JP4057508B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents
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(イ)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンド: 100質量部、
(ロ)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン: 20〜100質量部、
(ハ)1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個含有し、25℃における粘度が5〜5,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン: 10〜100質量部、
(ニ)非イオン性界面活性剤: 1〜100質量部、
(ホ)平均分子量が500〜5,000であるポリオキシアルキレン重合体:
0〜100質量部、
ならびに、
(ヘ)水:(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)および(ホ)の全成分の合計量100質量部に対して、60〜1000質量部
を含有してなることを特徴とする消泡剤組成物を提供する。
本発明の消泡剤組成物の(イ)成分は、疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカとを含んでなるオイルコンパウンドであり、この組成物に消泡性を付与するための主成分である。
R1 aSiO(4−a)/2 (I)
[式中、R1は水酸基または置換もしくは非置換の、好ましくは炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。]
で示される。
次に、本発明の消泡剤組成物において(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドの水系への乳化分散性を高めるとともにこのシリコーンオイルコンパウンドのハジキ性を抑制する作用を有する。該(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(II)で示される。
R2 bR3 cSiO(4−b−c)/2 (II)
−R4−O−(R5O)d−R6 (III)
で示される有機基である。式中、R4はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、R5はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、R6は水素原子または、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、もしくはイソシアノ基から選択される1価の有機基である。また、1.9≦b+c≦2.2である。さらに、dは1以上の整数である。
R7 2R9SiO−(R7 2SiO)e−(R7R8SiO)f−SiR7 2R9 (IV)
−R10−O−(R11O)g−(R12O)h−R13 (V)
で示される有機基である。式中、R10はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、R11はエチレン基、R12はプロピレン基、R13はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、またはイソシアノ基から選択される1価の有機基である。gはg≧1の整数、hはh≧1の整数である。(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドの乳化分散を容易に行うのに適した粘度を確保できるので、2≦g+h≦80であるが、好ましくは10≦g+h≦60である。また、g/h比が5/1より大きいと本発明の消泡剤組成物の消泡性が低下する。一方、g/h比が4/5より小さいと(イ)成分の乳化分散が難しくなる。よって、g/h比は5/1〜4/5、好ましくは4.5/1〜4.5/5、より好ましくは4/1〜1/1の範囲である。
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)RSiO]5−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)30−(C3H6O)10−C4H9、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)RSiO]3−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)20−(C3H6O)20−C4H9、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]40−[(CH3)RSiO]4−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)21−(C3H6O)7−COCH3、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]50−[(CH3)R’SiO]6−[(CH3)R’’SiO]1−Si(CH3)3
R’:−C3H6O−(C2H4O)32−(C3H6O)8−C4H9
R’’:−C12H25
本発明の消泡剤組成物の(ハ)成分は、1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個、好ましくは2〜10個含有するオルガノポリシロキサンであり、ハジキを抑制する成分である。(ハ)成分のオレフィン性不飽和基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(VI)で示される。
R14 iR15 jSiO(4−i−j)/2 (VI)
[式中、R14は好ましくは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基、R15は炭素原子数2〜6の1価オレフィン性不飽和基、iおよびjは0≦i≦2.999、0<j≦3および0.1≦i+j≦3を満たす数である。]
また、(ニ)成分の非イオン性界面活性剤は(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドを水に分散させるためのものである。(ニ)成分の非イオン性界面活性剤は一般に公知のものでよく、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等が挙げられる。この非イオン性界面活性剤は、1種のみで使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用した方が、(イ)成分の乳化性が向上するので、好ましい。
本発明の消泡剤組成物において、(ホ)成分のポリオキシアルキレン重合体は、(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドを乳化分散させるときに乳化助剤となるものである。これは、使用しても使用しなくてもよいが、使用することにより本発明の消泡剤組成物の乳化安定性がより向上する。(ホ)成分のポリオキシアルキレン重合体は、例えば、下記一般式(VII)
R16−O−(R17O)k−R16 (VII)
で示される。
HO−[CH2(CH3)CHO]35−H、
HO−[CH2(CH3)CHO]70−H、
HO−(CH2CH2O)4−[CH2(CH3)CHO]30−H、
CH2CHCH2O−(CH2CH2O)32−[CH2(CH3)CHO]8−H、
CH2CHCH2O−(CH2CH2O)22−[CH2(CH3)CHO]22−C4H9、
CH2CHCH2O−(CH2CH2O)10−CH3
本発明の消泡剤組成物では、上記した(イ)〜(ホ)成分からなる系を乳化するのに必要な水を(へ)成分として添加する。(へ)成分の添加量は、前記した(イ)〜(ホ)成分の合計100質量部に対して、60〜1000質量部、好ましくは70〜600質量部、より好ましくは80〜300質量部である。その添加量が60質量部より少ないと消泡剤組成物の粘度が高くなりすぎる。一方、その添加量が1000質量部より多くなると有効成分濃度が低くなりすぎるので、十分な効果を発揮するためには消泡剤組成物の添加量を多くする必要がある。
さらに、本発明の消泡剤組成物には、防腐の目的で少量の保存料・殺菌料を任意で添加してもよい。この保存料・殺菌料の具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン類、イソチアゾリン化合物等が挙げられる。これらの添加量は本発明の消泡剤組成物100質量部に対して好ましくは0.005〜1.0質量部、より好ましくは、0.01〜0.8質量部、さらにより好ましくは、0.02〜0.5質量部である。
本発明の消泡剤組成物の乳化物は、上記(イ)〜(へ)成分の所定量を混合し、ホモミキサー、ホモイジナイザー、コロイドミル等の混合・分散機により均一に撹拌することにより、調製することができる。より好ましくは、例えば、まず、(イ)〜(ホ)成分の所定量を均一に混合分散させ、次に、(へ)成分の所定量の一部を添加し、撹拌・乳化を行い、最後に、(へ)成分の残部を加え均一に撹拌・混合することにより、消泡剤組成物を調製することができる。
さらに、本発明は、液体の消泡方法であって、上記(イ)〜(へ)成分の所定量を含有してなる本発明の消泡剤組成物を当該液体に添加する工程を含む方法を提供する。当該液体には、例えば、単一の成分からなる液体、溶液、乳濁液、懸濁液などが含まれる。また、当該液体は、水性液体および油性液体のどちらでもよいが、好ましくは水性液体である。水性液体としては、例えば、水性インキ、水性塗料などを挙げることができる。本発明の消泡方法において、本発明の消泡剤組成物は、(イ)〜(ホ)成分の混合物の添加量が当該液体100質量部に対して好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.05〜1質量部、さらにより好ましくは0.1〜0.8質量部となるような量で当該液体に添加される。
・オイルコンパウンドA
疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が1,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100質量部を用いた。また、微粉末シリカとして、親水性シリカであるNipsil HD−2[日本シリカ(株)社製、比表面積300m2/g] 10質量部を用いた。これら二者を窒素ガス雰囲気下150℃で3時間、混合してオイルコンパウンドAを得た。オイルコンパウンドAは、疎水性オルガノポリシロキサンと親水性シリカとを含んでなるオイルコンパウンドである。
・オイルコンパウンドB
疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が5,000mm2/sでCH3SiO3/2単位を0.01モル分率含有する分岐状のジメチルポリシロキサン100質量部を用いた。また、微粉末シリカとして、親水性シリカであるAEROSIL200[日本アエロジル(株)社製、比表面積200m2/g]をヘキサメチルジシラザンで表面処理して調製した表面疎水化処理シリカ5質量部を用いた。これら二者を窒素ガス雰囲気下150℃で3時間、混合してオイルコンパウンドBを得た。オイルコンパウンドBは、疎水性オルガノポリシロキサンと疎水性シリカとを含んでなるオイルコンパウンドである。
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンC
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)RSiO]5−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)30−(C3H6O)10−C4H9
粘度:1000mm2/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンD
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)RSiO]3−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)20−(C3H6O)20−C4H9
粘度:2000mm2/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンE
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)RSiO]5−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)24−(C3H6O)16−H
粘度:1500mm2/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンF
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]70−[(CH3)RSiO]3−Si(CH3)3
R:−C3H6O−(C2H4O)8−(C3H6O)24−H
粘度:800mm2/s
・オレフィン性不飽和基含有オルガノポリシロキサンG
(CH3)2RSiO−[(CH3)2SiO]15−SiR(CH3)2
R:−CH=CH2
粘度:10mm2/s
・オレフィン性不飽和基含有オルガノポリシロキサンH
(CH3)2RSiO−[(CH3)2SiO]80−SiR(CH3)2
R:−CH=CH2
粘度:100mm2/s
・オレフィン性不飽和基含有オルガノポリシロキサンI
(CH3)2RSiO−[(CH3)2SiO]280−[(CH3)RSiO]15−SiR(CH3)2
R:−CH=CH2
粘度:800mm2/s
(1)ソルビタンモノステアレート
(2)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO付加モル数50)
・ポリオキシアルキレン重合体J
平均組成がHO−(C3H6O)35−Hで表されるもの
・ポリオキシアルキレン重合体K
平均組成がHO−(C3H6O)70−Hで表されるもの
(1)水性インキ100質量部に、0.5質量部の有効成分((イ)〜(ホ)成分の混合物)を含む消泡剤組成物を添加する。
(2)消泡剤組成物を添加した水性インキをワイヤーバー(No.14)にて上質ケント紙に塗布する。
(3)次の基準にて評価を行う。
ハジキは、インクが付着しない部分として斑点状に一様な密度で現れる。ハジキが全くない場合を◎、最も高い密度で全面にハジキが現れる場合を××で表す。両者の中間の密度でハジキが現れる場合を、ハジキの密度の低い順から相対的に○、△、×で表す。
(1)市販の水性インキ100質量部に、0.5質量部の有効成分((イ)〜(ホ)成分の混合物)を含む消泡剤組成物を添加する。
(2)100gガラスびんに消泡剤組成物を添加した水性インキを50g入れる。
(3)そのガラスびんを縦振り振とう器で250回/分の速度で30秒間振とうする。
(4)撹拌停止後、泡が消失するまでの時間を計測し、次の基準にて評価を行う。
○:撹拌停止後、30秒以内に泡が消失
△:撹拌停止後、30秒を超え、1分以内に泡が消失
×:撹拌停止後、泡が消失するまでに1分超の時間を要する
(1)100gガラスびんに入れた消泡剤組成物を45℃で保管し、状態を観察。
(2)次の基準にて評価を行う。
○:2ヶ月を超えても濃淡分離、オイル分離等が見られない
△:1ヶ月を超え、2ヶ月以内に、濃淡分離、オイル分離等が見られる
×:1ヶ月以内に、濃淡分離、オイル分離等が見られる。
Claims (3)
- (イ)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンド: 100質量部、
(ロ)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン: 20〜100質量部、
(ハ)1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個含有し、25℃における粘度が5〜5,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン: 10〜100質量部、
(ニ)非イオン性界面活性剤: 1〜100質量部、
(ホ)平均分子量が500〜5,000であるポリオキシアルキレン重合体:
0〜100質量部、
ならびに、
(ヘ)水:(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)および(ホ)の全成分の合計量100質量部に対して、60〜1000質量部
を含有してなることを特徴とする消泡剤組成物。 - (イ)成分のオイルコンパウンドが、25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と、疎水性シリカおよび親水性シリカを1/1〜1/3の質量比で含む微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンドである請求項1に記載の消泡剤組成物。
- (ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの少なくとも60質量%が下記一般式(IV)
R7 2R9SiO−(R7 2SiO)e−(R7R8SiO)f−SiR7 2R9 (IV)
[ここで、R7は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、R8は一般式(V)
−R10−O−(R11O)g−(R12O)h−R13 (V)
(R10は炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、R11はエチレン基、R12はプロピレン基、R13は炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、またはイソシアノ基から選択される1価の有機基、gはg≧1の整数、hはh≧1の整数、2≦g+h≦80で、g/h比が5/1〜4/5)で表される有機基であり、R9はメチル基または前記一般式(V)で表される有機基である。更にeは5〜100の整数であり、fは1〜20の整数である]
で示され、一般式(IV)で示されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が10〜10,000mm2/sであることを特徴とする請求項1または2に記載の消泡剤組成物。
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