JP5278649B2 - 中空重合体粒子を含む水性分散液及びその製造方法 - Google Patents
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コア重合体粒子(A)は、酸性基含有単量体35〜50質量%及びこれと共重合可能な単量体65〜50質量%からなる単量体混合物(a)の共重合により形成される。
乳化重合反応に一般に使用される、例えば、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、キレート剤、電解質、脱酸素剤などの各種添加剤が、重合用副資材として使用され得る。
これらの界面活性剤は、1種又は2種以上が使用される。
中でも、重合安定性が良好であるため、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
界面活性剤の使用量は、当該単量体混合物(a)の全量に対して、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%である。この使用量が過小であると凝集物が生成し易く、逆に過大であると中空重合体粒子の空隙率が低くなる。
無機塩は、特に限定されない。無機塩の具体例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩;塩化カルシウム、硫酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩;硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムである。なかでも、アルカリ金属塩が好ましく、トリポリリン酸ナトリウムがより好ましい。
単量体混合物(b)に含まれる酸性基含有単量体と共重合可能な単量体は、単量体混合物(a)に含まれる酸性基含有単量体と共重合可能な単量体と同様である。
水性分散液及び中空重合体粒子の物性は以下のように測定された。
中空重合体粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡による中空重合体粒子200個各々の最大粒子径が単純平均されて求められた。
中空重合体粒子200個各々の最大粒子径と空隙の最大径が、透過型電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)により測定され、以下の式により計算される空隙率が単純に平均された値が、中空重合体粒子の空隙率とされた。
水性分散液100mlが100mlメスシリンダーに入れられ、30日間静置された。次いで、メスシリンダー内に沈降した中空重合体粒子がデカンテーションにより分離され、当該中空重合体粒子の沈降量が測定された。水性分散液の耐沈降性が、以下に示す基準で評価された。
沈降物なし :○
中空重合体粒子の沈降量が3ml未満:△
中空重合体粒子の沈降量が3ml以上:×
イオン交換水及び10質量%水酸化ナトリウム水溶液が水性分散液に添加され、固形分濃度26質量%、pH8.5の粘度測定用試料に調製された。次いで、当該粘度測定用試料の粘度がB型粘度計((株)東京計器製)により測定された。
リン酸エステル化デンプン(日本食品加工(株)製MS−4600)2.5質量部及びカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン(株)製Nipol LX407F)9質量部が、カオリンクレイ(エンゲルハード社製ウルトラホワイト−90 45質量部、イメリス社製KCS 20質量部)65質量部及び炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT90)35質量部からなる無機顔料100質量部に添加され、次いで、中空重合体粒子8質量部を含む水性分散液及びイオン交換水が、得られた混合物に混合され、攪拌され、固形分濃度61質量%の塗被紙用組成物が得られた。その後、当該塗被紙用組成物が、坪量65g/m2の原紙両面に、片面13g/m2の量で塗布され、130℃で乾燥され、塗被紙が得られた。
上記塗被紙表面の光の反射率が、グロスメーター((株)村上色彩技術研究所製GM−26D)により、入射角75度、反射角75度の条件で測定された。数値が大きいほど、白紙光沢が優れている。
上記塗被紙のISO白色度が、JIS P8148−1993に規定された方法に従い、分光色彩白色度計(日本電色工業(株)製PF10)により測定された。数値が大きいほど、白色度が優れている。
上記塗被紙の不透明度が、JIS P8138−1976に規定された方法に従い、分光色彩白色度計(日本電色工業(株)製PF10)により測定された。数値が大きいほど、不透明度が優れている。
印刷インク(タック値20)0.4cm3がRIテスター((株)明石製作所製)のゴムロールに付着された。その後、4度の重ね刷りが当該RIテスターにより、上記塗被紙に対して行われた。次いで、紙面の剥がれ(ピッキング)状態が観察された。剥がれがない場合が5点とされ、ドライピック強度が評価された。点数が高いほど、ドライピック強度が高い。
藍、紅、黄の三色のプロセスインク(東洋インキ製造(株)製TKマークV)が、それぞれ、異なるゴムロールに付着されたRIテスター((株)明石製作所製)が準備された後、べた刷りが、上記塗被紙に対して当該RIテスターにより行われた。その後、ベタ刷りされた塗被紙が、20℃、65%RHの恒温恒湿室に24時間放置され、当該塗被紙の印刷光沢が、グロスメーター((株)村上色彩技術研究所製GM−26D)により、入射角60度の条件で測定された。数値が大きいほど、印刷光沢が優れている。
コア重合体粒子(A)の形成
メタクリル酸メチル(MMA)60質量部、アクリル酸ブチル(BA)5質量部、メタクリル酸(MAA)35質量部ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.9質量部、トリポリリン酸ナトリウム0.15質量部及びイオン交換水85質量部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、コア重合体粒子(A)形成用単量体混合物(a)の乳化物が調製された。
イオン交換水40質量部及び前記シードラテックス0.28質量部(固形分として)が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで85℃に昇温された。3質量%の過硫酸カリウム水溶液1.63質量部が、シードラテックス水性分散液に添加され、その後、前記単量体混合物(a)の乳化物の7質量%が、3時間に亘り、反応系に連続的に添加され、更に反応が1時間行われた。その後、イオン交換水250質量部及び3質量%の過硫酸カリウム水溶液18.6質量部が反応系に添加され、反応温度が85℃に保たれながら、前記単量体混合物(a)の乳化物の残部が、3時間に亘り、反応系に連続的に添加され、更に反応が2時間行われた。反応系が室温まで冷却され、コア重合体粒子(A)を含む水性分散液が得られた。重合転化率は99%以上であった。コア重合体粒子(A)の動的光散乱法粒子測定装置N4(コールター社製)による体積平均粒径は420nmであった。
MMA7.8質量部、BA1.6質量部、MAA0.6質量部、t−ドデシルメルカプタン(TDM)0.03質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.02質量部及びイオン交換水16質量部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、シェル層(B)形成用単量体混合物(b)の乳化物が調製された。
5質量%アンモニア水25質量部が反応系に添加され、塩基処理が90℃で1時間行われた。反応液のpHは1時間に渡って7以上であった。その後、4質量%過硫酸カリウム水溶液10質量部が反応系に添加され、更に反応が2時間行なわれた。反応系が室温まで冷却され、中空重合体粒子を含む水性分散液が得られた。重合転化率は99%以上であった。結果が表1に示されている。
単量体混合物(a)〜(c)の組成が表1に示されるように変更された以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表1に示されている。
2.5質量%を超えるアクリル酸を含む単量体混合物(c)が使用された比較例2の水性分散液の耐沈降性はあまり高くなかった。更に、当該水性分散液が使用されて得られた塗被紙の白紙光沢及び印刷光沢は低かった。
10質量%を超える酸性基含有単量体を含む単量体混合物(b)が使用された比較例3の水性分散液の粘度は大きすぎ、塗被紙用組成物の調製が不可能だった。
ST99.9質量部及びAA0.1質量部からなる単量体混合物(c)が使用された以外は、実施例2と同じ操作が行われた。得られた水性分散液に含まれる重合体粒子は密実であり、中空重合体粒子を含む水性分散液は得られなかった。
Claims (2)
- (1)酸性基含有単量体35〜50質量%及びこれと共重合可能な単量体65〜50質量%からなる単量体混合物(a)が共重合され、コア重合体粒子(A)が形成される工程、
(2)酸性基含有単量体1〜10質量%及びこれと共重合可能な単量体99〜90質量%からなる単量体混合物(b)が、当該コア重合体粒子(A)の存在下で共重合され、当該コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)が形成される工程、
(3)アクリル酸単量体0.2〜2.5質量%及びこれと共重合可能な単量体99.8〜97.5質量%からなる単量体混合物(c)が、当該シェル層(B)により実質的に包囲された当該コア重合体粒子(A)の存在下で共重合され、当該シェル層(B)を実質的に包囲するシェル層(C)が形成される工程、
(4)塩基が、少なくとも上記コア重合体粒子(A)、シェル層(B)及びシェル層(C)の3層構造を有する重合体粒子を含有する水性分散液に添加され、当該水性分散液のpHが7以上にされる工程、
が行われる、中空重合体粒子を含む水性分散液の製造方法。 - 請求項1に記載された製造方法により製造される、中空重合体粒子を含む水性分散液。
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