JP2005154695A - 有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性が良好であり、かつ高温でのカレンダー処理においても優れた耐ブロッキング性を有する塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供する。
【解決手段】 特定の組成および体積平均粒子径を有する有機顔料であって、該有機顔料を製造する際に、単量体混合物を三段階で乳化重合し、かつ各段階における単量体混合物中の共役ジエン単量体の含有割合を漸次減少させて得られる有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙。
【選択図】 なし
【解決手段】 特定の組成および体積平均粒子径を有する有機顔料であって、該有機顔料を製造する際に、単量体混合物を三段階で乳化重合し、かつ各段階における単量体混合物中の共役ジエン単量体の含有割合を漸次減少させて得られる有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙に関するもので、特に白紙光沢及び平滑性向上のためにカレンダー処理される塗工板紙に適する有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙に関するものである。
有機顔料を含有する紙塗工用組成物を紙に塗工して、塗工紙の白紙光沢及び印刷光沢を改善することは従来から行われている。
有機顔料を含有する紙塗工用組成物としては、例えば、共役ジエン単量体を20重量%以下で含有する単量体混合物を乳化共重合して得られるガラス転移温度が30〜105℃、平均粒子径が150〜400nmの有機顔料と共役ジエン単量体25〜55重量%を含む単量体混合物を乳化共重合して得られる共重合体ラテックスとからなり、該有機顔料と該共重合体ラテックスとを10/90〜60/40の重量比で含有する紙塗工用組成物が提案されている(特許文献1参照)。このような紙塗工用組成物を用いると、カレンダーロール汚れの発生を抑制しながら、耐ブロッキング性に優れる塗工紙が得られるものの、インクセット性に劣るため多色印刷において不具合を生じ易く、しかも実際に確認されている塗工紙の白紙光沢はせいぜい70%程度に過ぎない。
有機顔料を含有する紙塗工用組成物としては、例えば、共役ジエン単量体を20重量%以下で含有する単量体混合物を乳化共重合して得られるガラス転移温度が30〜105℃、平均粒子径が150〜400nmの有機顔料と共役ジエン単量体25〜55重量%を含む単量体混合物を乳化共重合して得られる共重合体ラテックスとからなり、該有機顔料と該共重合体ラテックスとを10/90〜60/40の重量比で含有する紙塗工用組成物が提案されている(特許文献1参照)。このような紙塗工用組成物を用いると、カレンダーロール汚れの発生を抑制しながら、耐ブロッキング性に優れる塗工紙が得られるものの、インクセット性に劣るため多色印刷において不具合を生じ易く、しかも実際に確認されている塗工紙の白紙光沢はせいぜい70%程度に過ぎない。
また、紙塗工用組成物に含有させる有機顔料としては、例えば、共役ジエン単量体を80重量%以上含有する単量体を重合して得られる重合体20〜60重量部の存在下に、芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリロニトリルを含有する単量体80〜40重量部を重合してなる有機顔料が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、このような有機顔料を用いると、印刷光沢に優れる塗工紙が得られるものの、白紙光沢のレベルは不十分であり、インクセット性に劣る。
さらに、紙塗工用組成物に含有させる有機顔料としては、例えば、芳香族ビニル単量体及びエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含有する単量体を重合して得られる重合体30〜70重量部の存在下に、共役ジエン単量体を30〜80重量%含有する単量体70〜30重量部を重合して得られる、ミクロドメイン構造を有する有機顔料が提案されている(特許文献3参照)。このような有機顔料を用いると、インクセット性、白紙光沢および印刷光沢に比較的優れる塗工紙が得られるものの、耐ブロッキング性に劣り、カレンダー処理を施した際にカレンダーロール汚れを発生し易い問題がある。
しかしながら、上記したような従来手法では、白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性および耐ブロッキング性にも優れた有機顔料を得ることは困難であり、特に、塗工紙を高温でカレンダー処理する場合にこの傾向は大きかった。
しかしながら、上記したような従来手法では、白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性および耐ブロッキング性にも優れた有機顔料を得ることは困難であり、特に、塗工紙を高温でカレンダー処理する場合にこの傾向は大きかった。
本発明の目的は、白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性が良好であり、また、高温でのカレンダー処理においても優れた耐ブロッキング性を有する塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、特定の組成および体積平均粒子径を有する有機顔料であって、該有機顔料を製造する際に、単量体混合物を三段階で乳化重合し、かつ各段階における単量体混合物中の共役ジエン単量体の含有割合を漸次減少させて得られる有機顔料を用いると、前記目的を達成できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、共役ジエン単量体(a)5〜20重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c)94.5〜70重量%からなる単量体混合物100重量部を乳化共重合して得られる、体積平均粒子径が150〜400nmの有機顔料であって、共役ジエン単量体(a1)30〜70重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b1)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c1)20〜69.5重量%からなる単量体混合物(I)0.5〜10重量部を乳化共重合してなる共重合体ラテックスの存在下に、共役ジエン単量体(a2)5〜40重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c2)50〜94.5重量%からなる単量体混合物(II)39.5〜89.5重量部を乳化共重合し、さらに続いて、共役ジエン単量体(a3)0〜15重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c3)75〜99.5重量%からなる単量体混合物(III)10〜60重量部(但し、単量体混合物(I)と単量体混合物(II)と単量体混合物(III)の合計量は100重量部であり、かつ、単量体混合物(I)中の共役ジエン単量体(a1)の含有割合(Wa1:重量%)と、単量体混合物(II)中の共役ジエン単量体(a2)の含有割合(Wa2:重量%)と、単量体混合物(III)中の共役ジエン単量体(a3)の含有割合(Wa3:重量%)との関係が、Wa1>Wa2>Wa3を満足する。)を乳化共重合して得られることを特徴とする有機顔料が提供される。
また、本発明によれば、前記の有機顔料を含有する紙塗工用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙が提供される。
本発明によれば、白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性が良好であり、かつ高温でのカレンダー処理においても優れた耐ブロッキング性を有する塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙が得られる。
(有機顔料)
本発明の有機顔料は、共役ジエン単量体(a)5〜20重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c)94.5〜70重量%からなる単量体混合物100重量部を乳化共重合して得られる、体積平均粒子径が150〜400nmのものである。
本発明の有機顔料は、共役ジエン単量体(a)5〜20重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c)94.5〜70重量%からなる単量体混合物100重量部を乳化共重合して得られる、体積平均粒子径が150〜400nmのものである。
共役ジエン単量体(a)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエンが好適である。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
共役ジエン単量体(a)の使用量は、全単量体に対して、5〜20重量%、好ましくは8〜16重量%である。この量が少ないと塗工紙の白紙光沢および印刷光沢に劣り、逆に多いと塗工紙の耐ブロッキング性に劣る。
共役ジエン単量体(a)の使用量は、全単量体に対して、5〜20重量%、好ましくは8〜16重量%である。この量が少ないと塗工紙の白紙光沢および印刷光沢に劣り、逆に多いと塗工紙の耐ブロッキング性に劣る。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもできる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。この量が少ないと、乳化共重合の際に粗大凝集物が多量に発生する問題があり、逆に多いと、有機顔料を含むラテックスの粘度が高くなり過ぎて取り扱い難くなったり、白紙光沢が低下したりする。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。この量が少ないと、乳化共重合の際に粗大凝集物が多量に発生する問題があり、逆に多いと、有機顔料を含むラテックスの粘度が高くなり過ぎて取り扱い難くなったり、白紙光沢が低下したりする。
上記の単量体と共重合可能な他の単量体(c)としては、特に制限されるものではないが、例えば、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体,エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体,エチレン性不飽和カルボン酸単量体以外のエチレン性不飽和酸単量体、架橋性単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体以外のエチレン性不飽和酸単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エチル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸などのリン酸基含有単量体;などが挙げられる。
架橋性単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらの他の単量体(c)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの他の単量体(c)のうち、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体が好ましく使用される。
他の単量体(c)の使用量は、全単量体に対して、70〜94.5重量%、好ましくは79〜91重量%である。この使用量が少ないと塗工紙の耐ブロッキング性に劣り、逆に多いと塗工紙の印刷光沢に劣る。
本発明の有機顔料は、前記の単量体混合物100重量部を乳化共重合するに際して、共役ジエン単量体(a1)30〜70重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b1)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c1)20〜69.5重量%からなる単量体混合物(I)0.5〜10重量部を乳化共重合してなる共重合体ラテックスの存在下に、共役ジエン単量体(a2)5〜40重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c2)50〜94.5重量%からなる単量体混合物(II)39.5〜89.5重量部を乳化共重合し、さらに続いて、共役ジエン単量体(a3)0〜15重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c3)75〜99.5重量%からなる単量体混合物(III)10〜60重量部(但し、単量体混合物(I)と単量体混合物(II)と単量体混合物(III)の合計量は100重量部であり、かつ、単量体混合物(I)中の共役ジエン単量体(a1)の含有割合(Wa1:重量%)と、単量体混合物(II)中の共役ジエン単量体(a2)の含有割合(Wa2:重量%)と、単量体混合物(III)中の共役ジエン単量体(a3)の含有割合(Wa3:重量%)と、の関係が、Wa1>Wa2>Wa3を満足する。)を乳化共重合して得られることを特徴とする。
共役ジエン単量体(a1)としては、共役ジエン単量体(a)で例示したものが挙げられる。この使用量は、単量体混合物(I)中の30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。この使用量が少ないと白紙光沢が低下し、逆に多いと耐ブロッキング性に劣る。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b1)としては、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)で例示したものが挙げられる。この使用量は、単量体混合物(I)中の0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。この使用量が少ないと乳化重合時に粗大凝集物が多量に発生する場合があり、逆に多いと本発明の効果が得られ難くなる。
共役ジエン単量体(a1)およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体(b1)と共重合可能な他の単量体(c1)としては、他の単量体(c)で例示したものが挙げられる。他の単量体(c1)の使用量は、単量体混合物(I)中の20〜69.5重量%、好ましくは39〜55重量%である。この使用量が少ないと耐ブロッキング性に劣り、逆に多いと白紙光沢および印刷光沢に劣る。
単量体混合物(I)の使用量は、全単量体混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは1〜6重量部である。この使用量が少ないと白紙光沢に劣り、逆に多いと耐ブロッキング性に劣る。
次いで、前記の単量体混合物(I)を乳化共重合してなる共重合体ラテックスの存在下に、共役ジエン単量体(a2)5〜40重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c2)50〜94.5重量%からなる単量体混合物(II)39.5〜89.5重量部を乳化共重合する。
共役ジエン単量体(a2)としては、共役ジエン単量体(a)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(II)中の5〜40重量%、好ましくは8〜30重量%である。この使用量が少ないと白紙光沢に劣り、逆に多いと耐ブロッキング性に劣る。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)としては、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(II)中の0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。この使用量が少ないと乳化共重合の際に粗大凝集物が多量に発生したり、塗工紙の表面強度を低下させたりする問題があり、逆に多いと、有機顔料を含むラテックスの粘度が高くなり過ぎて取り扱い難くなったり、塗工紙の白紙光沢に劣る。
共役ジエン単量体(a2)およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)と共重合可能な他の単量体(c2)としては、他の単量体(c)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(II)中の67〜94.5重量%、好ましくは69〜87重量%である。この使用量が少ないと耐ブロッキング性に劣り、逆に多いと印刷光沢に劣る。
単量体混合物(II)の使用量は、全単量体100重量部に対して、39.5〜89.5重量部、好ましくは45〜80重量部である。この使用量が少ないと耐ブロッキング性およびインクセット性に劣り、逆に多いと印刷光沢に劣る。
本発明の有機顔料は、単量体混合物(I)を乳化共重合してなる共重合体ラテックスの存在下に、単量体混合物(II)を乳化共重合し、さらに続いて、共役ジエン単量体(a3)0〜15重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c3)75〜99.5重量%からなる単量体混合物(III)10〜60重量部(但し、単量体混合物(I)と単量体混合物(II)と単量体混合物(III)の合計量は100重量部であり、かつ、単量体混合物(I)中の共役ジエン単量体(a1)の含有割合(Wa1:重量%)と、単量体混合物(II)中の共役ジエン単量体(a2)の含有割合(Wa2:重量%)と、単量体混合物(III)中の共役ジエン単量体(a3)の含有割合(Wa3:重量%)と、の関係が、Wa1>Wa2>Wa3を満足する。)を乳化共重合して得られる。
共役ジエン単量体(a3)としては、共役ジエン単量体(a)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(III)中の0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%である。この使用量が多いと耐ブロッキング性に劣る。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)としては、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(III)中の0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。この使用量が少ないと乳化共重合の際に粗大凝集物が多量に発生したり、塗工紙の表面強度を低下させたりする問題があり、逆に多いと、有機顔料を含むラテックスの粘度が高くなり過ぎて取り扱い難くなったり、塗工紙の白紙光沢に劣る。
共役ジエン単量体(a3)およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)と共重合可能な他の単量体(c3)としては、他の単量体(c)で例示したものが挙げられる。その使用量は、単量体混合物(III)中の75〜99.5重量%、好ましくは85〜99重量%である。この使用量が少ないと耐ブロッキング性に劣り、逆に多いと印刷光沢に劣る。
単量体混合物(III)の使用量は、全単量体100重量部に対して、10〜60重量部、好ましくは19〜54重量部である。その使用量が少ないと耐ブロッキング性およびインクセット性に劣り、逆に多いと印刷光沢に劣る。
なお、単量体混合物(I)中の共役ジエン単量体(a1)の含有割合(Wa1:重量%)と、単量体混合物(II)中の共役ジエン単量体(a2)の含有割合(Wa2:重量%)と、単量体混合物(III)中の共役ジエン単量体(a3)の含有割合(Wa3:重量%)と、の関係が、Wa1>Wa2>Wa3を満足することが必須の条件であり、(Wa1−10)>Wa2>(Wa3+5)を満足することが好ましい。
上記の関係を満足することにより、高温カレンダー処理した際の白紙光沢と耐ブロッキング性とのバランスにより優れる塗工紙が得られる。
上記の関係を満足することにより、高温カレンダー処理した際の白紙光沢と耐ブロッキング性とのバランスにより優れる塗工紙が得られる。
前記の単量体混合物を乳化共重合する方法としては、特に限定はなく、乳化重合において従来公知の方法を採用できる。
各段階における単量体の添加方法としては、例えば、使用する単量体を反応器に一括して添加する方法、重合の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の重合転化率まで反応させ、その後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合する方法等が挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させてもよい。
また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応容器に添加してもよい。
また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応容器に添加してもよい。
乳化共重合にあたり、通常用いられる、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、キレート剤、分散剤、脱酸素剤、pH調整剤、無機塩などの重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でも採用することができる。
媒体としては、通常、水が使用される。その使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、80〜300重量部である。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル型、ポリエチレングリコールアルキルエステル型、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル型等のノニオン性乳化剤;アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸塩又はリン酸エステル塩等を、カチオン部分としてアミン塩又は第4級アンモニウム塩等を持つ両性乳化剤等を挙げることができる。なかでも、アニオン性乳化剤が好ましく使用できる。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.15〜1重量部である。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.15〜1重量部である。
重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。なかでも、無機過酸化物が好ましく、過硫酸塩がより好ましく使用できる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。過酸化物は重亜硫酸ナトリウム等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。
重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。
本発明においては、有機顔料のテトラヒドロフラン不溶解分を調節する目的で、分子量調整剤を使用することが好ましい。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもできる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましく使用できる。
分子量調整剤の使用量は、その種類によって異なるが、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.15〜0.7重量部の範囲である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもできる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましく使用できる。
分子量調整剤の使用量は、その種類によって異なるが、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.15〜0.7重量部の範囲である。
前記の製造方法における各段階の乳化共重合は、同一の反応容器内で行なっても、前段階の乳化共重合で得られた共重合体ラテックスを別の反応容器に移送した後、その反応容器内で次の段階の乳化共重合を行なってもよい。
重合温度は特に限定されないが、通常、0〜100℃、好ましくは40〜90℃である。
重合を開始した後、所定の重合転化率で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加し足りして、重合反応を停止する。重合反応を停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
重合を開始した後、所定の重合転化率で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加し足りして、重合反応を停止する。重合反応を停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
以上のようにして乳化共重合した後、所望により、未反応単量体を除去して、有機顔料を含有するラテックスを得る。該ラテックスから、水分を除去して、固形状の有機顔料を取得することも可能であるが、後述する紙塗工用組成物に適用する場合には、通常、ラテックス状態で用いる。
本発明の有機顔料の体積平均粒子径は、150〜400nm、好ましくは180〜320nmである。この粒子径が小さすぎても大きすぎても、塗工紙の白紙光沢とインクセット性のバランスが低下する。なお、この粒子径は、例えば、乳化剤および重合開始剤の種類や使用量を適宜選択して、所望の値に制御できる。
有機顔料を含有するラテックスには、さらに、必要に応じて、分散剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、抗菌剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を配合することができる。これらは種類、使用量とも特に限定されない。
本発明の有機顔料のガラス転移温度は、好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜90℃である。ガラス転移温度が上記範囲にあると、白紙光沢と耐ブロッキング性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
本発明の有機顔料のテトラヒドロフラン不溶解分は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50〜95重量%である。この量が少なすぎると、塗工紙のインクセット性および耐ブロッキング性が低下する傾向にある。逆にテトラヒドロフラン不溶解分が多すぎると、印刷光沢が低下したり、表面強度が低下したりする傾向にある。
(紙塗工用組成物)
本発明の紙塗工用組成物は、前記の有機顔料を含有するものである。
本発明の紙塗工用組成物は、好ましくは、前記の有機顔料3〜50重量部を含む顔料100重量部に、接着剤として、ガラス転移温度−50〜+25℃の共重合体ラテックスを、固形分換算で、3〜20重量部を配合してなるものである。
本発明の紙塗工用組成物は、前記の有機顔料を含有するものである。
本発明の紙塗工用組成物は、好ましくは、前記の有機顔料3〜50重量部を含む顔料100重量部に、接着剤として、ガラス転移温度−50〜+25℃の共重合体ラテックスを、固形分換算で、3〜20重量部を配合してなるものである。
本発明の有機顔料と組み合わせて用いる顔料としては、例えば、バインダーピグメント、プラスチックピグメント、中空重合体粒子などの前記した有機顔料以外の有機顔料;クレイ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、シリカ、雲母などの無機顔料;が挙げられる。これらの中でも、無機顔料が好ましく、特にクレイおよび炭酸カルシウムが好ましく使用される。
顔料中の本発明の有機顔料の含有量は、全顔料100重量部に対して、好ましくは3〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。この含有量が少なすぎると、塗工紙の白紙光沢および印刷光沢に劣る傾向にあり、逆に多すぎると塗工紙の耐ブロッキング性に劣る傾向にある。
顔料中の本発明の有機顔料の含有量は、全顔料100重量部に対して、好ましくは3〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。この含有量が少なすぎると、塗工紙の白紙光沢および印刷光沢に劣る傾向にあり、逆に多すぎると塗工紙の耐ブロッキング性に劣る傾向にある。
接着剤として配合する共重合体ラテックスは、塗工紙の分野で通常使用されるものであれば特に限定されないが、そのガラス転移温度は、−50〜+25℃、好ましくは−40〜+20℃である。ガラス転移温度が、上記範囲にあれば、表面強度と耐ブロッキング性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
また、接着剤として配合する共重合体ラテックスの体積平均粒子径は、好ましくは30〜120nm、より好ましくは50〜110nmである。体積平均粒子径が上記範囲にあれば、表面強度とインクセット性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
また、接着剤として配合する共重合体ラテックスの体積平均粒子径は、好ましくは30〜120nm、より好ましくは50〜110nmである。体積平均粒子径が上記範囲にあれば、表面強度とインクセット性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
接着剤として配合する共重合体ラテックスは、共役ジエン単量体24〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体1〜5重量%、エチレン性不飽和ニトリル単量体5〜25重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体34〜70重量%からなる単量体混合物を乳化共重合したものであることが好ましい。
共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体は、それぞれ、共役ジエン単量体(a)、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)、および、これらと共重合可能な他の単量体(c)において例示したものが使用できる。
共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体は、それぞれ、共役ジエン単量体(a)、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)、および、これらと共重合可能な他の単量体(c)において例示したものが使用できる。
接着剤として配合する共重合体ラテックスの使用量は、全顔料100重量部に対して、3〜20重量部、好ましくは5〜17重量部である。この使用量が少ないと、塗工紙の表面強度が低下する傾向にあり、逆に多いと塗工紙の耐ブロッキング性およびインクセット性が低下する傾向にある。
接着剤として配合する共重合体ラテックスと本発明の有機顔料との重量比は、固形分換算で、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは65/35〜85/15、特に好ましくは50/50〜80/20である。
本発明の紙塗工用組成物には、紙塗工用組成物に一般に使用される水溶性接着剤を併用してもよい。水溶性接着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。水溶性接着剤の使用量は、全顔料100重量部に対して、通常、1重量部以上、好ましくは3〜20重量部である。
本発明の紙塗工用組成物には、必要に応じて、pH調整剤、顔料分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、滑剤、保水性向上剤、流動性改良剤、防腐剤、抗菌剤、有機溶剤などの添加剤を配合することができる。
(塗工紙)
本発明の塗工紙は、前記の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる。
原紙としては、特に限定されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等のパルプからなる原紙を用いることができる。また、原紙として、予めアンダーコート用組成物を塗工してなる塗工紙を用いることもできる。
原紙の坪量は特に限定されないが、通常、洋紙は40〜130g/m2、板紙は160〜420g/m2のものが使用される。
本発明の塗工紙は、前記の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる。
原紙としては、特に限定されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等のパルプからなる原紙を用いることができる。また、原紙として、予めアンダーコート用組成物を塗工してなる塗工紙を用いることもできる。
原紙の坪量は特に限定されないが、通常、洋紙は40〜130g/m2、板紙は160〜420g/m2のものが使用される。
塗工の方法は特に限定されず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用いて塗工することができる。塗工量は、乾燥後の固形分換算で、通常、片面あたり3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/m2になる範囲である。
紙塗工用組成物を原紙に塗工した後、乾燥することにより塗工紙が得られる。乾燥温度は、通常、50℃以上である。
さらに、塗工紙は、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダーなどの仕上げ装置を通すことにより、塗工層表面の平滑性が向上し、より高い白紙光沢を呈するようになる。
本発明の有機顔料は、特にソフトニップカレンダーやグロスカレンダーにより110〜200℃の高温で表面処理した場合においても、塗工紙に、高い白紙光沢及び印刷光沢とともに、良好なインクセット性と耐ブロッキング性を付与することができる。
紙塗工用組成物を原紙に塗工した後、乾燥することにより塗工紙が得られる。乾燥温度は、通常、50℃以上である。
さらに、塗工紙は、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダーなどの仕上げ装置を通すことにより、塗工層表面の平滑性が向上し、より高い白紙光沢を呈するようになる。
本発明の有機顔料は、特にソフトニップカレンダーやグロスカレンダーにより110〜200℃の高温で表面処理した場合においても、塗工紙に、高い白紙光沢及び印刷光沢とともに、良好なインクセット性と耐ブロッキング性を付与することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
評価は下記に示す方法で行なった。
(1)体積平均粒子径
光散乱粒子径測定器(LS230:コールター社)を用いて、有機顔料および共重合体ラテックスの体積平均粒子径を測定した。
(2)テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。該フィルムを、2mm×2mm以下の大きさに切断して試料とした。この試料0.3gを150メッシュの金網のかごに入れて、それを20℃のテトラヒドロフラン100mlに48時間浸漬した後、溶解しないで金網上に残るフィルムを100℃で減圧乾燥し、残存率を計算してTHF不溶解分(%)を求めた。
(3)ガラス転移温度
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
なお、接着剤として用いる共重合体ラテックスのガラス転移温度は、以下のように測定した。
接着剤として用いる共重合体ラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置し、該ラテックスのフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
評価は下記に示す方法で行なった。
(1)体積平均粒子径
光散乱粒子径測定器(LS230:コールター社)を用いて、有機顔料および共重合体ラテックスの体積平均粒子径を測定した。
(2)テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。該フィルムを、2mm×2mm以下の大きさに切断して試料とした。この試料0.3gを150メッシュの金網のかごに入れて、それを20℃のテトラヒドロフラン100mlに48時間浸漬した後、溶解しないで金網上に残るフィルムを100℃で減圧乾燥し、残存率を計算してTHF不溶解分(%)を求めた。
(3)ガラス転移温度
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
なお、接着剤として用いる共重合体ラテックスのガラス転移温度は、以下のように測定した。
接着剤として用いる共重合体ラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置し、該ラテックスのフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
(4)白紙光沢
塗工紙について、グロスメーター(村上色彩社製、GM−26D)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で、塗工紙の光の反射率(%)を測定した。数値は大きい程よい。
(5)印刷光沢
塗工紙に、RI印刷試験機(明石製作所製)を用いて、藍色インキをベタ塗りした後、白紙光沢の測定方法と同じ方法で測定した。数値は大きい程よい。
塗工紙について、グロスメーター(村上色彩社製、GM−26D)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で、塗工紙の光の反射率(%)を測定した。数値は大きい程よい。
(5)印刷光沢
塗工紙に、RI印刷試験機(明石製作所製)を用いて、藍色インキをベタ塗りした後、白紙光沢の測定方法と同じ方法で測定した。数値は大きい程よい。
(6)インクセット性
RI印刷試験機を使用して、印刷インク(東洋インキ社製、マークV藍)0.6cm3を塗工紙にベ
タ刷りした直後、コート紙を重ねて圧着し、ベタ刷り印刷面からコート紙へインクを転移させた。このコート紙へ転移したインクの転移量を、反射濃度計(GRETAG D196D19C;Gretag Macbeth AG社製)で測定し、インク濃度値で示す。この数値が小さい程、インクセット性に優れており、多色印刷に好適であることを示す。
(7)耐ブロッキング性
塗工紙の塗工面に市販の中質紙を重ね、それを160℃、75MPaのグロスカレンダーに3回通した。その後、塗工紙と中質紙を剥離し、塗工面への中質紙の付着度合いを観察した。全く付着していないものを5点、全面に付着しているものを1点とし、塗工面への中質紙の付着度合いにより5点法で採点した。点数が高いほど、耐ブロッキング性に優れている。
RI印刷試験機を使用して、印刷インク(東洋インキ社製、マークV藍)0.6cm3を塗工紙にベ
タ刷りした直後、コート紙を重ねて圧着し、ベタ刷り印刷面からコート紙へインクを転移させた。このコート紙へ転移したインクの転移量を、反射濃度計(GRETAG D196D19C;Gretag Macbeth AG社製)で測定し、インク濃度値で示す。この数値が小さい程、インクセット性に優れており、多色印刷に好適であることを示す。
(7)耐ブロッキング性
塗工紙の塗工面に市販の中質紙を重ね、それを160℃、75MPaのグロスカレンダーに3回通した。その後、塗工紙と中質紙を剥離し、塗工面への中質紙の付着度合いを観察した。全く付着していないものを5点、全面に付着しているものを1点とし、塗工面への中質紙の付着度合いにより5点法で採点した。点数が高いほど、耐ブロッキング性に優れている。
(実施例1)
反応容器(I)に、表1に示す1段目単量体組成の単量体混合物100部、イオン交換水300部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、重炭酸ナトリウム塩0.15部およびt−ドデシルメルカプタン(以下、「TDM」と略し、その使用量は、表1において、各段階の単量体混合物に対する重量割合で示す。)0.15部を添加し、攪拌しながら、55℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を添加して、重合反応を開始し、重合転化率が70%に達した時点で、重合温度を70℃に昇温し、さらに重合反応を継続した。重合反応の開始から10時間反応させたところ、ほぼ定量的に重合反応が完了した。
反応容器(I)に、表1に示す1段目単量体組成の単量体混合物100部、イオン交換水300部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、重炭酸ナトリウム塩0.15部およびt−ドデシルメルカプタン(以下、「TDM」と略し、その使用量は、表1において、各段階の単量体混合物に対する重量割合で示す。)0.15部を添加し、攪拌しながら、55℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を添加して、重合反応を開始し、重合転化率が70%に達した時点で、重合温度を70℃に昇温し、さらに重合反応を継続した。重合反応の開始から10時間反応させたところ、ほぼ定量的に重合反応が完了した。
反応容器(II)に、共重合体量で2部に相当する量の前記で得られた共重合体ラテックスを仕込み、さらに、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1部およびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部を添加し、攪拌しながら、80℃に昇温した。
耐圧容器(I)に、表1に示す2段目の単量体組成の単量体混合物49部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(I)を調製した。
耐圧容器(II)に、表1に示す3段目の単量体組成の単量体混合物49部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(II)を調製した。
耐圧容器(I)に、表1に示す2段目の単量体組成の単量体混合物49部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(I)を調製した。
耐圧容器(II)に、表1に示す3段目の単量体組成の単量体混合物49部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(II)を調製した。
80℃に昇温した反応容器(II)に、過硫酸カリウム0.3部を添加した後、単量体乳化物(I)を、150分間に亘り、反応容器(II)に連続的に添加しながら反応させた。単量体乳化物(I)の連続添加を完了した後、引き続き、単量体乳化物(II)を、150分間に亘り、反応容器(II)に連続的に添加しながら反応させた。なお、単量体乳化物(I)の添加を開始した時点から300分間に亘り、過硫酸カリウム1部を溶解した3%水溶液を反応容器(II)に連続的に添加した。
単量体乳化物(II)の連続添加を完了した後、さらに5時間重合反応を継続し、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加して重合反応を停止した。この時点の重合転化率は98%であった。
単量体乳化物(II)の連続添加を完了した後、さらに5時間重合反応を継続し、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加して重合反応を停止した。この時点の重合転化率は98%であった。
得られた上記の共重合体ラテックスに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ラテックスのpHを8.5に調整した後、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去した。濃縮して、固形分濃度を52%にした後、防腐剤を0.15部添加し、さらに固形分濃度を50%に調整して、有機顔料を含有するラテックスAを得た。このラテックスにおける、有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスB〜Dを得た。該ラテックスB〜Dにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、それらの結果を表1に示す。
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスB〜Dを得た。該ラテックスB〜Dにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、それらの結果を表1に示す。
(比較例1)
反応容器(I)に、表1に示す1段目単量体組成の単量体混合物100部、イオン交換水300部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、重炭酸ナトリウム塩0.15部およびTDM0.15部を添加し、攪拌しながら、55℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を添加して、重合反応を開始し、重合転化率が70%に達した時点で、重合温度を70℃に昇温し、さらに重合反応を継続した。重合反応の開始から10時間反応させたところ、ほぼ定量的に重合反応が完了した。
反応容器(I)に、表1に示す1段目単量体組成の単量体混合物100部、イオン交換水300部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、重炭酸ナトリウム塩0.15部およびTDM0.15部を添加し、攪拌しながら、55℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を添加して、重合反応を開始し、重合転化率が70%に達した時点で、重合温度を70℃に昇温し、さらに重合反応を継続した。重合反応の開始から10時間反応させたところ、ほぼ定量的に重合反応が完了した。
反応容器(II)に、共重合体量で2部に相当する量の前記で得られた共重合体ラテックスを仕込み、さらに、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1部およびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部を添加し、攪拌しながら、80℃に昇温した。
耐圧容器(I)に、表1に示す2段目の単量体組成の単量体混合物98部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(I)を調製した。
耐圧容器(I)に、表1に示す2段目の単量体組成の単量体混合物98部と、該単量体混合物100部に対する量で、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部および炭酸水素ナトリウム塩0.4部と、を添加した後、攪拌して、単量体乳化物(I)を調製した。
80℃に昇温した反応容器(II)に、過硫酸カリウム0.3部を添加した後、単量体乳化物(I)を、300分間に亘り、反応容器(II)に連続的に添加しながら反応させた。なお、単量体乳化物(I)の添加を開始した時点から300分間に亘り、過硫酸カリウム1部を溶解した3%水溶液を反応容器(II)に連続的に添加した。
単量体乳化物(I)の連続添加を完了した後、さらに5時間重合反応を継続し、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加して重合反応を停止した。この時点の重合転化率は98%であった。
単量体乳化物(I)の連続添加を完了した後、さらに5時間重合反応を継続し、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加して重合反応を停止した。この時点の重合転化率は98%であった。
得られた上記の共重合体ラテックスに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ラテックスのpHを8.5に調整した後、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去した。濃縮して、固形分濃度を52%にした後、防腐剤を0.15部添加し、さらに固形分濃度を50%に調整して、有機顔料を含有するラテックスEを得た。このラテックスにおける、有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
表1に示す重合処方に変更する以外は、比較例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスFを得た。該ラテックスFにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
表1に示す重合処方に変更する以外は、比較例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスFを得た。該ラテックスFにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例3および4)
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスGおよびHを得た。該ラテックスGおよびHにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、それらの結果を表1に示す。
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含むラテックスGおよびHを得た。該ラテックスGおよびHにおける有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、それらの結果を表1に示す。
(合成例1)
耐圧容器に、イオン交換水40部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、スチレン24部、1,3−ブタジエン40部、メタクリル酸メチル14部、アクリロニトリル18部、アクリル酸2部、アクリルアミド1部、t−ドデシルメルカプタン0.7部、α−メチルスチレンダイマー1部を添加し、攪拌して単量体乳化物を得た。
耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン38%、1,3−ブタジエン30%、メタクリル酸メチル28%およびメタクリル酸4%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られた体積平均粒子径35nmの共重合体ラテックス)を固形分換算で4部、イオン交換水60部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、イタコン酸1部、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩0.05部を添加した後、攪拌しながら、80℃に昇温した。
過硫酸カリウム1部を含む3%過硫酸カリウム水溶液を、210分間に亘り、反応器に連続添加した。過硫酸カリウム水溶液の添加を開始した時点から210分間に亘り、上記の単量体乳化物を、反応器に連続的に添加しながら乳化共重合を行なった。
耐圧容器に、イオン交換水40部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、スチレン24部、1,3−ブタジエン40部、メタクリル酸メチル14部、アクリロニトリル18部、アクリル酸2部、アクリルアミド1部、t−ドデシルメルカプタン0.7部、α−メチルスチレンダイマー1部を添加し、攪拌して単量体乳化物を得た。
耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン38%、1,3−ブタジエン30%、メタクリル酸メチル28%およびメタクリル酸4%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られた体積平均粒子径35nmの共重合体ラテックス)を固形分換算で4部、イオン交換水60部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、イタコン酸1部、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩0.05部を添加した後、攪拌しながら、80℃に昇温した。
過硫酸カリウム1部を含む3%過硫酸カリウム水溶液を、210分間に亘り、反応器に連続添加した。過硫酸カリウム水溶液の添加を開始した時点から210分間に亘り、上記の単量体乳化物を、反応器に連続的に添加しながら乳化共重合を行なった。
単量体乳化物の添加を完了した後、さらに85℃で反応を6時間継続した。
重合系を冷却して重合反応を停止した後、水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去し、接着剤用共重合体ラテックスを得た。この共重合体ラテックスのガラス転移温度は0℃、体積平均粒子径は80nmであった。
重合系を冷却して重合反応を停止した後、水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去し、接着剤用共重合体ラテックスを得た。この共重合体ラテックスのガラス転移温度は0℃、体積平均粒子径は80nmであった。
(実施例5)
表2に示す配合処方に基づき、アンダーコート用組成物および紙塗工用組成物を調製した。なお、紙塗工用組成物における有機顔料は、ラテックスAを用いた。
表2に示す配合処方に基づき、アンダーコート用組成物および紙塗工用組成物を調製した。なお、紙塗工用組成物における有機顔料は、ラテックスAを用いた。
コート白ボール用原紙(310g/m2)に、アンダーコート用組成物を、乾燥後の固形分量で片面あたり10g/m2になるようにブレード塗工し、160℃の熱風で10秒間乾燥した。次いで、紙塗工用組成物を、乾燥後の固形分で片面あたり10g/m2になるようにブレード塗工し、塗工直後に160℃の熱風で10秒間乾燥した。これを、温度120℃、線圧75MPaのグロスカレンダーに2回通して、塗工紙を得た。
得られた塗工紙について、白紙光沢,印刷光沢,インクセット性および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表3に示す。
得られた塗工紙について、白紙光沢,印刷光沢,インクセット性および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例6〜8および比較例5〜8)
紙塗工用組成物に用いるラテックスAに代えて、ラテックスB〜Hを用いる以外は、実施例5と同様にして、塗工紙を得た。得られた塗工紙について、白紙光沢,印刷光沢,インクセット性および耐ブロッキング性を測定し、それらの結果を表3に示す。
紙塗工用組成物に用いるラテックスAに代えて、ラテックスB〜Hを用いる以外は、実施例5と同様にして、塗工紙を得た。得られた塗工紙について、白紙光沢,印刷光沢,インクセット性および耐ブロッキング性を測定し、それらの結果を表3に示す。
上記の結果から以下のことがわかる。
共役ジエン単量体の使用量が少なく、かつ二段階で乳化共重合して得られた比較例1の有機顔料を用いると、塗工紙の印刷光沢が著しく低下する(比較例5)。
二段階で乳化共重合して得られた比較例2の有機顔料を用いると、塗工紙のインクセット性が低下し、耐ブロッキング性に劣る(比較例6)。
三段階で乳化共重合するものの、2段目において共役ジエン単量体を使用しないで得られた比較例3の有機顔料を用いると、塗工紙のインクセット性および耐ブロッキング性に劣る(比較例7)。
体積平均粒子径が小さい比較例4の有機顔料を用いると、塗工紙の白紙光沢、インクセット性および耐ブロッキング性に劣る(比較例8)。
共役ジエン単量体の使用量が少なく、かつ二段階で乳化共重合して得られた比較例1の有機顔料を用いると、塗工紙の印刷光沢が著しく低下する(比較例5)。
二段階で乳化共重合して得られた比較例2の有機顔料を用いると、塗工紙のインクセット性が低下し、耐ブロッキング性に劣る(比較例6)。
三段階で乳化共重合するものの、2段目において共役ジエン単量体を使用しないで得られた比較例3の有機顔料を用いると、塗工紙のインクセット性および耐ブロッキング性に劣る(比較例7)。
体積平均粒子径が小さい比較例4の有機顔料を用いると、塗工紙の白紙光沢、インクセット性および耐ブロッキング性に劣る(比較例8)。
これらの比較例に対して、実施例1〜4の有機顔料を用いると、白紙光沢および印刷光沢が向上するとともに、インクセット性が良好であり、かつ高温でのカレンダー処理においても優れた耐ブロッキング性を有する塗工紙が得られている(実施例5〜8)。
本発明の有機顔料は、白紙光沢および印刷光沢を向上させるとともに、インクセット性及び耐ブロッキング性の双方を高いレベルで改良した塗工紙を与えるので、洋紙や板紙など各種原紙の塗工に好適に用いることができ、その結果として品質のよい塗工紙を提供することができる。
Claims (6)
- 共役ジエン単量体(a)5〜20重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c)94.5〜70重量%からなる単量体混合物100重量部を乳化共重合して得られる、体積平均粒子径が150〜400nmの有機顔料であって、共役ジエン単量体(a1)30〜70重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b1)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c1)20〜69.5重量%からなる単量体混合物(I)0.5〜10重量部を乳化共重合してなる共重合体ラテックスの存在下に、共役ジエン単量体(a2)5〜40重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b2)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c2)50〜94.5重量%からなる単量体混合物(II)39.5〜89.5重量部を乳化共重合し、さらに続いて、共役ジエン単量体(a3)0〜15重量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体(b3)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体(c3)75〜99.5重量%からなる単量体混合物(III)10〜60重量部(但し、単量体混合物(I)と単量体混合物(II)と単量体混合物(III)の合計量は100重量部であり、かつ、単量体混合物(I)中の共役ジエン単量体(a1)の含有割合(Wa1:重量%)と、単量体混合物(II)中の共役ジエン単量体(a2)の含有割合(Wa2:重量%)と、単量体混合物(III)中の共役ジエン単量体(a3)の含有割合(Wa3:重量%)との関係が、Wa1>Wa2>Wa3を満足する。)を乳化共重合して得られることを特徴とする有機顔料。
- 請求項1記載の有機顔料を含有する紙塗工用組成物。
- 請求項1記載の有機顔料3〜50重量部を含有する顔料100重量部に、接着剤として、ガラス転移温度−50〜+25℃の共重合体ラテックス3〜20重量部(固形分換算)を配合してなる紙塗工用組成物。
- 共重合体ラテックスの体積平均粒子径が30〜120nmである請求項3記載の紙塗工用組成物。
- 有機顔料と共重合体ラテックスとの重量比が、固形分換算で、20/80〜90/10である請求項3記載の紙塗工用組成物。
- 請求項2〜5のいずれか一に記載の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙。
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