JPH07268022A - 耐水性を有する水性エマルジョン組成物およびその製造方法 - Google Patents

耐水性を有する水性エマルジョン組成物およびその製造方法

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JPH07268022A
JPH07268022A JP5902994A JP5902994A JPH07268022A JP H07268022 A JPH07268022 A JP H07268022A JP 5902994 A JP5902994 A JP 5902994A JP 5902994 A JP5902994 A JP 5902994A JP H07268022 A JPH07268022 A JP H07268022A
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meth
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emulsion composition
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JP5902994A
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Jiro Uchida
二朗 内田
Takuya Isobe
卓也 磯部
Akimi Sano
暁美 佐野
Haruki Nishiike
春樹 西池
Fumitoshi Tsukiyama
文俊 築山
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性が劣るとされていた従来の水性エマル
ジョンの欠点を克服し、環境汚染や火災に対する安全性
に問題がある溶剤を全く使用しないで耐水性の極めて優
れた水性エマルジョン組成物およびその製造方法の開
発。 【構成】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不
飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩と、(メタ)アクリ
ル酸グリシジルエステルとの反応により生成した不飽和
基を有する変性スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩を保護コロイド
として、かつ油溶性の重合開始剤を用い、ビニル系単量
体を乳化重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用バインダー、イ
ンク用バインダー、紙コーティング剤、繊維加工剤に有
用な水性エマルジョン組成物並びにその製造方法に関す
るものであり、さらに詳細にはスチレン−(メタ)アク
リル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩
を(メタ)アクリル酸グリシジルエステルにより変性し
た不飽和基を有する変性スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩を保護
コロイドとして含む耐水性を有する水性エマルジョン組
成物並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂エマルジョンの製造に際
しては、アニオン、カチオン、ノニオン等の界面活性
剤、さらには保護コロイドとしてポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子化合
物を分散安定剤として使用している。また、合成樹脂エ
マルジョンの製造時には、重合開始剤として過酸化水
素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性無
機過酸化物または過硫酸塩が用いられている。ところ
が、このように親水性化合物を使用して製造した合成樹
脂エマルジョンの乾燥皮膜は、親水性であり、耐水性が
悪いという欠点を有していた。
【0003】従って、上記の理由から耐水性を必要とす
る用途には、施工の際の環境汚染、火災や安全性、環境
保全の面等でも大きな社会問題を抱えながらも溶剤系の
ポリマー溶液に依存することが多いのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の耐水
性が劣るとされていた水性エマルジョンの欠点を克服
し、環境汚染や火災に対する安全性に問題がある溶剤を
全く使用しないで耐水性の極めて優れた水性エマルジョ
ン組成物およびその製造方法の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、保護コロイドとして、スチレン−(メタ)アク
リル酸エスエル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩
と、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルとの反応に
より生成した不飽和基を有する変性スチレン−(メタ)
アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶
性塩を用いて、ビニル系単量体を乳化重合して得られる
水性エマルジョン組成物が耐水性に優れていることを見
出し、上記の目的を達成した。
【0006】すなわち、本発明の第1は、ビニル系単量
体の重合体、および保護コロイドを含む水性エマルジョ
ン組成物であって、該保護コロイドはスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の
水溶性塩と、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと
の反応により生成した不飽和基を有する変性スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合
体の水溶性塩であり、かつ該保護コロイドはビニル系単
量体の重合体100重量部に対して10〜300重量部
を含有するものである耐水性を有する水性エマルジョン
組成物に関する。
【0007】また、本発明の第2は、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の
水溶性塩と、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと
の反応により生成した不飽和基を有する変性スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合
体の水溶性塩を保護コロイドとして、かつ油溶性の重合
開始剤を用い、ビニル系単量体を乳化重合することを特
徴とする耐水性を有する水性エマルジョン組成物の製造
方法に関する。
【0008】本発明においては、合成樹脂水性エマルジ
ョンの耐水性を向上させるため、従来使用してきた界面
活性剤、水溶性高分子化合物等の保護コロイド、水溶性
重合開始剤を全く使用せず、特定の不飽和基を有する変
性共重合体の水溶性塩を保護コロイドとし、油溶性重合
開始剤を用いてビニル系単量体を乳化重合したところに
特徴がある。
【0009】本発明において保護コロイドとして使用さ
れる不飽和基を有する変性スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩は、
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボ
ン酸共重合体の水溶性塩と、(メタ)アクリル酸グリシ
ジルエステルとを反応させることによって製造される。
【0010】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
不飽和カルボン酸共重合体は、スチレン10〜70重量
%、好ましくは20〜60重量%、(メタ)アクリル酸
エステル20〜80重量%、好ましくは35〜65重量
%、不飽和カルボン酸10〜50重量%、好ましくは1
5〜40重量%をベンゾイルパーオキサイド、アゾビス
イソブチロニトリル等の重合開始剤の存在下、30〜1
00℃ので溶液重合することによって製造される。
【0011】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
不飽和カルボン酸共重合体を製造するために使用される
(メタ)アクリル酸エステル(本発明においては、アクリ
ル酸エステルとメタクリル酸エステルの両者を含めて
(メタ)アクリル酸エステルと言う)としては、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸n−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸n−オクチル等が単独もしくは2種以上の混合物とし
て使用される。
【0012】また、不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和
一塩基酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,
β−不飽和二塩基酸が単独もしくは2種以上の混合物と
して使用される。
【0013】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩は、共重合体中の
フリーのカルボキシル基を水酸化アンモニウム(炭酸ア
ンモニウムでも良い);モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ト
リエタノールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等で完全に中和した塩の形で良い。
特に発揮し易いところからアンモニウム塩が最も好まし
い。
【0014】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩は、スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合
体溶液に、多量のアルカリ水を添加することにより合成
される。
【0015】不飽和基を有する変性スチレン−(メタ)
アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶
性塩は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽
和カルボン酸共重合体の水溶性塩と、アクリル酸グリシ
ジルエステルまたはメタクリル酸グリシジルエステル
(この両者を含めて本発明においては(メタ)アクリル
酸グリシジルエステルと言う。)とを、例えば50〜8
0℃で1時間以上反応させることによって、(メタ)ア
クリロイル基が導入された変性共重合体の水溶性塩とし
て得られる。(メタ)アクリル酸グリシジルエステルの
使用量としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩中の(メタ)
アクリル酸塩に対し、1〜30モル%、好ましくは2〜
20モル%程度で充分である。
【0016】この不飽和基を有する変性共重合体の水溶
性塩の使用量は、乳化重合時ビニル系単量体100重量
部に対して10〜300重量部、さらに好ましくは20
〜200重量部である。10重量部未満では保護コロイ
ドとしての効果が乏しく安定な水性エマルジョン組成物
を得ることが困難であり、300重量部より多い場合は
得られる水性エマルジョン組成物が高粘度となり、その
後の取扱いが困難である。
【0017】本発明に用いられるビニル系単量体として
は、親水性の単量体は避けられるべきであり、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t
−ブチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ア
ミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリ
ル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン等のα−オ
レフィン類等の水に不溶性の単量体があげられ、これら
の中の1種もしくは2種以上が用いられる。
【0018】重合開始剤としては、油溶性の開始剤が好
ましく、例えばベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブ
チロニトリルアゾ等の化合物があげられる。
【0019】なお、本発明においては、水性エマルジョ
ン組成物であっても、これから得られる乾燥皮膜の耐水
性を保持するため、従来エマルジョンの製造に使用され
ていた、公知のアニオン、カチオン、ノニオン界面活性
剤、保護コロイドとしてポリビニルアルコール、ヒドロ
キシエチルセルロース等の水溶性の高分子を併用するこ
とは避けることが好ましい。また、重合開始剤として、
水溶性開始剤である過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等の無機過酸化物、または過硫酸塩の使
用や水溶性の金属イオン及び還元剤の併用によるレドッ
クス重合は、得られる水性エマルジョン組成物から形成
される乾燥皮膜の耐水性の低下をもたらし好ましくな
い。
【0020】本発明の水性エマルジョン組成物は、通常
の合成樹脂のエマルジョン重合法に従って製造すること
ができる。例えばビニル系単量体はこれを一括して、も
しくは分割して、また連続的に滴下して添加しても良
い。重合は通常70〜90℃の温度で行われる。さらに
反応をスムーズに進めるため反応系を窒素置換して行っ
ても良く、また重合反応終了後、残存するビニル系単量
体を除去するために反応系をさらに昇温するか、脱臭触
媒を添加する方法等をとってもさしつかえない。
【0021】かくして得られた本発明の水性エマルジョ
ン組成物は、保護コロイドをビニル系単量体の重合体1
00重量部に対し、10〜300重量部含有する。保護
コロイドの含有量が10重量部未満では、水性エマルジ
ョン組成物の安定性が悪く、300重量部より多い場合
は高粘度となり取り扱いが困難である。本発明の水性エ
マルジョン組成物は、塗料用バインダー、インク用バイ
ンダー、紙コーティング剤、繊維処理剤として用いるた
めに他の配合剤を添加することができる。配合剤として
はブチルフタレート、ジオクチルフタレート、テキサノ
ール等の可塑剤、ロジン、テルペン樹脂等の粘着付与
剤、無機の体質顔料、着色顔料、防腐剤等があげられ
る。
【0022】本発明の水性エマルジョン組成物は、乾燥
皮膜の耐水性が非常に優れており、かつ水性または油性
の他の塗料、インク、コーティング剤等との混和性も優
れていることにより、塗料用バインダー、インク用バイ
ンダー、紙コーティング剤、繊維処理剤として有用であ
る。
【0023】
【作用】本発明においては、(メタ)アクリル酸グリシ
ジルエステルにより変性した変性共重合体の水溶性塩
を、ビニル系単量体をエマルジョン重合する際の保護コ
ロイドとして用いるため、この乾燥皮膜は非常に耐水性
に優れている。
【0024】さらにビニル系単量体も親水性、水溶性の
単量体は避け、重合開始剤も油溶性のものを用いる等水
性エマルジョン組成物の固形分中には可能な限り親水性
グループの混入することを避けているため、乾燥皮膜は
さらに耐水性を向上させることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明する。
【0026】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた1Lのセパラブル
フラスコにイオン交換水98g、スチレン(35重量
%)−メタクリル酸メチル(35重量%)−メタクリル
酸(30重量%)共重合体(酸価200)のアンモニウ
ム中和物(30%水溶液)200g、メタクリル酸グリ
シジルエステル2gを仕込み、60℃に昇温、この温度
で1時間エステル化反応を行った。次に窒素気流下、8
5℃に昇温し、ビニル系単量体としてスチレン31.5
g、メタクリル酸メチル31.5g、アクリル酸2−エ
チルヘキシル27g、および重合開始剤としてアゾビス
イソブチロニトリル3gの混合物を4時間かけて滴下し
た。滴下終了後85℃に1.5時間保ち、その後30℃
に冷却した。得られた水性エマルジョン組成物の固形分
濃度は38.8%、粘度は620cpsであった。
【0027】実施例2 実施例1においてスチレン−メタクリル酸メチル−メタ
クリル酸共重合体(酸価200)のアンモニウム中和物
(30%水溶液)の代りに、スチレン(35重量%)−
アクリル酸ブチル(35重量%)−メタクリル酸(30
重量%)共重合体(酸価200)のアンモニウム中和物
(30%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様の反応
を行った。得られた水性エマルジョン組成物の固形分濃
度は38.2%、粘度は810cpsであった。
【0028】実施例3 実施例1においてスチレン−メタクリル酸メチル−メタ
クリル酸共重合体(酸価200)のアンモニウム中和物
(30%水溶液)の代りに、スチレン(30重量%)−メ
タクリル酸メチル(20重量%)−アクリル酸2−エチル
ヘキシル(14重量%)−アクリル酸(36重量%)共
重合体(酸価240)のアンモニウム中和物(30%水
溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の反応を行っ
た。得られた水性エマルジョン組成物の固形分濃度は3
7.9%、粘度は1340cps であった。
【0029】実施例4 実施例1において、メタアクリル酸グリシジルエステル
の使用量を4gに代えた以外は、実施例1と同様の反応
を行った。得られた水性エマルジョン組成物の固形分濃
度は39.1%、粘度は3300cps であった。
【0030】実施例5 実施例1において、ビニル系単量体としてメタクリル酸
メチル63g、アクリル酸ブチル27gを使用した以外
は、実施例1と同様の反応を行った。得られた水性エマ
ルジョン組成物の固形分濃度は38.3%、粘度は12
50cps であった。
【0031】実施例6 実施例1において、アゾビスイソブチロニトリル3gの
代りに、ベンゾイルパーオキサイド3gを用いた以外
は、実施例1と同様の反応を行った。得られた水性エマ
ルジョン組成物の固形分濃度は36.8%、粘度は12
0cpsであった。
【0032】比較例1 実施例1において、メタクリル酸グリシジルエステルを
用いない以外は、実施例1と同様の反応を行った。反応
性が悪く、残存モノマーの多いエマルジョンであった。
【0033】比較例2 実施例1において、アゾビスイソブチロニトリル3gの
代りに、過硫酸アンモニウム3gを用いた以外は、実施
例1と同様の反応を行った。得られた水性エマルジョン
組成物の固形分濃度は35.2%、粘度は180cpsであ
り、粗粒が数多く認められた。
【0034】比較例3 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1L
のセパラブルフラスコにイオン交換水を150g仕込
み、80℃まで昇温した。これにイオン交換水100
g、アニオン乳化剤レベノールWZ(花王(株))2g、
スチレン100g、アクリル酸2−エチルヘキシル95
g、メタクリル酸5g、アクリルアミド(AAm)15
gの混合乳化液を4時間で滴下した。
【0035】一方、該混合乳化液の滴下開始と同時に5
%の過硫酸アンモニウム5gを添加して乳化重合を開始
した。同時に5%過硫酸アンモニウム水溶液30gを4
時間かけて滴下した。この間容器内は80℃に保ち、滴
下終了後1.5時間80℃に保った。その後、冷却を開
始し、30℃まで冷却後アンモニア水0.5gを添加し
た。得られた合成樹脂エマルジョンの固形分濃度は4
3.2%、粘度は3100cpsであった。
【0036】かくして得られた実施例1〜6および比較
例1〜3の水性エマルジョン組成物の耐水性を検討した
ところ、結果は表1に示すとおりであった。なお、乾燥
皮膜の耐水性は、以下の方法に従って測定した。 耐水性:ガラス板上に2ミルのアプリケーターによりエ
マルジョン皮膜を作製し、24時間放置後、水を1滴落
とし、室温にてその状態を観察した。 ○:7日経過後においても全く白化しない。 △:1日で一部白化した。 ×:数分間で白化した。
【0037】
【表1】
【表2】
【0038】表1から明らかなように、本発明で得られ
た水性エマルジョン組成物は、耐水性に優れていること
が分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョン組成物から得
られる乾燥皮膜は、従来の合成樹脂水性エマルジョンか
ら得られた乾燥皮膜に比し、その耐水性は飛躍的に向上
しており、従来合成樹脂水性エマルジョンの使用が不可
能であり、やむを得ず溶剤系のポリマー溶液を使用して
いた耐水性を必要とする用途に対しても、水性エマルジ
ョンであっても安全に使用可能であり、また水性または
油性の材料とも混和性が良いところから水性または油性
の塗料用バインダー、インク用バインダー、紙コーティ
ング剤、繊維処理剤として有効に使用できる。
【0040】特に溶剤系のポリマー溶液においては溶剤
による火災や環境汚染の問題があるのに対し、本発明の
水性エマルジョン組成物は分散媒が水であって、上記の
心配は全くない優れた水性エマルジョン組成物である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体の重合体、および保護コ
    ロイドを含む水性エマルジョン組成物であって、該保護
    コロイドはスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不
    飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩と、(メタ)アクリ
    ル酸グリシジルエステルとの反応により生成した不飽和
    基を有する変性スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
    −不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩であり、かつ該
    保護コロイドはビニル系単量体の重合体100重量部に
    対して10〜300重量部を含有するものである耐水性
    を有する水性エマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
    −不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩と、(メタ)ア
    クリル酸グリシジルエステルとの反応により生成した不
    飽和基を有する変性スチレン−(メタ)アクリル酸エス
    テル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩を保護コロ
    イドとして、かつ油溶性の重合開始剤を用い、ビニル系
    単量体を乳化重合することを特徴とする耐水性を有する
    水性エマルジョン組成物の製造方法。
JP5902994A 1994-03-29 1994-03-29 耐水性を有する水性エマルジョン組成物およびその製造方法 Pending JPH07268022A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009161675A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Showa Highpolymer Co Ltd 水分散性樹脂組成物および塗料
JP2014001298A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Nippon Zeon Co Ltd 中空重合体粒子およびその水性分散液
KR20230159552A (ko) 2021-03-25 2023-11-21 닛신 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 아크릴 수지 에멀션 및 그의 제조 방법 그리고 도료 조성물

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