JP5613317B1 - 共重合体ラテックス - Google Patents
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Abstract
【課題】乳化重合により得られる共重合体ラテックスの中和時の粘度が充分に低く作業性に優れ、アルカリ領域において強度を発揮するラテックスを提供すること。【解決手段】乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、共重合体は、少なくとも、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、及びシアン化ビニル単量体の単量体成分で構成されており、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpH変化で、上記共重合体の粒子が不可逆的な形状の変化を生じる共重合体ラテックス。【選択図】なし
Description
本発明は、共重合体ラテックスに関する。
従来より、塗工紙及び電池用電極の材料などの様々な用途に共重合体ラテックスが利用されている。共重合体ラテックスは、各用途における操業性に優れて使いやすく、最終製品に高度な物性バランスを与えるよう改良が重ねられているものの、更に高度な物性バランスを与えることができる共重合体ラテックスが切望されている。
例えば、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメール、商品カタログ等においては、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用している。
一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムといった白色顔料を水に分散した顔料分散液と、顔料同士及び顔料と原紙とを接着固定するためのバインダーと、その他の添加剤とによって構成される水性塗料である。バインダーとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダー、又は、デンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でも、乳化重合により得られるスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されている。その特性が紙塗工用組成物の性能、塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
最近、紙塗工用組成物などの塗料に対し、低コスト化が図られており、高価なカオリンの配合比率を減らし、安価な炭酸カルシウムの配合比率を増すと共に、塗料コストに占める割合の大きな共重合体ラテックスの配合量を減らす動きがある。そのため、少ない配合量でも十分な接着強度を発現できる共重合体ラテックスが求められている。
しかし、高性能化への対応は共重合体ラテックスの粘度を増加させる傾向にあり、一般的には、共重合体ラテックスの高性能化と低粘度化とはトレードオフの関係にある。共重合体ラテックスの接着強度の向上を図る場合、粘度の増加に伴う作業性の低下が懸念される。例えば、各設備や容器内における凝集物の発生の問題、配管内の付着又は固化の問題等については、ある程度不可避な現象と捉えられている。
また、共重合体ラテックスは、電池用電極の材料としても利用されており、電極作成時に電極活物質への被覆性に優れることが望まれている。
本発明の目的は、中性領域における粘度が充分に低く作業性が良好で、特にアルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮する共重合体ラテックスを提供することにある。
本発明は、乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、共重合体は、少なくとも、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、及びシアン化ビニル単量体の単量体成分で構成されており、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpH変化で、共重合体の粒子が不可逆的な形状の変化を生じる共重合体ラテックスを提供する。
上記構成を有する共重合体ラテックスは、中性領域における粘度が充分に低く作業性が良好で、特にアルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への優れた被覆性を発揮することができる。また、共重合体ラテックスの電極活物質への被覆性が良好であることにより、充放電を繰り返した際の電池のサイクル特性を向上させることができる。
上記共重合体の粒子は、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpHの変化で、ネットワーク構造を形成し得、これにより不可逆的な形状の変化を生じる。ネットワークを備えることで、共重合体ラテックスは、より優れた接着強度及び電極活物質へのより優れた被覆性を発揮することができる。
弱酸性又は中性領域はpH6〜7であり、アルカリ領域はpH9以上であることが好ましい。本発明に係る共重合体ラテックスは、pH6〜7で貯蔵保管した場合、低粘度であることから取り扱いが容易で、pHを9以上の領域において使用する場合に、特に優れた接着強度及び電極活物質への特に優れた被覆性を発揮することができる。
上記共重合体の粒子表面に突起が生じることにより、不可逆的な形状の変化を生じることが好ましい。共重合体粒子からなる粒子の形状の変化が、粒子表面に突起が生じることにより引き起こされるものであると、アルカリ領域における接着強度及び電極活物質への被覆性の向上効果をより高水準で得ることができる。
上記突起を構成する単量体成分と、上記突起以外の部分を構成する単量体成分が相違することが好ましい。このような構成にすることにより、中性領域における粘度が充分に低くなる一方で、アルカリ領域における接着強度及び電極活物質への被覆性が顕著に向上し得る。
上記突起を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合は、上記突起以外の部分を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合より小さいことが好ましい。突起を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合が小さい場合、共重合体ラテックスはより優れた接着強度を発揮することができる。共重合体ラテックスが発揮する接着強度の向上には、カルボキシル基のような官能基を含む単量体成分が作用しており、突起を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合が小さい場合、突起を構成する単量体成分中のエチレン系不飽和カルボン酸単量体等の割合が増加し、上記効果が得られると推察される。
本発明はまた、乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体25〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び、これらと共重合可能な単量体0〜65質量%、からなる単量体成分で構成されており、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、エチレン系不飽和モノカルボン酸単量体を66質量%超える量含有し(すなわち、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量に占めるエチレン系不飽和モノカルボン酸単量体の量が66質量%超であり)、上記乳化重合は、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の60%の時点までに、シアン化ビニル単量体の全量の80質量%以上を投入して行われる、共重合体ラテックスを提供する。
上記構成を有する共重合体ラテックスは、中性領域における粘度が充分に低く作業性が良好で、特にアルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への優れた被覆性を発揮することができる。
上記乳化重合は、重合開始剤投入開始時の反応系に、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超40質量%以下を含有させ、上記到達時から単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の5%の時点以降から、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の添加を開始して、上記到達時から上記終了時までの時間、の80%の時点までに上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上を添加することができる。上記5%の時点以降から、エチレン系不飽和カルボン酸の残部の添加を行うことで、得られる共重合体ラテックスの粘度の上昇を抑制でき、より多くのエチレン系不飽和カルボン酸を共重合体粒子に含有させることができる。
上記乳化重合は、重合開始剤投入開始時の反応系に、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の70質量%以上を含有させて行ってもよい。エチレン系不飽和カルボン酸単量体を重合開始剤投入開始時の反応系に上記範囲となるよう含有させることで、共重合体ラテックスのアルカリ領域における接着強度を向上させることができる。
上記共重合体の粒子は、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpHの変化で、共重合体の粒子が不可逆的な形状の変化を生じ得る。特に、上記共重合体の粒子は、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpHの変化で、ネットワーク構造を形成し得る。
この場合、弱酸性又は中性領域はpH6〜7であり、アルカリ領域はpH9以上であることが好ましい。また、上記共重合体の粒子表面に突起が生じることにより、不可逆的な形状変化を生じることが好ましい。
さらに、上記突起を構成する単量体成分と、上記突起以外の部分を構成する単量体成分が相違する成分であり、上記突起を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合は、上記突起以外の部分を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合より小さいことが好ましい。
本発明はまた、上記の共重合体ラテックスを、弱酸性又は中性領域からアルカリ領域へのpHを変化させることにより得ることのできる、異形粒子を含有する共重合体ラテックスを提供する。
上記異形粒子は、共重合体の粒子が異形化していることにより、アルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への優れた被覆性を発揮できる。
上記異形粒子は、ネットワーク構造を形成していることが好ましい。このようなネットワークを備えることで、本発明に係る異形粒子化ラテックスは、より優れた接着強度及び電極活物質への優れた被覆性を発揮することができる。
本発明によれば、中性領域における粘度が充分に低く作業性が良好で、特にアルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮する共重合体ラテックスを提供することができる。また、本発明に係る共重合体ラテックスを含む組成物は、アルカリ領域において充分な接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る共重合体ラテックスは、乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、上記共重合体は、少なくとも、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル単量体、及び、これらと共重合可能な単量体で構成されており、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へpHを調整することにより、共重合体の粒子が不可逆的な形状の変化を生じる。
他の実施形態における共重合体ラテックスは、乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、上記共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び、これらと共重合可能な単量体0〜75質量%、からなる単量体成分で構成されており、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、エチレン系不飽和モノカルボン酸単量体を66質量%超える量含有し、上記乳化重合は、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の60%の時点までに、シアン化ビニル単量体の全量の80質量%以上を投入して行われることで得ることができる。
上記両実施形態の共重合体ラテックス中においては、共重合体は粒子状で存在する。この共重合体の粒子の形状は通常、略球形状であるが、これに限られず、真球状、楕円球状、粒子表面に窪み等のある形状であってもよい。共重合体ラテックスの粘度の観点から、共重合体の粒子の形状は略球形であることが好ましい。共重合体の粒子の形状は、電子顕微鏡により観測することができる。電子顕微鏡による観測に際し、共重合体ラテックスをあらかじめ、四酸化オスミウムにより染色してもよい。
上記両実施形態の共重合体ラテックスにおける共重合体の粒子は、共重合体ラテックスのpH変化により、不可逆的な形状の変化を生じる。本実施形態に係る共重合体ラテックスは、pHの変化により形状が変化し、優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を示すようになる。この効果は、共重合体ラテックスをフィルム化した際により顕著に確認することができる。
pH変化によって共重合体粒子の形状変化が生じる理由は定かではないが、本発明者らは、共重合体ラテックスのpHをアルカリ領域へと変化させることで、共重合体の粒子を構成する成分の一部が、浸出することで生じる、と推察する。また、本発明者らは、上記共重合粒子の形状の変化、共重合体の粒子表面におけるカルボキシル基を含有する成分の増加等が、共重合体ラテックスの接着強度及び電極活物質への被覆性の向上に働く、と推察する。
pH変化は、弱酸性又は中性領域からアルカリ領域への変化を示す。上記の弱酸性又は中性領域はpH6〜7であることが好ましい。上記のアルカリ領域はpH9以上であることが好ましく、pH10以上がより好ましく、pH11以上であることがさらに好ましく、pH12以上であることが特に好ましい。両実施形態の共重合体ラテックスは、貯蔵保管されるpH6〜7程度の領域においては低粘度であり作業性に優れ、pHを9以上の領域において、共重合体ラテックスはより優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮することができる。
共重合体粒子の形状の変化とは、pH変化の前後において共重合体の粒子の形状が異なることをいう。例えば、略球形の共重合体の共重合体粒子が、pH変化によりその表面に突起等を生じる結果、pH変化前の共重合体粒子の形状とは異なる形状となることである。粒子の形状変化には、異形粒子化することが含まれる。ここで、異形とは、形状変化の方向が、非対称に生じることを意味する。
共重合体粒子の形状の変化は、共重合体の粒子表面に突起が生じることにより引き起こされるものであることが好ましい。共重合体粒子がpH変化に伴いこのような形状の変化を起こすことにより、接着強度の向上効果をより効果的に得ることができる。また、突起の形状、大きさは、特に制限されるものではない。この突起は、粒子表面の成分が浸出して形成されたものであってもよく、粒子内部に偏在していた成分により粒子表面の少なくとも一部が隆起し形成されたものであってもよく、又は、粒子内部に偏在していた成分が粒子表面から浸出して形成されたものであってもよい。
共重合体粒子の形状の変化は、弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpH変化の前後における共重合体ラテックスに対して電子顕微鏡観察を行うことで確認することができる。また、得られた電子顕微鏡写真に対する画像解析によって、共重合体粒子の平均面積値、平均周囲長を観測することにより確認してもよい。pH変化の前後における共重合体粒子の平均面積値の比が1.05以上であることが好ましく、1.10以上であることがより好ましく、1.25以上であることがさらに好ましい。また、pHの調整前後における共重合体粒子の平均周囲長の比が1.20以上であることが好ましく、1.30以上であることがより好ましく、1.40以上であることがさらに好ましい。上記平均面積値の比が1.05以上、又は、上記平均周囲長の比が1.20以上であると、中性領域における作業性とアルカリ領域における接着強度とをより高水準で両立させる観点から好ましい。なお、上記電子顕微鏡写真の撮影は、透過型電子顕微鏡(日本電子製:JEM−1400型)により、加速電圧80kVの条件の下で撮影する。平均面積及び平均周囲長は、以下のようにして算出される。まず、電子顕微鏡写真中の共重合体粒子を任意に200個選び、画像解析ソフト(旭化成工業(株)製 A像くん)を用いて画像を二値化処理し解析を行う。次に、処理画像上で、共重合体粒子それぞれについて、面積及び外周を測定する。得られた測定値から、平均面積及び平均周囲長が算出される。この際、二値化の閾値は、元画像の粒子面積の90%以上超えるように決定された値を用いる。
突起を構成する単量体成分と、突起以外の部分を構成する単量体成分が相違することが好ましい。共重合体を構成する、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体及びシアン化ビニル単量体のうち、突起を構成する単量体成分としては、エチレン系不飽和カルボン酸単量体であることが好ましい。エチレン系不飽和カルボン酸単量体であることで、共重合体粒子の形状の変化により得られる接着強度が一層向上する。
突起を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合が、突起以外の部分を構成する単量体成分に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合より小さいことが好ましい。上記突起に占める脂肪族共役ジエン系単量体の割合が小さいことにより、共重合体ラテックスの接着強度を向上することができる。また、突起を構成する単量体成分に占めるオスミウム染色性の低い単量体成分の割合が、突起以外の部分を構成する単量体成分に占めるオスミウム染色性の低い単量体成分の割合より大きいことが好ましい。脂肪族共役ジエン系単量体は四酸化オスミウム染色性に優れるため、電子顕微鏡観察により、脂肪族共役ジエン系単量体の含有量を相対的に確認することができる。
共重合体の粒子は、ネットワーク構造を形成していることが好ましい。共重合体粒子によりネットワーク構造が形成されていることにより、共重合体ラテックスは、より優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮することができる。ここで、ネットワーク構造とは、共重合体粒子が、周囲の共重合体の粒子と二次元又は三次元の網目構造を形成するように接合されていることを示す。共重合体の粒子間に形成されたネットワーク構造は、電子顕微鏡により観察することができる。上記ネットワーク構造を形成する、共重合体粒子間の接合は、必ずしも化学的に結合している必要はなく、水素結合等の分子間相互作用により接合されるものであってもよい。ネットワーク構造は、粒子表面に生じた突起により、形成されていることがより好ましい。
共重合体を構成する各成分である、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル単量体、及び、これらと共重合可能な単量体について、以下に説明する。
脂肪族共役ジエン系単量体(以下、(a)成分という場合もある。)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などの単量体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体(以下、(b)成分という場合もある。)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸単量体が挙げられる。または、これらの無水物であってもよい。これらの単量体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
シアン化ビニル単量体(以下、(c)成分という場合もある。)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどの単量体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの使用が好ましい。
上記(a)成分〜(c)成分と共重合可能な単量体(以下、(d)成分という場合もある。)としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体などの単量体が挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
(a)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分に対し、15〜60質量%であり、17〜57質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましい。なお、共重合体ラテックスを紙塗工用組成物に使用する場合においては、(a)成分の含有量は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、25〜60質量%であることが好ましく、27〜57質量%であることがより好ましく、30〜55質量%であることが更に好ましい。(a)成分の含有量を上記範囲となるように調整することにより、共重合体に柔軟性を付与することができる。
(b)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分に対し、5〜35質量%であり、6〜35質量%であることがより好ましく、7〜35質量%であることが更に好ましい。(b)成分の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、共重合体を含有する共重合体ラテックスの接着強度及び電極活物質への被覆性の向上を図ることができる。
(b)成分全量に占めるエチレン系不飽和モノカルボン酸単量体の含有量は、66質量%超であり、70質量%超が好ましく、80質量%超であることがより好ましい。エチレン系不飽和モノカルボン酸単量体の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体ラテックスの粘度の増加を抑制できる。
(c)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分に対し、5〜30質量%であり、7〜27質量%であることがより好ましく、9〜25質量%であることがより好ましい。(c)成分の含有量を上記範囲となるよう調整することにより、耐溶剤性に優れる共重合体ラテックスを得ることができる。
(d)成分の含有量は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、0〜75質量%であり、2〜72質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましい。なお、共重合体ラテックスを紙塗工用組成物に使用する場合においては、(d)成分の含有量は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、0〜65質量%であることが好ましく、2〜62質量%であることがより好ましく、5〜60質量%であることが更に好ましい。(d)成分の含有量を上記範囲となるよう調整することにより、得られる共重合体粒子が固くなりすぎることを抑制し、使用時の接着強度が低下することを避けることができるので好ましい。
本発明の共重合体ラテックスは、乳化重合により得られる。以下、実施形態に係る乳化重合について説明する。
乳化重合において、共重合体ラテックスを構成する単量体成分の反応系への添加は以下のように行われる。各単量体成分については、上記と同様のものを用いることができる。
(c)成分であるシアン化ビニル単量体の反応系への添加は、ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時(以下、単に「到達時」という場合もある)から、単量体成分の全量投入終了した終了時(以下、単に「終了時」という場合もある)までの時間、の60%の時点までに、シアン化ビニル単量体の全量の80質量%以上が投入されるようにして行うことができる。より好ましくはシアン化ビニル単量体の全量の85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上が上記60%の時点までに反応系へ投入されるようにして行われる。シアン化ビニル単量体の反応系への添加を上記の様に調整することで、ラテックス粘度が低く、かつ、接着強度に優れる共重合体ラテックスを得ることができる。
上記到達時とは、反応系に添加した単量体のポリマー転化率が1.0%に到達した時点をいう。ポリマー転化率が1.0%に到達した時点は、以下のように決定する。すなわち、単量体成分、開始剤及び水が共存開始した時点(0点)から30分経過後に測定することでポリマー転化率を算出する。30分後に測定したポリマー転化率が1%を超えていなかったら、さらに30分経ってから測定し、ポリマー転化率が1%を超えるまで30分毎に測定する。ポリマー転化率がはじめて1%を超えたら、1%を超えたデータと0点とを結んでポリマー転化率が1.0%となる時点を「到達時」とする。
ポリマー転化率は、反応槽内より採取した反応液を秤量し、150℃で1時間乾燥後、再度秤量して固形分量Cを測定して、次式より算出することができる。
ポリマー転化率(%)=[固形分量C(g)−反応液に含まれる単量体以外の固形分量(g)]/反応系に添加した単量体成分量(g)×100
なお、「到達時」は、予め求められたデータに基づき設定することができる。例えば、実施する乳化重合と同様の反応系を用意し、この反応系のポリマー転化率の推移に基づき予め到達時を求めておくことができる。
ポリマー転化率は、反応槽内より採取した反応液を秤量し、150℃で1時間乾燥後、再度秤量して固形分量Cを測定して、次式より算出することができる。
ポリマー転化率(%)=[固形分量C(g)−反応液に含まれる単量体以外の固形分量(g)]/反応系に添加した単量体成分量(g)×100
なお、「到達時」は、予め求められたデータに基づき設定することができる。例えば、実施する乳化重合と同様の反応系を用意し、この反応系のポリマー転化率の推移に基づき予め到達時を求めておくことができる。
上記に加え、(b)成分であるエチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加は、以下のいずれかの方法により行うことができる。すなわち、重合開始剤投入開始時の反応系に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超40質量%以下を含有させ、上記到達時から上記終了時までの時間、の5%の時点以降から、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の反応系への投入を開始して、上記到達時から上記終了時までの時間、の80%の時点までに、上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上が投入されるようにして、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加を行うことができる。この方法で乳化重合を行う場合、共重合体ラテックスの粘度の上昇を抑制でき、より多くのエチレン系不飽和カルボン酸を共重合体粒子に含有させることができる。上記効果をさらに高めるためには、上記到達時から上記終了時までの時間、の70%の時点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の85質量%以上が反応系へ投入されることが好ましい。さらに好ましくは、上記到達時から上記終了時までの時間、の60%の時点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量が反応系へ投入されることが好ましい。
または、重合開始剤投入開始時の反応系に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の70質量%以上を含有させるようにして、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加を行うことができる。この方法で乳化重合を行う場合、共重合体ラテックスのアルカリ領域における接着強度を向上させることができる。
または、重合開始剤投入開始時の反応系に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の70質量%以上を含有させるようにして、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応系への添加を行うことができる。この方法で乳化重合を行う場合、共重合体ラテックスのアルカリ領域における接着強度を向上させることができる。
上記乳化重合を行う際には、上記(a)〜(d)成分の他、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤等を配合することができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、及びアルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。乳化剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮し、適宜調整することができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、又はt−ブチルハイドロパーオキサイドの使用が好ましい。重合開始剤の配合量は特に制限されないが、単量体組成、重合反応系のpH、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整される。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
還元剤としては、例えば、デキストロース、サッカロース等の還元糖類、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン等のアミン類、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸等のカルボン酸類及びその塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などが挙げられる。特にL−アスコルビン酸、エリソルビン酸、が好ましい。還元剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
上記乳化重合を行う際には、また、共重合体の分子量及び架橋構造を制御する目的で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。回収しやすさの観点から、特に、シクロヘキセン又はトルエンの使用が好ましい。
さらに、上記乳化重合に係る反応系には、必要に応じて、酸素補足剤、キレート剤、分散剤、消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は種類及び使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することができる。
また、上記乳化重合を行うに当たっては、重合開始剤投入開始時の反応系に(a)成分の一部、(b)成分の一部、(c)成分の一部、(d)成分の一部、乳化剤、還元剤、連鎖移動剤を含有させることが好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系に(a)成分の一部を含有させる場合、(a)成分の全量の1〜25質量%を含有させることが好ましく、3〜20質量%を含有させることがより好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系に(c)成分の一部を含有させる場合、(c)成分の全量の10〜90質量%を含有させることが好ましく、15〜85質量%を含有させることがより好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系に(d)成分の一部を含有させる場合、(d)成分の全量の1〜45質量%を含有させることが好ましく、2〜30質量%を含有させることがより好ましい。
乳化剤及び重合開始剤は全量を重合開始剤投入開始時の反応系に含有させることが好ましい。
重合開始剤投入開始時の反応系は、例えば、耐圧性の重合反応容器に、純水、上述した各(a)〜(d)成分、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、還元剤、その他の成分を所定量加え、例えば、傾斜翼、タービン翼、マックスブレンド翼等により撹拌することにより調製できる。
反応系の温度は、安全性に配慮した槽内圧力及び生産性の観点から、30〜100℃の範囲に設定することが好ましく、40〜85℃の範囲に設定することがより好ましい。この場合、上記の反応温度の範囲に開始温度を有する重合開始剤が用いられる。
反応系の温度は、例えば、外部加熱により0.25〜1.0℃/分で昇温することができる。
上記到達時以降の反応系に、単量体成分ならびにその他の成分を反応系添加する方法としては、例えば、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード方法が挙げられる。より多くの酸を共重合体に含有させる観点からは、連続添加方法(以下、「連添」という場合もある)を採用することが好ましい。さらに、連添を複数回行ってもよい。
乳化重合の反応時間については、例えば、生産性の観点から、上記到達時から(a)〜(d)成分の全量投入終了時までの時間を1〜15時間とすることが好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。乳化重合は、(a)〜(d)成分のポリマー転化率が95%以上となるまで行うことが好ましく、97%以上となるまで行うことがより好ましい。
また、乳化重合は、ポリマー転化率が97%を超えたことを確認して反応を終了させることがより好ましい。こうして、共重体ラテックスが得られる。なお、ポリマー転化率は、固形分量から算出、又は重合槽を冷却した熱量から算出できる。
共重合体ラテックスは、加熱減圧蒸留等の方法により、未反応単量体及び他の低沸点化合物が除去されていることが好ましい。
共重合体ラテックスは、分散安定性の観点から、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどにより、pHが5〜8.5に調整されていることが好ましく、5.5〜7.5に調整されていることがより好ましい。
共重合体ラテックスは、充分に低粘度で得ることができる。かかる共重合体ラテックスは、蒸発法等の方法により、濃縮した場合であっても十分に低い粘度を有することができる。
共重合ラテックスの粘度は、25℃において、1500mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下がより好ましく、500mPa・s以下であることが更に好ましい。共重合体ラテックスの粘度が上記範囲であると、共重合体ラテックス内で凝集物の発生などの問題が軽減され、作業性に優れるため好ましい。なお、共重合体ラテックスの粘度は、JIS K7117−1の測定方法に準じて、B型(BL型)粘度計(TOKI SANGYO LTD製 VISCOMETER(モデルBM)、粘度0〜100mPa・sの場合、No.1ローター、100〜500mPa・sの場合:No.2ローター、500〜2000mPa・sの場合:No.3ローター、2000mPa・s以上の場合:No.4ローターを用い、回転数は60cm−1)、を用いて測定される。回転開始1分後の粘度を測定した値を示す。
上記の乳化重合により得られる共重合体ラテックスは、中性領域における粘度が充分に低く作業性が良好であり、特にアルカリ領域において優れた接着強度及び電極活物質への被覆性を発揮することができる。
実施形態に係る共重合体ラテックスは、弱酸性又は中性領域からアルカリ領域において使用することができ、中性領域からアルカリ領域において使用することが好ましく、アルカリ領域において使用することがより好ましい。また、実施形態に係る共重合体ラテックスは、従来の共重合体ラテックスが使用される分野において好適に用いることができる。また、実施形態に係る共重合体ラテックスは、その使用目的に応じて他のバインダー等と混合して用いることもできる。
例えば、実施形態に係る共重合体ラテックスは、紙塗工用、不織布などの繊維結合用、カーペットのバッキング用、電池用(例えば電極、セパレータ、耐熱保護層など)、塗料用、粘接着剤用などのバインダーとして有用である。たとえば、実施形態に係る共重合体ラテックスは、優れた接着強度を得ることができるため、塗工紙製品の表面強度(ドライピック強度)及び電極塗工層の結着力を向上させることができる。
紙塗工用組成物は、例えば、実施形態に係る共重合体ラテックスと、必要に応じて、顔料、他のバインダー、助剤などとを含むものが挙げられる。
顔料としては、カオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、ポリスチレンラテックスのような有機顔料を用いることができる。これらの顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
他のバインダーとしては、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼイン等の天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性合成バインダー、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックス等の合成ラテックスなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
助剤としては、例えば、分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイル等)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素等)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョン等)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(アルギン酸ナトリウム等)などが挙げられる。
紙塗工用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は顔料100質量部(固形分)に対して1〜20質量部(固形分)を使用することが好ましく、1.5〜15質量部を使用することがより好ましく、2〜13質量部を使用することが更に好ましい。共重合体ラテックスの含有量を1質量部以上とすると顔料を充分に接着することができる観点から好ましく、20質量部以下とすると塗工紙の透気性の観点から好ましい。
紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗工する方法は、例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗工機を使用し塗工することができる。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリング等により仕上げてもよい。
電池電極用組成物は、例えば、本実施形態に係る共重合体ラテックス及び活物質と、必要に応じて、助剤を含むものが挙げられる。
正極活物質としては、特に限定されないが、非水電解液二次電池の場合、例えば、MnO2、MoO3、V2O5、V6O13、Fe2O3、Fe3O4等の遷移金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiXCoYSnZO2等のリチウムを含む複合酸化物、LiFePO4等のリチウムを含む複合金属酸化物、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2等の遷移金属硫化物、CuF2、NiF2等の金属フッ化物などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
負極活物質としては、特に限定されないが、非水電解液二次電池の場合、例えば、フッ化カーボン、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成炭素、リニア・グラファイト・ハイブリット、コークス、熱分解気層成長炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素、黒鉛ウィスカー、擬似等方性炭素、天然素材の焼成体、及びこれらの粉砕物等の導電性炭素質材料、ポリアセン系有機半導体、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、並びに、ケイ素、スズ等の金属単体、金属酸化物、若しくはその金属の合金を含む複合材料などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
助剤としては、水溶性増粘剤、分散剤、安定化剤、導電剤等が挙げられる。水溶性増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ノニオン性、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電池電極用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は、活物質100質量部(固形分)に対して、0.1〜10質量部(固形分)であることが好ましく、0.5〜7質量部であることがより好ましい。共重合体ラテックスの含有量を、0.1質量部以上とすると、活物質、集電体等に対する良好な接着力が得られる観点から好ましく、10質量部以下とすると、二次電池として組み立てたときに過電圧が著しく上昇し、電池特性を低下させることを防ぐ観点から好ましい。
電池電極用組成物は、集電体に塗布、乾燥されることにより、集電体上に電極塗工層を形成し、電極シートを得る。そのような電極シートは、例えば非水電解液二次電池の正極板または負極板として用いられる。
電池電極用組成物を集電体に塗布する方法としては、例えば、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等の公知の方法を用いることができ、乾燥には、放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が用いられる。
本実施形態に係る共重合体ラテックスを使用した電池電極用組成物は、例えば、非水電解液二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池の電極用として好適である。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(共重合ラテックスの製造)
表1−4に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合して反応を行い、共重合体ラテックスを合成した。具体的な合成手順を以下に示す。
表1−4に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合して反応を行い、共重合体ラテックスを合成した。具体的な合成手順を以下に示す。
なお、表1−4中の各成分及び記号は下記の化合物を示す。
(a)成分:脂肪族共役ジエン系単量体
BDE:1,3−ブタジエン
(b)成分:エチレン系不飽和カルボン酸単量体
IA:イタコン酸
FA:フマール酸
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
(c)成分:シアン化ビニル単量体
ACN:アクリロニトリル
(d)成分:(a)〜(c)成分と共重合可能な単量体
STY:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
(その他の成分)
tDM:t−ドデシルメルカプタン
乳化剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
NaHCO3:炭酸水素ナトリウム
KPS:過硫酸カリウム
PW:純水
(a)成分:脂肪族共役ジエン系単量体
BDE:1,3−ブタジエン
(b)成分:エチレン系不飽和カルボン酸単量体
IA:イタコン酸
FA:フマール酸
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
(c)成分:シアン化ビニル単量体
ACN:アクリロニトリル
(d)成分:(a)〜(c)成分と共重合可能な単量体
STY:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
(その他の成分)
tDM:t−ドデシルメルカプタン
乳化剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
NaHCO3:炭酸水素ナトリウム
KPS:過硫酸カリウム
PW:純水
(実施例1)
耐圧性の重合反応器に、シクロヘキセン10質量部、及び、表1の1段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他の化合物を加えて撹拌し、反応液を得た。
耐圧性の重合反応器に、シクロヘキセン10質量部、及び、表1の1段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他の化合物を加えて撹拌し、反応液を得た。
次に、重合反応器(重合槽)内の温度を上げていき、反応系のポリマー転化率が1.0%になった時点を到達時とし、その到達時を基準(0分)として、95分後から、表1の2段目に示す各単量体成分とその他の化合物を表1に示す連添時間帯(到達時を基準として95分後から290分後まで)に、反応液に添加した。なお反応系の反応温度は67℃とした。
続いて、表1の3段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他化合物を、表1の3段目に示す連添時間帯(到達時を基準として290分後から470分後まで)に、反応液に添加した。
続いて、表1の4段目に示す配合量(質量部)の各単量体成分とその他化合物を、表1の4段目に示す連添時間帯(到達時を基準として470分後から485分後まで)に、反応液に添加した。
単量体成分の全量の投入を終了した後、重合槽内温度を85℃まで上げ、ポリマー転化率が95%を超えたことを、重合槽を冷却した熱量から確認して、重合を終了し、反応生成物を得た。
重合反応終了後、水酸化ナトリウムを用いて反応生成物のpHを6に調整した。未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去するために加熱減圧蒸留を行い、共重合体ラテックスAを得た。
(実施例2−7)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表1又は表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスB−Gをそれぞれ得た。
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表1又は表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスB−Gをそれぞれ得た。
(比較例1)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCEをそれぞれ得た。
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスCEをそれぞれ得た。
(参考例1)
耐圧性の重合反応器に、シクロヘキセン10質量部を加える代わりにα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を加えたこと、α-メチルスチレンダイマーを2段目に0.2質量部及び3段目に0.2質量部を各々単量体成分と共に連続添加したこと、各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスRE1を得た。
耐圧性の重合反応器に、シクロヘキセン10質量部を加える代わりにα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を加えたこと、α-メチルスチレンダイマーを2段目に0.2質量部及び3段目に0.2質量部を各々単量体成分と共に連続添加したこと、各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスRE1を得た。
(参考例2−5)
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスRE2−RE5をそれぞれ得た。
各単量体成分及びその他の化合物の配合量、連添時間帯、反応温度を表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスRE2−RE5をそれぞれ得た。
<共重合体ラテックスの共重合体粒子の形状観察>
上記の共重合体ラテックスA−F、CE、RE1−RE5のそれぞれに含まれる共重合体粒子について、以下の方法により粒子形状の観察を行った。
共重合体ラテックスのpHを、pH6.0±0.3及びpH12.0±0.3に水酸化ナトリウムを用いて調整した。室温で一週間放置した後、再度ラテックスのpHを、pH6.0±0.3及びpH12.0±0.3に水酸化ナトリウムを用いて調整した。
調整後、4%オスミウム酸水溶液で染色し、支持膜上に共重合体ラテックスを滴下、乾燥することで、サンプルを調整した。このサンプルに対し、透過型電子顕微鏡(日本電子製:JEM−1400型)により、倍率が10万倍、加速電圧が80kVの条件の下で、写真を撮影した。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、それぞれの形状を観察した。結果を表5及び表6に示す。また、図1−図5は、実施例1−4及び比較例1についての電子顕微鏡写真である。
上記の共重合体ラテックスA−F、CE、RE1−RE5のそれぞれに含まれる共重合体粒子について、以下の方法により粒子形状の観察を行った。
共重合体ラテックスのpHを、pH6.0±0.3及びpH12.0±0.3に水酸化ナトリウムを用いて調整した。室温で一週間放置した後、再度ラテックスのpHを、pH6.0±0.3及びpH12.0±0.3に水酸化ナトリウムを用いて調整した。
調整後、4%オスミウム酸水溶液で染色し、支持膜上に共重合体ラテックスを滴下、乾燥することで、サンプルを調整した。このサンプルに対し、透過型電子顕微鏡(日本電子製:JEM−1400型)により、倍率が10万倍、加速電圧が80kVの条件の下で、写真を撮影した。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、それぞれの形状を観察した。結果を表5及び表6に示す。また、図1−図5は、実施例1−4及び比較例1についての電子顕微鏡写真である。
得られた電子顕微鏡写真について、画像解析ソフト(旭化成(株)製 A像くん)を用いて画像を二値化処理し、解析を行った。pH6における電子顕微鏡写真中の共重合体粒子を任意に200個選び、その共重合体粒子の面積及び粒子の周囲長を測定し、平均面積及び平均周知長を算出した。この際、二値化の閾値は、元画像の粒子面積の90%以上超えるように決定した。pH12の場合も、同様にして平均面積及び平均周囲長を算出した。結果を表7に示す。
<共重合体ラテックスの粘度の測定>
分散剤として、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製アロン(登録商標)T−50、重量平均分子量6000)を共重合体ラテックス固形分100質量部に対し一律に2.5質量部添加した後、固形分濃度50.0質量%、pH6.5、液温25℃に調整したサンプルを得た。このサンプルについて、JIS K7117−1の測定方法に準じて、B型(BL型)粘度計(TOKI SANGYO LTD製 VISCOMETER(モデルBM)、粘度0〜100mPa・sの場合、No.1ローター、100〜500mPa・sの場合:No.2ローター、500〜2000mPa・sの場合:No.3ローター、2000mPa・s以上の場合:No.4ローターを用い、回転数は60cm−1)を用い、25℃で、回転開始1分後の粘度を測定した。ラテックスのpHは必要に応じて水酸化ナトリウム又は塩酸を用いて調整を行った。
得られた粘度について、下記の基準によりラテックス粘度を判定した。結果を表6に示す。
A:500mPa・s以下
B:500超1000mPa・s以下
C:1000超1500mPa・s以下
D:1500超2000mPa・s以下
E:2000mPa・s以上
分散剤として、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製アロン(登録商標)T−50、重量平均分子量6000)を共重合体ラテックス固形分100質量部に対し一律に2.5質量部添加した後、固形分濃度50.0質量%、pH6.5、液温25℃に調整したサンプルを得た。このサンプルについて、JIS K7117−1の測定方法に準じて、B型(BL型)粘度計(TOKI SANGYO LTD製 VISCOMETER(モデルBM)、粘度0〜100mPa・sの場合、No.1ローター、100〜500mPa・sの場合:No.2ローター、500〜2000mPa・sの場合:No.3ローター、2000mPa・s以上の場合:No.4ローターを用い、回転数は60cm−1)を用い、25℃で、回転開始1分後の粘度を測定した。ラテックスのpHは必要に応じて水酸化ナトリウム又は塩酸を用いて調整を行った。
得られた粘度について、下記の基準によりラテックス粘度を判定した。結果を表6に示す。
A:500mPa・s以下
B:500超1000mPa・s以下
C:1000超1500mPa・s以下
D:1500超2000mPa・s以下
E:2000mPa・s以上
<塗工紙の作製及び評価>
上記の共重合体ラテックスを用いて下記の方法により紙塗工用組成物を調製して塗工紙を作製した。
上記の共重合体ラテックスを用いて下記の方法により紙塗工用組成物を調製して塗工紙を作製した。
(紙塗工用組成物の調製)
下記に示した配合処方に従って紙塗工用組成物を調製した。なお、紙塗工用組成物は、水酸化ナトリウムでpHを9.5に調整し、純水を必要量添加することによって固形分濃度が67質量%となるように調製した。
カオリン(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、DBグレーズ):30質量部
重炭酸カルシウム(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、カービタル90):70質量部
変性デンプン(日本食品化工社製、MS4600):2質量部
共重合体ラテックス:7質量部(固形分量)
下記に示した配合処方に従って紙塗工用組成物を調製した。なお、紙塗工用組成物は、水酸化ナトリウムでpHを9.5に調整し、純水を必要量添加することによって固形分濃度が67質量%となるように調製した。
カオリン(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、DBグレーズ):30質量部
重炭酸カルシウム(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、カービタル90):70質量部
変性デンプン(日本食品化工社製、MS4600):2質量部
共重合体ラテックス:7質量部(固形分量)
(塗工紙の作製)
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が12g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。下記の方法によりドライピック強度の評価を行った。結果を表6に示す。
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が12g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。下記の方法によりドライピック強度の評価を行った。結果を表6に示す。
(塗工紙のドライピック強度の評価)
RI印刷機で各塗工紙にピッキングテスト用墨インキ(DICグラフィックス社製)を同時に印刷した。得られた印刷物を塗工上質紙に押し当ててインキを写し取り、インキが写し取られなかった部分(白抜け部分)をピッキング発生箇所と見なし、このときのピッキングの程度を肉眼で判定し、ピッキングの発生量が最も少ないものを5級とし、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。結果を表6に示す。
RI印刷機で各塗工紙にピッキングテスト用墨インキ(DICグラフィックス社製)を同時に印刷した。得られた印刷物を塗工上質紙に押し当ててインキを写し取り、インキが写し取られなかった部分(白抜け部分)をピッキング発生箇所と見なし、このときのピッキングの程度を肉眼で判定し、ピッキングの発生量が最も少ないものを5級とし、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。結果を表6に示す。
<電極の作製及び評価>
上記の共重合体ラテックスを用いて、下記の方法により電池電極用組成物を調製して電極を作製した。
上記の共重合体ラテックスを用いて、下記の方法により電池電極用組成物を調製して電極を作製した。
(電池電極用組成物の調製)
(1−1)正極用組成物の調製
正極活物質としてLiCoO2を100質量部と、導電剤としてアセチレンブラックを5質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で1質量部と、結着剤として、各実施例及び各比較例の共重合体ラテックスを固形分で2質量部とを全固形分が65質量%となるように適量の純水を加えて混練し、正極用組成物を調製した。
(1−1)正極用組成物の調製
正極活物質としてLiCoO2を100質量部と、導電剤としてアセチレンブラックを5質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で1質量部と、結着剤として、各実施例及び各比較例の共重合体ラテックスを固形分で2質量部とを全固形分が65質量%となるように適量の純水を加えて混練し、正極用組成物を調製した。
(1−2)負極用組成物の調製
負極活物質として平均粒子径が20μmの天然黒鉛を使用し、天然黒鉛100質量部に対して、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で1質量部、結着剤として、各実施例及び各比較例の共重合体ラテックスを固形分で2質量部とを全固形分が45質量%となるように適量の純水を加えて混練し、負極用組成物を調製した。
負極活物質として平均粒子径が20μmの天然黒鉛を使用し、天然黒鉛100質量部に対して、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で1質量部、結着剤として、各実施例及び各比較例の共重合体ラテックスを固形分で2質量部とを全固形分が45質量%となるように適量の純水を加えて混練し、負極用組成物を調製した。
(電極の作製)
(1−1)正極の作製
上記のようにして得られた正極用組成物を集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、130℃で5分間乾燥後、室温でロールプレスして、塗工層の厚みが100μmの正極を得た。
(1−1)正極の作製
上記のようにして得られた正極用組成物を集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、130℃で5分間乾燥後、室温でロールプレスして、塗工層の厚みが100μmの正極を得た。
(1−2)負極の作製
上記のようにして得られた負極用組成物を集電体となる厚さ20μmの銅箔に塗布し、130℃で5分間乾燥後、室温でロールプレスして、塗工層の厚みが100μmの負極を得た。なお、電極活物質の被覆性を評価する際には、ロールプレスによる圧延を行う前の状態のものを用いた。
上記のようにして得られた負極用組成物を集電体となる厚さ20μmの銅箔に塗布し、130℃で5分間乾燥後、室温でロールプレスして、塗工層の厚みが100μmの負極を得た。なお、電極活物質の被覆性を評価する際には、ロールプレスによる圧延を行う前の状態のものを用いた。
(共重合体ラテックスの活物質への被覆性の評価)
共重合体ラテックスが活物質の表面をより多く被覆することにより、充放電を繰り返した際のサイクル特性が向上することから、上記の方法で得られた各負極シートにおいて、下記の方法により共重合体ラテックスの活物質への被覆性を評価した。
すなわち、上記で得られた各負極シート(圧延前のもの)を1cm四方に切り、四酸化オスミウム雰囲気下で染色した後、走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名:JSM−6510LA)を用いて、5000倍にて観察した。SEM観察画像において、活物質の面積に対し、活物質上に共重合体ラテックスが付着している面積を目視で確認し、下記のとおり評価した。なお、SEM観察画像8画面のうち、最も平均的な画像を選び、評価した。結果を表6に示す。
A:活物質の表面の80%以上を共重合体ラテックスが被覆している。
B:活物質の表面の60%以上80%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
C:活物質の表面の40%以上60%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
D:活物質の表面の40%未満しか共重合体ラテックスが被覆していない。
共重合体ラテックスが活物質の表面をより多く被覆することにより、充放電を繰り返した際のサイクル特性が向上することから、上記の方法で得られた各負極シートにおいて、下記の方法により共重合体ラテックスの活物質への被覆性を評価した。
すなわち、上記で得られた各負極シート(圧延前のもの)を1cm四方に切り、四酸化オスミウム雰囲気下で染色した後、走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名:JSM−6510LA)を用いて、5000倍にて観察した。SEM観察画像において、活物質の面積に対し、活物質上に共重合体ラテックスが付着している面積を目視で確認し、下記のとおり評価した。なお、SEM観察画像8画面のうち、最も平均的な画像を選び、評価した。結果を表6に示す。
A:活物質の表面の80%以上を共重合体ラテックスが被覆している。
B:活物質の表面の60%以上80%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
C:活物質の表面の40%以上60%未満を共重合体ラテックスが被覆している。
D:活物質の表面の40%未満しか共重合体ラテックスが被覆していない。
(電極塗工層の結着力の評価)
上記の方法で得られた各電極シート(各正極および各負極)の表面に、ナイフを用いて活物質層から集電体に達する深さまでの切り込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本入れて碁盤目の切り込みを作った。この切り込みを入れた活物質層の表面に粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質が脱落したマス目を数え、下記のとおり評価した。結果を表6に示す。
A:活物質が脱落したマス目が5未満
B:活物質が脱落したマス目が5以上12未満
C:活物質が脱落したマス目が12以上18未満
D:活物質が脱落したマス目が18以上25以下
上記の方法で得られた各電極シート(各正極および各負極)の表面に、ナイフを用いて活物質層から集電体に達する深さまでの切り込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本入れて碁盤目の切り込みを作った。この切り込みを入れた活物質層の表面に粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質が脱落したマス目を数え、下記のとおり評価した。結果を表6に示す。
A:活物質が脱落したマス目が5未満
B:活物質が脱落したマス目が5以上12未満
C:活物質が脱落したマス目が12以上18未満
D:活物質が脱落したマス目が18以上25以下
Claims (11)
- 乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、
前記共重合体は、
脂肪族共役ジエン系単量体15〜60質量%、
エチレン系不飽和カルボン酸単量体5〜35質量%、
シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び、
これらと共重合可能な単量体0〜75質量%、からなる単量体成分で構成されており、
前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、エチレン系不飽和モノカルボン酸単量体を66質量%超える量含有し、
前記乳化重合は、
ポリマー転化率が1.0%に到達した到達時から、前記単量体成分の全量投入終了した終了時までの時間、の60%の時点までに、前記シアン化ビニル単量体の全量の80質量%以上を投入して行われる、共重合体ラテックス。 - 前記乳化重合は、
重合開始剤投入開始時の反応系に、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の0質量%超40質量%以下を含有させ、前記到達時から前記終了時までの時間、の5%の時点以降から、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の残部の添加を開始して、前記到達時から前記終了時までの時間、の80%の時点までに、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の92質量%以上を添加させて行われる、請求項1記載の共重合体ラテックス。 - 前記乳化重合は、
重合開始剤投入開始時の反応系に、前記エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量の70質量%以上を含有させて行われる、請求項1記載の共重合体ラテックス。 - 弱酸性又は中性領域から、アルカリ領域へのpHの変化で、前記共重合体の粒子が不可逆的な形状の変化を生じる、請求項1〜3のいずれか一項記載の共重合体ラテックス。
- 前記共重合体の粒子は、前記弱酸性又は中性領域から、前記アルカリ領域へのpHの変化で、ネットワーク構造を形成する、請求項4記載の共重合体ラテックス。
- 前記弱酸性又は中性領域はpH6〜7であり、前記アルカリ領域はpH9以上である、請求項4又は5記載の共重合体ラテックス。
- 前記共重合体の粒子表面に突起が生じることにより、前記不可逆的な形状の変化を生じる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の共重合体ラテックス。
- 前記突起を構成する単量体成分と、前記突起以外の部分を構成する単量体成分が相違する、請求項7記載の共重合体ラテックス。
- 前記突起を構成する単量体成分に占める前記脂肪族共役ジエン系単量体の割合は、前記突起以外の部分を構成する単量体成分に占める前記脂肪族共役ジエン系単量体の割合より小さい、請求項7又8記載の共重合体ラテックス。
- 請求項1〜9のいずれか一項記載の共重合体ラテックスを、弱酸性又は中性領域からアルカリ領域へpHを変化させることにより得ることのできる、異形粒子を含有する共重合体ラテックス。
- 前記異形粒子は、ネットワーク構造を形成している、請求項10記載の共重合体ラテックス。
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