JP5948646B2 - 蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液ならびにそれらを用いた蓄電デバイス、リチウム二次電池および電気二重層キャパシタ - Google Patents

蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液ならびにそれらを用いた蓄電デバイス、リチウム二次電池および電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本願は、電気化学エネルギーを貯蔵あるいは蓄積する蓄電デバイスに用いられる非水溶媒および非水電解液と、これらを用いたリチウム二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスに関する。
近年、蓄電素子単体の充電電圧および放電電圧が1.5Vを超える高電圧型の蓄電デバイスの開発が進められており、このような高電圧型の蓄電デバイスとして、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、電気二重層キャパシタ等が実用化されている。
高電圧型の蓄電デバイスには、有機化合物を溶媒とする非水電解液が用いられる。電解液の溶媒として水を用いると、高い充電電圧および放電電圧によって水の電気分解が生じてしまうからである。また、水と反応する活性なリチウムを含み、リチウムの吸蔵または放出を利用する電極を備えた蓄電デバイスにも非水電解液が用いられる。
非水電解液には、使用される蓄電デバイスの放電性能を高めるため、高い導電性と、粘度の低さが望まれる。また、二次電池や電気二重層キャパシタ等の溶媒として用いられる場合には、充放電を繰り返すことによって蓄電デバイスの性能が劣化しないように、化学的かつ電気化学的に安定であることが必要とされる。
これらの観点から、例えば、リチウムイオン二次電池の電解液の主溶媒として、エチレンカーボネートに代表される環状カーボネート(環状炭酸エステル)とエチルメチルカーボネートやジメチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート(鎖状炭酸エステル)との混合系が用いられている。また、電気二重層キャパシタの電解液の主溶媒には、プロピレンカーボネートに代表される環状カーボネートが好適に用いられる。
上述したような蓄電デバイスは、移動体通信機器や携帯電子機器の主電源、バックアップ電源および電気回路用電源として広く利用されている。近年、これらの機器はより一層小型で高性能であることが求められており、蓄電デバイスの体積エネルギー密度を、さらに向上させることが求められている。
体積エネルギー密度を向上させるためには、平均放電電圧を高めたり、体積容量密度を増大させることが考えられる。これらを実現する手段の一つとして、充電電圧の高電圧化が検討されている。
一般的に、リチウムイオン二次電池では、正極材料としてコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム等に代表されるリチウム含有遷移金属酸化物が用いられる。これらの正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の場合、充電電圧を高くすることにより、リチウムの利用効率を向上させることが可能になり、体積容量密度が高くなる。また、電気二重層キャパシタの場合には、充電電圧を高くすることにより電気二重層容量の値を大きくすることが可能になり、体積容量密度を高めることができる。
しかしながら、一対の電極群のいずれか一方の電極をリチウムの溶解析出電位を基準として4.3V以上となるまで充電した場合には、電解液の酸化分解が大きな課題となる。従来から、耐酸化性に優れ高電圧型の蓄電デバイスに適した非水電解液溶媒として知られる、鎖状カーボネート類や環状カーボネート類であっても、酸化分解が起こり、ガスが発生する。この酸化分解反応は特に高温状態において顕著に進行し、多量のガス発生を伴う。このため、例えば、電池の過充電時などの電池内圧上昇時に充電電流を遮断する内圧感知型電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)が搭載されているリチウムイオン二次電池である場合、非水溶媒の酸化分解によるガス発生のためにCIDが誤作動して、電池としての機能が損なわれてしまうことがある。また、CIDが搭載されていない場合に於いても、ガスの発生量が多くなると電池が膨張するといった問題が生じる。
特許文献1は、鎖状カーボネート類や環状カーボネート類の超高電位下での酸化分解を抑制するために、環状スルホン酸エステルを含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池を開示している。このような非水電解質二次電池では、正極が4.5V以上の電位に充電されると、環状スルホン酸エステルが正極で酸化分解され、正極表面に被膜が形成される。この被膜が形成されることにより、正極表面での溶媒の分解が抑制される。
一方、特許文献2および3では、非水溶媒に、「フッ素原子を有していてもよい炭化水素化合物」を0.01重量%以上5重量%以下含有させることを提案している。これらの特許文献によれば、電極表面の活性点に、酸化及び還元に対して安定な炭化水素化合物が存在することにより、高温状態での電解液成分と電極活物質との副反応を抑制することができると記載されている。
特開2005−149750号公報 特開2004−111359号公報 特開2006−286650号公報
しかし、本願発明者が特許文献1から3に開示された技術を検討したところ、これらの技術による電解液の分解の抑制や電解液による副反応の抑制は十分ではないことが分かった。
本願は、このような従来技術の課題を改善し、耐酸化性に優れる蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を提供することを目的とする。
本願に開示された蓄電デバイス用非水溶媒は、下記一般式(1)で表され、かつ、1または2個の置換基Rがシクロペンタン環に導入された構造を有するフッ素含有環状飽和炭化水素と、25以上の比誘電率を有する化合物とを含む(一般式(1)中、RはCn2n+1で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの少なくとも1つはFであり、それ以外のXはHである。)。
Figure 0005948646
・・・・(1)
本願に開示された蓄電デバイス用非水溶媒はフッ素含有環状飽和炭化水素を含むため、高い耐酸化性を有し、分解してもガスをほとんど発生しない。また、蓄電デバイス用非水溶媒は25以上の比誘電率を有する化合物を含むため、支持電解質塩を溶解させることができ、非水電解液として高いイオン電導性を有することが可能である。このため、高い耐酸化性および高い充放電特性を有し、かつ、高温状態においても長期にわたり高い信頼性を有する蓄電デバイス用非水電解液および蓄電デバイスを実現することができる。
(a)は本発明によるリチウムイオン二次電池の実施形態を示す斜視図であり、(b)は、図1(a)のI−I線に沿った断面図であり、(c)は、図1(a)、(b)に示す電極群13の断面を拡大して示す図である。 本発明による電気二重層キャパシタの実施形態を示す断面図である。 実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を構成する各フッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントおよび最高被占軌道(HOMO)エネルギーを示す図である。 実施例で作製した正極1の寸法を示す図である。 実施例で作製した負極2の寸法を示す図である。 実施例の電気二重層キャパシタ4aの放電特性を示すグラフである。 比較例の電気二重層キャパシタ4bの放電特性を示すグラフである。
本願発明者は、特許文献1から3に記載された技術を詳細に検討した。その結果、特許文献1に開示されている非水電解質二次電池では、鎖状カーボネート類や環状カーボネート類の分解反応を抑制することができるものの、その効果は十分ではないことが分かった。さらに、正極表面に被膜が形成されるため、正極活物質界面における電荷移動抵抗が増大し、電池の内部抵抗が上昇するとともに高率放電性能が低下するという問題が発生することが分かった。
また、特許文献2および3に開示されている非水電解質二次電池では、「フッ素原子を有していてもよい炭化水素化合物」によって、高温状態での電解液成分と電極活物質との副反応を抑制することができると記載されているが、炭化水素化合物の含有率は、5重量%以下と少ない。また、炭化水素化合物は、正極表面に吸着または配位等する性質を有しているものでもないため、正極表面に選択的に高濃度で存在するということもない。したがって、特許文献2および3では、副反応抑制の効果が十分に得られるとはいえないことが分かった。
このような知見に基づき、本願発明者は、耐酸化性に優れる蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を想到した。また、分解してもガスの発生量が少ない蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を想到した。さらに、このような蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を用いることにより、高電圧で充電しても、高い充放電特性を有し、かつ、高温状態においても長期にわたり高い信頼性を有する蓄電デバイスを想到した。
本発明の一態様である蓄電デバイス用非水溶媒は、下記一般式(1)で表され、かつ、1または2個の置換基Rがシクロペンタン環に導入された構造を有するフッ素含有環状飽和炭化水素と、25以上の比誘電率を有する化合物とを含む(一般式(1)中、RはCn2n+1で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの少なくとも1つはFであり、それ以外のXはHである。)。
Figure 0005948646
・・・・(1)
前記蓄電デバイス用非水溶媒は、鎖状カーボネートをさらに含む。
前記蓄電デバイス用非水溶媒は、水素原子の一部がフッ素で置換されたフッ素化鎖状カーボネートおよびフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方をさらに含む。
前記nは1または2である。
前記フッ素含有環状飽和炭化水素がトリフルオロメチルシクロペンタンである。
前記フッ素含有環状飽和炭化水素が1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタンである。
前記フッ素含有環状飽和炭化水素が(2−フルオロエチル)シクロペンタンである。
前記25以上の比誘電率を有する化合物は環状カーボネートまたは環状スルホンである。
前記フッ素化鎖状カーボネートがメチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネートである。
前記フッ素化鎖状エステルがメチル3,3,3−トリフルオロプロピオネートである。
前記フッ素化鎖状エステルが2,2,2−トリフルオロエチルアセテートである。
本発明の一態様である蓄電デバイス用非水電解液は上記いずれかに規定される蓄電デバイス用非水溶媒と、支持電解質塩とを備える。
前記支持電解質塩はリチウム塩である。
前記支持電解質塩は四級アンモニウム塩である。
本発明の一態様である蓄電デバイスは、上記いずれかに規定される蓄電デバイス用非水溶媒を備える。
本発明の一態様であるリチウムイオン二次電池は、上記いずれかに規定される蓄電デバイス用非水電解液を備える。
本発明の一態様である電気二重層キャパシタは上記いずれかに規定される蓄電デバイス用非水電解液を備える。
本願に開示された蓄電デバイス用非水溶媒はフッ素含有環状飽和炭化水素を含むため、高い耐酸化性を有し、分解してもガスをほとんど発生しない。また、本発明の蓄電デバイス用非水溶媒は25以上の比誘電率を有する化合物を含むため、支持電解質塩を溶解させることができ、非水電解液として高いイオン電導性を有することが可能である。このため、高い耐酸化性および高い充放電特性を有し、かつ、高温状態においても長期にわたり高い信頼性を有する蓄電デバイス用非水電解液および蓄電デバイスを実現することができる。また、蓄電デバイス用非水溶媒がさらに鎖状カーボネートを含むことによって、25以上の比誘電率を有する化合物とフッ素含有環状飽和炭化水素との分離を防ぎ、相溶性をより高めることにより、より、高濃度で支持電解塩を溶解することが可能となり非水電解液としてより高いイオン電導性を有することができる。
また、本願に開示されたリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスは、高電圧で充電しても高い充放電特性を有し、かつ、高温状態においても長期にわたり高い信頼性を有する。
以下図面を参照しながら、本発明による蓄電デバイス用非水溶媒、蓄電デバイス用非水電解液、蓄電デバイス、リチウムイオン二次電池および電気二重層キャパシタの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明による蓄電デバイス用非水溶媒の実施形態を説明する。本実施形態の非水溶媒は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスの電解液に用いられる。
蓄電デバイス用の電解液に含まれる非水溶媒には、(1)支持電解質塩を解離させる機能、(2)塩の解離によって生成したイオンを拡散させる機能および(3)充放電時の電圧において、酸化・分解しない高い耐酸化性が求められる。
エチレンカーボネートに代表される環状カーボネートは、一般に高い比誘電率を有し、耐酸化性も高い。つまり、(1)および(3)の特徴を備えている。しかし、粘性が高いため、(2)の機能を十分には果たさない場合がある。このため、従来、同じカーボネートであるが、粘性の低いエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネートを環状カーボネートに添加することにより(1)、(2)および(3)の機能を備える非水溶媒を実現していた。
しかし、充電電圧を4.3V以上にすると、鎖状カーボネートや環状カーボネートが酸化され分解する。同時に分解によって二酸化炭素が生成する。従来の非水溶媒では上述の課題を有していた。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、下記一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素と、25以上の比誘電率を有する化合物とを含む。本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、更に鎖状カーボネートを含んでいてもよい。また、鎖状カーボネートとともに、あるいは、鎖状カーボネートに換えて、水素原子の一部がフッ素で置換されたフッ素化鎖状カーボネートおよびフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方を含んでいてもよい。
Figure 0005948646
・・・・(1)
ここで、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、シクロペンタンの1つまたは2つの水素が置換基Rで置換された構造を有する。置換基RはCn2n+1で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの少なくとも1つはFであり、それ以外のXはHである。つまり置換基Rは、少なくともひとつの水素(H)がフッ素(F)で置換された鎖状の飽和炭化水素基である。
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、環状カーボネートや鎖状カーボネートよりも高い酸化還元電位、具体的には4.3V以上の酸化還元電位を有しており、蓄電デバイス用非水溶媒の耐酸化性を高める。また、カーボネート基を含まないため、分解してもCO2を発生しない。
一般に、飽和炭化水素は耐酸化性が高い。しかしながら、誘電率が低く極性溶媒との相溶性が低いという性質を有するため、従来から、蓄電デバイスの非水電解液の溶媒として用いることは困難であると考えられてきた。このため、特許文献2および3のように、5重量%以下の少量の飽和炭化水素を溶媒に含有させるといった限定的な使用方法が従来提案されているにすぎなかった。
しかし、本願発明者は、以下の実施例において詳細に説明するように、水素がフッ素で置換された炭化水素基を置換基として有するシクロペンタンは、分子の対称性が低く、1.6debye以上の双極子モーメントを有するため極性溶媒との相溶性に優れ、また、環状飽和炭化水素骨格を有するため耐酸化性に優れることを見出した。
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、分子内に酸化安定性に劣る官能基を有していないため、酸化安定性に優れている。また、置換基Rに結合したフッ素原子が強い電子吸引性の効果を有するため、フッ素置換しない場合に比べて、環状飽和炭化水素の耐酸化性をより高めることができる。蓄電デバイスが使用される温度範囲において液体である点および入手や取り扱いが容易である点から、環状飽和炭化水素はシクロペンタンであることが好ましい。
また、1,2−ジフルオロシクロペンタンや1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンのように、シクロペンタン環に直接フッ素原子が結合している化合物よりも、置換基Rにフッ素が結合している一般式(1)の化合物の方が、分子の対称性が低くなるため、一般式(1)の化合物は比較的大きな極性および誘電率を有する。このため、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、極性溶媒との相溶性に優れる。
置換基Rにおけるフッ素原子の数が多いほど置換基Rがシクロペンタン環から電子を吸引するため、シクロペンタン環の耐酸化性は向上する。したがって、耐酸化性の向上の観点では、置換基Rがトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であることが好ましい。
また、置換基Rの個数は、1個または2個であってもよい。置換基Rが2個の場合、置換基Rのシクロペンタンへの導入位置に特に制限はない。ただし、融点を低くするという観点からは、1つの置換基Rが結合した炭素原子と同じ炭素原子または隣り合う炭素原子に他方の置換基Rが結合した分子構造を有することが好ましく、同一の炭素原子に2つの置換基Rが結合した分子構造を有することがより好ましい。
置換基Rが2個の場合、2つの置換基Rは互いに同じ構造を有していてもよいし、異なる構造を有していてもよい。置換基Rの数が2個よりも多い場合には、分子量が大きくなるため、分子の拡散速度が低下する。また、置換基Rが大きくなりすぎると分子量が大きくなり、分子の拡散速度が低下する。このため、分子の拡散速度の観点からは、Rの炭素数(n)は、1または2であることが好ましい。
なお、以下で説明する「25以上の比誘電率を有する化合物」は一般に粘性が高くイオンを拡散させる機能が低い。これに対して、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の粘性は低い。このため、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素はイオンを拡散させる機能も備えている。
このような一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の具体的な化合物としては、例えば、フルオロメチルシクロペンタン、ジフルオロメチルシクロペンタン、トリフルオロメチルシクロペンタン、(1−フルオロエチル)シクロペンタン、(2−フルオロエチル)シクロペンタン、(1,1−ジフルオロエチル)シクロペンタン、(1,2−ジフルオロエチル)シクロペンタン、(2,2−ジフルオロエチル)シクロペンタン、(1,1,2−トリフルオロエチル)シクロペンタン、(1,2,2−トリフルオロエチル)シクロペンタン、(2,2,2−トリフルオロエチル)シクロペンタン、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)シクロペンタン、(1,2,2,2−テトラフルオロエチル)シクロペンタン、(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1−(ペンタフルオロエチル)−1−(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1−(ペンタフルオロエチル)−2−(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1−(ペンタフルオロエチル)−3−(トリフルオロメチル)シクロペンタン、1,1−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン、1,2−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン、1,3−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン等を挙げることができる。
これらの中でも、耐酸化性と粘性の観点から、フッ素含有環状飽和炭化水素として、トリフルオロメチルシクロペンタン、(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタンを用いることが特に好ましい。
これらの化合物は、F2やNF3、HF、XeF2、SF4、CF3I、C25I、DAST(ジメチルアミノサルファートリフルオリド)、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、トリメチル(トリフルオロメチル)シランなどを用いたフッ素化方法により合成することができる。出発原料は、特段、限定されるものではなく、例えば、シクロペンタン骨格やシクロペンテン骨格、シクロペンタ−1,3−ジエン骨格を有する化合物を用いることができる。出発原料にフッ素化したい部位に水酸基やトシル基、ケトン基、カルボキシル基を結合したアルキル基を導入し、前記フッ素化試薬を用いてフッ素化することにより、目的とする化合物を合成することができる。また、目的とする化合物の構造により、出発原料に直接的に水酸基やトシル基、ケトン基、カルボキシル基を導入し、前記フッ素化試薬を用いてフッ素化して合成することもできる。
「25以上の比誘電率を有する化合物」とは、25℃から40℃における比誘電率が25以上の値を示す化合物のことをいう。一般に25以上の比誘電率を有する溶媒は、支持電解質塩を解離させるのに十分な極性を有し、蓄電デバイスの非水電解液に適している。本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒においても、25以上の比誘電率を有する化合物は、蓄電デバイス用非水溶媒に支持電解質塩を解離させる機能を与える。
このような化合物としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等をはじめとする環状カーボネートや、スルホラン、メチルスルホラン等の環状スルホン、ガンマブチロラクトン、などを挙げることができる。表1にこれらの化合物の25℃から40℃における比誘電率を示す。特に、環状カーボネートまたは環状スルホンを用いることがより好ましい。比誘電率が大きいからである。
また、フルオロエチレンカーボネート、フルオロプロピレンカーボネートなど、これらの化合物のフッ素化物を用いてよい。さらに、これらの化合物から選ばれる一種のみを用いても良いし、二種類以上を混合して用いてもよい。
Figure 0005948646
鎖状カーボネートは主として支持電解質塩を解離させるだけでなく、「25以上の比誘電率を有する化合物」に比べて粘性が低いため、生成したイオンを拡散させる機能を蓄電デバイス用非水溶媒に与える。
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどを用いることができる。これらの鎖状カーボネートのフッ素化物を用いてもよいし、これらの鎖状カーボネートの一種のみを用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。
水素原子の一部がフッ素で置換されたフッ素化鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)やエチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)の水素をフッ素で置換したビス(フルオロメチル)カーボネート、2−フルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、メチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、2−フルオロエチルフルオロメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルフロロメチルカーボネート、フルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、エチル2−フルオロエチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルエチルカーボネート、エチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル2−フルオロエチルカーボネート、2−フルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネートなどが挙げられる。フッ素化鎖状カーボネートにおけるフッ素置換数が少ないと耐酸化性の向上程度が低い。一方、フッ素置換数が多いと分子サイズが大きくなるため粘度が上昇しやすく、他の溶媒との相溶性が低下しやすい。従って、フッ素置換数は、2〜4程度であることが好ましく、例えばフッ素置換数は3であることが好ましい。フッ素置換数が3であるフッ素化鎖状カーボネートの一例として、メチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。
これらのフッ素化鎖状カーボネートは、鎖状カーボネートをF2やNF3、SF4を用いた直接フッ素化や、フッ素化アルキル基を有するアルコールと鎖状カーボネートを塩基性触媒下で反応させることにより合成することができる。
また、水素原子の一部がフッ素で置換されたフッ素化鎖状エステルとしては、メチル3−フルオロプロピオネート、メチル3,3−ジフルオロプロピオネート、メチル3,3,3−トリフルオロプロピオネート、フルオロメチル3−フルオロプロピオネート、フルオロメチル3,3−ジフルオロプロピオネート、フルオロメチル3,3,3−トリフルオロプロピオネート、2−フルオロエチルアセテート、2,2−ジフルオロエチルアセテート、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、2−フルオロエチル2−フルオロアセテート、2,2−ジフルオロエチル2−フルオロアセテート、2,2,2−トリフルオロエチル2−フルオロアセテートなどが挙げられる。フッ素化鎖状カーボネートと同様、フッ素化鎖状エステルにおけるフッ素置換数が少ないと耐酸化性の向上程度が低い。一方、フッ素置換数が多いと分子サイズが大きくなるため粘度が上昇しやすく、他の溶媒との相溶性が低下しやすい。従って、フッ素置換数は、2〜4程度であることが好ましく、例えばフッ素置換数は3であることが好ましい。フッ素置換数が3であるフッ素化鎖状エステルの一例として、メチル3,3,3−トリフルオロプロピオネートと2,2,2−トリフルオロエチルアセテートなどが挙げられる。
これらのフッ素化鎖状エステルは、鎖状エステルをF2やNF3、SF4を用いた直接フッ素化や、CF3I等のフッ素化試薬を用いてフッ素化アルキル基を鎖状エステルへ導入する方法や、フッ素化アルキル基を有するアルコールとアセチルクロリド等のカルボン酸塩化物を反応させることにより合成することができる。
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートに比べ、フッ素原子を導入したフッ素化鎖状カーボネートやフッ素化鎖状エステルは、高い耐酸化性を有する。これは、電気陰性度の大きなフッ素原子がカルボニル基上の電子密度を低減するためと説明できる。従って、鎖状カーボネートの換わりにフッ素化鎖状カーボネートやフッ素化鎖状エステルを用いることにより、高温保存時の鎖状カーボネート由来のガス発生を抑制することができる。また、蓄電デバイス用非水溶媒が、鎖状カーボネートに加えてフッ素化鎖状カーボネートやフッ素化鎖状エステルを含む場合でも、フッ素化鎖状カーボネートやフッ素化鎖状エステルを加えることによって、従来よりも非水溶媒中における高い耐酸化性を有する溶媒の割合が高くなる。したがって、高温保存時における非水溶媒からのガス発生を抑制することができる。
表2に、これらの鎖状カーボネートの比誘電率を示している。表2からわかるようにこれらの鎖状カーボネート自体の比誘電率はあまり大きくない。しかし、溶媒中に含有している25以上の比誘電率を有する化合物によって支持電解質塩を分離し、塩を溶媒和することによって、支持電解質塩を安定して非水溶媒中に溶解することができる。鎖状カーボネートとしては、特に総炭素数9以下の鎖状カーボネートを用いることが好ましい。総炭素数が10以上の鎖状カーボネートは、分子量が大きくなることで分子の拡散速度が低下し、上述した生成したイオンを拡散させる機能も低下するからである。
Figure 0005948646
25以上の比誘電率を有する化合物と一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は相溶性が高い。このため、高い濃度でフッ素含有環状飽和炭化水素を混合させることができ、耐酸化性の高いフッ素含有環状飽和炭化水素を多く含むことによって、非水溶媒全体の耐酸化性を高めることができる。これにより、この非水溶媒を電解液として用いた蓄電デバイスは、4.3V以上の電圧で充放電を行っても、非水溶媒の分解が抑制され、また、ガスの発生も抑制される。
さらに、鎖状カーボネートを非水溶媒に添加することによって、25以上の比誘電率を有する化合物と一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素との分離を防ぎ、相溶性をより高めることができる。また、支持電解質塩の溶解性も向上させることができる。したがって、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は耐酸化性およびイオン伝導性に優れる。
フッ素含有環状飽和炭化水素化合物と25以上の比誘電率を有する化合物のみを主溶媒として用いることでも十分な効果を得ることができるが、上述の2つの特徴が効果的に発揮されるために、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物と25以上の比誘電率を有する化合物および鎖状カーボネートを含有することがより好ましい。本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、鎖状カーボネートに換えて、あるいは、鎖状カーボネートに加えてフッ素化鎖状カーボネートおよびフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方をさらに含有していてもよい。
非水溶媒を構成するフッ素含有環状飽和炭化水素化合物、25以上の比誘電率を有する化合物ならびに鎖状カーボネートは所定の割合で非水溶媒中に含まれていることが好ましく。具体的には、優れた耐酸化性を発揮するために一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素化合物は、非水溶媒中に5体積%以上含まれていることが好ましい。一方、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物の非水溶媒中の含有率が50体積%以下であり、さらには、鎖状カーボネートを含有しておれば、より高い支持電解質塩濃度で25以上の比誘電率を有する化合物とフッ素含有環状飽和炭化水素化合物とが分離することなく互いに溶解する。
したがって、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物は、非水溶媒中に、5体積%以上50体積%以下で含有されていることが好ましい。より好ましくは、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物の含有率は10体積%以上35体積%以下である。
また、上述したようにリチウム塩や四級アンモニウム塩などの支持電解質塩をより高い濃度で溶解、解離させるために、鎖状カーボネートは、非水溶媒中に、15体積%以上70体積%以下で含まれていることが好ましい。これにより、非水溶媒に高い濃度で支持電解塩を溶解させることができ、鎖状カーボネートを含有させない場合よりも高いイオン伝導性が得られる。また、非水溶媒の粘性を低下させることにより、イオン伝導性がさらに向上するといった効果も得られる。同様に、非水溶媒中におけるフッ素化鎖状カーボネートおよびフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方の含有量も、15体積%以上70体積%以下であることが好ましい。
このように、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、フッ素含有環状飽和炭化水素を含むことにより、高い耐酸化性を備えている。このため、4.3Vを超える高い充電電圧を有するデバイス(超高耐電圧型非水蓄電デバイス)、特に、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタといった蓄電デバイスに適している。また、これらの蓄電デバイスが高電圧動作する場合や、高温で保持される場合、長期にわたって充放電サイクルを繰り返す場合などにおいても、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は酸化による劣化が少なく、高率充放電特性が損なわれることがない。
また、フッ素含有環状飽和炭化水素はカーボネート基を有しないため、仮に酸化による分解が生じても、二酸化炭素を生成しない。このため、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を用いた蓄電デバイスでは、溶媒の酸化分解によって安全機構(CID)が作動するといった問題や電池が膨張するという問題が生じるのを回避することができる。
また、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物および25以上の比誘電率を有する化合物のみを含む場合においても、十分な特性を有しているが、鎖状カーボネートを含有させることにより、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物および25以上の比誘電率を有する化合物のみを含む場合に比べて、より高い濃度で支持電解質塩を溶解させることができる。具体的には、鎖状カーボネートを含有させた場合、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、蓄電デバイスの電解液に用いられる一般的な溶媒と同様、1mol/lを超える濃度で支持電解質塩を溶解することが可能である。このように、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は蓄電デバイスの電解液として十分なイオン電導度を備えており、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を用いることによって、高率充放電特性を備えた蓄電デバイスが実現する。
(第2の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイス用非水電解液の実施形態を説明する。本実施形態の電解液は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスに用いられる。
本実施形態の蓄電デバイス用非水電解液は、非水溶媒と支持電解質塩とを備える。
非水溶媒は、第1の実施形態で説明した蓄電用非水溶媒であり、フッ素含有環状飽和炭化水素と、25以上の比誘電率を有する化合物と、鎖状カーボネートとを含む。非水溶媒は、鎖状カーボネートに換えて、あるいは、鎖状カーボネートに加えてフッ素化鎖状カーボネートおよびフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方をさらに含有していてもよい。すでに非水溶媒については詳細に説明しているため、ここでの説明を省略する。
支持電解質塩には、蓄電デバイスの種類に応じて、一般的に用いられる支持電解質塩を特に制限なく、用いることができる。非水電解液における支持電解質塩の濃度も用途に応じて調整可能である。本実施形態の蓄電デバイス用非水電解液では、フッ素含有環状飽和炭化水素、25以上の比誘電率を有する化合物、鎖状カーボネートおよび支持電解塩を適宜選択することによって、0.5mol/l以上2mol/l程度の支持電解質塩濃度を実現することができる。蓄電デバイス用の非水電解液としては、特に、0.75mol/l以上1.5mol/l程度、典型的には約1mol/lの支持電解質塩濃度であることが好ましい。
本実施形態の電解液がリチウムイオン二次電池に用いられる場合には、支持電解質塩として、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiC65SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、C49SO3Li等のリチウム塩およびこれらの混合物を用いることができる。
また、本実施形態の電解液が電気二重層キャパシタの電解液として用いられる場合には、前述のリチウム塩に加えて、(C254NBF4、(C494NBF4、(C253CH3NBF4、(C254NPF6、(C253CH3N−N(SO2CF32、(C254N−N(SO2CF32、などの四級アンモニウム塩およびこれらの混合物を用いることができる。
本実施形態の電解液には、25以上の比誘電率を有する化合物と、鎖状カーボネートとが含まれているため、フッ素含有環状飽和炭化水素を含有していても支持電解質塩を十分な濃度で溶解、解離させることができる。したがって、本実施形態の電解液は高い耐酸化性および高いイオン電導性を備える。また、本実施形態の電解液を用いることによって、優れた高率充放電特性を有しつつ、4.3Vを超える高い電圧で充電が可能な蓄電デバイスを実現することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイスの実施形態を説明する。本実施形態の蓄電デバイスは、リチウムイオン二次電池である。図1(a)は本実施形態のリチウムイオン二次電池の斜視図であり、図1(b)は図1(a)におけるI−I断面を示している。
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、電極群13と、電極群13を収納する電池ケース14と、電池ケース14内に充填された非水電解液15とを備える。電極群13における正極は正極リード11に接続され、電極群における負極は負極リード12に接続されている。正極リード11および負極リード12は電池ケース14の外部に引き出されている。
非水電解液15は、第2の実施形態の非水電解液のうちリチウムイオン二次電池に用いられるものを用いる。例えば、エチレンカーボネート(EC)(市販バッテリーグレード)とエチルメチルカーボネート(EMC)(市販バッテリーグレード)とトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)が41:45:14の比率で混合された非水溶媒を非水電解液15に用いることができる。エチレンカーボネートは、25以上の比誘電率を有する化合物であり、エチルメチルカーボネートは鎖状カーボネートであり、トリフルオロメチルシクロペンタンはフッ素含有環状飽和炭化水素である。この非水溶媒に、支持電解質塩として、1mol/lの濃度でLiPF6(市販バッテリーグレード)が溶解されている。本実施形態では非水電解液15の一例としてこの組み合わせの非水溶媒および支持電解質塩を用いたが、第2の実施形態の電解液のうち、リチウムイオン二次電池に用いられる他の組み合わせのものを用いてもよい。
図1(c)は電極群13の断面を拡大して示している。図1(c)に示すように、電極群13は、正極1と、負極2と、正極2と負極2との間に設けられたセパレータ3とを備えている。正極1は、アルミニウム箔からなる正極集電体1aと、正極集電体1aの表面に塗布されたLiCoO2からなる正極活物質層1bとを有している。一方、負極2は、ステンレス(SUS304)製メッシュからなる負極集電体2aと、負極集電体2aの表面に圧着された金属リチウムからなる負極活物質層2bとを有している。セパレータ3は、例えばポリエチレン製の微多孔質シートからなる。
正極活物質層1bの材料としては、LiCoO2以外のリチウム含有遷移金属酸化物を用いてもよい。例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24、LixMn2-yy4(MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうちの少なくとも一種であり、x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=1.7〜2.3)が挙げられる。これらの材料以外でも、充電時の正極1の電位がリチウム基準で4Vを超えるような材料であればよい。また、正極活物質として、複数の異なった材料を混合して用いてもよい。正極活物質が粉末である場合には、平均粒径は特に限定はされないが、特に0.1〜30μmであることが好ましい。正極活物質層1bは、通常50μmから200μm程度の厚さを有するが、特に厚さに制約はなく、正極活物質層1bは、0.1μmから50μmの厚さを有していてもよい。
正極活物質層1bは、活物質以外の導電剤および結着剤の両方を含んでいてもよいし、いずれか一方のみを含んでいてもよい。または、正極活物質層1bは導電剤および導電剤のいずれも含んでおらず、活物質のみから構成されていてもよい。
正極活物質層1b用の導電剤は、正極1の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、黒鉛類やカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、金属粉末類、導電性ウィスカー類、導電性金属酸化物あるいは有機導電性材料などを単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1から50重量%が好ましく、特に1から30重量%が好ましい。
正極活物質層1bに用いられる結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。好ましい結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンをはじめとするポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)をはじめとするフッ素系樹脂やそれらの共重合体樹脂、ポリアクリル酸やその共重合体樹脂などである。
導電剤や結着剤の他にも、フィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤およびその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、リチウムイオン二次電池内で化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でもよい。
正極集電体1aの材料は、正極1の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何であってもよい。例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂などを用いることができる。また、正極集電体1aの表面には、表面処理により凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などのいずれであってもよい。厚みは、特に限定されないが、一般には1μmから500μmである。
負極活物質層2bの材料としては、各種天然黒鉛または各種人造黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素などの炭素材料やこれらの混合物を用いてもよいし、リチウム金属、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能なシリコンやスズなどの材料を含む複合材料や各種合金材料を用いてもよい。例えば、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが望ましい。さらには、チタン酸リチウムをはじめとするリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な酸化物材料やリチウム含有複合窒化物を用いることもできる。
負極集電体2aとしては、例えば、銅箔やニッケル箔、ステンレス箔などを用いてもよい。
本実施形態の非水電解液15は、第2の実施形態で説明したように、高い耐酸化性および高いイオン電導性を備える。したがって、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、優れた高率充放電特性を有し、かつ、4.3Vを超える高い電圧で充電が可能である。また、本実施形態のリチウムイオン二次電池では、非水溶媒の酸化分解によって安全機構(CID)が作動したり電池が膨張したりするのが抑制されている。
本実施形態はシート型のリチウムイオン二次電池を一例として説明したが、本実施形態のリチウムイオン二次電池は他の形状を有していてもよい。たとえば、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、円筒形や角形形状を有していてもよい。また、電気自動車等に用いる大型の形状を有していてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に好適に用いることができる。また、これら以外の機器にも用いることができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイスの実施形態を説明する。本実施形態の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタである。
本実施形態の電気二重層キャパシタは、図2に示すように、互いに対向する円盤型の電極23a、23bと、2枚の電極23a、23bの間に配置するセパレータ17とを備える。電極23aは、集電体16aと、集電体16aの表面に設けられた電極合剤22aとを有する。同様に、電極23bは、集電体16bと、集電体16bの表面に設けられた電極合剤22bとを有する。集電体16a、16bは例えばアルミニウム箔からなり、電極合剤22a、22bは例えば活性炭を含む。
電極23a、23bおよびセパレータ17からなる電極群は、円形の底面を有するケース21内に収容されている。ケース21の底面の上にはスペーサ18が配置され、スペーサ18の上に電極群が載置されている。ケース21の上部は開口しており、この開口は封止板19によって封止されている。ケース21と封止板19との間の隙間はガスケット20によって埋められている。
ケース21および封止板19の内部には、所定量の非水電解液24が含浸されている。非水電解液24は、プロピレンカーボネート(PC)(市販バッテリーグレード)とエチルメチルカーボネート(EMC)(市販バッテリーグレード)とトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)とが62:25:13の比率で混合された非水溶媒と、1mol/lの濃度で非水溶媒に溶解された(C254NBF4とを含む。プロピレンカーボネートは、25以上の比誘電率を有する化合物であり、エチルメチルカーボネートは鎖状カーボネートであり、トリフルオロメチルシクロペンタンはフッ素含有環状飽和炭化水素である。
本実施形態の非水電解液24は、第2の実施形態で説明したように、高い耐酸化性および高いイオン電導性を備える。したがって、本実施形態の電気二重層キャパシタは、優れた高率充放電特性を有し、かつ、4.3Vを超える高い電圧で充電が可能である。
本実施形態の電気二重層キャパシタはコイン型であるが、本実施形態の電気二重層キャパシタは他の形状を有していてもよく、例えば円筒形や角形であってもよい。
1.一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントおよび最高被占軌道(HOMO)エネルギーの評価
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーを計算した。また、比較のため、フッ素を有さないメチルシクロペンタン(MCH)の双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーも計算した。
双極子モーメントは、分子内分極の大きさを示す指標であり、実施形態の非水溶媒に含まれる極性溶媒の相溶性と関係がある。また、最高被占軌道エネルギーは、分子から電子を1個引き抜く際に必要なエネルギーを示す指標であり、溶媒の耐酸化性能と関係がある。
双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーは、量子化学的計算手法を用いて計算した。具体的には、市販の第一原理分子軌道計算ソフトウェアで行い、計算手法としては、密度汎関数法(B3LYP)を、基底関数には6−31G(d)を用いた。なお、エネルギー値の最適化は自己無頓着場計算により行った。
計算結果を表3に示す。また、図3に各フッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーをプロットした結果を示す。
Figure 0005948646
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントは、いずれも約1.6debyeよりも大きな値となった。最も双極子モーメントが小さいフッ素含有環状飽和炭化水素は、(1−フルオロエチル)シクロペンタン(1FECP)であり、双極子モーメントは1.66である。これに対し、メチルシクロペンタンの双極子モーメントは0.07debyeであった。
また、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の最高被占軌道エネルギーは、いずれもエチレンカーボネートの−8.00eVより小さい値となった。酸化反応は、分子から電子を引き抜く反応であるので、最高被占軌道エネルギーが小さい(負に大きい)ほど、電子を引く抜くために大きなエネルギーを必要とし、耐酸化性が高いといえる。よって、シクロペンタン環構造にフッ素原子を有するアルキル基を置換基として導入した実施形態のフッ素含有環状飽和炭化水素は、いずれも高い耐酸化性を有することが分かる。耐酸化性と粘性の観点から、フッ素含有環状飽和炭化水素として、トリフルオロメチルシクロペンタン、(ペンタフルオロエチル)シクロペンタン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタンを用いることが特に好ましい。このため、蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液はこれらの化合物を含むことがより好ましい。
2.非水溶媒に対する支持電解質塩の溶解性
<非水電解液の調製>
(実施例1)
表4に示すように、25以上の比誘電率を有する化合物としてエチレンカーボネート(EC)、鎖状カーボネートとしてエチルメチルカーボネート(EMC)およびフッ素含有環状飽和炭化水素としてトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)を異なる比率で混合し、複数種類の非水溶媒を調製した。1および2mol/lの各濃度で得られた非水溶媒にLiPF6を添加後、よく混合し、電解液A、B、C、D、E、F、G、H、I、Jを得た。
Figure 0005948646
(実施例2)
25以上の比誘電率を有する化合物として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、スルホラン(SLF)、3−メチルスルホラン(3MeSLF)を用意した。また、鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MiPC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジブチルカーボネート(DBC)を用意した。フッ素含有飽和環状炭化水素としてトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン(11BTFMCP)、2−フルオロエチルシクロペンタン(2FECP)を用意した。これらを表5から表8に示すようにそれぞれ異なる比率で混合し、複数種類の非水溶媒を調製した。0.5、1mol/lの濃度でこれらの非水溶媒にLiPF6を添加後、よく混合し、電解液K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、Wを得た。
(比較例1)
表9に示すように、プロピレンカーボネート(PC)とトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)を75:25の比率で混合した非水溶媒を調製し、0.2mol/lの濃度でLiPF6を添加後、よく混合し、電解液Xを得た。また、プロピレンカーボネート(PC)のみを非水溶媒として、0.5mol/lの濃度でLiPF6を添加後、よく混合し、電解液Yを得た。さらに、プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を75:25の体積比率で混合した非水溶媒を調製し、0.5mol/lの濃度でLiPF6を添加後、よく混合し、電解液Zを得た。
Figure 0005948646
Figure 0005948646
Figure 0005948646
Figure 0005948646
Figure 0005948646
なお、用いた溶媒は次のようにして調製した。
[メチルプロピルカーボネート]
[メチルイソプロピルカーボネート]
[ジプロピルカーボネート]
[ジブチルカーボネート]
メチルプロピルカーボネート(MPC)[CAS RN:56525−42−9]、メチルイソプロピルカーボネート(MiPC)[CAS RN:51729−83−0]、ジプロピルカーボネート(DPC)[CAS RN:623−96−1]、ジブチルカーボネート(DBC)[CAS RN:542−52−9]には市販品を用い、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)により精製を行った。得られた精製物の純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、いずれも純度は99.5%以上であった。さらに、電解液調製の直前に、真空中200℃で12時間処理したモレキュラーシーブ[4A]を用いて脱水処理を行った。処理後の水分量は、いずれも20ppm以下であった。
[トリフルオロメチルシクロペンタン]
トリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)は、以下に示す合成法により得た。
3.4gのシクロペンタンカルボン酸(関東化学製)を30mlバルブ付きステンレス製オートクレープに収納し、ドライアイス-アセトン浴で冷却した。減圧して、バルブから10gのSF4(関東電化工業製)を導入した。オートクレーブを密閉し、130℃に加熱した状態で24時間反応させた。反応後、バルブからガス成分を除去した後、反応混合物を飽和重曹水で洗浄した。洗浄後の反応混合物を、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)で精製し、無色の液体2.4gを得た。
1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、1.50〜1.92ppmにピークを持つ水素8原子に相当するマルチプレット、2.46〜2.66ppmにピークを持つ水素1原子に相当するマルチプレットが観測され、この化合物の水素原子数は、9個であることが分かった。また19F−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、−71.78ppmにピークを持つフッ素3原子に相当するダブレットが観測された。
以上の結果より、上記の無色の液体は、トリフルオロメチルシクロペンタンであることが分かった。なお、純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製ガスクロマトグラフ使用)により測定したところ、99.1%であった。
[1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン]
1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン(11BTFMCP)は、以下に示す合成法により得た。
4.7gのシクロペンタン−1,1−ジカルボン酸(Syntechem社製)を30mlバルブ付きステンレス製オートクレープに収納し、ドライアイス-アセトン浴で冷却した。減圧して、バルブから20gのSF4(関東電化工業製)を導入した。オートクレーブを密閉し、120℃に加熱した状態で24時間反応させた。反応後、バルブからガス成分を除去した後、反応混合物を飽和重曹水で洗浄した。洗浄後の反応混合物を、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)で精製し、無色の液体3.5gを得た。
1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、1.70〜1.81ppmにピークを持つ水素4原子に相当するマルチプレット、2.00〜2.10ppmにピークを持つ水素4原子に相当するマルチプレットが観測され、この化合物の水素原子数は、8個であることが分かった。また19F−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、−72.79ppmにピークを持つフッ素6原子に相当するシングレットが観測された。
以上の結果より、上記の無色の液体は、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタンであることが分かった。なお、純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製ガスクロマトグラフ使用)により測定したところ、99.0%であった。
[2−フルオロエチルシクロペンタン]の合成
2−フルオロエチルシクロペンタン(2FECP)は、以下に示す合成法により得た。
4.7gの2−シクロペンタンエタノール(東京化成工業製)を100ml反応器に収納し、8.6mlのトリエチルアミン(東京化成工業製)と47mlの脱水ジクロロメタン(関東化学製)を加え5℃に氷冷した。この溶液に3.8mlのメタンスルホニルクロリド(関東化学製)をゆっくりと加え、5℃で1時間撹拌した。撹拌後、展開溶媒にヘキサンと酢酸エチルの3:1の混合溶媒を用いたシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料のスポットが消失し新たなスポットができていることを確認した。この溶液に蒸留水50mlを加え2層に分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後、無水硫酸マグネシウムを添加し高真空下で乾燥し、淡橙色を呈した7.8gの2−シクロペンチルエチルメタンスルホネートを得た。純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製ガスクロマトグラフ使用)により測定したところ、97.0%であった。
7.8gの2−シクロペンチルエチルメタンスルホネートを100ml反応器に収納し、25.4gのテトラブチルアンモニウムフルオリド(和光純薬工業製)と12.0gのアセトニトリルを加え50℃で18時間撹拌した。撹拌後の反応混合物のガスクロマトグラフィー(島津製作所製ガスクロマトグラフ使用)分析により、2−シクロペンチルエチルメタンスルホネートに由来するピークが消失し反応が完了していることを確認した。この反応混合物に20mlの蒸留水と30mlのペンタン(関東化学製)を加え2層に分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後、無水硫酸マグネシウムを添加し高真空下で乾燥し、さらに60℃のバス温で溶媒のペンタンを留去した。残渣の反応混合物を、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)で精製し、無色の液体2.8gを得た。
1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、4.54、4.52、4.51、4.42、4.40、4.39ppmに水素2原子に相当するトリプレットがフッ素原子とカップリングした6個のピーク、1.49〜1.96ppmにピークを持つ水素9原子に相当するマルチプレット、1.08〜1.17ppmにピークを持つ水素2原子に相当するマルチプレットが観測され、この化合物の水素原子数は、13個であることが分かった。また19F−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、−218.4ppmにピークを持つフッ素1原子に相当するシングレットが観測された。
以上の結果より、上記の無色の液体は、2−フルオロエチルシクロペンタンであることが分かった。なお、純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製ガスクロマトグラフ使用)により測定したところ、99.6%であった。
[トルフルオロメチルシクロヘキサン]
トリフルオロシクロへキサン(TFMCH)[CAS RN:401−75−2]は市販品を用いた。市販品の精製を回転バンド式精密分留装置(大科工業製)により行った。得られた精製物の純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、純度は99.5%であった。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートには市販のリチウムバッテリーグレートを用いた。
<評価方法および結果>
実施例1、2および比較例1の電解液AからZの状態を目視によって観察した。非水溶媒の組成、LiPF6の添加量および評価結果をそれぞれ表4から表9に示す。
表4に示すように、25以上の比誘電率を有する化合物としてエチレンカーボネート(EC)、鎖状カーボネートとしてエチルメチルカーボネート(EMC)、フッ素含有飽和環状炭化水素としてトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)を用いた電解液A、B、C、D、E、F、G、H、I、Jは1mol/l以上の濃度で支持電解質塩であるLiPF6を溶解することが可能であり、均一な非水電解液が得られた。
また、表5から表8に示すように、25以上の比誘電率を有する化合物として、プロピレンカーボネート(PC)、スルホラン(SLF)、3−メチルスルホラン(3MeSLF)を用い、鎖状カーボネートとしてジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC))、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MiPC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジブチルカーボネート(DBC)、フッ素含有飽和環状炭化水素としてトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタン(11BTFMCP)、(2−フルオロエチル)シクロペンタン(2FECP)を用いた場合も同様に高い濃度で支持電解質塩であるLiPF6を溶解することが可能であり、電解液K、L、M、O、P、Q、R、S、T、U、V、Wが得られた。非水溶媒が鎖状カーボネートを含まず、高誘電率溶媒およびフッ素含有環状飽和炭化水素としてのトリフルオロシクロペンタン(TFMCP)を含む場合は、0.5mol/lの支持電解質塩濃度で均一な非水電解液Nを得ることが可能である。
非水溶媒が鎖状カーボネートを含まず、高誘電率溶媒およびフッ素含有環状飽和炭化水素としてトリフルオロシクロヘキサン(TFMCH)を含む場合には、表9に示したように、支持電解質塩の濃度が0.2mol/lと低濃度であれば均一な非水電解液Xが得られた。非水電解液Nは、鎖状カーボネートを含んでいないが、トリフルオロシクロヘキサン(TFMCH)を用いた非水電解液Xよりも高い濃度で支持電解質塩を溶解することが分かった。
3.非水電解液の電導度
以下、実験例1、2および比較例1として作製した電解液の電導度を測定した結果を説明する。
<電導度の測定>
実施例1、2および比較例1の電解液のうち、電解液D、K、L、N、O、X、Y、Zのそれぞれについて電導度計(東亜ディーケーケー製)を用いて電導度を測定した。表10に、各電解液の電導度の測定値を示す。
Figure 0005948646
表10に示したように、電解液D、K、L、N、O、Y、Zは、4.0mS/cm以上の電導度を有しているが、電解液Xは、2.7mS/cmの電導度しか有していない。これは、電解液Xでは支持電解質塩が高濃度で溶解していないためである。
4.リチウムイオン二次電池の作製および特性の評価
以下、リチウムイオン二次電池を作製し、その特性を評価した結果について説明する。
<電解液の調製>
(実施例3)
実施例3として、表11の組成で調製した電解液3A、3B、3C、3D、3E、を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 0005948646
(比較例2)
比較例2として、表12の組成で調製した電解液3F、3G、3Hを用いてリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 0005948646
リチウムイオン二次電池の作製方法は以下の通りである。
<正極の作製>
まず、正極活物質としてLiCoO2(平均粒径10μm、BET法による比表面積0.38m2/g)を準備した。100重量部の活物質に、導電剤であるアセチレンブラックを3重量部、結着剤であるポリフッ化ビニリデンを4重量部、および適量のN−メチル−2−ピロリドンを加え、攪拌・混合して、スラリー状の正極合剤を得た。なお、ポリフッ化ビニリデンは、あらかじめN−メチル−2−ピロリドンに溶解した状態で用いた。
次に、図4に示すように、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体1aの片面に、前記スラリー状正極合剤を塗布し、塗膜を乾燥し、ローラーで圧延することにより、正極集電体1a上に正極活物質層1bが設けられた正極1を得た。
正極活物質として用いたLiCoO2の調製法は以下の通りである。
硫酸コバルト飽和水溶液を低速で撹拌しながら水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液を滴下して、Co(OH)2の沈殿を得た。この沈殿物をろ過、水洗した後、空気中で80℃に加熱することにより乾燥した。得られた水酸化物の平均粒径は、約10μmであった。
次に、得られた水酸化物に対して、空気中で380℃の熱処理を10時間行うことにより、酸化物Co34を得た。粉末X線回折により、得られた酸化物が単一相を有することを確認した。
さらに、得られた酸化物に、Coのモル数とLiのモル数との比が1.00:1.00になるように炭酸リチウムの粉末を混合し、乾燥空気中で1000℃の熱処理を10時間行うことにより、目的とするLiCoO2を得た。粉末X線回折(リガク製)により、得られたLiCoO2が単一相の六方晶層状構造を有することを確認した。粉砕および分級の処理を行った後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製)による観察から、粒径が10〜15μm程度であることを確認した。なお、平均粒径は、散乱式粒度分布測定装置(HORIBA製)を用いて求めた。
得られた極板を、図4に示す寸法に打ち抜いて、リード取り付け部であるタブの部分の正極活物質層1bを剥離し正極1を得た。正極活物質層1bが設けられた正極集電体1aは30mm×40mmの長方形状を有する。
<負極の作製>
まず、ステンレス(SUS304)製メッシュを図5に示す寸法に打ち抜いて、負極集電体2aを形成した。負極集電体2aは、31mm×41mmの長方形状を有する電極部と、7mm×7mmの正方形状を有するリード取り付け部とを有する。負極集電体2aのうちの電極部の上に、厚さ150μmの金属リチウムからなる負極活物質層2bを圧着して、負極2を得た。
<組み立て>
得られた正極1および負極2を、セパレータ3を介して積層し、図1(c)に示すような電極群13を作製した。セパレータとしては、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔質シートを用いた。
次に、図1(a)に示すように、電極群13の正極1にアルミニウム製の正極リード11を、負極2にニッケル製の負極リード12を溶接した。その後、電極群13を、3方向が開口している厚さ0.12mmのアルミラミネートフィルム製の電池ケース14の内部に収容し、PP製のテープで電池ケース14の内面に固定した。正極リード11および負極リード12が出ている開口部を含む開口部を熱溶着し、1つの開口部のみを熱溶着せずに残して、電池ケース14を袋状とした。熱溶着していない開口部から、非水電解液15として電解液3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3Hのそれぞれを注入し、減圧および脱気後、減圧状態で開口部を熱溶着することにより、電池内部を密封した。電解液3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3Hから、電池3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3hを得た。厚さ0.5mm、幅50mm、高さ100mmのサイズを有し、この電池が4.3Vで充電された時の設計容量は40mAhであった。
<高率放電特性の評価>
作製した各電池3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3hを用いて高率放電特性の評価を行った。
25℃の環境下において、電流値2mAで4.3Vまで定電流充電を行った。その後、電流値2mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を初期放電容量とした。
次に、電池3d、3f、3g、3hについて、電流値8mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が2mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。その後さらに、電流値8mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を0.2C高率放電容量とした。各電池の初期放電容量に対する高率放電容量の割合を0.2C高率放電特性(0.2C高率放電特性=0.2C高率放電容量/初期放電容量)とし、その百分率を表13に示す。
また、電池3a、3b、3c、3d、3eについて、電流値8mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が2mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。その後さらに、電流値40mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を1C高率放電容量とした。各電池の初期放電容量に対する1C高率放電容量の割合を1C高率放電特性(1C高率放電特性=1C高率放電容量/初期放電容量)とし、その百分率を表14に示す。
<高温保存>
作製した各電池3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3hを用いて、充電状態での高温保存試験を行った。
25℃の環境下において、2mAで4.3Vまで定電流充電を行った。次に、充電状態の各電池を恒温槽中85℃の環境下で3日間保持した。このとき、電解液に含まれる溶媒が酸化分解するとCO2が発生すると考えられる。その後、恒温槽中から各電池を取り出し、発生したガス量の定量とガスクロマトグラフィーによる成分分析を行った。その結果から算出されたCO2の発生量を表13、表14に示す。
表13に示すように、プロピレンカーボネート(PC)のみを非水溶媒として用いている比較例2の電池3gでは0.2C高率放電特性が26.2%であるのに対して、フッ素含有環状飽和炭化水素を含有する実施例3の電池3dでは41.3%と改善されている。これは、実施例3の電池3dでは、フッ素含有環状飽和炭化水素を含有していることによる電解液の粘性が低下し、リチウムイオンやカウンターアニオンが拡散しやすくなることによって、放電容量が高められるからと考えられる。さらに、トリフルオロメチルシクロヘキサンを非水溶媒として用いた比較例3fの電池に比べて、実施例3の電池ではより高い0.2C高率放電特性が得られている。これも上述したように、トリフルオロメチルシクロヘキサンよりもトリフルオロメチルシクロペンタンのほうが粘性が小さいことによるものと考えられる。
表14に示すように、鎖状カーボネートを含有する実施例3の電池3a、3b、3c、3eでは、1C高率放電特性が40%以上であるが、実施例3の電池3dでは1.1%である。これは、実施例3の電池3a、3b、3c、3eの非水電解液が鎖状カーボネートを含むことによって、非水電解液の支持電解質塩濃度を高めることができ、イオン電導性が向上しているからと考えられる。このように、本実施形態の電解液を用いることにより、プロピレンカーボネート(PC)のみを非水溶媒として用いた電解液電解液と比較して、高率放電特性の低下を改善することができる。
なお、フッ素含有飽和環状炭化水素としてトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)を用いた電解液3Aの電導度は、表10において電解液Dとして示したように7.5mS/cmであるが、同じ組成比でトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)をトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)に置き換えた場合には7.0mS/cmであった。トリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)よりもトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)の方が低粘度であるために、これを用いることで、電解液の粘性を低下させ、電導度を向上させる効果があると考えられる。
また、実施例3の電池3a、3b、3c、3d、3e、では高温保存時のCO2ガスの発生量が0.6ml以下であり、フッ素含有飽和環状炭化水素を含むことにより電解液の酸化が抑制されている。この効果は、非水電解液が鎖状カーボネートを含むか否かに関わらず同程度に得られている。
これに対して、フッ素含有飽和環状炭化水素を含有していない電解液を用いた比較例の電池3g、3hでは高温保存時のCO2ガスの発生量が1.1ml以上となっている。
Figure 0005948646
Figure 0005948646
5.電気二重層キャパシタの作製および評価
以下、電気二重層キャパシタを作製し、その特性を評価した結果を説明する。電気二重層キャパシタの作製方法は以下の通りである。
<電解液の調製>
(実施例4)
実施例4として、プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とトリフルオロメチルシクロペンタン(TFMCP)とを重量比率62:25:13で混合して、混合溶媒を調製した。この混合溶媒に、1mol/lの濃度で(C254NBF4を溶解させて電解液4Aを得た。
(比較例3)
比較例として、プロピレンカーボネート(PC)のみを溶媒として含む電解液を調製して、(C254NBF4を1mol/lの濃度で溶解することにより、電解液4Bを得た。
<電極の作製>
電極は活性炭粉末(比表面積1700m2/g、平均粒子径2μm)を用いて作製した。活性炭粉末100mgとアセチレンブラック20mgとを均一に混合し、ポリビニルピロリドン20mg、メタノール800mgを加えてスラリーを得た。このスラリー状の電極合剤をアルミニウム箔からなる集電体上に塗布し、真空乾燥を行った。電極合剤の塗布重量は、集電体の単位面積あたり2.2mg/cm2であった。得られた極板を、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて電極とした。
<組み立て>
円盤状に打ち抜いた電極を用いて、図2に示すようなコイン型電気二重層キャパシタを組み立てた。まず、直径15mmの円形に打ち抜いたポリプロピレン製不織布シートからなるセパレータ17を介して電極23a、23bを互いに対向させて配置させ、電極群とした。電極群をケース21の内部に収容し、所定量の各種電解液4A、4Bを含浸させた後、ガスケット20を装着した封止板19により、キャパシタ内部を密封した。これにより、電解液4Aを用いた電気二重層キャパシタ4a、電解液4Bを用いた電気二重層キャパシタ4bを作製した。
<充放電試験の評価>
作製した電気二重層キャパシタ4a、4bに対して、25℃の環境下において、0.1mAの定電流で0Vから2.0Vの電圧範囲での充放電試験を行った。図6に電気二重層キャパシタ4a、図7に電気二重層キャパシタ4bの充放電試験結果を示す。
図6および図7に示すように、実施例4の電気二重層キャパシタ4aおよび比較例3の電気二重層キャパシタ4bのいずれを用いた場合においても、ほぼ同等の特性が得られている。
したがって、本願に開示された蓄電デバイス用非水電解溶媒および電解液は、電気二重層キャパシタにも好適に用いることができることが分かる。
本実施例では実施形態の蓄電デバイス用非水電解溶媒および電解液を用いることによって従来と同等以上の電気二重層キャパシタが作製できることを確認することが主たる目的であったため、作製した電気二重層キャパシタの高温保存試験は行っていない。しかし、実施例3における電解液と同様に、本実施例4における電解液では高電位状態での酸化反応が抑制されるため、本実施例4の電気二重層キャパシタでは高い信頼性を得ることができる。
6.フッ素化鎖状カーボネート及びフッ素化鎖状エステルの効果
以下、リチウムイオン二次電池を作製し、その特性を評価した結果について説明する。
<電解液の調製>
(実施例5)
実施例5として、表15の組成で調製した電解液5A、5B、5Cを用いてリチウムイオン二次電池を作製した。電解液5Aは、実施例3の電解液3Aの非水溶媒においてEMCをメチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート(FEMC)に置き換えたものである。電解液5Bは、実施例3の電解液3Aの非水溶媒においてEMCをメチル3,3,3−トリフルオロプロピオネート(FMP)に置き換えたものである。電解液5Cは、実施例3の電解液3Aの非水溶媒組成においてEMCを2,2,2−トリフルオロエチルアセテート(FEA)に置き換えたものである。
なお、FEMCは特開平6−219992号公報で開示されている製造方法と同様の方法で、FMPとFEAとは特開2009−289414号公報で開示されている製造方法と同様の方法によって合成した。
Figure 0005948646
リチウムイオン二次電池の作製方法は以下の通りである。
<正極の作製>
実施例3と同様にして正極を作製した。
<負極の作製>
実施例3と同様にして正極を作製した。
<組み立て>
非水電解液15として、電解液5A、5B、5Cのそれぞれを注入した以外は、実施例3と同様に組み立てて電池を作製した。電解液5A、5B、5Cから、電池5a、5b、5cを得た。厚さ0.5mm、幅50mm、高さ100mmのサイズを有し、この電池が4.3Vで充電された時の設計容量は40mAhであった。
<高率放電特性の評価>
作製した各電池5a、5b、5cを用いて、高率放電特性の評価を行った。25℃の環境下において、電流値2mAで4.3Vまで定電流充電を行った。その後、電流値2mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を初期放電容量とした。
次に、電池5a、5b、5cについて、電流値8mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が2mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。その後さらに、電流値40mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を1C高率放電容量とした。各電池の初期放電容量に対する1C高率放電容量の割合を1C高率放電特性(1C高率放電特性=1C高率放電容量/初期放電容量)とし、その百分率を表16に示す。
<高温保存>
作製した各電池5a、5b、5cを用いて、充電状態での高温保存試験を行った。
25℃の環境下において、2mAで4.3Vまで定電流充電を行った。次に、充電状態の各電池を恒温槽中85℃の環境下で3日間保持した。このとき、電解液に含まれる溶媒が酸化分解するとCO2が発生すると考えられる。その後、恒温槽中から各電池を取り出し、発生したガス量の定量とガスクロマトグラフィーによる成分分析を行った。その結果から算出されたCO2の発生量を表16に示す。
Figure 0005948646
表16に示すように、実施例3の電池3a(表14)と比較して、EMCをフッ素化鎖状エステルに置換した電池5b、5cは、いずれも1C高率放電特性が向上すると共に、CO2の発生量が抑制されている。これは、一般的に鎖状カーボネートより鎖状エステルの方が粘度が低く、電解液中をリチウムイオンが移動しやすくなるため、高率放電特性が向上するからであると考えられる。また、鎖状エステルは耐酸化性が一般的に低いがフッ素原子を導入することにより、耐酸化性が向上し、酸化による分解が抑制されるからであると考えられる。
実施例3の電池3aと比較して、EMCをフッ素化鎖状カーボネートに置換した電池5aでは、1C高率放電特性が幾分低下している。これは、EMCをフッ素化することにより、耐酸化性が向上するものの粘度が幾分上昇した結果であると考えられる。しかし、電池3b、3c、3d、3eの1C高率放電特性よりも向上しているため、電池5aは実用上、十分に優れた高率放電特性を有していると考えられる。また、実施例3の電池3aと比較して、電池5aにおけるCO2の発生量は1/2以下に抑制されている。
実施例5の結果より、フッ素含有環状飽和炭化水素であるTFMCPと、比誘電率25以上の環状カーボネートであるECと、フッ素化鎖状カーボネート及びフッ素化鎖状エステルの少なくとも一方とを混合した非水溶媒を用いれば、高率放電特性とCO2発生が抑制され、高温保存信頼性の優れたリチウムイオン二次電池を提供することが可能となることが分かる。
本願に開示された蓄電デバイス用非水溶媒および電解液によれば、高電圧下における耐酸化性に優れると共に、高いイオン伝導性を有する蓄電デバイス用非水溶媒および電解液が実現する。また、高電圧で充電しても、高い充放電特性、長期および高温信頼性を示す蓄電デバイスが実現できる。特に高い電圧で充電される種々の蓄電デバイスに好適に用いられる。
1 正極
1a 正極集電体
1b 正極活物質層
2 負極
2a 負極集電体
2b 負極活物質層
3 セパレータ
11 正極リード
12 負極リード
13 電極群
14 電池ケース
15 電解液
16a、16b アルミニウム集電体
17 セパレータ
18 スペーサ
19 封止板
20 ガスケット
21 ケース
22a、22b 電極合剤
23a、23b 電極

Claims (15)

  1. 下記一般式(1)(一般式(1)中、RはC n 2n+1 で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの少なくとも1つはFであり、それ以外のXはHである。)で表され、かつ、1または2個の置換基Rがシクロペンタン環に導入された構造を有するフッ素含有環状飽和炭化水素と、
    Figure 0005948646
    25以上の比誘電率を有する化合物と
    メチル3,3,3−トリフルオロプロピオネート、または、2,2,2−トリフルオロエチルアセテートの少なくとも一方と
    を含む、蓄電デバイス用非水溶媒。
  2. 鎖状カーボネートをさらに含む請求項1に記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  3. 水素原子の一部がフッ素で置換されたフッ素化鎖状カーボネートをさらに含む請求項1に記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  4. 前記nは1または2である請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  5. 前記フッ素含有環状飽和炭化水素がトリフルオロメチルシクロペンタンである、請求項1から4のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  6. 前記フッ素含有環状飽和炭化水素が1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロペンタンである、請求項1から4のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  7. 前記フッ素含有環状飽和炭化水素が(2−フルオロエチル)シクロペンタンである、請求項1から4のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  8. 前記25以上の比誘電率を有する化合物は環状カーボネートまたは環状スルホンである請求項1から7のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  9. 前記フッ素化鎖状カーボネートがメチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネートである請求項3に記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  10. 請求項1からのいずれかに規定される蓄電デバイス用非水溶媒と、
    支持電解質塩と
    を備える蓄電デバイス用非水電解液。
  11. 前記支持電解質塩はリチウム塩である請求項10に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  12. 前記支持電解質塩は四級アンモニウム塩である請求項10に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  13. 請求項1からのいずれかに規定される蓄電デバイス用非水溶媒を備えた蓄電デバイス。
  14. 請求項10から12のいずれかに規定される蓄電デバイス用非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池。
  15. 請求項10から12のいずれかに規定される蓄電デバイス用非水電解液を備えた電気二重層キャパシタ。
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