JP5034284B2 - 顔料分散液及び該顔料分散液を含有する塗被紙用組成物 - Google Patents
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1. 平均粒子径0.3〜3.0μmの中空重合体粒子(A)、共役ジエン系単量体単位の含有量が7〜16重量%である平均粒子径0.06〜1.5μmの密実重合体粒子(B)、および共役ジエン系単量体単位の含有量が25〜55重量%である平均粒子径0.13μm以下の密実重合体粒子(C)とを含有してなる顔料分散液であって、該密実重合体粒子(C)は、イオン交換水及び10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度50重量%、pH8.5に調整した粘度測定用サンプルとした場合、B型粘度計により測定した該粘度測定用サンプルの粘度が200mPa・s以上の粘度を有する密実重合体粒子(C)である顔料分散液。
2. 前記中空重合体粒子(A)、前記密実重合体粒子(B)および前記密実重合体粒子(C)のそれぞれの固形分比率が、中空重合体粒子(A)20〜78重量%、密実重合体粒子(B)20〜78重量%、および密実重合体粒子(C)2〜35重量%である前記1記載の顔料分散液。
3.pHが8〜10である前記1または2に記載の顔料分散液。
4.前記1乃至3のいずれか1項に記載の顔料分散液を含有してなる塗被紙用組成物。
本発明の顔料分散液は、平均粒子径0.3〜3.0μmの中空重合体粒子(A)、共役ジエン系単量体単位の含有量が7〜16重量%である平均粒子径0.06〜1.5μmの密実重合体粒子(B)、および共役ジエン系単量体単位の含有量が25〜55重量%である平均粒子径0.13μm以下の密実重合体粒子(C)とを含有してなる顔料分散液であって、該密実重合体粒子(C)は、イオン交換水及び10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度50重量%、pH8.5に調整した粘度測定用サンプルとした場合、B型粘度計により測定した該粘度測定用サンプルの粘度が200mPa・s以上の粘度を有する密実重合体粒子(C)である顔料分散液であることを特徴とする。
本発明で用いる中空粒子(A)は、平均粒子径0.3〜3.0μmであり、有機単量体を重合して得られる、内部に空隙を有する高分子粒子である。中空粒子(A)は、無機顔料、非中空重合体粒子即ち密実重合体粒子に比べて比重が小さいので塗被紙用組成物の被覆性を向上させ、不透明度の高い嵩高の塗被紙を得るのに有効である。また、中空粒子(A)は易変形性に富むため塗被紙表面は小さな加圧で平滑化されるので高い白紙光沢を容易に得ることが可能である。
中空粒子(A)の平均粒子径が小さすぎると得られる塗被紙の白色度、白紙光沢、不透明度、平滑性および印刷光沢が低下する傾向にあり、逆に、大きすぎると塗被紙用組成物の流動性が低下する傾向にある。
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(1)重合体粒子中に発泡剤を含有するラテックスの前記発泡剤を発泡させる方法、(2)重合体粒子中にブタン等の揮発性物質が封入されたラテックスの前記揮発性物質をガス化膨脹させる方法、(3)重合体粒子を溶融させ、これに空気等の気体ジェットを吹付け、気泡を封入する方法、(4)重合体粒子の内部にアルカリ膨潤性の物質を含有させておき、この粒子にアルカリ性液体を浸透させてアルカリ膨潤性の物質を膨脹させる方法、(5)ポリメチルメタクリレートの種粒子の存在下にスチレンを乳化重合する方法、(6)重合性モノマー成分を水中に微分散させて水中油滴型エマルジョンを作成し、重合を行なう方法、(7)架橋性モノマーと親水性モノマーを含む重合性モノマーを、このモノマー組成とは異なるモノマーから重合された異種ポリマーの微粒子存在下に水性重合する方法。
これらの中でも(4)(特開平10−182761号報参照)の方法が好ましい。
中空重合体粒子の平均粒子径を本発明で規定する範囲にする方法は特に限定はなく、乳化重合において従来公知の方法を採用でき、例えば、乳化重合に用いる乳化剤の種類と量を適宜選択する方法が挙げられる。
顔料分散液に用いる密実重合体粒子(B)(以降、密実粒子(B)と略記する場合がある。)は、共役ジエン系単量体単位の含有量が5〜20重量%であることが必須であり、6〜18重量%が好ましく、7〜16重量%がより好ましい。本発明では、7〜16重量%である。共役ジエン系単量体単位の量が少な過ぎると塗被紙の印刷光沢及びドライピック強度に劣り、逆に多過ぎると塗被紙の白紙光沢、白色度及び不透明度に劣る。
共役ジエン系単量体の使用量は、全単量体混合物の5〜20重量%であり、好ましくは6〜18重量%、さらに好ましくは7〜16重量%である。共役ジエン系単量体の量が少な過ぎると塗被紙の印刷光沢及びドライピック強度に劣り、逆に多過ぎると塗被紙の白紙光沢、白色度及び不透明度に劣る場合がある。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。この量が少な過ぎると、乳化重合の際に粗大凝集物が多量に発生する問題があり、逆に多過ぎる、密実粒子(B)を含む顔料分散液の粘度が高くなり過ぎて取り扱い難くなったり、白紙光沢が低下したりする場合がある。
乳化剤の使用量は、重合に使用する単量体混合物全量100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
重合開始剤の使用量は、重合に使用する単量体混合物全量100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部であり、好ましくは0.3〜2重量部である。
分子量調整剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマー、メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素、含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもできる。これらの分子量調整剤の中でも、メルカプタン類およびα−メチルスチレンダイマーを併用することが好ましく、メルカプタン類としては、t−ドデシルメルカプタンが好ましく使用できる。
分子量調整剤の使用量は、重合に使用する単量体混合物全量100重量部あたり、通常、0.5〜5重量部、好ましくは1〜4重量部である。
重合を開始した後、所定の重合転化率で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合反応を停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
顔料分散液は、共役ジエン系単量体単位の含有量が20重量%より多く、固形分濃度50重量%において、B型粘度計で測定した粘度が200mPa・s以上である平均粒子計0.13μm以下の密実重合体粒子(C)(以降、密実粒子(C)と略記する場合がある。)をさらに含有してなることが好ましい。
この粘度が前記範囲にあると、顔料分散液の耐沈降性に優れ、塗被紙用組成物の流動性が良好であり、得られる塗被紙のドライピック強度にも優れる。
単量体の種類としては、親水性の高い単量体の使用量を調整する方法が挙げられ、なかでも、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の種類と量を調整する方法が挙げられる。
エチレン性不飽和酸単量体の量としては、1〜15重量%であることが好ましく、2〜13重量%がさらに好ましく、3〜10重量%が特に好ましい。
この粒子径を前記範囲に調整する方法は特に限定されず、前記密実粒子(B)の粒子径を調整する方法と同様の、従来公知の方法により所望の値に制御することができる。
本発明の顔料分散液が密実重合体粒子(C)を含有する場合における、中空粒子(A)、密実粒子(B)及び(C)の含有量は、それぞれ特定の固形分比率であることが好ましい。中空粒子(A)の顔料分散液中の固形分比率は、好ましくは20〜78重量%、より好ましくは20〜75重量%であり、特に好ましくは20〜70重量%である。密実粒子(B)の固形分比率は、好ましくは20〜78重量%であり、より好ましくは20〜75重量%であり、特に好ましくは20〜70重量%である。密実粒子(C)の固形分比率は、好ましくは2〜35重量%であり、より好ましくは5〜30重量%であり、特に好ましくは10〜25重量%である。
塗被紙用組成物は、前記の中空粒子(A)及び密実粒子(B)を含有してなる顔料分散液を含んでなるものであり、前記顔料分散液はさらに密実粒子(C)を含んでなるものであることが好ましい。本発明の塗被紙用組成物は、前記の中空粒子(A)、密実粒子(B)及び密実粒子(C)を含有してなる顔料分散液を含んでなるものである。
本発明の塗被紙用組成物はまた、前記顔料分散液に、バインダーを含有してなるものが好ましく、さらに無機顔料を含んでなるものがより好ましい。
原紙としては、特に限定されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等のパルプからなる原紙を用いることができる。また、原紙の坪量は特に限定されず、通常、40〜220g/m2である。
前記方法によって得られた塗被紙は、必要に応じてカレンダー処理を経て仕上げられることにより、白紙光沢をより高くすることができる。カレンダー処理をする際の装置は特に限定されるものではなく、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等の各種カレンダー装置により処理される。カレンダーの条件は、特に限定されず、通常、30〜200℃、線圧50〜200kg/cm2である。
透過型電子顕微鏡を用いて中空粒子又は密実粒子のそれぞれ200個につき各々の最大粒子径を測定し、それらを算術平均して重量平均粒子径を求めた。
得られた密実粒子を、イオン交換水及び10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度50%、pH8.5に調整して粘度測定用サンプルとし、B型粘度計(株式会社東京計器製)で密実粒子の分散液の粘度を測定する。
100mlメスシリンダーに顔料分散液を100ml入れ、30日間静置する。次いで、注射器を用いて、顔料分散液の上端面より3mmの位置から顔料分散液を1.5ml採取し、上部の固形分濃度を測定する。静置後の上部の固形分濃度と、該顔料分散液全体の固形分濃度との差の絶対値を下記の基準で評価する。この差が小さいほど耐沈降性に優れる。
0.1未満 :◎
0.4%未満 :○
1.0%未満 :△
1%以上 :×
固形分濃度62%の塗被紙用組成物の高シア下における粘度であるハイシア粘度を、ハイシア回転粘度計(PM−9000HV:ボブF、エスエムテー社製)を用いて回転数8800rpmで測定した。この値が小さいほど流動性に優れる。
塗被紙について、グロスメーター(GM−26D、村上色彩社製)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で塗被紙表面の光の反射率(%)を測定した。数値が大きい程白紙光沢に優れている。
JIS P8148−1993規定の方法により、分光色彩白色度計(PF10:日本電色工業社製)を用いてISO白色度を測定した(単位:%)。数値が大きい方が白色度に優れている。
JIS P8138−1976規定の方法により、分光色彩白色度計(PF10:日本電色工業社製)を用いて測定した(単位:%)。数値が大きい程不透明度に優れている。
JIS B 0601規定の方法により、万能表面形状測定器(SE−3C:株式会社小坂研究所製)を用いて測定した(単位:μm)。数値が小さい程平滑性に優れている。
藍、紅及び黄の三色のプロセスインク(東洋インク社製、TKマークV)を各々異なるゴムロールに付着させたRIテスターを用いて、塗被紙にべた刷りし、20℃、65%R.H.の恒温恒湿室に24時間放置した後、光沢度計(GM−26D:村上色彩技術研究所製)を用いて入射角60度の条件で光沢度を測定した。数値が高いほど印刷光沢に優れる。
印刷インク(タック値20)0.4cm3をRIテスター(明石製作所製)のゴムロールに付着させた後、このRIテスターを用いて塗被紙に4回重ね刷りした。紙面の剥がれ(ピッキング)状態を観察して剥がれがないものを5点とした、5点法で評価した。点数の高いものほどドライピック強度が高い。
(製造例1)
攪拌装置を備えた耐圧容器に、メタクリル酸メチル(MMA)50部、アクリル酸ブチル(BA)10部、メタクリル酸(MAA)40部、界面活性剤1としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基C12H35、エチレンオキサイド付加数18)0.9部、トリポリリン酸ナトリウム0.15部およびイオン交換水80部を攪拌して、芯重合体形成用の単量体混合物(a)の乳化物を調製した。
攪拌装置を備えた耐圧反応器に、イオン交換水40部およびシードラテックス(体積平均粒径82nmのメタクリル酸メチル重合体粒子)0.28部を添加し、85℃に昇温した。
次いで、過硫酸カリウム3%水溶液1.63部を添加し、上記の乳化物の7%を、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した後、さらに1時間反応させた。
その後、イオン交換水250部および過硫酸カリウム3%水溶液18.6部を添加し、反応温度を85℃に維持しながら、上記の乳化物の残部を、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した。単量体乳化物の連続添加を完了した後、さらに2時間反応を継続して、アルカリ膨潤性物質である芯重合体を得た。重合転化率は99%であった。
攪拌装置を備えた耐圧反応器に、イオン交換水130部および上記の芯重合体7部を含有する水性分散液を添加し、85℃に昇温した。
次いで、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し、上記の単量体混合物(b)の乳化物を20分間に亘り、反応器に連続的に添加した。その後、上記単量体混合物(c)の乳化物を120分間に亘り反応器に連続的に添加した。
単量体混合物(c)の乳化物の連続添加を完了した直後、5%アンモニア水25部を添加し、反応温度を90℃に上昇させた。1時間塩基処理して前記芯重合体を膨潤させ、内部に水を吸収させて水含有空隙を形成させた後、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し、さらに2時間反応を継続した。重合転化率は99%であった。
重合系を室温まで冷却して、中空重合体粒子A1を含有する水性分散液を得た。
得られた中空重合体粒子(A1)の重量平均粒子径は1.0μm、空隙率は50%、中空重合体粒子(A1)の水分散液の固形分濃度は26.5%であった。
製造例1において、シードラテックスの使用量を0.28部に代えて、4.5部に変更した以外は、製造例1と同様にして、平均粒子径0.5μm、空隙率50%である中空重合体粒子(A2)を得た。
(製造例3)
攪拌装置を備えた耐圧反応容器に、スチレン40部、ブタジエン55部、イタコン酸3部、メタクリル酸2部からなる単量体(d)、及びt−ドデシルメルカプタン0.15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部、過硫酸カリウム0.3部及びイオン交換水150部を仕込んだ後、攪拌しながら60℃に加熱し、60℃を維持して重合した。次に重合転化率が70%を越えた時点で70℃に加熱し、70℃を維持して重合を続けた。60℃に加熱した時から12時間経過後、室温に冷却して重合体を得た。重合体の重合転化率は96%以上であった。
次に、別の装置を備えた耐圧反応容器にイオン交換水50部、前記重合体の15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1部、過硫酸カリウム0.51部を仕込み、80℃に加熱した。次に、反応容器内を80℃に維持した状態で、スチレン75部、ブタジエン5部、メタクリル酸メチル14部及びメタクリル酸6部からなる単量体(e)、及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.16部と、イオン交換水50部とからなる乳化物を4時間かけて連続的に反応容器に添加した。乳化物の添加終了後、さらに4時間重合させ、室温に冷却して密実重合体粒子(B1)の水分散液を得た。単量体(e)の重合における重合転化率は96%以上であった。密実重合体粒子(B1)のテトラヒドロフラン不溶解分は65%であった。
製造例3における単量体組成を表1に示すように変更した以外は、製造例3と同様に密実重合体粒子(B2)を製造した。
製造例3における単量体組成を表1に示すように変更した以外は、製造例4と同様に密実重合体粒子(B3)を製造した。
(製造例6)
撹拌装置を備えた耐圧容器に、イオン交換水27部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.2部、スチレン33部、メタクリル酸メチル10部、アクリロニトリル15部、1,3−ブタジエン39部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン(以降、「TDM」と略記する場合がある。)0.7部およびα−メチルスチレンダイマー(以降、「MSD」と略記する場合がある。)1部を添加し、撹拌して単量体混合物(f)を調製した。
撹拌装置を備えた耐圧反応器に、イオン交換水95部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1.2部、イタコン酸1部、および過硫酸カリウム0.4部を添加し、撹拌しながら65℃に昇温した。
重合温度を65℃に保持しながら、上記の単量体混合物(f)を、270分間に亘り、反応容器に連続的に添加した。単量体混合物(f)の添加を完了した後、重合温度を80℃に昇温して、重合転化率が96%に達するまで反応した。その後、室温まで冷却して重合反応を停止した。
製造例4において、単量体組成のブタジエンをスチレンに変更した以外は、製造例4と同様にして、平均粒子径0.2μmである密実重合体粒子(D1)を得た。
製造例1で製造した中空粒子(A1)と製造例3で製造した密実粒子(B1)を、固形分比率が50/50になるように混合して、固形分濃度35%の顔料分散液Iを得た。得られた顔料分散液の耐沈降性を測定し、その結果を表2に示す。
カオリンクレイ(アストラコート:イメリスミネラルズ・ジャパン社製)60部と炭酸カルシウム(FMT90:ファイマテック社製)40部とからなる無機顔料100部に、滑剤としてステアリン酸カルシウム(ノプコートC−104HS:サンノプコ社製)0.5部、燐酸エステル化澱粉(MS−4600:日本食品化工社製)2部、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Nipol LX407F:日本ゼオン社製)9部を添加後、顔料分散液Iを固形分で8部とイオン交換水とを加えて混合・攪拌して固形分濃度62%の塗被紙用組成物Iを得た。
次に、得られた塗被紙用組成物を坪量65g/m2原紙上に、片面10g/m2にて両面塗布し、120℃で乾燥して塗被紙を得た。塗被紙用組成物の流動性、塗被紙の白紙光沢、白色度、不透明度、平滑性、印刷光沢及びドライピック強度を試験、評価した。その結果を表2に記載する。
参考例1で用いた中空重合体粒子(A1)の代わりに、中空重合体粒子(A2)を使用した以外は、参考例1と同様にして顔料分散液IIを得、各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
参考例1で用いた密実重合体粒子(B1)の代わりに、密実重合体粒子(B2)を使用した以外は、参考例1と同様にして顔料分散液IIIを得、各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
中空重合体粒子(A1)、密実重合体粒子(B1)及び密実重合体粒子(C1)のそれぞれの固形分の比率を、50/25/25になるように混合して、固形分濃度35%の顔料分散液IVを得た。得られた顔料分散液IVの耐沈降性を測定し、その結果を表2に示す。
参考例1で用いた顔料分散液Iの代わりに、顔料分散液IVを使用した以外は、参考例1と同様にして各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
実施例1で用いた中空重合体粒子(A1)の代わりに、中空重合体粒子(A2)を使用した以外は、実施例1と同様にして顔料分散液Vを得、各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
製造例1で製造した中空重合体粒子(A1)を単独で用いて、密実重合体粒子を含まない比較顔料分散液Iを得た。参考例1で用いた顔料分散液Iの代わりに、比較顔料分散液Iを使用した以外は、参考例1と同様にして各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
密実重合体粒子(B1)と密実重合体粒子(C1)の固形分の比率が50/50になるように混合して、固形分濃度50%の比較顔料分散液IIを得た。得られた比較顔料分散液IIの耐沈降性を測定し、その結果を表2に示す。
また、参考例1で用いた顔料分散液Iの代わりに、比較顔料分散液IIを使用した以外は、参考例1と同様にして各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
中空重合体粒子(A1)と密実重合体粒子(D1)の固形分の比率が50/50になるように混合して、固形分濃度35%の比較顔料分散液IIIを得た。得られた比較顔料分散液IIIの耐沈降性を測定し、その結果を表2に示す。
また、参考例1で用いた顔料分散液Iの代わりに、比較顔料分散液IIIを使用した以外は、参考例1と同様にして各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
中空重合体粒子(A1)と密実重合体粒子(B3)の固形分の比率が50/50になるように混合して、固形分濃度35%の比較顔料分散液IVを得た。得られた比較顔料分散液IVの耐沈降性を測定し、その結果を表2に示す。
また、参考例1で用いた顔料分散液Iの代わりに、比較顔料分散液IVを使用した以外は、参考例1と同様にして各種物性を測定、評価した。その結果を表2に示す。
密実重合体粒子(B)を含まない比較顔料分散液Iは耐沈降性に劣り、塗被紙用組成物の流動性が低く、ドライピック強度にも劣っている(比較例1)。
中空重合体粒子(A)を含まない比較顔料分散液IIは、耐沈降性及び塗被紙用組成物の流動性に優れるものの、得られる塗被紙の白紙光沢、白色度、不透明度及び印刷光沢に劣っている(比較例2)。
共役ジエン系単量体単位を特定量含む密実重合体粒子の代わりに、共役ジエン重合体を含まない密実重合体粒子を含む比較顔料分散液IIIを用いると、ドライピック強度が低下している(比較例3)。
共役ジエン系単量体単位の含有量が本発明規定範囲よりも多い密実重合体粒子(B3)を用いると、白紙光沢、白色度及び不透明度が劣っている。(比較例4)。
これに対し、中空重合体粒子(A)及び密実重合体粒子(B)を含んでなる顔料分散液I〜Vは耐沈降性に優れ、塗被紙用組成物の流動性が良好であり、それを用いて得られた塗被紙は、白紙光沢、白色度、不透明度、平滑性に優れ、且つ印刷光沢及びドライピック強度にも優れている(参考例1〜3、実施例1、2)。
Claims (4)
- 平均粒子径0.3〜3.0μmの中空重合体粒子(A)、共役ジエン系単量体単位の含有量が7〜16重量%である平均粒子径0.06〜1.5μmの密実重合体粒子(B)、および共役ジエン系単量体単位の含有量が25〜55重量%である平均粒子径0.13μm以下の密実重合体粒子(C)とを含有してなる顔料分散液であって、該密実重合体粒子(C)は、イオン交換水及び10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度50重量%、pH8.5に調整した粘度測定用サンプルとした場合、B型粘度計により測定した該粘度測定用サンプルの粘度が200mPa・s以上の粘度を有する密実重合体粒子(C)である顔料分散液。
- 前記中空重合体粒子(A)、前記密実重合体粒子(B)および前記密実重合体粒子(C)のそれぞれの固形分比率が、中空重合体粒子(A)20〜78重量%、密実重合体粒子(B)20〜78重量%、および密実重合体粒子(C)2〜35重量%である請求項1記載の顔料分散液。
- pHが8〜10である請求項1または2に記載の顔料分散液。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の顔料分散液を含有してなる塗被紙用組成物。
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