JPH10260011A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JPH10260011A
JPH10260011A JP6659197A JP6659197A JPH10260011A JP H10260011 A JPH10260011 A JP H10260011A JP 6659197 A JP6659197 A JP 6659197A JP 6659197 A JP6659197 A JP 6659197A JP H10260011 A JPH10260011 A JP H10260011A
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JP
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positioning mark
mark
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JP6659197A
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Atsushi Narita
篤 成田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、位置決め用マークと位置決め対象
の反射率差が非常に小さな場合であっても、安定して位
置決めできる位置決め装置を提供する。 【解決手段】 位置決め対象物11を固定するスデージ
手段12と、位置決め対象物上に設けられ、かつ、表面
に凹凸を有する位置決め用マーク1と、位置決め用マー
クを検鏡する検鏡手段13と、検鏡手段により検鏡され
た像を取り込む撮像手段14と、撮像手段により取り込
まれた画像と、基準となる画像との比較から前記位置決
め対象物の位置ずれ量を算出するずれ量算出手段15
と、算出されたずれ量に基づき、そのずれを解消するよ
うにステージ手段の位置を調整するステージ駆動手段1
6とを備えた位置決め装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は位置決め装置及び
方法、特に液晶パネルや半導体ウェハ等の微細加工を検
査する場合等における,高精度な位置決めを行うのに適
した位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイパネル、プラズマディ
スプレイ(PDP)あるいはフィールドエミッションデ
ィスプレイ(FED)等のガラス基板を用いたフラット
パネルや半導体ウェハ等に対して微細加工を行い、さら
にその加工品の検査を行うためには、加工装置や観察装
置に対する試料の位置決めを正確に行うことが極めて重
要である。
【0003】図6はこのような試料の一般的な位置決め
装置の構成を示す図である。また、図7は当該試料に付
される位置決め用マークの例を示す図である。この位置
決め装置においては、位置決め対象11がステージ駆動
部16によって移動可能なステージ12上に固定されて
おり、オリフラ合わせ等の他の手段により大まかな位置
合わせがなされている。
【0004】固定された位置決め対象11上には位置決
め用マーク17が設けられ、図示しない明視野照明で照
明されて、検鏡部13により検鏡されるようになってい
る。なお、この位置決め用マーク17を拡大表示したの
が図7であり、この位置決め対象11は液晶基板やシリ
コンウェハ等の上に加工されたパターンの一種である。
【0005】検鏡された位置決め用マーク17の検鏡像
は、撮像部14によって撮像され、さらにずれ量算出部
15に取り込まれてずれ量が算出される。この算出され
たずれ量はステージ駆動部16に送られ、ステージ駆動
部16によりステージ12がずれ量だけ移動する。これ
に伴いステージ12上に固定された位置決め対象11も
ステージ12とともにずれ量だけ移動し、位置決めが終
了する。
【0006】この一連の動作において、ずれ量算出部1
5は、撮像部14から送られた画像内の位置決め用マー
ク17の画像データと、予め記憶しておいた位置決め用
マークの本来の位置、つまりずれ量0の位置にあるとき
の基準の画像データとを比較し、ずれ量を算出するよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ずれ量
算出部15がずれ量を算出するのにあたり、撮像部14
により送られた画像から位置決め用マーク17を十分に
検出できないことがある。このように、従来の位置決め
装置では、安定した位置決め用マーク17の検出を行え
ないという問題点がある。
【0008】これは、位置決め用マーク17の反射率が
基板毎にばらついているためである。したがって、反射
率に影響されずに安定して位置決め用マークを検出でき
る方法が必要とされている。
【0009】例えば特開平6−174448号公報で
は、光源からの光の波長域を限定する干渉フィルタを用
意し、位置決め用マークと位置決め対象の反射強度の差
の最も大きな波長域を選択して対象物に照射し、位置決
め用マークを検出することで位置決めを行う技術が開示
されている。
【0010】しかしながら、この方法であっても、例え
ば用意した干渉フィルタに対応した選択可能な波長域の
中に、位置決め用マークと位置決め対象との反射率差を
一定以上生じさせる波長域がなければ、結果として位置
決め用マーク17を十分に検出できず、位置決めができ
なかった。
【0011】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、位置決め用マークと位置決め対象の反射率
差が非常に小さな場合であっても、安定して位置決めで
きる位置決め装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、位置決
め用マークに凹凸を設け、マーク全体がその周辺に比較
して、明るくなるか、または、暗くなるようにすること
で、明瞭な位置決め用マーク像を得るところにある。さ
らに、より明瞭な位置決め用マーク像を得るために条件
を設定しているところにある。
【0013】一般に位置決めの際の画像の比較はコント
ラストを無視し検出された形状のみで行うが、位置決め
用マークの形状を検出する段階ではコントラスト等がよ
くマーク検出しやすいことが重要である。ここで位置決
め用マークに凹凸を設けるならば、明視野検鏡像では凹
凸のあるマーク部分でのコントラストが増し、対象物の
検出がしやすくなる。一方、暗視野検鏡像では、マーク
全体に凹凸を有するならば、凹凸部分と平面部分の反射
率の差に関係なく同形状の画像が得られる。この場合、
背景が真つ暗なので凹凸部分の反射率がかなり低くても
凹凸の認識ができる。したがって、結果的には凹凸が認
識できればコントラストにあまり関係なく同じ画像を検
出できる。
【0014】また、上記課題の解決は、より具体的に
は、以下のような解決手段により実現される。まず、請
求項1に対応する発明は、位置決め対象物を固定するス
デージ手段と、位置決め対象物上に設けられ、かつ、表
面に凹凸を有する位置決め用マークと、位置決め用マー
クを検鏡する検鏡手段と、検鏡手段により検鏡された像
を取り込む撮像手段と、撮像手段により取り込まれた画
像と、基準となる画像との比較から前記位置決め対象物
の位置ずれ量を算出するずれ量算出手段と、算出された
ずれ量に基づき、そのずれを解消するようにステージ手
段の位置を調整するステージ駆動手段とを備えた位置決
め装置である。
【0015】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、位置決め用マークを暗視野
照明する照明手段を備えた位置決め装置である。さら
に、請求項3に対応する発明は、ステージ手段に固定さ
れた位置決め対象物上に設けられる位置決め用マークを
検鏡手段により検鏡しその像を取り込み、この取り込ま
れた画像と基準となる画像とのずれ量に基づいて前記ス
テージ手段の位置調整を行って位置決め対象物の位置決
めを行う位置決め装置において、位置決め用マークを暗
視野照明する照明手段を備えるとともに、位置決め用マ
ークは、表面に凹凸を有しており、また、位置決め用マ
ークの凹凸により検鏡手段に向けて反射される照明光の
光路差が、照明光の波長の整数倍となるように照明光の
入射角度及び凹凸の形状が調整されている位置決め装置
である。 (作用)したがって、請求項1に対応する発明の位置決
め装置においては、まず、ステージ手段により固定され
た位置決め対象物上の位置決め用マークが検鏡手段によ
り検鏡される。
【0016】このとき、位置決め用マークにはその表面
に凹凸が設けられているため、例えば明視野照明の下で
は、凹凸による散乱で位置決め用マークが周囲より暗く
なる。
【0017】このため、撮像手段で取り込まれたマーク
画像はその周辺より暗くコントラストのよい画像が得ら
れ、以下のずれ量算出及びステージ手段の位置調整が確
実に行われる。
【0018】したがって、位置決め用マークと位置決め
対象の反射率差が非常に小さな場合であっても、安定し
て位置決めを行うことができる。また、請求項2に対応
する発明の位置決め装置においては、位置決め用マーク
の検鏡状態を除けば、請求項1に対応する発明と同様に
作用する。
【0019】また、本発明においては、暗視野照明によ
り、位置決め用マークが照明されている。したがって、
凹凸部での検鏡手段への入射光の反射により、位置決め
用マーク全体が暗い背景上に明るく浮かび上がることな
る。
【0020】したがって、位置決め用マークと位置決め
対象の反射率差が非常に小さな場合であっても、安定し
て位置決めを行うことができる。また、請求項3に対応
する発明の位置決め装置においては、請求項2に対応す
る発明と同様に作用する他、位置決め用マークの凹凸に
より検鏡手段に向けて反射される照明光の光路差が、照
明光の波長の整数倍となるように照明光の入射角度及び
凹凸の形状が調整されている。
【0021】したがって、検鏡手段に向かう反射光は、
干渉により強め合うこととなり、より一層位置決め用マ
ークが鮮明に写し出され、安定した位置決めができるこ
ととなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (発明の第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施
の形態に係る位置決め装置の一例を示す構成図であり、
図6に示す従来装置と同一部分には同一符号を付して詳
細説明を省略する。
【0023】この位置決め装置は、位置決め対象11を
固定する移動可能なステージ12が、ずれ量算出部15
からのずれ量に基づきステージ駆動部16によって駆動
され位置合わせがなされるようになっており、この点で
従来技術の図6に示す位置合わせ装置と同様に構成され
ている。また、画像データを取り込み撮像するための検
鏡部13及び撮像部14も図6と同様に構成されてい
る。
【0024】また、特に図示しないがこの位置決め装置
は、液晶基板やシリコンウェハ基板の検査装置等に適用
されるものである。なお、検鏡部13は、検査装置での
検鏡手段としても使用されるものであり、明視野照明と
暗視野照明の何れにも対応可能な構成を有するととも
に、光路切り替えにより同一対象につき明視野,暗視野
双方の観察を可能としている。
【0025】また、この位置決め装置には、照明調整部
2が設けられている。この照明調整部2は、位置決め用
マーク1の検出や位置決め対象11の観察検査等に応
じ、照明系を明視野,暗視野間で切り換え可能にすると
ともに、暗視野照明時にその照明光の入射角度を調整で
きるようになっている。
【0026】なお、本実施形態では、暗視野照明にて位
置決め対象11の位置決めを行い、位置決め後、明視野
照明に切り替えて位置決め対象11(検査対象)を観察
するようになっている。
【0027】図2は本実施形態の位置決め用マークの一
例を上方から見た図である。この位置決め用マーク1
は、位置決め対象11上に加工され設けられたものであ
る。具体的には、レチクルを介する露光によりそのパタ
ーンを位置決め対象11としての基板上に焼き付け、エ
ッチング等で形成するものである。
【0028】図2に示す位置決め用マーク1は、上方か
ら見た全体形状が十字状である。また、所定間隔で所定
幅の幅の溝が設けられており、そのため表面が凹凸状に
なっている。
【0029】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る位置決め装置の動作について説明する。
まず、位置決めに当たり照明調整部2により照明系が暗
視野照明に切り替えられるとともに、さらに、後述する
条件に照明光の入射角が調整される。また、検鏡部13
は暗視野用の光路に切り替えられる。
【0030】このような照明調整等の終了後に、検鏡部
13による検鏡、撮像、ずれ量算出、ステージ駆動が順
次行われ、位置決めが実行される。この検鏡、撮像時に
観察される位置決め用マーク1の様子を説明すれば以下
の通りである。
【0031】そもそも暗視野検鏡によれば、真っ暗な背
景に凹凸のある部分が,この場合は位置決め用マーク1
の全体が散乱光によって明るく浮かび上がるようになっ
ている。したがって、図2に示すような凹凸を有する全
体形状が同一の位置決め用マーク1を用いれば、位置決
め用マーク1と位置決め対象11の反射率の差に関係な
く同様な画像が得られる。
【0032】また、凹凸部分の反射率によってコントラ
スト自体は変化するが、一般に画像の比較の際にはコン
トラストは無視して形状のみから同じ画像を判断するこ
とができるので、多数の凹凸からなる位置決め用マーク
1全体が認識できれば多少コントラストが異なっても同
じ画像として取り扱うことができる。また明視野と違
い、背景が真っ暗なので凹凸部分の反射率がかなり低く
ても位置決め用マーク1の認識が可能である。
【0033】なお、従来技術で説明した図7に示す位置
決め用マーク17を用い、暗視野照明した場合には、位
置決め用マーク17と位置決め対象11の境界部のみに
おいて光が回折され、境界だけが浮かび上がることとな
る。このため、ずれ量算出部15では予め記憶した基準
画像と比較するための情報量が少なく、ノイズの影響を
受けやすくなるため基準画像との比較に失敗する可能性
がある。しかし、本実施形態のように、位置決め用マー
ク1の全体に凹凸をつけた場合には、マーク全体が浮か
び上がるため、検出画像において情報量が多くノイズの
影響を受けにくくなる。
【0034】また、本実施形態では、暗視野検鏡におい
てその回折光をより強め、取り込み画像における位置決
め用マーク1の像をより明瞭にして一層容易なマーク識
別を可能としている。このために、位置決め用マーク1
の溝に直交する方向の断面形状を図3に示すようにし、
さらに、その照明光の入射角度を調整している。
【0035】図3は位置決め用マークの断面を示すとと
もに、これを検出する方法を説明するための図である。
まず、斜め上方から入射する暗視野照明光は位置決め用
マーク1の凹凸により散乱し、特に凹凸により形成され
た角部3にて回折される光が検鏡に大きく寄与する。こ
こで、平行な入射光a1,b1があったとし、これらが
角部3a,3bにて回折される場合を考える。
【0036】角部3a,3bで反射される光のうち、検
鏡に寄与するのは位置決め対象11の鉛直上方に向かう
回折光a2とb2である。この回折光a2とb2とが干
渉し、強め合う条件となれば、凹凸により反射され撮像
に寄与する光も最も強いものとなり、位置決め用マーク
1が最も鮮明に写しだされる。
【0037】回折光a2とb2とが干渉する条件を以下
に検討する。入射光a1あるいはb1と、回折光a2あ
るいはb2との角度、すなわち入射角θと、角部3a,
3b間の距離,すなわち溝の凸部の幅の距離lに対し、
各光の光路差δは、 δ=l・sinθ …(1) となる。ここで、回折光a2,b2が最も強めあうのは
光路差δが両光の波長λの整数倍になるときであり、整
数nに対し、 l・sinθ=nλ …(2) が成立する。したがって、溝の凸部の幅lに対し、入射
光θの角度を sinθ=(nλ)/l …(3) となるようにしてやれば、干渉により位置決め用マーク
1が最も鮮明に写しだされることとなる。
【0038】また、上記場合は溝に対する一つの凸部の
両端にある角部3a,3bの関係で考えているが、とな
りの凸部との関係,例えば角部3aに対する角部3cと
の関係も考えてみる。この場合に角部3aと角部3cと
間の距離がlであれば回折光a2と角部3cで回折して
鉛直上方に向かう回折光(図示せず)とが干渉し、より
一層光を強め合うこととなる。このため、本実施形態で
は、溝における凹部の幅(例えば角部3aと角部3cと
間の距離)もlとなるようにしている。
【0039】したがって、照明調整部2は、照明光の波
長λと凹部及び凸部の幅の距離lに対し(3)式の条件
が満たされるように、照明光の入射角θを調整するよう
になっている。
【0040】なお、上記場合で例えばl=25μm,λ
=550nm(緑)として入射角θを求めると、 sinθ=0、022n …(4) θ=1、26° (n=1) …(5) θ=2、52° (n=2) …(6) ・ ・ θ=(1、26×n)° (n=1) …(7) となる。
【0041】このようにして、位置決め用マーク1が確
実に識別された後、ずれ量算出、位置決めが行われ、位
置決めののちに明視野照明に切り替えられて位置決め対
象11である基板の検査が行われる。
【0042】上述したように、本発明の実施の形態に係
る位置決め装置及び方法は、位置決め対象物11をスデ
ージ12にて固定し、暗視野照明にて照明され,かつ表
面に凹凸を有する位置決め用マーク1を検鏡部13にて
検鏡し画像取り込みするとともに、その取り込まれた画
像と、基準となる画像との比較から位置決め対象物11
の位置ずれ量を算出し、位置決めを行うようにしたの
で、凹凸部分での入射光の反射により、位置決め用マー
ク全体を暗い背景上に明るく浮かび上がらせることがで
き、位置決め用マーク1と位置決め対象11の反射率が
近い場合でも安定して位置決め用マーク1を検出し、位
置決めを行うことができる。また、このため、位置決め
の失敗による装置の停止を少なくすることができる。
【0043】また、位置決め用マークの凹凸により検鏡
部13に向けて反射される照明光の光路差が、照明光の
波長の整数倍となるように照明光の入射角度及び凹凸の
形状が調整したので、検鏡部13に向かう反射光は、干
渉により強め合うこととなり、より一層位置決め用マー
クが鮮明に写し出され、安定した位置決めを行うことが
できる。なお、同様な効果を得るためには、入射光角度
を固定し、照明光の周波数を調整するようにしてもよ
い。
【0044】なお、本実施形態では、位置決め装置を検
査装置に適用する場合で説明したが、本発明はこのよう
な場合に限られるものでなく、微小な位置決めを行った
後に何らかの処理を行う装置,例えば露光装置やイオン
注入装置といった各種加工用装置等に広く適用できるも
のである。
【0045】また、本実施形態では、照明光源の種類に
ついては特に示さなかったが、コヒーレント光を射出す
る光源,例えばレーザを用いれば、溝による回折,干渉
効果を高めるのに効果的である。 (発明の第2の実施の形態)第1の実施形態では暗視野
照明により位置決めを行う場合を説明したが、本実施形
態では、明視野照明により位置決めを行う場合について
説明する。
【0046】この位置決め装置の構成及び位置決め用マ
ーク1は、第1の実施形態の場合と同様であるが、明視
野照明を行うため、検鏡部13は明視野検鏡に対応した
光路に設定され、また、照明調整部2は位置決め対象1
1を明視野照明するように照明系を調整する。
【0047】図2及び図3に示す凹凸を有する位置決め
用マーク1に対して照明した場合、たとえ位置決め用マ
ーク1と位置決め対象11の位置決め用マーク1近傍の
反射率が近い場合であっても、位置決め用マーク1表面
の凹凸による散乱でその全体が暗くなるためコントラス
トのよい画像が得られる。これにより、安定して位置決
め用マークの検出が可能となる。なお、従来技術で説明
したような表面がフラットな位置決め用マークであれ
ば、位置決め用マークと位置決め対象の反射率が近い場
合、コントラストの悪い画像になり、位置決め用マーク
の検出が困難になる。
【0048】上述したように、本発明の実施の形態に係
る位置決め装置及び方法は、第1の実施形態と同様な構
成の装置において、明視野照明にて位置決め用マーク1
を照明するようにしたので、位置決め用マーク1の凹凸
による散乱で位置決め用マークが周囲より暗くなり、コ
ントラストのよい画像が得られ、ずれ量算出及びステー
ジ手段の位置調整を確実に行うことができる。
【0049】したがって、位置決め用マークと位置決め
対象の反射率差が非常に小さな場合であっても、安定し
て位置決めを行うことができる。 (発明の第3の実施の形態)本実施形態では、第1の実
施形態又は第2の実施形態で使用される位置決め用マー
ク1の形状についての態様を説明する。
【0050】図4は位置決め用マークを上方から見た図
である。図5は図2又は図4における位置決め用マーク
のLL´断面の例を示す図である。
【0051】図4(a)の場合は、凹凸の溝が上方から
見たときにL字状になるように設けられている。また、
図4(b)の場合は、凹凸の溝が上方から見たときに円
周状になるように設けられている。
【0052】したがって、上方から見た凹凸溝形状が図
4(a)又は図4(b)のように設けられていると、明
視野照明を行うとき何れの方向から照明が入射しても効
果的に照明光を散乱させることができる。ただし、より
効果的な散乱を起こさせるには、全方向から光が照射さ
れるようにすればよい。
【0053】また、暗視野照明を行うときには(3)式
の条件を考えると、照明調整部2は、凹凸溝の長手方向
に直交する複数の方向から照明光を入射させると効果的
に照明できる。
【0054】また、位置決め用マークに対し、特定の方
向から光が照射される場合には、図2に示す位置決め用
マーク1の凹凸溝の長手方向に直交する方向から照明光
を入射させるとよい。このようにすれば、明視野照明の
場合には散乱光が増え、よりコントラストがよくなりノ
イズの影響を受けにくい。また、暗視野照明の場合に
は、(3)式の条件を考えると回折光により効率よくマ
ーク1を照明できる。
【0055】次に、図2又は図4(a),(b)の各位
置決め用マークのLL´断面の形状について説明する。
凹凸の形状には、例えば図5(a),(b),(c)の
ような形状が考えられる。図5(a)の場合は、図3に
示した形状と同様なものである。
【0056】図5(b)の形状は、例えば明視野照明の
ときに上方からステージに向かって垂直に照射するとき
に最も光を散乱させ、コントラストをよくすることがで
きる。
【0057】また、暗視野照明のようにステージに斜め
に照射するなら図5(c)の形状が最も光を散乱する。
図5(a)の形状は光の散乱は減るが、作成が容易とい
う利点がある。また、この形状の場合、照明光の入射角
を(3)式の条件に設定することで、効率よく照明でき
るという利点もある。
【0058】また、(3)式において、溝の凸部の幅の
距離l及び又は溝の凹部の幅の距離lを用い、これを条
件として干渉による回折光の強め合う条件を算出してい
るが、(3)式には、単に溝(スリット)の間隔を適用
しても同様な効果が得られるものと考えられる。これ
は、図5(a)の溝形状の場合に限られるものでなく、
図5(b)又は図5(c)の場合にも適用できるもので
ある。図5には、溝の間隔mが示されている。
【0059】したがって、各凹凸形状における溝の間隔
mを(3)式における溝の凸部の幅の距離l又は溝の凹
部の幅の距離lに代えて代入し、照明光の入射角として
もよい。
【0060】上述したように、本発明の実施の形態に係
る位置決め装置及び方法は、上記各実施形態と同様な構
成を設けたので、上記各実施形態と同様な効果が得られ
る他、凹凸の上方から見たパターン又は凹凸断面形状に
応じて上記した種々の効果を得ることができる。なお、
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、
その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能
である。
【0061】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、位
置決め用マークの表面に凹凸を設けたので、位置決め用
マークと位置決め対象の反射率差が非常に小さな場合で
あっても、安定して位置決めできる位置決め装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置決め装置
の一例を示す構成図。
【図2】同実施形態の位置決め用マークの一例を上方か
ら見た図。
【図3】同実施形態の位置決め用マークの断面を示すと
ともに、これを検出する方法を説明するための図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の位置決め用マーク
を上方から見た図。
【図5】図2又は図4における位置決め用マークのLL
´断面の例を示す図。
【図6】従来の位置決め装置の構成を示す図。
【図7】従来の試料に付される位置決め用マークの例を
示す図。
【符号の説明】
1…位置決め用マーク 2…照明調整部 11…位置決め対象 12…ステージ 13…検鏡部 14…撮像部 15…ずれ量算出部 16…ステージ駆動部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置決め対象物を固定するスデージ手段
    と、 前記位置決め対象物上に設けられ、かつ、表面に凹凸を
    有する位置決め用マークと、 前記位置決め用マークを検鏡する検鏡手段と、 前記検鏡手段により検鏡された像を取り込む撮像手段
    と、 前記撮像手段により取り込まれた画像と、基準となる画
    像との比較から前記位置決め対象物の位置ずれ量を算出
    するずれ量算出手段と、 前記算出されたずれ量に基づき、そのずれを解消するよ
    うに前記ステージ手段の位置を調整するステージ駆動手
    段とを備えたことを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記位置決め用マークを暗視野照明する
    照明手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置
    決め装置。
  3. 【請求項3】 ステージ手段に固定された位置決め対象
    物上に設けられる位置決め用マークを検鏡手段により検
    鏡しその像を取り込み、この取り込まれた画像と基準と
    なる画像とのずれ量に基づいて前記ステージ手段の位置
    調整を行って前記位置決め対象物の位置決めを行う位置
    決め装置において、 前記位置決め用マークを暗視野照明する照明手段を備え
    るとともに、 前記位置決め用マークは、表面に凹凸を有しており、 また、前記位置決め用マークの凹凸により前記検鏡手段
    に向けて反射される照明光の光路差が、前記照明光の波
    長の整数倍となるように前記照明光の入射角度及び前記
    凹凸の形状が調整されていることを特徴とする位置決め
    装置。
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