JP5935532B2 - 中空重合体粒子およびその水性分散液 - Google Patents

中空重合体粒子およびその水性分散液 Download PDF

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Description

本発明は、中空重合体粒子およびその水性分散液に関する。更に詳しくは、アルコールと接触しても凝集物が発生しにくく、塗布した場合の密着性に優れた中空重合体粒子およびその水性分散液に関する。
従来より、中空重合体粒子は、粒子中に密実均一に重合体が充填された重合体粒子と比べて、光を良く散乱させ、光の透過性を低くすることから、隠蔽剤や不透明度、白色度などの光学的性質に優れた有機顔料として塗料などの用途で使用されている。
特許文献1には、それぞれ特定組成を有する、芯重合体、中間層重合体および外層重合体からなる少なくとも3層構造の重合体粒子を重合し、得られた重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して該水性分散液のpHを7以上にすることにより、中空重合体粒子が得られることが開示されている。しかしながら、近年、中空重合体粒子を有機顔料として塗料などの用途に用いる場合に、アルコールが溶剤として使用されることがあり、中空重合体粒子とアルコールが接触した際に生成する凝集物が、塗布面の平滑性を損なうという問題が生じていた。さらに、塗料を塗布した場合に、被塗布面との密着性の更なる向上が求められていた。
特開2005−179493号公報
本発明は、アルコールと接触しても凝集物が発生しにくく、塗布した場合の被塗布面との密着性に優れた中空重合体粒子およびその水性分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の単量体を共重合して得られる、酸価が特定値以上の中空重合体粒子により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
エチレン性不飽和カルボン酸単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体40〜80重量%からなる単量体混合物(a)を共重合してなるコア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成されるコア重合体層(A)と、
エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体20〜100重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜80重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって形成された、実質的に前記コア重合体層(A)を包囲する少なくとも1層のシェル層とを有し、かつ、前記コア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも1つの空隙を有する、酸価が50ミリモル/100グラム以上の中空重合体粒子(X)が提供される。
上記中空重合体粒子(X)が、中空重合体粒子の最外層のシェル層に、酸価50ミリモル/100グラム以上の樹脂(Y)がグラフト結合されたものであることが好ましい。
さらに、当該樹脂(Y)が、エチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80重量%およびこれと共重合可能な他の単量体20〜95重量%からなる単量体混合物(e)を共重合して得られる樹脂(Y)であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記に記載の中空重合体粒子(X)の水性分散液が提供される。
本発明によれば、アルコールと接触しても凝集物が発生しにくく、塗布した場合の被塗布面との密着性に優れた中空重合体粒子およびその水性分散液を提供することができる。
図1は、「酸価」を求めるための電導度滴定の模式図である。
本発明の中空重合体粒子(X)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体40〜80重量%からなる単量体混合物(a)を共重合してなるコア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成されるコア重合体層(A)と、
エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体20〜100重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜80重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって形成された、実質的に前記コア重合体層(A)を包囲する少なくとも1層のシェル層とを有し、かつ、前記コア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも1つの空隙を有し、酸価が50ミリモル/100グラム以上のものである。
コア重合体粒子及びコア重合体層(A)
本発明の中空重合体粒子(X)を構成するコア重合体層(A)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体40〜80重量%からなる単量体混合物(a)を共重合してなるコア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成される。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;イタコン酸モノエチル、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などを挙げることができるが、コア重合体粒子内部に空隙が形成しやすいことからエチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(a)の全量に対して、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量が少なすぎると、コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されない場合があり、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量が多すぎると、シェル層がコア重合体層(A)又はコア重合体粒子を十分に包囲できない場合がある。
また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート(「メチルメタクリレートおよびメチルアクリレート」の略記。以下同様。)、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量体;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;などを挙げることができるが、コア重合体粒子(A)内部に空隙が形成しやすいことからエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく、メチル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、単量体混合物(a)の全量に対して、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%である。
特に、単量体混合物(a)としては、メチルメタクリレート35〜77重量%、ブチルアクリレート3〜15重量%およびメタクリル酸20〜50重量%からなる単量体混合物が好ましく、メチルメタクリレート42〜71重量%、ブチルアクリレート4〜13重量%およびメタクリル酸25〜45重量%からなる単量体混合物がより好ましい。
また、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体を必要に応じて使用することができる。ただし、架橋性単量体を多量に使用すると、コア重合体粒子内部に空隙が形成されない場合があるので、その量は安定な空隙が形成される範囲にとどめるべきである。
コア重合体層(A)となるコア重合体粒子(空隙形成前)の体積平均粒子径は、好ましくは100〜600nm、より好ましくは250〜500nmである。この粒子径が小さすぎると、空隙率が高く、粒子径が大きい中空重合体粒子(X)を製造するのが困難になる傾向があり、逆に大きすぎると、シェル層がコア重合体層(A)又はコア重合体粒子を十分に包囲できない場合がある。
コア重合体粒子におけるエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の半径方向の分布は、特に限定されない。単量体混合物(a)の組成を逐次変化させて重合反応系に添加しながら共重合を行うことができるが、このような重合方法によって、コア重合体粒子中に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量に半径方向の分布を生じる場合には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の最も少ない部分が、該部分を形成する全単量体単位に対してエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を10重量%以上、好ましくは15重量%以上含有することが好ましい。この割合が10重量%未満では、コア重合体層(A)の空隙中(コア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された空隙中)に小粒子が生成し、空隙率が低くなることがある。
コア重合体粒子を形成する重合方法としては、通常、乳化重合法が採られる。ただし、他の重合法によって得られた重合体を転相法によってコア重合体粒子を含有する水性分散液としてもよい。また、重合方式としては、回分式、半連続式、連続式などのいずれの方式を採用してもよい。
重合反応における単量体混合物(a)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成する共重合体の組成は使用した単量体混合物(a)の組成とほぼ同じである。
乳化重合は、通常、水性媒体中で行なわれる。この場合において、通常、水が水性媒体として用いられ、製造時の重合体粒子の分散安定性を損なわない範囲で、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒も併用され得る。水性媒体の使用量は、単量体混合物(a)100重量部に対して、通常、100〜1000重量部、好ましくは200〜600重量部である。水性媒体の使用量が少なすぎると、重合時の凝集物発生量が増加する傾向にあり、水性媒体の使用量が多すぎると、中空重合体粒子の生産性が劣る傾向にある。
重合温度および重合時間は格別限定されず、公知の条件で行えば良いが、50〜95℃で、0.5〜10時間行うことが好ましい。
また、乳化重合においては、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、無機塩、キレート剤、電解質、脱酸素剤などの各種添加剤を、重合用副資材として使用することができる。
なお、単量体混合物(a)の乳化重合においては、メタクリル酸メチルの単独重合体等のシード(体積平均粒径が、50〜100nm)の存在下で乳化重合を行っても良い。この場合のシードの使用量は、単量体混合物(a)の全量に対して、通常、0.1〜5重量%である。
界面活性剤としては、ロジン酸カリウムおよびロジン酸ナトリウム等のロジン酸塩、オレイン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩、などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸塩;ポリエチレングリコールのアルキルエステル、アルキルエーテル又はアルキルフェニルエーテルなどのノニオン性界面活性剤;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の親水性合成高分子物質;ゼラチン、水溶性でんぷん等の天然親水性高分子物質;カルボキシメチルセルロース;等が挙げられるが、重合安定性が良好なことから、アルキルエーテル硫酸塩が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムが特に好ましい。なお、これらの界面活性剤は、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
界面活性剤の使用量は、単量体混合物(a)の全量に対して、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。この使用量が過小であると凝集物が生成し易く、逆に過大であると中空重合体粒子(X)の空隙率が低くなる場合がある。
界面活性剤の添加方法は、特に限定されない。当該界面活性剤は、反応器に一括で、分割して、又は連続的に添加すれば良いが、共重合時の凝集物発生量がより少なくなる点で、連続的に添加することが好ましい。また、単量体混合物(a)と界面活性剤は、混合して反応器に添加しても、別々に反応器に添加してもよいが、混合して反応器に添加することが好ましい。
重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知の連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジフェニルエチレン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、メルカプタン類およびα−メチルスチレンダイマーが好ましく、メルカプタン類がより好ましく、t−ドデシルメルカプタンが特に好ましい。
単量体混合物(a)は、好ましくは、少量の無機塩の存在下に共重合される。界面活性剤と無機塩が併用されると、凝集物の生成が抑制され、粒径分布が狭い中空重合体粒子を含む水性分散液が得られ易い。
無機塩は、特に限定されない。無機塩の具体例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩;塩化カルシウム、硫酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩;硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムである。なかでも、アルカリ金属塩が好ましく、トリポリリン酸ナトリウムがより好ましい。
無機塩の使用量は、単量体混合物(a)の全量に対して、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。無機塩の使用量が過小であると、その効果が発現しにくく、逆に過大であると、凝集物の発生が助長される傾向にある。無機塩の添加方法は、特に限定されない。無機塩は、反応系に一括で、分割して、又は連続的に添加することができる。
このようにして得られるコア重合体粒子を含有する水性分散液(L1)の固形分濃度は、好ましくは10〜50重量%である。
また、コア重合体粒子の体積平均粒子径は、好ましくは100〜600nm、より好ましくは250〜500nmである。
シェル層
本発明の中空重合体粒子(X)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体20〜100重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜80重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって形成された、実質的に上記コア重合体層(A)を包囲する少なくとも1層のシェル層を有するものである。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、上記コア重合体粒子の場合と同様のものが例示されるが、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどが挙げられるが、スチレンが好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
これらと共重合可能な他の単量体としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;エチレン性不飽和ニトリル単量体;エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;共役ジエン単量体;カルボン酸ビニルエステル単量体;ハロゲン化ビニル単量体;ハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;などを挙げることができ、その具体例としては、上記コア重合体粒子の場合と同様のものが例示される。
中でも、本発明の効果がより一層顕著になることから、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(b)の全量に対して、0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜2重量%である。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量が多すぎると、上記コア重合体層(A)を形成するコア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されず、得られる中空重合体粒子の不透明化効果(光を良く散乱させ、光の透過性を低下させる効果)に劣る傾向がある。
芳香族ビニル単量体の使用量は、単量体混合物(b)の全量に対して、20〜100重量%、好ましくは30〜100重量%、特に好ましくは40〜100重量%である。芳香族ビニル単量体の使用量が上記範囲にある場合に、上記コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されやすい。
なお、エチレン性不飽和カルボン酸単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、単量体混合物(b)の全量に対して、0〜80重量%、好ましくは0〜70重量%、特に好ましくは0〜60重量%である。
実質的に上記コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層のシェル層を形成する方法としては、コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子の存在下で、単量体混合物(b)を共重合すれば良い。共重合の方法としては、通常、乳化重合法が採られ、上記単量体混合物(a)の場合と同様に行うことができる。コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子の存在下(後述する中間層を形成した場合も含む)で、単量体混合物(b)を乳化重合法によって共重合して得られる重合体粒子の水性分散液(L3)の固形分濃度は、好ましくは10〜50重量%である。
重合反応における単量体混合物(b)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成する共重合体の組成は使用した単量体混合物(b)の組成とほぼ同じである。
また、本発明の中空重合体粒子(X)は、酸価を高くし易いことから、実質的に上記コア重合体層(A)を包囲する2層のシェル層を形成していることが好ましい。
コア重合体層(A)側のシェル層(以下、「内側シェル層」ということがある。)を形成する単量体混合物(b1)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体80〜100重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜20重量%からなる。
ここで、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(b1)の全量に対して、0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%である。芳香族ビニル単量体の使用量は、単量体混合物(b1)の全量に対して、80〜100重量%、好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは94.9〜99.9重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%である。
また最外層となるシェル層(以下、「外側シェル層」ということがある。)を形成する単量体混合物(b2)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体20〜75重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体10〜80重量%からなる。
ここで、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(b2)の全量に対して、0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜2重量%である。芳香族ビニル単量体の使用量は、単量体混合物(b2)の全量に対して、20〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。
実質的に上記コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子を包囲する2層のシェル層を形成する方法としては、コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子(後述する中間層を形成した場合も含む)の存在下で、単量体混合物(b1)を共重合してコア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子を実質的に包囲する内側シェル層を形成した後、単量体混合物(b2)を共重合して当該内側シェル層を実質的に包囲する外側シェル層を形成すれば良い。共重合の方法としては、通常、乳化重合法が採られ、上記単量体混合物(a)の場合と同様に行うことができる。
コア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子(後述する中間層を形成した場合も含む)の存在下で、単量体混合物(b1)を乳化重合してコア重合体層(A)又は上記コア重合体粒子を実質的に包囲する内側シェル層を形成した重合体粒子の水性分散液(L3−1)を得た後、単量体混合物(b2)を乳化重合して当該内側シェル層を実質的に包囲する外側シェル層を形成した重合体粒子の水性分散液(L3−2)を得ることができる。上記水性分散液(L3−1)および水性分散液(L3−2)の固形分濃度は、好ましくは10〜50重量%である。
重合反応における単量体混合物(b1)および(b2)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成する共重合体の組成は使用した単量体混合物(b1)および(b2)の組成とほぼ同じである。
なお、コア重合体層(A)とシェル層(シェル層が多層の場合は、その合計重量)の重量比[(コア重合体層(A))/(シェル層)]は、好ましくは1/1〜1/30、より好ましくは1/2〜1/15、特に好ましくは1/3〜1/10である。なお、上記内側シェル層と外側シェル層の重量比[(内側シェル層)/(外側シェル層)]は、好ましくは1/3〜3/1、より好ましくは2/1〜1/2である。
シェル層の割合が過大であると、コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されず、得られる中空重合体粒子(X)の不透明化効果(光を良く散乱させ、光の透過性を低下させる効果)に劣る傾向がある。逆に、シェル層の割合が過小であると、コア重合体層(A)又はコア重合体粒子を十分に包囲できない場合がある。
中間層
本発明の中空重合体粒子(X)は、本発明の効果がより一層顕著になることから、上記コア重合体層(A)と、該コア重合体層(A)を実質的に包囲する少なくとも1層のシェル層との間に、上記コア重合体層(A)を実質的に包囲する少なくとも1層の中間層を有することが好ましく、生産性の観点から、1層の中間層を有することが特に好ましい。
中間層は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体0〜15重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜100重量%からなる単量体混合物(c)を共重合することによって形成される。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、上記コア重合体粒子の場合と同様のものが例示されるが、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどが挙げられるが、スチレンが好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
これらと共重合可能な他の単量体としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;エチレン性不飽和ニトリル単量体;エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;共役ジエン単量体;カルボン酸ビニルエステル単量体;ハロゲン化ビニル単量体;ハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;などを挙げることができ、その具体例としては、上記コア重合体粒子(A)の場合と同様のものが例示される。
中でも、本発明の効果がより一層顕著になることから、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく、メチル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(c)の全量に対して、0〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量が多すぎると、上記コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されず、得られる中空重合体粒子の不透明化効果(光を良く散乱させ、光の透過性を低下させる効果)に劣る傾向がある。
芳香族ビニル単量体の使用量は、単量体混合物(c)の全量に対して、0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜2重量%である。芳香族ビニル単量体の使用量が上記範囲にある場合に、上記コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されやすい。
なお、エチレン性不飽和カルボン酸単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、単量体混合物(b)の全量に対して、0〜100重量%、好ましくは80〜99.9重量%、特に好ましくは88〜98重量%である。
実質的に上記コア重合体層(A)又はコア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成する方法としては、コア重合体層(A)又はコア重合体粒子の存在下で、単量体混合物(c)を共重合すれば良い。共重合の方法としては、通常、乳化重合法が採られ、上記単量体混合物(a)の場合と同様に行うことができる。
コア重合体層(A)又はコア重合体粒子の存在下で、単量体混合物(c)を乳化重合して、実質的に上記コア重合体層(A)又はコア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成して得られる重合体粒子の水性分散液(L2)の固形分濃度は、好ましくは10〜50重量%である。
重合反応における単量体混合物(c)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成する共重合体の組成は使用した単量体混合物(c)の組成とほぼ同じである。
なお、少なくとも1層の中間層を形成する場合、コア重合体層(A)と中間層(中間層が多層の場合は、その合計重量)の重量比[(コア重合体層(A))/(中間層)]は、好ましくは1/3〜3/1、より好ましくは2/1〜1/2である。
中間層の割合が過大であると、コア重合体粒子内部に十分な空隙が形成されず、得られる中空重合体粒子の不透明化効果(光を良く散乱させ、光の透過性を低下させる効果)に劣る傾向がある。逆に、中間層の割合が過小であると、コア重合体層(A)又はコア重合体粒子を十分に包囲できない場合がある。
空隙率
本発明の中空重合体粒子(X)の空隙率は、中空重合体粒子の不透明化効果向上の観点から、好ましくは10〜100%、より好ましくは20〜100%、特に好ましくは30〜80%である。
ここで、上記空隙率は、透過型電子顕微鏡を用い、中空重合体粒子200個のそれぞれについて最大粒子径と空隙の最大径を求め、下記式で表される空隙率の単純平均値である。
「空隙率」=[(空隙の最大径)/(最大粒子径)]×100(%)
なお、中空重合体粒子が樹脂(Y)をグラフト結合したものである場合には、該樹脂(Y)の部分を除いて最大粒子径を測定する。
上記空隙を形成させるための方法としては、特に限定されないが、上記シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3、L3−1またはL3−2)に塩基を添加する方法が好ましく、上記内側シェル層を形成した重合体粒子の水性分散液(L3−1)に塩基を添加する方法が特に好ましい。
上記シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3、L3−1またはL3−2)に塩基を添加し、当該水性分散液のpHを7以上にすることにより、上記シェル層によって実質的に包囲されたコア重合体粒子に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が中和され、空隙が形成された重合体粒子を得る。この結果、当該空隙は水性分散液を形成する水性媒体で充満されることになる。
当該塩基は、揮発性塩基及び/又は不揮発性塩基である。揮発性塩基の具体例は、アンモニア、水酸化アンモニウム、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。不揮発性塩基の具体例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属(重)炭酸塩;炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどの(重)炭酸アンモニウム塩である。これらの中でも揮発性塩基およびアルカリ金属水酸化物が好ましく、アンモニアおよび水酸化ナトリウムが特に好ましい。
塩基の使用量は、上記コア重合体粒子の酸性基の少なくとも一部を中和して、前記水性分散液のpHを7以上とする量である。塩基処理の際の水性分散液のpHは、好ましくは7〜11、より好ましくは7〜10の範囲である。pHが低すぎると中空重合体粒子の空隙率が低くなる傾向があり、逆に高すぎると、凝集物が生成し易い傾向がある。
塩基は、添加時の凝集物発生の抑制の観点から、好ましくは水溶液の状態で添加され、その濃度は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
上記コア重合体粒子の酸性基が、塩基の水性分散液への添加により中和されるためには、塩基が重合体粒子内部に拡散する時間が必要である。従って、望ましくは、塩基の添加後、所定時間の間に攪拌が行われる(塩基処理時間)。
塩基処理温度は、重合体粒子が十分に軟化される温度以上であることが好ましく、70℃以上が好ましく、75〜95℃の範囲であることがより好ましい。あまりに高い塩基処理温度に設定すると、水性媒体の蒸気圧に耐える圧力容器が必要となり、過大な設備費用がかかることになる。塩基添加後の塩基処理時間は、通常、5〜180分、好ましくは10〜120分間である。
酸価
本発明の中空重合体粒子(X)は、酸価が50ミリモル/100グラム以上である。
ここで、中空重合体粒子(X)の酸価は、50ミリモル/100グラム以上、好ましくは70ミリモル/100グラム以上、特に好ましくは80ミリモル/100グラム以上である。また、中空重合体粒子(X)の酸価は、1000ミリモル/100グラム以下が好ましく、500ミリモル/100グラム以下がより好ましく、200ミリモル/100グラム以下が特に好ましい。
中空重合体粒子(X)の酸価が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
なお、上記「酸価」は、中空重合体粒子(X)の水酸化ナトリウム水溶液(pH=12)を用意し、0.1規定の塩酸水溶液を少量ずつ添加していった際の、電導度の変化から求められる、中空重合体粒子(X)100グラム当たりの酸性基のモル数(酸性基がカルボキシル基しか存在しない場合には、カルボキシル基のモル数)である。
そして、酸価の測定は、従来公知の特開2009−227818号公報や、Sience and Technology of Polymer Colloids,vol.II,p.449などに記載の方法に従って行えば良いが具体的には下記のとうりである。
中空重合体粒子U(グラム)を含む水性分散液をビーカーに採り、スターラーで、撹拌しつつ0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを12にする。次に電導度を測定しつつ0.1規定の塩酸水溶液を0.5ミリリットルずつ30秒間隔で滴下する。
電導度が降下してゆき、極小点(図1のP、A)に達してから上昇に転じ、最初の変極点(図1のP、A)を示す迄の塩酸水溶液の滴下量V(ミリリットル)(図1のP−Pに対応する。)を求める。そして、中空重合体粒子100グラム当たりの酸性基(通常は、カルボキシル基)のモル数を下記式により算出して求め、「酸価」とする。
「酸価」=10×V/U(ミリモル/100グラム)
なお、上記「極小点(図1のP、A)に達してから上昇に転じ、最初の変極点(図1のP、A)を示す迄の塩酸水溶液の滴下量V(ミリリットル)」が、中空重合体粒子の表面に存在する酸性基(通常は、カルボキシル基)に由来するものであり、上記最初の変極点(図1のP、A)から第2の変極点(図1のP、A)を示す迄の塩酸水溶液の滴下量が、水性分散液中に中空重合体粒子と結合せずに存在する樹脂(Y)に由来するものである。
樹脂(Y)
また、中空重合体粒子(X)の酸価を上記範囲にする方法としては、中空重合体粒子の最外層のシェル層に、酸価50ミリモル/100グラム以上の樹脂(Y)をグラフト結合することが好ましい。
なお、樹脂(Y)の酸価は、好ましくは50ミリモル/100グラム以上、より好ましくは70ミリモル/100グラム以上、特に好ましくは100ミリモル/100グラム以上である。また、樹脂(Y)の酸価は、好ましくは1000ミリモル/100グラム以下、より好ましくは500ミリモル/100グラム以下、特に好ましくは200ミリモル/100グラム以下である。
ここで、樹脂(Y)の酸価は、樹脂(Y)1グラムを、イオン交換水に溶解又は分散し、フェノールフタレインを指示薬として中和滴定し、中和するのに必要な水酸化カリウムのモル数を、樹脂(Y)100グラムに対する量に換算し、計算により求めることができる(単位は、「ミリモル/100グラム」)。
なお、樹脂(Y)の有する酸性基が、カルボキシル基しか存在しない場合には、樹脂(Y)100グラムが有するカルボキシル基のモル数を測定していることになる。
また、樹脂(Y)は、本発明の効果がより一層顕著になることから、エチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80重量%およびこれと共重合可能な他の単量体20〜95重量%からなる単量体混合物(e)を共重合して得られる樹脂(Y)であることが好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、上記コア重合体粒子の場合と同様のものが例示されるが、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
これと共重合可能な他の単量体としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;芳香族ビニル単量体;エチレン性不飽和ニトリル単量体;エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;共役ジエン単量体;カルボン酸ビニルエステル単量体;ハロゲン化ビニル単量体;ハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;などを挙げることができ、その具体例としては、上記コア重合体粒子の場合と同様のものが例示される。
中でも、本発明の効果がより一層顕著になることから、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく、メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、これらは、1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(e)の全量に対して、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、単量体混合物(e)の全量に対して、好ましくは20〜95重量%、より好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは60〜90重量%である。
樹脂(Y)を製造する方法としては、単量体混合物(e)を共重合すれば良い。共重合の方法としては、乳化重合法が好ましく、ソープフリー乳化重合法が特に好ましい。ソープフリー乳化重合法は従来公知の方法で行うことができる。
その具体的方法の例としては、単量体混合物(e)100重量部に対して、100〜500重量部の水を用い、必要に応じて従来公知の連鎖移動剤を加え、過硫酸カリウムなどの重合開始剤を添加してソープフリー乳化重合を行えば良い。
反応温度は、好ましくは50〜95℃であり、反応時間は1〜10時間である。
なお、重合反応における単量体混合物(e)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成する共重合体の組成は使用した単量体混合物(e)の組成とほぼ同じである。
なお、樹脂(Y)は、アンモニアや有機アミン化合物等の中和剤で中和されたものであることが好ましい。有機アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、2−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等もしくはこれらの混合物が用いられる。これらの中和剤で水溶性のものは、水溶液として用いてもよい。中和は、樹脂中のカルボキシル基と当量または部分的に中和して、水溶性ないし水分散性の樹脂(Y)となる。
中和の方法は特に限定されないが、例えば、単量体混合物(e)を乳化重合(ソープフリー乳化重合の場合も含む)した後に、上述の中和剤を添加して行えば良い。
グラフト結合
本発明の中空重合体粒子(X)は、中空重合体粒子の最外層のシェル層に、酸価50ミリモル/100グラム以上の樹脂(Y)がグラフト結合されたものであることが好ましい。
中空重合体粒子の最外層のシェル層とは、コア重合体層(A)又はコア重合体粒子を実質的に包囲するシェル層のうち、最も外側に形成されたものをいい、上記外側シェル層であることが好ましい。
また、最外層のシェル層と、樹脂(Y)とのグラフト結合の方法は特に限定されないが、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を用いてグラフト結合させたものが好ましく、グリシジル基含有エチレン性不飽和化合物を用いてグラフト結合させたものが特に好ましい。そして、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を用いてグラフト結合させる場合には、ラジカル重合開始剤(以下、「グラフト結合用ラジカル重合開始剤」という。)と塩基(以下、「グラフト結合用塩基」という。)の存在下でグラフト結合反応を行うことが好ましい。
なお、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を用いないグラフト結合の方法としては、例えば、最外層のシェル層を構成している−C=C−結合(炭素間二重結合)と樹脂(Y)が有する−C=C−結合(炭素間二重結合)をラジカル重合で結合させる方法等が挙げられる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を用いてグラフト結合させる場合、最外層のシェル層を構成している−C=C−結合(炭素間二重結合)と、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の−C=C−結合(炭素間二重結合)がラジカル反応して結合し、樹脂(Y)が有する酸性基(好適にはカルボキシル基である。)が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物のエポキシ基と反応し、最外層のシェル層と、樹脂(Y)とをグラフト結合させることが好ましい。この場合においてエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の一部がラジカル重合し、該ラジカル重合物が上記と同様の反応をして最外層のシェル層と、樹脂(Y)とをグラフト結合させていても良い、なお、カルボキシル基を有する樹脂が、塩基の存在下でエポキシ基と反応することは、「高分子ラテックスの化学」(出版社:高分子刊行会)1975年発行、p.339に記載されたように、従来公知の反応である。
グラフト結合反応に用いる樹脂(Y)の使用量は、中空重合体粒子100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、グリシジル基含有エチレン性不飽和化合物が好ましい。
グリシジル基含有エチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられるが、アクリル酸グリシジルおよびメタクリル酸グリシジルが好ましい。
なお、グリシジル基含有エチレン性不飽和化合物以外のエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、1−ビニル−3、4−エポキシシクロヘキサンなどが挙げられる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の使用量は、樹脂(Y)100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは2〜15重量部である。
グラフト結合用ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性ラジカル重合開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキサイド、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどの油溶性ラジカル重合開始剤;過酸化物を重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンなどの還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられるが、水溶性ラジカル重合開始剤が好ましく、過硫酸カリウムが特に好ましい。
グラフト結合用ラジカル重合開始剤の使用量は、樹脂(Y)に対して、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
グラフト結合用塩基としては、特に限定されないが、有機塩基化合物が好ましく、ヒドロキシル基とアミノ基を有する有機塩基化合物が特に好ましい。なお、有機塩基化合物の炭素数は、2〜10が好ましい。
ヒドロキシル基とアミノ基を有する有機塩基化合物としては、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、N−メチルエタノールアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、ジエチルアミノプロパノール、N−メチルプロパノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、アミノプロパノール、ジブチルアミノブタノール、ジエチルアミノブタノール、N−シクロヘキシルブタノールアミン等が挙げられるが、ジメチルアミノエタノール、N−メチルエタノールアミンおよびアミノエタノールが好ましく、ジメチルアミノエタノールが特に好ましい。
グラフト結合用塩基の使用量は、樹脂(Y)に対して、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
上記グラフト結合反応を行う好適な方法としては、最外層が形成された重合体粒子の水性分散液(好適には、上記水性分散液(L3またはL3−2))に、樹脂(Y)、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、グラフト結合用ラジカル重合開始剤およびグラフト結合用塩基を添加して、グラフト結合反応をさせれば良い。
グラフト結合反応温度および時間は格別限定されないが、50〜95℃で、0.5〜5時間行うことが好ましい。
上記グラフト結合反応は、上記シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3、L3−1またはL3−2)に塩基を添加し、空隙が形成された重合体粒子を得た後に行うことが好ましく、上記内側シェル層を形成した重合体粒子の水性分散液(L3−1)に塩基を添加し、空隙が形成された重合体粒子を得た後に行うことが特に好ましい。
このようにして、樹脂(Y)が重合体粒子の最外層にグラフト結合した、酸価が50ミリモル/100グラム以上の中空重合体粒子(X)の水性分散液(L4)を得ることができる。
中空重合体粒子(X)の水性分散液(L4)の水性分散液中の固形分濃度は、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
水性分散液
本発明の水性分散液は、上記中空重合体粒子(X)を水に分散したものである。
本発明の水性分散液中の固形分濃度は、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。なお、中空重合体粒子(X)は、乳化剤で安定化された状態で水に分散していることが好ましい。
製造方法
上記中空重合体粒子(X)の好適な製造方法は、
(1)上記単量体混合物(a)を乳化重合して、コア重合体粒子を含有する水性分散液(L1)を得る工程、
(2)上記コア重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(b)を乳化重合して、実質的に上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層のシェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3)を得る工程、
(3)上記シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3)に塩基を添加して、上記コア重合体粒子に空隙を形成する工程、
(4)上記単量体混合物(e)を共重合して得られる樹脂(Y)を、上記シェル層の最外層にグラフト結合させる工程、を有する。
上記中空重合体粒子(X)のさらに好適な製造方法は、
(1)上記単量体混合物(a)を乳化重合して、コア重合体粒子を含有する水性分散液(L1)を得る工程、
(2)上記コア重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(c)を乳化重合して、実質的に上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成して得られる重合体粒子の水性分散液(L2)を得る工程、
(3)上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成して得られる重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(b)を乳化重合して、実質的に上記中間層を包囲する少なくとも1層のシェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3)を得る工程、
(4)上記シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3)に塩基を添加して、上記コア重合体粒子に空隙を形成する工程、
(5)上記単量体混合物(e)を共重合して得られる樹脂(Y)を、上記シェル層の最外層にグラフト結合させる工程、を有する。
上記中空重合体粒子(X)の特に好適な製造方法は、
(1)上記単量体混合物(a)を乳化重合して、コア重合体粒子を含有する水性分散液(L1)を得る工程、
(2)上記コア重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(c)を乳化重合して、実質的に上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成して得られる重合体粒子の水性分散液(L2)を得る工程、
(3)上記コア重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層を形成して得られる重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(b1)を乳化重合して、実質的に上記中間層を包囲する上記内側シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3−1)を得る工程、
(4)上記内側シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3−1)に塩基を添加して、上記コア重合体粒子に空隙を形成する工程、
(5)空隙を有する上記内側シェル層が形成された重合体粒子の存在下で、上記単量体混合物(b2)を乳化重合して、実質的に上記内側シェル層を包囲する上記外側シェル層が形成された重合体粒子の水性分散液(L3−2)を得る工程、
(6)上記単量体混合物(e)を共重合して得られる樹脂(Y)を、上記外側シェル層にグラフト結合させる工程、を有する。
本発明の中空重合体粒子(X)およびその水性分散液は、例えば、紙、インキ、繊維、皮革等のコーティング、塗料等の用途における有機顔料、光散乱剤又は光散乱助剤;インクジェット紙の吸収性充填剤、製紙工程の内添充填剤、修正インキや修正リボン用の高隠蔽性顔料、マイクロカプセル材料、電子写真に用いられるトナーの中間材料、樹脂、セメント、コンクリートなどへの内添による軽量化などの空気による軽量化を利用する用途、半導体封止材料等に添加し、空気の低誘電性を利用する用途などに用いることができる。中でも、紙塗工組成物に好適であり、塗工紙の不透明度を向上させるのみならず、高光沢な塗工紙を製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、特に断りのない限り、「部」は重量基準である。
中空重合体粒子の数平均粒子径
中空重合体粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって、中空重合体粒子200個それぞれの最大粒子径を測定し、その測定値を単純平均して求めた。
なお、中空重合体粒子が樹脂をグラフト結合したものである場合には、該樹脂の部分を除いて最大粒子径を測定した。
コア重合体粒子の体積平均粒子径
コア重合体粒子の体積平均粒子径は、動的光散乱法粒子測定装置(商品名「N4」、コールター社製)を用い、コア重合体粒子の体積基準の粒度分布に基き、算術平均して計算される平均粒子径(「体積平均粒子径」という。)として求めた。
中空重合体粒子の空隙率
中空重合体粒子200個それぞれの最大粒子径と空隙の最大径を、透過型電子顕微鏡(商品名「H−7500」、日立製作所製)により測定した。そして、下記の式により計算される「空隙率」を単純に平均した値が、中空重合体粒子の「空隙率」とされた。
なお、中空重合体粒子が樹脂をグラフト結合したものである場合には、該樹脂の部分を除いて最大粒子径を測定した。
「空隙率」=[(空隙の最大径)/(最大粒子径)]×100(%)
樹脂の酸価
樹脂1gを、イオン交換水49gに溶解又は分散し、フェノールフタレインを指示薬として中和(滴定)し、中和するのに必要な水酸化カリウムのモル数を、樹脂100gに対する量に換算し、計算により求めた。単位は、「ミリモル/100グラム」。
中空重合体粒子の酸価
固形分濃度を2重量%に調整した中空重合体粒子を含む水性分散液約50グラム(U(グラム)とする)を、蒸留水で洗浄された150ミリリットルのビーカーに入れた。そして、ビーカーを溶液伝導率計(京都電子工業(株)製CM−117、使用セルタイプ:K−121)にセットし、上記中空重合体粒子を含む水性分散液を攪拌した。次に、0.1規定の水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製試薬特級)を添加して、当該水性分散液のpHが12になるようにしてから6分経過後に、当該水性分散液の電気伝導度(開始時の電気伝導度)を測定した。次いで、0.1規定の塩酸(和光純薬工業(株)製試薬特級)0.5ミリリットルを、当該水性分散液に添加し、30秒後に電気伝導度を測定した。当該操作を、中空重合体粒子を含む水性分散液の電気伝導度が、開始時の電気伝導度以上になるまで30秒間隔で繰り返し行った。
電導度が降下してゆき、極小点(図1のP、A)に達してから上昇に転じ、最初の変極点(図1のP、A)を示す迄の塩酸水溶液の滴下量V(ミリリットル)(図1のP−Pに対応する。)を求めた。そして、中空重合体粒子100(グラム)当たりの酸性基(通常は、カルボキシル基)のモル数を下記式により算出して求め、「酸価」とした。
「酸価」=10×V/U(ミリモル/100グラム)
中空重合体粒子の水性分散液のイソプロピルアルコールに対する耐性
ガラス製ビーカーに、イソプロピルアルコール100gを入れ、イオン交換水を用いて固形分濃度20重量%に調整した中空重合体粒子の水性分散液を2g投入し、25℃で、1時間攪拌して混合液を得た。得られた混合液を、ASTM標準ふるい(200メッシュ)を用いて濾過し、イソプロピルアルコールと接触することにより生成した凝集物を、標準ふるい上に得た。標準ふるい上の凝集物を乾燥して重量を秤量し、投入した中空重合体粒子に占める割合を重量百分率で求めた。単位は(重量%)。この値が小さいほど、アルコールと接触しても凝集物が発生しにくい。
中空重合体粒子の密着性
原紙に、卓上型ブレードコーターを用いて、中空重合体粒子の水性分散液を固形分として塗工量10g/mなるように手塗り後、110℃の熱風で、1分間乾燥させた。
さらに温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内に一昼夜放置した後、塗工紙を得た。この塗工紙を縦長5cm、横長2cmに切り取り、サンプル片とした。サンプル片の重量を秤量した後、サンプル片全体にメンディングテープ(住友スリーエム社製)を貼り付け、500gローラーにて荷重した。その後、メンディングテープを剥し、サンプル片上に残った中空重合体粒子の重量を秤量した。メンディングテープ貼り付け前後におけるサンプル片上の中空重合体粒子の重量減少割合を重量百分率で求めた。単位は(重量%)。この値が小さいほど、塗布した場合の密着性に優れる。
製造例1(樹脂(Y1)の合成)
攪拌装置付き反応容器に、イオン交換水200部を添加し、80℃に昇温後、4重量%の過硫酸カリウム水溶液25部が添加された後、メタクリル酸メチル55部、アクリル酸エチル25部、メタクリル酸20部およびチオグリコール酸2−エチルヘキシル(連鎖移動剤)8部が、2時間かけて反応容器に連続的に添加された。中和に必要なアンモニア水を加えた後、反応容器が室温まで冷却され、酸価130(ミリモル/100グラム)の樹脂(Y1)を含む水性分散液が得られた。なお、重合転化率は99重量%以上であった。
実施例1
(コア重合体粒子(A1)の形成)
メタクリル酸メチル50部、アクリル酸ブチル10部、メタクリル酸40部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.9重量部、トリポリリン酸ナトリウム0.15重量部およびイオン交換水80部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、コア重合体粒子(A1)形成用単量体混合物(a1)の乳化物が調製された。
攪拌装置付き反応容器に、イオン交換水800部、メタクリル酸メチル100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部および過硫酸カリウム5部を添加し、次いで攪拌した。その後、反応容器を80℃に昇温して重合反応を行ない、体積平均粒径82nmのシードラテックス(S1)を得た。
イオン交換水40部および上記シードラテックス(S1)0.28部(固形分として)を、攪拌装置付き耐圧容器に添加してシードラテックス(S1)の水性分散液を得た後、85℃に昇温した。
次に、3重量%の過硫酸カリウム水溶液1.63部を、上記シードラテックス(S1)の水性分散液に添加し、その後、上記単量体混合物(a1)の乳化物の全量のうち、7重量%に相当する量が、3時間に亘り、反応器に連続的に添加された後、更に反応が1時間行われた。
その後、イオン交換水250部および3重量%の過硫酸カリウム水溶液18.6部が反応器に添加され、反応温度を85℃に保ちながら、上記単量体混合物(a1)の乳化物の残部が、3時間に亘り、反応器に連続的に添加された後、更に反応が2時間行われた。その後、反応器が室温まで冷却され、コア重合体粒子(A1)を含む水性分散液(L1−1)が得られた。なお、重合転化率は99重量%以上であり、コア重合体粒子(A1)の体積平均粒子径は420nmであった。
(中間層および内側シェル層の形成)
メタクリル酸メチル7.8部、アクリル酸ブチル1.6部、メタクリル酸0.6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.02部およびイオン交換水16部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、中間層形成用単量体混合物(c1)の乳化物が調製された。
スチレン44.7部、メタクリル酸0.3部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリム0.3部およびイオン交換水40部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、内側シェル層形成用単量体混合物(b1−1)の乳化物が調製された。
スチレン20.7部、アクリル酸2−エチルヘキシル22.5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリム0.2部およびイオン交換水30部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、外側シェル層形成用単量体混合物(b2−1)の乳化物が調製された。
イオン交換水130部、および、上記コア重合体粒子(A1)を含む水性分散液(L1−1)が、コア重合体粒子(A1)の重量が約10重量部となるように(単量体混合物(a1)が10重量部となるように)、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで85℃に昇温された。そして、4重量%の過硫酸カリウム水溶液10部が、反応器に添加され、中間層形成用単量体混合物(c1)の乳化物が、20分間に亘り、反応系に連続的に添加され、重合して中間層を形成した。
その後、内側シェル層形成用単量体混合物(b1−1)の乳化物が、1時間に亘り、反応器に連続的に添加され、重合して内側シェル層を形成した。
(空隙の形成)
内側シェル層形成用単量体混合物(b1−1)の乳化物を連続的に添加した後、5重量%アンモニア水25部が反応器に添加され、塩基による空隙の形成が90℃で1時間行われた。反応液のpHは1時間に渡って7以上であった。
(外側シェル層の形成)
その後、4重量%の過硫酸カリウム水溶液10部が、反応器に添加され、外側シェル層形成用単量体混合物(b2−1)の乳化物が、1時間に亘り、反応器に連続的に添加され、重合して外側シェル層を形成した。
(グラフト結合)
外側シェル層形成用単量体混合物(b2−1)の乳化物を連続添加した後、メタクリル酸グリシジル1.8部、上記の樹脂(Y1)を含む水性分散液(樹脂(Y1)が13.5部となる量)、およびジメチルアミノエタノール0.5部を、反応器に一括で添加した。
その後、4重量%過硫酸カリウム水溶液10部が反応器に添加され、更に反応が2時間行なわれた。そして、反応器が室温まで冷却され、中空重合体粒子(X1)を含む水性分散液(L−X1)が得られた。また、使用した全単量体の重合転化率は99重量%以上であった。
そして、中空重合体粒子(X1)の数平均粒子径、空隙率および酸価、並びに中空重合体粒子(X1)を含む水性分散液(L−X1)のイソプロピルアルコールに対する耐性および密着性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
外側シェル層形成用単量体混合物(b2−1)において、アクリル酸2−エチルヘキシル22.5部に代えて、アクリル酸ブチル22.5部を用いた以外は実施例1と同様にして中空重合体粒子(X2)を含む水性分散液(L−X2)が得られた。
そして、中空重合体粒子(X2)の数平均粒子径、空隙率および酸価、並びに中空重合体粒子(X2)を含む水性分散液(L−X2)のイソプロピルアルコールに対する耐性および密着性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
(コア重合体粒子(A1)の形成)
メタクリル酸メチル50部、アクリル酸ブチル10部、メタクリル酸40部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.9部、トリポリリン酸ナトリウム0.15部およびイオン交換水80部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、コア重合体粒子(A1)形成用単量体混合物(a1)の乳化物が調製された。
攪拌装置付き反応容器に、イオン交換水800部、メタクリル酸メチル100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部および過硫酸カリウム5部を添加し、次いで攪拌した。その後、反応容器を80℃に昇温して重合反応を行ない、体積平均粒径82nmのシードラテックス(S1)を得た。
イオン交換水40部および上記シードラテックス(S1)0.28重量部(固形分として)を、攪拌装置付き耐圧容器に添加してシードラテックス(S1)の水性分散液を得た後、85℃に昇温した。
次に、3重量%の過硫酸カリウム水溶液1.63部を、上記シードラテックス(S1)の水性分散液に添加し、その後、上記単量体混合物(a1)の乳化物の全量のうち、7重量%に相当する量が、3時間に亘り、反応器に連続的に添加された後、更に反応が1時間行われた。
その後、イオン交換水250部および3重量%の過硫酸カリウム水溶液18.6部が反応器に添加され、反応温度を85℃に保ちながら、上記単量体混合物(a1)の乳化物の残部が、3時間に亘り、反応器に連続的に添加された後、更に反応が2時間行われた。その後、反応器が室温まで冷却され、コア重合体粒子(A1)を含む水性分散液(L1−1)が得られた。なお、重合転化率は99重量%以上であり、コア重合体粒子(A1)の体積平均粒子径は420nmであった。
(中間層およびシェル層の形成)
メタクリル酸メチル7.8部、アクリル酸ブチル1.6部、メタクリル酸0.6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.02部およびイオン交換水16部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、中間層形成用単量体混合物(c1)の乳化物が調製された。
スチレン89.4部、メタクリル酸0.63部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリム0.3部およびイオン交換水40部が、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで攪拌されて、シェル層形成用単量体混合物(b3)の乳化物が調製された。
イオン交換水130重量部、および、上記コア重合体粒子(A1)を含む水性分散液(L1−1)が、コア重合体粒子(A1)の重量が約10重量部となるように(単量体混合物(a1)が10重量部となるように)、攪拌装置付き耐圧容器に添加され、次いで85℃に昇温された。そして、4重量%の過硫酸カリウム水溶液10部が、反応器に添加され、中間層形成用単量体混合物(c1)の乳化物が、20分間に亘り、反応系に連続的に添加され、重合して中間層を形成した。
その後、シェル層形成用単量体混合物(b3)の乳化物が、1時間に亘り、反応器に連続的に添加され、重合してシェル層を形成した。
(空隙の形成)
シェル層形成用単量体混合物(b3)の乳化物を連続的に添加した後、5重量%アンモニア水25部が反応器に添加され、塩基による空隙の形成が90℃で1時間行われた。反応液のpHは1時間に渡って7以上であった。
そして、反応器が室温まで冷却され、中空重合体粒子(X3)を含む水性分散液(L−X3)が得られた。
そして、中空重合体粒子(X3)の数平均粒子径、空隙率および酸価、並びに中空重合体粒子(X3)を含む水性分散液(L−X3)のイソプロピルアルコールに対する耐性および密着性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1で得られた中空重合体粒子(X3)を含む水性分散液(L−X3)に、上記の樹脂(Y1)を含む水性分散液(樹脂(Y1)が13.5重量部となる量)を混合して中空重合体粒子(X3)および樹脂(Y1)を含む水性分散液(L−X3−Y1)を得た。
そして、中空重合体粒子(X3)の数平均粒子径、空隙率および酸価、並びに中空重合体粒子(X3)および樹脂(Y1)を含む水性分散液(L−X3−Y1)のイソプロピルアルコールに対する耐性および密着性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005935532
表1より、以下の事が分かる。
酸価が本発明で規定する要件を満たす中空重合体粒子を用いた場合には、イソプロピルアルコールと接触しても凝集物が発生しにくく、また、塗布した場合の密着性に優れていた(実施例1および実施例2)。なお、実施例1および実施例2の中空重合体粒子の酸価が、樹脂(Y)のグラフト結合反応を行わない比較例1および比較例2の酸価に比べて、2倍以上大きな値であるため、樹脂(Y)が中空重合体粒子の表面にグラフト結合されていることがわかる。
一方、酸価130(ミリモル/100グラム)の樹脂(Y1)をシェル層にグラフト結合せず、酸価が本発明で規定する要件を満たさない中空重合体粒子を用いた場合には、イソプロピルアルコールと接触した場合に凝集物が多量に発生し、また、塗布した場合の密着性にも大きく劣っていた(比較例1)。
さらに、比較例1で得られた中空重合体粒子(X3)(酸価が本発明で規定する要件を満たさないもの)を含む水性分散液に、上記の樹脂(Y1)を含む水性分散液(樹脂(Y1)を単に混合しただけでは、当該混合後の水性分散液を用いても、イソプロピルアルコールと接触した場合に凝集物が多量に発生し、また、塗布した場合の密着性にも大きく劣っていた(比較例2)。

Claims (2)

  1. エチレン性不飽和カルボン酸単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体40〜80重量%からなる単量体混合物(a)を共重合してなるコア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成されるコア重合体層(A)と、
    実質的に前記コア重合体層(A)を包囲するシェル層と、
    前記コア重合体層(A)と、前記シェル層との間に形成された中間層とを備え、
    かつ、前記コア重合体粒子に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも1つの空隙を有する、酸価が50ミリモル/100グラム以上の中空重合体粒子(X)であって、
    前記シェル層は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体80〜100重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜20重量%からなる単量体混合物(b1)を共重合することによって形成された内側シェル層と、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体20〜75重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体10〜80重量%からなる単量体混合物(b2)を共重合することによって形成された外側シェル層とを備えるものであり、
    前記中間層は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0〜15重量%、芳香族ビニル単量体0〜15重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜100重量%からなる単量体混合物(c)を共重合することによって形成されたものであり、
    前記シェル層に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80重量%およびこれと共重合可能な他の単量体20〜95重量%からなる単量体混合物(e)を共重合して得られ、かつ、酸価50ミリモル/100グラム以上である樹脂(Y)がグラフト結合されたものであることを特徴とする中空重合体粒子(X)
  2. 請求項に記載の中空重合体粒子(X)の水性分散液。
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