JP2643351B2 - 軽量塗被紙 - Google Patents

軽量塗被紙

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JP2643351B2
JP2643351B2 JP63223842A JP22384288A JP2643351B2 JP 2643351 B2 JP2643351 B2 JP 2643351B2 JP 63223842 A JP63223842 A JP 63223842A JP 22384288 A JP22384288 A JP 22384288A JP 2643351 B2 JP2643351 B2 JP 2643351B2
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泰治 小林
銀平 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は軽量塗被紙に関し、詳しくは白色度、不透明
度、および表面強度、印刷光沢などの印刷適正に優れた
軽量塗被紙に関する。
(従来の技術) 近年、ダイレクトメール、写真週刊誌、ちらしなどに
軽量塗被紙の使用が増加しているが、この軽量塗被紙の
需要は今度とも増加していくものと予想される。現在用
いられている軽量塗被紙は、塗被量が5g/m2程度のもの
であるが、印刷物の輸送費の低減などを目的として塗被
紙のなお一層の軽量化が望まれている。
塗被紙の軽量化には、原紙を軽量化する方法および塗
被組成物を軽量化するあるいは塗被量を少なくする方法
が考えられるが、原紙の軽量化には自ずと限界があるこ
とから、塗被組成物の軽量化あるいは塗被量を減少させ
ることによって塗被紙の軽量化を図ることが必要となっ
てくる。
上記塗被紙の軽量化のために、通常の塗被組成物を用
いて塗被量を少なくすると原紙の被覆性が劣ることか
ら、白色度、不透明度、および表面強度、印刷光沢など
の印刷適正が低下し、実用的に満足のいく軽量塗被紙を
得ることができない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の塗被組成物の問題点を解決し、塗
被量を従来の軽量塗被紙に比較して一段と減少させた、
またこの塗被量の減少にも拘らず白色度、不当明度、お
よび表面強度、印刷光沢などの印刷適正に優れた軽量塗
被紙を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、塗被組成物の顔料成分と
して特定量の有機顔料、特に中空状の重合体粒子を使用
し、これをバインダー成分と特定の割合で配合した塗被
組成物を使用することによって上記目的が達成できるこ
とを知り、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明は、平均粒径が0.2〜0.7μmの有機
顔料を少なくとも20重量%含有する顔料成分100重量部
と、下記組成のモノマー混合物を乳化重合して得られ
る、ガラス転移温度が−40℃〜35℃の共重合体ラテック
スおよび/または水溶性バインダーのバインダー成分50
〜300重量部(固形分換算)とからなる塗被組成物を坪
量50g/m2以下の原紙の片面または両面に0.3〜3g/m2(固
形分)の塗被量で塗被したことを特徴とする軽量塗被紙
に関する。
モノマー組成 脂肪族共役ジエン 20〜50重量% 芳香族ビニル 10〜60重量% 不飽和カルボン酸 0.5〜10重量% その他共重合可能なモノマー 0〜40重量% 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する塗被組成物の顔料成分は、0.2〜0.7
μmの範囲の平均粒径を有する有機顔料を少なくとも20
重量%含有し、残余が無機顔料からなるものである。
上記有機顔料と併用できる無機顔料としては、クレ
イ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、サチンホワイトなど一般の紙塗被用顔
料として従来から使用されている無機が顔料を挙げるこ
とができる。
上記有機顔料の具体例としては、プラスチックピグメ
ントあるいはバインダーピグメントと一般に呼ばれ、例
えば特公昭62−29558号公報記載の方法によって得られ
るスチレン系重合体粒子(以下、単に「スチレン系重合
体粒子」という)、および以下に詳細に説明する中空状
重合体粒子(A)、(B)などの中空状の重合体粒子な
どを挙げることができる。
これらスチレン系重合体粒子、中空状の重合体粒子な
どの有機顔料は、無機顔料に比べて比重が小さいので、
同じ塗被量では無機顔料に比較して被覆性が向上し、白
色度、不透明度に優れた軽量塗被紙を得ることができ
る。特に、中空状の重合体粒子は、中空状であるがため
に無機顔料はもとよりスチレン系重合体粒子と比較して
も光散乱力が大きく、また乾燥後のかさ密度も小さいた
め、同じ重量の塗被組成物を用いた場合、更に被覆性が
増し、白色度、不当明度に優れた軽量塗被紙を得ること
ができる。
これら有機顔料の平均粒径は0.2〜0.7μm、好ましく
は0.25〜0.5μmである。平均粒径が0.2μm未満では充
分な白色度、不透明度を得ることができず、一方0.7μ
mを超えると一般的に表面強度が低下し、多量のバイン
ダーを必要として好ましくない。
顔料成分中の有機顔料の割合は、少なくとも20重量%
であり、特に50〜100重量%の範囲で使用すると白色
度、不透明度が更に向上する。有機顔料の割合が20重量
%未満では白色度、不透明度が劣り好ましくない。
中空状重合体粒子(A)は、 種ポリマーの存在下に (a)架橋性モノマー 1〜50重量% (b)親水性モノマー成分としての、 不飽和カルボン酸 1〜40重量% および/または その他の親水性モノマー 5〜99重量%、 および (c)上記モノマー(a)、(b)と共重合可能な、そ
の他の重合性モノマー 0〜85重量% からなるモノマー混合物を乳化重合して得られる、この
モノマー混合物の共重合体と該重合体100重量部当り1
〜100重量部の種ポリマーとから構成され、外径が0.2〜
0.7μm、内径が外径の0.2〜0.9倍である中空状重合体
粒子である。
本発明における外径および内径は、それぞれ「平均外
径」および「平均内径」を意味し、平均外径は平均粒径
と同意義である。平均粒径(外径)は、重合体ラテック
スをオスミウム酸で処理した後、電子顕微鏡により500
個の粒子の径を測定し、算術平均して求めた。なお、こ
の電子顕微鏡写真において、中空状の重合体粒子の中空
部分はうすく写って明確に認識できるので、平均内径も
上記平均外径の測定方法と同様にして測定した。
上記種ポリマーは、上記モノマー混合物から得られる
共重合体と異なり、これらのモノマー成分に溶解もしく
は膨潤しやすいものであることが必要である。このため
には、種ポリマーの分子量が小さいことが望ましい。例
えば、数平均分子量が20,000以下、飲ましくは10,000以
下、更に好ましくは700〜7,000である。
このような種ポリマーとしては、例えばポリスチレ
ン、カルボキシ変性ポリスチレン、カルボキシ変性スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステ
ル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、カルボキ
シ変性スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、カル
ボキシ変性アクリル酸エステル共重合体、カルボキシ変
性メタクリル酸エステル共重合体などを挙げることがで
きる。
これらのうち、特にポリスチレンまたはスチレン成分
を50重量%以上含むスチレン重合体が好ましい。
種ポリマーの使用量は、種ポリマーが上記モノマー混
合物から得られる共重合体100重量部当り1〜100重量
部、好ましくは2〜50重量部、更に好ましくは5〜20重
量部となるように決定される。種ポリマーの使用量が1
重量部未満ではモノマー混合物が種ポリマーに完全に吸
収されず、内孔(中空部分)形成能が低下するととも
に、内孔を有しない新粒子が形成され易くなり、一方10
0重量部を超えると充分な大きさの内孔が形成されな
い。
上記架橋性モノマー(a)としては、例えばジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート
などのジビニルあるいはトリビニル系モノマーなどを挙
げることができる。これらのうち、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロ
ールプロパントリメタクリレートが好ましい。
上記親水性モノマー(b)としての不飽和カルボン酸
およびその他の親水性モノマーとしては、例えばビニル
ピリジン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、酢酸ビ
ニルなどのビニル系単量体を挙げることができる。
これらのうち、メタクリル酸などの不飽和カルボン
酸、メチルメタクリレート、ビニルピリジン、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどが好ましく使用され
る。
上記親水性モノマー(b)は、水に対する溶解度が0.
5重量%以上、特に1重量%以上であることが好まし
い。0.5重量%未満では内径/外径比が小さくなり、目
的とする中空状の重合体粒子を得ることができない。
上記架橋性モノマー(a)および親水性モノマー
(b)と共重合可能な、その他の重合性モノマー(c)
としては、ラジカル重合性を有するものであれば特に限
定されず、例えばスチレン、α−スチレン、p−メチル
スチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、エチルメタク
リレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレー
ト、2−エチレヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリル
メタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アル
キルエステル、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオ
レフィンなどを例示することができ、特にスチレンおよ
びエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル類が好
ましい。なお、ここにいうエチレン性不飽和カルボン酸
アルキルエステルには、上記親水性モノマー(b)に該
当するものは含まれない。
上記中空状重合体粒子(A)は、特開昭62−127336号
公報記載の方法により、上記種ポリマーの存在下に上記
成分(a)〜(c)からなるモノマー混合物を乳化重合
させることによって容易に得ることができる。
中空状重合体粒子(B)は、 上記中空状重合体粒子(A)の存在下に、 (d)不飽和カルボン酸 0〜80重量%、 および (e)その他の共重合可能なモノマー 20〜100重量% からなるモノマー混合物を、上記中空状重合体粒子
(A)とモノマー混合物との合計重量100重量部当り5
重量部以下の乳化剤および/または分散剤を用いて水性
媒体中で乳化重合させ、上記中空状重合体粒子の表面に
上記モノマー混合物の重合体皮膜を形成させた、平均粒
径が0.2〜0.7μmの範囲にある多層構造中空状重合体粒
子である。
上記不飽和カルボン(d)としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸、ジカル
ボン酸の酸無水物、ジカルボン酸のモノアルキルエステ
ル、ジカルボン酸のモノアミドなどを挙げることができ
る。これらのうちで、特にアクリル酸、メタクリル酸お
よびイタコン酸が好ましい。上記以外の不飽和カルボン
酸(d)としては、カルボキシル基1個あたりの不飽和
カルボン酸モノマーの分子量が100以上の不飽和カルボ
ン酸も使用することができる。これらの例を一般式にて
以下に示す。これら不飽和カルボン酸を使用した中空状
重合体粒子(B)を使用すると塗被紙の接着強度が一段
と改良される。
(ここでR1、R2、R3はHまたは炭素数1〜20のアルキル
基である) (ここでXは のごとき芳香族または環状アルキル基であり、YはHま
たはCH3である) (上記2つの式において、R4、R5、R6はHまたは炭素数
1〜12のアルキル基であり、EOはエチレンオキサイド基
であり、POはプロピレンオキサイド基である) (上記2つの式において、R7、R8はHまたは炭素数1〜
20のアルキル基である) これら、高級カルボン酸モノマーの中では、下記式 が特に好ましい。
その他の共重合可能なモノマー(e)としては、例え
ば芳香族ビニル、ビニルシアン、アクリル酸またはメタ
クリル酸のエステル、脂肪族共役ジエン、有機酸ビニ
ル、α−オレフィン、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニ
リデン、ヒドロキシル基含有モノマー、アミノ基含有モ
ノマー、グリシジル基含有モノマー、アミド基含有モノ
マー、架橋性モノマーどが用いることができる。
上記芳香族ビニルとしては、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、p−メチルスチレン、
ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレ
ン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロ
スチレン、p−ターシャリーブチルスチレン、エチルス
チレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができる。
特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
上記ビニルシアンとしては、例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどを挙げることができる。特
に、アクリロニトリルが好ましい。これらビニルシアン
を用いることで印刷光沢が改良される。
上記アクリル酸またはメタクリル酸のエステルとして
は、例えばメチルアクリレート、エチルアクリリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルア
クリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレ
ート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデ
シルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル
を挙げることができる。これらのうち、メチルメタクリ
レート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレートが好ましい。
上記脂肪族共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−
ブタジエン、共役ペンタジエン類、共役ヘキサジエンな
どを挙げることができる。これらのうち1,3−ブタジエ
ンの使用が特に好ましい。この脂肪族共役ジエンを用い
ることによって塗被紙の接着強度を大幅に改良すること
ができる。
上記有機酸ビニルとしては、例えば酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどを挙げること
ができる。
上記α−オレフィンとしては、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、4−メチルペンテン−1などのを挙
げることができる。
上記ビニルエーテルとしては、例えばビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テル、ビニルフェニルエーテルなどを挙げることができ
る。
上記ハロゲン化ビニリデンとしては、例えば塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデンなどを挙げることができる。
その他、ビニルメチルケトン、ビニルピリジン、イソ
ブチレン、1,1−塩化フッ化エチレン、塩化ビニルなど
も上記の他の共重合可能なモノマー(e)として用いる
ことができる。
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えばア
クリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒド
ロキシエチル、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、
1−ヒドロキシプロピルアクリレートまたはメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはメタクリレ
ートなどを挙げることができる。
上記グリシジリル基含有モノマーとしては、例えばア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビニル
グリシジルエーテルなどを挙げることができる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えばアミノ基
含有アクリレートまたはメタクリレート、β−アミノエ
チルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエー
テルなどを挙げることができる。アミノ基含有アクリレ
ートまたはメタクリレートとしては、 下記式(I) (式中、RはHまたはCH2であり、R1およびR2は炭素数
1〜8、好ましくは炭素数1〜3の炭化水素基であり、
Xは炭素数2〜4のアルキレン基である)で表されるも
のが好ましい。
上記一般式(I)のアクリレートとしては、具体的に
はジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピ
ルアミノエチルメタクリレート、メチルエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジブチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチ
ルアミノブチルメタクリレート、ジヘキシルアミノエチ
ルメタクリレート、ジオクチルアミノエチルメタクリレ
ートなどが挙げられる。
上記アミド系モノマーとしては、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、エタクリルアミド、ク
ロトンアミド、イタコンアミド、メチルイタコンアミ
ド、マレイン酸モノアミド、メチレンジアクリルアミド
などを挙げられる。これらのうち、アクリルアミド、メ
タクリルアミドが特に好ましい。
上記架橋性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼ
ン、エチレンギルコールジメタクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルメタクリレートなどの
ジビニル系モノマーあるいはトリビニル系モノマーを挙
げることができる。特に、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロ
パントリメタクリレートが好ましい。
上記モノマー混合物中の不飽和カルボン酸(d)の割
合は0〜80重量%であり、好ましくは0.5〜50重量%で
あり、更に好ましくは1〜35重量%である。不飽和カル
ボン酸(d)の割合が80重量%を超えると重合安定性が
悪く、また塗被紙の表面強度が劣る。
上記中空状重合体粒子(B)の製造に使用するモノマ
ー混合物から得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)
は−10〜120℃である。
なお、本発明におけるガラス転移温度は下記式に従っ
て求めたものである。
ここで、W(i)はモノマー(i)の共重合体中の重
量分率であり、Tg(i)はモノマー(i)の単独重合体
のガラス転移温度を絶対温度で示した値であり、Tgは共
重合体のガラス転移温度を絶対温度で示した値である。
中空状重合体粒子(B)は、特開昭63−44282号明細
書に記載の方法によって製造されるが、以下、この製造
方法について詳しく説明する。
この製造方法によれば、上記モノマー成分(d)、
(e)からなるモノマー混合物を、中空状重合体粒子
(A)とモノマー混合物の合計量100重量部当り5重量
部以下の乳化剤および/または分散剤の存在下に水媒体
中で乳化重合させる。
重合方法としては、例えば中空状重合体粒子(A)と
モノマー混合物とを反応器に仕込み、撹拌しながら重合
させる方法、中空状重合体粒子(A)を先ず反応器に仕
込み、次いでモノマー混合物を連続的に、あるいは分割
的に供給して重合させるインクリメント重合方法などを
用いることができる。目的とする中空状粒子が効率よく
得られ、また安定した重合を行うことができるという点
からインクリメント重合方法が好ましい。
上記乳化剤および/または分散剤としては、アニオン
型、ノニオン型、カチオン型および両性型のいずれも使
用することができる。これらは単独でも、あるいは2種
以上混合して使用することもできる。
乳化剤としては、例えばロジン酸カリウム、ロジン酸
ナトリウムなどのロジン酸塩;オレイン酸カリウム、ラ
ウリル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸のナ
トリウム、カリウム塩およびラウリル硫酸ナトリウムな
どの脂肪族アルコールの硫酸エステル塩;ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリルスルホ
ン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタ
レンスルホン酸のホルマリン縮合物塩などのアニオン型
乳化剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル
型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型
などの非イオン型乳化剤が好ましい。これらのうちでラ
ウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ナフ
タレンスルホン酸のホルマリン縮合物塩、ポリエチレン
グリコールのアルキルフェニルエーテル型が好ましい。
カチオン型乳化剤としては、第4級アンモニウム塩型
などがあるが、水性分散体をカチオン型とする場合に、
単独またはノニオンと併用して使用することができる。
分散剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールな
どの親水性合成高分子物質;ゼラチン、水溶性でんぷん
などの天然親水性高分子物水;カルボキシメチルセルロ
ースなどの親水性半高分子物質などを挙げることができ
る。
乳化剤および/または分散剤の使用量は、上記モノマ
ー混合物と種ポリマーとしての中空状重合体粒子(A)
の合計量100重量部当り5重量部以下、好ましくは2重
量部以下、更に好ましくは1重量部以下である。5重量
部を超えると重合中の新粒子発生により、中空状重合体
粒子の白色度、不透明度が低下する。
重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの有機ハ
イドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処方、スルホ
キシレート処方、含糖ピロリン酸処方/スルホキシレー
ト処方の混合系処方などの還元剤との組合せによるレド
ックス系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどを
使用することができる。これらのうち、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドに必要に応
じて還元剤を組み合わせたものが好ましく使用される。
特に、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫
酸塩が好ましい。これらの重合開始剤を用いると、中空
状重合体粒子(A)表面にラジカルが集中しやすくなる
ため、上記成分(d)、(e)からなるモノマー混合物
による重合体皮膜の生成が効率よく行われる。
上記重合開始剤の使用量は、中空状重合体粒子(A)
とモノマー混合物の合計量100重量部に対して、好まし
くは0.05〜2重量部、更に好ましくは0.05〜0.8重量部
である。この範囲内で使用すると耐水性、耐アルカリ性
に優れた中空状重合体粒子(B)が得られる。
重合温度は、通常、5〜95℃であり、特に50〜90℃の
範囲が好ましい。
その他必要に応じて連鎖移動剤を併用することができ
る。連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメルカプ
タン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカ
プタン、オクチルメルカプタン、t−ヘキシルメルカプ
タンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、臭化エチレン
などのハロゲン化化合物を挙げることができる。
上記重合反応において、重合安定性および中空状重合
体粒子(B)の粒径分布、内径/外径比などは重合系の
pHによって少なからず影響を受ける。重合系のpHが7以
下の場合には、重合安定性が良好であり、所定の粒径、
内径/外径比などを有する中空状重合体粒子(B)を得
ることができる。一方、重合系のpHが7を超えると、モ
ノマー混合物中に重合性不飽和カルボン酸(d)を含ま
ない場合には重合安定性などは良好であるが、重合性不
飽和カルボン酸(d)を含む場合には重合安定性が低下
する傾向が見られ好ましくない。
なお、中空状重合体粒子(A)は、前述の通り、特願
昭62−127336号公報記載の方法によって、水性分散体と
して得られるが、この水性分散体のpHは通常7以下であ
るため、中空状重合体粒子(A)の表面に形成する重合
体被膜のモノマーとして任意のモノマーを使用できると
いう利点が得られる。
本発明で使用する塗被組成物は、上記顔料成分とバイ
ンダー成分とからなるが、このバインダー成分として
は、 脂肪族共役ジエン 20〜50重量% 芳香族ビニル 10〜60重量% 不飽和カルボン酸 0.5〜10重量% その他共重合可能なモノマー 0〜40重量% からなるモノマー混合物を乳化重合して得られる、ガラ
ス転移温度が−40℃〜35℃の共重合体ラテックスおよび
/または水溶性バインダーが使用される。
上記脂肪族共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−
ブタジエン、共役ペンタジエン類、共役ヘキサジエン類
などを挙げることができる。これらのうち、特に1,3−
ブタジエンが好ましく使用される。脂肪族共役ジエンの
割合は、20〜50重量%であり、特に25〜45重量%の範囲
にあるのが好ましい。脂肪族共役ジエンの割合が20重量
%未満では接着強度が劣り、一方50重量%を超えると塗
被紙の粘着性が増加し、ブロッキングをおこしやすくな
り、取扱い時の作業性が低下して好ましくない。
上記芳香族ビニルとしては、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンな
どを挙げることができる。これらのうち、特にスチレン
が好ましく使用される。芳香族ビニルの割合は、10〜60
重量%であり、特に20〜50重量%の範囲にあるのが好ま
しい。芳香族ビニルの割合が10重量%未満では重合安定
性が劣り、一方60重量%を超えると接着強度が低下して
好ましくない。
上記不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、
イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸、ジカルボン
酸の酸無水物、ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
ジカルボン酸のモノアミドなどを挙げることができる。
これらのうち、特にアクリル酸、メタクリル酸およびイ
タコン酸が好ましく使用される。不飽和カルボン酸の割
合は、0.5〜10重量5であり、特に1〜5重量%の範囲
にあるのが好ましい。不飽和カルボン酸の割合が0.5重
量%未満では重合安定性が低下し、一方10重量%を超え
るとラテックスの粘度が増加して取扱いが困難となって
好ましくない。
その他共重合可能なモノマーとしては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどのア
クリル酸またはメタクリル酸のエステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ドなどのアクリルアミド類、酢酸ビニルなどのカルボン
酸ビニルエステル類などを挙げることができる。この共
重合可能なモノマーの割合は0〜40重量%であり、例え
ばシアン化ビニルの場合、3〜25重量%の割合で使用す
ると印刷光沢が優れたものとなり好ましく、またアクリ
ルアミド類の場合、0.5〜5重量%の割合で使用すると
耐水強度、ピッキングが優れたものとなり好ましい。
上記共重合体ラテックスのガラス転移温度は−40℃〜
35℃、好ましくは−25℃〜30℃、更に好ましくは−15℃
〜25℃である。ガラス転移温度が−40℃より低いと塗被
紙の表面の粘着性が増加して、塗被紙同士がブロッキン
グをおこしやすくなり、取扱い時の操業性が低下し、そ
の結果、ピッキング、紙粉、羽毛立ちなどの原因とな
る。
なお、上記共重合体のガラス転移温度はモノマーの種
類および使用量を適宜選択することによって上記範囲内
に容易に調整することができる。
上記共重合体ラテックスはトルエン不溶分を含有して
いることが好ましく、そのトルエン不溶分は好ましくは
30〜95重量%、更に好ましくは50〜90重量%である。ト
ルエン不溶分が30重量%未満では接着強度および共重合
体ラテックスの安定性が低下し、一方95重量%を超える
と接着強度、特に耐水強度が低下する。
なお、トルエン不溶分は次のようにして測定した。す
なわち、共重合体ラテックスをpH8に調整し、ラテック
ス中の共重合体をイソプロパノールで凝固した後、洗
浄、乾燥して得られた固形分0.3gをトルエン100ccに室
温で20時間浸漬し、その後120メッシュの金網でろ過し
て得られる残存固形分の全固形分に対する重量割合で示
した。
上記共重合体ラテックスは、上記組成のモノマー混合
物を従来公知の乳化重合法により容易に製造することが
できる。この乳化重合に際しては、公知の乳化剤、重合
開始剤、連鎖移動剤などを使用することができる。
上記バインダー成分として使用する水溶性バインダー
とは、デンプンおよびポリビニルアルコールを意味す
る。デンプンとしては、酵素変性デンプン、酸化デンプ
ン、リン酸エステル化デンプンなどが好ましく使用され
る。ポリビニルアルコールについては特に制限はなく、
一般に紙塗被用として使用されている公知のポリビニル
アルコールを使用することができる。これらデンプンお
よびポリビニルアルコールは、単独でも、あるいは両者
を組み合わせて使用することもできる。
バインダー成分の使用量は顔料成分100重量部に対し5
0〜300重量部、好ましくは70〜200重量部(固形分換
算)である。50重量部未満では表面強度、印刷光沢が劣
り、一方300重量部を超えると白色度、不透明度、イン
キセット性が劣って好ましくない。
バインダー成分として上記共重合体ラテックスと水溶
性バインダーを併用する場合、共重合体ラテックスの割
合は共重合体ラテックスと水溶性バインダーの合計重量
の15重量%以上、特に50重量%以上(固形分換算)とす
るのが好ましい。なお、水溶性バインダーのみを使用す
ると、共重合体ラテックスと併用する場合に比較して、
白色度、不透明度、耐水性がやや劣る傾向にある。
本発明における塗被組成物の塗被量は、0.3〜3g/m2
好ましくは0.5〜2g/m2である。なお、本発明における塗
被量は原紙の片面当りの塗被量を意味する。塗被量が0.
3g/m2未満では充分な被覆ができずに目的とする印刷効
果を得ることができない。一方、3g/m2を超えると目的
とする軽量塗被紙を得ることができない。
本発明における塗被組成物には、必要に応じて、従来
から紙塗被組成物に一般に使用されてきた種々の配合
剤、例えば耐水性向上剤、耐水化促進剤、顔料分散剤、
粘度調節剤、着色顔料、蛍光顔料、pH調節剤などを任意
に配合することができる。
本発明においては、坪量50g/m2以下の紙が使用され
る。坪量が50g/m2超えると目的とする軽量塗紙被を得る
ことができない。紙の種類に付いては特に制限はなく、
上質紙、中質紙、更紙、新聞紙、インデア紙などを使用
することができる。
本発明における上記塗被組成物の塗被方法に付いては
特に制限はなく、従来公知の方法、例えばサイズプレス
コーター、ゲートロールコーター、リバースロールコー
ターなどのロールコーター、ショートドウェルコータ
ー、ファンテングレードコーター、ビルブレードコータ
ー、フラッデッドニップコーターなどのブレードコータ
ー、ロッドコーター、エアーナイフコーターなどを用い
て塗被することができる。
(実施例) 以下、製造例および実施例を挙げて本発明を更に具体
的に説明する。
なお、製造例および実施例中の「部」および「%」
は、「重量部」および「重量%」を意味する 製造例1 (スチレン系重合体粒子の製造) (1) (i)窒素置換した100の撹拌器を備えた温
度調節可能な加圧反応器に水85部、イタコン酸2部、過
硫酸カリウム1.4部、リン酸カリウム1.7部、エチレンジ
アミン4酢酸ナトリウム0.06部、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.03部およびn−ドデシルメルカプタ
ン1.0部を仕込み、撹拌しながら昇温した。
(ii)一方、ブタジエン5部、スチレン90部およびメタ
クリル部メチル3部をモノマー調整タンクに、またアル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.45部を水45部に溶
解した水溶液を乳化剤水溶液タンクに仕込み、両者をそ
れぞれ定量ポンプで乳化装置に送って連続的に乳化し、
乳化単量体を調整した。
上記反応器内の温度が70℃に達したとき、70℃に維持
しながら乳化単量体を連続的に反応器に導入し10時間で
導入を終了した。反応開始後13時間で重合率は99%に到
達した。得られたラテックスに5%水酸化カリウム水溶
液を添加したpHを6.0に調整し、水蒸気蒸溜により残留
モノマーを除去し、更に加熱圧蒸溜し固形分濃度を50%
にした。
得られた重合体粒子の粒径は0.3μmであった。この
重合体粒子を(C−1)とする。
(2) 上記(1)の(i)で使用するアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムの使用量を1.0部に変更した以
外は上記(1)と同様にして粒径0.1μmの重合体粒子
を製造した。
この重合体粒子を(C−2)とする。(C−2)は粒
径が本発明の範囲未満の比較用粒子である。
(3) 上記(1)の(i)で使用するアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、リン酸カリウムおよび水の使
用量をそれぞれ0.01部、3.5部および70部に変更した以
外は上記(1)と同様にして粒径0.9μmの重合体粒子
を製造した。
この重合体粒子を(C−3)とする。(C−3)は粒
径が本発明の範囲を超える比較用粒子である。
製造例2 (中空状重合体粒子(A)の製造) (1) (i)スチレン80部、メタクリル酸メチル17
部、メタクリル酸3部およびt−ドデシルメルカプタン
6部を、水200部にラウリル硫酸ナトリウム0.5部および
過硫酸カリウム1.0部を溶解した水溶液に添加し、撹拌
しながら70℃で4時間重合を行った。
得られた重合体粒子の粒径は0.2μmであり、GPCによ
る数平均分子量(ポリスチレン換算)は6,000であっ
た。この重合体粒子を(a−1)とする。
(ii)上記(i)で得られた重合体粒子(a−1)を種
ポリマーとして用い、この重合体含有エマルジョン12部
(固形分換算)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル0.1部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部、過硫酸カ
リウム0.5部および水390部に反応器に仕込んだ。これに
メタクリル酸メチル75部、ジビニルベンゼン20部(純品
換算)およびアクリル酸5部の混合物を加えて、30℃で
1時間撹拌したところ、上記物質は種ポリマー粒子にほ
ぼ完全に吸収された。
これを70℃で5時間撹拌しながら重合させたところ、
重合収率99%で水を粒子内部に含む中空状粒子の分散液
が得られた。この分散液を乾燥し、透過型電子顕微鏡で
観察したところ、この重合体粒子は中央部が透けてい
る、完全に球形の中空状重合体粒子であった。
この中空状重合体粒子は外径が0.4μm、内径が0.24
μmであった。この中空状重合体粒子を(A−1)とす
る。
(2) (i)上記(1)の(i)におけるt−ドデシ
ルメチルカプタン、水およびラウリル硫酸ナトリウムの
使用量をそれぞれ10部、250部および0.8部に変更した以
外は上位(1)と同様にして粒径0.15μmの重合体粒子
を得た。
この重合体粒子を(a−2)とする。
(ii)上記(i)で得られた重合体粒子(a−2)を種
ポリマーとして用い、この種ポリマーを8部を使用した
以外は上記(1)−(ii)と同様にして重合を行い、中
空状重合体粒子を得た。
この中空状重合体粒子は外径が0.32μm、内径が0.24
μmであった。この中空状重合体粒子を(A−2)とす
る。
(3) (i)上記(1)の(i)におけるt−ドデシ
ルメルカプタン、水およびラウリル硫酸ナトリウムの使
用量をそれぞれ5部、200部および0.4部に変更した以外
は上記(1)の(i)と同様にして重合を行い粒径0.22
μmの重合体粒子を得た。
この重合体粒子を(a−3)とする。
(ii)上記(i)で得られた重合体粒子(a−3)を種
ポリマーとして用い、この重合体粒子を14部使用し、ま
たメタクリル酸メチルおよびジビニルベンゼンの使用量
をそれぞれ80部および15部(純品換算)に変更した以外
は上記(1)の(ii)と同様にして重合を行い中空状重
合体粒子を得た。
この中空状の重合体粒子は外径が0.41μm、内径が0.
15μmであった。この中空状の重合体粒子を(A−3)
とする。
製造例3 (中空状重合体粒子(B)の製造) (1) 内容積100のステンレス製反応器に水200部、
過硫酸カリウム1.0部、亜硫酸水素ナトリウム0.35部、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部および中
空状重合体粒子(A−2)100部(固形分)を仕込み、
撹拌しながら60℃に昇温した。
スチレン85部、ブタジエン12部、メタクリル酸2部お
よびアクリル酸1部からなるモノマー混合物にt−ドデ
シルメルカプタン0.2部を加えた混合物を重合温度を60
℃に保ちながら12時間にわたり連続的に添加した。モノ
マー添加完了後、5時間60℃に維持して熟成を行い、そ
の後25℃に冷却した。その結果、外径0.4μm、内径0
・24μmの中空状重合体粒子を得た。
この中空状重合体粒子を(B−1)とする。
(2) 上記(1)の方法において、使用するモノマー
組成を第1表に示すように変更した以外は上記(1)と
同様にして中空状重合体粒子を得た。
得られた中空状重合体粒子は(B−2)、(B−
3)、(B−4)および(B−5)とし、それぞれの外
径および内径は第1表に示した。なお、(B−4)は、
不飽和カルボン酸(成分(d))の使用量が本発明の範
囲を超える比較用粒子であり、また(B−5)は、使用
する乳化剤および/または分散剤の使用量が本発明の範
囲を超えた比較用粒子である。
製造例4 (共重合体ラテックスの製造) オートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.1部、過硫酸カリウム1.5部および第
2表に示す一段目成分全量を仕込み、60℃にて3時間反
応させて、重合転化率90%以上にて共重合体ラテックス
を得た。
引続き、第2表に示す二段目成分全量を添加し、更に
15時間反応させて重合転化率98%以上で共重合体ラテッ
クス(L−1)〜(L−6)を得た。なお、(L−4)
はガラス転移温度が本発明の範囲を超えた比較用ラテッ
クス、(L−5)はガラス転移温度が本発明の範囲未満
の比較用ラテックス、(L−6)はラテックスの製造に
使用する不飽和カルボン酸の量が本発明の範囲未満の比
較用ラテックスである。
実施例1〜13、比較例1〜13 第3表に示す顔料成分およびバインダー成分を混合
し、これに固形分濃度が15%になるように水を加えて塗
被組成物(塗被液)を調製した。
この塗被液を坪量48g/m2の中質紙に下記条件にて塗被
して塗被紙を得た。
塗被方法:ブレード手塗り 乾燥方法:ギヤーオブン、120℃、10秒カレンダーリン
グ:スーパーカレンダー、40℃、80kg/cm×2pass 得られた塗被紙の特性を下記方法により測定した。
RIドライピック(表面強度の指標) RI印刷機で印刷した時のピッキングの程度を肉眼で判
定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好で
ある。判定回数6回の平均値を表示した。ここではタッ
クバリュウー25のインキを使用して、通常より厳しい条
件で評価した。
RIウェットピック(耐水性表面強度の指標) RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えた時
のピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価し
た。点数の高いものほど良好である。測定回数6回の平
均値を表示した。
インキセット RI印刷機でオフセット用インキをベタ刷りし、2分後
に印刷面にアート紙を圧着し、その裏移りした面の濃度
をマクベス濃度計で測定した。数値が低いほうが良好で
ある。
印刷光沢 RI印刷機を使用してオフセット用インキをベタ刷り
し、村上式光沢計を使用して測定した。数値が大きいほ
ど良好である。
白色度および不透明度 熊谷理機工業(株)製のハンター白色度計を使用して
測定した。白色度、不透明度とも数値が大きいほど良好
である。
ブロッキング性 塗被紙を一定の大きさに裁断し、積み重ねて、2kg/cm
2の荷重で12時間放置した後剥離した時の状態を黙視で
判定した。
○: 変化なし ×: 紙が貼り付く 評価結果を第3表にまとめて示した。
第3表の結果から、次のことが理解される。
実施例1〜13 本発明の軽量塗紙被であり、いずれも白色度、不透明
度、および表面強度などの印刷適正に優れている。
比較例1、2 顔料成分における有機顔料の割合が本発明の範囲未満
であり、白色度、不透明度が劣る。
比較例3 有機顔料の平均粒径が本発明の範囲未満であり、白色
度、不透明度が劣る。
比較例4 有機顔料の平均粒径が本発明の範囲を超えるものであ
り、ドライピック、ウェットピック、印刷光沢が劣る。
比較例5 有機顔料としての中空状重合体粒子(B)の製造に使
用する不飽和カルボン酸(成分(d))の使用量が本発
明の範囲を超えるものであり、ドライピック、ウェット
ピックが劣る。
比較例6 有機顔料としての中空状重合体粒子(B)の調製時に
使用する乳化剤および/または分散剤の量が本発明の範
囲を超えるものであり、インキセットが劣る。
比較例7 バインダー成分として使用する共重合体ラテックスの
ガラス転移温度が本発明の範囲を超えるものであり、ド
ライピック、ウェットピックおよび印刷光沢が劣る。
比較例8 バインダー成分として使用する共重合体ラテックスの
ガラス転移温度が本発明の範囲未満のものであり、ブロ
ッキング性が劣り、印刷時および運搬時に問題が生じ
る。
比較例9 バインダー成分として使用する共重合体ラテックスの
製造に使用する不飽和カルボン酸の使用量が本発明の範
囲未満のものであり、ドライピック、ウェットピックお
よび印刷光沢が劣る。
比較例10 バインダー成分の使用量が本発明の範囲未満であり、
ドライピック、ウェットピックが著しく劣り、さらに印
刷光沢も劣る。
比較例11 バインダー成分の使用量が本発明の範囲を超えるもの
であり、インキセット、白色度、不透明度がおとる。
比較例12 塗被組成物の塗被量が本発明の範囲未満であり、印刷
光沢、白色度、不透明度が劣る。
比較例13 塗被組成物の塗被量が本発明の範囲を超えるものであ
り、インキセットが著しく劣り、印刷時の作業性が低下
する。
(発明の効果) 本発明によれば塗被量を著しく低下させた軽量塗被紙
が得られる。本発明の軽量塗被紙は、塗被量を著しく低
下させたにも拘らず、白色度、不透明度、および表面強
度など印刷適正に優れている。従って、本発明の軽量塗
被紙は、ダイレクトメール、写真週刊誌などに広く利用
でき、更に新聞のカラー印刷化に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新ケ江 滋 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−224895(JP,A) 特開 昭57−11297(JP,A) 特開 昭56−68188(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.2〜0.7μmの有機顔料を少な
    くとも20重量%含有する顔料成分100重量部と下記組成
    のモノマー混合物を乳化重合して得られる、ガラス転移
    温度が−40℃〜35℃の共重合体ラテックスおよび/また
    は水溶性バインダーのバインダー成分50〜300重量部
    (固形分換算)とからなる塗被組成物を坪量50g/m2以下
    の原紙の片面または両面に0.3〜3g/m2(固形分)の塗被
    量で塗被したことを特徴とする軽量塗被紙。 モノマー組成 脂肪族共役ジエン 20〜50重量% 芳香族ビニル 10〜60重量% 不飽和カルボン酸 0.5〜10重量% その他共重合可能なモノマー 0〜40重量%
  2. 【請求項2】有機顔料の一部または全部が中空状の重合
    体粒子である請求項(1)に記載の軽量塗被紙。
  3. 【請求項3】中空状の重合体粒子が下記中空状重合体粒
    子(A)および/または中空状重合体粒子(B)である
    請求項(2)に記載の軽量塗被紙。 中空状重合体粒子(A) 種ポリマーの存在下に (a)架橋性モノマー 1〜50重量% (b)親水性モノマー成分としての、 不飽和カルボン酸 1〜40重量% および/または その他の親水性モノマー 5〜99重量%、 および (c)上記モノマー(a)、(b)と共重合可能なその
    他のモノマー 0〜85重量% からなるモノマー混合物を乳化重合して得られる、該モ
    ノマー混合物の共重合体と該共重合体100重量部当り1
    〜100重量部の種ポリマーとから構成され、外径が0.2〜
    0.7μm、内径が外径の0.2〜0.9倍である中空状の重合
    体粒子。 中空状重合体粒子(B) 上記中空状重合体粒子(A)の存在下に (d)不飽和カルボン酸 0〜80重量% および (e)その他の共重合可能なモノマー 20〜100重量% からなるモノマー混合物を、該モノマー混合物と中空状
    重合体粒子(A)との合計量100重量部当り5重量部以
    下の乳化剤および/または分散剤を用いて水性媒体中で
    乳化重合して、中空状重合体粒子(A)の表面にモノマ
    ー混合物の重合体被膜を形成させてなる中空状の重合体
    粒子。
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