JP5211279B2 - 消泡剤 - Google Patents

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Description

本発明は消泡剤に関する。
塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤として、アルコールのアルキレンオキシド付加物に脂肪酸ビスアミドを分散させた消泡剤が知られている(特許文献1)。
特開平1−99619号公報
従来の消泡剤組成物では、十分な消泡性(初期消泡性)が得られないという問題がある。
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、消泡性(初期消泡性)に優れる消泡剤を提供することである。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)に示した脂肪酸モノアミドをポリエーテル中に分散させた消泡剤が、従来の脂肪酸ビスアミドを分散させた消泡剤よりも優れた消泡性を発揮することを見出し、本発明に達した。
すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、脂肪酸モノアミド(A)をポリエーテル化合物(B)中に分散して含有し、
脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、脂肪酸モノアミド(A)の含有量が0.5〜10重量%、ポリエーテル化合物(B)の含有量が90〜99.5重量%であり、
脂肪酸モノアミド(A)が一般式(1)で表され
ポリエーテル化合物(B)が、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)、一般式(4)で表されるポリエーテル化合物(B3)、一般式(5)で表されるポリエーテル化合物(B4)及び一般式(6)で表されるポリエーテル化合物(B5)からなる群より選ばれる少なくとも1種である点を要旨とする。

CONH−R (1)

は炭素数10〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基、Rは水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基を表す。

Figure 0005211279

はアルコール、アミド又はアミンから選ばれる炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基、R 及びR は炭素数1〜24の1価の有機基(炭素数1〜6のアシル基及びアロイル基を除く。)、R は炭素数1〜24の2価の有機基、R は水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基、AO及びOAは炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基を表し、(AO)nのうち、オキシエチレン基の占める割合は0〜20重量%であり、nは1〜100の整数で一分子中に複数のnが存在する場合、それぞれ同じでも異なっていてもよく、sは1〜10の整数、pは0〜10の整数、qは0〜9の整数、rは0〜9の整数、mは0〜9の整数、p+rは1〜10の整数、p+q+rは1〜10の整数、p+q+r+mは2〜10である。
本発明の製造方法の特徴は、上記に記載された消泡剤を製造する方法であって、
脂肪酸モノアミド(A)とポリエーテル化合物(B)の一部とを100〜180℃で加熱攪拌しながら、脂肪酸モノアミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
ポリエーテル化合物(B)の残部を0〜40℃に冷却攪拌しながら、この残部に得られた溶解液を投入して脂肪酸モノアミド(A)分散体を得る工程(2)、並びに
得られた分散体を乳化分散機で均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含む点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、著しく優れた消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)を発揮する。また、本発明の製造方法を用いると、消泡性(初期消泡性及び消泡持続性)に優れた消泡剤を容易に得ることができる。
脂肪酸モノアミド(A)としては、アミド結合を1つ持つ公知の脂肪酸モノアミドが使用でき、消泡性の観点から、一般式(1)で表される脂肪酸モノアミドが好ましい。
なお、脂肪酸モノアミド(A)には、脂肪酸モノアミドのアルキレンオキシド付加体は含まれない{このような付加体は、ポリエーテル化合物(B)に該当する。}。
炭素数10〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基(R)のうち、炭素数10〜22のアルキル基としては、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソオクダデシル及びエイコシル等が挙げられる。
また、炭素数10〜22のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシデシル、ヒドロキシドデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒドロキシイソオクダデシル及びヒドロキシエイコシル等が挙げられる。
また、炭素数10〜22のアルケニル基としては、デセニル、ドデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、イソオクダデセニル及びエイコセニル等が挙げられる。
炭素数1〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基(R)のうち、炭素数1〜22のアルキル基としては、上記のアルキル基の他、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル及び2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また、炭素数1〜22のヒドロキシアルキル基としては、上記のヒドロキシアルキル基の他、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシイソプロピル、ヒドロキシヘキシル及びヒドロキシオクチル等が挙げられる。
また、炭素数2〜22のアルケニル基としては、上記のアルケニル基の他、ビニル、イソプロペニル、ブテニル、ヘキセニル、オクテニル及び2−エチルヘキセニル等が挙げられる。
一般式(1)で表される脂肪酸モノアミドとしては、炭素数10〜22の脂肪酸と炭素数1〜22のモノアミン又はアンモニアとの反応物が含まれ、ステアリルアミド、パルミチルアミド、ミリスチルアミド、ラウリルアミド、オレイルアミド、12−ヒドロキシステアリルアミド、ベヘニルアミド、エルシルアミド、N−メチルステアリルアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ステアリルエルシルアミド、N−オレイルパルミチルアミド及びN−(12−ヒドロキシステアリル)−12−ヒドロキシステアリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、ステアリルアミド、パルミチルアミド、ミリスチルアミド、オレイルアミド、12−ヒドロキシステアリルアミド及びN−オレイルパルミチルアミドが好ましく、特に好ましくはステアリルアミドである。
脂肪酸モノアミド(A)の含有量(重量%)は、脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは0.7〜9、特に好ましくは1〜8、最も好ましくは1.5〜7.5である。
なお、脂肪酸モノアミド(A)には副成分を含有していてもよい。副成分としては、脂肪酸モノアミド以外の成分であって、未反応アミン及び未反応カルボン酸が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、脂肪酸モノアミド(A)の重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満である。
ポリエーテル化合物(B)としては、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を単位とする公知の重合体が含まれ、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)、一般式(4)で表されるポリエーテル化合物(B3)、一般式(5)で表されるポリエーテル化合物(B4)及び一般式(6)で表されるポリエーテル化合物(B5)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく例示できる。
Figure 0005211279
は炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基、R及びRは炭素数1〜24の1価の有機基、Rは炭素数1〜24の2価の有機基、Rは水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基、AO及びOAは炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基を表し、(AO)nのうち、オキシエチレン基の占める割合は0〜20重量%であり、nは1〜100の整数で一分子中に複数のnが存在する場合、それぞれ同じでも異なっていてもよく、sは1〜10の整数、pは0〜10の整数、qは0〜9の整数、rは0〜9の整数、mは0〜9の整数、p+rは1〜10の整数、p+q+rは1〜10の整数、p+q+r+mは2〜10である。
炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基(R)は、炭素数1〜25の活性水素化合物から活性水素を除いた反応残基を意味する。
炭素数1〜25の活性水素含有化合物としては、水酸基(−OH)、イミノ基(−NH−)、アミノ基(−NH)及び/又はカルボキシル基(−COOH)を少なくとも1個含む化合物が含まれ、アルコール、アミド、アミン、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸及びアミノカルボン酸が含まれる。
アルコールとしては、モノオール(メタノール、ブタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコール等)及びポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、テトラグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジヒドロキシアセトン、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトース及びトレハロース等)等が挙げられる。
アミドとしては、モノアミド(ギ酸アミド、プロピオン酸アミド及びステアリルアミド等)及びポリアミド(マロン酸ジアミド及びエチレンビスオクチルアミド等)等が挙げられる。
アミンとしては、モノアミン(ジメチルアミン、エチルアミン、アニリン及びステアリルアミン等)及びポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等)等が挙げられる。
カルボン酸としては、モノカルボン酸(酢酸、ステアリン酸、オレイン酸及び安息香酸等)及びポリカルボン酸(マレイン酸及びヘキサン二酸等)等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、リンゴ酸及び12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、グリシン、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸及び12−アミノラウリン酸等が挙げられる。
炭素数1〜24の1価の有機基(R、R)としては、アルキル基(R)、アルケニル基(R’)、アシル基(−COR)、アロイル基(−COR’)、N−アルキルカルバモイル基(−CONHR)、N−アルケニルカルバモイル基(−CONHR’)、アルキルカルボニルアミノ基(−NHCOR)、アルケニルカルボニルアミノ基(−NHCOR’)、アルキルカルボキシアミノ基(アルキルカーバメート基、−NHCOOR)及びアルケニルカルボキシアミノ基(アルケニルカーバメート基、−NHCOOR’)が含まれる。
アルキル基(R)としては、上記のアルキル基の他、テトラコシル及びイソテトラコシル等が挙げられる。
アルケニル基(R’)としては、上記のアルケニル基の他、テトラコセニル及びイソテトラコセニル等が挙げられる。
水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基(R)のうち、炭素数1〜24の1価の有機基は、上記と同様の有機基が含まれる。
炭素数1〜24の2価の有機基(R)としては、アルキレン基(T)、アルケニレン基(T’)、1−オキサアルキレン基(−OT−)、1−オキサアルケニレン基(−OT’−)、1−オキソアルキレン基(−COT−)、1−オキソアルケニレン基(−COT’−)、1−アザ−2−オキソアルキレン基(−NHCOT−)、1−アザ−2−オキソアルケニレン基(−NHCOT’−)、1−オキソ−2−アザアルキレン基(−CONHT−)、1−オキソ−2−アザアルケニレン基(−CONHT’−)、1−アザ−2−オキソ−3−オキサアルキレン基(−NHCOOT−)及び1−アザ−2−オキソ−3−オキサアルケニレン基(−NHCOOT’−)が含まれる。
アルキレン基(T)としては、メチレン、エチレン、イソブチレン、1,10−デシレン、1,2−デシレン、1,12−ドデシレン、1,2−ドデシレン及び1,2−オクタデシレン等が挙げられる。
アルケニレン基(T’)としては、エチニレン、イソブチニレン、1,10−デシニレン、1−オクチルエチニレン、1−オクテニルエチレン、1,12−ドデシニレン及び1−オクタデセニルエチレン等が挙げられる。
炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基(AO、OA)のうち、炭素数2〜18のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、オキシイソブチレン、オキシ−1,2−デシレン、オキシ−1,12−ドデシレン、オキシ−1,2−ドデシレン及びオキシ−1,2−オクタデシレンが挙げられる。
また、(AO、OA)のうち、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル及びオクタデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、(AO、OA)のうち、炭素数5〜18のアルケニルグリシジルエーテルとしては、ビニルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキセニルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル及びオクタデセニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
(AO)nのうち、オキシエチレン基の占める割合は、すべての(AO)nの重量に基づいて、0〜20重量%であり、好ましくは0〜18重量%、さらに好ましくは0〜15重量%である。なお、オキシエチレン基を含む場合、オキシエチレン基の占める割合の下限は、すべての(AO)nの重量に基づいて、3重量%が好ましく、さらに好ましくは5重量%、特に好ましくは8重量%である。
nは、1〜100の整数であり、好ましくは2〜75の整数、さらに好ましくは3〜50の整数である。
一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)としては、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、テトラデシルアルコールのプロピレンオキシドエチレンオキシドブロック付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシドエチレンオキシドブロック付加体、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)、グリセリンのプロピレンオキシド付加体、グリセリンのエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加体、モノドデシルアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリオキシプロピレンモノオレート、グリセリンのプロピレンオキシド2−エチルヘキシルグリシジルブロック付加体、蔗糖のプロピレンオキシドブチレンオキシドブロック付加体及びペンタエリスリトールのエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加体等が挙げられる。
一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)としては、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテルモノオレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)のジステアレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加体のモノステアレート、マレイン酸のエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加体のモノメチルエーテル及び蔗糖のプロピレンオキシド付加体のモノN−ヘキシルカルバミン酸エステル等が挙げられる。
一般式(4)で表されるポリエーテル化合物(B3)としては、エチレンビスステアリルアミドのプロピレンオキシド付加体、グリセリンモノステアリルエステルのプロピレンオキシド付加体及び蔗糖モノ(2−エチルヘキシルグリシジル)エーテルのプロピレンオキシド付加体のモノN−デシルカルバミン酸エステル等が挙げられる。
一般式(5)で表されるポリエーテル化合物(B4)としては、ひまし油のプロピレンオキシド付加体のモノオレート及びグリセリンビス(12−ヒドロキシステアレート)のプロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
一般式(6)で表されるポリエーテル化合物(B5)としては、ポリオキシプロピレンモノラウリルエーテルとポリオキシプロピレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応体及びポリオキシプロピレンモノステアリルエーテルとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)とキシレンジイソシアネートとの反応体等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)及び一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)が好ましい。すなわち、ポリエーテル化合物(B)が、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)を含むもの、ポリエーテル化合物(B)が、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)を含むもの、及びポリエーテル化合物(B)が、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)及び一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)を含むものが好ましい。
ポリエーテル化合物(B)の含有量(重量%)は、脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、90〜99.5が好ましく、さらに好ましくは91〜99.3、特に好ましくは92〜99、最も好ましくは92.5〜98.5である。
脂肪酸モノアミド(A)の体積平均粒子径(μm)は、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5、特に好ましくは0.3〜2.4である。この範囲であると、さらに消泡性が良好となる。
なお、体積平均粒子径は、測定試料を適当な分散媒(たとえば、メタノール、ポリオキシプロピレングリコール)に分散させ、JIS Z8825−1−2001「粒子径解析−レーザー回折法−第1部」:測定原理に記載された測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、株式会社島津製作所製SALD−1100、株式会社堀場製作所製LA−950、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置UPA−ST150等、「マイクロトラック」はリーズ、アンド、ノースラップ、カンパニーの登録商標である。)等により測定される。
本発明の消泡剤には、さらに、金属石鹸(C)、合成樹脂(D)及び疎水性シリカ(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種の分散質をポリエーテル化合物(B)中に分散して含有してもよい。
これらの分散質を含有する場合、その含有量(重量%)は、脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.15〜9、特に好ましくは0.2〜8、最も好ましくは0.3〜7.5である。
金属石鹸(C)としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、鉛、クロム、銅、鉄及びニッケル等)との塩が含まれ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
合成樹脂(D)としては、エチレン性不飽和モノマーの(共)重合体(ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル及びスチレン/アクリロニトリル共重合物等)及び重縮合モノマーの重合体(ポリウレタン、ポリエステル及びポリアミド等)が含まれる。
合成樹脂(D)の粒子径(μm)は、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.12〜9、特に好ましくは0.15〜8である。
合成樹脂(D)は、乳化重合等の手法によって得られた粒子を用いてもよいし、粒子径の大きな粒子を粉砕して、適切な粒子径としてもよい。また、ポリエーテル(B)中で、モノマーを重合させて合成樹脂(D)を調製してもよい。
このような合成樹脂は、公知(たとえば、特開平4−132705号公報、特開2009−7506号公報、特開平7−62212号公報、特公昭63−58610号公報、特開平08−59770号公報)の方法等によって得ることができる。
疎水性シリカ(E)としては、シリカ粉末を疎水化剤で疎水化処理した疎水性シリカが含まれ、市場から入手できる。
市場から入手できる疎水性シリカとしては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
本発明の消泡剤には、さらに、ワックス(F)を分散質として、ポリエーテル化合物(B)中に分散して含有してもよい。
ワックス(F)を含有する場合、その含有量(重量%)は、脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.15〜9、特に好ましくは0.2〜8、最も好ましくは0.3〜7.5である。
ワックス(F)としては、少なくとも50℃(好ましくは70〜160℃)の融点を持ち、ポリエーテル化合物(B)に溶解せず、分散できるワックス様物質(天然ワックス、合成ワックス及び油脂等)が含まれ、70〜160℃の温度範囲に融点を持ち、(F1)石油ワックス、(F2)合成ワックス、(F3)植物ワックス及び(F4)これらのワックスを変性した変性ワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく例示できる。
なお、ワックス(F)には、脂肪酸モノアミドを含まない。
(F1)石油ワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンワックス等が挙げられる。
(F2)合成ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス及びポリエチレンワックス等が挙げられる。
(F3)植物ワックスとしては、カルナウバワックス及び木蝋等が挙げられる。
(F4)これらのワックスを変性した変性ワックスとしては、マレイン酸変性酸化ポリエチレンワックス及び酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、(F1)石油ワックス及び(F2)合成ワックスが好ましく、さらに好ましくはパラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス及びマイクロクリスタリンワックス、特に好ましくはパラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスである。
これらの分散質の体積平均粒子径は、脂肪酸モノアミド(A)の体積平均粒子径と同様である。すなわち、金属石鹸(C)、合成樹脂(D)及び疎水性シリカ(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種の分散質並びに/又はワックス(F)を含有する場合、これらの分散質と脂肪酸モノアミド(A)とを併せた体積平均粒子径が上記の範囲であることが好ましい。
本発明の消泡剤は、さらにポリエーテル化合物(B)と相溶する量の油(G)を含有してもよい。油(G)としては、油脂類(動物油、植物油)、鉱物油などが挙げられると相溶する量としては、用いるポリエーテル化合物(B)及び油(G)の組成によって適宜決定される。
本発明の消泡剤は、たとえば、次の製造方法によって製造することができる。
これらの製造方法のうち、消泡性及び消泡剤の経日安定性の観点から、製造方法(1)が好ましい。
製造方法(1):
脂肪酸モノアミド(A)とポリエーテル化合物(B)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸モノアミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
ポリエーテル化合物(B)の残部を冷却攪拌しながら、この残部に得られた溶解液を投入して脂肪酸モノアミド(A)分散体を得る工程(2)、並びに
得られた分散体を均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含む方法。
製造方法(2):
脂肪酸モノアミド(A)とポリエーテル化合物(B)とを加熱攪拌しながら、脂肪酸モノアミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
得られた溶解液を冷却して脂肪酸モノアミド(A)分散体を得る工程(2)、並びに
得られた分散体を均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含む方法。
加熱攪拌の温度(℃)としては、脂肪酸モノアミド(A)が溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは110〜160、特に好ましくは120〜150、最も好ましくは125〜145である。
加熱攪拌の時間としては、脂肪酸モノアミド(A)が溶解できれば制限がないが、ポリエーテル化合物(B)の酸化や分解等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の酸化や分解を防止するため、密閉下又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
製造方法(1)の工程(2)において、溶解液を投入している間も溶解液を加熱攪拌し、脂肪酸モノアミド(A)を溶解させた状態を保つことが好ましい。
また、ポリエーテル化合物(B)の残部の温度は、消泡性(分散粒子の体積平均粒子径)及び製造コストの観点等から、0〜40℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃、最も好ましくは0〜25℃に保つことである。すなわち、工程(2)では、0〜40℃に冷却したポリエーテル化合物(B)の残部を攪拌しながら、この残部に0〜40℃を保ちながら溶解液を少量ずつ投入して混合物を得ることが好ましい。
均質化処理は、脂肪酸モノアミド(A)を均質化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー等)を用いて均質化処理することが好ましい。
合成樹脂(D)及び/又は疎水性シリカ(E)を使用する場合、上記のいずれの工程で投入してもよく、工程(3)の直前又は直後で、均一混合してもよい。
金属石鹸(C)及び/又はワックス(F)を使用する場合、脂肪酸モノアミド(A)を溶解する工程(1)で、脂肪酸モノアミド(A)と共に溶解させてもよいし、脂肪酸モノアミド(A)とは別にポリエーテル化合物(B)に分散させてから、工程(3)の直前又は直後で、均一混合してもよい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
なお、エマルション塗料に含まれるバインダーとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられ、いずれに対しても効果的である。
本発明の消泡剤の添加方法は、塗料に適用する場合、(1)顔料分散時及び/又は(2)塗料作成後に添加する方法等が挙げられる。また、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。
各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性発泡液の重量に基づいて、0.0001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2.7、特に好ましくは0.005〜2.3、最も好ましくは0.01〜2である。また、塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2.0である。
なお、最適なエマルション塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<実施例1>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で脂肪酸モノアミド(a1){アマイドAP−1、日本化成(株)製、ステアリルアミド}30部及びポリエーテル化合物(b1){ニューポールPE−61、三洋化成工業(株)製、ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー;「ニューポール」は同社の登録商標である。}400部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(1)を得た。
次いで、25℃に調節したポリエーテル化合物(b1)570部を攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(1)を投入し、15分間攪拌して分散液(1)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は25〜85℃であった。
分散液(1)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製)にて4000rpmにて15分間攪拌して均質化して、本発明の消泡剤(1)を得た。分散体の体積平均粒子径は2.4μmであった。
<実施例2>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a2){ニュートロン−2、日本精化(株)製、ステアリルアミド}35部及びポリエーテル化合物(b2){ニューポールLB−1715、三洋化成工業(株)製、ブタノールポリオキシプロピレン(40モル)付加体}300部を加熱攪拌しながら130℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(2)を得た。
次いで、5℃に調節したポリエーテル化合物(b2)665部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(2)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(2)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は5〜14℃であった。
分散液(2)をゴーリンホモジナイザー(マントンゴーリン社製)を用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(2)を得た。分散体の体積平均粒子径は0.3μmであった。
<実施例3>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a3){ニュートロン、日本精化(株)製、オレイルアミド}30部、ポリエーテル化合物(b3){ニューポールLB−625、三洋化成工業(株)製、ブタノールポリオキシプロピレン(33モル)付加体}200部及びポリエーテル化合物(b4){ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル}100部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(3)を得た。
次いで、25℃に調節したポリエーテル化合物(b3)470部及びポリエーテル化合物(b4)200部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(3)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(3)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は3〜40℃であった。
分散液(3)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(3)を得た。分散体の体積平均粒子径は1.1μmであった。
<実施例4>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a4){ニュートロン−S、日本精化(株)製、エルシルアミド}45部、ポリエーテル化合物(b5){蔗糖ポリオキシプロピレン80モル付加物}300部及び金属石鹸(c1){SA−1500、堺化学工業株式会社製、ステアリン酸アルミニウム}5部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(4)を得た。
次いで、25℃に調節したポリエーテル化合物(b5)555部及びポリエーテル化合物(b6){ポリオキシプロピレン(34モル)グリコール200部と、ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(14モル)ミリスチルエーテル231部と、ヘキサメチレンジイソシアネート16.8部とを反応させて得たポリエーテル化合物}100部を攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(4)を投入し、15分間攪拌して分散液(4)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は25〜74℃であった。
分散液(4)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(4)を得た。分散体の体積平均粒子径は1.6μmであった。
<実施例5>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a5){PNT、日本精化(株)製、N−オレイルパルミチルアミド}30部、ポリエーテル化合物(b7){ニューポールTL−4500N、三洋化成工業(株)製、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(10モル)/プロピレンオキシド(68モル)ブロック付加体}300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(5)を得た。
次いで、5℃に調節したポリエーテル化合物(b7)620部及びポリエーテル化合物(b8){ひまし油のプロピレンオキシド(30モル)付加体のオレイン酸エステル}50部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(5)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(5)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は5〜30℃であった。
分散液(5)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(5)を得た。分散体の体積平均粒子径は0.6μmであった。
<実施例6>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a1)75部、ポリエーテル化合物(b9){ブタノールポリオキシプロピレン(50モル)付加体}200部、ポリエーテル化合物(b10){ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマーのジステアレート}100部及び疎水性シリカ(e1){ニップシール SS−100、東ソー・シリカ(株)製、疎水性シリカ}3部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(6)を得た。
次いで、5℃に調節したポリエーテル化合物(b9)425部及びポリエーテル化合物(b10)200部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(6)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(6)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は5〜37℃であった。
分散液(6)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理し、油(g1){食用菜種油、ニッコー製油(株)製、菜種油}30部を加えて均一にして、本発明の消泡剤(6)を得た。分散体の体積平均粒子径は1.0μmであった。
<実施例7>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a1)30部、ポリエーテル化合物(b2)100部及びポリエーテル化合物(b11){ニューポールGP−600、三洋化成工業(株)製、グリセリンのプロピレンオキシド(9モル)付加体}50部及びポリエーテル化合物(b12){サンニックスGP−3000、三洋化成工業(株)製、グリセリンのプロピレンオキシド(43モル)付加体}150部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(7)を得た。
次いで、25℃に調節したポリエーテル化合物(b2)270部及びポリエーテル化合物(b11)100部及びポリエーテル化合物(b12)300部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(7)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(7)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は25〜76℃であった。
分散液(7)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(7)を得た。分散体の体積平均粒子径は1.3μmであった。
<実施例8>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a1)15部及びポリエーテル化合物(b13){グリセリンのエチレンオキシド(3モル)/2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(6モル)ブロック付加体}300部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(8)を得た。
次いで、25℃に調節したポリエーテル化合物(b13)685部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(8)を少量ずつ投入し、15分間攪拌して分散液(8)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は25〜53℃であった。
分散液(8)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、本発明の消泡剤(8)を得た。分散体の体積平均粒子径は1.4μmであった。
<実施例9>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸モノアミド(a1)20部及び脂肪酸モノアミド(a4)10部及びポリエーテル化合物(b2)100部及びポリエーテル化合物(b5)200部を加熱攪拌しながら130℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸モノアミド溶解液(9)を得た。
次いで、5℃に調節したポリエーテル化合物(b2)200部及びポリエーテル化合物(b5)382部を冷却攪拌しながら、これに脂肪酸モノアミド溶解液(9)を投入し、15分間攪拌して分散液(9)を得た。脂肪酸モノアミド溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は5〜30℃であった。
分散液(9)をゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理し、特開2009−7506号公報の実施例1に準じて作成した合成樹脂(d1){{(スチレン)/(アクリロニトリル)/(ジビニルベンゼン)/(グリセリンのプロピレンオキシド付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとをトリレンジイソシアネート(TDI)でジョイントして得られる反応性分散剤)/(アリルアルコールにプロピレンオキシド(PO)を付加させたポリオキシアルキレンエーテル)を構成単位とする共重合物(粒子径0.7μm)}75部、ポリエーテル(b14){ペンタエリスリトールにプロピレンオキシド−エチレンオキシド(エチレンオキシドの割合12重量%)の順にアルキレンオキシドをブロック付加させた水酸基価32のポリオール}83.6部及びポリエーテル(b15){特開2000−344881号公報に準じて作成したグリセリンプロピレンオキシド付加体、水酸基価56}4.4部の混合液}を加えて15分間攪拌して本発明の消泡剤(9)を得た。
分散体の体積平均粒子径は0.6μmであった。
<比較例1〜4>
脂肪酸モノアミド(a1)〜(a4)を用いないこと以外、実施例1〜4と同様にして、比較用の消泡剤(H1)〜(H4)を作成した。
<比較例5>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内でビスアミド{アルフローH50S、日油(株)製、エチレンビスステアリルアミド}30部及びポリエーテル化合物(b1)970部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて脂肪酸ビスアミド溶解液(h5)を得た。
次いで、脂肪酸ビスアミド溶解液(h5)を90分かけて25℃まで冷却し、分散液(h5)を得た。
分散液(h5)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製)にて4000rpmにて15分間攪拌して均質化して、比較用の消泡剤(H5)を得た。分散体の体積平均粒子径は23.6μmであった。
<消泡性の評価(1)>
実施例1〜9及び比較例1〜5で得た消泡剤(1)〜(9)及び(H1)〜(H5)を用いて、以下のようにして消泡性を評価し、評価結果を表1に示した。
<評価液の作成>
ACRONAL 295DN(BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である)25gを100mlの共栓付きメスシリンダーに加え、上水で2倍に希釈して均一に混合した後、消泡剤を0.075g添加してエマルションを作成した。
なお、消泡剤を添加しないこと以外、上記と同様にして、ブランク用のエマルションを調製した。
<消泡性の評価(1)>
メスシリンダーの栓を閉じて、エマルションを1分間で200回振とうし、振とうして1分間静置した後の液面高さ(mm)を読み取り、初期消泡性の値とした。液面高さが低いほど泡が破壊されており消泡性に優れているといえる(泡無しの状態で液面高さは50mm、泡でメスシリンダー内が充満した時の液面高さは100mm)。
Figure 0005211279
本発明の消泡剤を用いたエマルションは、比較用の消泡剤を用いたものに比べて、消泡性が極めて良好であった。
<消泡性の評価(2)>
実施例1〜9及び比較例1〜5で得た消泡剤(1)〜(9)及び(H1)〜(H5)を用いて、以下のようにして調製したエマルション塗料に対する消泡性を評価し、評価結果を表3に示した。
(1)エマルションベース塗料の調製
以下の原料組成にて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンして塗料化とした。得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2)で80KU(25℃)になるように水で希釈してエマルションベース塗料を得た。
Figure 0005211279
注1:サンノプコ(株)製分散剤
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:石原産業(株)製二酸化チタン
注4:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注5:サンノプコ(株)製防腐剤
注6:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注7:サンノプコ(株)製増粘剤
(2)エマルション塗料の調製
エマルションベース塗料に、評価試料(消泡剤)を0.3重量%(対エマルションベース塗料)となるように加えて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(14)を得た。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(15)を得た。
(3)消泡性の評価
エマルション塗料(1)〜(15)を攪拌混合して作成した15秒後に、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(15)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重が大きいほど巻き込んだ泡が破壊されており消泡性に優れているといえる。
Figure 0005211279
本発明の消泡剤を用いたエマルション塗料は、比較用の消泡剤を用いたもの
に比べて、消泡性が極めて良好であった。
本発明の消泡剤はあらゆる用途に用いることができるが、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、紙パルプ製造工業(パルプ化工程、抄紙工程及び塗工工程等)、建築工業(抄造工程等)、染料工業、染色工業、発酵工業、合成樹脂製造工業、合成ゴム製造工業、インキ、塗料工業及び繊維加工工業等の各種工程で発生する気泡に対して適用することができる。これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。

Claims (4)

  1. 脂肪酸モノアミド(A)をポリエーテル化合物(B)中に分散して含有し、
    脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、脂肪酸モノアミド(A)の含有量が0.5〜10重量%、ポリエーテル化合物(B)の含有量が90〜99.5重量%であり、
    脂肪酸モノアミド(A)が、一般式(1)で表され
    ポリエーテル化合物(B)が、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(B1)、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(B2)、一般式(4)で表されるポリエーテル化合物(B3)、一般式(5)で表されるポリエーテル化合物(B4)及び一般式(6)で表されるポリエーテル化合物(B5)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする消泡剤。

    CONH−R (1)

    は炭素数10〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基、Rは水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基を表す。

    Figure 0005211279

    はアルコール、アミド又はアミンから選ばれる炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基、R 及びR は炭素数1〜24の1価の有機基(炭素数1〜6のアシル基及びアロイル基を除く。)、R は炭素数1〜24の2価の有機基、R は水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基、AO及びOAは炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基を表し、(AO)nのうち、オキシエチレン基の占める割合は0〜20重量%であり、nは1〜100の整数で一分子中に複数のnが存在する場合、それぞれ同じでも異なっていてもよく、sは1〜10の整数、pは0〜10の整数、qは0〜9の整数、rは0〜9の整数、mは0〜9の整数、p+rは1〜10の整数、p+q+rは1〜10の整数、p+q+r+mは2〜10である。
  2. さらに、金属石鹸(C)、合成樹脂(D)及び疎水性シリカ(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種の分散質をポリエーテル化合物(B)中に分散して含有し、
    この分散質の含有量が、脂肪酸モノアミド(A)及びポリエーテル化合物(B)の重量に基づいて、0.1〜10重量%である請求項に記載の消泡剤。
  3. ポリエーテル化合物(B)中に分散した脂肪酸モノアミド(A)の体積平均粒子径が、0.1〜10μmである請求項1又は2に記載の消泡剤。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載された消泡剤を製造する方法であって、
    脂肪酸モノアミド(A)とポリエーテル化合物(B)の一部とを100〜180℃で加熱攪拌しながら、脂肪酸モノアミド(A)を溶解させて溶解液を得る工程(1)、
    ポリエーテル化合物(B)の残部を0〜40℃に冷却攪拌しながら、この残部に得られた溶解液を投入して脂肪酸モノアミド(A)分散体を得る工程(2)、並びに
    得られた分散体を乳化分散機で均質化処理して消泡剤を得る工程(3)を含むことを特徴とする製造方法。
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