JP3791494B2 - 顔料塗工紙の製造方法及び顔料塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料塗工紙の製造方法及び顔料塗工紙に関する。更に詳しくは、カーテンコーターで塗工紙を製造する場合に、生産性に優れ、かつ塗工欠点が少なく、白紙光沢発現性、印刷光沢発現性等の諸性質に優れる顔料塗工紙の製造方法及び顔料塗工紙に関する。本発明の顔料塗工紙は、オフセット印刷用紙、グラビア印刷用紙、凸版印刷用紙、電子写真用紙、感熱プリンター用紙、熱転写プリンター用紙等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙の外観や印刷適性を改良するために、カオリンや炭酸カルシウム等の白色顔料と水性バインダーを主成分とする組成物を塗工した塗工紙が製造されている。近年、雑誌のビジュアル化や新聞の折り込み広告、チラシ等の増加により、塗工紙の生産量は大きく増加してきた。これらの塗工紙は、今日主にブレードコーター、ゲートロールコーター、メータリングサイズプレスで塗工され製造されている。このような塗工紙を製造するに当たっては、特にコスト面から少ない塗工量でいかに原紙を良好に被覆するかが大きな課題となる。被覆性を良好にするためには、塗料の原紙への押し込みが少なく、塗工層を嵩高にすることが肝要である。しかし、上記のコーターを使用した場合、その機構上、塗工液はかなり原紙に押し込まれ、塗工層は嵩高くなりにくいという問題がある。
【0003】
一方、カーテン塗工は、いわゆる非接触型の塗工方式であるので、塗工液は原紙に押し込まれることはなく、その結果、塗工層は嵩高になり、良好な被覆性を与えることが知られている。また、紙へのストレスがかからないので、塗工時の紙切れが生じにくく、坪量が低く薄い原紙や、添料が多く強度の低い原紙でも塗工が可能である。かかる観点から、塗工方法としてカーテン塗工を用いることにより、塗工紙を製造することが検討されている(例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−247890号公報
【特許文献2】
特開平7−119083号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、カーテン塗工は、ノンカーボン紙やインキジェット紙等の特殊紙の一部に使用されているだけで、一般的な塗工紙の製造に用いられていない。これは、主に次の理由による。
カーテン塗工では、塗料の原紙への押し込みが少ないため、塗料の表面張力と流動性が十分低くないと、原紙の表面を迅速かつ十分に濡らすことができない。そして、原紙の表面が十分に濡れていないと、表面形状の影響を受けて、塗工紙表面に塗工欠点(塗工紙表面において、塗工顔料が塗工されていない微小な空孔)が生じる。得られた塗工紙に塗工欠点があると、白紙面感ムラや印刷ムラ等を引き起こすので好ましくない。塗工欠点は、塗工速度を遅くすれば低減することができるが、生産性を損ない好ましくない。また、塗料の固形分を低くしても、塗工欠点を低減することができるが、乾燥負荷が増大し、乾燥設備の投資が膨大になるので好ましくない。更に、各種の濡れ剤を用いて塗工欠点を改善することも検討されているが、未だ濡れ性が十分なものは見出されていない。
【0006】
また、カーテン塗工は、塗工紙表面の被覆性は良好であるが、ブレード塗工と比較して、表面平滑性、特に低空間周波数領域での表面粗さに劣るという問題がある。これは、ブレード塗工では、ブレードの掻き取りにより、平滑な面を塗工紙上に形成するので、塗工原紙の表面形状の影響をそれほど受けないのに対し、カーテン塗工は、完全な輪郭塗工であることから、原紙の表面形状の影響を強く受けるためである。このため、カーテン塗工で製造した塗工紙は、ブレード塗工で製造した塗工紙よりも白紙光沢、印刷光沢が劣る傾向にある。
以上の問題点に鑑み、ブレード塗工で下塗りをして原紙の平滑性を上げ、カーテンコーター塗工を行うことによって面質を改善しているが(例えば、上記特許文献1及び上記特許文献2)、十分な品質および生産性(固形分濃度と塗工速度)を実現できていない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、カーテンコーターで塗工紙を製造する場合に、生産性に優れ、かつ塗工欠点が少なく、白紙光沢発現性、印刷光沢発現性等の諸性質に優れる顔料塗工紙の製造方法及びかかる優れた諸性質をバランスよく備える顔料塗工紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
[1]塗工原紙の表面に、カーテン塗工方式により顔料(A)を含む塗工用組成物を塗工する顔料塗工紙の製造方法であって、上記塗工原紙は、空間周波数25(1/mm)以下の周波数領域の中心線平均粗さが3μm以下であり、且つ、空間周波数25(1/mm)以上の周波数領域の中心線平均粗さが0.3μm以上であることを特徴とする顔料塗工紙の製造方法。
[2]上記カーテン塗工の塗工速度が600〜2800m/分である上記[1]記載の顔料塗工紙の製造方法。
[3]上記塗工用組成物の固形分が50〜70質量%である上記[1]又は[2]記載の顔料塗工紙の製造方法。
[4]上記塗工用組成物は、更に共重合体ラテックス(B)と、湿潤剤(C)とを含有し、上記顔料(A)全量を100質量部とした場合、上記共重合体ラテックス(B)の固形分含有量は5〜30質量部、上記湿潤剤(C)の含有量は0.01〜2質量部である上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。
[5]上記顔料(A)は、2μm未満の粒子径である成分を95〜99質量%含有する微粒クレー(a1)、2μm未満の粒子径である成分を80〜89質量%含有する高アスペクトクレー(a2)、及びその他の顔料(a3)からなり、上記微粒クレー(a1)及び上記高アスペクトクレー(a2)の含有量の比((a1)/(a2))が1/3〜5/1であり、且つ、上記顔料(A)全量を100質量%とした場合、上記その他の顔料(a3)の含有量が60質量%以下である上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。
[6]上記共重合体ラテックス(B)は、単量体全量を100質量%とした場合、脂肪族共役ジエン系単量体(b1)30〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b2)0.1〜7質量%、及び該脂肪族共役ジエン系単量体(b1)及び該エチレン系不飽和カルボン単量体(b2)と共重合可能な他の単量体(b3)33〜69.9質量%からなる単量体を乳化重合して得られるものである上記[4]又は[5]記載の顔料塗工紙の製造方法。
[7]上記共重合体ラテックス(B)は、平均粒径が50〜150nm、且つトルエン不溶分が60〜99質量%である上記[4]乃至[6]のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。
[8]上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法により得られることを特徴とする顔料塗工紙。
【0009】
【発明の効果】
本発明の顔料塗工紙の製造方法は、上記構成により、不透明度、印刷強度、耐水性、耐印刷モットリング性等をバランス良く備える顔料塗工紙をカーテン塗工方式で効率良く製造することができる。
また、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、塗工速度を600〜2800m/分とすると、生産性を更に向上させることができる。
更に、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、上記塗工用組成物の固形分を50〜70質量%とすると、乾燥負荷を軽減することができる。
また、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、上記塗工用組成物の組成を、上記所定の範囲とすると、白紙光沢、印刷光沢更に優れた塗工紙が得られる。
更に、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、上記塗工用組成物に含まれる上記共重合体ラテックスに用いられる単量体を上記所定のものとすると、接着性が優れた塗工用組成物が得られ、これにより、白紙光沢、印刷光沢更に優れた塗工紙が得られる。
【0010】
本発明の顔料塗工紙は、上記構成により、白紙面感ムラ及び印刷ムラ等がほとんどなく、更に、白紙光沢、印刷光沢が優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)顔料塗工紙の製造方法
本発明の顔料塗工紙の製造方法は、塗工原紙の表面にカーテン塗工方式により顔料を含む塗工用組成物を塗工する。
〔1〕塗工原紙
上記「塗工原紙」に用いられる原料であるパルプの種類は特に限定されず、例えば、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ(DIP)等が挙げられる。また、上記塗工原紙には、内添剤として炭酸カルシウム、クレー及びタルク等の顔料、アルキルケテンダイマー、ロジン酸石鹸及び硫酸バンド等のサイズ剤、カチオン澱粉及びポリアクリルアミド等の紙力増強剤、並びに嵩高剤等を使用することもできる。更に、上記塗工原紙の表面には、サイズプレス、ゲートロールコーター、メータードサイズプレス等を使用して、アクリルアミド又はアクリル−スチレンポリマー等の表面サイズ剤を塗布することもできる。
【0012】
本発明の顔料塗工紙の製造方法では、上記塗工原紙の空間周波数25(1/mm)以下の周波数領域の中心線平均粗さ、及び空間周波数25(1/mm)以上の周波数領域の中心線平均粗さが特定の範囲であることを要する。
塗工原紙の概略断面拡大図を図1に示す。
上記「空間周波数」とは、塗工原紙1を断面方向に切断し、その断面方向から塗工原紙を見た場合に、単位長さ(1mm)中、上記塗工原紙1の表面を構成する曲線f(以下、これを「表面粗さ曲線f」という。)の周期的パターンの繰り返し回数をいう。これは、Zygo社製「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」等を用いて測定することができる。
【0013】
また、上記表面粗さ曲線fは、任意の空間周波数の曲線が重なり合って構成されるものである。その概略を図1に基づいて説明すると、任意の空間周波数の曲線として、上記塗工原紙1の表面粗さ曲線fの曲線を構成する更に細かい曲線(例えば、図1のf1)が存在し、このような複数の曲線が重なり合うことにより、塗工原紙1の表面粗さ曲線fを構成している。そして、上記「空間周波数が25(1/mm)以下の周波数領域」とは、上記表面粗さ曲線fを空間周波数毎に分解したときに、空間周波数が25(1/mm)以下となる周波数領域のことを意味し、上記「空間周波数が25(1/mm)以上の周波数領域」とは、この表面粗さ曲線を空間周波数毎に分解したときに、空間周波数が25(1/mm)以上となる周波数領域のことを意味する。この表面粗さ曲線の分解は、Zygo社製「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」に付属した解析ソフト(MetroPro Ver.7.6.1)等を用いて高速フーリエ変換することにより行うことができる。
【0014】
更に、上記「中心線平均粗さ」とは、上記表面粗さ曲線fを中心線cから折り返し、その粗さ曲線fと中心線cによって得られた面積を長さLで割った値をμmで表わしたものである。これは、Zygo社製「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」等を用いて測定することができる。上記「中心線平均粗さ」を図に基づいて詳細に説明すると、図2に示すように、上記中心線cと上記表面粗さ曲線fで囲まれる面(A,B,C及びD)の面積と、上記中心線cと上記中心線cで折り返した上記表面粗さ曲線f(点線で表現)で囲まれる面(E,F,G及びH)の面積との合計を、長さLで割った値をμmで表わしたものである。
【0015】
上記塗工原紙の表面における空間周波数25(1/mm)以下の周波数領域の中心線平均粗さ(以下、「Ra1」という。)は、図1に示すように、塗工原紙1の表面粗さ曲線fの粗さの程度、即ち、上記塗工原紙表面の大きい粗さの指標となる数値である。そして、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、上記Ra1は3μm以下、好ましくは2.5μm以下、更に好ましくは2.3μm以下、更に好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.8μm以下、特に好ましくは1.5μm以下である。上記Ra1が3μmを超えると、高固形分の塗工用組成物で高速のカーテン塗工を行った場合に、塗工紙表面の塗工欠点が多くなるので好ましくない。尚、上記Ra1の下限については特に限定はないが、通常は0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上である。
【0016】
また、上記塗工原紙の表面における空間周波数25(1/mm)以上の周波数領域の中心線平均粗さ(以下、「Ra2」という。)は、図1に示すように、塗工原紙1の表面粗さ曲線fの曲線を構成する更に細かい曲線(図1のf1)の粗さの程度、即ち、上記塗工原紙表面の細かい粗さの指標となる数値である。そして、本発明の顔料塗工紙の製造方法において、上記Ra2は0.3μm以上、好ましくは0.4μm以上、より好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.6μm以上である。上記Ra2が0.2μm未満の場合、塗料と原紙の馴染みが悪くなり、カーテン塗工時、特に高速塗工時にパドリング現象(濡れ性の悪さによる表面の荒れ:TAPPI Coating Conference 2001 Proceeding p251)を起こしたり、あるいは、塗料の原紙に対するアンカー効果が低下し、得られた塗工紙の強度が悪化するおそれがあるので好ましくない。尚、上記Ra2の上限については特に限定はないが、通常は4.0μm以下、好ましくは3.0μm以下、更に好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2.0μm以下である。
【0017】
上記Ra1及びRa2の調整方法については特に限定はなく、公知の処理によって平滑性を調節することにより、適宜の範囲に調整することができる。例えば、上記塗工原紙について、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等のカレンダー処理を行い、平滑性をコントロールすることにより、上記Ra1及びRa2を所望の範囲に調整することができる。また、上記塗工原紙について、サイズプレス、ゲートロールコーター、メータードサイズプレス、ブレードコーター、ロッドブレードコーター等を用いて、ピグメント塗工を行って表面平滑性を調整することにより、上記Ra1及びRa2を所望の範囲に調整することができる。
尚、上記Ra1及びRa2は、例えば、上記Zygo社製「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」及び該装置に付属した解析ソフト(MetroPro Ver.7.6.1)等を用いて高速フーリエ変換することにより求めることができる。
【0018】
〔2〕塗工用組成物
本発明の上記塗工用組成物は、カーテン塗工により、上記塗工原紙表面に塗布される組成物である。上記塗工用組成物は通常、顔料(A)を含み、必要に応じて共重合体ラテックス(B)や湿潤剤(C)等の他成分を含有させることができる。
【0019】
▲1▼顔料(A)
上記顔料(A)は、上記塗工原紙を被覆する主成分であり、被覆することができる限り、その種類について限定はない。上記顔料(A)として好ましくは、2μm未満の粒子径である成分を95〜99質量%含有する微粒クレー(a1)(以下、単に「(a1)」という。)、2μm未満の粒子径である成分を80〜89質量%含有する高アスペクトクレー(a2)(以下、単に「(a2)」という。)、及びその他の顔料(a3)(以下、単に「(a3)」という。)からなる顔料が好ましい。尚、(a1)及び(a2)の粒子径分布はTAPPI TESTMETHODS T649cm−90に準じて測定した値である。
【0020】
上記(a1)の例としてはハイドラグロス、ハイドラグロス90、ハイドラグロス92、ハイドララックス91、ヒューバグロス、ヒューバグロス2000、ジャパングロス、ハイドラグレーズ(以上、ヒューバ社製)、ミラーグロス、ミラーグロス91、ミラーグロスJ、ウルトラグロス90(以上エンゲルハード社製)、アルファファイン、DBグレーズ(以上、イメリス社製)、カオファイン、カオファイン90(以上、シール社製)、アマゾンSD、アマゾンプレミアム(以上、カダム社製)等が挙げられる。この中で、特に好ましいのは、アマゾンSD及びアマゾンプレミアムである。上記(a1)は1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0021】
上記(a2)の例としてはカバーグロス、ハイドラプレート(以上、ヒューバ社製)、ニュークレー、ミラクリプスPG、エクリプス650(以上、エンゲルハード社製)、DBプレート(以上イメリス社製)、カオホワイト(以上、シール社製)、カピムNP、カピムDG(以上リオカピム社製)、センチュリーHC(パラピグメント社製)等が挙げられる。この中で特に好ましいのは、カピムNP、カピムDG、センチュリーHCである。上記(a2)は1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0022】
更に、上記(a3)としてはカオリン、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の無機顔料及びポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂、中空ラテックス等の有機顔料等を挙げることができる。上記(a3)は、1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0023】
上記(a1)、(a2)及び(a3)の配合割合は特に限定されないが、質量基準で(a1)/(a2)=1/3〜5/1となるように配合することが好ましい。上記(a1)/(a2)を1/3以上とすることにより、顔料の高速流動性を十分なものとし、塗工欠点が生じることを抑制できるので好ましく、5/1以下とすると、塗工層の被覆性の悪化を抑えることができるので好ましい。また、上記(a3)の配合割合は、上記顔料(A)全量を100質量%とした場合、好ましくは60質量%以下(0質量%であってもよい)であり、特に好ましくは40質量%以下である。上記(a3)の配合割合を上記範囲とすることにより、上記(a1)及び(a2)の配合割合を好適な範囲とすることができ、これにより、塗工欠点の抑制と被覆性の向上のバランスに優れた顔料塗工紙を得ることができるので好ましい。
【0024】
▲2▼共重合体ラテックス(B)
上記塗工用組成物には、上記顔料(A)に加えて、更に共重合体ラテックス(B)を含有させることができる。上記共重合体ラテックス(B)を含有させることにより、顔料(A)同士を接着でき、更に、顔料(A)を塗工原紙に接着でき、印刷時のピッキング、パイリングによる版汚れ、及び、ブランケット汚れを防止することができるので好ましい。
上記共重合体ラテックス(B)の物性については特に限定はない。通常、上記共重合体ラテックス(B)の平均粒径は50〜150nm、好ましくは60〜130nmである。上記平均粒径を50nm以上とすると、粒子を安定化させ、凝集を抑制できるので好ましく、150nm以下とすると、塗膜の強度を向上させることができるので好ましい。また、上記共重合体ラテックス(B)のトルエン不溶分量は、通常60〜99質量%、好ましくは75〜98質量%である。上記トルエン不溶分量を60質量%以上とすると、塗膜の強度を向上させることができるので好ましく、99質量%以下とすると、成膜性を向上させることができる結果、上記塗工原紙と塗膜の接着力を向上させることができるので好ましい。
【0025】
上記共重合体ラテックス(B)の構成については特に限定はなく、種々の重合可能な単量体を選択して重合を行うことにより得られるものとすることができる。上記共重合体ラテックス(B)として好ましくは、脂肪族共役ジエン系単量体(b1)(以下、単に「(b1)」という。)、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b2)(以下、単に「(b2)」という。)、並びに上記(b1)及び上記(b2)と共重合可能な他の単量体(b3)からなる単量体(以下、単に「(b3)」という。)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスである。
【0026】
上記(b1)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。この中で好ましくは1,3−ブタジエンである。上記(b1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記(b2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。上記(b2)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
更に、上記(b3)としては、以下のものが例示される。上記(b3)は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<1>芳香族ビニル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等の1種又は2種以上
<2>アルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上(好ましくはメチルメタアクリレート)、
<3>シアン化ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の1種又は2種以上(好ましくはアクリロニトリル)、
<4>酢酸ビニル
<5>アクリルアミド系化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
<6>N−メチロールアクリルアミド
【0028】
また、上記(b1)、(b2)及び(b3)の混合割合は特に限定されないが、好ましくは上記(b1)30〜60質量%、上記(b2)0.1〜7質量%、且つ上記(b3)33〜69.9質量%(但し、(b1)+(b2)+(b3)の合計が100質量%)であり、より好ましくは上記(b1)35〜55質量%、上記(b2)0.5〜5質量%、及び上記(b3)40〜64.5質量%である。上記(b1)の混合割合を上記範囲とすると、カラー粘度を好適な範囲に維持することができ、また、塗膜の強度を向上させることができるので好ましい。上記(b2)の混合割合を上記範囲とすると、ラテックス粒子の凝集化を抑え、また、ラテックス粘度、カラー粘度を好適な範囲に維持できるので好ましい。更に、上記(b3)の混合割合を上記範囲とすると、上記(b1)及び上記(b2)の混合割合を上記範囲とすることができるので好ましい。
【0029】
上記単量体の乳化重合は、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤等を用いて行うことができる。上記乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が用いられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられる。具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプのもの等が用いられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0030】
上記重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性重合開始剤、これらと還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等を、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。
【0031】
更に、重合の際には、分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質を用いることができる。これらは、公知のものが使用できる。上記分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィド等のキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレン等、通常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0032】
重合方法としては、例えば、単量体の一部を重合した後、その残りを連続的に又は断続的に添加する方法、又は単量体を重合のはじめから連続的に添加する方法等が挙げられる。また、重合温度は、通常、好ましくは20〜85℃、より好ましくは25〜80℃である。更に、重合時間は、通常10〜30時間である。
【0033】
上記塗工用組成物中の上記共重合体ラテックス(B)の含有量は特に限定がなく、要求される性質に応じて種々の範囲とすることができる。上記共重合体ラテックス(B)の含有量は、上記顔料(A)を100質量部とした場合、好ましくは5〜30質量部、更に好ましくは7〜20質量部である。上記共重合体ラテックス(B)の固形分含有量を5質量部以上とすると、上記顔料(A)を十分に接着することができるので好ましく、また、30質量部以下とすると、不透明度、白色度、白紙光沢等を向上させることができるので好ましい。
【0034】
▲3▼湿潤剤(C)
更に、上記塗工用組成物は、湿潤剤(C)を含有させることができる。かかる湿潤剤(C)を含有させることにより、上記塗工原紙表面に対する上記塗工用組成物の濡れ性を向上させ、良好な塗工状態とすることができるので好ましい。上記湿潤剤(C)としては各種界面活性剤が好適に使用できる。該界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩として、脂肪酸又はロジン酸セッケン、N −アシルカルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩、スルホン酸塩(アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、エステルスルホン酸塩、アルキルアリルまたはアルキルナフタレンスルホン酸塩、N −アシルスルホン酸塩、硫酸エステル塩として、硫酸化油、エステル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、及びアミド硫酸塩等の1種又は2種以上)等を挙げることができる。上記界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上併用しても良い。
【0035】
また、上記塗工用組成物中の上記湿潤剤(C)の含有量は特に限定がなく、要求される性質に応じて種々の範囲とすることができる。上記湿潤剤(C)の含有量は、上記顔料(A)を100質量部とした場合、通常0.01〜2質量部、好ましくは0.02〜1質量部とすることができる。上記湿潤剤(C)の含有量を0.01質量部以上とすると、上記塗工用組成物中の上記顔料(A)と上記塗工原紙の馴染みを向上させ、パドリング現象が発生することを抑制することができるので好ましい。また、上記湿潤剤(C)の含有量を2質量部以下とすると、塗工用組成物が原紙へ沈み込むことを抑制し、良好な被覆状態を実現でき、得られる顔料塗工紙の強度を向上させることができるので好ましい。
【0036】
▲4▼その他の添加物
上記塗工用組成物は、更に、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。その他、一般に使用されている種々の配合剤、例えば、消泡剤、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料及びpH調節剤等を任意に配合することができる。
上記消泡剤としては、シリコーン系、シリコーンコンパウンド系、疎水シリカ系、金属石鹸系、ワックス系、ワックスエマルジョン系、ポリエーテル系及びアセチレン化合物系等の各種消泡剤が挙げられ、これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してよい。また、上記消泡剤の含有量は特に限定されないが、上記顔料(A)を100質量部とした場合、0.01〜2質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部とすることができる。
上記耐水性改良剤としては、ジルコニウム化合物系、ポリアミド樹脂系、ポリアミン樹脂系、メラミン樹脂系、ポリアミドポリ尿素樹脂系及びポリアミンポリ尿素樹脂系等の各種耐水性改良材が挙げられ、これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してよい。上記耐水性改良剤の含有量は特に限定されないが、上記顔料(A)を100質量部とした場合、0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部とすることができる。
上記顔料分散剤としては、ポリカルボン酸塩系、ポリ燐酸塩系、ピロ燐酸系塩、ヘキサメタ燐酸塩系、ポリイソプレンスルフォン酸系塩及び縮合ナフタレンスルフォン酸塩系等の各種顔料分散剤が挙げられ、これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、上記顔料分散剤の含有量は特に限定されないが、上記顔料(A)を100質量部とした場合、0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部とすることができる。
上記粘度調節剤としては、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系、変性ポリカルボン酸系、ウレタン変性ポリエーテル系、変性ポリアクリル系、会合性ポリアクリル系等の各種粘度調節剤が挙げられ、これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してよい。また、上記粘度調節剤の含有量は特に限定されないが、上記顔料(A)を100質量部とした場合、0.01〜4質量部、好ましくは0.1〜1質量部とすることができる。
pH調節剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液等が挙げられ、これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上併用してよい。また、上記pH調節剤の含有量は特に限定されないが、上記顔料(A)を100質量部とした場合、0.01〜2質量部、好ましくは0.05〜1質量部とすることができる。
【0037】
上記塗工用組成物の固形分量は特に限定されず、塗工用組成物の種類、性質に応じて種々の範囲とすることができるが、好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%である。上記固形分量を50質量%以上とすると、塗工層のカバーリングを向上させ、面質に優れた顔料塗工紙を効率的に製造することができるので好ましい。また、上記固形分の含有量として好ましくは70質量%以下、更に好ましくは67質量%以下である。かかる範囲とすることにより、カラー粘度の増加を抑制し、得られるカーテン膜を安定化することができるので好ましい。尚、固形分とは加熱蒸発残分のことである。
【0038】
〔3〕塗工方法
本発明では、上記塗工用組成物を、上記塗工原紙の表面にカーテン塗工方式により塗工する。該塗工は上記塗工原紙の片面のみでもよく、両面に行ってもよい。また、本発明では、通常は、上記塗工前に下塗塗膜を設けることなく、上記塗工原紙に直ちにカーテン塗工方式により塗工を行うことができるが、必要に応じて他の前処理を行ってもよい。更に上記カーテン塗工に用いる装置についても特に限定はなく、公知のカーテン塗工装置を用いて行うことができる。
【0039】
上記カーテン塗工の条件についても特に限定はなく、必要に応じて種々の条件を設定した上で行うことができる。例えば、上記カーテン塗工の塗工速度は通常600〜3000m/分、好ましくは600〜2800m/分、更に好ましくは800〜2500m/分、より好ましくは1000〜2500m/分、特に好ましくは1100〜2300m/分である。上記塗工速度を600m/分以上とすると、適正なカーテンフロー量に達してカーテン切れの発生を抑制することができるので好ましく、2800m/分以下とすると、パドリング現象の頻発を抑制することができるので好ましい。
また、上記塗工量についても、得られる顔料塗工紙の性質や塗工用組成物の物性等に応じて適宜調節することができる。塗工原紙片面に対する上記塗工量(乾燥質量基準)としては通常0.1〜50g/m2、好ましくは1〜30g/m2、更に好ましくは3〜25g/m2である。
【0040】
上記塗工後、乾燥することにより、顔料塗工紙を製造する。ここで、得られた顔料塗工紙について、更に、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等のカレンダー処理を行い、平滑性をコントロールしてもよい。
【0041】
(2)顔料塗工紙
本発明の顔料塗工紙は、上記本発明の顔料塗工紙の製造方法により得られる。本発明の顔料塗工紙は、片面のみ塗工を行ったものでもよく、両面とも塗工を行ったものでもよい本発明の顔料塗工紙は、かかる構成を備えることにより、白紙面感ムラ及び印刷ムラ等がほとんどなく、更に、白紙光沢、印刷光沢が優れているという作用効果を奏する。具体的には、後述する実施例記載の方法により評価されるドライピック強度及びウエットピック強度を3.5以上、好ましくは3.9以上、更に好ましくは4.2以上とすることができる。また、後述する実施例記載の方法により評価される白紙光沢を60以上、好ましくは63以上とすることができる。更に、後述する実施例記載の方法により評価される印刷光沢を75以上、好ましくは77以上とすることができる。また、後述する実施例記載の方法により評価される不透明度を87以上、好ましくは90以上とすることができる。更に、後述する実施例記載の方法により評価される白色度を80以上、好ましくは82以上とすることができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
尚、以下において割合を示す「部」及び「%」はそれぞれ質量部および質量%を意味する。
1.共重合体ラテックス(B)の製造
以下の方法により、本実施例で使用した塗工用組成物に含まれる共重合体ラテックス(B)を調製した。
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に、水200部及び過硫酸ナトリウム1部を仕込み、次いで、以下の表1に示す最初の成分を一括で仕込み、60℃で1時間反応させた。その後、以下の表1に示す1段目及び2段目成分を10部/時間の速度で連続的に添加して重合を継続させた。更に、連続添加終了後、6時間にわたって70℃で反応させることにより、共重合体ラテックスB−1〜B−5を調製した。ここで、最終的な重合転化率は98%であった。
得られたB−1〜B−5の各共重合体ラテックスについて、以下の方法により、平均粒子径、トルエン不溶分及びガラス転移点を求めた。その結果を以下の表1に併記する。
【0043】
(a)平均粒子径(nm)
大塚電子社製レーザー光散乱粒径測定器「LPA−3100 PAR−3」を用いて、常法により求めた。
(b)トルエン不溶分(%)
得られた共重合体ラテックスB−1〜B−5をpH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固して凝固物を得た。そして、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を100mlのトルエンに20時間浸漬する。その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の仕込みの全固形分に対する質量%を求めることにより、トルエン不溶分を求めた。
(c)ガラス転移点(℃)
セイコー電子工業社製示差走査型熱分析(DSC)「EXTRE6000」を用いて常法により求めた。
【0044】
【表1】
【0045】
2.塗工原紙
塗工原紙として、市販非塗工紙である原紙No.1〜5及び市販塗工紙である原紙No.6〜10を用意した。
上記原紙No.1〜10について、Zygo社製「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」を用いて表面平滑性を測定し、上記Ra1及び上記Ra2を求めた。測定条件は対物レンズ:2.5倍、照射レンズ:2倍、測定エリア:1.45mm×1.08mm、積算回数:3回である。また、解析は、上記「NewView200光干渉型非接触3次元表面粗さ計」に付属している解析ソフト(MetroPro Ver.7.6.1)により高速フーリエ変換を行い、上記Ra1及び上記Ra2を求めた。各原紙について、上記測定条件で10点測定し、上記解析を行って、それぞれ平均値として上記Ra1及び上記Ra2を算出した。この結果を以下の表2に示す。
【0046】
3.パイロットカーテンコーターでの評価
(1)塗工用組成物の調製
上記方法により製造した共重合体ラテックスB−1〜B−5を用いて、上記表2に示す処方により、カーテン塗工用の塗工用組成物を調製した。
尚、塗工用組成物を構成する各成分として、以下のものを用いた
▲1▼微粒クレー:「アマゾンSD」(ブラジル カダム社製)
▲2▼高アスペクトクレー:「センチュリーHC」(ブラジル パラピグメント社製)
▲3▼炭酸カルシウム:「カービタル90」(白石カルシウム社製)
▲4▼中空ラテックス:「AE851」(JSR社製)
▲5▼増粘剤:「SN929S」(サンノプコ社製)
▲6▼湿潤剤:「SN980」(サンノプコ社製)
【0047】
(2)塗工紙の作成と評価
パイロットカーテンコーターを用いて、上記塗工用組成物を上記原紙1〜10上に塗工した。その際、塗工速度を200m/min刻みで徐々に上げていき、パドリングが発生しない最高速度を「塗工可能最高速度(m/分)」とした。その結果を以下の表2に示す。
そして、上記塗工可能最高速度で得られた顔料塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置した。その後、線圧100kg/cm、ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行うことにより、実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙を得た。得られた顔料塗工紙の性能評価は以下の方法により行った。その結果を以下の表2に示す。
【0048】
▲1▼塗工欠点の有無
実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙をバーンアウトテストしたもの、即ち、実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙を2%塩化アンモニウム水溶液に浸し、200℃で3分間加熱して繊維を着色したものを光学顕微鏡50倍で観察し、塗工欠点の状態を観察した。表2中、「○」は塗工欠点がなかったことを意味し、「×」は塗工欠点が生じていたことを意味する。
▲2▼ドライピック強度
実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙を用いて、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、「1」〜「5」の5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。表2中の値は、測定回数6回の平均値である。
▲3▼ウエットピック強度
実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙を用いて、該顔料塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、「1」〜「5」の5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。表2中の値は、測定回数6回の平均値である。
▲4▼印刷光沢
実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙を用いて、RI印刷機によりオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して入射角60度、反射角60度の角度で光沢を測定した。表2中の値は、測定回数6回の平均値である。尚、この数値が大きいほど印刷光沢が良好であることを示す。
▲5▼白紙光沢
実施例1〜6及び比較例1〜4の各顔料塗工紙(未印刷)を、村山式光沢計を用い、入射角75度、反射角75度で光沢を測定した。表2中の値は、測定回数6回の平均値である。尚、この数値が大きいほど良好である。
▲6▼不透明度
白色度計を用いてグリーンフィルターで測定するハンター比色により評価した。数値の大きい方が良好である。
▲7▼白色度
白色度計を用いてブルーフィルターによって測定するハンター比色により評価した。尚、数値の大きい方が良好である。
【0049】
【表2】
【0050】
4.実施例の効果
表2に示すように、上記Ra1が本願発明の範囲外である比較例1及び2の顔料塗工紙では、塗工中、塗工速度2000m/分までパドリング現象は発生しないが、塗工欠点が非常に多く、そのため、実施例1〜6の顔料塗工紙と比較して、白紙光沢及び印刷光沢が発現せず劣っている。また、上記Ra2が本願発明の範囲外である比較例3及び4の顔料塗工紙では、実施例1〜6の顔料塗工紙と比較して、塗工可能最高速度が著しく低く、塗工速度を高くすると、パドリング現象が発生して塗工ができないことが分かる。また、原紙へのアンカー効果が発揮できないことから、実施例1〜6の顔料塗工紙と比較して、ドライピック強度が弱く劣っていることが分かる。
【0051】
これに対し、上記Ra1及び上記Ra2が本願発明の範囲内である実施例1〜6の各顔料塗工紙では、塗工速度及びカラー固形分が高い場合でも、塗工中にパドリング現象は発生しないことが分かる。また、実施例1〜6の各顔料塗工紙は、比較例1〜4の各顔料塗工紙と比較して、塗工欠点もなく、ドライピック強度、ウエットピック強度、白紙光沢、印刷光沢、不透明度、白色度がバランスよく良好で優れていることが分かる。
【0052】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗工原紙の表面付近の概略断面拡大図である。
【図2】中心線平均粗さの説明のための概略断面拡大図である。
【符号の説明】
1;塗工原紙、c;中心線、f;表面粗さ曲線、f1;表面粗さ曲線fを構成する更に細かい曲線、Ra;中心線平均粗さ。
Claims (8)
- 塗工原紙の表面に、カーテン塗工方式により顔料(A)を含む塗工用組成物を塗工する顔料塗工紙の製造方法であって、
上記塗工原紙は、空間周波数25(1/mm)以下の周波数領域の中心線平均粗さが3μm以下であり、且つ、空間周波数25(1/mm)以上の周波数領域の中心線平均粗さが0.3μm以上であることを特徴とする顔料塗工紙の製造方法。 - 上記カーテン塗工の塗工速度が600〜2800m/分である請求項1記載の顔料塗工紙の製造方法。
- 上記塗工用組成物の固形分が50〜70質量%である請求項1又は2記載の顔料塗工紙の製造方法。
- 上記塗工用組成物は、更に共重合体ラテックス(B)と、湿潤剤(C)とを含有し、上記顔料(A)全量を100質量部とした場合、上記共重合体ラテックス(B)の固形分含有量は5〜30質量部、上記湿潤剤(C)の含有量は0.01〜2質量部である請求項1乃至3のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。
- 上記顔料(A)は、2μm未満の粒子径である成分を95〜99質量%含有する微粒クレー(a1)、2μm未満の粒子径である成分を80〜89質量%含有する高アスペクトクレー(a2)、及びその他の顔料(a3)からなり、
上記微粒クレー(a1)及び上記高アスペクトクレー(a2)の含有量の比((a1)/(a2))が1/3〜5/1であり、且つ、上記顔料(A)全量を100質量%とした場合、上記その他の顔料(a3)の含有量が60質量%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。 - 上記共重合体ラテックス(B)は、単量体全量を100質量%とした場合、脂肪族共役ジエン系単量体(b1)30〜60質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b2)0.1〜7質量%、並びに上記脂肪族共役ジエン系単量体(b1)及び上記エチレン系不飽和カルボン単量体(b2)と共重合可能な他の単量体(b3)33〜69.9質量%からなる単量体を乳化重合して得られるものである請求項4又は5記載の顔料塗工紙の製造方法。
- 上記共重合体ラテックス(B)は、平均粒径が50〜150nm、且つトルエン不溶分が60〜99質量%である請求項4乃至6のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の顔料塗工紙の製造方法により得られることを特徴とする顔料塗工紙。
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