JP5870216B2 - 電極用バインダー、電極用組成物及び電極シート - Google Patents

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Description

本発明は、電極用バインダー、該バインダーを含有する電極用組成物及び電極シートに関する。
近年、繰り返し利用可能である二次電池やキャパシタの普及は目覚ましく、より多くの容量、サイクル寿命といった性能が要求されている。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の電気化学デバイスに用いられる電極を製造する方法としては、例えば、イオンを吸蔵・吸着、脱離・放出可能な活物質と、電極用バインダーとしてポリマーバインダーとを含有する電極用組成物を調製し、金属素材(以下、集電体という。)上に塗布、乾燥する方法が知られている。ポリマーバインダーは、活物質同士、もしくは活物質と集電体とを結着させる結着力に大きく寄与する他、電気化学デバイスの容量、サイクル寿命等の性能にも大きく関わっている(例えば特許文献1)。
さらなる高容量化や高エネルギー密度化の要求に対して、ポリマーバインダーの使用量を低減する方法、及びより高い線圧で圧延する方法等が検討されている。しかし、これらの方法は、集電体上に電極用組成物を塗布、乾燥して得られる電極合剤層が集電体から剥落しやすくなり、圧延ロールの汚れなど圧延工程の作業性を著しく低下させる問題がある。また、電極合剤層が不均一な構造を持つ電極となり、安定的な電気化学デバイスが得られない問題がある。
これらの問題を解決する方法として、例えば、特許文献2では、非水電解質二次電池の負極を作成する際に、黒鉛粒子の平均円形度を70%以上保持するように、加熱する力を制御する方法が開示されている。他方、ポリマーバインダーによる改善策も検討されている。例えば、特許文献3においては、プレス加工時の剥離を生じず、かつ高い柔軟性をもつ電極を得ることを目的として、ガラス状領域とゴム状領域の間の転移領域が広いポリマーバインダーを使用する方法が開示されている。また、特許文献4においては、電極用組成物の配合安定性、電極を巻き取る工程での耐ブロッキング性、結着力、耐折れ割れ性に優れたバインダーを得ることを目的として、エチレン系不飽和カルボン酸のリチウム塩と脂肪族共役ジエン系単量体などとの共重合体を使用した二次電池電極用バインダーが開示されている。また、特許文献5においては、電極用組成物の配合安定性、電極を巻き取る工程での耐ブロッキング性、及び擦れやその後の裁断などで塗布された活物質層から活物質の微粉などが発生しない耐粉落ち適性及び結着力に優れたバインダーを得ることを目的として、フッ素含有不飽和単量体、脂肪族共役ジエン系単量体と、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を特定範囲で共重合させた二次電池電極用バインダーが開示されている。
特開2013−229327号公報 国際公開WO2010/146832号公報 国際公開WO2011/099344号公報 特開2010−146869号公報 特開2010−146870号公報
電気化学デバイスに対するさらなる高性能化の要求としてサイクル特性がある。しかし、上記従来の電極用バインダーは、活物質の被覆性が十分ではなく、サイクル特性の向上を図ることが困難である。
本発明の目的は、耐ブロッキング性及び活物質の被覆性の双方に優れた電極用バインダー、該バインダーを含有する電極用組成物及び電極シートを提供することにある。
本発明は、乳化重合により得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーであって、共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、シアン化ビニル系単量体0質量%以上、5質量%未満、及び、これらと共重合可能な単量体5〜80質量%、からなる単量体成分で構成されており、共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合、(Tp−60)℃〜(Tp−70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E1’と、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E2’との比(E1’/E2’)が、1000以下であることを特徴とする電極用バインダーを提供する。
上記構成を有する電極用バインダーは、耐ブロッキング性及び活物質の被覆性の双方に優れたものになり得る。本発明に係る電極用バインダーによれば、優れた耐ブロッキング性により、後工程における電極合剤層の付着を抑制することができ、作業性よく電極を作製できるとともに、活物質への被覆性が良好であることにより、充放電を繰り返した際の電気化学デバイスのサイクル特性を向上させることができる。
本発明に係る電極用バインダーは、特にアルカリ領域において活物質への優れた被覆性及び耐ブロッキング性を発揮することができる。
上記乳化重合は、重合開始剤投入開始時の反応系に、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超80質量%以下を含有させ、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、上記到達時から単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の5%の時点以降から、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の添加を開始して、上記到達時から上記終了時までの時間、の80%の時点までに上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上を添加してもよい。上記5%の時点以降から、エチレン系不飽和カルボン酸の残部の添加を行うことで、得られる共重合体ラテックスの粘度の上昇を抑制でき、より多くのエチレン系不飽和カルボン酸を共重合体粒子に含有させることができる。その結果、活物質への被覆性をより向上させることができる。
共重合体ラテックスを構成する単量体成分において、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量に占めるエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の量が5質量%以上、80質量%未満としてもよい。エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーの耐ブロッキング性をより向上させることができる。また、共重合体ラテックス中の凝集物量を低減できる観点からも好ましい。
本発明はまた、上記の電極用バインダーと、活物質と、を含有する電極用組成物を提供する。
本発明はまた、集電体と、該集電体上に設けられた上記の電極用組成物から形成される電極合剤層と、を備える、電極シートを提供する。
本発明によれば、耐ブロッキング性及び活物質の被覆性の双方に優れた電極用バインダー、該バインダーを含有する電極用組成物及び電極シートを提供することができる。これにより、電気デバイスのサイクル特性を向上させることを可能とする電極を作業性よく作製することができる。本発明によれば、また、電極合剤層の剥落のない均一な電極を形成できる電極バインダーを提供することもでき、これによりデバイス性能の信頼性に優れた電気化学デバイスを得ることができる。また、本発明に係る電極用バインダーを含む組成物は、特にアルカリ領域において優れた活物質への被覆性を発揮することができる。
共重合体ラテックスから形成されるフィルムの動的粘弾性率測定における、測定温度と貯蔵弾性率E’との関係及びそのtanδを示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態における電極用バインダーは、乳化重合により得られる共重合体ラテックスを含むものであって、上記共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、シアン化ビニル系単量体を0質量%以上5質量%未満、及び、これらと共重合可能な単量体5〜80質量%、からなる単量体成分で構成されている。
共重合体を構成する各成分である、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な単量体について、以下に説明する。
脂肪族共役ジエン系単量体(以下、(a)成分という場合もある。)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などの単量体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体(以下、(b)成分という場合もある。)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸単量体が挙げられる。または、これらの無水物であってもよい。これらの単量体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
シアン化ビニル単量体(以下、(c)成分という場合もある。)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどの単量体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの使用が好ましい。
上記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分と共重合可能な単量体(以下、(d)成分という場合もある。)としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体、不飽和二重結合を2つ以上含有する多官能エチレン性不飽和単量体等の単量体が挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和二重結合を2つ以上含有する多官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンが挙げられる。
上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
(a)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分に対し、15〜60質量%であり、17〜57質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましい。(a)成分の含有量を上記範囲となるように調整することにより、共重合体に柔軟性を付与することができる。
(b)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分に対し、5〜35質量%であり、6〜35質量%であることがより好ましく、7〜35質量%であることが更に好ましい。(b)成分の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、共重合体を含有する共重合体ラテックスの活物質への被覆性の向上を図ることができる。
また、(b)成分全量に占めるエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の含有量は、5質量%以上、80質量%未満であることが好ましい。さらには、10質量%以上、15質量%以上、75質量%以下、70質量%以下であることが好ましい。エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体ラテックスの耐ブロッキング性をより向上させることができ、かつ共重合体ラテックス中の凝集物量を低減することができる観点から好ましい。
(c)成分は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、0質量%以上、5質量%未満であることが、本願課題を達成する観点から必要である。さらに好ましくは、3質量%未満、1質量%未満であることが好ましい。(c)成分の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーの活物質への被覆性の向上を図ることができる。また、(c)成分の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーの耐ブロッキング性をより向上させることができる。
(d)成分の含有量は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、5〜80質量%であり、8〜78質量%であることが好ましく、10〜75質量%であることがより好ましい。(d)成分の含有量を上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体粒子が柔らかくなりすぎることを抑制し、適度な結着力を得ることができるので好ましい。
本実施形態の電極用バインダーに含まれる共重合体ラテックスは、乳化重合により得られる。以下、実施形態に係る乳化重合について説明する。
乳化重合において、共重合体ラテックスを構成する単量体成分の反応系への添加は以下のように行われる。各単量体成分については、上記と同様のものを用いることができる。
(b)成分であるエチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加は、重合開始剤投入開始時の反応系に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超80質量%以下を含有させ、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、前記単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の5%の時点以降から、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の反応系への投入を開始して、到達時から終了時までの時間、の80%の時点までに、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上が投入されるようにして、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加を行うことができる。この方法で乳化重合を行う場合、共重合体ラテックスの粘度の上昇を抑制でき、より多くのエチレン系不飽和カルボン酸を共重合体粒子に含有させることができる。上記効果をさらに高めるためには、到達時から終了時までの時間、の70%の時点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の85質量%以上が反応系へ投入されることが好ましい。さらに好ましくは、到達時から終了時までの時間、の60%の時点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量が反応系へ投入されることが好ましい。
また、上記効果をさらに高めるためには、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、上記到達時から上記終了時までの時間、の10%の時点以降から、より好ましくは15%の時点以降から上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の投入を開始することが好ましい。また、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の投入は、上記到達時から上記終了時までの時間、の50%の時点までに開始することが好ましく、45%の時点までに開始することがより好ましく、40%の時点までに開始することがさらに好ましい。また、上記到達時から上記終了時までの時間、の70%の時点までに、全量の95質量%以上添加することが好ましい。さらに好ましくは、上記到達時から上記終了時までの時間、の60%の時点までに、全量添加することが好ましい。
上記到達時とは、反応系に添加した単量体のポリマー転化率が1.0%に到達した時点をいう。ポリマー転化率が1.0%に到達した時点は、以下のように決定する。すなわち、単量体成分、開始剤及び水が共存開始した時点(0点)から30分経過後に測定することでポリマー転化率を算出する。30分後に測定したポリマー転化率が1%を超えていなかったら、さらに30分経ってから測定し、ポリマー転化率が1%を超えるまで30分毎に測定する。ポリマー転化率がはじめて1%を超えたら、1%を超えたデータと0点とを結んでポリマー転化率が1.0%となる時点を「到達時」とする。
ポリマー転化率は、反応槽内より採取した反応液を秤量し、150℃で1時間乾燥後、再度秤量して固形分量Cを測定して、次式より算出することができる。なお、「到達時」は、予め求められたデータに基づき設定することができる。例えば、実施する乳化重合と同様の反応系を用意し、この反応系のポリマー転化率の推移に基づき予め到達時を求めておくことができる。
ポリマー転化率(%)=[{固形分量C(g)−反応液に含まれる単量体以外の固形分量(g)}/反応系に添加した単量体成分量(g)]×100
上記乳化重合を行う際には、上記(a)〜(d)成分の他、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤等を配合することができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、及びアルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。乳化剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮し、適宜調整することができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、又はt−ブチルハイドロパーオキサイドの使用が好ましい。重合開始剤の配合量は特に制限されないが、単量体組成、重合反応系のpH、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整される。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
還元剤としては、例えば、デキストロース、サッカロース等の還元糖類、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン等のアミン類、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸等のカルボン酸類及びその塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などが挙げられる。特にL−アスコルビン酸、エリソルビン酸、が好ましい。還元剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
上記乳化重合を行う際には、また、共重合体の分子量及び架橋構造を制御する目的で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。回収しやすさの観点から、特に、シクロヘキセン又はトルエンの使用が好ましい。
さらに、上記乳化重合に係る反応系には、必要に応じて、酸素補足剤、キレート剤、分散剤、消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は種類及び使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することができる。
また、上記乳化重合を行うに当たっては、重合開始剤投入開始時の反応系に(a)成分の一部、(b)成分の一部、(c)成分の一部、乳化剤、還元剤、連鎖移動剤を含有させることが好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系に(a)成分の一部を含有させる場合、(a)成分の全量の1〜25質量%を含有させることが好ましく、3〜20質量%を含有させることがより好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系に(d)成分の一部を含有させる場合、(d)成分の全量の1〜45質量%を含有させることが好ましく、2〜30質量%を含有させることがより好ましい。
乳化剤及び重合開始剤は全量を重合開始剤投入開始時の反応系に含有させることが好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系は、例えば、耐圧性の重合反応容器に、純水、上述した各(a)〜(d)成分、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、還元剤、その他の成分を所定量加え、例えば、傾斜翼、タービン翼、マックスブレンド翼等により撹拌することにより調製できる。
反応系の温度は、安全性に配慮した槽内圧力及び生産性の観点から、30〜100℃の範囲に設定することが好ましく、40〜85℃の範囲に設定することがより好ましい。この場合、上記の反応温度の範囲に開始温度を有する重合開始剤が用いられる。
反応系の温度は、例えば、外部加熱により0.25〜1.0℃/minで昇温することができる。
上記到達時以降の反応系に、単量体成分ならびにその他の成分を反応系添加する方法としては、例えば、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード方法が挙げられる。より多くの酸を共重合体に含有させる観点からは、連続添加方法(以下、「連添」という場合もある)を採用することが好ましい。さらに、連添を複数回行ってもよい。
乳化重合の反応時間については、例えば、生産性の観点から、上記到達時から(a)〜(d)成分の全量投入終了時までの時間を1〜15時間とすることが好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。乳化重合は、(a)〜(d)成分のポリマー転化率が95%以上となるまで行うことが好ましく、97%以上となるまで行うことがより好ましい。
また、乳化重合は、ポリマー転化率が97%を超えたことを確認して反応を終了させることがより好ましい。こうして、共重体ラテックスが得られる。なお、ポリマー転化率は、固形分量から算出、又は重合槽を冷却した熱量から算出できる。
共重合体ラテックスは、加熱減圧蒸留等の方法により、未反応単量体及び他の低沸点化合物が除去されていることが好ましい。
共重合体ラテックスは、分散安定性及び活物質への被覆性の観点から、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどにより、pHが5〜9に調整されていることが好ましく、5.5〜8.5に調整されていることがより好ましい。
上記の乳化重合により得られる共重合体ラテックスは、耐ブロッキング性に優れ、かつ特にアルカリ領域において優れた電極活物質への被覆性を発揮することができる。
第1実施形態に係る電極用バインダーは、上記共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合の、(Tp−60)℃〜(Tp−70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E1’と、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E2’との比(E1’/E2’)が、1000以下である。E1’/E2’の値を1000以下とすることで、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E1’/E2’の値は、より好ましくは10以上、500以下、さらに好ましくは10以上、100以下である。
E1’/E2’の数値は、共重合体の分子量、架橋密度、単量体組成により調整することができる。共重合体の分子量及び架橋密度を高めることにより、E1’/E2’をより小さくできる傾向にある。共重合体の分子量及び架橋密度は、乳化重合における重合温度、単量体の構成や添加方法、連鎖移動剤の種類や量によって制御可能である。
貯蔵弾性率の平均値の比(E1’/E2’)は、下記に記載した条件における動的粘弾性率測定により求められる。まず、上記共重合体ラテックスに、ラテックスの固形分量に対して0.5質量%になるよう増粘剤(ポリアクリル酸ソーダ 品番IX−1177(第一工業製薬株式会社製))を添加、混合する。得られたラテックスを、ポリテトラフルオロエチレンシートで保護した硝子上に流延し、40℃、相対湿度80%の条件下で48時間乾燥しフィルムを作製する。得られたフィルムから、幅4.0mm±0.2mm、厚さ0.5mm±0.2mm、長さ30mmの短冊状に切り出し評価用サンプルとする。評価用サンプルを、真空乾燥機内で24時間乾燥し、乾燥機から取り出した直後に、株式会社ユービーエム社製DMTA(DYNAMIC MECHANICAL THERMAL ANALIZER:Rheogel−E4000)を用いて、−100℃〜+150℃の温度領域の貯蔵弾性率E’(引張モード)を測定する(測定周波数1Hz、昇温スピード3℃/min、測定間隔3点/min)。
次に、図1を参考に、測定結果の解析法について説明する。図1は、共重合体ラテックスから形成されるフィルムの動的粘弾性率測定における、測定温度と貯蔵弾性率E’との関係及びそのtanδを示す図である。図1中のaは、測定温度と貯蔵弾性率E’との関係を示すグラフであり、bは、そのtanδを示すグラフである。なお、tanδとは、損失正接(損失弾性率E’’に対する貯蔵弾性率E’の比)を意味する。T1及びT2はそれぞれ、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)としたときに、(Tp−70)及び(Tp−60)を示し、T3及びT4はそれぞれ(Tp+60)及び(Tp+70)を示す。T1℃〜T2℃の範囲で測定された貯蔵弾性率E’の全点を単純平均して得られる値を平均値E1’とする。具体的には、T1に対応する貯蔵弾性率E’の測定値AからT2に対応する貯蔵弾性率E’の測定値Bまでに測定された全点を単純平均して得られた値を平均値E1’とする。同様に、T3に対応する貯蔵弾性率E’の測定値CからT4に対応する貯蔵弾性率E’の測定値Dまでに測定された全点を単純平均して得られた値を平均値E2’とする。得られた平均値E1’と平均値E2’とから、比(E1’/E2’)を算出することができる。
Tp(℃)としては、10℃以上であることが好ましく、10℃以上85℃以下であることがより好ましく、10℃以上55℃以下であることがさらに好ましい。Tpをこのような範囲に調整することにより、良好な耐ブロッキング性を得ることができる。Tpは、単量体の構成や添加方法等により調整することができる。
本実施形態においては、貯蔵弾性率の平均値E2’が、1.0MPa〜1.0×10MPaであることが好ましい。E2’を上記のような範囲とすることにより、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E2’の値は、より好ましくは1.0×10MPa〜5.0×10MPa、さらに好ましくは4.8×10MPa〜1.0×102MPaである。
また、貯蔵弾性率の平均値E1’が、1.0×10MPa〜1.0×10MPaであることが好ましい。E1’を上記のような範囲とすることにより、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E1’の値は、より好ましくは2.0×10MPa〜8.0×10MPa、さらに好ましくは3.0×10MPa〜5.3×10MPaである。
第2実施形態に電極用バインダーは、上記共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率E’の平均値E2’が、1.0MPa〜1.0×10MPaである。E2’を上記のような範囲とすることにより、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E2’の値は、より好ましくは1.0×10MPa〜5.0×10MPa、さらに好ましくは4.8×10MPa〜1.0×10MPaである。
本実施形態においてTp(℃)は、10℃以上であることが好ましく、10℃以上85℃以下であることがより好ましく、10℃以上55℃以下であることがさらに好ましい。Tpをこのような範囲に調整することにより、良好な耐ブロッキング性を得ることができる。Tpは、単量体の構成や添加方法などにより調整することができる。
また、貯蔵弾性率の平均値E1’が、1.0×10MPa〜1.0×10MPaであることが好ましい。E1’を上記のような範囲とすることにより、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E1’の値は、より好ましくは2.0×10MPa〜8.0×10MPa、さらに好ましくは3.0×10MPa〜5.3×10MPaである。
また、本実施形態において、上記共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合の、(Tp−60)℃〜(Tp−70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E1’と、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E2’との比(E1’/E2’)が、1000以下であることが好ましい。E1’/E2’の値を1000以下とすることで、耐ブロッキング性に優れ、電極合剤層の剥落の発生を抑えることができる。E1’/E2’の値は、より好ましくは10以上、500以下、さらに好ましくは10以上、100以下である。
E1’及びE2’は、共重合体の分子量、架橋密度、単量体組成により調整することができる。共重合体の分子量及び架橋密度は、乳化重合における重合温度、単量体の量や添加方法、連鎖移動剤の種類や量によって制御可能である。
貯蔵弾性率の平均値E1’及びE2’及びtanδは、上記と同様の方法により測定することができる。
第1及び第2の実施形態に係る共重合体ラテックスは、弱酸性又は中性領域からアルカリ領域において使用することができ、中性領域からアルカリ領域において使用することが好ましく、アルカリ領域において使用することがより好ましい。また、第1及び第2の実施形態に係る共重合体ラテックスは、本発明の効果を阻害しない範囲において、他のバインダー等と混合して用いることもできる。
本実施形態に係る電極用バインダーは、例えば、二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスの電極を形成するための電極用組成物に用いることができる。
次に、本実施形態に係る電極用組成物について説明する。
本実施形態の電極用組成物は、上述した本実施形態に係る電極用バインダーを含む。
本実施形態の電極用組成物は、本実施形態に係る電極用バインダー以外に、活物質、及び必要に応じて助剤を含むことができる。
活物質としては、正極活物質及び負極活物質のいずれであってもよい。
正極活物質としては、特に限定されないが、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、MnO、MoO、V、V13、Fe、Fe等の遷移金属酸化物、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiCoSn等のリチウムを含む複合酸化物、LiFePO等のリチウムを含む複合金属酸化物、TiS、TiS、MoS、FeS等の遷移金属硫化物、CuF、NiF等の金属フッ化物などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
負極活物質としては、特に限定されないが、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、フッ化カーボン、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成炭素、リニア・グラファイト・ハイブリット、コークス、熱分解気層成長炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素、黒鉛ウィスカー、擬似等方性炭素、天然素材の焼成体、及びこれらの粉砕物等の導電性炭素質材料、ポリアセン系有機半導体、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、並びに、ケイ素、スズ等の金属単体、金属酸化物、若しくはその金属の合金を含む複合材料などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
リチウムイオンキャパシタ電極に用いる場合には、黒鉛、難黒鉛化炭素、ハードカーボン、コークス等の炭素材料や、ポリアセン系有機半導体(PAS)などを用いることができる。
電気二重層キャパシタ電極に用いる場合には、活性炭、活性炭繊維、シリカ、アルミナなどを用いることができる。
助剤としては、水溶性増粘剤、分散剤、安定化剤、導電剤等が挙げられる。水溶性増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ノニオン性、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電極用組成物中の電極用バインダーの含有量は、活物質100質量部(固形分)に対して、0.1〜10質量部(固形分)であることが好ましく、0.5〜7質量部であることがより好ましい。電極用バインダーの含有量を、0.1質量部以上とすると、活物質、集電体等に対する良好な接着力が得られる観点から好ましく、10質量部以下とすると、電気化学デバイスとして組み立てたときに過電圧が著しく上昇し、デバイス特性を低下させることを防ぐ観点から好ましい。
電極用組成物を集電体に塗布、乾燥することにより、集電体上に電極合剤層を形成し、電極シートを得ることができる。そのような電極シートは、例えばリチウムイオン二次電池の正極板または負極板として用いられる。
電極用組成物を集電体に塗布する方法としては、例えば、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等の公知の方法を用いることができ、乾燥には、放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が用いられる。
本実施形態に係る電極用組成物は、例えば、電気化学デバイス、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタの電極を形成するために好適に用いられる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<共重合ラテックスの製造>
表1及び2に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合して反応を行い、共重合体ラテックスを合成した。具体的な合成手順を以下に示す。
なお、表1及び2中の各成分及び記号は、下記の化合物を示す。
(a)成分:脂肪族共役ジエン系単量体
BDE:1,3−ブタジエン
(b)成分:エチレン系不飽和カルボン酸単量体
IA:イタコン酸
FA:フマール酸
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
(c)成分:シアン化ビニル単量体
ACN:アクリロニトリル
(d)成分:(a)〜(c)成分と共重合可能な単量体
STY:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
EGDM:エチレングリコールジメタアクリレート
(その他の成分)
tDM:t−ドデシルメルカプタン
乳化剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
NaHCO:炭酸水素ナトリウム
KPS:過硫酸カリウム
PW:純水
(実施例1)
耐圧性の重合反応器に、シクロヘキセン10質量部、及び、表1の1段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他の化合物を加えて撹拌し、反応液を得た。
次に、重合反応器(重合槽)内の温度を上げていき、反応系のポリマー転化率が1.0%になった時点を到達時とし、その到達時を基準(0分)として、80分後から、表1の2段目に示す各単量体成分とその他の化合物を表1に示す連添時間帯(到達時を基準として80分後から340分後まで)に、反応液に添加した。なお反応系の反応温度は62℃とした。
続いて、表1の3段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他化合物を、表1の3段目に示す連添時間帯(到達時を基準として340分後から580分後まで)に、反応液に添加した。
続いて、表1の4段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他化合物を、表1の4段目に示す連添時間帯(到達時を基準として580分後から600分後まで)に、反応液に添加した。
単量体成分の全量の投入を終了した後、重合槽内温度を85℃まで上げ、ポリマー転化率が95%を超えたことを、重合槽を冷却した熱量から確認して、重合を終了し、反応生成物を得た。
重合反応終了後、水酸化ナトリウムを用いて反応生成物のpHを7.5に調整した。未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去するために加熱減圧蒸留を行い、共重合体ラテックスAを得た。
Figure 0005870216
参考例2、実施例6)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスB、Fを得た。
(実施例3−5)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表1に示す条件に変更したこと、シクロヘキセン量を4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスC−Eを得た。
(比較例1)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCAをそれぞれ得た。
Figure 0005870216
(比較例2)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCBをそれぞれ得た。
(比較例3)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表2に示す条件に変更したこと、シクロヘキセン量を4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCCをそれぞれ得た。
(比較例4)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表2に示す条件に変更したこと、シクロヘキセン量を2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCDをそれぞれ得た。
<共重合体ラテックスの評価>
上記で得られた共重合体ラテックスについて下記の方法に従って凝集物量、耐ブロッキング性の評価を行った。
(凝集物量)
各実施例、参考例、比較例で得られた共重合体ラテックスを濃度1質量%の食塩水で約0.05質量%に希釈し、この希釈液を300メッシュ金網でろ過後、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)にて粒子径2〜10μmの粒子数を測定した。測定結果から粒子径2〜10μmの粒子の総質量を算出し、共重合体ラテックスの固形分に対する粒子径2〜10μmの粒子の割合(質量%)を算出した。
(動的粘弾性率の測定方法)
各実施例、参考例、比較例で得られた共重合体ラテックスに増粘剤(ポリアクリル酸ソーダ 品番IX−1177(第一工業製薬株式会社製))をラテックスの固形分量に対して0.5質量%になるよう添加、混合した後、ポリテトラフルオロエチレンシートで保護した硝子上に流延し、40℃、相対湿度80%で48時間乾燥を行い、0.5mm±0.2mmの厚みのフィルムを作製する。このフィルムを、真空乾燥機内で30℃にて12〜24時間乾燥し、乾燥機から取り出した直後に、株式会社ユービーエム社製DMTA(DYNAMIC MECHANICAL THERMAL ANALIZER:Rheogel−E4000)を用いて、−100℃〜+150℃の温度領域の貯蔵弾性率E’(引張モード)を測定した(測定周波数1Hz、昇温スピード3℃/min、測定間隔3点/min)。
上記測定によって得られたtanδの最も大きいピークトップの温度を読み取り、Tpとした。
(Tp−70)℃〜(Tp−60)℃の範囲における動的粘弾性率の全測定値を単純平均し、これを平均値E1’とした。
(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における動的粘弾性率の全測定値を単純平均し、これを平均値E2’とした。
同様にして各実施例、参考例、比較例の動的粘弾性測定を行い、Tp、E1’、E2’をそれぞれ算出した。結果を表3に示す。
<共重合体ラテックスの耐ブロッキング性の評価>
(1−1)常温における耐ブロッキング性の評価
共重合体ラテックスのフィルムの耐ブロッキング性(粘着性)について試験を行った。ポリエステルフィルムに各共重合体ラテックスを塗布量12g/mで塗工し、120℃のオーブン中で1分間乾燥してフィルムを形成した。各フィルムを1cm幅の短冊状に切断し、黒色台紙上に全てのフィルムの短冊を並べて貼り付けた。その上に濾紙を重ねてRI印刷機を用い圧着した。その後、濾紙を剥がした後の、濾紙の繊維の各フィルム表面上への付着状態を目視で観察し、各フィルムの耐ブロッキング性を比較評価した。繊維の付着の少ないものを耐ブロッキング性に優れるとしてA評価とし、繊維の付着が多いものを耐ブロッキング性に劣るとしてE評価とし、下記のとおりA、B、C、D、Eの5段階で、耐ブロッキング性の優劣を目視にて相対的に評価した。結果を表3に示す。
(優) A > B > C > D > E (劣)
耐ブロッキング性に優れるほど、電極合剤層を巻き取る工程、プレスなどによる圧延工程、電極をカットする工程などの後工程において、ロール等に電極合剤層が付着・蓄積しにくく、電極作成時の操業性に優れる。
(1−2)熱時における耐ブロッキング性の評価
常温における耐ブロッキング性の評価と同じ条件にて作製した各フィルムの短冊を黒色台紙上に貼り付けたサンプルの上に濾紙を重ねて、ラボ試験用熱カレンダーを用い50℃に加熱した熱ロール間を通し圧着する。その後、濾紙を剥がした後の、濾紙の繊維の各フィルム表面上への付着状態を目視で判断し、各フィルムの耐ブロッキング性を比較した。繊維の付着が少ないものは耐ブロッキング性に優れる、繊維の付着が多いものは耐ブロッキング性が劣るとして、下記のとおり相対的に評価した。
(優) A > B > C > D > E (劣)
常温における耐ブロッキング性及び熱時の耐ブロッキング性のいずれも良好であるほど、上記後工程における電極合剤層の付着・剥落などが少なく、電極作成時の操業性により優れる。
<電極の作成及び評価>
上記の共重合体ラテックスを電極用バインダーとして用いて、下記の方法によりリチウムイオン二次電池電極用組成物を調製して電極を作製した。
(電極用組成物の調製)
(1−1)負極用組成物の調製
負極活物質として平均粒子径が20μmの天然黒鉛を使用し、天然黒鉛100質量部に対して、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で1質量部、結着剤として、各実施例、参考例、及び各比較例の共重合体ラテックスを固形分で2質量部とを、全固形分が45質量%となるように適量の純水を加えて混練し、負極用組成物を調製した。
(電極の作製)
(1−1)負極の作製
上記のようにして得られた負極用組成物を集電体となる厚さ20μmの銅箔に塗布し、130℃で5分間乾燥後、室温でロールプレスして、塗工層の厚みが100μmの負極を得た。なお、電極活物質の被覆性を評価する際には、ロールプレスによる圧延を行う前の状態のものを用いた。
<共重合体ラテックスの活物質への被覆性の評価>
共重合体ラテックスが活物質の表面をより多く被覆することにより、充放電を繰り返した際のサイクル特性が向上することから、上記の方法で得られた各負極シートにおいて、下記の方法により共重合体ラテックスの活物質への被覆性を評価した。
すなわち、上記で得られた各負極シート(圧延前のもの)を1cm四方に切り、四酸化オスミウム雰囲気下で染色した後、走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名:JSM−6510LA)を用いて、5000倍にて観察した。SEM観察画像において、活物質の面積に対し、活物質上に共重合体ラテックスが付着している面積を目視で確認し、下記のとおり評価した。なお、SEM観察画像8画面のうち、最も平均的な画像を選び、評価した。結果を表3に示す。
A:活物質の表面の70%以上を共重合体ラテックスが被覆している。
B:活物質の表面の50%以上70%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
C:活物質の表面の30%以上50%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
D:活物質の表面の30%未満しか共重合体ラテックスが被覆していない。
Figure 0005870216

Claims (6)

  1. 乳化重合により得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーの製造方法であって、
    前記共重合体は、
    脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、
    エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、
    シアン化ビニル系単量体0質量%以上、5質量%未満、及び、
    これらと共重合可能な単量体5〜80質量%、からなる単量体成分で構成されており、
    前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量に占めるエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の量が80質量%未満であり、
    前記共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合、(Tp−60)℃〜(Tp−70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E1’と、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E2’との比(E1’/E2’)が、1000以下であり、
    前記乳化重合を、
    重合開始剤投入開始時の反応系に、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超80質量%以下を含有させ、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、前記単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の5%の時点以降から、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の添加を開始して、前記到達時から前記終了時までの時間、の80%の時点までに、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上を添加させて行うことを特徴とする、製造方法。
  2. 電極用バインダーと、活物質と、を含有する、電極用組成物の製造方法であって、
    前記電極用バインダーを、請求項1に記載の製造方法によって製造することを特徴とする、電極用組成物の製造方法。
  3. 集電体と、該集電体上に設けられた電極合剤層と、を備える、電極シートの製造方法であって、
    請求項2に記載の製造方法によって電極用組成物を得、当該電極用組成物によって前記集電体上に前記電極合剤層を形成することを特徴とする、電極シートの製造方法。
  4. 乳化重合により得られる共重合体ラテックスを含む電極用バインダーであって、
    前記共重合体は、
    脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、
    エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、
    シアン化ビニル系単量体0質量%以上、質量%未満、及び、
    これらと共重合可能な単量体5〜80質量%、からなる単量体成分で構成されており、
    前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量に占めるエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の量が5質量%以上、80質量%未満であり、
    前記共重合体ラテックスを乾燥して得られるフィルムの動的粘弾性測定において、tanδの最も大きいピークのピークトップ温度をTp(℃)とした場合、(Tp−60)℃〜(Tp−70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E1’と、(Tp+60)℃〜(Tp+70)℃の範囲における貯蔵弾性率の平均値E2’との比(E1’/E2’)が、1000以下であることを特徴とする、電極用バインダー。
  5. 請求項に記載の電極用バインダーと、活物質と、を含有する、電極用組成物。
  6. 集電体と、該集電体上に設けられた請求項4に記載の電極用バインダー及び活物質を含有する電極合剤層と、を備える電極シート。
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