JP5934857B2 - 消泡剤 - Google Patents

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Description

本発明は消泡剤に関する。さらに詳しくは塗料工業(水系塗料、紙塗工塗料)、化学工業、食品工業、石油工業、土木建築業、織物工業、紙パルプ工業、医薬品工業又は排水処理工程用等の分野において好適な消泡剤に関する。
従来、アルキレンオキサイド誘導体を乳化剤としたエマルション型消泡剤(特許文献1、2)が知られている。
特開2008−188480号公報 特表2011−506086号公報(WO2009/080428パンフレット)
しかしながら、特許文献1に記載のエマルション型消泡剤では製品安定性が不十分であるという問題があるほか、乳化剤が発泡成分となり、広い温度範囲(5〜70℃)、特に高温領域において十分な消泡性が得られないという問題がある。
また、特許文献2に記載の消泡剤においても、エマルション化には特許文献1のエマルション型消泡剤と同じように乳化剤を必須とすることから、同じ問題を抱えている。
すなわち、本発明の目的は、広い温度範囲で消泡性に優れ、且つ製品安定性に優れる消泡剤を提供することである。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、乾式法によるシリカを疎水化して得られ、一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)と、水と、一般式(1)で表されるエステル化合物(E)を1〜25重量%含有する疎水性液体(Q)とを必須成分とし、
一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)のM値が30〜75であり、
疎水性液体(Q)が、
一般式(1)で表されるエステル化合物(E)と、
炭化水素油(A1)、オルガノポリシロキサン(A2)及びポリエーテル化合物(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
脂肪酸金属塩(B1)、脂肪酸アミド(B2)及び体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを疎水化した疎水性湿式シリカ(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とからなり、
疎水性液体(Q)にポリエーテル化合物(A3)を含み、ポリエーテル化合物(A3)が炭素数2〜4のアルキレンオキシドの付加体からなり、数平均分子量が500〜5,000である点を要旨とする。

(R−COO)−D (1)
は炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基、Dは2〜6個の炭素原子及び1〜6個の水酸基を含有する化合物(D’)からエステル結合に関与した水酸基を除いた残基又はこの化合物(D’)に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させた付加体からエステル結合に関与した水酸基を除いた残基、pは1〜3の整数を表す。
本発明の製造方法の特徴は、上記の消泡剤を製造する方法であって、疎水性液体(Q)及び水からなる混合液に疎水性乾式シリカ(S)を添加混合する工程を含む点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、広い温度範囲(5〜70℃)において消泡性に優れ、且つ製品安定性が優れているため、広い温度範囲の発泡液中に投入しても消泡剤の凝集やスカムを発生しない。
本発明の製造方法を用いると、上記の消泡剤を容易に製造できる。
疎水性乾式シリカ(S)としては、一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカを疎水化したシリカであれば制限なく使用できる。
一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカとしては、非晶質合成シリカ(SN)のうち、乾式法によるシリカが含まれる。すなわち、非晶質合成シリカ(SN)としては、乾式法(熱分解法、溶融法)シリカ(SD)及び湿式法(ゲル法、沈降法)シリカ(SW)が含まれるが、これらのうち、一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカを乾式法シリカとして使用できる。
非晶質合成シリカ(SN)としては、以下のものが含まれる。なお、これらのうち、湿式法(ゲル法、沈降法)シリカ(SW)は後記の疎水性湿式シリカ(B3)において使用される。
(1)熱分解法シリカ:四塩化珪素等の珪素化合物を酸水素炎中で燃焼させて得られ、一次粒子(微粒子)として存在し易い。
(2)溶融法シリカ:天然のシリカ粉末等を火炎中で溶融して得られ、一次粒子(微粒子)として存在し易い。
(3)ゲル法シリカ:酸性環境下にて珪酸ソーダを酸で中和し、生じた析出物をろ過、乾燥することによって得られ、凝集構造を有する。
(4)沈降法シリカ:アルカリ性環境下にて珪酸ソーダを酸で中和し、生じた析出物をろ過、乾燥することによって得られ、細孔容積が大きく、比表面積が大きい。
これらの非晶質合成シリカ(SN)はシリカ粒子表面にヒドロキシシリル基(シラノール基)を有するため、親水性を示す。これらのうち、消泡性及び製品安定性等の観点から、熱分解法シリカが好ましい。
非晶質合成シリカ(SN)は、市場から容易に入手でき、以下に、商品名を例示する。
<熱分解法シリカ>
Aerosilシリーズ{日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社、「Aerosil」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、Reolosilシリーズ{株式会社トクヤマ、「Reorosil」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、Cab−O−Silシリーズ{キャボット社、「Cab−O−Sil」はキャボットコーポレーションの登録商標である。}等。
<溶融法シリカ>
Admafineシリーズ{アドマテックス社、「Admafine」はトヨタ自動車株式会社の登録商標である。}、Fuselexシリーズ{株式会社龍森}、デンカ溶融シリカシリーズ{電気化学工業株式会社}等。
<沈殿法シリカ>
Nipsilシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、Sipernatシリーズ{エボニック デグサ ジャパン株式会社、「Sipernat」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、Carplexシリーズ{DSL.ジャパン株式会社、「Carplex」はDSL.ジャパン株式会社の登録商標である。}、FINESILシリーズ{株式会社トクヤマ、「FINESIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、TOKUSIL{株式会社トクヤマ、「TOKUSIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、Zeosil{ローディア社、「Zeosil」はロディア シミ の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
<ゲル法シリカ>
Carplexシリーズ、SYLYSIAシリーズ{富士シリシア株式会社、「SYLYSIA」は有限会社ワイ・ケイ・エフ の登録商標である。}、Nipgelシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipgel」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカ{非晶質合成シリカ(SN)等}の疎水化は、公知の方法等が適用でき、例えば、非晶質合成シリカ(SN)と親油性化合物との混合物を攪拌しながら、親油性化合物{ハロシラン及びアルコキシシラン等後記の化合物}をシリカ粒子表面に反応させて疎水化する乾式処理法及び溶媒{有機溶剤及び鉱物油、動植物油等}中で親油性化合物をシリカ粒子表面に吸着又は反応させて疎水化する湿式処理法等が挙げられる。
乾式処理法としては、(1)一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカ{非晶質合成シリカ(SN)等}の表面にある官能基と親油性化合物の持つ官能基との縮合反応を利用でき、湿式処理法としては、(2)一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカ{非晶質合成シリカ(SN)等}のもつ細孔への物理吸着、及び(3)一次粒子径が5〜100nmである乾式法によるシリカ{非晶質合成シリカ(SN)等}の表面電荷と親油性化合物のイオン性官能基との電気的な吸着等を利用することができる。
これらのうち、消泡性及び製品安定性等の観点の他に凝集を防ぎ一次粒子径を保ちやすいという観点から、(1)の縮合反応を利用する方法が好ましい。
親油性化合物としては、ハロシラン及びアルコキシシランが含まれる。
ハロシランとしては、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルハロシラン及びアリール基の炭素数が6〜12のアリールハロシランが含まれ、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン及びt−ブチルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、アルキル基又はアリール基の炭素数が1〜12であり、アルコキシ基の炭素数が1〜2のアルコキシシランが含まれ、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
親油性化合物として、以上の他に、公知のカップリング剤(上記以外のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びジルコアルミネートカップリング剤等)等も使用できる。
これらの親油性化合物のうち、消泡性及び製品安定性等の観点から、アルキルハロシラン及びアルコキシシランが好ましく、さらに好ましくはアルコキシシランである。
疎水性乾式シリカ(S)のM値は、30〜80が好ましく、さらに好ましくは30〜75、特に好ましくは35〜75、最も好ましくは40〜70である。
なお、M値は、疎水性の程度を表す概念であり、M値が高いほど親水性が低いことを示し、水・メタノール混合溶液に疎水性乾式シリカ(S)を均一分散させる際、必要最低量のメタノールの容量割合で表され、次の方法で求めることができる。
<M値算出法>
試料{疎水性乾式シリカ(S)}0.2gを容量250mLのビーカー中の50mLの水に添加し、続いてメタノールをビュレットから試料の全量が懸濁するまで滴下する。この際ビーカー内の溶液をマグネティックスターラーで常時攪拌し、試料の全量が溶液中に均一懸濁された時点を終点とし、終点におけるビーカー内の液体混合物のメタノールの容量百分率がM値となる。
疎水性乾式シリカ(S)は市場から容易に入手でき、例えば商品名として、下記のものが挙げられる。
<熱分解法シリカを疎水化したシリカ>
Aerosil シリーズ(R972、RX200、RY200、R202、R805及びR812等){日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社}、Reolosil MT及びDMシリーズ(MT−10、DM−10及びDM−20等){株式会社トクヤマ}、(TS−530TS−610TS−720等){キャボットカーボン社}等。
疎水性乾式シリカ(S)に替えて、一次粒子径が5〜100nmである金属微粒子(アルミニウム及びチタン等)も使用できる。
疎水性乾式シリカ(S)の一次粒子径(nm)は、5〜100であり、好ましくは5〜80、さらに好ましくは10〜60、特に好ましくは10〜40である。この範囲であると、消泡性及び製品安定性がさらに良好となる。なお、疎水化の前後で、通常、一次粒子径に変化は見られない。
疎水性乾式シリカ(S)の一次粒子径は、JIS Z8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.44粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡で5万〜100万倍に拡大して観察して得た画像をJIS Z8827−1:2008(対応国際規格;ISO13322−1;この文献に開示された開示内容を参照により本出願に取り込む。)「粒子径−画像解析法−第1部:静的画像解析法」に準拠して画像処理用コンピュータソフト{例えば、三谷商事株式会社製WinRoof等}を用いて算出される円相当径の個数平均値である。
エステル化合物(E)としては、一般式(1)で表される化合物であれば制限なく使用できる。
一般式(1)において、炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基(R)のうち、炭素数1〜21のアルキル基としては、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基等が使用できる。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びイコシル等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基としては、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、イソオクタデシル、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル及び3,7,11−トリメチルドデシル等が挙げられる。
炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基(R)のうち、炭素数2〜21のアルケニル基としては、直鎖アルケニル基及び分岐アルケニル基等が使用できる。
直鎖アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル及びイコセニル等が挙げられる。
分岐アルケニル基としては、イソブテニル、イソペンテニル、ネオペンテニル、イソヘキセニル、イソトリデセニル及びイソオクタデセニル等が挙げられる。
これらのうち、消泡性の観点等から、アルキル基(直鎖アルキル基及び直鎖アルケニル基)が好ましく、さらに好ましくは直鎖アルキル基、特に好ましくは炭素数8〜20の直鎖アルキル基、最も好ましくはドデシル及びオクタデシルである。
一般式(1)において、2〜6個の炭素原子及び1〜6個の水酸基を含有する化合物(D’)としては、炭素数2〜6のアルキル基を有するモノアルコール及び炭素数2〜6の2〜6価アルコールが含まれる。
炭素数2〜6のアルキル基を有するモノアルコールとしては、エチルアルコール、n−ブロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール及びn−ヘキシルアルコール等が挙げられる。これらのうち、n−ブチルアルコール及びn−ヘキシルアルコールが好ましく、さらに好ましくはn−ブチルアルコールである。
炭素数2〜6の2〜6価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、シクロヘキシレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等が挙げられる。これらのうち、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリメチロールプロパンが好ましい。
一般式(1)において、2〜6個の炭素原子及び1〜6個の水酸基を含有する化合物(D’)に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させた付加体としては、上記の化合物(D’)のアルキレンオキシドを付加させたものであれば制限なく使用できる。
炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等が挙げられる。上記の化合物(D’)とアルキレンオキシドとの化学反応において、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状との組合せを含むことが好ましい。これらの化学反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)において、pは、1〜3価のアルコールのフルエステルの場合、化合物(D’)の水酸基の数又は化合物(D’)にアルキレンオキシドを付加した付加体の水酸基の数に対応し、一方、部分エステルの場合、これらの水酸基の数よりも小さな数(すべての水酸基のうち、エステル結合に関与した水酸基の数)に対応する。
エステル化合物(E)としては、エチレングリコール蟻酸ジエステル、グリセリン酢酸トリエステル、トリメチロールプロパン酪酸トリエステル、テトラメチレングリコールカプリン酸ジエステル、ポリエチレングリコールアクリル酸ジエステル、グリセリンのポリプロピレンオキシド付加体ラウリン酸ジエステル、エチレングリコールステアリン酸ジエステル、プリピレングリコールベヘン酸ジエステル、グリセリンクロトン酸トリエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸トリエステル、テトラメチレングリコールリノール酸ジエステル、エチレングリコールアラギドン酸ジエステル、グリセリンエルカ酸トリエステル、モノヤシ油脂肪酸ソルビタンエステル、モノステアリン酸ソルビタンエステル、モノオレイン酸ソルビタンエステル、トリオレイン酸ソルビタンエステル及びポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンエステル等が挙げられる。
エステル化合物(E)のHLB値は、2〜7が好ましく、さらに好ましくは3〜7、特に好ましくは4〜7、最も好ましくは4〜6である。この範囲であると、製品安定性、高温時の消泡性がさらに良好となる。
HLBとは、分子中の親水基と疎水基とのバランスを表す概念であり、その値は「界面活性剤の性質と応用」(著者 刈米孝夫、発行所 株式会社幸書房、昭和55年9月1日発行)の第89頁〜第90頁に記載された「乳化試験によるHLBの測定法」により算出できる。例えば、エステル化合物は以下の試験方法により算出できる。
<エステル化合物の乳化試験によるHLB値の測定法>
HLB値が未知のエステル化合物(X)とHLB値が既知の乳化剤(A)を異なった比率で混合し、HLB値が既知の油剤の乳化を行う。乳化層の厚みが最大となったときの混合比率から下記式を用いてエステル化合物(X)のHLB値を算出する。

(油剤のHLB値)={(W×HLB)+(W×HLB)}÷(W+W
はエステル化合物(X)と乳化剤(A)の合計重量に基づく乳化剤(A)の重量分率、Wはエステル化合物(X)と乳化剤(A)の合計重量に基づくエステル化合物(X)の重量分率、HLBは乳化剤(A)のHLB値、HLBはエステル化合物(X)のHLB値である。
エステル化合物(E)の含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、1〜25が好ましく、さらに好ましくは3〜25、特に好ましくは5〜25、最も好ましくは5〜20である。この範囲であると、高温時の製品安定性及び消泡性がさらに良好となる。
エステル化合物(E)は市場から容易に入手でき、例えば下記の製品等が挙げられる。
イオネットS−60C{三洋化成工業(株)製、ソルビタンモノステアレート、HLB値:4.7、「イオネット」は同社の登録商標である。以下同じ。}、イオネットS−80(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3) 、イオネットS−80C(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3) イオネットDO−20(ポリオキシエチレンジオレエート、HLB値:5.3)、レオドールSP−P10{花王(株)製、ソルビタンモノパルミテート、HLB値:6.7、「レオドール」は同社の登録商標である。以下同じ。}、レオドールSP−S10(ソルビタンモノステアレート、HLB値:4.7)、レオドールSP−S30(ソルビタントリステアレート、HLB値:2.1)、レオドールSP−O10(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3)、レオドールMS−5O(グリセロールモノステアレート、HLB値:2.8)、レオドールMO−6O(グリセロールモノオレエート、HLB値:2.8)、エマゾールMO−50{花王(株)製、グリセロールモノオレエート、HLB値:2.8、「エマゾ-ル」は同社の登録商標である。以下同じ。}、モノグリD{日油(株)製、グリセリン脂肪酸モノエステル、HLB値:3.8}、モノグリMB(グリセロールモノステアレート、HLB値:5.5)、ノニオンPP−40Rペレット{日油(株)製、ソルビタンモノパルミテート、HLB値:6.7}及びノニオンBP−70R(ソルビタンモノベヘネート、HLB値:3.9)等。
イオネットS−20(三洋化成工業(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6) 、イオネットS−85(ソルビタントリオレエート、HLB値:1.8) 、イオネットMO−400(ポリオキシエチレンモノオレエート、HLB値:11.8) 、レオドールSP−L10(花王(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6)、エマゾールL−10(F)(花王(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6)、レオドールTW−L120(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB値:16.7)、ノニオンL−2(日油(株)製、ポリオキシエチレンモノラウレート、HLB値:9.9)、ノニオンCP−08R(ソルビタンモノカプリレート、HLB値:9.6)、ユニグリMK−207{日油(株)製、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、HLB値:13.0、「ユニグリ」は同社の登録商標である。以下同じ。}、ユニグリGO−102R(ポリグリセリンオレイン酸エステル、HLB値:8.8)等。
疎水性液体(Q)には、エステル化合物(E)以外に疎水性物質を含有する。
疎水性物質としては、水に容易に溶解せず、エステル化合物(E)と均一混合されて液体(25℃)であれば制限なく使用でき、炭化水素油(A1)、オルガノポリシロキサン(A2)、ポリエーテル化合物(A3)、脂肪酸金属塩(B1)、脂肪酸アミド(B2)及び体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを疎水化した疎水性湿式シリカ(B3)が含まれる。
疎水性液体(Q)としては、エステル化合物(E)と、炭化水素油(A1)、オルガノポリシロキサン(A2)及びポリエーテル化合物(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種と、脂肪酸金属塩(B1)、脂肪酸アミド(B2)及び体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを疎水化した疎水性湿式シリカ(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とからなることが好ましい。
炭化水素油(A1)としては、鉱物油及び合成潤滑油が含まれる。
鉱物油としては、40℃における動粘度が5〜40mm/sの鉱物油が含まれ、スピンドル油、マシン油及び冷凍機油等が挙げられる。鉱物油の商品名として{括弧内の数値は流動点(℃)である。}、コスモピュアスピンG(−10)、コスモピュアスピンE(0)、コスモSP−10(−12.5)、コスモSP−32(−40)及びコスモSC22(−15)(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、並びにスタノール35(−15)、スタノール43N(−15)(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
合成潤滑油としては、ポリオレフィン油(α―オレフィン油)、ポリブテン油、アルキルベンゼン油(アルキレート油)及びイソパラフィン油が含まれる。
イソパラフィン油としては、25℃における動粘度が1〜20mm/sのイソパラフィン油が含まれ、商品名として、リニアレン{出光興産(株)、「リニアレン」は同社の登録商標である。}、ダイアレン{三菱化学(株)、「ダイアレン」は同社の登録商標である。}及びNAS−5H{日油(株)}等が挙げられる。
これらのうち、鉱物油が好ましい。
炭化水素油(A1)の流動点は、−50〜2℃が好ましい。
流動点は、JIS K2269−1987(3.流動点試験法)に準拠して測定される。
オルガノポリシロキサン(A2)としては、シロキサン結合を主鎖とし、側鎖にアルキル基、アリール基、アルコキシル基、ポリオキシアルキレン基等を持つ重合体が含まれ、ポリアルキルシロキサン{ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ハイドロジェンメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びジメチルシロキサン−アルコキシ(炭素数4〜12)メチルシロキサン共重合物等}並びにポリアルキルシロキサンの側鎖又は末端にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン鎖等を付加した変性シリコーン等が挙げられる。
オルガノポリシロキサン(A2)の25℃における動粘度は、50〜10万mm/sが好ましい。
25℃における動粘度は、JIS K2283:2000(対応国際規格;ISO2909:1981及びISO3104:1994;この文献に開示された開示内容を参照により本出願に取り込む。)に準拠して測定される。
ポリエーテル化合物(A3)としては、炭素数2〜6のアルキル基を有するモノアルコールや、炭素数2〜6の多価アルコール等に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させた化合物が含まれる。
炭素数2〜6のアルキル基を有するモノアルコールとしては、エチルアルコール、n−ブロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール及びn−ヘキシルアルコール等が挙げられる。これらのうち、n−ブチルアルコール及びn−ヘキシルアルコールが好ましく、さらに好ましくはn−ブチルアルコールである。
炭素数2〜6の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、シクロヘキシレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等が挙げられる。これらのうち、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリメチロールプロパンが好ましい。
炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等が挙げられる。上記のアルコールとアルキレンオキシドとの化学反応において、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状との組合せを含むことが好ましい。これらの化学反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテル化合物(A3)の数平均分子量は、500〜5,000が好ましい。
脂肪酸金属塩(B1)としては、一般式(2)で表される化合物が含まれる。

(R−COO)−M (2)
一般式(2)において、Rは炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基、Mは1〜3価の金属原子、qは1〜3の整数を表す。
炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基(R)は、一般式(1)に記載のものと同じである。これらのうち、消泡性の観点等から、アルキル基(直鎖アルキル基及び直鎖アルケニル基)が好ましく、さらに好ましくは直鎖アルキル基、特に好ましくは炭素数8〜20の直鎖アルキル基、最も好ましくはドデシル及びオクタデシルである。
1〜3価の金属原子(M)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)、アルカリ土類金属(バリウム、カルシウム及びマグネシウム等)、遷移金属(亜鉛、ニッケル、鉄、銅、マンガン、コバルト、銀、金、白金、パラジウム、チタン、ジルコニウム及びカドミウム等)、周期律表第13族金属(アルミニウム等)、同第14族金属(錫及び鉛等)又はランタノイド金属(ランタン及びセリウム等)の原子等が挙げられる。これらのうち、消泡性の観点等から、2〜3価金属原子が好ましく、さらに好ましくは亜鉛原子、マグネシウム原子及びアルミニウム原子、特に好ましくはアルミニウム原子である。
qは1〜3の整数を表すが、次のように必ずしも金属原子の価数に対応するわけではない。すなわち、脂肪酸金属塩(B1)は、脂肪酸から水素原子を除いた残基の1個と1個の金属原子とから構成されてもよいし、1個の金属原子と複数個(2〜3が好ましい)の脂肪酸の残基とから構成されてもよい。
一般式(2)で表される化合物は、1種のqを持つ単一化合物でも、qが異なる複数の混合物でもよい。また、アルキル基又はアルケニル基の種類が異なる混合物でもよい。
脂肪酸金属塩(B1)は、1種の金属原子と複数種類の脂肪酸とから構成されてもよいし、複数種類の金属原子と1種類の脂肪酸とから構成されてもよい。なお、脂肪酸金属塩には、塩及び錯体の両方の意味が含まれる。
脂肪酸金属塩(B1)としては、ラウリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸マグネシウムが好ましく例示できる。
このような好ましい脂肪酸金属塩(B1)は市場からも容易に入手でき、たとえば以下の商品等が挙げられる。
カルシウムステアレート、オブラートCA−65、パウダーベースL、ジンクベヘネート、アルミニウムステアレート300、アルミニウムステアレート600、アルミニウムステアレート900及びバリウムステアレート{日油(株)等が挙げられる。
脂肪酸アミド(B2)としては、一般式(3)で表される化合物が含まれる。

−CONH−(CH−NHCO−R (3)
は炭素数9〜21のアルキル基又は炭素数10〜21のアルケニル基、tは1〜3の整数を表す。
炭素数9〜21のアルキル基又は炭素数10〜21のアルケニル基(R)としては、一般式(1)の炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基(R)のうち、炭素数が該当するものと同様である。
脂肪酸アミド(B2)としては、エチレンビスセトレイルアミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオクチルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド及びブチレンビスオレイルアミド等が挙げられる。
疎水性湿式シリカ(B3)としては、体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを疎水化したものであれば制限なく使用できる。
体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカとしては、非晶質合成シリカ(SN)のうち、湿式法によるシリカが含まれる。すなわち、非晶質合成シリカ(SN)としては、上記の通り、乾式法(熱分解法、溶融法)シリカ(SD)及び湿式法(ゲル法、沈降法)シリカ(SW)が含まれるが、これらのうち、体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを湿式法シリカとして使用できる。
疎水性湿式シリカ(B3)としては、湿式法シリカ(SW)を親油性化合物で疎水化処理した体積平均粒子径が1〜15μmの疎水性シリカ(既述の疎水性乾式シリカとは区別される)が含まれる。
湿式シリカ(SW)の親油性化合物による疎水化は、公知の方法等が適用でき、たとえば、湿式シリカ(SW)を溶媒{有機溶剤(トルエン、キシレン、ビフェニル及びジメチルスルホキシド等)及び動粘度5〜30mm/s(40℃)のパラフィンオイル及び鉱物油等}中で親油性化合物をシリカ粒子表面に吸着又は反応させて疎水化する湿式処理法が挙げられる。
湿式処理法により、親油性化合物を湿式シリカ(SW)の表面に吸着又は反応させる方法において、(1)湿式シリカ(SW)のもつ細孔への物理吸着、及び(2)湿式シリカ(SW)の表面電荷と親油性化合物のイオン性官能基との電気的な吸着等を利用することができる。これらのうち、消泡性等の観点から、(1)の物理吸着による方法が好ましい。
親油性化合物としては、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイル等が使用できる。
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜3000(mm/s、25℃)のジメチルシロキサン及びシクロテトラジメチルシロキサンが含まれる。
変性シリコーンとしては、上記のジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたものが含まれる。
親油性化合物の使用量(重量%)としては、湿式シリカ(SW)の重量に基づいて、5〜70が好ましく、さらに好ましくは7〜50、特に好ましくは10〜30である。この範囲であると消泡性がさらに優れる。
親油性化合物を用いる場合、加熱処理することができる。加熱処理する場合、加熱温度(℃)としては、100〜400が好ましく、さらに好ましくは120〜300、特に好ましくは140〜250である。
疎水性湿式シリカ(B3)の体積平均粒子径(μm)は、1〜15が好ましく、さらに好ましくは1.5〜14、特に好ましくは2〜13である。この範囲であると消泡性がさらに向上する。なお、疎水化の前後で、通常、体積平均粒子径に変化は見られない。
疎水性湿式シリカの体積平均粒子径は、JIS Z8825−1:2001(対応国際規格;ISO13320−1:1999Particle size analysis-Laser diffraction methods-Part 1:General principles;この文献に開示された開示内容を参照により本出願に取り込む。)に準拠したレーザー回折式粒度分析計{例えば、Leeds&Northrup社製Microtrac Model No.MT3300EX}を用い、電気伝導度(25℃)0.1mS/m以下のメタノール{純度99重量%以上、和光純薬工業(株)製}1000重量部に、測定試料濃度0.1重量%となるように測定試料を添加して測定分散液を調製して、測定温度25±5℃で測定した後、メタノールの屈折率として1.329を、測定試料の屈折率として文献値(「A GUIDE FOR ENTERING MICROTRAC ”RUN INFORMATION”(F3)DATA」、Leeds&Northrup社作成)を用いて、50%積算体積平均粒子径として求められる。
疎水性湿式シリカ(B3)は市場から容易に入手でき、例えば下記のような製品等が挙げられる。
<沈殿法シリカを疎水化したシリカ>
Nipsil SSシリーズ(SS−10、SS−40、SS−50及びSS−115等){東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)}、Sipernat D及びCシリーズ(D10、D17、C600及びC630等){デグサジャパン株式会社}、並びにSYLOPHOBICシリーズ(100、702、505及び603等){富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は富士シリシア化学株式会社の登録商標である。}等。
疎水性液体(Q)には、ワックスを含有させることができる。
ワックスとしては、植物ワックス(カルナウバワックス及びライスワックス等)、動物ワックス(蜜蝋等)、鉱物ワックス(モンタンワックス等)、合成ワックス(ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン等、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
疎水性液体(Q)に炭化水素油(A1)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、20〜95が好ましく、さらに好ましくは25〜95、特に好ましくは30〜90、最も好ましくは30〜80である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)にオルガノポリシロキサン(A2)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、5〜95が好ましく、さらに好ましくは5〜90、特に好ましくは10〜85、最も好ましくは10〜80である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)にポリエーテル化合物(A3)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、5〜95が好ましく、さらに好ましくは5〜90、特に好ましくは10〜85、最も好ましくは10〜80である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)に脂肪酸金属塩(B1)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、0.5〜6が好ましく、さらに好ましくは0.8〜6、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜5である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)に脂肪酸アミド(B2)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、0.5〜6が好ましく、さらに好ましくは0.8〜6、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜5である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)に疎水性湿式シリカ(B3)を含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、0.5〜5が好ましく、さらに好ましくは0.5〜4、特に好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)にワックスを含有する場合、この含有量(重量%)は、疎水性液体(Q)の重量に基づいて、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8、特に好ましくは1〜7、最も好ましくは1〜5である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
水としては、水道水、工業用水、蒸留水、イオン交換水及び地下水等が利用できる。これらのうち、水道水、工業用水、蒸留水及びイオン交換水が好ましい。
本発明の消泡剤には、一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)、水及び疎水性液体(Q)以外に、界面活性剤等を含有してもよい。
界面活性剤としては、ノニオン型、カチオン型、アニオン型又は両性型の公知の界面活性剤が使用できる。
ノニオン型界面活性剤としては、高級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加体、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加体、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加体、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン)及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。ただし、ノニオン界面活性剤に、既述のポリエーテル化合物(A3)は含まれない。
カチオン型界面活性剤としては、高級アルキルアミン塩、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加体、ソロミンA型カチオン界面活性剤、サパミンA型カチオン界面活性剤、アーコベルA型カチオン界面活性剤、イミダゾリン型カチオン界面活性剤、高級アルキルトリメチルアンモニウム塩、高級アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩等が挙げられる。
アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸アルカリ金属塩、脂肪酸アンモニウム塩、脂肪酸アミン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルアルキルタウリン塩及びアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。ただし、アニオン界面活性剤に、既述の脂肪酸金属塩(B1)は含まれない。
両性型界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩及び高級アルキルジメチルベタイン等が挙げられる。
一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)の含有量(重量%)は、消泡剤(一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)、水、疎水性液体(Q)及び必要により界面活性剤からなる本発明の消泡剤;以下同じ。)の重量に基づいて、0.02〜2が好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.8、特に好ましくは0.07〜1.5、最も好ましくは0.1〜1である。この範囲であると、消泡性及び製品安定性がさらに良好となる。
水の含有量(重量%)は、消泡剤の重量に基づいて、8〜70が好ましく、さらに好ましくは14〜69、特に好ましくは19〜64、最も好ましくは24〜64である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性液体(Q)の含有量(重量%)は、消泡剤の重量に基づいて、28〜90が好ましく、さらに好ましくは30〜85、特に好ましくは35〜80、最も好ましくは35〜75である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
界面活性剤を含有する場合、この含有量(重量%)は、消泡剤の重量に基づいて、0.3〜4が好ましく、さらに好ましくは0.6〜3、特に好ましくは0.9〜2、最も好ましくは1〜2である。この範囲であると製品安定性がさらに良好となる場合がある。
本発明の消泡剤の粘度(mPa・s/25℃)は、300〜3000が好ましく、さらに好ましくは300〜2500、特に好ましくは500〜2500、最も好ましくは500〜2000である。この範囲であると、製品安定性及び消泡性がさらに良好となる。
なお、粘度は、JIS K7233−1986の4.2単一円筒回転粘度計法(対応国際規格;ISO2555Resins in the liquid state or as emulsions or dispersions-Determination of Brookfield RV viscosity、ISO3104Petroleum products-Transparent and opawue liquids-Detemination of kinematic viscosity and calculation of dynamic viscosity、ISO3105Glass capillary kinematic viscometer-Specifucation and opreting instructions;この文献に開示された開示内容を参照により本出願に取り込む。)に準拠して測定される。
本発明の消泡剤は、公知の方法等により製造でき、たとえば、次の方法等が適用できる。
<製造方法1>
疎水性液体(Q)及び水からなる混合液に疎水性乾式シリカ(S)を添加混合する工程(1)を含む方法。
<製造方法2>
疎水性液体(Q)及び水の一部からなる混合液に疎水性乾式シリカ(S)を添加混合し、さらに残りの水を添加混合する工程(2)を含む方法。
<製造方法3>
疎水性液体(Q)及び疎水性乾式シリカ(S)からなる混合液に、水を添加混合する工程(3)を含む方法。
製造方法(1)〜(3)において、添加混合する温度は、10〜70℃程度である。また、疎水性乾式シリカ(s)又は水を添加混合する際、これらを一気に添加してもよいし、少しずつ連続して添加してもよいし、分割して(たとえば2〜10回に分けて)添加してもよい。
製造方法(1)〜(3)において、ホモジナイザーやディスパーミル等で添加混合(エマルション化)してもよい。
本発明の消泡剤に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤は任意段階で添加混合できる。
疎水性液体(Q)は、エステル化合物(E)と、エステル化合物(E)以外の疎水性物質とを単に均一混合する混合工程(4)を含めばよいが、これらを均一加熱混合する加熱混合工程(5)を含んでもよい。
混合工程(4)は、上記の製造方法(1)〜(3){工程(1)〜(3)}の前に行われてもよいし、後に行われてもよい。疎水性液体(Q)に脂肪酸金属塩(B1)及び/又は脂肪酸アミド(B2)を含む場合(ワックスを含有する場合を含む)、加熱混合工程(5)を含むことが好ましい。加熱混合工程(5)は、上記の製造方法1〜3{工程(1)〜(3)}の前に行われても、後に行われてもよいが、前に行われることが好ましい。
加熱混合工程(5)において、加熱温度(℃)としては、80〜200が好ましく、さらに好ましくは90〜190、特に好ましくは100〜180、最も好ましくは110〜170である。
疎水性液体(Q)に脂肪酸アミド(B2)を含み、加熱混合工程(5)を含む場合、脂肪酸アミド(B2)を溶解(又は溶融)させた後、攪拌しながら冷却する冷却工程(6)(80℃以下が好ましく、さらに好ましくは60℃以下)と、冷却工程(6)に続き、60〜80℃で攪拌しながら熱処理する熱処理工程(7)(3時間程度が好ましい)を含むことが好ましい。
疎水性液体(Q)に脂肪酸アミド(B2)を含まない場合、冷却工程(6)及び熱処理工程(7)を含まないことが好ましい。
以上の工程の後、40℃以下まで冷却して、疎水性液体(Q)を得る冷却工程(8)を経て、疎水性液体(Q)が調製される。
冷却工程(6)、熱処理工程(7)、冷却工程(8)のそれぞれは、加熱混合工程(5)の後に行われれば、上記の製造方法1〜3{工程(1)〜(3)}の前に行われても、後に行われてもよいが、前に行われることが好ましい。
なお、疎水性液体(Q)に炭化水素油(A1)及び脂肪酸アミド(B2)を含む場合、炭化水素油(A1)の一部を加熱混合工程(5)で使用し、残りの炭化水素油(A1)は後の冷却工程(6)、熱処理工程(7)及び/又は冷却工程(8)で投入してもよい。
また、工程(1)〜(4)、(7)及び/又は(8)の後に、ボールミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー等で脂肪酸金属塩(B1)、脂肪酸アミド(B2)及び/又はエステル化合物(E)を微細化処理してもよい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的である。従って、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
なお、エマルション塗料に含まれるバインダーとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられ、いずれに対しても効果的である。
本発明の消泡剤の添加方法としては、塗料に適用する場合、(1)顔料分散時及び/又は(2)塗料作成後に添加する方法等が挙げられる。また、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。
本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料に適用する場合、塗料の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.5〜4、最も好ましくは0.5〜3である。また、各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性液体の重量に基づいて、0.005〜1が好ましく、さらに好ましくは0.006〜08、特に好ましくは0.008〜0.6、最も好ましくは0.01〜0.5である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<製造例1>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e1){イオネットS−80、ソルビタンモノオレエート、HLB:4.3、三洋化成工業(株)製}5部と、炭化水素油(a11){コスモピュアスピンRB、コスモルブリカンツ(株)製、流動点−12.5℃、「ピュアスピン」は同社の登録商標である。}80部と、ポリエーテル化合物(a31){ニューポールLB−1715、ポリオキシプロピレン(重合度:40)ブチルエーテル、三洋化成工業(株)製、「ニューポール」は同社の登録商標である。}10部と、脂肪酸金属塩(b11){アルミニウムステアレート900、トリステアリン酸アルミニウム、日油(株)製}5部とを投入した後、ホモジナイザー{ハイフレックスディスパーサーHG−92G、タイテック(株)製、以下同じ}にて3000rpmで攪拌しつつ150℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q1)を得た。
<製造例2>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e2){イオネットDL−200、ポリオキシエチレン(重合度:4)グリコールジラウリン酸エステル、HLB:6.6、三洋化成工業(株)製}25部と、炭化水素油(a12){NCL22、谷口石油(株)製、流動点−47.5℃}40部と、脂肪酸アミド(b21){アルフロー H−50S、エチレンビスステアリルアミド、日油(株)製、「アルフロー」は同社の登録商標である。}5部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ130℃まで昇温し、この温度にてさらに1時間加熱攪拌した。次いで炭化水素油(a12)(NCL22)を30部加え、70℃にて3時間攪拌した。その後得られた混合物を攪拌しながら30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q2)を得た。
<製造例3>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e3){レオドールMS−60、グリセリンモノステアレート、HLB:3.5、花王(株)製}20部と、炭化水素油(a13){コスモピュアスピンG、コスモルブリカンツ(株)製、流動点−7.5℃}74部と、オルガノポリシロキサン(a21){KF96−1,000cs、ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製、1,000mm/s/25℃}5部と、疎水性湿式シリカ(b31){Nipsil SS−50、東ソー・シリカ(株)製、体積平均粒子径1μm、M値65、「Nipsil」は同社の登録商標である。}1部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q3)を得た。
<製造例4>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e4){レオドールMO−60、グリセリンモノオレエート、HLB:2.8、花王(株)製}3部と、オルガノポリシロキサン(a22){KF96−3,000cs、ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製、3,000mm/s/25℃}94部と、疎水性湿式シリカ(b32){Sipernat D10、デグサジャパン(株)製、体積平均粒子径5μm、M値72、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}3部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q4)を得た。
<製造例5>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e5){イオネットS−85、ソルビタントリオレエート、HLB:1.8、三洋化成工業(株)製}2.5部と、オルガノポリシロキサン(a23){KF96−5,000cs、ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製、5,000mm/s/25℃}80部と、ポリエーテル化合物(a32){ニューポールPP−950、ポリオキシプロピレン(重合度:16)グリコール、三洋化成工業(株)製}17部と、疎水性湿式シリカ(b32){Sipernat D10}0.5部投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q5)を得た。
<製造例6>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e1){イオネットS−80}10部と、炭化水素油(a13){コスモピュアスピンG}84部と、ポリエーテル化合物(a33){ニューポール50HB−260、ポリオキシプロピレン(重合度:7)−ポリオキシエチレン(重合度:10)ブチルエーテル、三洋化成工業(株)製}5部と、脂肪酸金属塩(b12){アルミニウムステアレート600、ジステアリン酸アルミニウム、日油(株)製}1部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ150℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q6)を得た。
<製造例7>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e1){イオネットS−80}14部と、炭化水素油(a12){NCL22}70部と、ポリエーテル化合物(a33){ニューポール50HB−260}10部と、脂肪酸金属塩(b11){アルミニウムステアレート900}6部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ150℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q7)を得た。
<製造例8>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e3){レオドールMS−60}1部と、炭化水素油(a11){コスモピュアスピンRB}88部と、オルガノポリシロキサン(a24){KF96−50cs、ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製、50mm/s/25℃}10部と、脂肪酸金属塩(b11){アルミニウムステアレート900}0.5部及び脂肪酸アミド(b21){アルフローH−50S}0.5部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ130℃まで昇温し、さらに1時間攪拌した。その後得られた混合物を攪拌しながら5時間かけて30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q8)を得た。
<製造例9>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e3){レオドールMS−60}17部と、ポリエーテル化合物(a31){ニューポールLB−1715}80部と、脂肪酸金属塩(b13){オーラブライトMA−76、ジステアリン酸マグネシウム、日油(株)製、「オーラブライト」は同社の登録商標である。}3部とを投入した後、にて3000rpmで攪拌しつつ150℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q9)を得た。
<製造例10>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e5){イオネットS−85}5部と、オルガノポリシロキサン(a24){KF96−50cs}40部、オルガノポリシロキサン(a25){KF96−10万cs、ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業(株)製、10万mm/s/25℃}10部と、脂肪酸アミド(b22){アルフロー AD−281F、エチレンビスオレイルアミド、日油(株)製}5部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ120℃まで昇温し、この温度にてさらに1時間加熱攪拌した。次いでオルガノポリシロキサン(a24){KF96−50cs}40部を加え、65℃にて3時間攪拌した。その後得られた混合物を攪拌しながら30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q10)を得た。
<製造例11>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e4){レオドールMO−60}11部と、オルガノポリシロキサン(a21){KF96−1,000cs}85部と、疎水性湿式シリカ(b32){Sipernat D10}4部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q11)を得た。
<製造例12>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e2){イオネットDL−200}5.5部と、ポリエーテル化合物(a31){ニューポールLB−1715}90部と、疎水性湿式シリカ(b31){Nipsil SS−50}4.5部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、この温度にてさらに3時間加熱攪拌した。その後、得られた混合物を攪拌しながら、30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q12)を得た。
<製造例13>
ステンレス製容器内に、エステル化合物(e1){イオネットS−80}25部と、炭化水素油(a12){NCL22}30部と、ポリエーテル化合物(a31){ニューポールLB−1715}40.5部と、疎水性湿式シリカ(b31){Nipsil SS−50}3部と、ワックス{エポレンE−10Jワックス、酸化ポリエチレンワックス、イーストマンケミカルジャパン(株)製、「EPOLENE」はウエストレイク ロングビュー コーポレーションの登録商標である。}1.5部とを投入した後、ホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しつつ180℃まで昇温し、さらに同温度で3時間攪拌した。その後得られた混合物を攪拌しながら30℃まで空冷にて冷却し、疎水性液体(q13)を得た。
<実施例1>
ステンレス製容器内で、製造例1で得た疎水性液体(q1)90部とイオン交換水(以下、単に水と略称す)8.2部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温(15〜20℃、以下同じ)下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s1){Aerosil RY200、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:12nm、M値:75}1.8部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続けて、本発明の消泡剤(1)を得た。
<実施例2>
ステンレス製容器内で、製造例2で得た疎水性液体(q2)28部と水12部及び界面活性剤(1){ナロアクティー CL−40、三洋化成工業(株)製、ノニオン界面活性剤、「ナロアクティー」は同社の登録商標である}2部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s2){Aerosil R104、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:16nm、M値:40}0.02部を60分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水57.98部を60分間で添加混合して、本発明の消泡剤(2)を得た。
<実施例3>
ステンレス製容器内で、製造例3で得た疎水性液体(q3)80部と水4部及び界面活性剤(2){SYグリスター CRS−75、阪本薬品工業(株)製、ノニオン界面活性剤、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル}0.95部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s3){Aerosil RX200、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:12nm、M値:70}0.05部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水15部を30分間で添加混合して、本発明の消泡剤(3)を得た。
<実施例4>
ステンレス製容器内で、製造例4で得た疎水性液体(q4)70部と水7部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s4){Aerosil R972、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:16nm、M値:50}0.1部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水22.9部を30分間で添加混合して、本発明の消泡剤(4)を得た。
<実施例5>
ステンレス製容器内で、製造例5で得た疎水性液体(q5)60部と水12部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s5){Aerosil R974、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:12nm、M値:45}0.2部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水27.8部を30分間で添加混合して、本発明の消泡剤(5)を得た。
<実施例6>
ステンレス製容器内で、製造例6で得た疎水性液体(q6)50部と水10部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s3){Aerosil RX200}0.5部を60分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水39.5部を30分間で添加混合して、本発明の消泡剤(6)を得た。
<実施例7>
ステンレス製容器内で、製造例7で得た疎水性液体(q7)45部と水15部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s1){Aerosil RY200}0.3部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水39.7部を45分間で添加混合して、本発明の消泡剤(7)を得た。
<実施例8>
ステンレス製容器内で、製造例8で得た疎水性液体(q8)40部と水10部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s2){Aerosil R104}1部を45分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水49部を45分間で添加混合して、本発明の消泡剤(8)を得た。
<実施例9>
ステンレス製容器内で、製造例9で得た疎水性液体(q9)85部と水13.5部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s4){Aerosil R972}1.5部を60分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続けて、本発明の消泡剤(9)を得た。
<実施例10>
ステンレス製容器内で、製造例10で得た疎水性液体(q10)35部と水25部及び界面活性剤(1){ナロアクティー CL−40}0.93部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s1){Aerosil RY200}0.07部を15分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水39部を45分間で添加混合して、本発明の消泡剤(10)を得た。
<実施例11>
ステンレス製容器内で、製造例11で得た疎水性液体(q11)30部と界面活性剤(3){ナロアクティー CL−70、三洋化成工業(株)製、ノニオン界面活性剤}1部及び界面活性剤(4){SNウエット984、サンノプコ(株)製、ノニオン界面活性剤}2.6部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s5){Aerosil R974}0.4部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水66部を90分間で添加混合して、本発明の消泡剤(11)を得た。
<実施例12>
ステンレス製容器内で、製造例12で得た疎水性液体(q12)75部と水24部及び界面活性剤(1){ナロアクティー CL−40}0.4部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s3){Aerosil RX200}0.6部を45分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続けて、本発明の消泡剤(12)を得た。
<実施例13>
ステンレス製容器内で、製造例13で得た疎水性液体(q13)55部と水20部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s4){Aerosil R972}2部を75分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水23部を30分間で添加混合して、本発明の消泡剤(13)を得た。
<実施例14>
ステンレス製容器内で、製造例9で得た疎水性液体(q9)35部と、製造例13で得た疎水性液体(q13)35部と、界面活性剤(5){SNウエット980、サンノプコ(株)製、ノニオン界面活性剤}3部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて混合液を3000rpmで攪拌しながら、疎水性乾式シリカ(s5){Aerosil R974}0.2部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水26.8部を60分間で添加混合して、本発明の消泡剤(14)を得た。
<比較例1>
ステンレス製容器内で、製造例5で得た疎水性液体(q5)55部と水20部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、疎水性湿式シリカ(b32){Sipernat D10}0.5部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水24.5部を30分間で添加混合して、比較用の消泡剤(U1)を得た。
<比較例2>
ステンレス製容器内で、製造例12で得た疎水性液体(q12)60部と水10部とを攪拌混合して混合液を得た後、室温下、ホモジナイザーにて3000rpmで混合液を攪拌しながら、シリカ{非疎水化シリカ、Aerosil 200CF、日本アエロジル(株)製、一次粒子径:12nm}0.5部を30分間で添加混合して、さらに30分攪拌を続け、次いで3000rpmで攪拌しながら、水29.5部を60分間で添加混合して、比較用の消泡剤(U2)を得た。
<比較例3>
ステンレス製容器内で、製造例7で得た疎水性液体(q7)65部と、界面活性剤(6){ノニオンTA−405、日油(株)製、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル、HLB:5}2部と、界面活性剤(7){ノニオンOT−221、日油(株)製、ポリオキシエチレンソルビタン−モノオレート、HLB:15.7}3部と、界面活性剤(8){ナイミーンS−204、日油(株)製、ポリオキシエチレン−ステアリルアミン、HLB:8、「ナイミーン」は同社の登録商標である。}2部とを攪拌混合してから40℃まで加熱攪拌て混合液を得た後、混合液を室温まで放冷しつつホモジナイザーにて3000rpmで攪拌しながら水28部を60分間で添加混合し、ホモジナイザーにて3000rpmで30分攪拌を続けて、比較用の消泡剤(U3)を得た。
<比較例4>
ステンレス製容器内で、α−オレフィン{出光興産(株)製、リニアレン2024、「リニアレン」は同社の登録商標である。}7部と、高級アルコール{カルコール220−80、花王(株)製、「カルコール」は同社の登録商標である。}15部と、ステアリルステアレート{エキセバールSS、花王(株)製、「エキセバール」は同社の登録商標である。}10部と、界面活性剤(9){ソフタノール30{日本触媒(株)製、炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコール1モル当たり、プロピレンオキシド3モルを付加した後、エチレンオキシド5モルを付加したもの}3部とを攪拌混合してから、85℃まで加熱攪拌して混合液を得た後、ホモジナイザーにて3000rpmで撹拌しつつ、90℃の温水65部を45分掛けて添加混合し、その後3000rpmで撹拌しつつ室温まで冷却して、比較用の消泡剤(U4)を得た。
実施例1〜14で得た消泡剤(1)〜(14)及び比較例1〜5で得た消泡剤(U1)〜(U4)について、消泡性の評価{消泡性評価1〜4}を以下のようにして行い、各評価結果を表1、3、4、6に示した。また、実施例、比較例で得た消泡剤の作成直後の粘度、製品安定性の評価結果を表7に示した。
<消泡性評価1>
(1)発泡性試験液の調製
ステンレスビーカーに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[ナローアクティーCL140、HLB=14.7、三洋化成工業(株)製]2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩[キャリボン(登録商標)EN−200、三洋化成工業(株)製]2部及びイオン交換水96部を投入後、10分間均一撹拌混合を行い、発泡性試験液を得た。
(2)消泡性試験方法
容量約2000mlのガラス製円柱型発泡管に発泡性試験液を750ml入れ、5℃又は70℃に温度調節し、このときの液面を基準高さとして読み取った。次いで、循環ポンプを用いて、発泡性試験液を3,000ml/分で、発泡管の底部から抜きながら、発泡管の上部(基準高さから150mmの高さ)から発泡管内に落下させることにより、発泡性試験液を循環させ続けた。この循環により発泡性試験液が泡立って、泡高さが基準高さより100mmの位置に達した時点で、マイクロピペットにて、評価試料{消泡剤から水を除いた濃度が発泡性試験液に対して300ppmとなる量}を添加した後、発泡性試験液の循環を継続して変化する泡高さ(泡の最上端高さ−基準高さ:mm)を試験開始5秒後、30秒後、1分後及び5分後に測定を行った。これらの泡高さの小さい方が消泡性が高いことを意味している。
Figure 0005934857

<消泡性評価2>
(1)エマルションベース塗料の調製
表2に示した原料組成にて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンを実施して塗料化した。得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2:1999)で80KU(25℃)になるように水で希釈してエマルションベース塗料を得た。
Figure 0005934857

注1:サンノプコ(株)製分散剤
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:竹原化学工業(株)製炭酸カルシウム
注4:石原産業(株)製二酸化チタン
注5:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注6:サンノプコ(株)製防腐剤
注7:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注8:サンノプコ(株)製増粘剤
(2)エマルション塗料の調製
エマルションベース塗料に、評価試料{消泡剤から水を除いた濃度がエマルションベース塗料に対して0.5%となる量}を加えて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、5000rpm、5分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(18)を得た。エマルション塗料(1)〜(14)には実施例1〜14の消泡剤を用い、エマルション塗料(15)〜(18)には比較例1〜4の消泡剤を用いた。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(19)を得た。
(3)初期消泡性の評価
5℃又は40℃に温度調整したエマルション塗料(1)〜(19)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpm、3分間攪拌混合して泡を巻き込ませてから15秒後に、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(19)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重値が大きいほど泡の噛み込みが少ないことを表し、消泡性に優れている。
(4)持続消泡性の評価
約250mlのエマルション塗料(1)〜(19)を250mlサンプル瓶に入れて、密閉状態で40℃にて1ケ月間静置保管した後、『(3)初期消泡性の評価』と同様にして、比重を測定し、これを持続消泡性とした。
Figure 0005934857

<消泡性評価3>
ホリゾンタル消泡試験機{上面が解放された直方体容器に入れた新聞抄紙白水を直方体容器の一端部の底部から循環ポンプにて汲み上げて(3000ml/分)新聞抄紙白水の液面から20cm上部(直方体容器の他端部の上部)から落下させることにより新聞抄紙白水を発泡させる一方、新聞抄紙白水が他端部から一端部へ20cm流れた後、ポンプにて汲み上げられる循環式消泡試験機であって、直方体容器内の液面上における他端部からの泡の長さを測定できる試験機。;特許第3799393号公報参照}に某製紙工場から採取した新聞紙抄紙白水500mlを入れ、30℃(又は70℃)に温度調整した。次いで新聞抄紙白水を循環(3000ml/分)しながら、新聞抄紙白水の落下地点からの泡長さが100mmに達したとき、落下する新聞抄紙白水に評価試料{消泡剤から水を除いた濃度が新聞抄紙白水に対して5ppmとなる量}をマイクロピペットを用いて添加した後の直方体容器内の泡長さ(試験開始2分後、5分後に測定、mm表示、値が小さいほど消泡性が良いことを表す)で消泡性を評価した。
Figure 0005934857

<消泡性評価4>
(1)紙塗工塗料の調製
以下の原料組成にて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーを用いて塗料化して、評価用の紙塗工塗料を得た(評価試料入り)。また、評価試料を使用しないこと以外、上記と同様にして、消泡剤なしの紙塗工塗料を得た。
Figure 0005934857

注1:(株)イメリスミネラルズ・ジャパン製
注2:エンゲルハード(株)製
注3:竹原化学工業(株)製
注4:竹原化学工業(株)製
注5:サンノプコ(株)製分散剤
注6:ジェイエスアール(株)製JSR0629
注7:王子コーンスターチ(株)製
注8:サンノプコ(株)製湿潤剤
注9:消泡剤から水を除いた量として1.0部となる量
(2)消泡性の評価
評価用の紙塗工塗料(評価試料入り)を、市販の中質紙(坪量63g/m)の片面に塗工量が15g/mになるように塗工速度50m/minでブレード塗工(温度50℃)して塗工紙を得た。次いでこの塗工紙をスーパーカレンダー処理(条件;温度40℃、線圧60Kg/cm、2回通し)を行い評価用紙とした。評価用紙の紙面中(面積:20cm×20cm)の泡痕の数(個)を目視にて計測した。数字が小さいほど消泡性が良好である。
Figure 0005934857

<製品安定性>
実施例、比較例で得た消泡剤をガラス容器(内寸;直径20mm、内容液高さ70mm)に充填して密栓した後、60℃にて1週間静置して、分離する水層(下層)の厚さ(単位:mm)を評価した。
<粘度>
消泡剤を作成した直後に、JIS K7233−1986の4.2単一円筒回転粘度計法に準拠して、回転粘度計(VISCOMETER TV−20、TOKI SANGYO CO,LTD.製、ローターNo.3、60又は30rpm、液温25℃)で測定した。
Figure 0005934857

以上の結果等から、本発明の消泡剤は、比較用の消泡剤に比べ、広い温度範囲(5〜70℃)で優れた消泡性を発揮し、且つ製品安定性に優れていることを確認できた。
本発明の消泡剤は、あらゆる用途に用いることができるが、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料工業(水系塗料、紙塗工塗料)、化学工業、食品工業、石油工業、土木建築工業、織物工業、紙パルプ工業、医薬品工業又は排水処理工程用等の分野において好適である。

Claims (7)

  1. 乾式法によるシリカを疎水化して得られ、一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)と、
    水と、
    一般式(1)で表されるエステル化合物(E)を1〜25重量%含有する疎水性液体(Q)とを必須成分とし、
    一次粒子径が5〜100nmである疎水性乾式シリカ(S)のM値が30〜75であり、
    疎水性液体(Q)が、
    一般式(1)で表されるエステル化合物(E)と、
    炭化水素油(A1)、オルガノポリシロキサン(A2)及びポリエーテル化合物(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
    脂肪酸金属塩(B1)、脂肪酸アミド(B2)及び体積平均粒子径が1〜15μmである湿式法によるシリカを疎水化した疎水性湿式シリカ(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とからなり、
    疎水性液体(Q)にポリエーテル化合物(A3)を含み、ポリエーテル化合物(A3)が炭素数2〜4のアルキレンオキシドの付加体からなり、数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする消泡剤。

    (R−COO)−D (1)

    は炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基、Dは2〜6個の炭素原子及び1〜6個の水酸基を含有する化合物(D’)からエステル結合に関与した水酸基を除いた残基又はこの化合物(D’)に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させた付加体からエステル結合に関与した水酸基を除いた残基、pは1〜3の整数を表す。
  2. 消泡剤の重量に基づいて、疎水性乾式シリカ(S)の含有量が0.02〜2重量%、水の含有量が8〜70重量%、疎水性液体(Q)の含有量が28〜90重量%である請求項1に記載の消泡剤。
  3. 疎水性液体(Q)に炭化水素油(A1)を含み、炭化水素油(A1)の流動点が−50〜2℃である請求項1又は2に記載の消泡剤。
  4. 疎水性液体(Q)にオルガノポリシロキサン(A2)を含み、オルガノポリシロキサン(A2)の25℃における動粘度が50〜10万mm/sである請求項1〜3のいずれかに記載の消泡剤。
  5. 疎水性液体(Q)に脂肪酸金属塩(B1)を含み、脂肪酸金属塩(B1)が一般式(2)で表される化合物である請求項1〜のいずれかに記載の消泡剤。

    (R−COO)−M (2)

    は炭素数1〜21のアルキル基又は炭素数2〜21のアルケニル基、Mは1〜3価の金属原子、qは1〜3の整数を表す。
  6. 疎水性液体(Q)に脂肪酸アミド(B2)を含み、脂肪酸アミド(B2)が一般式(3)で表される化合物である請求項1〜のいずれかに記載の消泡剤。

    −CONH−(CH−NHCO−R (3)

    は炭素数9〜21のアルキル基又は炭素数10〜21のアルケニル基、tは1〜3の整数を表す。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載された消泡剤を製造する方法であって、疎水性液体(Q)及び水からなる混合液に疎水性乾式シリカ(S)を添加混合する工程を含むことを特徴とする製造方法。
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