てられる。上述の実施形態のステップは、同じDBCが割り当てられている欠陥のグループ、又はDBCが割り当てられている個々の欠陥について実行される。
上述の分類を欠陥に割り当てる方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述の分類を欠陥に割り当てる方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の実施形態は、ウェハに対する検査プロセスを変更するための方法に関係する。この方法は、設計データにおける1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューすることを含む。この方法は、さらに、欠陥が1つ又は複数のPOIの配置のところで検出されるべきであったかどうかをレビューするステップの結果に基づいて判定することを含む。それに加えて、この方法は、1つ又は複数のPOIのうちの少なくともいくつかに配置されている欠陥について1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善し、及び/又はS/N比を改善するために検査プロセスを変更することを含む。これらのステップはそれぞれ、本明細書でさらに説明されているように実行される。例えば、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータは、本明細書で説明されているように決定される、POIの優先順位付けに基づいて変更される。
上述の方法の一使用事例は、光学系感度用途である。例えば、一実施形態では、検査プロセスを変更することは、検査プロセスを実行するために使用される検査システムの光学モードを変更することを含む。このように、検査に使用される光学モードを変更して、1つ又は複数のPOIのうちの少なくともいくつかに対応する1つ又は複数の欠陥を検出する際のS/N比を改善することができる。光学モードは、当業界で知られている光学モードを含む。
他の実施形態では、この方法は、欠陥が1つ又は複数のPOIの配置で検出されるべきかどうかを判定するステップの結果に基づいて検査プロセスを実行するために使用される検査システムの光学モードを決定することを含む。このように、検出されているべき欠陥に対するS/N比が最高である光学モードが決定される。光学モードは、当業界で知られている光学モードを含む。それに加えて、決定された光学モード及び/又は検出されるべき欠陥を使用して、検査プロセスを実行するために使用される検査システムのタイプなどの変更された検査プロセスの他のパラメータを選択することができる。
いくつかの実施形態では、検査プロセスを変更することは、1つ又は複数のPOIに関連付けられているDOIの捕捉を高めるように検査プロセスを変更することを含む。捕捉を高めるために検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。検査プロセスのパラメータを変更することにより高められる検出は、検査結果におけるPOIに関連付けられているDOIの検出を含む(例えば、歩留まりクリティカルな系統的DOIの欠陥カウントを増やすなど)。捕捉を高めるために変更された1つ又は複数のパラメータは、検査プロセスの結果及び/又はレビューするステップの結果(例えば、1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューした結果だけでなく)に基づいて選択される。
いくつかの実施形態では、検査プロセスを変更することは、検査プロセスの結果の中のノイズを抑制するために検査プロセスを変更することを含む。ノイズを抑制するために検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。検査プロセスのパラメータを変更することにより抑制されるノイズは、検査結果の中のノイズを含む(例えば、背景雑音、ニュイサンス欠陥など)。ノイズを抑制するために変更された1つ又は複数のパラメータは、検査プロセスの結果及び/又はレビューするステップの結果(例えば、1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューした結果だけでなく)に基づいて選択される。
他の実施形態では、検査プロセスを変更することは、注目していない欠陥の検出を減らすために、又は注目していない欠陥のビン範囲によるグループ分けを改善するために、検査プロセスを変更することを含む。注目していない欠陥の検出を減らすために検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。
検査プロセスのパラメータを変更することにより検出されることが少なくなる注目していない欠陥は、注目していない欠陥を含む(例えば、非歩留まり関連系統的欠陥、コールド・スポットの欠陥など)。注目していない欠陥の検出を減らすために変更された1つ又は複数のパラメータは、検査プロセスの結果及び/又はレビューするステップの結果(例えば、1つ又は複数のPOIが印刷されるウェハ上の配置をレビューした結果だけでなく)に基づいて選択される。
1つ又は複数の欠陥捕捉率を改善するために検査プロセスを変更することは、検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。例えば、一実施形態では、検査プロセスを変更することは、検査プロセスで使用されるアルゴリズムを変更することを含む。変更されるアルゴリズムは、欠陥検出アルゴリズムか、又は検査プロセスで使用される他のアルゴリズムである。変更されるアルゴリズムは、当業界で知られている好適な任意のアルゴリズムを含む。それに加えて、検査プロセスを変更することは、検査プロセスで使用される複数のアルゴリズムを変更することを含む。
追加の実施形態では、検査プロセスを変更することは、検査プロセスで使用されるアルゴリズムの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。1つ又は複数のパラメータが変更されるアルゴリズムは、欠陥検出アルゴリズムか、又は検査プロセスで使用される他のアルゴリズムを含む。それに加えて、検査プロセスを変更することは、検査プロセスで使用される複数のアルゴリズムの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。(複数の)アルゴリズムにおける1つ又は複数のパラメータは、それらのアルゴリズムのパラメータ、好ましくは、欠陥捕捉率に影響を及ぼす(複数の)パラメータを含む。
上述のウェハに対する検査プロセスを変更する方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のウェハに対する検査プロセスを変更するための方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
追加の実施形態は、設計データと欠陥データを表示し、分析するように構成されたシステムに関係する。このようなシステムの一実施形態は、図25に示されている。図25に示されているように、システムは、ユーザー・インターフェイス182を備える。ユーザー・インターフェイス182は、半導体デバイスの設計レイアウト184、半導体デバイスの少なくとも一部が形成されるウェハについて取り込まれたインライン検査データ186、ウェハについて取り込まれた電気的試験データ188のうちの1つ又は複数を表示するように構成される。一実施形態では、電気的試験データは、論理ビットマップ・データを含む。設計、検査(又は計量)、試験、オーバーレイ・データは、設計空間、デバイス空間、レチクル空間、又はウェハ空間において表される。ユーザー・インターフェイスは、さらに、半導体デバイスのモデル化されたデータ及び/又はウェハに対するFAデータを表示するように構成される。それに加えて、ユーザー・インターフェイスは、ユーザーからの入力(例えば、ユーザーによるホット・スポット又はDOIの選択)に基づいて特定のホット・スポット又はDOIに対する情報を表示するように構成される。このように、ユーザー・インターフェイスは、異なる時点において異なるホット・スポット又はDOIに関する情報を表示するように構成される。しかし、ユーザー・インターフェイスは、1つ又は複数の異なる印し(例えば、色、記号など)を使用して異なるホット・スポット又はDOIに関する情報を同時に(例えば、ウェハ・マップ又は棒グラフで)表示するように構成される。ユーザー・インターフェイスは、さらに、ホット・スポット・データベース内の情報を表示するように構成される。ホット・スポット・データベース内の情報の表示を利用することで、ユーザーは、所定の分析又は検査レシピーを用い注目するホット・スポットの(複数の)部分集合を選択して1つ又は複数のホット・スポット・リストを作成することができる。ユーザー・インターフェイスは、表示デバイス190上に表示される。表示デバイス190は、当業界で知られている好適な表示デバイスを含む。
システムは、プロセッサ192も備える。プロセッサ192は、ユーザー・インターフェイスを介してユーザーから分析実行の命令を受け取った後、設計レイアウトの1つ又は複数、インライン検査データ、電気的試験データを分析するように構成される。プロセッサは、さらに、上述のようにモデル化されたデータ及び/又はFAデータを分析するように構成される。例えば、ユーザー・インターフェイス182は、1つ又は複数のアイコン194を表示するように構成される。アイコンはそれぞれ、プロセッサにより実行される異なる機能に対応する。このように、5つのアイコンが図25に示されているが、ユーザー・インターフェイスは、可能な機能の数に対応する数のアイコンを表示するように構成される。次いで、ユーザーは、1つ又は複数のアイコンを選択する(例えば、クリックする)ことによりプロセッサに1つ又は複数の機能を実行させることができる。それに加えて、ユーザー・インターフェイスは、ユーザーが当業界で知られている他の方法(例えば、ドロップ・ダウン・メニュー)で利用できるさまざまな機能を表示することができる。
このように、ユーザー・インターフェイスは、設計/レイアウトの視覚化及び分析オペレーションを、インライン・プロセス・データ視覚化及び分析オペレーション並びに機能的/構造的電気的試験データ視覚化及び分析オペレーションと組み合わせた単一の統合ユーザー・インターフェイスとして構成される。
このシステムは、データを高分解能で処理するように構成され、これは「ドリル・ダウン機能」と一般に呼ばれる。例えば、システムは、ウェハ上で検出された欠陥を示すウェハ・マップなどの入力を使用して、積層に対する2つ又はそれ以上のダイを選択し、ダイ積層結果に示される欠陥を選択し、欠陥に対しある種の機能を実行するように構成される。システムは、さらに、複数のドメインからまとめてデータを使用するように構成され、これは「ドリル・アクロス機能」と一般に呼ばれる。
一実施形態では、ユーザー・インターフェイスは、さらに、設計レイアウト、インライン検査データ、電気的試験データ、本明細書で説明されている他の情報のうちの少なくとも2つでオーバーレイ196を表示するように構成される。このような一実施形態では、電気的試験データは、論理ビットマップ・データを含む。このような実施形態では、プロセッサは、本明細書で説明されている実施形態により異なるデータをオーバーレイするように構成される。このように、システムは、3つのドメイン(例えば、設計、検査、電気的試験)のうちの2つ又はそれ以上からデータのオーバーレイを生成し、表示するように構成される。データのそのようなオーバーレイを使用して、欠陥の物理位置を論理位置にマッピングし、電気的試験結果(例えば、電気的障害)とこのマッピングを使用して電気的試験結果(例えば、電気的障害を引き起こす)とに影響を及ぼす欠陥を識別することができる。
一実施形態では、プロセッサは、さらに、ユーザー・インターフェイスを介してユーザーからこの決定を実行する命令を受け取った後設計データ空間において欠陥密度を決定するように構成される。このように、システムは、本明細書でさらに説明されているように障害密度計算を実行するように構成される。ユーザー・インターフェイスは、さらに、障害密度計算の結果を表示するように構成される。
追加の実施形態では、プロセッサは、ユーザー・インターフェイスを介してユーザーから欠陥サンプリングを実行する命令を受け取った後、レビューのため欠陥サンプリングを実行するように構成される。他の実施形態では、プロセッサは、ユーザー・インターフェイスを介してユーザーからグループ分けを実行する命令を受け取った後、設計データ空間における欠陥の位置に近接する設計レイアウトの類似性に基づいて欠陥をグループ分けするように構成される。このように、システムは、サンプリングとデータ整理(例えば、パターン依存のビン範囲によるグループ分けによるデータ整理)技術を実行するように構成される。これらの技術は、本明細書でさらに説明されているように実行される。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、時間の推移に従って欠陥のグループに対するKP値を監視し、時間の推移に従ってKP値に基づいて欠陥のグループの有意性を決定するように構成される。このように、システムは、欠陥追跡を行うように構成される(例えば、DTT法を使用し、及び/又はイメージを使用する)。ユーザー・インターフェイスは、さらに、KP値を監視した結果と、時間の経過による欠陥のグループの有意性を表示するように構成される。図25に示されているプロセッサとシステムは、さらに、本明細書で説明されているように構成される。例えば、プロセッサとシステムは、本明細書で説明されている他の方法の他の(複数の)ステップを実行するように構成される。それに加えて、図25に示されているシステムは、検査システムなどの本明細書で説明されている他のコンポーネントを含むが、これは上でさらに説明されているように構成される。図25に示されているシステムは、本明細書で説明されている方法のすべての利点を有する。
他の実施形態は、ウェハ上で検出された電気的欠陥の根本原因を突き止めるためのコンピュータ実施方法に関係する。このような一実施形態では、電気的欠陥に対するウェハの検査の結果は、論理デバイスのビットマップを含む。この方法は、設計データ空間における電気的欠陥の位置を決定することを含む。設計データ空間における電気的欠陥の位置は、本明細書で説明されているように決定される。
いくつかの実施形態では、この方法は、系統的欠陥などの欠陥の空間シグネチャをプロセス条件に相関させることを含む。例えば、スキャン・ベースと構造的試験結果をウェハ空間座標に変換した後、特定の空間シグネチャを1つ又は複数のプロセス条件に相関させることができる。欠陥データの空間シグネチャ分析を実行する方法とシステムは、本明細書に全体が述べられているかのように参照により組み込まれている、Kulkarniらの米国特許第5,991,699号、Satyaらの米国特許第6,445,199号、及びEldredgeらの米国特許第6,718,526号に例示されている。本明細書で説明されている方法及びシステムは、これらの特許において説明されている方法のどれかの(複数の)ステップを実行するように構成される。
この方法は、さらに、電気的欠陥の一部の位置が1つ又は複数のプロセス条件に対応する空間シグネチャを定めるかどうかを決定することも含む。このステップは、電気的欠陥の部分に対する空間シグネチャをプロセス条件に対応する空間シグネチャの集合と比較することにより、又はルールを電気的欠陥の部分の位置に適用することにより、又は他の何らかの好適な方法で、実行される。それに加えて、電気的欠陥の一部の位置が1つ又は複数のプロセス条件に対応する空間シグネチャを定める場合、この方法は、電気的欠陥の一部の根本原因を1つ又は複数のプロセス条件として識別することを含む。このように、上述の方法は、論理ビットマップ・データに対し空間シグネチャ分析を実行することを含む。この方法は、さらに、識別するステップの結果を記憶媒体に格納することを含む。識別するステップの結果は、本明細書で説明されている結果を含む。それに加えて、この方法は、本明細書でさらに説明されているように格納するステップを実行する。記憶媒体は、本明細書で説明されている記憶媒体を含む。
上述の電気的欠陥の根本原因を突き止める方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述の電気的欠陥の根本原因を突き止める方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の欠陥の根本原因は、本明細書で説明されている方法でも決定される。例えば、プロセス・ウィンドウ上でマッピングされたパターン・グループ(及びそのような組合せ)によるウェハ・ベース又はレチクル・ベースの空間シグネチャは、根本原因を突き止めやすくするため相関を求めるうえで特に役立つ。一例では、プロセス・ウィンドウの一方の辺において、欠陥x及びyは境界にあり、ウェハの外部から最初に不合格になる傾向がある。プロセス・ウィンドウの他の辺では、欠陥zがウェハの辺で最初に不合格になる傾向がある。そのため、考えられる根本原因は、ウェハ上でどの系統的欠陥が最も多く(恐らくは外側アニュラ・リングに関して)不合格になるかを観察することにより決定される。
他の実施形態は、レビュー、分類/調査のための発見、並びにオンツール、オフツール、及びオンSEMを含む検証/根本原因分析のための監視のために、ウェハ上で検出された欠陥を選択するためのコンピュータ実施方法に関係する。この方法は、ウェハ上の1つ又は複数のゾーンを識別することを含む。1つ又は複数のゾーンは、ウェハ上の1つ又は複数の欠陥タイプの位置に関連付けられている。1つ又は複数のそのようなゾーンの一実施形態が図26に示されている。図26に示されているように、ウェハ200上のゾーン198は、ウェハ上の1つ又は複数の欠陥タイプの位置に関連付けられるものとして識別される。例えば、このゾーンは、ウェハの中心からウェハの縁部へのリソグラフィ・プロセス又はエッチング変動においてウェハの外縁に近接する焦点誤差により引き起こされる欠陥タイプに関連する。
この方法は、さらに、レビュー対象の1つ又は複数のゾーンのみにおいて検出された欠陥を選択することも含む。例えば、図26に示されているように、ウェハ・マップ202は、ゾーン198のレイアウトでオーバーレイされる。このように、配置されているゾーンとそのゾーンに関連付けられている1つ又は複数の欠陥タイプとに基づいて、ウェハ・マップ202に示されている欠陥をレビューのため選択する。このような一例では、図26に示されているゾーンがウェハの外縁に近接するピンぼけ誤差に関連する場合に、この方法で、ゾーン198内で欠陥を(それのみ、主に、又は大量に)選択する。それとは別に、欠陥は、ゾーン198以外のウェハ上のゾーンから選択される。
1つのゾーンだけが図26に示されているが、ウェハは任意の個数の好適なゾーンに分けられることは理解されるであろう。それに加えて、ゾーンは、図26に示されているような環状ゾーン、角があるゾーン、角がある放射状のゾーン、又は矩形ゾーンとしてウェハ上で定められる。しかし、ゾーンは、不規則な(例えば、多角形)の形状とすることができる。それに加えて、ゾーンの全部又は一部が形状及び/又はサイズなど同じ特性を持っていてもよいし、持っていなくてもよい。
上述の方法は、欠陥サンプルのレビューの結果をダイからウェハへ補間できるように欠陥サンプルを用意するために使用される。対照的に、典型的なレビュー・サンプル・プランは、レシピー最適化については100から200個の欠陥を、ウェハ全体の拡散の監視については25から100個の欠陥を含む。しかし、1つのダイだけで数万個のホット・スポットがある。ホット・スポットが発見のためにレビューされる。系統的欠陥が監視及び検証のためにレビューされる。したがって、この母集団から100から200個の欠陥を選択した後でも、すべて同じダイでそれらをレビューしないのが好ましい。その代わりに、選択された欠陥は、複数のダイに広がっているのが好ましい。上述の方法では、ゾーン分析結果を使用して、特定の欠陥タイプとウェハ上の特定のゾーンの間の相関を識別する。その際、本明細書で説明されている方法を使用して、ウェハ位置特有の欠陥を識別することができる。このように、この方法は、サンプリング・プランをこれらのゾーンの方へバイアスし、ダイ−ウェハ補間で使用するのに適した結果をもたらすようにすることを含む。この方法は、さらに、選択するステップの結果を記憶媒体に格納することを含む。
選択するステップの結果は、本明細書で説明されている結果を含む。それに加えて、この方法は、本明細書でさらに説明されているように格納するステップを実行する。記憶媒体は、本明細書で説明されている記憶媒体を含む。
上述のレビューのため欠陥を選択する方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の実施形態の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述のレビューのため欠陥を選択する方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムの実施形態により実行される。
他の実施形態は、設計データに対する1つ又は複数の歩留まり関係プロセスを評価するコンピュータ実施方法に関係する。そのような一実施形態は、図27に示されている。図27に示されているステップは、方法の実施に本質的ではないことに留意されたい。1つ又は複数のステップを図27に例示されている方法から省いたり、又は追加したりすることができ、又はこの方法を、そのまま、この実施形態の範囲内で実施することができる。
図27に示されているように、この方法は、ステップ204に示されているように、ルール・チェックを使用して設計データにおける潜在的障害を識別することを含む。それとは別に、設計データにおける潜在的障害は、リピータ分析又は欠陥密度マップから観察された潜在的ホット・スポットを使用して識別される。このステップで識別される潜在的障害は、1つ又は複数の異なるタイプのDOIを含む。いくつかの実施形態では、このステップで識別される潜在的障害は、パターニング後潜在的障害(例えば、エッチング後潜在的障害)を含む。それに加えて、潜在的障害が識別された後、これは設計全体に伝搬されるが、設計における共通パターンの探索により検出される(例えば、任意パターン探索を介して)。いくつかの実施形態では、この方法は、すべての類似のPOIの配置を識別する任意パターン探索を含む。共通パターンは、潜在的障害をすべて見つけるために回転された、又はフリップされたパターンを探索することにより識別される。さらに、設計データにおける潜在的障害は、当業界で知られている他の好適な方法(例えば、モデリング)、ソフトウェア、及び/又はアルゴリズムを使用してステップ204において識別される。それに加えて、潜在的障害は、設計データに合わせて加工されたデバイスの障害の原因となりうる、又はデバイスの障害を実際に引き起こすことなく望ましくない形でデバイスの1つ又は複数の電気的パラメータを変える可能性のある設計データにおける領域又はパターンを含む。
ステップ206に示されているように、この方法は、さらに、潜在的障害の1つ又は複数の属性を決定することを含む。判定される潜在的障害の(複数の)属性としては、例えば、タイプがある。潜在的障害の(複数の)属性は、実験的試験、シミュレーション結果、設計データ、又は他の方法により取り込まれる。この方法は、上述のように潜在的な障害を識別することを含むため、この方法は、潜在的障害をできる限り多く排除するよう加工に先立って設計データを変更することを含む。設計データのこのような変更は、本明細書で説明されているように実行される。しかし、加工に先立ってすべての潜在的障害を排除できるわけではないことは考えられるであろう。それに加えて、本明細書で説明されている方法において識別された潜在的障害は、加工時に実際に障害を引き起こしたり、歩留まりに影響を及ぼすことがある場合もない場合もある。したがって、潜在的障害の一部が加工(したがって、検査)に先立って排除されるが、本明細書で説明されている方法は、設計検査において潜在的障害が実際に不合格になった場合に可能な限り速やかに検出されるように検査が実行されるべき場所に関する重要な情報を与えることができる。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、設計において潜在的障害を含む設計データの部分のウェハ上の領域の検査が最も適している検査パラメータで実行されるように設計の異なる領域がどのように検査されるべきかに関する重要情報を与え、これにより、潜在的障害が実際に障害を引き起こす場合に、検査により検出される確率を高めることができる。
ステップ208に示されているように、この方法は、潜在的な障害の1つ又は複数の属性に基づいて潜在的障害が検出可能であるかどうかを判定することを含む。潜在的障害が検出可能かどうかは、さまざまな検査システムの知られている機能と組み合わせて潜在的障害の(複数の)属性に基づいて判定される。ステップ210に示されているように、この方法は、1つ又は複数の属性に基づいて複数の異なる検査システム(例えば、BF、DF、電圧コントラスト、EC、電子ビームなど)のうちのどれが潜在的障害を検出するのに最も適しているかを判定することを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、ステップ212に示されているように、最も適していると判断された検査システムの1つ又は複数のパラメータを選択することを含む。
そのような一実施形態では、(複数の)パラメータは、潜在的欠陥の1つ又は複数の属性に基づいて選択される。(複数の)パラメータは、本明細書でさらに説明されているように選択される。それに加えて、このステップで選択される(複数の)パラメータは、変化する、及び/又は制御可能な検査システムの(複数の)パラメータを含む。このようなパラメータの一例として、光学モード又は検査モードがある。好ましくは、潜在的な障害についてウェハの検査を最適化するように(複数の)パラメータが選択される(例えば、潜在的障害の配置で欠陥の欠陥捕捉率を高める、潜在的障害の配置で欠陥に対する感度を高めるなど)。
いくつかの実施形態では、この方法は、場合によっては本明細書で説明されている他の情報と組み合わせて潜在的障害の位置に近接する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて潜在的障害の1つ又は複数を優先順位付けすることを含む(例えば、欠陥に対する設計データの感受性、欠陥に対する設計データに対応するデバイスの電気的パラメータの感受性など)。このような優先順位付けは、本明細書でさらに説明されているように実行される。それに加えて、最も適している検査システム及び検査システムのパラメータは、本明細書でさらに説明されているような優先順位付けの結果に基づいて選択される。例えば、そのような実施形態では、最も適している検査システム及び検査システムのパラメータを、最も重要な欠陥が検査プロセスにより検出されるように1つ又は複数の最高優先度を有する潜在的障害に対する検査を最適化するように選択するとよい。最も適している検査システムのそのような決定とパラメータを選択することで、結果として、1つ又は複数の最低優先度を有する潜在的障害に対する検査の最適化が行われる場合もあれば、ない場合もある。
他の実施形態では、この方法は、ステップ214に示されているように、設計データを使って加工されたデバイスの歩留まりに対する潜在的障害の影響を決定することを含む。
このように、この方法は、レシピー最適化と監視に使用される。他の実施形態では、この方法は、検出不可能であるが、歩留まりに影響があると判定された潜在的障害の影響を判定することを含む。このように、この方法は、検査により検出不可能な歩留まり損失の割合を決定することを含む。本明細書で説明されている方法において使用される歩留まりを予測する方法の一例は、本明細書に全体が説明されているかのように参照により組み込まれている、Satyaらの米国特許第6,813,572号において例示されている。
したがって、上述の方法は、ホット・スポットの完全自動化予測、追跡、妥当性確認(何らかの初期手動セットアップが実行された後)に使用される。上述の方法は、さらに、複数の異なる検査システムのうちのどれが、記憶媒体に格納されている潜在的障害を検出するために最も適しているかを判定した結果を格納することを含む。このステップの結果は、本明細書で説明されている結果を含む。それに加えて、この方法は、本明細書でさらに説明されているように格納するステップを実行する。記憶媒体は、本明細書で説明されている記憶媒体を含む。
上述の1つ又は複数の歩留まり関係プロセスを評価する方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されている(複数の)方法の他の(複数の)ステップを含む。それに加えて、上述の1つ又は複数の歩留まり関係プロセスを評価する方法の実施形態はそれぞれ、本明細書で説明されているシステムにより実行される。
本明細書で説明されている方法及びシステムは、総合的な設計、欠陥、歩留まりのソリューションを提供するために使用される。例えば、上述のように、この方法は、欠陥(インライン検査及び/又は電気的検査により検出される)を系統的欠陥とランダム欠陥とに分けることを含む。本明細書で説明されている方法及びシステムの実施形態は、さらに、ホット・スポットを管理するために使用される。
パラメータ歩留まり損失に関係する欠陥を、半導体製造プロセスのパラメータに基づいてデバイスの電気的パラメータを決定するシミュレーションなどのシミュレーションの入力として使用することができる。このように、パラメータ歩留まり損失に関係する欠陥をウェハ上で実行されるプロセスに関する情報と組み合わせて使用し、シミュレーションのチューニング又は最適化を行うことができる。それに加えて、シミュレーション結果を使用して、パラメータ歩留まり損失に関係する欠陥を減らすために変更されるウェハ上で実行されるプロセスのパラメータを識別することができる。さらに、本明細書で説明されている方法のシミュレーションと結果を使用して、パラメータ歩留まり損失を低減するうえでクリティカルな1つ又は複数のプロセスのパラメータを識別することができる。
系統的パターニング損失に関係する欠陥は、デバイスの設計とプロセスとの間の相互作用に関係するパターン欠陥を識別するために使用される。このように、これらの欠陥に関する情報を使用して、プロセスを変更するか、又は設計を変更するか、又はプロセス及び設計を変更し、これらの欠陥を低減することができる。
上述のステップは、学んだ教訓を活かして将来の設計を改善するために実行される設計フィードバック・フェーズで実行される。言い換えると、ホット・スポット・データベースと監視フェーズから知識の伝達を設計フェーズに対して行うことができる(例えば、技術研究及び開発、製品設計、RET設計など)。このフェーズは、マルチソース空間において実行される(例えば、設計空間、ウェハ空間、試験空間、及びプロセス空間の間の相関を使用する)。このフェーズは、さらに、特定のセル設計と強い相関のあるホット・スポットに基づいて設計を改善することを含む。それに加えて、このフェーズは、提案されている設計ルールと強い相関のあるホット・スポットを使用して設計を改善することを含む。
ランダム欠陥に関する情報を使用して、欠陥制限歩留まりを決定することができる(すなわち、すべての系統的欠陥とリピータ欠陥が排除された場合に達成可能な最大の歩留まり)。また、このような情報を使用して、デバイスに対するランダム欠陥の影響を決定し最高の歩留まりキラーであるランダム欠陥を識別するシミュレーションと組み合わせてオンライン及びオフライン監視を行うことができる。
本明細書で説明されている方法は、これらの方法の結果を使用して半導体加工プロセスを監視することを含む。半導体加工プロセスを監視するために使用される結果は、本明細書で説明されている結果(例えば、インライン検査データ、系統的欠陥情報、ランダム欠陥情報、障害密度マップ、ビン範囲によるグループ分け結果など)又は本明細書で説明されている結果の組合せを含む。本明細書で説明されている方法は、さらに、本明細書で説明されている方法のどれかの結果に基づいて1つ又は複数の半導体加工プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む。(複数の)半導体加工プロセスの(複数の)パラメータは、フィードバック技術、フィードフォワード技術、現場の技術、又はそれらの何らかの組合せを使用して制御される。このように、本明細書で説明されている方法及びそれらの方法により生成される結果は、SPCアプリケーションに使用される。
本明細書でさらに説明されているように、本明細書で説明されている方法及びシステムは、ビン範囲によるグループ分け、レビュー・サンプリング、検査セットアップ、本明細書で説明されている他の何らかの分析を改善するために設計データに基づいてオンツール歩留まり予測に使用される。本明細書で説明されている方法及びシステムは、他の現在使用されている方法及びシステムに勝る多数の利点を有している。例えば、KP分析に現在使用されている方法及びシステムでは、サイズ分布及び/又は分類により欠陥密度を考察することにより履歴歩留まりデータを全体的ランダム歩留まり損失予測に使用する。このような方法及びシステムの1つの欠点は、1つ又は複数の欠陥が1つのダイをだめにする確率を計算するときに他の欠陥グループ(例えば、サイズ・ビン、クラス・ビン、層)が考慮されないことにある。それに加えて、これらの方法及びシステムは、セットアップに統計的に有意な履歴データを必要とする。他の例では、KP分析に現在使用されている方法及びシステムでは、検出された欠陥のKPをよりよく予測するために領域内でサイズ及び/又は分類(例えば、類似パターン密度)を考慮することにより履歴歩留まりデータ及び欠陥1つ当たりの歩留まり損失予測を使用する。このような方法及びシステムの1つの欠点は、統計的に有意な履歴データがセットアップに必要であるという点である。他の例では、クリティカル領域分析(CAA)について現在使用されている方法及びシステムは、欠陥により歩留まり損失予測を決定し、さまざまな欠陥サイズに対するジオメトリ(線幅、間隔)によりダイ全体にわたるクリティカル領域の事前計算に依存する。このアプローチは、比較的多量の計算を行うが、1回計算すれば、配置に基づくクリティカル領域よりも広い領域の欠陥は、キラーであると予測される。このような方法及びシステムの1つの欠点は、統計的に有意な履歴データがセットアップに必要であるという点である。それに加えて、このような方法及びシステムは、多量の前処理を行う必要があり、また方法及びシステムの精度は、欠陥座標精度によって制限される。
対照的に、本明細書で説明されている方法及びシステムは、非常に正確な座標を使用しており、その結果、CAA及び本明細書で説明されている方法に対して歩留まり予測が改善される。本明細書で説明されている方法及びシステムは、さらに、アクティブなCAAに使用される。例えば、このアプローチでは、データを前処理して多数のサイズ及び配置にわたってルックアップ・テーブルを生成するのではなく、改善された配置とサイズに基づいて歩留まりを計算する。これは、検査システムで利用できる設計データを必要とし、また計算効率の高い可能性もある。それに加えて、本明細書で説明されている方法及びシステムは、系統的欠陥に対する、又はパターン・グループ化による分析を省くことを含み、その結果、計算効率がさらに改善される。さらに、本明細書で説明されている方法及びシステムを使用することで、オンツール結果の歩留まりを予測することができ、したがって、ウェハがチャンク上にある間に結果をレビュー対象の(例えば、レシピー最適化のための手動レビュー、高分解能イメージ取り込みなど)欠陥の優先順位付けに使用できる。
本発明のさまざまな態様の他の修正形態及び代替形態は、本明細書を参照することで当業界者には明白であろう。例えば、検査データと組み合わせて設計データを使用するための方法及びシステムが実現される。したがって、この説明は、例示的であると解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業界者に教示することを目的としている。図に示され、本明細書で説明されている本発明の形態は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであると理解されるであろう。要素及び材料を、例示され、本明細書で説明されているものの代わりに使用することができ、パーツ及びプロセスを、逆にすることができ、本発明のいくつかの特徴を、独立して利用することができ、これらはすべて本発明のこの説明を利用した後で当業界者にとって明白なものになるであろう。添付の特許請求の範囲で説明されているように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した要素に変更を加えることができる。
なお、この明細書に開示した技術の態様を列挙すれば次のようである。
(付記1) 設計データ空間における検査データの位置を決定するためのコンピュータ実施方法であって、
ウェハ上のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせることと、
設計データ空間における前記所定のアライメント部位の位置に基づいて前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の位置を決定することと、
前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記検査システムにより前記ウェハについて取り込まれた検査データの位置を決定することとを含むコンピュータ実施方法。
(付記2) 前記検査データの前記位置は、サブピクセル精度で決定される付記1に記載の方法。
(付記3) 前記所定のアライメント部位に対する前記データは、データ構造体に格納されている設計データを含む付記1に記載の方法。
(付記4) 前記所定のアライメント部位に対する前記データは、前記所定のアライメント部位が前記ウェハ上にどのように印刷されるか示す1つ又は複数のシミュレートされたイメージを含む付記1に記載の方法。
(付記5) 前記所定のアライメント部位に対する前記データは、前記所定のアライメント部位の1つ又は複数の属性を含み、前記アライメント部位に対する前記データは、前記アライメント部位の1つ又は複数の属性を含み、前記アラインさせることは、前記所定のアライメント部位の前記1つ又は複数の属性を前記アライメント部位の前記1つ又は複数の属性にアラインさせることを含む付記1に記載の方法。
(付記6) 前記所定のアライメント部位の前記1つ又は複数の属性は、前記所定のアライメント部位の重心を含み、前記アライメント部位の前記1つ又は複数の属性は、前記アライメント部位の重心を含む付記5に記載の方法。
(付記7) 前記所定のアライメント部位に対する前記データは、前記検査システムにより取り込まれ、データ構造体に格納されている設計データにアラインされたデータを含む付記1に記載の方法。
(付記8) 前記所定のアライメント部位に対する前記データは、前記設計データ空間における設計座標にアラインされた標準参照ダイ・イメージの少なくとも一部を含む付記1に記載の方法。
(付記9) 前記所定のアライメント部位は、x方向及びy方向でユニークな1つ又は複数の属性を有する少なくとも1つのアライメント・フィーチャ又は少なくとも2つのアライメント・フィーチャを備え、前記少なくとも2つのアライメント・フィーチャのうちの第1のフィーチャは、x方向でユニークな1つ又は複数の属性を有し、前記少なくとも2つのアライメント・フィーチャのうちの第2のフィーチャは、y方向でユニークな1つ又は複数の属性を有する付記1に記載の方法。
(付記10) さらに、前記検査システムを使用して前記所定のアライメント部位を選択することを含む付記1に記載の方法。
(付記11) 前記選択するために使用される前記検査システムのイメージング・モードは、前記検査データを取り込むために使用される前記検査システムのイメージング・モードと異なる請求項10に記載の方法。
(付記12) 前記アライメント部位の前記位置を決定することは、前記ウェハの検査前に実行され、前記検査データの前記位置を決定することは、前記ウェハの前記検査時に実行される請求項1に記載の方法。
(付記13) 前記検査データの前記位置を決定することは、前記ウェハの検査の後に実行され、前記検査データの前記位置を決定することは、前記ウェハ上で検出された欠陥に対応する前記検査データの位置について実行され、前記欠陥に対応しない前記検査データの位置については実行されない付記1に記載の方法。
(付記14) 前記アライメント部位に対する前記データは、前記検査データのスワス内にあり、前記検査データの前記位置を決定することは、前記アライメント部位の前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記スワスの前記位置を決定することと、前記スワスの前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記検査データの追加のスワスの位置を決定することとを含む付記1に記載の方法。
(付記15) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、前記ウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することを含む付記1に記載の方法。
(付記16) 前記設計データの前記1つ又は複数の属性は、前記ウェハの前記検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はそれらの何らかの組合せに対する前記設計データ、異なる設計データ、又はそれらの何らかの組合せに対する前記ウェハ、他のウェハ、又はそれらの何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性に基づいて選択される付記15に記載の方法。
(付記17) 前記設計データの前記1つ又は複数の属性は、前記異なる部分においてすでに検出されている欠陥の歩留まりクリティカル度、前記異なる部分においてすでに検出されている前記欠陥の故障確率、又はそれらの何らかの組合せに基づいて選択される付記15に記載の方法。
(付記18) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置及びコンテキスト・マップに基づいて前記ウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することを含み、前記コンテキスト・マップは、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に対する値を含む付記1に記載の方法。
(付記19) 前記感度を決定することは、前記ウェハの前記異なる部分で前記欠陥を検出するために前記検査データとともに使用される感度しきい値を決定することを含む付記18に記載の方法。
(付記20) 前記感度を決定することは、前記ウェハの検査時に前記検査システムにより実行される付記18に記載の方法。
(付記21) 前記感度を決定することは、前記ウェハに対する前記検査データの取り込みが完了した後に実行される付記18に記載の方法。
(付記22) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記検査データの1つ又は複数の属性とに基づいて、前記ウェハの異なる部分で欠陥を検出する感度を決定することを含み、前記検査データの前記1つ又は複数の属性は、欠陥が前記異なる部分において検出された場合に1つ又は複数のイメージ・ノイズ属性、又はその何らかの組合せを含む付記1に記載の方法。
(付記23) さらに、前記ウェハ上で加工されるデバイスの設計に対するスキーマ・データの1つ又は複数の属性、前記デバイスに対する物理的レイアウトの予想される電気的挙動の1つ又は複数の属性、又はそれらの何らかの組合せに基づいて前記ウェハ上の欠陥を検出するための1つ又は複数のパラメータを変更することを含む付記1に記載の方法。
(付記24) さらに、前記ウェハ上で実行されるべき電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータに基づいて前記検査データを使用して前記ウェハ上で欠陥を検出するために1つ又は複数のパラメータを変更することを含む付記1に記載の方法。
(付記25) さらに、前記検査データを使用して前記ウェハ上で検出された欠陥に基づいて前記ウェハ上で実行されるべき電気的試験プロセスの1つ又は複数のパラメータを変更することを含む付記1に記載の方法。
(付記26) さらに、フィードバック制御技術を使用して前記方法の1つ又は複数のステップの結果に基づいて前記検査システムにより実行される検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを定期的に変更することを含む付記1に記載の方法。
(付記27) さらに、フィードバック制御技術を使用して前記方法の1つ又は複数のステップの結果に基づいて前記検査システムにより実行される検査プロセスの1つ又は複数のパラメータを自動的に変更することを含む付記1に記載の方法。
(付記28) さらに、前記方法の1つ又は複数のステップの結果を使用して知識ベースを生成することと、前記知識ベースを使用して前記検査システムにより実行される検査プロセスを生成することとを含む付記1に記載の方法。
(付記29) さらに、設計データ空間における前記欠陥に対応する前記検査データの部分の前記位置とコンテキスト・マップに基づいて前記ウェハの異なる部分で検出された欠陥を分類することを含み、前記コンテキスト・マップは、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性に対する値を含む付記1に記載の方法。
(付記30) 前記分類することは、前記ウェハの検査時に前記検査システムにより実行される付記29に記載の方法。
(付記31) 前記分類することは、前記ウェハに対する前記検査データの取り込みが完了した後に実行される付記29に記載の方法。
(付記32) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置に基づいて、前記設計データ空間における前記欠陥の位置を決定することと、前記設計データ空間における前記欠陥の前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、前記欠陥がニュイサンス欠陥であるかどうかを判定することとを含む付記1に記載の方法。
(付記33) さらに、前記設計データ空間における前記設計データの前記1つ又は複数の属性に基づいてニュイサンス欠陥であると判定されない前記欠陥が系統的欠陥であるか、又はランダム欠陥であるかを判定することを含む付記32に記載の方法。
(付記34) 前記検査データは、プロセス・ウィンドウ・クォリフィケーションについて取り込まれる付記1に記載の方法。
(付記35) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて前記欠陥を分類することを含む付記1に記載の方法。
(付記36) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、ビン範囲に従って前記欠陥をグループ分けすることを含む付記1に記載の方法。
(付記37) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記設計データが印刷されるレチクルについて取り込まれたレチクル検査データの1つ又は複数の属性とに基づいて、ビン範囲に従って前記欠陥をグループ分けすることを含む付記1に記載の方法。
(付記38) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記検査データの1つ又は複数の属性とに基づいてビン範囲に従って前記欠陥をグループ分けすることを含む付記1に記載の方法。
(付記39) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記検査データの1つ又は複数の属性と、前記設計データが印刷されるレチクルについて取り込まれたレチクル検査データの1つ又は複数の属性とに基づいて、ビン範囲に従って前記欠陥をグループ分けすることを含む付記1に記載の方法。
(付記40) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記ウェハに対する前記検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はその何らかの組合せに対する、前記設計データ、異なる設計データ、又はその何らかの組合せについて、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記検査データの1つ又は複数の属性と、前記ウェハ、他のウェハ、又はその何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性とに基づいて、ビン範囲に従って前記欠陥をグループ分けすることを含む付記1に記載の方法。
(付記41) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいてレビューのため前記欠陥の少なくとも一部を選択することを含む付記1に記載の方法。
(付記42) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、前記欠陥が前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、レビューされるべき順序を決定することを含む付記1に記載の方法。
(付記43) 前記検査データは、前記ウェハ上の欠陥に対するデータを含み、前記方法は、さらに、レビューのため前記欠陥の少なくとも一部を選択することを含み、前記欠陥の前記少なくとも一部は、1つ又は複数の属性の異なる値を有する前記設計データ空間における設計データのそれぞれの部分の中に配置されている少なくとも1つの欠陥を含む付記1に記載の方法。
(付記44) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、前記ウェハの異なる部分について取り込まれた前記検査システムの1つ又は複数の検出器からの出力の1つ又は複数の所定の属性を抽出することを含む付記1に記載の方法。
(付記45) 前記設計データの前記1つ又は複数の属性は、前記ウェハの前記検査データが取り込まれたプロセス層、異なるプロセス層、又はそれらの何らかの組合せに対する前記設計データ、異なる設計データ、又はそれらの何らかの組合せに対する前記ウェハ、他のウェハ、又はそれらの何らかの組合せに対するすでに取り込まれている検査データの1つ又は複数の属性に基づいて選択される付記44に記載の方法。
(付記46) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と、前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性と、前記検査データの1つ又は複数の属性とに基づいて前記ウェハの異なる部分について取り込まれた検査システムの1つ又は複数の検出器からの出力の1つ又は複数の所定の属性を抽出することを含む付記1に記載の方法。
(付記47) 前記検査データの前記1つ又は複数の属性は、前記異なる部分で1つ又は複数の欠陥が検出された場合に、1つ又は複数のイメージ・ノイズ属性、又はそれらの何らかの組合せを含む付記46に記載の方法。
(付記48) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置と前記設計データ空間における設計データの1つ又は複数の属性とに基づいて、前記ウェハ上で検出された1つ又は複数の欠陥に対する故障確率値を決定することを含む付記1に記載の方法。
(付記49) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記ウェハ上で検出された欠陥の位置の座標を決定することと、前記設計データに対するフロア・プランに基づいて前記欠陥の前記位置の前記座標を設計セル座標に変換することとを含む付記1に記載の方法。
(付記50) さらに、オーバーレイ公差を使用して前記欠陥の周囲の異なる領域を決定することと、1つ又は複数のセル・タイプに対する前記領域を使用して欠陥リピータ分析を実行し、前記1つ又は複数のセル・タイプが系統的欠陥セル・タイプであるかどうかを判定し、また前記系統的欠陥セル・タイプ内の1つの又は複数の系統的欠陥ジオメトリの1つ又は複数のジオメトリの1つ又は複数の配置を決定することとを含む付記49に記載の方法。
(付記51) さらに、前記系統的欠陥セル・タイプに近接して配置されているセル、ジオメトリ、又はそれらの何らかの組合せに対する設計データの1つ又は複数の属性に基づいて空間的系統的欠陥が前記系統的欠陥セル・タイプ内に生じるかどうかを判定することを含む付記50に記載の方法。
(付記52) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記ウェハ上で検出された欠陥の位置を決定することと、設計データの前記1つ又は複数の属性に対する所定の値が、前記設計データ空間における位置の関数として格納されているデータ構造体を使用して前記欠陥の前記位置に対応する設計データの1つ又は複数の属性に対する値を決定することとを含む付記1に記載の方法。
(付記53) レチクル検査システムにより生成されるレチクルのイメージは、前記設計データ空間において設計データとして使用され、前記レチクルは、前記ウェハ上で前記設計データを印刷するために使用される付記1に記載の方法。
(付記54) レチクル・イメージが前記ウェハ上にどのように印刷されるかを示すシミュレートされたイメージは、前記設計データ空間における設計データとして使用される付記1に記載の方法。
(付記55) さらに、前記ウェハ上に前記設計データを印刷するために使用されるレチクルについて取り込まれたレチクル検査データに基づいて前記設計データ空間における設計データに対するコンテキスト・マップを生成することを含む付記1に記載の方法。
(付記56) さらに、前記設計データ空間における前記検査データの前記位置とコンテキスト・マップとを使用して前記ウェハ上のレチクル欠陥の印刷可能性を判定するウェハ検査プロセスを最適化することを含む付記1に記載の方法。
(付記57) さらに、前記検査データと、標準参照ダイ・ベースの検査用の標準参照ダイとを使用して前記ウェハ上の欠陥を検出することを含む付記1に記載の方法。
(付記58) さらに、前記検査データと、標準参照ダイと、摂動行列における前記標準参照ダイに関連付けられているウェハ・ノイズの表現とを標準参照ダイ・ベースの検査に使用して前記ウェハ上の欠陥を検出することを含む付記1に記載の方法。
(付記59) 前記ウェハと追加のウェハは、ウェハ・レベルのプロセス・パラメータ変調を使用して処理され、前記方法は、前記ウェハと前記追加のウェハのダイに対する検査データを、共通の標準参照ダイと比較することにより前記ウェハと前記追加のウェハの欠陥を検出することを含む付記1に記載の方法。
(付記60) 設計データ空間における検査データの位置を決定するように構成されているシステムであって、
設計データを収めた記録媒体と、
前記記憶媒体に結合されているプロセッサとを備えるシステムであって、前記プロセッサが、
ウェハ上のアライメント部位について検査システムにより取り込まれたデータを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせ、
設計データ空間における前記所定のアライメント部位の位置に基づいて前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の位置を決定し、
前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記検査システムにより前記ウェハについて取り込まれた検査データの位置を決定するように構成されていることを特徴とするシステム。
(付記61) 設計データ空間における検査データの位置を決定するように構成されているシステムであって、
ウェハ上のアライメント部位に対するデータと前記ウェハに対する検査データを取り込むように構成されている検査システムと、
設計データを収めた記録媒体と、
前記検査システム及び前記記憶媒体に結合されているプロセッサとを備えるシステムであって、前記プロセッサが、
前記ウェハ上の前記アライメント部位に対する前記データを所定のアライメント部位に対するデータにアラインさせ、
設計データ空間における前記所定のアライメント部位の位置に基づいて前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の位置を決定し、
前記設計データ空間における前記ウェハ上の前記アライメント部位の前記位置に基づいて前記設計データ空間における前記検査データの位置を決定するように構成されることを特徴とするシステム。