JP2685684B2 - 泡抑制剤組成物 - Google Patents

泡抑制剤組成物

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JP2685684B2 JP9181392A JP9181392A JP2685684B2 JP 2685684 B2 JP2685684 B2 JP 2685684B2 JP 9181392 A JP9181392 A JP 9181392A JP 9181392 A JP9181392 A JP 9181392A JP 2685684 B2 JP2685684 B2 JP 2685684B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は泡抑制剤組成物、特には
水性切削油、染色工程用油剤などに添加したときに、す
ぐれた分散安定性、抑泡性を示す泡抑制剤組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ジメチルポリシロキサンを主成分とする
シリコーン系消泡剤は他の消泡剤と比べて種々のすぐれ
た性質を有するものであることから、発泡を伴なう一般
化学工業の各工程に幅広く使用されている。そして、こ
のジメチルポリシロキサンはこれが本質的に疎水性のも
のであることから、実用的にはこれを界面活性剤を用い
て水に分散させたエマルジョン型消泡剤として使用され
ているが、このものも処理対象液が高温であるか、高剪
断力のかかるものである場合にはエマルジョンが破壊さ
れるために所望の消泡効果が期待できず、ときには発泡
が促進されることがあるし、これはまた非水系には使用
できず、さらには長期の保存中にエマルジョンが分離す
るという欠点もあった。
【0003】そのため、この消泡剤についてはポリオキ
シアルキレン基で変性したオルガノポリシロキサンを使
用することが提案されているが(米国特許第3,233,986
号明細書参照)、これには破泡および消泡効果が小さい
という不利があることから、これについてはポリオキシ
アルキレンで変性したジメチルポリシロキサンで代表さ
れる親水性のポリシロキサンをベースオイルとし、これ
にジメチルポリシロキサンで代表されるジオルガノポリ
シロキサンと微粉末シリカよりなるオイルコンパウンド
を併用して消泡効果を向上させるということも試みられ
ているし(特公昭52-19836号、特公昭52-22638号、特公
昭55-23084号各公報参照)、長鎖アルキル基およびポリ
オキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサンをベー
スオイルとするものも提案されているが(特公昭58-581
26号公報参照)、これらは微粉末シリカのみではこれを
ジメチルポリシロキサンに安定に分散させることが難し
く、高温または機械的に強い剪断力が長時間かけられた
ときや、希釈時または長期保存時においてシリカの凝集
や分離が起るという不利がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがってジメチルポ
リシロキサンとシリカとの分散性を向上させるために、
シリカ表面を疎水化処理することも提案されており、こ
の微粉末シリカの処理に関しては、シリカを予めジメチ
ルジクロロシランなどで疎水化処理しておく方法(特公
昭52-31836号公報参照)、シリカを窒素含有有機珪素化
合物で処理する方法(特公昭51-35556号公報参照)など
が提案されているが、これにはシリカの疎水化処理に長
時間が必要とされるし、処理設備が必要で工程も複雑で
あるため経済的でないという不利がある。また、ジオル
ガノポリシロキサン、有機珪素化合物、微粉末シリカと
触媒からなる混合物を加熱処理する方法も試みられてお
り(特公平3-39722 号、特公平2-84号各公報参照)、こ
の方法によれば消泡効果は向上するものの、本質的にジ
メチルポリシロキサンを主成分とすることから上記した
汎用性、安定性等において満足するものではなかった。
そのため、本発明者らはさきに限定されたポリオキシア
ルキレン変性シリコ−ンオイルを用いて上記の改良した
泡抑制剤組成物を提案したが(特願平2-414678号明細書
参照)、これについてはさらに特性の向上が求められて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した泡抑制剤に関するもので、これはA)一般式
【化3】 [ここにG1はR1、G2またはG3から選択される基、G2, G3
は分子量が500 〜3,000 の式(CH2)r-O-(R2O)sQ(R2はエ
チレン基およびプロピレン基、Qは水素原子または炭素
数1〜8のアルキル基、アセチル基、イソシアン酸基か
ら選択される1価の有機基、rは2〜6、sは5〜50)
で示される基で、G2は (R2O)基中のエチレンオキシ基が
10〜30モル%、G3は (R2O)基中のエチレンオキシ基が65
〜85モル%のものであり、G2/G3(モル比) は0.3/1 〜3
/1、R1は炭素数3〜20の1価の炭化水素基、aは0また
は1、m及びnは1〜30の正数、pは10〜100 、qは1
〜10の正数]で示されるポリオキシアルキレン変性シリ
コーンオイル30〜80重量%B) 25 ℃における粘度が10〜
100,000cS であるジメチルポリシロキサンおよび/また
は一般式
【化4】 [ここにR3は炭素数1〜18の非置換または置換の1価の
炭化水素基、R4はR3または水酸基、R5は式-R6(NHCH2C
H2)bNR7R8(R6は炭素数1〜4の2価の炭化水素基、R7
R8はそれぞれ水素原子または炭素数1〜18の非置換また
は置換の1価の炭化水素基、b は0≦b ≦4)で示され
るアミノアルキル基、k は10〜5,000 の正数、l は0.01
〜500 の正数]で示される、アミン当量が5,000 〜500,
000 で、25℃における粘度が10〜100,000 cSである直鎖
状のアミノアルキル変性シロキサンから選ばれた疎水性
基油100 重量部と一般式 R9 cYdSi(-R10-CH=CH2)4-c-d ・・・・・(3) [ここにR9は炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Y は水
酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基、アシロキシ
基、アルケニルオキシ基から選ばれる基、R10 は炭素数
0〜8の2価の炭化水素基、c は0、1または2、d は
1、2または3であり、c+d ≦3]で示される有機珪素
化合物 0.1〜20重量部、および微粉末シリカ1〜40重量
部とからなる配合物5〜50重量部%、C)分子量範囲が 5
00〜 3,000であり、エチレンオキシ基が10〜85モル%で
あるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合
体5〜50重量%、D)分子鎖両末端がモノヒドロキシジメ
チルシリル基で封鎖された、25 ℃における粘度が10〜50
0cS であるジメチルポリシロキサン2〜20重量%、とか
らなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは従来公知のポリオ
キシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを主剤とす
る消泡剤の不利を解決する方法について種々検討した結
果、このポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキ
サンについてはこれに含有されるエチレンオキシ基、プ
ロピレンオキシ基の量およびこのモル比を特定したもの
とすると共に、これにジメチルポリシロキサンおよび/
または限定されたアミノアルキル変性シリコ−ンオイル
から選ばれた疎水性基油とアルケニル基を含有する有機
珪素化合物および微粉末シリカとからなる配合物とエチ
レンオキシ基の量を特定したポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレン共重合体および分子鎖末端がモノヒド
ロキシジメチルシリル基で封鎖された直鎖状ジメチルポ
リシロキサンを添加すると、このようにして得られる泡
抑制剤が希釈安定性、消泡安定性、高温安定性のすぐれ
たものとなることを見出した。
【0007】また、特に単一のポリオキシアルキレンで
変性したポリシロキサンに比べて上記したように同一分
子内に2種のポリオキシアルキレンを含有させたポリシ
ロキサンを使用すると、このものがすぐれた希釈安定
性、高温安定性を示すと共に、ジメチルポリシロキサン
および/または限定されたアミノアルキル変性シリコ−
ンオイルから選ばれた疎水性基油と微粉末シリカとから
なる配合物にアルケニル基を含有する有機珪素化合物を
添加するとこれがすぐれた消泡持続性、破泡性を示すこ
とを確認し、上記した各成分の種類、配合比などについ
ての研究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさ
らに詳述する。
【0008】
【作用】本発明は希釈安定性、消泡持続性および高温安
定性がすぐれていることから、特に水性切削油、繊維染
色浴、精練浴などに有用とされる泡抑制剤組成物に関す
るものである。本発明の泡抑制剤組成物はA)前記した一
般式(1) で示されるポリオキシアルキレン変性シリコー
ンオイル、B)ジメチルポリシロキサンおよび/または前
記した一般式(2) で示されるアミノアルキル変性シロキ
サンから選ばれた疎水性基油と前記した一般式(3) で示
される有機珪素化合物および微粉末シリカとからなる配
合物、C)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共
重合体、およびD)分子鎖両末端がモノヒドロキシジメチ
ルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの所定
量を混合してなるものとされる。
【0009】本発明の泡抑制剤組成物を構成するA)成分
としてのポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは
一般式
【化5】 で示され、G1はR1、G2またはG3から選択されるもので、
このいずれか一方または両者であってもよいものであ
り、G2、G3は式(CH2)r-O-(R2O)s-Q で示されるもので、
R2はエチレン基およびプロピレン基、Qは水素原子また
は炭素数1〜8のアルキル基、アセチル基、イソシアン
酸基から選択される1価の有機基、rは2〜6、好まし
くは2〜3、sは5〜50、好ましくは15〜45であるもの
であるが、G2は(R2O) 基中のエチレンオキシ基が10〜30
モル%、G3は(R2O) 基中のエチレンオキシ基が65〜85モ
ル%のものであることが必要とされる。
【0010】このG2, G3は平均分子量が500 未満ではア
ルキレンオキシ基の親水性基としての効果が十分発揮さ
れず、3,000 を越えると粘度が高くなりすぎて分散性、
作業性が悪くなるので、500 〜3,000 の範囲、好ましく
は1,000 〜2,000 のものとする必要がある。また、この
G2, G3については式中のG2/G3(モル比) が0.3 未満では
疎水性部分が多くなって分散性が悪くなり、3を越える
と消泡性が悪くなるので、0.3 〜3の範囲とする必要が
ある。
【0011】なお、上記におけるQは水素原子またはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などの炭素数1〜8のアル
キル基、アセチル基、イソシアン酸基などから選択され
る1価の有機基、R1は1価の炭化水素基であるが炭素数
が20を越えると消泡性、水分散性が悪くなることから炭
素数が3〜20のものとされるものであり、このm,nは
1〜30の正数でm+nは3〜40、好ましくは3〜20の
数、pは10未満では消泡性が悪くなるし、粘度の低下に
より保9存分離安定性も悪くなり、100 を越えると希釈
時の粘度が高くなって作業性が悪くなることから10〜10
0 、好ましくは20〜60とされるもの、qは1〜20の正数
とされるものであるが、このものは分子中に占めるシロ
キサンで代表される疎水性部分の含量、すなわち全分子
量からG2, G3の分子量を除いた量が5〜30重量%からな
るものとすることがよい。
【0012】このポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイルは従来公知の方法で合成することができるが、こ
れは例えば≡SiH 基を含有するメチルポリシロキサンに
分子鎖末端にビニル基あるいはアリル基等を有する二種
以上のポリオキシアルキレン化合物と炭素数3〜20の不
飽和オレフィン類を白金触媒の存在下に付加反応させる
か、≡SiH 基とR1基を含有するオルガノポリシロキサン
に分子鎖末端にビニル基またはアリル基を有する2種以
上のポリオキシアルキレン化合物を付加反応させれば容
易に得ることができるが、本発明の泡抑制剤組成物 100
重量%中におけるA)成分の配合量は30重量%未満では水
分散性が悪く、80重量%より多くすると均一で安定な自
己乳化エマルジヨンとなりにくいということから30〜80
重量%、より好ましくは50〜70重量%の範囲とすればよ
い。
【0013】つぎに本発明の泡抑制剤組成物を構成する
B)成分としての配合物は、本発明の泡抑制剤組成物に消
泡持続性を付与するための主成分となるもので、これは
ジメチルポリシロキサンおよび/またはアミノアルキル
変性シロキサンから選ばれた疎水性基油とアルケニル基
を有する有機珪素化合物および微粉末シリカとからなる
ものとされる。
【0014】ここに使用されるジメチルポリシロキサン
は線状、分岐状のいずれかであってもよいが、分子鎖末
端がトリメチルシリル基で封鎖されたものが好ましい。
このジメチルポリシロキサンは分散のし易さ、作業性の
面からは粘度ができるだけ低いものとすることがよく、
消泡持続性の面からは粘度が高いほうがよいのである
が、粘度が10cS未満では得られる組成物が安定性の乏し
いものとなり、100,000cS より大きいと得られる組成物
を泡抑制剤組成物として使用する前に水で希釈するとき
の増粘性が著しくなって作業性に難点が生じるので、10
〜100,000cS の範囲、好ましくは100 〜5,000cS のもの
とすることがよい。
【0015】さらに、本発明ではB)成分中の疎水性基
油としてアミノアルキル変性シロキサンを用いることが
できる。このアミノアルキル変性シロキサンは一般式
【化6】 で示され、ここにR3はメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアル
キル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェ
ニル基、トリル基などのアリ−ル基、シクロヘキシル基
などのシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子
に結合している水素原子の一部または全部をハロゲン原
子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、クロロプ
ロピル基、トルフルオロプロピル基、シアノエチル基な
どから選択される、好ましくは90モル%以上がメチル基
である炭素数が1〜18の非置換または置換の1価の炭化
水素基、R4はR3と同じかまたは水酸基、R5は式-R6(NHCH
2CH2)bNR7R8 で示され、R6はメチレン基、ジメチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、好ましくはト
リメチレン基である炭素数1〜4の2価の炭化水素基、
R7、R8 はそれぞれ水素原子または上記したR3と同じ炭素
数1〜18の非置換または置換の1価の炭化水素基であ
り、 b が0≦b ≦4であるアミノアルキル基で、k が 1
0 〜5,000 の正数、1が0.01〜500 の正数である直鎖状
の構造を有するもので、好ましくはR4がメチル基あるい
は水酸基であるトリメチルシリル基、モノヒドロキシジ
メチルシリル基で封鎖されたものとする。
【0016】なお、このものはアミン当量が5,000 未満
でも500,000 より大きくても得られる泡抑制剤組成物の
希釈安定性が低下するし、染色時にトラブル発生のおそ
れが生ずるので、これは5,000 〜500,000 の範囲とする
ことが必要とされるが、好ましくは10,000〜100,000 の
範囲とされる。また、このものは分散のし易さ、作業性
の面からは粘度ができるだけ低いものとすることがよ
く、消泡持続性の面からは粘度が高いほうがよいのであ
るが、粘度が10cS未満では得られる組成物が安定性の乏
しいものとなり、100,000cS より大きいと得られる組成
物を泡抑制剤組成物として使用する前に水で希釈すると
きの増粘性が著しくなって作業性に難点が生じるので、1
0 〜100,000cS の範囲、好ましくは 100〜5,000cS のも
のとすることがよい。
【0017】また、ここに使用される有機珪素化合物は
一般式 R9 cYdSi(-R10-CH=CH2)4-c-d ・・・・・・(3) で示され、ここにR9はメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基などのアルキル基、フ
ェニル基、トリル基などのアリ−ル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基などから選択される炭素数1
〜10の1価の炭化水素基、Y は水酸基または炭素数1〜
6のアルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基で、具体的にはメトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基、アセトキシ基、メト
キシエトキシ基、プロペノキシ基などで例示される基で
あり、R10 は共有結合、メチレン基、ジメチレン基、テ
トラメチレン基、オクタメチレン基などから選択される
炭素数0〜8の2価の炭化水素基、c は0、1または
2、dは1、2または3であり、C+d ≦3とされるもの
で、これには下記のような化合物が例示される。
【0018】 CH2=CHSi(OH)3、 CH2=CHSi(OCH3)3、 CH2=CHSi(OC2H5)3、 CH2=CHSi(OCH2CH2OCH3)3
【化7】 CH2=CHSiCH3(OCH3)2、 CH2=CHSi(CH3)2OCH3、 CH2=CHSiC6H5(OCH3)2、 CH2=CHCH2Si(OC2H5)3、 CH2=CHCH2CH2Si(OCH3)3、 CH2=CHCH2CH2Si(OC2H5)3、 CH2=CH(CH2)4Si(OCH3)3、 CH2=CH(CH2)4SiCH3(OCH3)2、 CH2=CH(CH2)4Si(OC2H5)3、 CH2=CH(CH2)8Si(OCH3)3 なお、この有機珪素化合物はB)成分中の疎水性基油10
0 重量部に対しそれが0.1 重量部未満では初期の効果が
得られず、これを20重量部より多くすると逆にその消泡
性がわるくなるので、これは0.1 〜20重量部とする必要
があるが、さらに好ましくは0.5 〜10重量部の範囲とす
ることがよい。
【0019】また、ここに使用される微粉末シリカは公
知のものでよく、湿式シリカ、乾式シリカのいずれでも
よいことから、これには沈降シリカ、シリカキセロゲ
ル、ヒュームドシリカ、さらにはその表面を有機シリル
基で処理したものなどが示され、具体的にはアエロジル
[日本アエロジル(株)製商品名]、ニプシル[日本シ
リカ(株)製商品名]、キャボシル[米国キャボット社
製商品名]、サントセル[米国モンサントケミカル社製
商品名]などがあげられるが、これらはBET 法による比
表面積が100m2/g 以上のものとすることが好ましい。
【0020】なお、この微粉末シリカはB)成分中の疎
水性基油100 重量部に対しそれが1重量部未満では消泡
性能が劣るようになり、40重量部より多くすると組成物
の粘度が増加して水分散性および作業性が悪くなるの
で、これは1〜40重量部とする必要があるが、さらに好
ましくは5〜20重量部の範囲とすることがよい。
【0021】本発明で使用されるB)成分としての配合物
は上記したジメチルポリシロキサンおよび/またはアミ
ルアルキル変性シロキサンから選ばれた疎水性基油100
重量部に対し、有機珪素化合物0.1 〜20重量部と微粉末
シリカ1〜40重量部とを配合し、室温〜200 ℃で熱処理
し、必要に応じ低沸点留分を除くことによって製造する
ことができるが、本発明の泡抑制剤組成物100 重量%中
におけるこのB)成分の配合量は5重量%未満では消泡性
能が十分に発揮されず、また50重量%より多くするとこ
の系が増粘されて作業性に問題が生ずるので、これは5
〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲とする
ことがよい。
【0022】また、本発明の泡抑制剤組成物を構成する
C)成分としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レン共重合体は上記したA), B)成分および後記するD)成
分を乳化分散するための乳化助剤となるものであるが、
このものは分子量が500 未満では得られる組成物が経時
安定性のわるいものとなり、3,000 を越えると粘度が高
くなって分散性に影響が与えられるので、分子量が500
〜3,000 の範囲のもの、好ましくは1,500 〜2,500 のも
のとすることが必要とされる。
【0023】また、これはここに含有されているエチレ
ンオキシ基が10モル%未満では疎水性が強くなって乳化
助剤としての働きが不充分となり、85モル%を越えると
HLBが大きくなりすぎてこの場合も乳化助剤としての働
きが十分発揮されなくなるので、エチレンオキシ基の含
有量が10〜85モル%の範囲、好ましくは30〜70モル%の
ものとすることが必要とされるが、このものの泡抑制剤
組成物 100重量%中における配合量は5重量%未満では
保存安定性が悪くなり、50重量%より多くすると組成物
の希釈安定性が悪くなるということから、これは5〜50
重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲とすればよ
い。
【0024】また、本発明の泡抑制剤組成物を構成する
D)成分としてのジメチルポリシロキサンは分子鎖両末端
がモノヒドロキシジメチルシリル基で封鎖されたものと
される。これは本発明の泡抑制剤組成物における前記し
たA)成分とB)成分のバインダーとして有効とされるもの
で、モノヒドロキシジメチルシリル基が本来相溶性の少
ないA)成分とB)成分の界面張力を下げる働きがあり、こ
れら成分の相溶性を向上させるものであるが、このもの
は粘度が10cS未満ではオイルスポットの原因となり、50
0cS より粘度が高いと粘度を下げることができず、その
添加効果が不十分となるので、この泡抑制剤組成物の粘
度を上げないためにも粘度が10〜500cS好ましくは30〜2
00cS のものとすることが必要とされる。
【0025】なお、このD)成分の泡抑制剤組成物 100重
量%中における配合量は2重量%未満では上記した効果
が十分発揮されず、また、20重量%より多くすると粘度
が低くなりすぎてシリカ分が沈降するなど経時の保存安
定性がわるくなるので、これは2〜20重量%、より好ま
しくは5〜15重量%の範囲となるようにすればよい。
【0026】本発明の泡抑制剤組成物は上記したA)〜D)
成分の所定量を混合することによって得ることができる
が、これはこれらの各成分を例えばホモミキサーなどの
混合機を用いて均一に混合すればよく、この混合順序は
特に限定されないけれども、混合時に40〜150 ℃の範囲
で加熱してもよい。
【0027】このようにして得られた本発明の泡抑制剤
組成物はこれを添加した液にすぐれた低発泡性を長時間
付与すると共に、このものは分散安定性がすぐれてお
り、高温、高剪断下での機械的安定性にすぐれていて凝
集を起すこともないので、水性切削油や各種染色工程に
おける油剤または一般塗料用、各種油剤内添用消泡剤と
して好適に使用することができる。
【0028】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが例
中における粘度は25℃での測定値を示したもの、各種物
性はつぎの試験法による測定値を示したものである。
【0029】(希釈安定性試験法)泡抑制剤組成物の10
%水分散液 100gを 200mlのガラスビーカーに入れ、25
℃で1日保存した後の経時安定性を目視により以下のよ
うに評価した。 ◎…良好なエマルジョン、オイル浮きが認められない。 ○…オイル浮きあるいはシリカ沈降が若干ある。 △…オイル浮きが多く、シリカ沈降も多い。
【0030】(消泡性試験法)1,000cc のメスシリンダ
ーに0.2 %オレイン酸ナトリウム水溶液100 gを入れ、
泡抑制剤組成物の10%水分散液1.0g(有効成分として1,
000ppm)を添加し、ガラスディフェーザ−ストーンを通
して 1,000cc/分で空気を吹込むエアーバブリング法で
20分後の起泡量(泡量+液量)を25℃で測定した。
【0031】実施例1 平均組成式
【化8】 で示される粘度が950cS のポリオキシアルキレン変性シ
リコーンオイル(A−1)650gをA成分とし、粘度が10
0cS であるジメチルシリコーンオイル(B−1)450g、
粘度が1,000cS であるジメチルシリコ−ンオイル(B−
2)450 g、 平均粒径が1.4 μm で比表面積が300m2/g
である湿式シリカ100 gおよびビニルトリメトキシシラ
ン60g をガラス製2リットルフラスコ中で窒素ガス気流
下に150 ℃で3時間熱処理し、ホモミキサーで混合撹拌
したもの150gをB成分とする。
【0032】また式
【化9】 で示される粘度が250cS であるポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン共重合体150gをC成分とし、さらに
粘度が50cSであり、分子鎖両末端がモノヒドロキシジメ
チルシリル基で封鎖されている直鎖状ジメチルシリコー
ンオイル80g をD成分とすることとし、このA〜D成分
を混合し、ホモミキサーで5分〜10分撹拌して泡抑制剤
組成物を調製し、このものの希釈安定性、消泡性をしら
べたところ、後記する表1に示したとおりの結果が得ら
れた。
【0033】実施例2〜10 実施例1で使用したB成分中のビニルトリメトキシシラ
ン60g を、表1に示した有機珪素化合物と重量に変えた
以外は実施例1と同様にして泡抑制剤組成物を調製し、
それぞれの希釈安定性、消泡性を調べたところ、表1に
示したとおりの結果が得られた。
【0034】実施例11 平均組成式
【化10】 で示される、粘度が920cS のポリオキシアルキレン変性
シリコ−ンオイル(A−2)650gをA成分として使用し
た以外は実施例1と同様にして泡抑制剤組成物を調製
し、このものの希釈安定性、消泡性を調べたところ、表
1に示したとおりの結果が得られた。
【0035】実施例12 A、C、D成分は実施例1と同じものを使用し、平均組
成式
【化11】 で示され、粘度が330cS で、アミン当量が14,000である
アミノアルキル変性シリコ−ンオイル(B−3)900g、
平均粒子径が1.4 μm で比表面積が300m2/g である湿式
シリカ100 gおよびビニルトリス(2メトキシエトキ
シ)シラン60g を、ガラス製2リットルフラスコ中で窒
素ガス気流下に150 ℃で3時間熱処理し、ホモミキサ−
で混合撹拌したもの150gをB成分として、このA〜D成
分から実施例1と同様の方法で調製した泡抑制剤組成物
の希釈安定性、消泡性を調べたところ、表1に示したと
おりの結果が得られた。
【0036】比較例1 実施例1で用いたB成分のビニルトリメトキシシラン60
g を使用しなかった以外は実施例1と同様にして泡抑制
剤組成物を調製し、このものの希釈安定性、消泡性を調
べたところ、表1に示したとおりの結果が得られた。
【0037】比較例2〜4 実施例1で使用した成分のビニルトリメトキシシラン
を、表1に示した有機珪素化合物に変えた以外は実施例
1と同様にして泡抑制剤組成物を調製し、それぞれの希
釈安定性、消泡性を調べたところ、表1に示したとおり
の結果が得られた。
【0038】比較例5 平均組成式
【化12】 で示される、粘度が1,300cS のポリオキシアルキレン変
性シリコ−ンオイル(A−3)650gをA成分として使用
した以外は実施例1と同様にして泡抑制剤組成物を調製
し、このものの希釈安定性、消泡性を調べたところ、表
1に示したとおりの結果が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は泡抑制剤組成物に関するもの
で、これは前記したようにA)一般式(1)で示される
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、B)ジメ
チルポリシロキサンおよび/または一般式(2)で示さ
れるアミノアルキル変性シロキサンから選ばれた疎水性
基油と一般式(3)で示される有機珪素化合物および微
粉末シリカとからなる配合物、C)ポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレン共重合体およびD)分子鎖両末
端がモノヒドロキシジメチルシリル基で封鎖されたジメ
チルポリシロキサンとからなることを特徴とするもので
あるが、このものは従来公知のシリコーン系消泡剤にく
らべて希釈安定性、消泡持続性、高温特性においてすぐ
れていることから添加量を削減できるという工業的有利
性の与えられるものであるが、このものは特に安定性に
すぐれており、水性切削油用、各種油剤用、繊維染色工
程、精練工程用消泡剤として好適に使用することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 山田 邦弘 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−157106(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)一般式 【化1】 [G1はR1、G2またはG3から選択される基、G2, G3は分子
    量が500 〜3,000 の式(CH2)r-O-(R2O)sQ (R2はエチレン
    基およびプロピレン基、Qは水素原子または炭素数1〜
    8のアルキル基、アセチル基、イソシアン酸基から選択
    される1価の有機基、rは2〜6、sは5〜50)で示さ
    れる基で、G2は (R2O)基中のエチレンオキシ基が10〜30
    モル%、G3は (R2O)基中のエチレンオキシ基が65〜85モ
    ル%のものであり、G2/G3(モル比) は0.3/1 〜3/1、R1
    は炭素数3〜20の1価の炭化水素基、aは0または1、
    m及びnは1〜30の正数、pは10〜100 、qは1〜10の
    正数]で示されるポリオキシアルキレン変性シリコーン
    オイル30〜80重量%、 B) 25 ℃における粘度が10〜100,000cS であるジメチル
    ポリシロキサンおよび/または一般式 【化2】 [ここにR3は炭素数1〜18の非置換または置換の1価の
    炭化水素基、R4はR3または水酸基、R5は式-R6(NHCH2C
    H2)bNR7R8 (R6 は炭素数1〜4の2価の炭化水素基、
    R7、R8 はそれぞれ水素原子または炭素数1〜18の非置換
    または置換の1価の炭化水素基、b は0≦b ≦4)で示
    されるアミノアルキル基、k は10〜5,000 の正数、l は
    0.01〜500 の正数]で示され、アミン当量が5,000 〜50
    0,000 で、25℃における粘度が10〜100,000cS である直
    鎖状のアミノアルキル変性シロキサンから選ばれた疎水
    性基油100 重量部と 一般式 R9 cYdSi(-R10-CH=CH2)4-c-d [ここにR9は炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Y は水
    酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基、アシロキシ
    基、アルケニルオキシ基から選ばれる基、R10 は炭素数
    0〜8の2価の炭化水素基、c は0,1または2、d は
    1、2または3であり、c+d ≦3]で示される有機珪素
    化合物0.1 〜20重量部と、および微粉末シリカ1〜40重
    量部よりなる配合物5〜50重量%、 C)分子量範囲が500 〜 3,000であり、エチレンオキシ基
    が10〜85モル%であるポリオキシエチレン−ポリオキシ
    プロピレン共重合体5〜50重量%、 D)分子鎖両末端がモノヒドロキシジメチルシリル基で封
    鎖されている、25℃における粘度が10〜500cS である直
    鎖状のジメチルポリシロキサン2〜20重量%、とからな
    ることを特徴とする泡抑制剤組成物。
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