JP2002053602A - 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物

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JP2002053602A
JP2002053602A JP2000236589A JP2000236589A JP2002053602A JP 2002053602 A JP2002053602 A JP 2002053602A JP 2000236589 A JP2000236589 A JP 2000236589A JP 2000236589 A JP2000236589 A JP 2000236589A JP 2002053602 A JP2002053602 A JP 2002053602A
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latex
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acid
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JP2000236589A
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Hideyuki Matsubayashi
秀幸 松林
Kenji Arai
健次 荒井
Hiroaki Muraki
浩晃 村木
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)塗工紙のドライピック強度及びウェッ
トピック強度に優れ、ラテックスフイルムの耐ブロッキ
ング性に優れた、反応容器内の汚れが生じにくく、か
つ、微細凝固物の発生を抑制した、紙塗工用の共重合体
ラテックスを提供すること、および(2)これを用いた
紙塗工用組成物を提供すること 【解決手段】 (a)共役ジエン系単量体 20〜70
重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 2
〜20重量%、(c)その他共重合可能なビニル系単量
体 10〜78重量%、からなる単量体100重量部を
二段で乳化重合するに際し、二段目を仕込む直前の一段
目の共重合体ラテックスの電導度滴定から得られる粒子
表面の酸量と水相の酸量が特定の関係にあることを特徴
とする共重合体ラテックス、およびこれを用いた紙塗工
用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用に好適な共重
合体ラテックスに関する。さらに詳しくは、本発明は、
塗工紙のドライピック強度及びウェットピック強度に優
れ、ラテックスフイルムの耐ブロッキング性に優れた、
反応容器内の汚れが生じにくく、かつ、微細凝固物の発
生を抑制した、紙塗工用の共重合体ラテックス、および
これを用いた紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷の高速化等、印刷技術の急速
な発達に伴い、塗工紙に要求される品質はますます厳し
くなってきている。特に、コスト低減の目的から、顔料
に対するラテックスの配合部数を低減する方向にあり、
バインダーとしての基本性能である表面強度の向上が共
重合体ラテックスに強く求められている。表面強度とい
っても、オフセット印刷の場合、湿し水が関与するため
耐水強度が問題となり、塗工層湿潤時における表面強度
(ウェットピック強度)の高いことも要求される。ま
た、塗工紙の製造においても、高速塗工化に伴い、ロー
ル汚れ適性に代表される塗工操業性(ラテックスフィル
ムの耐ブロッキング性)の要求も厳しくなっている。従
来、表面強度と操業性のバランスをとる手段として、内
部をブタジエン等のソフトモノマーを多くし、外部をス
チレン、アクリロニトリル等のハードモノマーを多くし
た2段重合が提案されている(特開平7-247327、特開平
7-258308など)。しかし、これらの手法は、ある程度の
表面強度のレベルアップおよび操業性とのバランス向上
の改善は認められたもののまだ不十分であった。また、
2段の成分を完全に分離させ、Tgを2つ有する共重合
体ラテックスが提案(特開平7-324112)されているが、
重合安定性が悪く、塗工時の操業性にも影響を与える微
細凝固物の発生も多いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、(1)塗工紙のドライピック強度及びウェ
ットピック強度に優れ、ラテックスフイルムの耐ブロッ
キング性に優れた、反応容器内の汚れが生じにくく、か
つ、微細凝固物の発生を抑制した、紙塗工用の共重合体
ラテックスを提供すること、および(2)これを用いた
紙塗工用組成物を提供することにある。本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、共重合
体ラテックスを二段階の乳化重合で製造する場合に、二
段目の単量体混合物を仕込む直前の一段目の共重合体ラ
テックス粒子表面の酸量を制御することが鍵であること
を見いだし、この知見に基いて本発明を完成するに到っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(a)共役ジエン系単量体20〜70重量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体2〜20重量
%、(c)その他共重合可能なビニル系単量体10〜7
8重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重
量%)からなる単量体100重量部を二段で乳化重合し
て得られる共重合体ラテックスであって、一段目とし
て、(a−1)共役ジエン系単量体40〜80重量%、
(b−1)エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜15
重量%、(c−1)その他共重合可能なビニル系単量体
0〜59重量%(ただし、(a−1)+(b−1)+
(c−1)=100重量%)からなる一段目単量体混合
物30〜70重量部を乳化重合して、重合転化率が70
%以上になった時点で、二段目として、(a−2)共役
ジエン系単量体10〜40重量%、(b−2)エチレン
系不飽和カルボン酸単量体2〜10重量%、(c−2)
その他共重合可能なビニル系単量体55〜88重量%
(ただし、(a−2)+(b−2)+(c−2)=10
0重量%)からなる二段目単量体混合物70〜30重量
部(ただし、(一段目単量体混合物)+(二段目単量体
混合物)=100重量部)を引き続き乳化重合するにあ
たり、二段目を仕込む直前の一段目の共重合体ラテック
スの電導度滴定から得られる粒子表面と水相の酸量が
(1)及び(2)式の範囲内にあることを特徴とする共
重合体ラテックス、が提供される。
【数3】
【数4】 また、本発明によれば、前記の共重合体ラテックスと顔
料とを必須成分とする紙塗工用組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の共重合ラテックスは、必
須の構成単量体として(a)共役ジエン系単量体20〜
70重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
2〜20重量%、および(c)(a)、(b)と共重合
可能な、その他共重合可能なビニル系単量体10ないし
78重量%、よりなるものである。本発明の共重合ラテ
ックスは二段階の乳化重合によって製造され、一段目の
乳化重合に単量体混合物30〜70重量部を仕込み、二
段目の乳化重合の単量体混合物70〜30重量部を仕込
む。また、二段目の乳化重合の開始は、一段目の重合転
化率が70%以上であってかつ、一段目の乳化重合で得
られる共重合ラテックスの共重合体粒子表面の酸量の絶
対値およびこの酸量と水相の酸量との分配比が上記
(1)および(2)で表される特定の範囲にあることを
必須要件とする。
【0006】単量体(a)を構成する共役ジエン系単量
体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレン
等を挙げることができる。これら共役ジエン単量体のう
ち1,3−ブタジエンが好適である。本発明のラテック
スにおいて、2段の乳化重合で使用する単量体(a)、
(b)、及び(c)の全仕込量に対して、(a)共役ジ
エン系単量体の仕込量は、20〜70重量%であり、好
ましくは25〜60重量%であり、さらに好ましくは3
0〜50重量%である。仕込量が20重量%未満では、
衝撃力を吸収する成分に欠しく、塗工紙のドライピック
強度が低下する。仕込量が70重量%超えると、ラテッ
クスフィルムの耐ブロッキング性及び塗工紙のウェット
ピック強度が低下する。
【0007】単量体(b)を構成するエチレン系不飽和
カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カル
ボン酸、マレイン酸モノメチル等のエチレン性不飽和多
価カルボン酸部分エステル;などが挙げられる。本発明
のラテックスにおいて、2段の乳化重合で使用する単量
体(a)、(b)、及び(c)の全仕込量に対して、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体の仕込量は、
2〜20重量%であり、好ましくは3〜15重量%であ
り、さらに好ましくは4〜10重量%である。仕込量が
2重量%未満では重合安定性が低下すると共に、塗料へ
の配合安定性及び塗工安定性が低下する。逆に仕込量が
20重量%を超えるとラテックスの粘度が高くなりすぎ
て、取り扱いが困難となる他、ハイシア粘度が高くなり
すぎて高速塗工適性が劣る。
【0008】単量体(c)を構成するその他共重合可能
なビニル係単量体としては、エチレン性不飽和ニトリル
単量体;芳香族ビニル単量体;エチレン性不飽和カルボ
ン酸エステル単量体;エチレン性不飽和カルボン酸アミ
ド単量体及びその誘導体;カルボン酸ビニルエステル単
量体;ハロゲン化ビニル単量体;などが挙げられる。芳
香族ビニル単量体としては、スチレンの他、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン、p−
メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げら
れる。なかでも、スチレンが好ましい。エチレン性不飽
和ニトリル単量体としては、アクリロニトリルの他、メ
タクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリル、2−
プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペンニトリ
ル、2−ブテンニトリルが挙げられる。なかでも、アク
リロニトリルが好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸
エステル単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル等
のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が挙げら
れる。なかでもメタクリル酸メチルが好ましい。エチレ
ン性不飽和カルボン酸アミド単量体及びその誘導体とし
ては、メタクリルアミド、アクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド
などが挙げられる。なかでも、アクリルアミドが好まし
い。カルボン酸ビニルエステル単量体としては、酢酸ビ
ニルが代表的であり、また、ハロゲン化ビニル単量体と
しては塩化ビニルが代表的である。
【0009】本発明の共重合体ラテックスにおいて、単
量体(c)を構成するその他共重合可能なビニル系単量
体としては、エチレン性不飽和ニトリル単量体;芳香族
ビニル単量体;エチレン性不飽和カルボン酸エステル単
量体が好ましい。塗工紙のインク受理性及び耐候性を高
くするためにはエチレン性不飽和カルボン酸エステル単
量体が好適に用いられ、塗工紙のドライピック強度及び
ウェットピック強度のバランスを良くするためには、芳
香族ビニル単量体が好適に用いられ、またラテックスの
機械的及び化学的安定性を高くし、紙塗工組成物の調製
を容易にするためにはエチレン性不飽和カルボン酸アミ
ド単量体が好適に用いられる。
【0010】本発明のラテックスにおいて、2段の乳化
重合で使用する単量体(a)、(b)、及び(c)の全
仕込量に対して、(c)その他の共役重合可能なビニル
系単量体の仕込量は10〜78重量%であり、好ましく
は25〜72重量%であり、さらに好ましくは40〜6
6重量%である。仕込量が10重量%未満ではラテック
スフィルムの耐ブロッキング性及び塗工紙のウェットピ
ック強度が低下する。仕込量が78重量%を超えると生
成する粒子が固くなりすぎて塗工紙のドライピック強度
が低下する。
【0011】単量体(a)、(b)、(c)、(a−
1)、(b−1)、(c−1)、(a−2)、(b−
2)および(c−2)はいずれも単一の単量体を使用し
ても良く、また2種以上の異なる単量体を併用しても良
い。
【0012】本発明において、上記(a)、(b)、お
よび(c)からなる単量体100重量部を二段で乳化重
合するに際し、一段目の乳化重合において、(a−1)
共役ジエン系単量体の仕込み量は、40〜80重量%で
あり、好ましくは46〜75重量%であり、さらに好ま
しくは60〜70重量%である。仕込量が40重量%未
満では衝撃力を吸収する層がなくなり、本発明の効果を
得にくい。仕込量が80重量%超えると、二段目の単量
体を粒子内に取り込みやすくなり、本発明の効果を得に
くい。
【0013】一段目の乳化重合における(b−1)エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体の仕込量は、1〜20重
量%であり、好ましくは2〜15重量%であり、さらに
好ましくは3〜10重量%である。仕込量が1重量%未
満では、重合安定性が悪くなり、微細凝固物が発生しや
すくなる他、塗工紙のドライピック強度が低下する。仕
込量が20重量%超えると、ラテックス粘度が高くなり
すぎて、取り扱いが困難となる他、二段目の単量体を粒
子内に取り込みやすくなり本発明の効果を得にくい。
(b−1)としては、前記(b)の単量体の中でも、エ
チレン性不飽和カルボン酸が好ましく、メタクリル酸が
表面酸量及び表面酸量と水相酸量との比を制御しやすい
点でより好ましい。
【0014】一段目の乳化重合における(c−1)その
他共重合可能なビニル系単量体の仕込量は、0〜59重
量%であり、好ましくは10〜52重量%であり、さら
に好ましくは20〜37重量%である。仕込量が59重
量%超えると、衝撃力を吸収する効力が低下し、本発明
の効果を得にくい。
【0015】一段目の乳化重合における、(a−1)、
(b−1)および(c−1)の全仕込量は、一段目及び
二段目における全単量体仕込量の30〜70重量部と
し、一段目の重合転化率が70%以上になった時点で、
二段目として、(a−2)共役ジエン系単量体10〜4
0重量%、(b−2)エチレン系不飽和カルボン酸単量
体2〜10重量%、および、(c−2)その他共重合可
能なビニル系単量体55〜88重量%、からなる単量体
混合物70〜30重量部を引き続き乳化重合する。
【0016】二段目の乳化重合における(a−2)共役
ジエン系単量体の仕込量は、10〜40重量%であり、
好ましくは15〜35重量%であり、さらに好ましくは
20〜30重量%である。仕込量が10重量%未満では
フィルムの成膜性が悪くなり、塗工紙のドライピック強
度及びウェットピック強度が低下する。仕込量が40重
%を超えると、ラテックスフィルムの耐ブロッキング性
及び塗工紙のウェットピック強度が低下する。
【0017】二段目の乳化重合における(b−2)エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体の仕込量は、2〜10重
量%であり、好ましくは3〜8重量%であり、さらに好
ましくは4〜7重量%である。仕込量が2重量%未満で
は、塗料への配合安定性及び塗工安定性が悪くなる他、
二段目の単量体が粒子表面に出にくくなり、本発明の効
果が得にくい。仕込量が10重量%超えると、ラテック
ス粘度が高くなりすぎて、取り扱いが困難となる他、ハ
イシア粘度が高くなりすぎて高速塗工適性が劣る。
【0018】二段目の乳化重合における(c−2)その
他共重合可能なビニル系単量体の仕込量は、55〜88
重量%であり、好ましくは57〜82重量%であり、さ
らに好ましくは63〜76重量%である。仕込量が55
重量%未満では、粒子表面の硬さがなくなり、耐ブロッ
キング性が悪く、ドライピック強度とウェットピック強
度とのバランスが劣る。仕込量が88重量%超えると、
ラテックスの成膜性が低下し、塗工紙のドライピック強
度及びウェットピック強度が低下する。
【0019】二段目を仕込むタイミングは、一段目の共
重合体ラテックスの電導度滴定により粒子表面の酸量と
水相の酸量が下記の(1)及び(2)式の範囲内にある
ことにより制御する。
【数5】
【数6】 ラテックス粒子表面の酸量および水相中の酸量は、(実
施例)において後述する方法により測定される。
【0020】酸量比が2.5より小さいと、塗工紙のド
ライピック強度及びウェットピック強度が低下する。ま
た、粒子表面の酸量が、0.3より小さいと重合安定性
が低下し、1.5より大きいと、塗工紙のドライピック
強度及びウェットピック強度が低下する。
【0021】本発明の紙塗工用ラテックスを構成する共
重合体粒子の平均粒子径は、通常、60〜200nm、
好ましくは70〜150nmである。平均粒子径が小さ
くなると、塗工用ラテックスの粘度が高くなるので、紙
塗工組成物の調製が困難な傾向になる。逆に平均粒子径
が大きくなると塗工紙のドライピック強度及びウェット
ピック強度が低下傾向になる。なお、平均粒子径はラテ
ックスを電子顕微鏡で観察し、撮影した写真に写るラテ
ックス粒子を無作為に100個選び、粒子径を測定し、
その数平均値で示した値である。
【0022】本発明の紙塗工用ラテックスを構成する共
重合体のガラス転移温度は、通常、−30〜+30℃、
好ましくは−15〜+20℃である。ガラス転移温度が
低くなると、塗工紙のウェットピック強度が低下傾向に
なる。逆にガラス転移温度が高くなると塗工紙のドライ
ピック強度が低下傾向になる。ガラス転移温度はラテッ
クスを枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度
65%の恒温恒湿室に48時間放置してフィルムを得、
このフィルムについて示差走査熱量計(DSC、セイコ
ー電子工業(株)社製:SSC5200)を用いて、開
始温度−100℃、昇温速度5℃/分の条件で測定して
得られる値である。
【0023】本発明の紙塗工用ラテックスを構成する共
重合体のテトラヒドロフラン不溶解分の量は、オフセッ
ト枚葉印刷又はグラビア印刷用の塗工紙においては、通
常、55〜95重量%、好ましくは65〜90重量%で
ある。また、オフセット輪転印刷用の塗工紙において
は、通常、10〜60重量%、好ましくは20〜50重
量%である。なお、テトラヒドロフラン不溶分の量は後
記の方法で求められる値である。
【0024】本発明における二段での乳化重合を行うに
際して、一段目の共重合体ラテックスは、単量体(a−
1)、(b−1)および(c−1)からなる単量体混合
物を乳化重合して得る。二段目の乳化重合は、上記の一
段目の乳化重合で得られた共重合体ラテックスの存在下
で行われる。具体的には、単量体(a−1)、(b−
1)および(c−1)を乳化重合し、引続き単量体(a
−2)、(b−2)および(c−2)の単量体混合物を
添加して重合を行ってもよいし、一段目の共重合ラテッ
クスを準備しておいて、この共重合体ラテックスを所定
量、反応器に移し、二段目の乳化重合に用いる単量体混
合物を添加して乳化重合を続けてもよい。
【0025】単量体(a−1)、(b−1)および(c
−1)の混合物を一段目の乳化重合した後、引続き単量
体(a−2)、(b−2)および(c−2)の混合物を
添加して二段目の乳化重合を行う場合は、一段目の単量
体混合物の重合転化率が、70%以上であって、かつ、
ラテックス粒子表面の酸量が前記の(1)および(2)
を満たしてから、二段目の単量体混合物を添加する。一
段目の重合転化率が70%未満であると、反応容器内が
汚れやすくなったり、微細凝固物量が増加する傾向があ
り、また、塗工紙のウェットピック強度及び耐ブロッキ
ング性が低下する傾向がある。
【0026】一段目又は二段目の乳化重合における単量
体混合物又は重合副資材の添加方法としては、初期一括
添加方法、分割添加法、連続添加法などの方法が挙げら
れる。また、重合温度は、通常、0〜100℃、好まし
くは40〜90℃である。
【0027】一段目または二段目における乳化重合にお
いて使用する重合副資材としては、乳化重合で通常使用
されるものが使用できる。例えば、連鎖移動剤としては
一般にラジカル重合に使用される各種連鎖移動剤が可能
であり、例えばn−ブチルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン等のメルカプタン類、テトラエチルチウラ
ムスルフィド、ジベンタメチレンチウラムヘキサスルフ
ィド等のスルフィド類、α−メチルスチレン2量体、四
塩化炭素等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上
組み合わせて使用ことが可能である。また必要に応じて
特開平4−41511号公報、特開平4−41512号
公報等で示されるような連鎖移動剤の連続逐次添加を本
発明に併用することも可能である。
【0028】重合遅延剤としては一般にラジカル重合に
使用される各種重合遅延剤が使用可能であり、例えばo
−,m−あるいはp−ベンゾキノン等のキノン類、ニト
ロベンゼン、o−,m−あるいはp−ジニトロベンゼン
などのニトロ化合物、ジフェニルアミンなどのアミン
類、第三ブチルカテコールのようなカテコール誘導体、
1,1−ジフェニルエチレンあるいはα−メチルスチレ
ンなどの1,1−ジ置換ビニル化合物が挙げられこれら
は一種もしくは二種以上組み合わせて使用することが可
能である。
【0029】界面活性剤としては一般的に乳化重合で用
いられる界面活性剤が使用可能であり、例えば脂肪酸セ
ッケン、ロジン酸セッケン、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、ジアル
キルアリールスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナ
トリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。またス
チレンスルホン酸ナトリウムのような単量体との反応性
を有する官能基を持った反応性乳化剤、さらに必要に応
じてベタイン型等の両性界面活性剤の使用も可能であ
る。通常は、アニオン性界面活性剤単独、もしくは二種
類以上のアニオン性、ノニオン性、両性界面活性剤の混
合系で使用される。
【0030】重合開始剤としては、一般にラジカル重合
に使用される熱または還元性物質の存在下でラジカル分
解して単量体の付加重合を開始させるものであり、油溶
性、水溶性の両方が使用可能である。例えばペルオキソ
二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオ
キソ二硫酸アンモニウムのようなペルオキソ二硫酸塩、
およびベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロキシパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、過酸化水素
を始めとするパーオキサイド類、および2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シア
ノ吉草酸)を始めとするアゾビス化合物等が一般的に用
いられる。この中でペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果
を特に良好に引き出す。なお、本発明に於ける開始剤は
必要に応じて重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸並び
その塩、エリソルビン酸およびその塩、ロンガリット、
Fe、Fe/キレート化剤、などの還元剤と併用し、い
わゆるレドックス系重合開始剤として使用することが可
能である。
【0031】各種重合調整剤としては、一般に乳化重合
に使用される重合調整剤が使用可能であり、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸ナトリウム、リン酸水素二等ナトリウム等のpH調
整剤やエチレンジアミン四ナトリウム等のキレート剤等
があり、これらは必要に応じて反応系に添加される。
【0032】本発明の紙塗工組成物は、前記の紙塗工用
ラテックスと顔料とを必須成分とする。
【0033】本発明の紙塗工組成物に用いる顔料として
は、クレー、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、
酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチッ
クピグメント等の有機顔料などが挙げられる。本発明の
紙塗工用ラテックスと顔料との比率は、顔料100重量
部に対して紙塗工用ラテックスの固形分が、通常、1重
量部以上、好ましくは3〜20重量部である。
【0034】本発明の紙塗工組成物には、必要に応じ
て、さらに水溶性高分子、pH調製剤、顔料分散剤、耐
水化剤、消泡剤、染料、滑剤、有機溶剤などを配合する
ことができる。
【0035】本発明の紙塗工組成物は、これを紙に塗工
することによって、塗工紙のドライピック強度、ウェッ
トピック強度などを改善することができる。塗工できる
紙としては、板紙、洋紙いずれでもよい。また、塗工で
きる紙は塗工作業を連続的にできるので帯状形状のもの
が好適である。塗工の方法は特に限定されず、例えば、
ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコータ
ー、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用いて
塗工する。塗工量は、通常、組成物が固形分換算で、通
常、3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/m2にな
る範囲である。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでな
い。なお、実施例および比較例中の部及び%は重量基準
である。
【0037】本実施例において行った評価方法を以下に
説明する。
【0038】(表面および水相の酸量測定)共重合体ラ
テックス1g当りの酸基量で示す。蒸留水で洗浄した容
量が150mlのガラス容器に、固形分濃度を2%に調
整した共重合体ラテックス50gを入れ、溶液電導率計
(京都電子工業社製:CM−117、使用セルタイプ:
K−121)にセットして撹拌する。以後、撹拌は塩酸
の添加が終了するまで継続する。共重合体ラテックスの
電気伝導度が2.5〜3.0(mS)になるように、
0.1規定の水酸化ナトリウム(和光純薬社製:試薬特
級)を共重合体ラテックスに添加した後、6分経過して
から電気伝導度を測定する。この値を測定開始時の電気
伝導度とする。この共重合体ラテックスに0.1規定の
塩酸(和光純薬社製:試薬特級)を0.5ml添加して
30秒後に電気伝導度を測定する。再び0.1規定の塩
酸を0.5ml添加して30秒後に電気伝導度を測定す
る。この操作を、30秒間隔で、共重合体ラテックスの
電気伝導度が測定開始時の電気伝導度以上になるまで繰
り返しおこなう。
【0039】得られた電気伝導度データを、縦軸:電気
伝導度(mS)、横軸:添加した塩酸の累計量(ミリモ
ル)としたグラフ上にプロットすると、図1のように3
つの変曲点を有する塩酸量−電気伝導度曲線が得られ
る。3つの変曲点のX座標及び塩酸添加終了時のX座標
を、値が小さい方から順にそれぞれP1、P2、P3及び
4とし、X座標が零からP1まで、P1からP2まで、P
2からP3まで及びP3からP4まで、の4つの区分内のデ
ータについて、それぞれ、最小二乗法により近似直線L
1、L2、L3及びL4を求める。L1とL2との交点のX座
標をA1(ミリモル)、L2とL3との交点のX座標をA2
(ミリモル)、L3とL4との交点のX座標をA3(ミリ
モル)とする。
【0040】共重合体1g当りの表面酸量及び共重合体
1g当りの水相酸量は、それぞれ、式(a)及び式
(b)から、塩酸換算したミリ当量(meq/g)とし
て、与えられる。従って、共重合体ラテックス1g当り
の酸量は式(c)に表すように、それらの式(a)及び
式(b)の合計となる。 (a)重合体1g当りの表面の酸量=A2−A1 (b)重合体1g当りの水相中の酸量=A3−A2 (c)共重合体ラテックス1g当りの総酸量=(a)+
(b)
【0041】(反応容器の汚れ具合)反応終了後、反応
容器からラテックスを抜き出し、反応容器内表面を水で
洗浄し、反応容器内表面の汚れ具合を以下のように判定
した。 ○:容器内表面は金属光沢があり、ほとんど付着物はな
い。 △:容器内表面にやや付着物があり、金属光沢がない。 ×:容器内表面全面に明らかに付着物がある。
【0042】(微細凝固物量)反応容器から抜き出した
ラテックス500mlを80メッシュの金網を通した
後、さらに、325メッシュの金網を通した。325メ
ッシュ金網上の余分なラテックス分を水で洗い流したの
ち、80℃2時間真空乾燥して、メッシュ上に残留して
いる微細凝固物(固形分)を秤量した。メッシュを通過
させたラテックス固形分に対する微細凝固物固形分の割
合を%で示す。
【0043】(テトラヒドロフラン[THF]不溶分の
量)ラテックスのpHを8に調整した後、枠付きガラス
板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室
に48時間放置して乾燥してフィルムを得た。このフィ
ルム0.3gを80メッシュの金網のかごに入れて、そ
れを20℃のテトラヒドロフラン100mlに48時間
浸漬した後、金網のかごに残るフィルムを100℃で減
圧乾燥し、残存率を計算してTHF不溶分の量を求め
た。
【0044】(平均粒子径)固形分0.01%に調製し
た共重合体ラテックスを、透過型電子顕微鏡観察用メッ
シュ上に少量滴下し、四酸化オスミウム蒸気中で染色固
定した。水分を蒸発させた後、透過型電子顕微鏡にて、
メッシュ上のラテックス粒子を1〜3万倍の倍率で観察
した。任意の100個の粒子の直径を測定し、数平均粒
子径を求めた。
【0045】(ラテックスフィルムの耐ブロッキング
性)ポリエステルフィルムにワイヤーバー(#18)を
用いてラテックスを塗布し、熱風乾燥機中、100℃で
30秒間乾燥する。このラテックスフィルム塗布面に濾
紙を重ねて、温度80℃、線圧30kg/cmでカレン
ダー処理を行う。この後、濾紙を手で剥がし、その剥離
状態を目視により5点法(5:良〜1:悪)で評価し
た。塗布面に付着した濾紙の繊維が少ないほど耐ブロッ
キング性が良好である。
【0046】(ドライピック強度)印刷インク(タック
値20)0.4cm3をRIテスター(明石製作所製)
のゴムロールに付着させた後、このRIテスター(明石
製作所製)を用いて塗工紙に4回重ね刷りした。紙面の
剥がれ(ピッキング)状態を観察し5点法で評価した。
点数の高いほうがドライピック強度が高い。
【0047】(ウェットピック強度)塗工紙に、モルト
ンロールで水を塗布し、次に印刷インク(タック値1
4)0.4cm3をゴムロールに付着させたRIテスタ
ーを用いてべた刷りした。紙面の剥がれ(ピッキング)
状態をドライピック強度の評価方法と同様にして5点法
で評価した。点数の高いものほどウェットピック強度が
高い。
【0048】(実施例1)ステンレス製のオートクレー
ブに、水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1部、炭酸水素ナトリウム0.2部、並びに表1記
載の一段目における単量体組成および連鎖移動剤からな
る混合物(一段目単量体混合物50部相当量)を投入
し、撹拌混合しながら50℃に昇温後、過酸化カリウム
0.5部を添加して重合を開始した。一方、別のステン
レス製オートクレーブに水30部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸水素ナトリウム0.
2部、並びに表1記載の二段目における単量体組成およ
び連鎖移動剤からなる混合物(二段目単量体混合物50
部相当量)を投入して混合撹拌し、二段目の単量体エマ
ルジョンを作成した。一段目の重合における重合転化率
が70%になった時点で、反応温度を65℃に昇温し
た。表1記載の一段目重合転化率に到達した時点から、
二段目単量体エマルジョンを2時間(1時間あたり単量
体混合物25部相当量が添加される速度)にわたり連続
添加した。また、二段目単量体エマルジョンの添加開始
と同時に過硫酸カリウム0.5部を3%水溶液として、
二段目単量体エマルジョンと同じ添加時間で連続添加し
た。表中、tDMはtert−ドデシルメルカプタン
を、MSDはα−メチルスチレンダイマーを表す。二段
目単量体エマルジョン添加直前に、一段目のラテックス
の一部を抜き取り、表面および水相の酸量測定を行っ
た。結果を表1に示す。さらに、重合転化率が85%に
なった時点で、反応温度を85℃に昇温し、引き続き重
合転化率が98%となるまで反応を継続した。
【0049】反応後のラテックスを室温まで冷却し、脱
圧後、反応容器からラテックスを抜き出した。反応容器
内表面を水で洗浄し、反応容器内表面の汚れ具合を判定
した。また、抜き出したラテックスの微細凝固物の量を
測定した。結果を表1に示す。その後、減圧下に未反応
単量体を除去した後、水酸化ナトリウムでpHを8に調
整し、実施例1の共重合体ラテックスを得た。得られた
ラテックスのTHF不溶分、平均粒子径および耐ブロッ
キング性を測定し、結果を表1に示す。
【0050】次に、前記共重合体ラテックス10部(固
形分換算)、カオリンクレー(エンゲルハルド社製、U
W90)60部、重質炭酸カルシウム(ECC社製、C
arbital−90)40部、分散剤(東亜合成社
製、アロンT−40)0.2部、水酸化ナトリウム0.
15部、酸化澱粉3部および所望量の水を混合して、固
形分濃度65%の紙塗工用組成物を得た。この紙塗工用
組成物を65g/m2の市販上質紙に、塗工量が片面あ
たり12g/m2となるように、自動車塗工機PM90
40MC(株式会社エムエステー社製)を用いてブレー
ド塗工した。塗工後、180℃の熱風で10秒間乾燥し
た後、温度20℃、湿度65%RHの条件下で24時間
放置した。その後、温度50℃、線圧980N/cmの
条件で2回スーパーカレンダー処理を行って塗工紙を得
た。塗工紙の評価結果を表1に示す。
【0051】実施例2〜5および比較例1〜3、5表1
に示す、単量体組成、連鎖移動剤、二段目の単量体混合
物エマルジョンを添加しはじめる一段目の重合転化率お
よび一段目と二段目の単量体混合物比に変更する以外
は、実施例1と同様に行い、実施例2〜5および比較例
1〜3、5に示す共重合体ラテックスを得た。結果を表
1に示す。それぞれの共重合体ラテックスのTHF不溶
分、平均粒子径および耐ブロッキング性の測定、並びに
各共重合体ラテックスを使用した塗工紙の評価を実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0052】比較例4 二段目の単量体混合物エマルジョンを連続添加しはじめ
る、一段目の単量体混合物の重合転化率を55%に変更
した以外は、実施例4と同様に行い、比較例4に示す共
重合体ラテックスを得た。結果を表1に示す。この共重
合体ラテックスのTHF不溶分、平均粒子径および耐ブ
ロッキング性の測定並びにこの共重合体ラテックスを使
用した塗工紙の評価を実施例1と同様に行った。結果を
表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1より、一段目の単量体混合物としてエ
チレン性不飽和カルボン酸を含まない比較例1は、反応
容器内の汚れが発生し、微細凝固物量も多い。一段目の
単量体混合物としてアクリル酸5%を含有するものの、
表面酸量と水相酸量との比が本発明の数値範囲外である
比較例2は、反応容器内の汚れがやや発生し、微細凝固
物量も多く、耐ブロッキング性およびウェットピック強
度に劣る。一段目の単量体混合物としてイタコン酸2%
を含有するものの、表面酸量および表面酸量と水相酸量
の比が本発明の数値範囲外である比較例3は、反応容器
内の汚れがほとんどなく、微細凝固物量も少ないもの
の、耐ブロッキング性、ドライピック強度およびウェッ
トピック強度に劣る。二段目の単量耐混合物エマルジョ
ンを添加しはじめる際の一段目の重合転化率が本発明に
規定する範囲より低い比較例4は、反応容器内の汚れが
やや発生し、微細凝固物量も多く、耐ブロッキング性、
ドライピック強度およびウェットピック強度に劣る。表
面酸量と水相酸量との比が本発明の数値範囲外である比
較例5は、反応容器内の汚れがほとんどないが、微細凝
固物量が多く、耐ブロッキング性、ドライピック強度お
よびウェットピック強度に劣る。これらに比べ、本発明
の実施例1〜5では、いずれも、反応容器内の汚れがほ
とんどなく、耐ブロッキング性、ドライピック強度およ
びウェットピック強度に優れている。
【0055】
【発明の効果】反応容器内の汚れが生じにくく、かつ、
微細凝固物の発生を抑制し、ラテックスの耐ブロッキン
グ性に優れた、本発明の共重合体ラテックスを含有する
紙塗工組成物を用いることによって、ドライピック強度
及びウェットピック強度に優れた塗工紙が得られる。こ
の共重合体ラテックスを使用した塗工紙用組成物を用い
た塗工紙は、オフセット枚葉印刷に好適に適用でき、ま
たオフセット輪転印刷又はグラビア印刷にも適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸添加量に対する電気伝導度の変化を示した
説明図である。
【符号の説明】
1 第1変曲点 P2 第2変曲点 P3 第3変曲点 P4 転化終了時データ点 L1,L2,L3,L4 近似直線 A11とL2との交点のX座標 A22とL3との交点のX座標 A33とL4との交点のX座標
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村木 浩晃 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4J011 KA02 KA10 KA21 KB09 KB13 KB14 KB29 4J100 AB02P AB03P AB04P AB07P AC03P AG04P AJ01R AJ02R AJ08R AJ09R AL03P AL09P AL10P AL36R AM01P AM02P AM15P AM21P AS01Q AS02Q AS03Q AS04Q AS07Q BA03P CA05 FA20 JA01 JA13 4L055 AG62 AG64 AG66 AG70 AG75 AG89 AG97 AH02 AH16 DA31 DA33 FA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン系単量体 20〜70重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 2〜20重量% (c)その他共重合可能なビニル系単量体 10〜78重量% からなる単量体100重量部を二段で乳化重合して得ら
    れる共重合体ラテックスであって、一段目として (a−1)共役ジエン系単量体 40〜80重量% (b−1)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 1〜20重量% (c−1)その他共重合可能なビニル系単量体 0〜59重量% からなる単量体混合物30〜70重量部を乳化重合し
    て、重合転化率が70%以上になった時点で、二段目と
    して (a−2)共役ジエン系単量体 10〜40重量% (b−2)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 2〜10重量% (c−2)その他共重合可能なビニル系単量体 55〜88重量% からなる単量体混合物70〜30重量部を引き続き乳化
    重合するにあたり、二段目を仕込む直前の一段目の共重
    合体ラテックスの電導度滴定から得られる粒子表面の酸
    量と水相の酸量が(1)及び(2)式の範囲内にあるこ
    とを特徴とする共重合体ラテックス。 【数1】 【数2】
  2. 【請求項2】請求項1記載の共重合体ラテックスおよび
    顔料を必須成分とする紙塗工用組成物。
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