JP5308314B2 - 蓄電デバイス用非水溶媒および蓄電デバイス用非水電解液、ならびに、これらを用いた蓄電デバイス、リチウム二次電池および電気二重層キャパシタ - Google Patents

蓄電デバイス用非水溶媒および蓄電デバイス用非水電解液、ならびに、これらを用いた蓄電デバイス、リチウム二次電池および電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、電気化学エネルギーを貯蓄あるいは蓄積する蓄電デバイスに用いられる非水溶媒および非水電解液、ならびに、これらを用いたリチウム二次電池および電気二重層キャパシタに関する。
近年、蓄電素子単体の充電電圧および放電電圧が1.5Vを超える高電圧型の蓄電デバイスの開発が進められており、このような高電圧型の蓄電デバイスとして、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、電気二重層キャパシタ等が実用化されている。
高電圧型の蓄電デバイスには、有機化合物を溶媒とする非水電解液が用いられる。電解液の溶媒として水を用いると、高い充電電圧および放電電圧によって水の電気分解が生じてしまうからである。また、水と反応する活性なリチウムを含み、リチウムの吸蔵または放出を利用する電極を備えた蓄電デバイスにも非水電解液が用いられる。
非水電解液には、使用される蓄電デバイスの放電性能を高めるため、高い導電性と、粘度の低さが望まれる。また、二次電池や電気二重層キャパシタ等の溶媒として用いられる場合には、充放電を繰り返すことによって蓄電デバイスの性能が劣化しないように、化学的かつ電気化学的に安定であることが必要とされる。
これらの観点から、例えば、リチウムイオン二次電池の非水電解液の主溶媒として、従来はエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート(環状炭酸エステル)とエチルメチルカーボネートやジメチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート(鎖状炭酸エステル)との混合系溶媒が用いられている。また、電気二重層キャパシタの非水電解液の主溶媒には、プロピレンカーボネートに代表される環状カーボネートが広く用いられている。
上述したような蓄電デバイスは、移動体通信機器や携帯電子機器の主電源、バックアップ電源および電気回路用電源として広く利用されている。これらの機器は、近年より一層小型で高性能であることが求められており、蓄電デバイスの体積エネルギー密度を、より一層、向上させることが求められている。
蓄電デバイスの体積エネルギー密度を向上させるためには、平均放電電圧の向上および体積容量密度の向上を図る必要があり、その実現手段の1つとして、充電電圧の高電圧化が検討されている。
リチウムイオン二次電池の場合、充電電圧を高くすることにより、正極材料の持つリチウムの利用効率を向上させることが可能になり、体積容量密度が高くなる。正極材料としては、一般的に、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物が用いられる。また、電気二重層キャパシタの場合、充電電圧を高くすることにより電気二重層容量の値を大きくすることが可能になり、体積容量密度を高めることができる。
しかしながら、一対の電極群のいずれか一方の電極をリチウムの溶解析出電位を基準として4.3V以上まで充電した場合、耐酸化性に優れ、高電圧型の蓄電デバイスに適した非水溶媒として知られる鎖状カーボネート類や環状カーボネート類であっても、酸化分解してしまいガスが発生する。この分解反応は特に高温状態において顕著に進行し、多量のガス発生を伴う。このため、例えば、電池の過充電に対して充電電流を遮断する内圧感知型電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)が、このような非水溶媒を含む高電圧型のリチウムイオン二次電池に搭載されている場合、CIDが誤作動して、電池としての機能が失われてしまうことがある。また、CIDが搭載されていない場合には、ガスの発生量が多くなると電池が膨張するといった問題が生じる。
特許文献1は、鎖状カーボネート類や環状カーボネート類の超高電位下での酸化分解を抑制するために、環状スルホン酸エステルを含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池を開示している。このような非水電解質二次電池では、正極が4.5V以上の電位となるまで充電されると、環状スルホン酸エステルが正極で酸化分解され、正極表面に被膜が形成される。この被膜が形成されることにより、正極表面での溶媒の分解が抑制される。
一方、特許文献2および3は、非水溶媒に、「フッ素原子を有していてもよい炭化水素化合物」を0.01重量%以上5重量%以下含有させることを開示している。これらの特許文献によれば、電極表面の活性点に、酸化および還元に対して安定な炭化水素化合物が存在することにより、高温状態での非水電解液成分と電極活物質との副反応を抑制することができると記載されている。
また、特許文献4は、非対称の非環状スルホンおよび鎖状エステル化合物を含む非水電解液を用いることによって、非水電解液の分解を防止し、放電容量の低下を抑制することができると開示している。
特開2005−149750号公報 特開2004−111359号公報 特開2006−286650号公報 特開2000−21447号公報
しかし、特許文献1に開示されている非水電解質二次電池では、鎖状カーボネート類や環状カーボネート類の分解反応を抑制することができるものの、その効果は十分ではない。さらに、正極表面に被膜が形成されるため、正極活物質界面における電荷移動抵抗が増大し、電池の内部抵抗が上昇すると共に高率放電性能が低下するという問題が発生する。
また、特許文献2および3に開示されている非水電解質二次電池では、「フッ素原子を有していてもよい炭化水素化合物」によって、高温状態での非水電解液成分と電極活物質との副反応を抑制することができると記載されているが、炭化水素化合物の含有率は、5重量%以下と少ない。また、炭化水素化合物は、正極表面に吸着または配位等する性質を有しているものでもないため、正極表面に選択的に高濃度で存在するということもない。したがって、特許文献2および3では、副反応抑制の効果が十分に得られるとはいえない。
さらに、特許文献4に開示されている非水電解質二次電池では、スルホン類以外に鎖状エステル化合物も含んでいる。例えば、実施例に鎖状エステル化合物として酢酸エチル(EA)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)などを用い、黒鉛材料を負極とした電池で充電電圧を4.1Vとしてサイクルを繰り返した例が開示されている。しかし、前記の鎖状エステル化合物は耐酸化性が低いため、より高い電圧まで充電を行った場合には比較的容易に酸化分解してガス発生が生じる。
本発明はこのような従来技術に鑑み、耐酸化性に優れる蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を提供することを目的とする。また、本発明は、分解してもガスの発生量が少ない蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を提供することを目的とする。さらに、このような蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液を用いることにより、高電圧で充電しても、高い充放電特性を有し、かつ、高温状態においても長期にわたり高い信頼性を有する蓄電デバイスを提供することも目的とする。
本発明の蓄電デバイス用非水溶媒は、下記一般式(1)で表され、かつ、1または2個の置換基Rがシクロヘキサン環に導入された構造を有するフッ素含有環状飽和炭化水素(一般式(1)中、RはCn2n+1で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの1つはFであり、それ以外のXはFまたはHである。)と、
Figure 0005308314
下記一般式(2)で表される鎖状スルホン化合物(一般式(2)中、R1、R2は、それぞれ独立した炭素数1〜4のアルキル基である。)と、
Figure 0005308314
下記一般式(3)で表される環状スルホン化合物(一般式(3)中、Xは、炭素数1〜7のアルキレン基であり、直鎖状または分枝を有していてもよい。)を含む。
Figure 0005308314
ある好ましい実施形態において、前記一般式(1)において、nは1または2である。
ある好ましい実施形態において、前記鎖状スルホンが非対称の鎖状スルホンである。
本発明の蓄電デバイス用非水電解液は、上記いずれかの蓄電デバイス用非水溶媒と、支持電解質塩とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記支持電解質塩はリチウム塩である。
ある好ましい実施形態において、前記支持電解質塩は四級アンモニウム塩である。
本発明の蓄電デバイスは、上記いずれかの蓄電デバイス用非水溶媒または蓄電デバイス用非水電解液を備える。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記いずれかの蓄電デバイス用非水溶媒または蓄電デバイス用非水電解液を備える。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記いずれかの蓄電デバイス用非水溶媒または蓄電デバイス用非水電解液を備える。
本発明の蓄電デバイスの非水溶媒は、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素を含むため、高い耐酸化性を備え、酸化による分解にはガスの生成を伴わない。また、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンを含むことにより、支持電解質塩をよく溶解、解離させることができる。なおかつ、鎖状スルホンと環状スルホンの両者を含むことにより、それぞれを単独で含む場合と比較して充放電特性を向上させることができる。
したがって、本発明の蓄電デバイスの非水溶媒を用いた蓄電デバイスは、高電圧で充電しても、高い充放電特性を備え、長期信頼性および高温信頼性を示す。
(a)は本発明によるリチウムイオン二次電池の実施形態を示す斜視図であり、(b)は、図1(a)のI-I線に沿った断面図であり、(c)は、図1(a)、(b)に示す電極群13の断面を拡大して示す図である。 本発明による電気二重層キャパシタの実施形態を示す断面図である。 実験例1で作製した正極1の寸法を示す図である。 実験例1で作製した負極2の寸法を示す図である。 実施例2および比較例2の電気二重層キャパシタの充放電特性を示すグラフであり、(a)は電気二重層キャパシタP、(b)は電気二重層キャパシタQの充放電特性図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイス用非水溶媒の実施形態を説明する。本実施形態の非水溶媒は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスに用いられる。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、フッ素含有環状飽和炭化水素と、鎖状スルホン化合物と、環状スルホン化合物とを含む。
フッ素含有環状飽和炭化水素は、下記一般式(1)で表される。このフッ素含有環状飽和炭化水素は、1または2個の置換基Rがシクロヘキサン環に導入された構造を有する。置換基Rは、Cn2n+1で表される。ここで、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの1つはFであり、それ以外のXはFまたはHである。つまり置換基Rは、少なくとも1つの水素(H)がフッ素(F)で置換された鎖状の飽和炭化水素基であり、置換基Rのすべての水素がフッ素で置換されていてもよい。一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、環状カーボネートや鎖状カーボネートよりも高い酸化還元電位、具体的には4.3V以上の酸化還元電位を有しており、蓄電デバイス用非水溶媒の耐酸化性を高める。また、分解してもCO2を発生しない。
Figure 0005308314
一般に、飽和炭化水素は耐酸化性が高い。しかしながら、誘電率が低く極性溶媒との相溶性が低いという性質を有するため、従来から、蓄電デバイスの非水電解液の溶媒として用いることは困難であると考えられてきた。このため、特許文献2および3のように、5重量%以下の少量の飽和炭化水素を溶媒に含有させるといった限定的な使用方法が従来提案されているにすぎなかった。
しかし、本願発明者は、以下において詳細に説明するように、水素がフッ素で置換された炭化水素基を置換基として有するシクロヘキサンは、分子の対称性が低く、1.6debye以上の双極子モーメントを有するため、極性溶媒との相溶性に優れ、また、環状飽和炭化水素骨格を有するため耐酸化性に優れることを見出した。
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、分子内に酸化安定性に劣る官能基を有していないため、酸化安定性に優れている。また、置換基Rに結合したフッ素原子が強い電子吸引性の効果を有するため、フッ素置換しない場合に比べて、環状飽和炭化水素の耐酸化性をより高めることができる。蓄電デバイスが使用される温度範囲において液体である点および入手や取り扱いが容易である点から、環状飽和炭化水素はシクロヘキサン誘導体であることが好ましい。
また、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンのように、シクロヘキサン環に直接フッ素原子が結合している化合物よりも、置換基Rにフッ素が結合している一般式(1)の化合物の方が、分子の対称性が低くなるため、一般式(1)の化合物は比較的大きな双極子モーメントを有する。このため、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、極性溶媒との相溶性に優れる。
置換基Rにおけるフッ素原子の数が多いほど置換基Rがシクロヘキサン環から電子を吸引するため、シクロヘキサン環の耐酸化性は向上する。したがって、置換基Rがトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基であれば、より好ましい。
また、置換基Rの個数は、1個または2個が好ましい。置換基Rが2個の場合、置換基Rのシクロへキサンへの導入位置に特に制限はない。ただし、融点を低くするという観点からは、1つの置換基Rが結合した炭素原子と同じ炭素原子または隣り合う炭素原子に他方の置換基Rが結合した分子構造を有することが好ましく、同一の炭素原子に2つの置換基Rが結合した分子構造を有することがより好ましい。
置換基Rが2個の場合、2つの置換基Rは互いに同じ構造を有していてもよいし、異なる構造を有していてもよい。置換基Rの数が2個よりも多い場合には、分子量が大きくなるため、分子の拡散速度が低下する。また、置換基Rが大きくなりすぎると分子量が大きくなり、分子の拡散速度が低下するため、Rの炭素数(n)は、1または2であることが好ましい。
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の具体的な化合物としては、例えば、フルオロメチルシクロヘキサン、ジフルオロメチルシクロヘキサン、トリフルオロメチルシクロヘキサン、(2−フルオロエチル)シクロヘキサン、(2,2−ジフルオロエチル)シクロヘキサン、(2,2,2−トリフルオロエチル)シクロヘキサン、(1−フルオロエチル)シクロヘキサン、(1,2−ジフルオロエチル)シクロヘキサン、(1,2,2−トリフルオロエチル)シクロヘキサン、(1,2,2,2−テトラフルオロエチル)シクロヘキサン、(1,1−ジフルオロエチル)シクロヘキサン、(1,1,2−トリフルオロエチル)シクロヘキサン、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)シクロヘキサン、(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1−(ペンタフルオロエチル)−1−(トリフルオロメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。これらの中でも、耐酸化性に優れているという観点から、フッ素含有環状飽和炭化水素として、トリフルオロメチルシクロヘキサン、(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1−(ペンタフルオロエチル)−1−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンを用いることが特に好ましい。これらの化合物は、F2やNF3、DAST((diethylamino)sulfur trifluoride)を用いたフッ素化方法により、対応するアルキルシクロヘキサンやフッ素原子を導入したい部位に脱離基(I、Cl、OHなど)を備えたアルキルシクロヘキサンをフッ素化することによって合成することができる。
これらのフッ素含有環状飽和炭化水素のうちのいくつかについて、双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーを計算した。比較のため、フッ素を有さないメチルシクロヘキサン(MCH)の双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーも計算した。双極子モーメントおよび最高被占軌道エネルギーは、量子化学的計算手法を用いて計算した。具体的には、市販の第一原理分子軌道計算ソフトウェアで行い、計算手法としては、密度汎関数法(B3LYP)を、基底関数には6−31G(d)を用いた。なお、エネルギー値の最適化は自己無頓着場計算により行った。結果を表1に示す。
Figure 0005308314
双極子モーメントは、分子内分極の大きさを示す指標であり、双極子モーメントの値が大きいほど、極性溶媒との相溶性が高い。また、最高被占軌道エネルギーは、分子から電子を1個引き抜く際に必要なエネルギーを示す指標であり、溶媒の耐酸化性能と関係がある。
表1から分かるように、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の双極子モーメントは、いずれも約1.6debyeよりも大きな値となった。最も双極子モーメントが小さいフッ素含有環状飽和炭化水素は、(1−フルオロエチル)シクロへキサン(1FECH)であり、双極子モーメントは1.66である。これに対し、メチルシクロヘキサンの双極子モーメントは0.08debyeであった。つまり、メチルシクロヘキサンよりも極性溶媒との相溶性が高いと言える。
また、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の最高被占軌道エネルギーは、いずれもメチルシクロヘキサンより小さい値となった。酸化反応は、分子から電子を引き抜く反応であるので、最高被占軌道エネルギーが小さい(負に大きい)ほど、電子を引く抜くために大きなエネルギーを必要とし、耐酸化性が高いといえる。よって、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、いずれも高い耐酸化性を有することが分かる。
これらのフッ素含有環状飽和炭化水素のうち、耐酸化性の観点から、トリフルオロメチルシクロヘキサン、(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサンまたは1−(ペンタフルオロエチル)−1−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンを本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒に用いることが特に好ましい。
一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は、高い耐酸化性を有しており、双極子モーメントも比較的大きい。しかし、蓄電デバイスに用いられる非水電解液は、支持電解質塩を高い濃度で溶解し、支持電解質塩が十分に解離した状態を保つ必要があり、この点で、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素の極性が十分ではない場合がある。このため、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、大きな比誘電率を有し、耐酸化性にも優れる鎖状および環状スルホン化合物の両者をさらに含む。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒に用いる鎖状スルホン化合物は、下記一般式(2)で表される。ここで、一般式(2)中、R1、R2は、それぞれ独立した炭素数1〜4のアルキル基であり、R1およびR2が等しい対称鎖状スルホン化合物であってもよいし、R1およびR2が互いに異なる非対称の鎖状スルホン化合物であってもよい。分子内の分極が大きく、比誘電率が大きいという点では、非対称の鎖状スルホン化合物を用いることがより好ましい。
Figure 0005308314
一般式(2)で表される鎖状スルホンとしては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、イソプロピルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、エチルプロピルスルホンなどが挙げられる。
また、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒に用いる環状スルホン化合物は、下記一般式(3)で表され、スルホニル基を含む環状構造を有しており、環状構造を形成する炭素に結合したアルキル基を有してもよい。より具体的には、一般式(3)中、Xは、炭素数1〜7のアルキレン基であり、分岐を有していない直鎖で構成されていてもよく、また、分枝を有していてもよい。
Figure 0005308314
一般式(3)で表される環状スルホンとしては、スルホラン、3−メチルスルホラン、2−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどを用いることが好ましい。
一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンは、スルホニル基を有するため、比誘電率が高く、リチウム塩や四級アンモニウム塩などの支持電解質塩を十分な濃度で溶解、解離させることができる。これにより、スルホン化合物を溶媒とし、支持電解質塩を溶解させた非水電解液は高いイオン伝導性を備えることができる。しかし、一般に、スルホン類は高い粘性を有する。このため、スルホン類のみを溶媒として含む非水電解液は支持電解質塩が解離したイオンの移動速度が遅く、高率充放電性能が低下する。
これに対し、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は上述したフッ素含有環状飽和炭化水素を含んでいる。粘性の低いフッ素含有環状飽和炭化水素を含有するため、混合溶媒全体の粘性を低く抑えることができる。また、上述したように、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は比較的大きな双極子モーメントを有するため、比誘電率が大きいスルホン化合物とも任意の割合で混合することが可能である。
このため、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、フッ素含有環状飽和炭化水素による高い耐酸化性と低粘性、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンによる高いイオン伝導性を備え、蓄電デバイス用の非水溶媒として優れる。
さらに、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、スルホン化合物として一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンの両方を含んでいる。理由は明確ではないが、鎖状スルホンおよび環状スルホンを含むことにより、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を用いた蓄電デバイスの高率放電特性が、鎖状スルホンまたは環状スルホンのいずれか一方のみを含む場合と比較し、向上することが分かった。
この効果は、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンを両方含んでいれば得られる。このため、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンの両方を含んでいる限り、これらのうちの一方を二種以上含んでいてもよいし、これらの両方をそれぞれ二種以上含んでいてもよい。
特許文献2および3における「フッ素原子を有していてもよい炭化水素化合物」は、スルホン類との相溶性が低く、溶液中に0.01重量%以上5重量%以下の含有率で含まれるのみである。これに対し、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒に用いるフッ素含有環状飽和炭化水素は、上述したように比較的大きな双極子モーメントを有するため、スルホン類との相溶性が高く、蓄電デバイス用非水溶媒にフッ素含有環状飽和炭化水素を高い含有率で添加することができる。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒が高い耐酸化性を備えるために、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素化合物は非水溶媒中に5重量%以上含まれていることが好ましい。これにより、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒の酸化が効果的に抑制される。一方、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素化合物の非水溶媒中における含有率が60%を超えると、支持電解質塩の溶解・解離が抑制されてしまう。したがって、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物は、溶媒中に、5重量%以上60重量%以下で含有されていることが好ましい。さらに、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物が溶媒中に10重量%以上30重量%以下含まれている場合には、高い充放電特性が得られるとともに、十分なガス発生抑制の効果が得られる。
また、一般式(2)で表される鎖状スルホンは、非水溶媒中に、5重量%以上90重量%以下で含有されていることが好ましい。一般式(3)で表される環状スルホンは、非水溶媒中に、5重量%以上90重量%以下で含有されていることが好ましい。これにより、非水溶媒は、支持電解質塩を高い濃度で溶解し、支持電解質塩が十分に解離した状態を維持することができる。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒によれば、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素を含むため、高い耐酸化性を備える。また、シクロヘキサン環ではなく、置換基Rがフッ素化されているため、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素は比較的大きな双極子モーメントを有する。このため、比誘電率が大きく、支持電解質塩を高い濃度で溶解、解離させることのできるスルホン化合物が分離し難い。したがって、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は耐酸化性に優れ、かつ、支持電解塩を十分に高い濃度で溶解、解離させることができる。特に、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンを含むことにより、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を蓄電デバイスに用いた場合、高率放電特性が大幅に向上する。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を蓄電デバイスの非水電解液として用いることにより、4.3Vを超える高い充電電圧を有し、充放電特性に優れる蓄電デバイス(超高耐電圧型非水系蓄電デバイス)を実現することができる。また、蓄電デバイスの高電圧動作または高温保存、長期にわたる充放電サイクルの繰り返しにおいても、非水電解液の酸化劣化が抑制される。
また、本実施形態の蓄電デバイス用溶媒は、たとえ酸化分解してもCO2の発生を伴わない。したがって、本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒を用いた蓄電デバイスでは、溶媒の酸化分解によって安全機構(CID)が作動したり、電池が膨張したりするという問題を回避することができる。
本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は、上述のフッ素含有環状飽和炭化水素、鎖状スルホン化合物および環状スルホン化合物以外の溶媒を含んでいてもよい。本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒をリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタといった蓄電デバイス用の非水電解液として用いる場合には、これらの非水電解液に用いられる公知の溶媒を本実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒は更に含んでいてもよい。具体的には、エチレンカーボネ−ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類等を含んでいてもよい。この場合、上述した効果が十分に発揮されるためには、蓄電デバイス用非水溶媒における上述のフッ素含有環状飽和炭化水素、鎖状スルホン化合物および環状スルホン化合物以外の溶媒の添加量が50重量%以下であることが好ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイス用非水電解液の実施形態を説明する。本実施形態の非水電解液は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスに用いられる。
本実施形態の非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解された支持電解質塩とを含む。
非水溶媒は、第1の実施形態の蓄電デバイス用非水溶媒であり、フッ素含有環状飽和炭化水素と、鎖状スルホンと、環状スルホンとを含む。非水溶媒の構成は第1の実施形態と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
一方、支持電解質塩としては、蓄電デバイスの種類に応じて、一般的なものを用いることができる。本実施形態の非水電解液がリチウムイオン二次電池に用いられる場合には、支持電解質塩として、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiC65SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、C49SO3Li等のリチウム塩およびこれらの混合物を用いることができる。
一方、本実施形態の非水電解液が電気二重層キャパシタの非水電解液として用いられる場合には、前述のリチウム塩に加えて、(C254NBF4、(C494NBF4、(C253CH3NBF4、(C254NPF6、(C253CH3N−N(SO2CF32、(C254N−N(SO2CF32、などの四級アンモニウム塩およびこれらの混合物を用いることができる。
本実施形態の非水電解液を構成する非水溶媒は、高い比誘電率を有する鎖状および環状のスルホン類を含むため、支持電解質塩を十分に高い濃度で溶解、解離させることができる。また、フッ素含有環状飽和炭化水素により、高い耐酸化性が得られる。これにより、本実施形態の非水電解液は、4.3Vを超える高い充電電圧を有するデバイス(超高耐電圧型非水系蓄電デバイス)に用いることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイスの実施形態を説明する。本実施形態の蓄電デバイスは、リチウムイオン二次電池である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、図1(a)、(b)に示すように、電極群13と、電極群13を収納する電池ケース14と、電池ケース14内に充填された非水電解液15とを備える。電極群13における正極は正極リード11に接続され、電極群における負極は負極リード12に接続されている。正極リード11および負極リード12は電池ケース14の外部に引き出されている。
非水電解液15には、第2の実施形態の非水電解液を用いる。具体的には、非水電解液15は、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンを含む非水溶媒に支持電解質塩を溶解させることによって構成されている。
例えば、非水電解液15は、一般式(2)で表される鎖状スルホン、一般式(3)で表される環状スルホンおよび一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素として、イソプロピルメチルスルホン(iPrMeSF)(市販バッテリーグレード)、3−メチルスルホラン(3MeSLF)(市販バッテリーグレード)およびトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)が37.5:37.5:25の比率で混合された溶媒を含む。また、0.2mol/Lの濃度でこの溶媒に溶解されたLiPF6(市販バッテリーグレード)を支持電解質塩として含む。本実施形態における非水電解液15はこれに限られず、第2の実施形態の非水電解液のうち、リチウム二次電池に用いられるものを用いることができる。
電極群13は、図1(c)に示すように、正極1と、負極2と、正極2と負極2との間に設けられたセパレータ3とを備えている。正極1は、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体1aと、正極集電体1aの表面に塗布されたLiCoO2からなる正極活物質層1bとを有している。一方、負極2は、ステンレス(SUS304)製メッシュからなる負極集電体2aと、負極集電体2aの表面に圧着された金属リチウム2bとを有している。セパレータ3は、例えばポリエチレン製微多孔質シートからなる。
正極活物質層1bの材料としては、LiCoO2以外のリチウム含有遷移金属酸化物を用いてもよい。例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24、LixMn2-yy4(M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうちの少なくとも一種、x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=1.7〜2.3)が挙げられる。これらの材料以外でも、充電時の正極1の電位がリチウム基準で4Vを超えるような材料であればよい。また、正極活物質として、複数の異なった材料を混合して用いてもよい。正極活物質が粉末である場合には、平均粒径は特に限定はされないが、特に0.1〜30μmであることが好ましい。正極活物質層1bは、通常50μmから200μm程度の厚さを有するが、特に厚さに制約はなく、正極活物質層1bは、0.1μmから50μmの厚さを有していてもよい。
正極活物質層1bは、活物質以外の導電剤および結着剤の両方を含んでいてもよいし、いずれか一方のみを含んでいてもよい。または、正極活物質層1bは導電剤および導電剤のいずれも含んでおらず、活物質のみから構成されていてもよい。
正極1用の導電剤は、正極1の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、黒鉛類やカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、金属粉末類、導電性ウィスカー類、導電性金属酸化物あるいは有機導電性材料などを単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1から50重量%が好ましく、特に1から30重量%が好ましい。
正極1に用いられる結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。好ましい結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンをはじめとするポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)をはじめとするフッ素系樹脂やそれらの共重合体樹脂、ポリアクリル酸やその共重合体樹脂などである。
導電剤や結着剤の他にも、フィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤およびその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、リチウムイオン二次電池内で化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でもよい。
正極集電体1aの材料は、正極1の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何であってもよい。例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂などを用いることができる。また、正極集電体1aの表面には、表面処理により凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などのいずれであってもよい。厚みは、特に限定されないが、一般には1から500μmである。
負極活物質層2bの材料としては、各種天然黒鉛または各種人造黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素などの炭素材料やこれらの混合物を用いてもよいし、リチウム金属、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能なシリコンやスズなどの材料を含む複合材料や各種合金材料を用いてもよい。例えば、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが望ましい。さらには、チタン酸リチウムをはじめとするリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な酸化物材料やリチウム含有複合窒化物を用いることもできる。
負極集電体2aとしては、例えば、銅箔やニッケル箔、ステンレス箔などを用いてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液15は、第2の実施形態で説明したように高い耐酸化性を備え、高い充電電圧が印加されても酸化分解されにくい。したがって、4.3Vを超える高い充電電圧を有するリチウム二次電池を実現することができる。
なお、本実施形態のリチウムイオン二次電池はシート形を有しているが、リチウムイオン二次電池は他の形状を有していてもよく、円筒形、角形、または電気自動車等に用いる大型の形状を有していてもよい。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができるが、これらに限定されず、他の機器などにも用いることができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明による蓄電デバイスの実施形態を説明する。本実施形態の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタである。
本実施形態の電気二重層キャパシタは、図2に示すように、互いに対向する円盤形の電極23a、23bと、2枚の電極23a、23bの間に配置するセパレータ17を備える。電極23aは、集電体16aと、集電体16aの表面に設けられた電極合剤22aとを有する。同様に、電極23bは、集電体16bと、集電体16bの表面に設けられた電極合剤22bとを有する。集電体16a、16bは例えばアルミニウム箔からなり、電極合剤22a、22bは例えば活性炭を含む。
電極23a、23bおよびセパレータ17からなる電極群は、円形の底面を有するケース21内に収容されている。ケース21の底面の上にはスペーサ18が配置され、スペーサ18の上に電極群が載置されている。ケース21の上部は開口しており、この開口は封止板19によって封止されている。ケース21と封止板19との間の隙間はガスケット20によって埋められている。
ケース21および封止板19の内部には、所定量の非水電解液24で満たされている。非水電解液24には、第2の実施形態の非水電解液を用いる。具体的には、非水電解液24は、一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素、一般式(2)で表される鎖状スルホンおよび一般式(3)で表される環状スルホンを含む非水溶媒に支持電解質塩を溶解させることによって構成されている。
例えば、非水電解液24は、一般式(2)で表される鎖状スルホン、一般式(3)で表される環状スルホンおよび一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素として、イソプロピルメチルスルホン(iPrMeSF)、3−メチルスルホラン(3MeSLF)およびトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)が37.5:37.5:25の比率で混合された溶媒を含む。また、0.2mol/Lの濃度でこの溶媒に溶解された(C254NBF4を支持電解質塩として含む。本実施形態における非水電解液24はこれに限られず、第2の実施形態の非水電解液のうち、電気二重層キャパシタに用いられるものを用いることができる。
本実施形態の電気二重層キャパシタに用いられる非水電解液24は、第2の実施形態で説明したように高い耐酸化性を備え、高い充電電圧が印加されても酸化分解されにくい。したがって、4.3Vを超える高い充電電圧を有する電気二重層キャパシタを実現することができる。
なお、本実施形態の電気二重層キャパシタはコイン形を有しているが、電気二重層キャパシタは他の形状を有していてもよく、例えば円筒形や角形であってもよい。
以下、リチウムイオン二次電池を作製してその特性を評価した結果を説明する。
1.リチウムイオン二次電池の作製
<非水電解液の調製>
(実施例1)
一般式(2)で表される鎖状スルホンとしてエチルメチルスルホン(EtMeSF)、イソプロピルメチルスルホン(iPrMeSF)、イソプロピルエチルスルホン(iPrEtSF)、一般式(3)で表される環状スルホンとして、スルホラン(SLF)、3−メチルスルホラン(3MeSLF)および一般式(1)で表されるフッ素含有環状飽和炭化水素として、トリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロヘキサン(12BTFMCH)、(2−フルオロエチル)シクロヘキサン(2FECH)を用い、支持電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた非水電解液AからIを調製した。
なお、用いた溶媒は次のようにして調製した。
[エチルメチルスルホン]
[イソプロピルエチルスルホン]
エチルメチルスルホン(EtMeSF)[CAS RN:594−43−4]、イソプロピルエチルスルホン(iPrEtSF)[CAS RN:4853−75−2]には市販品を用い、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)により精製を行った。得られた精製物の純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、いずれも純度は99.5%以上であった。さらに、電解液調製の直前に、真空中200℃で12時間処理したモレキュラーシーブ[4A]を用いて脱水処理を行った。処理後の水分量は、いずれも20ppm以下であった。
[トリフルオロメチルシクロへキサン]
トリフルオロシクロへキサン(TFMCH)[CAS RN:401−75−2]には市販品を用い、回転バンド式精密分留装置(大科工業製)により精製を行った。得られた精製物の純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、純度は99.5%であった。
[1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロへキサン]
1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロへキサン(12BTFMCH)は、以下に示す合成法により得た。
テフロン内管の耐酸性オートクレープに酸化白金(Aldrich製)5g、トリフルオロ酢酸(和光純薬製)250mLを加え内部を水素置換した。これを0.2MPaの水素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。オートクレープを外し1,2−ジトリフルオロメチルベンゼン(東京化成工業製)25gを加え再び0.8MPaの水素雰囲気下、室温で18時間攪拌した。攪拌終了後、ガスクロマトグラフィー(GC)分析にて原材料である1,2−ジトリフルオロメチルベンゼンのピークが消失していることを確認した。この黒色懸濁液からトリフルオロ酢酸溶液のみデカンデーションで除いた後、残渣をトリフルオロ酢酸にて洗浄した。トリフルオロ酢酸と残渣の混合物に300mLの蒸留水を加え、分液ロートにて2層に分離した。目的物を含む下層を取り出し、100mLのジクロロメタンを添加した後、重曹水を用いて洗浄を行った。ジクロロメタン溶液層を分液ロートで取り出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。さらに、ろ過して無水硫酸ナトリウムを除いた後、バス温60℃でリービッヒ冷却器を用いて蒸留しジクロロメタンを除去した。残渣を内管3段のリービッヒ冷却器を備えた精留塔を用いて、バス温:100〜176℃、蒸気温:90〜145℃、内圧:280〜420mmHgの条件で減圧蒸留精製を4回繰り返して行い無色の液体11.8gを得た。
1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、1.437、1.459、1.470、1.481、1.494、1.515、1.541ppmにピークを持つ水素2原子に相当するマルチプレット、1.630、1.641、1.652、1.685、1.726、1.742、1.754、1.778ppmにピークを持つ水素4原子に相当するマルチプレット、1.977、1.996、2.013、2.024、2.044ppmにピークを持つ水素2原子に相当するマルチプレット、2.493、2.518、2.528、2.539、2.543、2.553、2.564、2.589ppmにピークを持つ水素2原子に相当するマルチプレットが観測され、この化合物の水素原子数は、10個であることが分かった。また、19F−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、66.191ppmにピークを持つフッ素6原子に相当するシングレットが観測された。以上の結果より、上記の無色の液体は、1,2−ビス(トリフルオロメチル)シクロへキサンであることが分かった。
なお、純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、99.0%であった。
[(2−フルオロエチル)シクロへキサン]
(2−フルオロエチル)シクロへキサン(2FECH)は、以下に示す合成法により得た。
2−シクロヘキシルエタノール(東京化成製)100gとトリエチルアミン(東京化成製)162mL、脱水ジクロロメタン(関東化学製)1Lを2Lの反応器に収納し5℃に氷冷した。この混合溶液にメタンスルホニルクロリド(東京化成製)72.4mLをゆっくりと加え、5℃で1時間攪拌した。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用い、原料のスポットが消失し、新たなスポットが生成していることを確認した。この溶液に50mLの蒸留水を加えた後、静置して2層に分離させ、有機層および水層を分液ロートにて取り出した。取り出した水層にジクロロメタン(関東化学製)30mLを加え、静置して2層に分離し、分液ロートにてジロロメタン層を取り出した。取り出したジロロメタン層を前記の2層に分離し取り出した有機層と混合し、300mLの蒸留水を加えて洗浄した後、有機層を分液ロートにて取り出した。さらに300mLの飽和食塩水を加えて洗浄した後、有機層を分液ロートにて取り出した。得られた有機溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過により無水硫酸マグネシウムを除き、濃縮して淡橙色の液体165gを得た。この液体を高真空下で乾燥し淡橙色の液体である2−シクロヘキシルエタノールのメシル化体である2−シクロヘキシルエチル メタンスルホネート157gを得た。
得られた2−シクロヘキシルエチル メタンスルホネートの内、120gを1Lの反応器に収納し、367gのテトラブチルアンモニウムフルオリド(和光純薬製)と180gのアセトニトリル(和光純薬製)を加え50℃の環境下で24時間攪拌した。この溶液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製)で分析を行い、原材料である2−シクロヘキシルエチル メタンスルホネートのピークが完全に消失していることを確認した。前記溶液に1Lの蒸留水を加え、300mLのペンタン(関東化学製)で3回、有機層の抽出を行った。得られた有機層に800mLの蒸留水を加えて洗浄した後、有機層を分液ロートにて取り出した。前記の蒸留水での洗浄を再び行った後、800mLの飽和食塩水を加えて洗浄し、有機層を分液ロートにて取り出した。得られた有機溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過により無水硫酸マグネシウムを除いた。無水硫酸マグネシウムを除いた有機溶液を30℃の環境下で減圧蒸留し、溶媒のペンタンを除去した。残渣を内管3段のリービッヒ冷却器を備えた精留塔を用いて、バス温:72℃、蒸気温:62℃、内圧:32mmHgの条件で減圧蒸留精製を行い無色の液体39.5gを得た。
1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、0.886、0.897、0.921、0.948、0.979、0.987ppmにピークを持つ水素2原子に相当するマルチプレット、1.130、1.138、1.145、1.162、1.168、1.176、1.191、1.197、1.204、1.211、1.234、1.242、1.259、1.265、1.297ppmにピークを持つ水素3原子に相当するマルチプレット、1.414、1.424、1.433、1.441、1.451、1.459、1.467ppmにピークを持つ水素1原子に相当するマルチプレット、1.531、1.547、1.551、1.562、1.579、1.595、1.611、1.627、1.639、1.643、1.655、1.661、1.680、1.686、1.695、1.701、1.716、1.720、1.745、1.749、1.753ppmにピークを持つ水素7原子に相当するマルチプレット、4.415、4.430、4.446ppmのトリプレットピークと4.534、4.549、4.565ppmのトリプレットピークで構成される水素2原子に相当する2つのピークが観測され、この化合物の水素原子数は、15個であることが分かった。また、4.415、4.430、4.446ppmのトリプレットピークと4.534、4.549、4.565ppmのトリプレットピークから、フッ素原子の結合する炭素上の水素の数は2個であることが、また、フッ素原子の結合する炭素に結合する炭素上の水素の数は2個であることが分かった。さらに、19F−NMRスペクトル(CDCl3)の測定より、−218.470ppmにピークを持つフッ素1原子に相当するシングレットが観測された。以上の結果より、上記の無色の液体は、(2−フルオロエチル)シクロへキサンであることが分かった。
純度をガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により測定したところ、99.2%であった。
なお、スルホラン、3−メチルスルホラン、イソプロピルメチルスルホンには市販のリチウムバッテリーグレートを用いた。
(比較例1)
比較例1として、3−メチルスルホラン(3MeSLF)、またはイソプロピルメチルスルホン(iPrMeSF)とトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)を溶媒として含む非水電解液JからNを調製した。
表2に調製した非水電解液のサンプル名と組成比率を示す。溶媒の混合比率は重量比率であり、支持電解質塩の濃度はmol/Lで示す。
Figure 0005308314
(従来例1)
従来例として、プロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)を75:25の重量比率で混合した混合溶媒を含む非水電解液Oを調整した。表3に調製した非水電解液のサンプル名と支持電解質塩の濃度をmol/Lで示す。なお、用いた溶媒および支持電解質塩の純度はいずれも市販のバッテリーグレードである。
Figure 0005308314
表2および表3に、作製した実施例1、比較例1、従来例1の各電解液の組成を示す。比較例1の電解液Jおよび電解液Lでは、溶媒を均一に混合させることができなかったが、実施例1の電解液AからIでは、いずれも溶媒を均一に混合させることができた。このことから、一般式(2)で示される鎖状スルホンまたは一般式(3)で示される環状スルホンのみでは一般式(1)で示されるフッ素含有環状飽和炭化水素と均一に混合しない場合でも、その鎖状スルホンまたは環状スルホンの一部を環状スルホンまたは鎖状スルホンで置換することによって、フッ素含有環状飽和炭化水素と混合し、均一な溶媒となる場合があることが分かった。したがって、一般式(2)で示される鎖状スルホンおよび一般式(3)で示される環状スルホンの両方を用いれば、より広い混合比の範囲で鎖状スルホンおよび環状スルホンをフッ素含有環状飽和炭化水素と混合させ、均一な溶媒を作製できると考えられる。
<正極の作製>
まず、正極活物質としてLiCoO2(平均粒径10μm、BET法による比表面積0.38m2/g)を準備した。100重量部の活物質に、導電剤であるアセチレンブラックを3重量部、結着剤であるポリフッ化ビニリデンを4重量部、および適量のN−メチル−2−ピロリドンを加え、攪拌・混合して、スラリー状の正極合剤を得た。なお、ポリフッ化ビニリデンは、あらかじめN−メチル−2−ピロリドンに溶解した状態で用いた。
次に、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体1a(図1(c))の片面に、前記スラリー状正極合剤1bを塗布し、塗膜を乾燥し、ローラーで圧延した。
正極活物質として用いたLiCoO2の調製法は以下の通りである。
硫酸コバルト飽和水溶液を低速で撹拌しながら水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液を滴下して、Co(OH)2の沈殿を得た。この沈殿物をろ過、水洗した後、空気中で80℃に加熱することにより乾燥した。得られた水酸化物の平均粒径は、約10μmであった。
次に、得られた水酸化物に対して、空気中で380℃の熱処理を10時間行うことにより、酸化物Co34を得た。粉末X線回折により、得られた酸化物が単一相を有することを確認した。
さらに、得られた酸化物に、Coのモル数とLiのモル数との比が1.00:1.00になるように炭酸リチウムの粉末を混合し、乾燥空気中で850℃の熱処理を10時間行うことにより、目的とするLiCoO2を得た。粉末X線回折(リガク製)により、得られたLiCoO2が単一相の六方晶層状構造を有することを確認した。粉砕および分級の処理を行った後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製)による観察から、粒径が6〜15μm程度であることを確認した。なお、平均粒径は、散乱式粒度分布測定装置(HORIBA製)を用いて求めた。
得られた極板を、図3に示す寸法に打ち抜いて、リード取り付け部であるタブの部分の正極合剤1bを剥離し正極1を得た。正極合剤1bが塗布された正極集電体1aは30mm×40mmの長方形状を有する。
<負極の作製>
まず、ステンレス(SUS304)製メッシュを図4に示す寸法に打ち抜いて負極集電体2a、(図1(c))を形成した。負極集電体2aは、31mm×41mmの長方形状を有する電極部と、7mm×7mmの正方形状を有するリード取り付け部とを有する。負極集電体2aのうちの電極部の上に、厚さ150μmの金属リチウム2bを圧着して、負極2を得た。
<組み立て>
得られた正極1および負極2を、セパレータ3を介して積層し、図1(c)に示すような電極群13を作製した。セパレータとしては、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔質シートを用いた。
次に、図1(a)に示すように、電極群13の正極1にアルミニウム製正極リード11を、負極2にニッケル製負極リード12を溶接した。その後、電極群13を、3方向が開口している厚さ0.12mmのアルミラミネートフィルム製電池ケース14の内部に収容し、PP製のテープで電池ケース14の内面に固定した。正極リード11および負極リード12が出ている開口部を含む開口部を熱溶着し、1つの開口部のみを熱溶着せずに残して、電池ケース14を袋状とした。熱溶着していない開口部から、非水電解液15として調製した各非水電解液のそれぞれを注入し、減圧および脱気後、減圧状態で開口部を熱溶着することにより、電池内部を密封した。用いた非水電解液と、作製した電池名の関係を表4に示す。作製した電池は、厚さ0.5mm、幅50mm、高さ100mmのサイズを有し、この電池が4.3Vで充電された時の設計容量は40mAhであった。
Figure 0005308314
2.特性の評価
<高率放電特性>
作製した実施例1の電池AからI、比較例1の電池K、M、N、従来例1の電池Oを用いて高率放電特性の評価を行った。
25℃の環境下において、電流値1mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が0.4mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。その後、電流値0.4mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を初期放電容量とした。次に、電流値1mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が0.4mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。その後さらに、電流値2mAで3.0Vまで定電流放電を行い、このとき得られた放電容量を高率放電容量とした。評価を行った電池の初期放電容量に対する高率放電容量の割合を高率放電特性(高率放電特性=高率放電容量/初期放電容量)とし、その百分率を表5に示す。また、表5には各電池の初期放電容量を正極合剤の単位重量当たりの容量として換算した値も示す。
Figure 0005308314
表5に示すように、実施例1の電池AからI、比較例1の電池K、M、Nおよび従来例1の電池Oの初期放電容量は、いずれも145〜149mAh/g程度であり、これらの電池の初期放電容量に大きな差異はない。これに対し、実施例1の電池AからIの高率放電特性は、比較例1の電池K、M、Nに比べて2〜3割程度高い。比較例1の電池K、M、Nは、環状スルホンまたは鎖状スルホンの一方しか含んでいないことから、実施例1の電池AからIのように、環状スルホンおよび鎖状スルホンの両方含むことにより相乗効果を奏し、一方のみを含む場合に比べて高率放電特性が良くなることが分かる。
<高温保存>
作成した実施例1の電池AからI、比較例1の電池K、M、N、従来例1の電池Oを用いて高温保存試験を行った。
25℃の環境下において、電流値1mAで4.3Vまで定電流充電を行い、その後、電流値が0.4mAに減衰するまで、4.3Vで定電圧充電を行った。次に、充電状態の電池を恒温槽中85℃の環境下で3日間保持した。このとき、非水電解液に含まれる溶媒が酸化分解されるとCO2が発生すると考えられる。その後、恒温槽中から各電池を取り出し、発生したガス量の定量とガスクロマトグラフィーによる成分分析を行った。その結果から算出されたCO2の発生量を表6に示す。
Figure 0005308314
表6に示すように、実施例1の電池AからI、および比較例1の電池K、M、Nでは、CO2ガスはほとんど発生しなかった。これに対し、従来例1の電池Oでは、多量のCO2ガスが発生した。
これは、カーボネート類を含んでおらず、TFMCHとSLF、3MeSLFなどの環状スルホンとEtMeSF、iPrMeSF、iPrEtSFなどの鎖状スルホンを含む溶媒は、高温で、充電状態の正極と接触した状態が続いても、酸化されてCO2ガスを発生することがないことを示していると考えられる。
表5および表6に示す結果から、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物とスルホン類を含有する溶媒を非水電解液の溶媒として用いることにより、耐酸化性に優れ、ガス発生の少ない非水電解液二次電池を得ることができることが分かる。また、スルホン類として鎖状スルホンおよび環状スルホンを混合して用いることで、より優れた充放電特性を有する非水電解液二次電池を得ることができることが分かる。
したがって、フッ素含有環状飽和炭化水素化合物、鎖状スルホンおよび環状スルホンの三者を含有する電解液を用いることにより、ガス発生が少なく、なおかつ、充放電特性に優れた非水電解液二次電池を得ることができる。溶媒としてカーボネート類を用いた従来の電解液では、高率放電特性には優れるものの、高温保存時のガス発生量が大きく、信頼性の点で十分であるとは言えない。
以下、電気二重層キャパシタを作製してその特性を評価した結果について説明する。
1.電気二重層キャパシタの作製
<非水電解液の調製>
(実施例2)
溶媒として3−メチルスルホラン(3MeSLF)、イソプロピルメチルスルホン(iPrMeSF)およびトリフルオロメチルシクロヘキサン(TFMCH)を用い、支持電解質塩として(C254NBF4を用いて非水電解液Pを調製した。
(比較例2)
プロピレンカーボネート(PC)のみを溶媒として含む非水電解液を調製して、(C254NBF4を0.2mol/Lの濃度で溶解することにより、非水電解液Qを調製した。
実施例2、および、比較例2で調製した各非水電解液のサンプル名と組成比、およびそれらを用いて作成したキャパシタ名を表7に示す。
<電極の作成>
電極は活性炭粉末(比表面積1700m2/g、平均粒子径2μm)を用いて作成した。活性炭粉末100mgとアセチレンブラック20mgとを均一に混合し、ポリビニルピロリドン20mg、メタノール800mgを加えてスラリーを得た。このスラリー状の電極合剤をアルミニウム箔からなる集電体上に塗布し、真空乾燥を行った。電極合剤の塗布重量は、集電体の単位面積あたり2.2mg/cm2であった。得られた極板を、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて電極とした。
<組み立て>
円盤状に打ち抜いた電極を用いて、図2に示すようなコイン形電気二重層キャパシタを組み立てた。まず、直径15mmの円形に打ち抜いたポリプロピレン製不織布シートからなるセパレータ17を介して電極22a、22bを互いに対向させて配置させ、電極群とした。電極群をケース20の内部に収容し、所定量の各種非水電解液を含浸させた後、ガスケット20を装着した封口板19により、キャパシタ内部を密封した。これにより、実施例2、および従来例2の非水電解液を用いた電気二重層キャパシタP、Qを作製した。
Figure 0005308314
2.特性の評価
<充放電試験>
作製した電気二重層キャパシタに対して、25℃の環境下において、0.1mAの定電流で0Vから2.0Vの電圧範囲での充放電試験を行った。図5(a)に実施例2の電気二重層キャパシタ、図5(b)に比較例2の電気二重層キャパシタの充放電試験結果を示す。
図5(a)および(b)に示すように、実施例2の電気二重層キャパシタおよび比較例2の電気二重層キャパシタのいずれを用いた場合においても、ほぼ同等の特性が得られている。したがって、本発明の蓄電デバイス用非水電解溶媒および電解液は、電気二重層キャパシタにも好適に用いることができることが分かる。
本実施例では本発明の蓄電デバイス用非水電解溶媒および電解液を用いることによって従来と同等以上の電気二重層キャパシタが作製できることを確認することが主たる目的であったため、作製した電気二重層キャパシタの高温保存試験は行っていない。しかし、実施例1における電解液と同様に、本実施例2における電気二重層キャパシタPの電解液Pでは高電位状態での酸化反応が抑制されるため、本実施例2の電気二重層キャパシタでは高い信頼性が得られる。
本発明の蓄電デバイス用非水溶媒および非水電解液は、高電圧および高エネルギー密度下で優れた高率放電特性を示す蓄電デバイスに用いる溶媒および非水電解液として有用である。
本発明の蓄電デバイスは、4.3Vを超える高い充電電圧を有するデバイス(超高耐電圧型非水系蓄電デバイス)として好適に用いられる。
1 正極
1a 正極集電体
1b 正極合剤
2 負極
2a 負極集電体
2b 金属リチウム
3 セパレータ
11 正極リード
12 負極リード
13 電極群
14 電池ケース
15、24 非水電解液
16a、16b 集電体
17 セパレータ
18 スペーサ
19 封口板
20 ガスケット
21 ケース
22a、22b 電極合剤
23a、23b 電極

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表され、かつ、1または2個の置換基Rがシクロヘキサン環に導入された構造を有するフッ素含有環状飽和炭化水素(一般式(1)中、RはCn2n+1で表され、nは1以上の整数であり、2n+1個のXのうちの1つはFであり、それ以外のXはFまたはHである。)と、
    Figure 0005308314
    下記一般式(2)で表される鎖状スルホン化合物(一般式(2)中、R1、R2は、それぞれ独立した炭素数1〜4のアルキル基である。)と、
    Figure 0005308314
    下記一般式(3)で表される環状スルホン化合物(一般式(3)中、Xは、炭素数1〜7のアルキレン基であり、直鎖状または分枝を有していてもよい。)と
    Figure 0005308314
    を含む蓄電デバイス用非水溶媒。
  2. 前記一般式(1)において、nは1または2である請求項1に記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  3. 前記鎖状スルホンが非対称の鎖状スルホンである請求項1または2に記載の蓄電デバイス用非水溶媒。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒と、支持電解質塩とを備える蓄電デバイス用非水電解液。
  5. 前記支持電解質塩はリチウム塩である請求項4に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  6. 前記支持電解質塩は四級アンモニウム塩である請求項4に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒または請求項4から6のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水電解液を含む蓄電デバイス。
  8. 請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒または請求項4から6いずれかに記載の蓄電デバイス用非水電解液を含むリチウムイオン二次電池。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水溶媒または請求項4から6のいずれかに記載の蓄電デバイス用非水電解液を含む電気二重層キャパシタ。
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