JPH07289803A - 泡抑制剤組成物及びパルプ黒液用消泡剤 - Google Patents

泡抑制剤組成物及びパルプ黒液用消泡剤

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JPH07289803A
JPH07289803A JP10895994A JP10895994A JPH07289803A JP H07289803 A JPH07289803 A JP H07289803A JP 10895994 A JP10895994 A JP 10895994A JP 10895994 A JP10895994 A JP 10895994A JP H07289803 A JPH07289803 A JP H07289803A
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邦弘 山田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高温、高アルカリ性条件下においても消泡効
果及びその持続性に優れている上、単純な工程で容易か
つ経済的に有利に製造し得る泡抑制剤組成物を得る。 【構成】 平均組成式R1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2
で示されるアミン当量が500〜100000、25℃
における粘度が10〜100000csであるアミノア
ルキル変性シリコーンオイルと微粉末シリカとを含有し
てなるオルガノポリシロキサン組成物と、平均組成式R
9 d10 eSiO(4-d-e)/2で示される25℃における粘度
が10〜100000csであるポリオキシアルキレン
変性シリコーンオイルとを配合する。この泡抑制剤組成
物を主成分としてパルプ黒液用消泡剤を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプ黒液等の高温、
高アルカリ性の発泡液に対しても良好な消泡持続性を発
揮し得、幅広い分野で発泡を伴う産業工程に利用するこ
とができる泡抑制剤組成物、及びこの組成物を主成分と
するパルプ黒液用消泡剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーン系消泡剤は、他の消泡剤に比べて種々の優れた性質
を持っていることから化学工業、食品工業、石油工業、
織物工業、医薬品工業などの発泡を伴う産業工程に広く
利用されており、例えばジメチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサ
ン等のシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイ
ルコンパウンド型消泡剤、これらオイルコンパウンドを
界面活性剤と共に水中に分散してなるエマルジョン型消
泡剤が汎用されている。更に、上記エマルジョン型消泡
剤は、高温、高アルカリ性、高剪断力といった過酷な条
件下ではエマルジョンが破壊され、消泡能力が低下して
しまうという問題があるため、染色、精錬などのアルカ
リ性用途においては、これに代わるものとしてポリオキ
シアルキレン基で変性されたオルガノポリシロキサンと
オイルコンパウンドとを併用した自己乳化型消泡剤(特
公昭52−19836号、同52−22638号、同5
5−23084号公報参照)が使用されている。
【0003】しかしながら、これらのシリコーン系消泡
剤は、パルプ黒液などの高温、高アルカリ性の発泡液に
添加すると経時においてその消泡性が失われてしまうと
いう欠点があった。
【0004】そこで、近年、上記欠点を改善して消泡性
能をより向上させる目的で様々な工夫が行われており、
例えばオイルコンパウンドに使用するシリカを予めジメ
チルジクロロシランなどで処理して疎水化しておく方法
(特公昭52−31836号公報参照)、シリカを窒素
含有有機珪素化合物で処理する方法(特公昭51−35
556号公報参照)などが提案されている。しかし、上
記方法は、シリカの疎水化処理に長時間を要する上、処
理設備が必要で工程も複雑であり経済的に不利であっ
た。
【0005】また、オルガノポリシロキサン又は炭化水
素油にオルガノハイドロジェンポリシロキサンとシリカ
及び触媒を添加したものが特開昭57−48307号公
報に提案されているが、これは有機金属系の触媒を添加
して加熱処理をしないとシリカの表面処理が十分に進ま
ず、かつ処理工程中に発生する水素ガスによる引火爆発
の危険性があった。更に、オルガノポリシロキサンとシ
リカとの混合物にオルガノポリシロキサン重合体架橋物
を混入させる方法(特開平3−188905号公報参
照)なども提案されているが、この方法は種々の工程を
必要とするため製造に長時間かかる上、粘度が高いため
希釈時に良好な分散性が得難いという欠点があった。
【0006】一方、本発明者は、先に自己乳化剤の消泡
性向上を目的としてアルケニル基を有する有機珪素化合
物をシリカ処理剤としたオイルコンパウンドを用いた泡
抑制剤組成物(特開平4−91813号公報参照)、
(CH33SiO1/2単位及びSiO4/2単位からなるシ
ロキサン樹脂をオイルコンパウンド中に配合した泡抑制
剤組成物(特開平4−93453号公報参照)を提案し
たが、更に特性の向上が求められている。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高温、高アルカリ性条件下においても消泡効果及び
その持続性に優れ、しかも工業的に有利に製造し得る泡
抑制剤組成物及びパルプ黒液用消泡剤を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記平均組
成式(1)で示されるアミン当量が500〜10000
0、25℃における粘度が10〜100000csであ
るアミノアルキル変性シリコーンオイルと微粉末シリカ
とを含有してなるオルガノポリシロキサン組成物と、下
記平均組成式(2)で示される25℃における粘度が1
0〜100000csであるポリオキシアルキレン変性
シリコーンオイルと、必要により分子量が500〜50
00のポリオキシアルキレン重合体とを配合した場合、
高温、高アルカリ性条件下においても持続的に優れた消
泡効果を発揮し得、しかも工業的に有利な自己乳化型の
泡抑制剤組成物が得られ、この泡抑制剤組成物がパルプ
黒液用消泡剤の主成分として好適であることを見出し
た。
【0009】
【化3】 〔但し、式中R1は−R4(NR5CH2CH2mNR67
(R4は炭素数1〜4の2価の炭化水素基、R5、R6
7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の非置換又
は置換の1価炭化水素基、mは0≦m≦4の数であ
る。)で表されるアミノアルキル基であり、R2は炭素
数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基、R3
−OR8(R8は水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水
素基)で表されるアルコキシ基、a、b、cはそれぞれ
0.0001≦a≦1、1.8≦b≦2.2、0≦c≦
0.1で1.8<a+b+c<2.3を満たす数であ
る。〕
【0010】
【化4】 〔但し、式中R9は−R11−0(R12O)f−R13(R11
は炭素数1〜4の2価炭化水素基、R12はエチレン基及
び/又はプロピレン基、R13は水素原子又は炭素数1〜
8の非置換又は置換の1価の有機基、fは3≦f≦10
0の数である。)で表されるポリオキシアルキレン基で
あり、R10は炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭
化水素基、d、eはそれぞれ0.01≦d≦1、1.2
≦e≦2.2で1.8<d+e<2.3を満たす数であ
る。〕
【0011】即ち、本発明者は、自己乳化型泡抑制剤組
成物において、ベースオイルと微粉末シリカから構成さ
れるオイルコンパウンド成分のベースオイルとして上記
式(1)の特定のアミン当量を有するアミノアルキル変
性シリコーンオイルを用いることにより、高温、高アル
カリ性の発泡液に対しても優れた消泡効果及びその持続
性を示す泡抑制剤組成物が得られること、更に、この泡
抑制剤組成物は、上記した各成分の単純な混合により簡
単な工程で容易に製造し得ることから経済性及び安全性
面でも満足できるものであり、発泡を伴う産業工程に幅
広く利用できることを知見し、本発明をなすに至ったも
のである。
【0012】従って、本発明は、(A)上記平均組成式
(1)で示されるアミン当量が500〜100000、
25℃における粘度が10〜100000csであるア
ミノアルキル変性シリコーンオイルと微粉末シリカとを
含有してなるオルガノポリシロキサン組成物1〜60重
量%、(B)上記平均組成式(2)で示される25℃に
おける粘度が10〜100000csであるポリオキシ
アルキレン変性シリコーンオイル5〜99重量%、
(C)分子量が500〜5000であるポリオキシアル
キレン重合体0〜90重量%を配合してなることを特徴
とする泡抑制剤組成物、及びこの泡抑制剤組成物を主成
分とするパルプ黒液用消泡剤を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の泡抑制剤組成物を構成する第一成分のオル
ガノポリシロキサン組成物は、下記平均組成式(1)で
示されるアミン当量が500〜100000、25℃に
おける粘度が10〜100000csであるアミノアル
キル変性シリコーンオイルと微粉末シリカとを含有する
もので、泡抑制剤組成物の主成分となるものである。
【0014】
【化5】 〔但し、式中R1は−R4(NR5CH2CH2mNR67
(R4は炭素数1〜4の2価の炭化水素基、R5、R6
7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の非置換又
は置換の1価炭化水素基、mは0≦m≦4の数であ
る。)で表されるアミノアルキル基であり、R2は炭素
数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基、R3
−OR8(R8は水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水
素基)で表されるアルコキシ基、a、b、cはそれぞれ
0.0001≦a≦1、1.8≦b≦2.2、0≦c≦
0.1で1.8<a+b+c<2.3を満たす数であ
る。〕
【0015】上記式(1)において、置換基R1は−R4
(NR5CH2CH2mNR67である。ここで、R4
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等
の炭素数1〜4の2価炭化水素基である。R5、R6、R
7はそれぞれ水素原子又は例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基
等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル
基、フェニル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基、これらの基の炭素原子に
結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、
シアノ基等で置換したクロロメチル基、3−クロロプロ
ピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノ
エチル基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素基な
どから選ばれる同種又は異種の炭素数1〜18の非置換
又は置換の1価炭化水素基であるが、R5、R6、R7
全基中の90モル%以上が水素原子であることが好まし
い。なお、mは0≦m≦4の数である。
【0016】また、R2は、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル
基、フェニル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基、これらの基の炭素原子に
結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、
シアノ基等で置換したクロロメチル基、3−クロロプロ
ピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノ
エチル基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素基な
どから選ばれる同種又は異種の炭素数1〜18の非置換
又は置換の1価炭化水素基であるが、R2基全体の90
モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0017】上記式(1)中のR3は、−OR8で表され
る水酸基又はアルコキシ基が挙げられる。この場合、R
8は水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基であ
り、1価炭化水素基としては例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等
が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。
【0018】a、b、cはそれぞれ0.0001≦a≦
1、1.8≦b≦2.2、0≦c≦0.1で1.8<a
+b+c<2.3を満たす数であるが、特に消泡性の面
から0.001≦a≦0.5、1.9≦b≦2.1、0
≦c≦0.05で1.9<a+b+c<2.2であるこ
とが望ましい。
【0019】なお、上記式(1)のアミノアルキル変性
シリコーンは、直鎖状のものが好ましいが、分枝状のも
のでもよい。
【0020】上記式(1)のアミノアルキル変性シリコ
ーンのアミン当量は、500〜100000、好ましく
は1000〜10000の範囲であり、アミン当量が5
00未満であったり、100000を超えると組成物の
希釈安定性が悪くなるり、消泡効力が低下してしまう。
【0021】また、上記式(1)のアミノアルキル変性
シリコーンは、分散し易さ、作業性の面から粘度ができ
るだけ低いものが好適であることと消泡持続性の面から
は粘度が高いほうがよいということを考慮し、25℃に
おける粘度が10〜100000cs、好ましくは10
0〜20000csの範囲とする。粘度が10csに満
たないと組成物が安定性に乏しくなり、100000c
sを超えると得られた組成物を希釈する際の作業性に難
点が生じる。
【0022】更に、微粉末シリカは、公知のものを使用
し得、湿式シリカ、乾式シリカのいずれでもよく、例え
ば沈降性シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリ
カ、これらの表面を有機シリル基で処理したものなどを
挙げることができ、具体的にアエロジル(日本アエロジ
ル社製)、ニプシル(日本シリカ社製)、キャボシル
(米国キャボット社製)、サントセル(米国モンサント
ケミカル社製)等が例示される。なお、これら微粉末シ
リカは、BET法による比表面積が100m2/g以上
であることが好ましい。
【0023】微粉末シリカの配合量は、上記式(1)の
アミノアルキル変性シリコーンオイル100部(重量
部、以下同様)に対して0.1〜20部、特に1〜10
部とすることが好ましい。配合量が0.1部未満では消
泡性能に劣る場合があり、20部を超えると組成物の粘
度が増加して水分散性及び作業性が悪くなる場合があ
る。
【0024】第一成分のオルガノポリシロキサン組成物
は、上記アミノアルキル変性シリコーンオイルと微粉末
シリカの所定量を配合し、室温〜200℃で1〜3時間
熱処理し、必要に応じて低沸点留分を除くことによって
製造することができる。なお、この熱処理時に必要に応
じてオルガノシラザン化合物、シランカップリング剤な
どを添加配合して均一化を図ることもできる。
【0025】上記第一成分のオルガノポリシロキサン組
成物の配合量は、本発明組成物全体の1〜60%(重量
%、以下同様)、特に5〜40%の範囲が好適である。
配合量が1%に満たないと泡抑制効果が十分得られない
場合があり、60%を超えると粘度が高くなり、水への
分散性に劣って取扱い難くなる場合がある。
【0026】次に、本発明の第二成分としてのポリオキ
シアルキレン変性シリコーンオイルは、下記平均組成式
(2)で示されるものであり、本発明の泡抑制剤組成物
を水系発泡液に添加する際、第一成分のオルガノポリシ
ロキサン組成物を乳化分散させる乳化剤として作用する
ものである。
【0027】
【化6】 〔但し、式中R9は−R11−0(R12O)f−R13(R11
は炭素数1〜4の2価炭化水素基、R12はエチレン基及
び/又はプロピレン基、R13は水素原子又は炭素数1〜
8の非置換又は置換の1価の有機基、fは3≦f≦10
0の数である。)で表されるポリオキシアルキレン基で
あり、R10は炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭
化水素基、d、eはそれぞれ0.01≦d≦1、1.2
≦e≦2.2で1.8<d+e<2.3を満たす数であ
る。〕
【0028】上記式(2)においてR9は−R11−0
(R12O)f−R13で表されるポリオキシアルキレン基
である。ここで、R11はメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜4の2価炭化水素
基である。R12はエチレン基及び/又はプロピレン基、
13は水素原子又は例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル
基、アセチル基、イソシアン酸基などから選ばれる炭素
数1〜8の非置換又は置換の1価の有機基、fは3≦f
≦100の数である。
【0029】また、R10は炭素数1〜18の非置換又は
置換の1価炭化水素基であり、前記したR2と同様の基
が挙げられる。d、eはそれぞれ0.01≦d≦1、
1.2≦e≦2.2で1.8<d+e<2.3を満たす
数である。
【0030】上記式(2)のポリオキシアルキレン変性
シリコーンオイルは、室温で液状であるものが好まし
く、25℃における粘度が10〜100000cs、好
ましくは100〜10000csの範囲である。粘度が
10cs未満では組成物が分離し易く、安定性の低いも
のになり、100000csを超えると組成物を使用前
に水で希釈する際、分散し難く作業性に劣る。
【0031】上記式(2)のポリオキシアルキレン変性
シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性シリコー
ンとして市販されているものを用いてもよいし、従来公
知の方法、例えば≡SiH基を含有するオルガノポリシ
ロキサンに分子鎖末端にビニル基、アリル基等の不飽和
基を有するポリオキシアルキレン化合物を白金触媒の存
在下に付加反応させることにより容易に得ることができ
るものを用いてもよい。また、本発明では、単一のポリ
オキシアルキレン化合物で変性されたシリコーンオイル
だけでなく、例えば分子中のエチレンオキシ基/プロピ
レンオキシ基のモル比が異なる2種以上のポリオキシア
ルキレン基を同一分子内に含有させたシリコーンオイル
が使用でき、異なる構造を持つ2種類以上のポリオキシ
アルキレン変性シリコーンオイルを用いることも可能で
ある。
【0032】上記式(2)のポリオキシアルキレン変性
シリコーンオイルの配合量は、組成物全体の5〜99
%、特に10〜80%の範囲が好適であり、5%未満で
は水分散性が悪くなる場合があり、99%を超えると消
泡性に劣る場合がある。
【0033】更に、本発明では、第三成分としてポリオ
キシアルキレン重合体を配合することが好ましい。この
ポリオキシアルキレン重合体は、上記第二成分のポリオ
キシアルキレン変性シリコーンオイルと共に乳化助剤と
して作用すると共に、組成物の粘度を低下させて水分散
時の作業性を向上させる効果も有するものである。
【0034】このポリオキシアルキレン重合体として
は、分子内に(R14O)基(R14はエチレン基及び/又
はプロピレン基)を持つものであればいかなる構造のも
のでもよく、直鎖状でも例えば下記構造のような分枝状
でもよい。
【0035】
【化7】 (但し、式中R15は水素原子又は一価の有機基であり、
16は一価のアルキル基である。q,r,sはそれぞれ
独立に1〜100である。)
【0036】上記重合体の末端基R15は、水素原子又は
メチル基、エチル基、ブチル基、デシル基、オクタデシ
ル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、オレイル基
等のアルケニル基、アセチル基、ステアロイル基等のア
シル基、イソシアン酸基などの炭素数1〜18の一価の
有機基が一般的であるが、特にこれに限定されるもので
はない。また、R16は、一価のアルキル基であり、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素
数1〜4のものが挙げられる。
【0037】上記ポリオキシアルキレン重合体は、室温
で液状のものが好ましく、平均分子量が500〜500
0、特に1000〜3000のものが好ましい。平均分
子量が500未満では、粘度が低いため得られる泡抑制
剤組成物が経時安定性の悪いものとなる場合があり、5
000を超えると粘度が高くなって分散性及び作業性に
影響が生じる場合がある。
【0038】なお、第三成分のポリオキシアルキレン重
合体としては、1種類のポリオキシアルキレン化合物の
単独使用に限られず、HLB値や末端基等が異なる2種
類以上のポリオキシアルキレン化合物を併用してもよ
い。
【0039】ポリオキシアルキレン重合体の配合量は、
組成物全体の0〜90%、特に0〜70%とすることが
好ましい。配合量が90%を超えると組成物の保存安定
性及び希釈安定性が悪くなる場合がある。
【0040】本発明では、上述の第二成分及び第三成分
中におけるエチレンオキシ基/プロピレンオキシ基の重
量比が0.1〜5、特に0.4〜3の範囲であることが
望ましく、この範囲となるように第二、三成分の化合物
を選択すると共に配合量を調整することが望ましい。エ
チレンオキシ基/プロピレンオキシ基比が0.1未満で
は、疎水性が強くなり、また5を超えるとHLB値が大
きくなり過ぎ、いずれにおいても乳化剤としての働きが
十分発揮されなくなる場合がある。
【0041】本発明の泡抑制剤組成物は、上記した各成
分の所定量を混合することによって得ることができ、こ
れら各成分を例えばホモミキサーなどの混合機を用いて
均一に混合することが好ましい。なお、各成分の混合順
序は特に限定されず、混合条件も別に制限されないが、
必要により40〜150℃の範囲で加熱しながら混合す
ることが好ましい。
【0042】更に、パルプ黒液用消泡剤として調製する
場合は、本発明の泡抑制剤組成物を主成分として配合
し、他成分として鉱物油など添加してもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明の泡抑制剤組成物は、高温、高ア
ルカリ性条件下においても消泡効果及びその持続性に優
れている上、単純な工程で容易かつ経済的に有利に、し
かも安全に得ることができる。従って、本発明組成物
は、パルプ黒液等の発泡液に対しても有効に利用するこ
とが可能であり、発泡を伴う産業工程に幅広く利用する
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限
されるものではない。なお、各例中の粘度は25℃での
測定値を示したものである。
【0045】〔製造例1〕 X0.0196(CH31.98(OCH30.0098SiO 0.995 (但し、式中Xは−C36NHCH2CH2NH2であ
る。以下、同様。) 上記式で示されるアミン当量1900、粘度1900c
sのアミノアルキル変性シリコーンオイル285gと微
粉末シリカとして日本アエロジル300(日本アエロジ
ル社製、比表面積300m2/g)15g、ヘキサメチ
ルジシラザン9gを500ccのフラスコ中で窒素ガス
気流下、150℃で3時間熱処理し、ホモミキサーで混
合攪拌してオルガノポリシロキサン組成物Aを調製し
た。
【0046】〔製造例2〕 X0.0049(CH32.00SiO 0.998 アミノアルキル変性シリコーンオイルとして上記式で示
されるアミン当量7600、粘度250csのアミノア
ルキル変性シリコーンオイル285gを使用する以外は
製造例1と同様にしてオルガノポリシロキサン組成物B
を調製した。
【0047】〔製造例3〕 Y0.0078(CH31.99(OCH30.00519SiO 0.999 (但し、式中Yは−C36NH2である。以下、同
様。) アミノアルキル変性シリコーンオイルとして上記式で示
されるアミン当量9400、粘度15800csのアミ
ノアルキル変性シリコーンオイル285gを使用する以
外は製造例1と同様にしてオルガノポリシロキサン組成
物Cを調製した。
【0048】〔製造例4〕 X0.118(CH31.94SiO 0.971 上記式で示されるアミン当量360、粘度60csのア
ミノアルキル変性シリコーンオイル285gと微粉末シ
リカとしてニプシルSS−30P(日本シリカ工業社
製、比表面積114m2/g)15gを500ccのフ
ラスコ中で窒素ガス気流下、150℃で3時間熱処理
し、ホモミキサーで混合攪拌してオルガノポリシロキサ
ン組成物Dを調製した。
【0049】〔製造例5〕 Y0.000595(CH32.01SiO 0.995 アミノアルキル変性シリコーンオイルとして上記式で示
されるアミン当量150000、粘度800csのアミ
ノアルキル変性シリコーンオイル285gを使用する以
外は製造例4と同様にしてオルガノポリシロキサン組成
物Eを調製した。
【0050】〔製造例6〕 (CH32.01SiO 0.995 アミノアルキル変性シリコーンオイルの代わりに上記式
で示される粘度1000csのジメチルシリコーンオイ
ル285gを使用する以外は製造例1と同様にしてオル
ガノポリシロキサン組成物Fを調製した。
【0051】〔実施例1〕製造例1で得られたオルガノ
ポリシロキサン組成物A100gと下記組成式(3)で
示される粘度が1400csのポリオキシアルキレン変
性シリコーンオイルA60g、下記組成式(4)で示さ
れる平均分子量が2030、粘度が200csのポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体A220
g、下記組成式(5)で示される平均分子量が145
4、粘度が150csのポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレン共重合体B120gを混合し、ホモミキサ
ーで10分間攪拌して泡抑制剤組成物Aを調製した。 G1 0.1(CH32.0SiO0.95 …(3) (G1は−C36O(C24O)25(C36O)254
9) C49O(C24O)30(C36O)1049 …(4) C49O(C24O)5(C36O)20H …(5)
【0052】〔実施例2,3、比較例1〜3〕オルガノ
ポリシロキサン組成物Aの代わりに表1に示すようにオ
ルガノポリシロキサン組成物B〜Fをそれぞれ使用する
以外は、実施例1と同様にして泡抑制剤組成物B〜Fを
調製した。
【0053】〔実施例4〕オルガノポリシロキサン組成
物A150gと、実施例1で用いたポリオキシアルキレ
ン変性シリコーンオイルA260g、下記組成式(6)
で示される粘度が1100csであるポリオキシアルキ
レン変性シリコーンオイルB90gとを混合し、ホモミ
キサーで10分間攪拌して泡抑制剤組成物A’を調製し
た。 G2 0.03(CH31.98(C10210.03SiO0.98 …(6) (G2は−C36O(C24O)6(C36O)24H)
【0054】〔実施例5,6、比較例4〜6〕オルガノ
ポリシロキサン組成物Aの代わりに表1に示すようにオ
ルガノポリシロキサン組成物B〜Fをそれぞれ使用する
以外は実施例4と同様にして泡抑制剤組成物B’〜F’
を調製した。
【0055】上記泡抑制剤組成物のパルプ黒液に対する
消泡性を下記方法により調べた。結果を表1に示す。 パルプ黒液による消泡試験法:pH13.0のパルプ黒
液を栓のできる100ccガラスビンに50g入れ、8
0℃の恒温槽に30分間放置後、これに直ちに泡抑制剤
組成物を100ppm入れ、30秒間振とう(140回
/分)させ、発生した泡が完全に消えるまでの時間
(秒)を測定した。また、測定後、すぐにそのガラス瓶
を80℃恒温槽に戻し、1時間後、24時間後について
も前記と同様に30秒間振とうを行い、発生した泡が完
全に消失するのに要する時間を測定した。
【0056】表1の結果より、本発明の泡抑制剤組成物
(実施例)は、発泡液に配合直後の抑泡性に優れている
ばかりか加温エージンク後の抑泡性にも優れており、極
めて耐久性に優れていることがわかった。
【0057】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記平均組成式(1)で示される
    アミン当量が500〜100000、25℃における粘
    度が10〜100000csであるアミノアルキル変性
    シリコーンオイルと微粉末シリカとを含有してなるオル
    ガノポリシロキサン組成物1〜60重量%、 【化1】 〔但し、式中R1は−R4(NR5CH2CH2mNR67
    (R4は炭素数1〜4の2価の炭化水素基、R5、R6
    7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の非置換又
    は置換の1価炭化水素基、mは0≦m≦4の数であ
    る。)で表されるアミノアルキル基であり、R2は炭素
    数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基、R3
    −OR8(R8は水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水
    素基)で表されるアルコキシ基、a、b、cはそれぞれ
    0.0001≦a≦1、1.8≦b≦2.2、0≦c≦
    0.1で1.8<a+b+c<2.3を満たす数であ
    る。〕 (B)下記平均組成式(2)で示される25℃における
    粘度が10〜100000csであるポリオキシアルキ
    レン変性シリコーンオイル5〜99重量%、 【化2】 〔但し、式中R9は−R11−0(R12O)f−R13(R11
    は炭素数1〜4の2価炭化水素基、R12はエチレン基及
    び/又はプロピレン基、R13は水素原子又は炭素数1〜
    8の非置換又は置換の1価の有機基、fは3≦f≦10
    0の数である。)で表されるポリオキシアルキレン基で
    あり、R10は炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭
    化水素基、d、eはそれぞれ0.01≦d≦1、1.2
    ≦e≦2.2で1.8<d+e<2.3を満たす数であ
    る。〕 (C)分子量が500〜5000であるポリオキシアル
    キレン重合体0〜90重量%を配合してなることを特徴
    とする泡抑制剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の泡抑制剤組成物を主成分
    とするパルプ黒液用消泡剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100761777B1 (ko) * 2006-05-30 2007-10-04 (주)휠스에프엔씨 자기 유화형 실리콘 소포제 조성물
JP5408251B2 (ja) * 2009-06-12 2014-02-05 日信化学工業株式会社 水性切削剤
CN109224536A (zh) * 2018-08-02 2019-01-18 宣城市聚源精细化工有限公司 一种稳定性好的消泡剂的制备方法
CN112588451A (zh) * 2020-11-27 2021-04-02 萍乡市红土地腐植酸有限公司 一种抑制剂的合成方法

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