JP4126540B2 - 耐油紙用重合体ラテックス及び耐油紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐油紙用重合体ラテックス及び耐油紙に関し、さらに詳しくは、耐油性および耐ブロッキング性に優れ、離解しやすい耐油紙および該耐油紙に好適な耐油紙用重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
耐油紙は、油脂の浸透を抑制ないし防止する能力のある紙であり、チョコレートやスナック菓子などの油脂分を含む食品に接するシートや包装体として汎用されている。
【0003】
紙に耐油性を付与する方法としては、耐油性の合成樹脂フィルムを紙表面にラミネートする方法がある。しかしながら、このような耐油紙は、耐油紙の使用後にリサイクルしようとする場合に、離解性がなく、再生原料として回収が困難であるという欠点を有する。
【0004】
そこで、離解性があり、資源回収が可能な耐油紙を得る方法が提案されている。
例えば、ガラス転移温度が10〜28℃であるアクリル系エマルジョンを塗布した耐油紙が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この耐油紙は、耐ブロッキング性が不十分であり、製品の巻き取り状態又は平版の堆積状態で、保管又は運搬する場合に、紙同士がくっつく、いわゆるブロッキングによる不具合が起きやすく改善が求められている。
【0005】
また、ガラス転移温度が−20〜25℃のコア部とガラス転移温度が90〜140℃のシェル部とからなるコアシェル型アクリル系エマルジョンを塗布した耐油紙が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この耐油紙は比較的耐ブロッキング性に優れるものの、離解性が不十分であった。
【0006】
さらに、顔料100重量部に対して、アクリル系エマルジョンとスチレン−ブタジエン系エマルジョンの混合物50〜200重量部を配合してなる塗料を原紙に塗布した耐油紙が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この耐油紙は、比較的離解し易いものの、耐油性と耐ブロッキング性のバランスに劣るものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−111693号公報
【特許文献2】
特開2001−303475号公報
【特許文献3】
特開2002−13095号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の事情に鑑み、耐油性および耐ブロッキング性に優れ、離解しやすい耐油紙および該耐油紙に好適な耐油紙用重合体ラテックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、水溶性高分子化合物の存在下で、単量体100重量部を重合する際に、分子量調整剤を使用しないか、またはその使用量を0.5重量部以下にして得られる、ガラス転移温度が特定範囲にある重合体を含んでなる重合体ラテックスを用いると、耐油性および耐ブロッキング性に優れ、離解しやすい耐油紙が製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
かくして、本発明の第1によれば、水溶性高分子化合物の存在下、単量体100重量部を、分子量調整剤0〜0.5重量部の存在下で重合して得られる、ガラス転移温度が−20℃〜+50℃の重合体を含んでなる耐油紙用重合体ラテックスが提供される。
また、本発明の第2によれば、前記の耐油紙用重合体を主成分とする組成物をを原紙に塗工してなる耐油紙が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐油紙用重合体ラテックスは、水溶性高分子化合物の存在下、単量体100重量部を、分子量調整剤0〜0.5重量部の存在下で重合して得られる、ガラス転移温度が−20℃〜+50℃の重合体を含んでなる。
【0012】
本発明で用いる単量体としては、ラジカル重合し得るものであれば特に限定されないが、共役ジエン単量体、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体、エチレン性不飽和酸単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体などが挙げられる。
【0013】
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、1,3−ブタジエンが好ましく使用できる。
【0014】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン、p−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでもスチレンが好ましく使用できる。
【0015】
エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリル、2−プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペンニトリル、2−ブテンニトリルなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、アクリロニトリルが好ましく使用できる。
エチレン不飽和ニトリル単量体の使用量は、重合に使用する全単量体中、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%である。この範囲で使用すると、より耐油性に優れる耐油紙が得られる。
【0016】
エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスフィニル基等の酸基を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、エチレン性不飽和スルホン酸単量体及びエチレン性不飽和リン酸単量体等が挙げられる。
【0017】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。
【0018】
エチレン性不飽和スルホン酸単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0019】
エチレン性不飽和リン酸単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エチル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸等が挙げられる。
【0020】
これらのエチレン性不飽和酸単量体はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもできる。これらのエチレン性不飽和酸単量体は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらエチレン性不飽和酸単量体の中でも、エチレン性不飽和カルボン酸が好ましく、エチレン性不飽和モノカルボン酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましく使用できる。
【0021】
エチレン性不飽和酸単量体の使用量は、重合に使用する全単量体中、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0022】
エチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどが挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、アクリル酸エチルやアクリル酸ブチルが好ましく使用できる。
【0023】
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0024】
単量体としては、これを重合して得られる重合体のガラス転移温度が−20〜+50℃、好ましくは−10〜+45℃になるように、1種の単量体又は2種以上の単量体からなる単量体混合物を選択する。このガラス転移温度が低いと、耐ブロッキング性に劣り、逆に高いと耐油性に劣る。
【0025】
単量体混合物の好ましい組成としては、以下の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体39.9〜94.9重量%、好ましくは49.5〜84.5重量%、エチレン性不飽和ニトリル単量体5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、エチレン性不飽和酸単量体0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、およびこれら以外の単量体0〜55重量%、好ましくは0〜35重量%。
(2)共役ジエン単量体19.9〜65重量%、好ましくは29.5〜60重量%、エチレン性不飽和ニトリル単量体5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、エチレン性不飽和酸単量体0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、およびこれら以外の単量体0〜55重量%、好ましくは0〜35重量%。(3)共役ジエン単量体19.9〜65重量%、好ましくは29.5〜60重量%、芳香族ビニル単量体20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、エチレン性不飽和酸単量体0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、およびこれら以外の単量体0〜55重量%、好ましくは0〜35重量%。
【0026】
上記(1)〜(3)の単量体混合物のなかでも、(1)および(2)が好ましく、(1)がより好ましい。
【0027】
本発明で用いる水溶性高分子化合物としては、実質的に水溶性であって、重合時に分散安定剤として機能し、重合体ラテックスが安定的に製造できるものであれば、特に限定はないが、アルコール性水酸基を含有するものであることが好ましい。
水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどが挙げられる。なかでも、工業的に品質が安定したものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましく使用できる。
【0028】
ビニルアルコール系重合体としては、実質的に水溶性であって安定な重合体ラテックスが得られるものであれば、その他の条件には制限はなく、ビニルエステル系単量体を主体とするビニル系単量体を従来公知の方法で重合して得たビニルエステル系重合体(即ち、ビニルエステル系単量体の単独重合体、2種以上のビニルエステル系単量体の共重合体、及びビニルエステル系単量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体)を常法によりけん化して得られる。
また、分子の主鎖、側鎖又は末端にメルカプト基などの変性基を導入したものも使用できる。
【0029】
前記ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであればいずれも使用でき、その具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどを挙げることができる。なかでも酢酸ビニルが好ましく使用できる。
【0030】
また、ビニルエステル系単量体と共重合可能な単量体を共存させ、共重合することも可能である。これら共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン単量体;(メタ)アクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸エステル単量体;
【0031】
メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン単量体;3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム基を有する単量体などを挙げることができる。
【0032】
前記ビニルエステル系重合体のけん化度は、変性基の有無及びその種類に依存して変るが、得られるビニルアルコール系重合体の水溶性などの観点から、40〜99.99モル%であることが好ましく、50〜99.9モル%がより好ましく、60〜99.9モル%が特に好ましい。けん化度が低いと重合時の分散安定性が低下する傾向にある。
【0033】
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、2,000以上であることが好ましく、5,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が低いと重合時の分散安定性が低下する傾向にあり、逆に高いと、重合系の粘度上昇により、反応熱除去が困難になる傾向がある。
【0034】
水溶性高分子化合物の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜100重量部、より好ましくは0.5〜50重量部、特に好ましくは1〜30重量部である。
水溶性高分子化合物をこの範囲で使用して得られた重合体ラテックスを用いると、耐油性および耐ブロッキング性により優れ、より離解しやすい耐油紙を製造できる。
また、この使用量が少ないと、重合時の分散安定性が低下する傾向にあり、逆に多いと、重合系の粘度上昇により、反応熱除去が困難になったり、得られる重合体ラテックスの粘度が高くなり、取り扱いにくくなったりする傾向にある。
【0035】
本発明の耐油紙用重合体ラテックスは、前記の水溶性高分子化合物の存在下、前記の単量体100重量部を、分子量調整剤0〜0.5重量部の存在下で重合して得られる。
【0036】
分子量調整剤は、ラジカル重合において通常使用されるものであれば特に限定されない。
分子量調整剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのメルカプタン類;チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシルなどのメルカプト基を有する化合物;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンなどのα−メチルスチレンダイマー類;ターピノレン;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノール系化合物;アリルアルコール、メタリルアルコールなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン;などを挙げることができる。
【0037】
分子量調整剤の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、0.5重量部以下、好ましくは0.2重量部以下、より好ましくは0.1重量以下であるが、分子量調整剤を使用せずに重合することが特に好ましい。
この使用量が多いと、得られた耐油紙は、耐ブロッキング性と離解性とに劣ったものとなる。
【0038】
重合方法は、上記の点を除き、従来公知の乳化重合の方法を採用できる。
本発明の耐油紙用重合体ラテックスは、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、水性媒体中、ラジカル重合開始剤を用いて、水溶性高分子化合物の存在下で、前記の単量体を重合する。
【0039】
重合に使用する水性媒体としては、例えば、水または水と水溶性アルコールとの混合溶媒が挙げられる。なかでも、水と水溶性アルコールとの混合溶媒が好ましく使用できる。
【0040】
水溶性アルコールとしては、実質的に水溶性である1価アルコールまたは多価アルコールのいずれでもよいが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。なかでも、メタノール、エタノールが好ましく使用できる。
このアルコールの使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。
【0041】
水性媒体の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは100〜900重量部、より好ましくは150〜500重量部である。
【0042】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの油溶性過酸化物;過酸化物と重亜硫酸水素ナトリウムなどの各種還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤などを挙げることができる。なかでも、水溶性過酸化物が好ましく、過硫酸塩がより好ましく使用できる。この使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。
【0043】
乳化重合において通常使用されるノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤などの各種の乳化剤を、本発明の効果を実質的に損なわない範囲で併用してもよいが、使用しないほうが好ましい。
【0044】
アニオン性界面活性剤の例としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホン酸塩、ポリリン酸塩などが、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型又はアルキルエーテル型のものなどが、カチオン性界面活性剤の例としては、脂肪族アミン塩及びその4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩などが、両性界面活性剤の例としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体が挙げられる。
これらの乳化剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤を使用する場合の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.1重量部以下である。この使用量が多いと、耐油紙の耐油性および耐ブロッキング性が劣る傾向にある。
【0045】
単量体の添加方法は、特に限定されないが、反応器に、一括で、分割で、または連続で添加することができる。なかでも、単量体を連続で添加することが好ましい。単量体を連続で添加する場合、その組成は均一でも、不均一でもよく、連続的に組成を変化させながら添加することもできる。
【0046】
水溶性高分子化合物の添加方法は、特に限定されないが、反応器に、一括で、分割で、または連続で添加することができる。なかでも、水溶性高分子化合物を連続で添加することが好ましい。
【0047】
単量体と水溶性高分子化合物とは、それぞれ別々に添加しても、単量体、水溶性高分子化合物及び水性媒体を混合して得られる単量体乳化物の形態で添加してもよい。
単量体と水溶性高分子化合物とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが好ましい。単量体のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加されると重合系が増粘する、又は凝集物が発生しやすくなるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同時である必要はないがほぼ同時であることが好ましい。
【0048】
ラジカル重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、反応器に、一括で、分割で、または連続で添加することができる。
【0049】
重合温度は、特に制限はないが、通常、0〜100℃、好ましくは5〜95℃である。
【0050】
単量体の添加を完了した後、必要ならば、重合反応を継続し、所望の重合転化率で重合を停止する。重合の停止は、重合停止剤を添加するか又は単に重合系を冷却することによって行うことができる。重合を停止する重合転化率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
重合を停止した後、所望により、未反応の単量体を除去し、ラテックスのpHや固形分濃度を調整して、重合体ラテックスが得られる。
【0051】
以上のようにして得られる、本発明の耐油紙用重合体ラテックスを構成する重合体粒子の重量平均粒子径は、好ましくは0.03〜0.6μm、より好ましくは0.05〜0.4μmである。この粒子径が小さいと、ラテックスの粘度が高くなり、取り扱いにくくなり、逆に大きいと耐油紙の耐油性に劣る傾向がある。
【0052】
本発明の耐油紙用重合体ラテックスを構成する重合体は、重合に使用した水溶性高分子化合物の少なくとも一部がグラフト結合しているものであることが好ましい。
【0053】
本発明においては、重合に使用した単量体が重合して形成された重合体に対する、該重合体とグラフト結合している水溶性高分子化合物の割合をグラフト率という。この割合は、例えば、重合体ラテックスを遠心分離して水相中のグラフト結合していない水溶性高分子化合物の量を測定し、その量から計算することができる。
グラフト率は、好ましくは0.5〜80重量%、より好ましくは1〜70重量%、特に好ましくは5〜65重量%である。グラフト率がこの範囲にあると、耐油性および耐ブロッキング性により優れ、より離解しやすい耐油紙を製造できる。
【0054】
本発明の耐油紙用重合体ラテックスには、必要に応じて、耐水化剤、消泡剤、分散剤、流動性改良剤、保水剤、着色剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、潤滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、溶剤などを適量配合することができる。
【0055】
本発明の耐油紙は、前記の耐油紙用重合体ラテックスを主成分とする組成物を原紙に塗工してなる。
該組成物中の、耐油紙用重合体ラテックス固形分の割合は、組成物の全固形分に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
該組成物は、本発明の耐油紙用重合体ラテックス以外に、顔料、ワックスエマルジョン、水溶性高分子などを配合したものであってもよい。
【0056】
顔料としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、硫酸バリウム、雲母、酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料;プラスチックピグメント等の有機顔料などが挙げられる。顔料の配合量は、耐油紙用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、より好ましくは50重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。
【0057】
ワックスエマルジョンとしては、例えば、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、マイクロクリスタリン系ワックスからなるエマルジョンが挙げられる。ワックスエマルジョンの配合量は、耐油紙用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
【0058】
水溶性高分子としては、例えば、カゼイン、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。水溶性高分子の配合量は、耐油紙用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
【0059】
前記組成物は、本発明の効果を実質的に損なわない限り、本発明の耐油紙用重合体ラテックス以外の重合体ラテックスを配合したものであってもよい。
【0060】
前記組成物には、必要に応じて、pH調整剤、分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、流動性改良剤、保水剤、着色剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、潤滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、溶剤などを適量配合することができる。
【0061】
原紙としては、板紙、洋紙いずれでもよく、坪量が10〜1500g/m2のものが使用できる。また、原紙としては、予め顔料を塗工した塗工紙であっても、印刷を施したものであってもよい。
【0062】
塗工方法は、特に限定されず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用いることができる。塗工後、乾燥することにより、耐油紙が得られる。乾燥温度は、通常、50℃以上である。
【0063】
塗工量は、組成物の固形分換算で、好ましくは1〜30g/m2、より好ましくは3〜15g/m2になる範囲である。
【0064】
得られた耐油紙は、さらにスーパーカレンダー、ソフトニップカレンダーなどの仕上げ装置を通して、平滑化処理を行なってもよい。
【0065】
本発明の耐油紙は、パン、スナック菓子、洋菓子、シュウマイ、天ぷら、コロッケ、フライドチキン、フライドポテトなどの油脂分を含む食品用のシート、皿、カップ、包装紙および包装箱として好適に使用できる。
【0066】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部及び%は、重量基準である。
【0067】
重合体ラテックスおよび耐油紙の評価は以下のように行なった。
(重合体ラテックスの重量平均粒子径)
コールターLS230(コールター社製粒子径測定機)を用いて、測定した。
(重合体ラテックスのガラス転移温度)
重合体ラテックスを枠付きガラス板に流延し、温度23℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置して、乾燥フィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製:SSC5200)を用いて、開始温度−100℃、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(重合体ラテックスにおけるグラフト率)
固形分濃度を10%に調整した重合体ラテックス60g(総固形分量は6gである。)を、遠心分離機(国産遠心機社製:H−2000A)を用い、5℃で18,000rpmで60分間、遠心分離した。この上澄み液を40g回収する。次いで、沈降層(20g)に蒸留水40gを添加して均一にした後、上記と同一条件で再度遠心分離して、上澄み液40gを回収した。さらに、前記操作を繰り返し、上澄み液40gを回収した。
3回の遠心分離操作で得られた上澄み液の合計120gの固形分濃度を測定し、上澄み液中の総固形分量(WA)を計算した。
WAは、重合体にグラフト結合していない水溶性高分子化合物に相当する。
重合体ラテックス中の水溶性高分子化合物の総量(WB)を、その製造時の仕込み量と重合を停止した際の重合転化率から計算する。
WBからWAを減じて、重合体にグラフト結合している水溶性高分子化合物の総量(WC)を計算する。
グラフト率は、下記式に従い、求める。
グラフト率=(WC/(6−WB))×100(%)
【0068】
(耐油紙の耐油性)
TAPPI UM−557の規定に従い、ひまし油、トルエン、n−ヘプタンの混合比が異なる試験液を耐油紙の塗工表面に1滴滴下し、15秒後にティシューペーパーで滴下した試験液をふき取って、試験液の浸透による汚れ、すなわち油分が滲み込んで濡れた部分が生じなくてもはっきりとした黒い点が認められたら不合格とし、合格した最大の液番号を、耐油度として示す。この値が大きいほど、耐油性に優れる。
表1に試験液の混合比と耐油度を示す。
【0069】
【表1】
【0070】
(耐油紙の耐ブロッキング性)
耐油紙の塗工面と市販の上質紙を対面させ、それを線圧100Kg/cmの条件で、上質紙が加熱ロールに接するように、150℃の加熱ロールと弾性ロールとの間を一度通過させた。処理後の試験片の温度が室温まで戻った後、耐油紙と上質紙とを手で剥がし、以下の基準で評価した。ひとつのサンプルについて、10回上記試験を行い、単純平均した点数で示す。
5点:きれいに剥がれる。
4点:塗工面の10%未満の部分に、上質紙が融着している。
3点:塗工面の10〜30%の部分に、上質紙が融着している。
2点:塗工面の30%を超え、50%以下の部分に、上質紙が融着している。
1点:塗工面の50%を超える部分に、上質紙が融着している。
【0071】
(耐油紙の離解性)
耐油紙を裁断して、3cm×3cmの大きさの試験片を作製する。この試験片を合計で10gとなる枚数を(ただし、これらの試験片の合計重量が10gに満たない場合は、さらに耐油紙を裁断した小片を1枚追加し、合計重量を10gとする。)、30℃の水道水500gに投入する。これをミキサーに入れて、10分間攪拌し、離解処理を行なった。得られたスラリーを取り出し20cm×25cmの大きさに手抄きし、120℃のオーブンで20分間乾燥した。得られたシート中の未離解物(塗膜片、紙片など)を目視で観察して評価した。
未離解物の最大のものが、2mm四方未満の場合○、2〜5mm四方の場合△、5mm四方を超える場合は×で示し、それぞれ、以下のように判断した。
○:離解性に優れる。
△:離解性がやや劣る。
×:離解性が劣る。
【0072】
(実施例1)
攪拌装置を備えた耐圧容器(1)に、脱イオン水90部、アクリル酸ブチル59部、アクリロニトリル40部、メタクリル酸1部、及びポリビニルアルコール(重合度550、けん化度88モル%;PVA−205、クラレ社製)10部を仕込み、撹拌して単量体乳化物を得た。
別途、攪拌装置を備えた耐圧反応容器(2)に、脱イオン水57部、エタノール8部を仕込み、窒素置換後、60℃に昇温した。60℃を維持しながら、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に溶解した溶液を添加し、直ちに前記単量体乳化物を4時間かけて連続添加した。添加終了後、更に3時間、重合反応を継続した後、冷却して重合反応を停止した。この時の重合転化率は96%であった。
得られた重合体ラテックスから未反応単量体を除去した後、pHを7に、固形分濃度を35%に調整して、重合体ラテックスAを得た。
重合体ラテックスAの重量平均粒子径、ガラス転移温度およびグラフト率を測定し、結果を表1に示す。
【0073】
坪量310g/m2のコート白ボール原紙の片面に、重合体ラテックスAを、乾燥固形分量で6g/m2になるように塗工し、100℃の熱風乾燥機で30秒間乾燥した。その後、温度23℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に、1昼夜放置して耐油紙を得た。この耐油紙の耐油度、耐ブロッキング性および離解性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0074】
(実施例2〜6)
表2に示す単量体組成、ポリビニルアルコールの種類およびその使用量に変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスB〜Fを得た。
なお、PVA224Eは、重合度が2400、けん化度が88モル%のクラレ社製のポリビニルアルコールである。また、実施例6では、耐圧容器(1)に分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部を添加して行なった。
重合体ラテックスB〜Fの重量平均粒子径、ガラス転移温度およびグラフト率を測定し、その結果を表2に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスB〜Fを用いる以外は、実施例1と同様に耐油紙を得た。これらの耐油紙の耐油度、耐ブロッキング性および離解性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0075】
(比較例1)
ポリビニルアルコールに代えて、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を使用する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスGを得た。重合体ラテックスGの重量平均粒子径およびガラス転移温度を測定し、その結果を表2に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスGを用いる以外は、実施例1と同様に耐油紙を得た。この耐油紙の耐油度、耐ブロッキング性および離解性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0076】
(比較例2)
耐圧容器(1)に分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1部を添加する以外は、実施例3と同様に重合して、重合体ラテックスHを得た。重合体ラテックスHの重量平均粒子径、ガラス転移温度およびグラフト率を測定し、その結果を表2に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスHを用いる以外は、実施例1と同様に耐油紙を得た。この耐油紙の耐油度、耐ブロッキング性および離解性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0077】
(比較例3)
表2に示す単量体組成、ポリビニルアルコールの種類およびその使用量に変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスIを得た。重合体ラテックスIの重量平均粒子径、ガラス転移温度およびグラフト率を測定し、その結果を表2に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスIを用いる以外は、実施例1と同様に耐油紙を得た。これらの耐油紙の耐油度、耐ブロッキング性および離解性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2から、以下のようなことがわかる。
ポリビニルアルコールを使用せず、通常の乳化剤を使用して製造した比較例1の重合体ラテックスGを用いると、得られた耐油紙は耐油性と耐ブロッキング性に劣る。
本発明で規定する範囲を超える量の分子量調整剤を使用して製造した比較例2の重合体ラテックスHを用いると、得られた耐油紙は耐ブロッキング性に劣り、離解性も低下する。
本発明で規定する範囲より低いガラス転移温度を有する比較例3の重合体ラテックスIを用いると、得られた耐油紙は耐ブロッキング性および離解性に劣る。
【0080】
これらの比較例に比べ、実施例1〜6の重合体ラテックスA〜Fを用いると、耐油性および耐ブロッキング性に優れ、離解しやすい耐油紙が得られる。
【発明の効果】
本発明によれば、耐油性および耐ブロッキング性に優れ、離解しやすい耐油紙および該耐油紙に好適な耐油紙用重合体ラテックスが提供される。
Claims (4)
- 水溶性高分子化合物の存在下、エチレン性不飽和ニトリル単量体を15〜50重量%含有する単量体100重量部を、分子量調整剤0〜0.5重量部の存在下で重合して得られる、ガラス転移温度が−20〜+50℃の重合体を含んでなる耐油紙用重合体ラテックス。
- 水溶性高分子化合物の使用量が、単量体100重量部に対して、0.5〜100重量部である請求項1記載の耐油紙用重合体ラテックス。
- 前記重合体に対する前記重合体とグラフト結合している前記水溶性高分子化合物の割合、すなわちグラフト率が、5〜65重量%である、請求項1又は2に記載の耐油紙用重合体ラテックス。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の耐油紙用重合体ラテックスを主成分とする組成物を原紙に塗工してなる耐油紙。
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