JP2020158638A - 中空重合体粒子の製造方法 - Google Patents

中空重合体粒子の製造方法 Download PDF

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Akira Kitagawa
昌 北川
雅俊 石葉
Masatoshi Ishiba
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Abstract

【課題】空隙率が高く、塗工紙の製造に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を得ることができる中空重合体粒子の製造方法を提供すること。【解決手段】水性媒体中で、単量体混合物(a)を共重合し、コア重合体粒子(A)を形成するコア重合体粒子形成工程と、単量体混合物(b)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することで、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)を形成するシェル層形成工程と、前記コア重合体粒子(A)と、前記シェル層(B)とを有する重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる水熱処理工程と、を備える中空重合体粒子の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、中空重合体粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、空隙率が高く、塗工紙の製造に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を得ることができる中空重合体粒子の製造方法に関する。
中空重合体粒子は、粒子中に密実均一に重合体が充填された重合体粒子と比べて、光を良く散乱させ、光の透過性を低くすること、また、粒子の変形容易性から、隠蔽剤や不透明度、白色度、光沢度などの光学的性質に優れた有機顔料として水系塗料、紙塗工用組成物などの用途で汎用されている。
このような用途においては、塗料や塗工紙などの軽量化および中空重合体粒子による断熱化、不透明化、高光沢化などの効果を向上させるために、配合する中空重合体粒子の空隙率を高めることや、種々の特性を向上させることが望まれている。
従来、中空重合体粒子を含有する塗工組成物が、紙塗工用組成物として塗工紙の製造に使用されている。例えば、特許文献1では、コア重合体粒子にシェル層を形成後、所定量の塩基によりコア重合体粒子を膨潤させ、次いで、シェル層を膨潤させる前後の含水率差を所定範囲とするように、単量体の存在下でシェル層を膨張させる、中空重合体粒子の水性分散液の製造方法が開示されている。
また、空隙率を高め、軽量で低密度の中空重合体粒子を得るために、特許文献2および特許文献3には、コア重合体粒子にシェル層を形成後、シェル層を導く未反応モノマーの存在下で、塩基を添加し、コア重合体粒子を膨潤させ、さらに未反応モノマーを重合させることによりシェル層を最終的に形成することで中空重合体粒子の水性分散液を得る方法が開示されている。しかし、特許文献1〜3に開示された中空重合体粒子の空隙率は十分ではなく、これらを用いて得られた塗工紙は、不透明度、白紙光沢が十分に高いものではなかった。
国際公開第2017/073443号 特許第4413295号公報 特開2002−241448号公報
本発明の目的は、空隙率が高く、塗工紙の製造に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を得ることができる中空重合体粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、コア重合体粒子(A)にシェル層(B)を形成して重合体粒子を得る工程と、得られた重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、重合体粒子中のコア重合体粒子を膨張させる工程を備える中空重合体粒子の製造方法によれば、空隙率が高い中空重合体粒子を得ることができること、また、このような中空重合体粒子を塗工紙の製造に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、水性媒体中で、単量体混合物(a)を共重合し、コア重合体粒子(A)を形成するコア重合体粒子形成工程と、単量体混合物(b)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することで、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)を形成するシェル層形成工程と、前記コア重合体粒子(A)と、前記シェル層(B)とを有する重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる水熱処理工程と、を備える中空重合体粒子の製造方法が提供される。
本発明の中空重合体粒子の製造方法において、前記単量体混合物(a)が、酸性基含有単量体を20〜50重量%含有することが好ましい。
本発明の中空重合体粒子の製造方法は、前記水熱処理工程において、有機溶媒の存在下で水熱処理を行い、前記有機溶媒の使用量は、前記重合体粒子100重量部に対して0.1〜15重量部であることが好ましい。
本発明の中空重合体粒子の製造方法において、前記重合体粒子の水性分散液に、塩基を、前記重合体粒子100重量部に対して0.1〜30重量部添加し、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる塩基処理工程をさらに備えることが好ましい。
本発明の中空重合体粒子の製造方法において、前記シェル層形成工程は、単量体混合物(b1)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲する内側シェル層(B1)を形成する内側シェル層形成工程と、単量体混合物(b2)を、前記内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、中間シェル層(B2)を形成する中間シェル層形成工程と、単量体混合物(b3)を、前記内側シェル層(B1)および前記中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、外側シェル層(B3)を形成する外側シェル層形成工程と、を備えることが好ましい。
本発明の中空重合体粒子の製造方法において、前記単量体混合物(b1)が、酸性基含有単量体を1〜10重量%含有し、前記単量体混合物(b2)が、酸性基含有単量体を0.2〜2.5重量%含有し、前記単量体混合物(b3)が、酸性基含有単量体を0〜0.15重量%含有することが好ましい。
本発明の中空重合体粒子の製造方法において、前記単量体混合物(a)、前記単量体混合物(b1)、前記単量体混合物(b2)、および前記単量体混合物(b3)の使用割合が、「単量体混合物(a)/単量体混合物(b1)/単量体混合物(b2)/単量体混合物(b3)」の重量比で、(1〜40)/(1〜40)/(10〜88)/(10〜88)であることが好ましい。
本発明によれば、空隙率が高く、塗工紙に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を与えることができる中空重合体粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の中空重合体粒子の製造方法は、水性媒体中で、単量体混合物(a)を共重合し、コア重合体粒子(A)を形成するコア重合体粒子形成工程と、単量体混合物(b)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することで、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)を形成するシェル層形成工程と、前記コア重合体粒子(A)と、前記シェル層(B)とを有する重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる水熱処理工程と、を備える方法である。
コア重合体粒子(A)
コア重合体粒子(A)は、コア重合体粒子(A)を形成するための単量体混合物(a)を、水性媒体中で共重合することにより形成される。
コア重合体粒子(A)を形成するための単量体混合物(a)に含有させる単量体としては特に限定されないが、酸性基含有単量体20〜50重量%、および酸性基含有単量体と共重合可能な単量体50〜80重量%を含有するものが好ましい。
酸性基含有単量体は、酸性を示す官能基を有する単量体であり、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果がより一層顕著になることから、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸(「アクリル酸およびメタクリル酸」を表す。以下、同様。)がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。なお、これらの単量体は1種単独でも、2種以上を併用しても良い。
単量体混合物(a)中における、酸性基含有単量体の含有割合は、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜45重量%である。酸性基含有単量体の含有割合が上記範囲であると、コア重合体粒子(A)は膨張し易いものとなるため、空隙の形成が容易なものとなり、また、コア重合体粒子(A)がシェル層(B)に十分に包囲されるものとなるため、得られる中空重合体粒子の水性分散液は安定性に優れるものとなり、凝集物の発生を抑制できる。
共重合可能な単量体としては、酸性基含有単量体と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量体;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;等が挙げられるが、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸ブチルがさらに好ましく、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸ブチルが特に好ましい。なお、上記エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体のアルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。また、これらの単量体は1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物(a)中における、共重合可能な単量体の含有割合は、好ましくは50〜80重量%であり、より好ましくは55〜75重量%である。
また、本発明においては、単量体混合物(a)を構成する各単量体として、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、およびメタクリル酸を組み合わせて用いることが特に好ましく、これらの含有割合を、メタクリル酸メチル35〜77重量%、アクリル酸ブチル3〜15重量%、およびメタクリル酸20〜50重量%とすることが好ましく、メタクリル酸メチル42〜71重量%、アクリル酸ブチル4〜13重量%、およびメタクリル酸25〜45重量%とすることがより好ましく、メタクリル酸メチル45〜65重量%、アクリル酸ブチル5〜12重量%、およびメタクリル酸30〜43重量%とすることが特に好ましい。
また、単量体混合物(a)中には、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体を配合してもよい。単量体混合物(a)中の架橋性単量体の使用量は、安定な空隙形成が維持できる範囲とすることが望ましく、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。架橋性単量体の使用量が上記範囲であると、コア重合体粒子(A)は膨張し易いものとなるため、空隙の形成が容易なものとなる。
単量体混合物(a)の共重合は、水性媒体中で行なわれる。そのため、共重合により得られるコア重合体粒子(A)は、通常、水性分散液の状態で得られる。水性媒体としては、通常、水が用いられ、製造時の重合体粒子の分散安定性を損なわない範囲で、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒を併用してもよい。水性媒体の使用量は、単量体混合物(a)100重量部に対して、通常、100〜1000重量部、好ましくは200〜600重量部である。水性媒体の使用量が上記範囲であると、共重合時に水性媒体が十分に存在するため、凝集物の発生を抑制でき、さらに、水性媒体の使用量が多すぎないため、中空重合体粒子の生産性に優れる。
単量体混合物(a)の共重合方法は、特に限定されないが、通常、乳化重合法である。重合方式は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式でもよい。重合圧力、重合温度および重合時間は特に限定されず、公知の条件が採られる。乳化重合に際しては、乳化重合反応に一般に使用される、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、キレート剤、電解質、脱酸素剤などの各種添加剤を、重合用副資材として使用することができる。
乳化重合に用いる界面活性剤としては、一般に公知の界面活性剤を用いることができ、具体的には、ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム等のロジン酸塩;オレイン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩;などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸塩;ポリエチレングリコールのアルキルエステル、アルキルエーテル又はアルキルフェニルエーテルなどのノニオン性界面活性剤、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の親水性合成高分子物質;ゼラチン、水溶性でんぷん等の天然親水性高分子物質;カルボキシメチルセルロース等の親水性半合成高分子物質;などの分散安定剤などが挙げられる。これらの界面活性剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。これらのなかでも、重合安定性が良好であるため、アルキルエーテル硫酸塩が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムがより好ましい。
界面活性剤の使用量は、単量体混合物(a)100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。界面活性剤の使用量が上記範囲であると、重合時の凝集物の発生を抑制でき、また、得られる中空重合体粒子の空隙率をより高めることができる。
また、単量体混合物(a)の共重合は、シードの存在下で行うことが好ましく、シードを使用することにより、生成するコア重合体粒子(A)の粒子径の制御を容易なものとすることができる。
乳化重合における単量体混合物(a)の重合転化率は、通常、90重量%以上、好ましくは97重量%以上である。また、生成する共重合体の組成は、通常、単量体混合物(a)の組成とほぼ同じものとなる。
乳化重合を行う際における、界面活性剤の添加方法は、特に限定されず、界面活性剤は、反応系に一括で、あるいは、分割して、または連続的に添加することができるが、重合時における凝集物の発生を抑制するという点より、反応系に連続的に添加する方法が好ましい。また、単量体混合物(a)と界面活性剤とは、混合して反応系に添加してもよいし、あるいは、別々に反応系に添加してもよいが、単量体混合物(a)と界面活性剤とを水性媒体とともに混合し、乳化物の状態として、反応系に添加することが好ましい。
また、乳化重合に際しては、反応系に無機塩を添加し、無機塩の存在下で共重合を行ってもよく、特に、界面活性剤と無機塩とを併用すると、重合時における凝集物の生成を効果的に抑制することができ、粒径分布を狭くすることが可能となる。無機塩としては、特に限定されないが、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩;塩化カルシウム、硫酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩;硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどが挙げられる。これらのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、トリポリリン酸ナトリウムがより好ましい。無機塩の使用量は、単量体混合物(a)100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。無機塩の使用量が上記範囲であると、無機塩の添加効果を確実に発現でき、また、重合時の凝集物の発生を抑制できる。また、無機塩の添加方法としては、特に限定されず、反応系に一括で、分割して、または連続的に添加することができる。
乳化重合により得られるコア重合体粒子(A)の体積平均粒子径は、好ましくは100〜600nm、より好ましくは250〜500nmである。体積平均粒子径が上記範囲内であると、空隙率が高く、かつ粒子径が大きい中空重合体粒子を容易に製造でき、また、シェル層(B)によるコア重合体粒子(A)の被覆が容易となり、コア重合体粒子(A)における空隙を確実に形成できるものとなる。
シェル層(B)
シェル層(B)は、コア重合体粒子(A)を実質的に包囲する層であり、シェル層(B)を形成するための単量体混合物(b)を、コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することにより形成される。
シェル層(B)は、1層であってもよいし、2層以上から形成されていてもよい。シェル層(B)としては特に限定されないが、たとえば、シェル層(B)として、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)の3層から形成される層とすることができる。
以下、シェル層(B)が、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)の3層で形成される場合を例示して説明するが、本発明は、このような態様に特に限定されるものではない。
内側シェル層(B1)は、コア重合体粒子(A)を実質的に包囲する層であり、内側シェル層(B1)を形成するための単量体(b1)を、コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することにより形成される。
内側シェル層(B1)を形成するための単量体混合物(b1)としては、特に限定されないが、酸性基含有単量体1〜10重量%、および酸性基含有単量体と共重合可能な単量体90〜99重量%を含有するものが好ましい。
酸性基含有単量体としては、特に限定されず、上述したコア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された酸性基含有単量体と同様のものを用いることができるが、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。単量体混合物(b1)中における、酸性基含有単量体の含有割合は、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは3〜9重量%であり、さらに好ましくは5〜8重量%である。
また、共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、上述したコア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された共重合可能な単量体と同様のものを用いることができ、なかでも、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸ブチルがさらに好ましく、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸ブチルが特に好ましい。なお、上記エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体のアルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。また、これらの単量体は1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物(b1)中における、共重合可能な単量体の含有割合は、好ましくは90〜99重量%であり、より好ましくは91〜97重量%、さらに好ましくは92〜95重量%である。
また、本発明においては、単量体混合物(b1)を構成する各単量体として、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、ならびに、メタクリル酸および/またはアクリル酸を組み合わせて用いることが特に好ましく、これらの含有割合を、メタクリル酸メチル68〜89重量%、アクリル酸ブチル10〜22重量%、メタクリル酸および/またはアクリル酸1〜10重量%とすることが好ましく、メタクリル酸メチル71〜85重量%、アクリル酸ブチル12〜20重量%、メタクリル酸および/またはアクリル酸3〜9重量%とすることがより好ましく、メタクリル酸メチル74〜81重量%、アクリル酸ブチル14〜18重量%、メタクリル酸および/またはアクリル酸5〜8重量%とすることが特に好ましい。
単量体混合物(b1)を、コア重合体粒子(A)の存在下で共重合する方法としては特に限定されないが、コア重合体粒子(A)の水性分散液中にて、単量体混合物(b1)を乳化重合する方法が好ましく、これにより、内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)を得ることができる。重合方式としては、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式を用いてもよく、また、重合圧力、重合温度および重合時間は格別限定されず、公知の条件を採用することができる。
単量体混合物(b1)の乳化重合に際しては、コア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された重合用副資材と同様のものを使用することできる。また、単量体混合物(b1)の乳化重合に際しては、コア重合体粒子(A)の製造において例示された重合用副資材に加えて、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知の連鎖移動剤を用いることができ、たとえば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジフェニルエチレン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。これらのなかでも、メルカプタン類およびα−メチルスチレンダイマーが好ましく、メルカプタン類がより好ましく、t−ドデシルメルカプタンが特に好ましい。
中間シェル層(B2)は、内側シェル層(B1)を実質的に包囲する層であり、中間シェル層(B2)を形成するための単量体混合物(b2)を、内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合することにより形成される。なお、中間シェル層(B2)は、その一部または全部が、内側シェル層(B1)に取り込まれた状態として形成されてもよい。
中間シェル層(B2)を形成するための単量体混合物(b2)に含有させる単量体としては特に限定されないが、酸性基含有単量体0.2〜2.5重量%、および酸性基含有単量体と共重合可能な単量体97.5〜99.8重量%を含有するものが好ましい。
酸性基含有単量体としては、特に限定されず、上述したコア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された酸性基含有単量体と同様のものを用いることができるが、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸が特に好ましい。単量体混合物(b2)中における、酸性基含有単量体の含有割合は、好ましくは0.2〜2.5重量%であり、より好ましくは0.3〜2.2重量%であり、さらに好ましくは0.4〜1.8重量%である。
また、共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、上述したコア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された共重合可能な単量体と同様のものを用いることができ、なかでも、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく、芳香族ビニル単量体がより好ましく、スチレンが特に好ましい。単量体混合物(b2)中における、共重合可能な単量体の含有割合は、好ましくは97.5〜99.8重量%であり、より好ましくは97.8〜99.7重量%、さらに好ましくは98.2〜99.6重量%である。
また、本発明においては、単量体混合物(b2)を構成する各単量体として、メタクリル酸および/またはアクリル酸とスチレンとを組み合わせて用いることが特に好ましく、これらの含有割合を、メタクリル酸および/またはアクリル酸0.2〜2.5重量%、およびスチレン97.5〜99.8重量%とすることが好ましく、メタクリル酸および/またはアクリル酸0.3〜2.2重量%、およびスチレン97.8〜99.7重量%とすることがより好ましく、メタクリル酸および/またはアクリル酸0.4〜1.8重量%、およびスチレン98.2〜99.6重量%とすることが特に好ましい。
単量体混合物(b2)を、内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合する方法としては特に限定されないが、内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)の水性分散液中にて、単量体混合物(b2)を乳化重合する方法が好ましく、これにより、内側シェル層(B1)および中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)を得ることができる。重合方式としては、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式を用いてもよく、また、重合圧力、重合温度および重合時間は格別限定されず、公知の条件を採用することができる。単量体混合物(b2)の乳化重合に際しては、コア重合体粒子(A)の製造や、内側シェル層(B1)の形成の説明において例示された重合用副資材を使用することできる。
外側シェル層(B3)は、中間シェル層(B2)を実質的に包囲する層であり、外側シェル層(B3)を形成するための単量体混合物(b3)を、中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合することにより形成される。なお、外側シェル層(B3)は、その一部または全部が、中間シェル層(B2)に取り込まれた状態として形成されてもよい。
外側シェル層(B3)を形成するための単量体混合物(b3)に含有させる単量体としては特に限定されないが、酸性基含有単量体0.15重量%以下、および酸性基含有単量体以外の単量体99.85重量%以上を含有するものが好ましい。
酸性基含有単量体としては、特に限定されず、上述したコア重合体粒子(A)の製造の説明で例示された酸性基含有単量体と同様のものを用いることができるが、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。単量体混合物(b3)中における、酸性基含有単量体の含有割合は、好ましくは0.15重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下であり、特に、酸性基含有単量体の含有割合は実質的に0重量%とすることが望ましい。すなわち、単量体混合物(b3)として、酸性基含有単量体を含有しないものを用いることが好ましい。酸性基含有単量体の含有割合が上記範囲であると、凝集物(コアギュラム)の発生を抑制できる。
また、単量体混合物(b3)に含有される、酸性基含有単量体以外の単量体としては特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量体;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン単量体;ビニルピリジン;等が挙げられる。これらの単量体は1種単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
これらのなかでも凝集物の量が少ない中空重合体粒子の水性分散液が得られ易いことから、芳香族ビニル単量体が好ましく、スチレンがより好ましい。
単量体混合物(b3)中における、酸性基含有単量体以外の単量体の含有割合は、好ましくは99.85重量%以上、より好ましくは99.9重量%以上、さらに好ましくは99.95重量%以上であり、特に、酸性基含有単量体以外の単量体の含有割合は実質的に100重量%とすることが望ましい。すなわち、単量体混合物(b3)として、酸性基含有単量体以外の単量体のみからなるものを用いることが好ましく、芳香族ビニル単量体のみを含有するものを用いることが好ましく、スチレンのみを含有するものを用いることが特に好ましい。
単量体混合物(b3)を、内側シェル層(B1)および中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合する方法としては特に限定されないが、内側シェル層(B1)および中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)の水性分散液中にて、単量体混合物(b3)を乳化重合する方法が好ましく、これにより、シェル層(B)(内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3))が形成されたコア重合体粒子(A)(以降、「重合体粒子」とも呼ぶ)を得ることができる。重合方式としては、回分式、半連続式、連続式のいずれの方式を用いてもよく、また、重合圧力、重合温度および重合時間は格別限定されず、公知の条件を採用することができる。単量体混合物(b3)の乳化重合に際しては、コア重合体粒子(A)の製造や、内側シェル層(B1)および中間シェル層(B2)の形成の説明において例示された重合用副資材を使用することできる。
シェル層(B)が、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)から形成される層である場合、コア重合体粒子(A)を形成するための単量体混合物(a)と、内側シェル層(B1)を形成するための単量体混合物(b1)と、中間シェル層(B2)を形成するための単量体混合物(b2)と、外側シェル層(B3)を形成するための単量体混合物(b3)との重量比率は、「単量体混合物(a)/単量体混合物(b1)/単量体混合物(b2)/単量体混合物(b3)」の重量比で、好ましくは(1〜40)/(1〜40)/(10〜88)/(10〜88)であり、より好ましくは(2〜30)/(2〜30)/(20〜76)/(20〜76)、特に好ましくは(5〜20)/(5〜20)/(30〜60)/(30〜60)である。コア重合体粒子(A)、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)を形成するための、それぞれの単量体混合物の重量比率が上記範囲にあると、本発明の効果がより一層顕著になる。
以上のように、コア重合体粒子(A)を包囲するシェル層(B)は、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)により形成される態様であることが好ましい。上記においては、シェル層(B)として、内側シェル層(B1)、中間シェル層(B2)、および外側シェル層(B3)を形成する態様を例示したが、シェル層(B)は、必ずしも3層からなる層でなくてもよく、たとえば、シェル層(B)として、上述した外側シェル層(B3)と同様の層のみからなる層を形成してもよいし、内側シェル層(B1)と外側シェル層(B3)との2層からなる層を形成してもよいし、中間シェル層(B2)と外側シェル層(B3)との2層からなる層を形成してもよい。
水熱処理工程
次いで、本発明の中空重合体粒子の製造方法における、水熱処理工程について説明する。水熱処理工程では、上記方法により得られた重合体粒子(すなわち、コア重合体粒子(A)と、シェル層(B)とを有する重合体粒子)の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨張させ、空隙を形成する工程である。このような水熱処理工程により、中空重合体粒子内部に空隙を形成することができ、これにより、内部に空隙が形成された中空重合体粒子の水性分散液を得ることができる。
水熱処理工程における、水熱処理方法としては、特に限定されないが、たとえば、上記方法により得られた重合体粒子の水性分散液を、耐圧反応容器に入れ、密封して、常圧より高い圧力にて加圧し、このような加圧下において、100℃超にて加熱する方法が挙げられる。
水熱処理工程における、圧力(たとえば、耐圧反応容器中の圧力)としては、常圧(絶対圧力で、0.101MPa)より高い圧力であればよく、ゲージ圧で、好ましくは0.1〜20MPaであり、より好ましくは0.1〜10MPa、さらに好ましくは0.1〜5MPaである。圧力を上記範囲とすることにより、得られる中空重合体粒子の空隙率をより高めることができる。また、水熱処理工程における、加熱温度としては、100℃超であればよく、好ましくは110〜500℃であり、より好ましくは110〜350℃、さらに好ましくは110〜250℃である。加熱温度を上記範囲とすることにより、得られる中空重合体粒子の空隙率をより高めることができる。
本発明における水熱処理工程において、常圧より高い圧力に加圧しつつ加熱することにより、重合体粒子の水性分散液は、液体状態のまま、水性媒体の沸点より高い温度にまで昇温するため、このような水熱処理により、重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させることができ、これにより、空隙率の高い中空重合体粒子を得ることができる。その結果、得られる中空重合体粒子は、高い空隙率と大きな粒子径とを備えるものとなるため、紙塗工用組成物として塗工紙の製造に用いた場合に、不透明度が高く、白紙光沢に優れた塗工紙を与えることができるものとなる。
また、水熱処理は、有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒の存在下で水熱処理を行うことにより、有機溶媒の作用により、水熱処理の進行速度をより早めることができる。有機溶媒の存在下で水熱処理を行う方法としては、得られた重合体粒子の水性分散液に、有機溶媒を添加してから、上述の水熱処理を行う方法が挙げられる。
水熱処理工程において使用する有機溶媒としては、シェル層(B)を可塑化させることができるものが好ましく、たとえば、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンなどを挙げることができる。なお、有機溶媒は、シェル層(B)を形成する際に用いた単量体混合物(b)中の単量体の種類に応じて、適宜選択することができ、たとえば、シェル層(B)を、外側シェル層(B3)を有するものとした場合(すなわち、酸性基含有単量体以外の単量体の単位の含有割合が比較的高い外側シェル層(B3)を有するものとした場合)、最外層に位置する外側シェル層(B3)に対する親和性の観点より、使用する有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンが好ましく、トルエンが好ましい。有機溶媒の使用量は、重合体粒子100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。有機溶媒の使用量を上記範囲とすることにより、得られる中空重合体粒子の空隙率の向上効果をより一層高めることができる。
また、水熱処理工程を行う際における処理時間は、コア重合体粒子(A)を十分に膨潤させることができる時間とすればよく、特に限定されないが、通常、0.1〜500時間、好ましくは0.1〜50時間の範囲で適宜選択すればよい。
塩基処理工程
また、本発明の中空重合体の製造方法は、塩基処理工程を備えていてもよい。塩基処理工程は、重合体粒子の水性分散液に、塩基を添加し、これにより、水性分散液のpHを7以上とすることで、コア重合体粒子(A)に含まれる酸性基の少なくとも一部を中和する工程である。塩基処理を行うことで、空隙率のより高い中空重合体粒子を得ることができる。なお、塩基処理は、水熱処理工程の前に行ってもよいし、水熱処理工程の後に行ってもよいが、予め塩基処理を行うことで、水熱処理による空隙の形成効果をより高めることができ、これにより、得られる中空重合体粒子の空隙率をより高めることができるため、水熱処理工程の前に塩基処理を行うことが好ましい。
塩基処理工程において用いる塩基としては、揮発性塩基および不揮発性塩基のいずれでもよいが、揮発性塩基の具体例としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。また、不揮発性塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属(重)炭酸塩;炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどの(重)炭酸アンモニウム塩などが挙げられる。これらのなかでも、揮発性塩基が好ましく、アンモニアおよび水酸化アンモニウムがより好ましい。塩基の使用量としては、重合体粒子100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。
また、塩基を添加する際には、添加時の凝集物発生の抑制の観点から、水溶液の状態で添加することが好ましく、その際における水溶液中の塩基の濃度は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。また、この際においては、塩基処理時における凝集物の発生を抑制するという観点より、塩基を添加する前に、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を添加してもよい。
また、塩基処理を行う際における処理時間は、コア重合体粒子(A)内部に、塩基が十分に拡散するのに必要となる時間とすればよく、通常、5〜120分間、好ましくは10〜90分間の範囲で適宜選択すればよい。また、塩基処理を行う際における温度は、塩基の拡散性の観点から、コア重合体粒子(A)が十分に軟化する温度以上とすることが好ましく、70〜95℃が特に好ましい。
なお、本発明の中空重合体粒子の製造方法においては、コア重合体粒子形成工程、シェル層形成工程、水熱処理工程、および塩基処理工程は、同一の反応器内で段階的に行なってもよいし、あるいは、前段階の工程の後、前段階の工程で得られた生成物を別の反応器に移して次段階の工程を行うような態様としてもよい。
次いで、本発明の中空重合体粒子の製造方法においては、上記のようにして得られた中空重合体粒子の水性分散液中に含まれる残留モノマーや有機溶媒を除去するために、該水性分散液にスチーム(飽和水蒸気)を吹き込むスチームストリッピングを行ってもよい。スチームストリッピングとしては、従来知られている方法を制限なく使用することができる。また、スチームストリッピングを行う際には、中空重合体粒子の水性分散液中に含まれる残留モノマーや有機溶媒の含有割合が、好ましくは0.01重量%以下となるような条件で行えばよい。
また、スチームストリッピングによる残留モノマーや有機溶媒の除去を行った後には、必要に応じて、水性分散液のpHや固形分濃度を調整してもよい。
本発明の製造方法により得られる中空重合体粒子は、数平均粒子径が、好ましくは0.5〜2.7μm、より好ましくは0.8〜2.5μm、さらに好ましくは1.0〜2.5μm、特に好ましくは1.2〜2.2μmである。中空重合体粒子の数平均粒子径は、たとえば、透過型電子顕微鏡により中空重合体粒子200個それぞれについて最大粒子径を測定し、これを算術平均することにより求めることができる。
また、中空重合体粒子の空隙率は、好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜85%、さらに好ましくは60〜80%である。中空重合体粒子の空隙率は、透過型電子顕微鏡により中空重合体粒子200個それぞれについて最大粒子径および空隙の最大径を測定し、該測定結果から得られる空隙率を算術平均することにより求めることができる。
本発明の中空重合体粒子の製造方法により、空隙率が高く、更に塗工紙に用いた場合に十分な不透明度および白紙光沢を有する中空重合体粒子を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる中空重合体粒子は、たとえば、炭酸カルシウム、クレイ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、シリカ、雲母などの無機顔料を配合して、紙塗工用組成物として用いることができる。さらには、このような紙塗工用組成物を原紙に塗工して表面塗工層を形成させることで、塗工紙を得ることができる。そして、このようにして得られる塗工紙は、高い不透明度を備えるものであり、たとえば、JIS P8138−1976規定の方法により、分光色彩白色度計(商品名「PF10」、日本電色工業社製)を用いて測定した不透明度は、好ましくは80%以上である。さらに、得られる塗工紙は、優れた白紙光沢を備えるものであり、たとえば、グロスメーター(商品名「GM−26D」、村上色彩技術研究所社製)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で、塗工紙表面の光の反射率を測定して得られた値は、好ましくは80%以上である。
本発明の中空重合体粒子の製造方法により得られる中空重合体粒子を含有する塗工層を形成した塗工紙は、上述した中空重合体粒子を含有するものであるため、不透明度および白紙光沢に優れるものであり、このような特性を活かし、書籍、雑誌などの出版物やチラシ、パンフレット、ポスターなどの商業用印刷物用に好適に用いることができる。また、本発明の中空重合体粒子の製造方法により得られる中空重合体粒子を含有する塗工層を形成した塗工紙は、中空重合体粒子内部の空気による熱的性質により、熱を利用して性能を発現する感熱記録紙、熱転写紙などの情報記録用紙にも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」は重量基準である。
また、試験および評価は、下記の方法で行なった。
数平均粒子径
透過型電子顕微鏡(商品名「H−7500」、日立製作所社製)を用いて、粒子200個それぞれについて、最大粒子径を測定し、それらを算術平均することで、数平均粒子径を求めた。
空隙率
透過型電子顕微鏡(商品名「H−7500」、日立製作所社製)を用いて、粒子200個それぞれについて、最大粒子径と空隙の最大径とを測定し、測定された値を用いて、下記式(1)により、各粒子の空隙率を求め、これを算術平均した値を、粒子の空隙率とした。
空隙率(%)={(空隙の最大径)/(最大粒子径)}×100・・・(1)
不透明度
塗工紙について、JIS P8138−1976規定の方法により、分光色彩白色度計(商品名「PF10」、日本電色工業社製)を用いて、不透明度を測定した(単位:%)。数値が大きいほど、不透明度に優れていると判断することができる。
白紙光沢
塗工紙について、グロスメーター(商品名「GM−26D」、村上色彩技術研究所社製)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で塗工紙表面の光の反射率(単位:%)を測定した。得られた反射率の値が大きいほど、白紙光沢に優れていると判断できる。
(実施例1)
コア重合体粒子(A)の製造
攪拌装置を備えた耐圧容器に、モノマー100部(メタクリル酸メチル50重量%、アクリル酸ブチル10重量%、メタクリル酸40重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基C1225、エチレンオキサイド付加数18)0.9部、トリポリリン酸ナトリウム0.15部、およびイオン交換水80部を添加し、攪拌して、コア重合体形成用の単量体混合物(a)の乳化物を調製した。
次いで、上記とは別に、攪拌装置を備えた耐圧反応容器に、イオン交換水40部およびシードラテックス(体積平均粒子径82nmのメタクリル酸メチル重合体粒子)0.28部を添加し、85℃に昇温した。
そして、イオン交換水およびシードラテックスを添加した耐圧反応容器に、加硫酸カリウム3%水溶液1.63部を添加し、上記にて得られた単量体混合物(a)の乳化物の全量のうち7重量%を、3時間に亘り連続的に添加した後、さらに1時間反応させた。その後、イオン交換水250部および加硫酸カリウム3%水溶液18.6部を添加し、反応温度を85℃に維持しながら、上記にて得られた単量体混合物(a)の乳化物の残部を、3時間に亘り連続的に添加した。そして、乳化物の連続添加を完了した後、さらに2時間反応を継続して、コア重合体粒子(A)を含む水性分散液を得た。なお、この際の重合転化率は99%であった。得られたコア重合体粒子(A)の体積平均粒子径は400nmであった。
各単量体混合物の調製
撹拌装置を備えた耐圧容器に、モノマー100部(メタクリル酸メチル78重量%、アクリル酸ブチル16重量%、メタクリル酸6重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基C1225、エチレンオキサイド付加数18)0.2部およびt−ドデシルメルカプタン0.03部、イオン交換水160部を仕込み、次いで攪拌することにより、内側シェル層(B1)形成用の単量体混合物(b1)の乳化物を調製した。
また、上記とは別に、攪拌装置を備えた耐圧容器に、モノマー100部(スチレン99重量%、アクリル酸1重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基C1225、エチレンオキサイド付加数18)0.6部およびイオン交換水80部を仕込み、次いで攪拌することにより、中間シェル層(B2)形成用の単量体混合物(b2)の乳化物を調製した。
さらに、上記とは別に、攪拌装置を備えた耐圧容器に、モノマー100部(スチレン100重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基C1225、エチレンオキサイド付加数18)0.49部およびイオン交換水73.2部を仕込み、次いで攪拌することにより、外側シェル層(B3)形成用の単量体混合物(b3)の乳化物を調製した。
シェル層(B)の形成
そして、上記とは別の攪拌装置を備えた耐圧反応容器に、イオン交換水250部、および上記にて得られたコア重合体粒子(A)を含む水性分散液を、コア重合体粒子(A)の重量が約10部となるように(使用した単量体混合物(a)の配合量が、10部となるように)仕込み、85℃に昇温した。次いで、耐圧反応容器に、4重量%の加硫酸カリウム水溶液10部を添加し、その後、85℃に保ちながら、内側シェル層(B1)形成用の単量体混合物(b1)の乳化物(単量体混合物(b1)の量は10部)を、20分間に亘り、耐圧反応容器に連続的に添加することで、重合して内側シェル層(B1)を形成し、内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)を含む水性分散液を得た。
次いで、耐圧反応容器を85℃に保ちながら、耐圧反応容器に、中間シェル層(B2)形成用の単量体混合物(b2)の乳化物(単量体混合物(b2)の量は49部)を、65分間に亘り、耐圧反応容器に連続的に添加することで、重合して中間シェル層(B2)を形成し、内側シェル層(B1)および中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)を含む水性分散液を得た。
さらに、耐圧反応容器を85℃に保ちながら、耐圧反応容器に、外側シェル層(B3)形成用の単量体混合物(b3)の乳化物(単量体混合物(b3)の量は46部)を、55分間に亘り、耐圧反応容器に連続的に添加することで、重合して外側シェル層(B3)を形成し、重合体粒子を含む水性分散液を得た。
塩基処理工程
上述した方法で、重合体粒子を含む水性分散液を得た後、耐圧反応容器に、5重量%アンモニア水20部を添加し、90℃で1時間の条件で塩基処理を行うことにより、重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を、塩基処理により膨潤させた。なお、反応液のpHは、塩基処理中の1時間に亘って7以上12以下であった。また、塩基処理を行った重合体粒子の数平均粒子径と空隙率とを測定した。結果を表1に示す。
水熱処理工程
上述した方法で、塩基処理工程を経た後、耐圧反応容器に、トルエンを5部添加した。そして、加圧条件下、150℃で3時間の条件で水熱処理を行うことにより、コア重合体粒子(A)に対して、水熱処理による膨潤処理を行うことで、中空重合体粒子の水性分散液を得た。なお、水熱処理工程時における耐圧反応容器内の圧力は、0.5MPa(ゲージ圧)であった。また、水熱処理を行った中空重合体粒子の数平均粒子径と空隙率とを求めた。結果を表1に示す。
紙塗工用組成物の調製
上記とは別の攪拌装置を備えた耐圧容器に、無機顔料としてのカオリンクレイ(商品名「アストラコート」、イメリスミネラルズ・ジャパン社製)70部、無機顔料としての炭酸カルシウム(商品名「FMT90」、ファイマテック社製)30部、分散剤としてのポリアクリル酸ソーダ(商品名「アロンT−50」、東亞合成社製)0.15部、滑剤としてのステアリン酸カルシウム(商品名「ノプコートC−104HS」、サンノプコ社製)0.5部、燐酸エステル化澱粉(商品名「MS−4600」、日本食品化工社製)3部、および、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名「NipolLX407F」、日本ゼオン社製)9部を添加し、次いで、上記にて得られた中空重合体粒子の水性分散液を固形分で7部、およびイオン交換水を加えて混合・撹拌することで固形分濃度62%の紙塗工用組成物を得た。
塗工紙作製
上記にて得られた紙塗工用組成物を坪量65g/mの原紙上に、片面に10g/mにて塗布し、120℃で乾燥し、スーパーカレンダー処理して塗工紙を得た。そして、得られた塗工紙の不透明度および白紙光沢の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
水熱処理工程において、加圧条件下における水熱処理を行う際の温度を200℃、圧力を1.6MPa(ゲージ圧)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子の水性分散液、紙塗工用組成物、および塗工紙を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
水熱処理工程において、トルエンの添加量を10部に、加圧条件下における水熱処理を行う際の温度を200℃、圧力を1.6MPa(ゲージ圧)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子の水性分散液、紙塗工用組成物、および塗工紙を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
加圧条件下における水熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子の水性分散液、紙塗工用組成物、および塗工紙を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
水熱処理工程において、加圧条件下における水熱処理を行う際の温度を80℃、圧力を0MPa(ゲージ圧)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子の水性分散液、紙塗工用組成物、および塗工紙を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020158638
表1より、水性媒体中で、単量体混合物(a)を共重合し、コア重合体粒子(A)を形成するコア重合体粒子形成工程と、単量体混合物(b)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することで、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)を形成するシェル層形成工程と、前記コア重合体粒子(A)と、前記シェル層(B)とを有する重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる水熱処理工程と、を備える中空重合体粒子の製造方法によって得られた中空重合体粒子は、空隙率が高いものであり、これを用いて得られた塗工紙は、不透明度が高く、白紙光沢に優れるものであった(実施例1〜3)。
一方、水熱処理を行わない場合においては、得られた中空重合体粒子は、空隙率が低いものであり、これを用いて得られた塗工紙は、不透明度が低く、白紙光沢に劣るものであった(比較例1)。
また、水熱処理工程における加熱温度が100℃以下である場合においては、得られた中空重合体粒子は、空隙率が低いものであり、これを用いて得られた塗工紙は、不透明度が低く、白紙光沢に劣るものであった(比較例2)。

Claims (7)

  1. 水性媒体中で、単量体混合物(a)を共重合し、コア重合体粒子(A)を形成するコア重合体粒子形成工程と、
    単量体混合物(b)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合することで、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲するシェル層(B)を形成するシェル層形成工程と、
    前記コア重合体粒子(A)と、前記シェル層(B)とを有する重合体粒子の水性分散液を、常圧より高い圧力の加圧下で、100℃超にて加熱することで、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる水熱処理工程と、
    を備える中空重合体粒子の製造方法。
  2. 前記単量体混合物(a)が、酸性基含有単量体を20〜50重量%含有する請求項1に記載の中空重合体粒子の製造方法。
  3. 前記水熱処理工程において、有機溶媒の存在下で水熱処理を行い、前記有機溶媒の使用量は、前記重合体粒子100重量部に対して0.1〜15重量部である請求項1または2に記載の中空重合体粒子の製造方法。
  4. 前記重合体粒子の水性分散液に、塩基を、前記重合体粒子100重量部に対して0.1〜30重量部添加し、前記重合体粒子中のコア重合体粒子(A)を膨潤させる塩基処理工程をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載の中空重合体粒子の製造方法。
  5. 前記シェル層形成工程は、
    単量体混合物(b1)を、前記コア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、前記コア重合体粒子(A)を実質的に包囲する内側シェル層(B1)を形成する内側シェル層形成工程と、
    単量体混合物(b2)を、前記内側シェル層(B1)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、中間シェル層(B2)を形成する中間シェル層形成工程と、
    単量体混合物(b3)を、前記内側シェル層(B1)および前記中間シェル層(B2)が形成されたコア重合体粒子(A)の存在下で共重合し、外側シェル層(B3)を形成する外側シェル層形成工程と、を備える請求項1〜4のいずれかに記載の中空重合体粒子の製造方法。
  6. 前記単量体混合物(b1)が、酸性基含有単量体を1〜10重量%含有し、
    前記単量体混合物(b2)が、酸性基含有単量体を0.2〜2.5重量%含有し、
    前記単量体混合物(b3)が、酸性基含有単量体を0〜0.15重量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の中空重合体粒子の製造方法。
  7. 前記単量体混合物(a)、前記単量体混合物(b1)、前記単量体混合物(b2)、および前記単量体混合物(b3)の使用割合が、「単量体混合物(a)/単量体混合物(b1)/単量体混合物(b2)/単量体混合物(b3)」の重量比で、(1〜40)/(1〜40)/(10〜88)/(10〜88)である請求項5または6に記載の中空重合体粒子の製造方法。
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