JP3452099B2 - 紙塗被用ラテックス組成物及び紙塗被用組成物 - Google Patents

紙塗被用ラテックス組成物及び紙塗被用組成物

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JP3452099B2
JP3452099B2 JP09443395A JP9443395A JP3452099B2 JP 3452099 B2 JP3452099 B2 JP 3452099B2 JP 09443395 A JP09443395 A JP 09443395A JP 9443395 A JP9443395 A JP 9443395A JP 3452099 B2 JP3452099 B2 JP 3452099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙塗被用ラテックス組成
物及び紙塗被用組成物に関し、さらに詳しくは、白紙光
沢、印刷光沢及び吸水着肉性に優れる塗工紙を得るため
の紙塗被用ラテックス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】顔料を含有する紙塗被組成物を紙に塗工
して、塗工紙の白紙光沢及び印刷光沢を改善することは
従来から行われている。例えば、共役ジエンとこれと共
重合可能な他の単量体との共重合体からなる合成ゴムラ
テックスと、(メタ)アクリロニトリルとこれと共重合
可能な他の単量体との共重合体からなる合成樹脂エマル
ジョンとからなる紙塗工用組成物を用いて印刷光沢を改
善する方法が知られている(特公平1−49838号公
報)。しかし、この方法では吸水着肉性に劣ってしまう
といった問題点があった。また、シアン化ビニル単量
体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル及びエチレン
性不飽和カルボン酸を共重合してなる、ゲル含有量が7
0重量%以上、ガラス転移温度が−30〜10℃、ラテ
ックス粒子の平均粒径が60〜200nmである共重合
体ラテックスを含有する紙塗工用組成物を用いる方法が
知られているが(特公平4−9240号公報)、この方
法でも吸水着肉性が劣ってしまうといった問題点があっ
た。
【0003】一方、ガラス転移温度の異なる共重合体か
らなるラテックス組成物を紙塗工用に用いることも知ら
れている。例えば、ブタジエンを40重量%含む単量体
を重合して得られるガラス転移温度が−10〜50℃の
共重合体からなるラテックスと、ブタジエンを50重量
%以上含む単量体を重合して得られるガラス転移温度が
−70〜−30℃の共重合体からなるラテックスとから
なり、二つのガラス転移温度の差が30℃以上であるラ
テックス組成物が知られている(特開平5−17959
9号公報)。この方法では良好な表面強度、紙腰を有
し、かつ印刷ムラのない塗工紙が得られるが、白紙光沢
に劣ってしまうといった問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、白紙
光沢及び印刷光沢を改善するとともに、吸水着肉性にも
優れた高品質の塗工紙を得る紙塗被用ラテックス組成物
を提供することにある。本発明者らは、この目的を達成
すべく鋭意研究を行った結果、後記ラテックス(A)と
ラテックス(B)とからなるラテックス組成物を用いる
ことにより本目的を達成できることを見いだし、この知
見に基いて本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、脂肪族共役ジエン系単量体41重量部以上、60重
量部以下、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.3重
量部以上、10重量部以下及びこれらと共重合可能な他
の単量体30重量部以上、58.7重量部以下からなる
単量体混合物100重量部を乳化重合して得られるガラ
ス転移温度−20℃以上、+5℃以下である共重合体
(a)からなるラテックス(A)75重量%以上、95
重量%以下(固形分換算)と、脂肪族共役ジエン系単量
体50重量部以上、80重量部以下、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体0.3重量部以上、10重量部以下及
びこれらと共重合可能な他の単量体10重量部以上、4
9.7重量部以下からなる単量体混合物100重量部を
乳化重合して得られるガラス転移温度−70℃以上、−
30℃以下である共重合体(b)からなるラテックス
(B)5重量%以上、25重量%以下(固形分換算)と
からなり、共重合体(a)と共重合体(b)のガラス転
移温度の差が30℃以上であることを特徴とする紙塗被
用ラテックス組成物が提供される。また、本発明によれ
ば前記の紙塗被用ラテックス組成物及び顔料とを必須成
分とすることを特徴とする紙塗被用組成物が提供され
る。
【0006】本発明の紙塗被用ラテックス組成物は、ラ
テックス(A)とラテックス(B)とからなる。ラテッ
クス組成物中のラテックス(A)の量は固形分換算で、
下限が75重量%以上、好ましくは85重量%以上であ
り、上限が95重量%以下である。ラテックス(A)の
量が75重量%未満では印刷光沢が劣り、95重量%を
超えると印刷光沢及び白紙光沢が劣ってしまう。本発明
ではラテックス(A)を構成する共重合体(a)とラテ
ックス(B)を構成する共重合体(b)のガラス転移温
度の差は30℃以上、好ましくは30℃以上、45℃以
下である。ガラス転移温度差が30℃未満では、印刷光
沢、白紙光沢及び吸水着肉性が劣ってしまう。
【0007】ラテックス(A)は、脂肪族共役ジエン系
単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、及びこれ
らと共重合可能な他の単量体とからなる単量体混合物を
乳化重合して得られる共重合体(a)から構成される。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン及びクロロプレン等を挙げることができる。これ
らの共役ジエン単量体のうち1,3−ブタジエンが好適
である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用量は、共重合
体(a)を得るための全単量体100重量部中、下限が
41重量部以上であり、上限が60重量部以下、好まし
くは55重量部以下である。41重量部未満では白紙光
沢が劣り、逆に60重量部を超えると印刷光沢が劣る。
【0008】エチレン性不飽和カルボン酸単量体として
は、(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸;イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸などの多価カルボン酸;マ
レイン酸モノメチルなどの多価カルボン酸部分エステル
などが挙げられる。これらの中でもモノカルボン酸また
は多価カルボン酸が好適である。エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体の使用量は、共重合体(a)を得るための
全単量体100重量部中、下限が0.3重量部以上、好
ましくは0.5重量部以上であり、上限が10重量部以
下、好ましくは8重量部以下である。0.3重量部未満
では共重合体ラテックスの安定性が不十分になり、10
重量部を超えると共重合体ラテックスの粘度が高くなっ
てしまう。
【0009】脂肪族共役ジエン系単量体及びエチレン性
不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、ヒドロキシメチルスチレン、ジビニルベンゼン、
ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフマレートなどのエチレン性不飽和カルボ
ン酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α
−シアノエチルアクリロニトリル等のシアン化ビニル化
合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸
アミドなどが挙げられる。これらの中でも、芳香族ビニ
ル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、シア
ン化ビニル化合物が好適である。脂肪族共役ジエン系単
量体及びエチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可
能な他の単量体の使用量は、共重合体(a)を得るため
の全単量体100重量部中、下限が30重量部以上、好
ましくは40重量部以上であり、上限が58.7重量部
以下、好ましくは55重量部以下である。30重量部未
満では印刷光沢が劣る。逆に58.7重量部を超えると
白紙光沢が劣ってしまう。
【0010】共重合体(a)のガラス転移温度は、下限
が−20℃以上、好ましくは−15℃以上であり、上限
が+5℃以下である。−20℃未満では印刷光沢が劣
り、+5℃を超えると白紙光沢が劣ってしまう。
【0011】ラテックス(A)の数平均粒子径は、60
nm〜150nmであることが好ましい。60nm未満
では白紙光沢及び吸水着肉性が劣る場合がある。また、
150nmを超えると印刷光沢が劣る場合がある。
【0012】ラテックス(A)のゲル含有率(溶媒:テ
トラヒドロフラン)は、60重量%〜95重量%である
ことが好ましい。60重量%未満では印刷光沢が劣る場
合がある。また、95重量%を超えると吸水着肉性に劣
る場合がある。
【0013】共重合体(b)は脂肪族共役ジエン系単量
体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、及びこれらと
共重合可能な他の単量体とからなる単量体混合物を乳化
重合して得られるものである。脂肪族共役ジエン系単量
体は前述と同様のものが用いられる。脂肪族共役ジエン
系単量体の使用量は、共重合体(b)を得るための全単
量体100重量部中、下限が50重量部以上、好ましく
は55重量部以上であり、上限が80重量部以下、好ま
しくは75重量部以下である。50重量部未満では白紙
光沢が劣り、80重量部を超えると印刷光沢が劣る。
【0014】エチレン性不飽和カルボン酸単量体は前述
と同様のものが用いられる。エチレン性不飽和カルボン
酸単量体の使用量は、共重合体(b)を得るための全単
量体100重量部中、下限が0.3重量部以上、好まし
くは0.5重量部以上であり、上限が10重量部以下、
好ましくは8重量部以下である。0.3重量部未満では
共重合体ラテックスの安定性が不十分になり、10重量
部を超えると共重合体ラテックスの粘度が高くなってし
まう。
【0015】脂肪族共役ジエン系単量体及びエチレン性
不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体は前
述と同様のものが用いられる。脂肪族共役ジエン系単量
体及びエチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能
な他の単量体の使用量は、共重合体(b)を得るための
全単量体100重量部中、下限が10重量部以上、好ま
しくは15重量部以上であり、上限が49.7重量部以
下、好ましくは45重量部以下である。10重量部未満
では印刷光沢が劣り、49.7重量部を超えると白紙光
沢が劣ってしまう。
【0016】共重合体(b)のガラス転移温度は、下限
が−70℃以上、好ましくは−60℃以上であり、上限
が−30℃以下、好ましくは−35℃以下である。−7
0℃未満では印刷光沢が劣り、−30℃を超えると印刷
光沢及び白紙光沢が劣る。
【0017】ラテックス(B)の数平均粒子径は、60
nm〜150nmであることが好ましい。60nm未満
では白紙光沢及び吸水着肉性が劣る場合がある。また、
150nmを超えると印刷光沢が劣る場合がある。
【0018】ラテックス(B)のゲル含有率(溶媒:テ
トラヒドロフラン)は、60重量%〜95重量%である
ことが好ましい。60重量%未満では印刷光沢が劣る場
合がある。また、95重量%を超えると吸水着肉性が劣
る場合がある。
【0019】上記ラテックス(A)及びラテックス
(B)の製造方法としては、たとえば連続乳化重合、一
括乳化重合、二段乳化重合、分割添加重合などの公知の
乳化重合法が挙げられる。乳化重合に際しては、公知の
乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、キレート化剤などの
一般の乳化重合に用いられている添加剤、助剤が使用で
きる。
【0020】乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジ
フェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、
脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エス
テル塩などのアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリ
コールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテ
ル型、アルキルエーテル型などのノニオン性界面活性剤
が使用できる。これらは2種以上を組み合わせて用いて
も良い。
【0021】連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカ
プタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのアルキ
ルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイ
ド、ジエチルキサントゲンジサルファイド、ジプロピル
キサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合
物;α−メチルスチレンダイマー、ターピノレン、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラム
ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドな
どのチウラム系化合物;アリルアルコールなどのアリル
化合物;2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、
スチレン化フェノールなどのフェノール系化合物;ジク
ロルメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素
などのハロゲン化炭化水素化合物;トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロ
レイン、チオグリコール酸、2−エチルヘキシルチオグ
リコレートなどが挙げられる。これらは2種以上を組み
合わせて用いても良い。
【0022】開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの水溶性開始剤;
過酸化ベンゾイルなどの油溶性開始剤またはレドックス
系開始剤などが用いられる。
【0023】本発明の紙塗被用組成物はこのようにして
得られた紙塗被用ラテックス組成物と顔料とを必須成分
とするものである。顔料としては、カオリンクレー、タ
ルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無
機顔料;ポリスチレンラテックスなどの有機顔料などが
用いられる。これらは2種以上を組み合わせて用いても
良い。顔料と紙塗被用ラテックス組成物との比率は、顔
料100重量部に対して、紙塗被用ラテックス組成物
が、固形分換算で、通常、5〜40重量部である。
【0024】本発明の紙塗被用組成物は、必要に応じ
て、デンプン、カゼイン、プロテイン、ヒドロキシメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸ソーダなどの天然バインダー;アクリル系ラテック
ス、ポリ酢酸ビニルラテックスなどの合成ラテックスな
どのバインダーを添加することができる。
【0025】本発明の紙塗被用組成物には、さらに、p
H調整剤、顔料分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、滑
剤、有機溶剤などを添加することができる。
【0026】本発明の紙塗被用組成物を原紙に塗工する
方法は特に限定されず、例えば、ブレードコーター、ロ
ールコーター、ブラシコーター、エアナイフコーター、
カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、
サイズプレスコーター、ショートドウェルコーターなど
の塗工装置を用いる方法が挙げられる。また、塗工量
は、通常、紙塗被用組成物が固形分換算で、通常、片面
に3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/m2になる
範囲である。
【0027】本発明の好ましい態様を以下に示す。 (1)固形分換算で、ラテックス(A)85〜95重量
%、ラテックス(B)5〜15重量%からなる本発明の
紙塗被用ラテックス組成物。 (2)共重合体(a)と共重合体(b)のガラス転移温
度の差が30〜45℃である本発明の紙塗被用ラテック
ス組成物。 (3)共重合体(a)を構成する単量体混合物の脂肪族
共役ジエン系単量体が1,3−ブタジエン、エチレン性
不飽和カルボン酸単量体がモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸、これらと共重合可能な他の単量体が芳香族ビ
ニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、シ
アン化ビニル化合物である本発明の紙塗被用ラテックス
組成物。 (4)共重合体(a)が脂肪族共役ジエン系単量体41
〜55重量部、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.
5〜8重量部及びこれらと共重合可能な他の単量体40
〜55重量部からなる単量体混合物を乳化重合して得ら
れるものである本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (5)ラテックス(A)の数平均粒子径が60〜150
nm以下である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (6)共重合体(a)のガラス転移温度が−15〜+5
℃以下である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (7)ラテックス(A)のゲル含有率が60〜95重量
%以下である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (8)共重合体(b)を構成する単量体混合物の脂肪族
共役ジエン系単量体が1,3−ブタジエン、エチレン性
不飽和カルボン酸単量体がモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸、これらと共重合可能な他の単量体が芳香族ビ
ニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、シ
アン化ビニル化合物である本発明の紙塗被用ラテックス
組成物。 (9)共重合体(b)が脂肪族共役ジエン系単量体55
〜75重量部、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.
5〜8重量部及びこれらと共重合可能な他の単量体15
〜45重量部からなる単量体混合物を乳化重合して得ら
れるものてである本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (10)ラテックス(B)の数平均粒子径が60〜15
0nm以下である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (11)共重合体(b)のガラス転移温度が−60〜−
35℃である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。 (12)ラテックス(B)のゲル含有率が60〜95重
量%以下である本発明の紙塗被用ラテックス組成物。
【0028】
【発明の効果】かくして、本発明の紙塗被用ラテックス
組成物を用いることにより、白紙光沢、印刷光沢及び吸
水着肉性が優れた塗工紙を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでな
い。なお、実施例中の部及び%は、重量基準であり、ラ
テックス及び水分散液については固形分換算である。
【0030】共重合体ラテックスの物性及びそれを含
有する紙塗被用組成物を塗被して得られる塗工紙を以下
の方法に従って評価した。 (ガラス転移温度)共重合体ラテックスをアルミ皿にと
り室温で乾燥した後、真空乾燥機中で、十分に水を除去
して皮膜を得た。セイコー電子工業株式会社製熱分析シ
ステムSSC5200H Disk Stationを
用いて、皮膜10mgのガラス転移温度を測定した(測
定条件;開始温度−150℃、昇温速度10℃/分)。
【0031】(数平均粒子径)透過型電子顕微鏡を用い
て倍率5万倍で写真撮影し、得られた顕微鏡写真により
測定した(粒子数500の数平均)。
【0032】(ゲル含有率)共重合体ラテックスをpH
8.5に調整した後、室温で48時間乾燥して皮膜を作
成した。その皮膜約0.5グラムを正確に秤量し、20
℃のテトラヒドロフラン100ミリリットル中に浸し、
48時間浸漬した後、予め秤量した80メッシュの金網
でろ過し、金網に残った残留物を秤量した。その残留物
を100℃で乾燥させ、下記式によりゲル含有率を求め
た。 ゲル含有率(%)=(テトラヒドロフラン浸漬後の金網
残留物乾重量/テトラヒドロフラン浸漬前の皮膜乾燥重
量)×100
【0033](白紙光沢)塗工紙につい
て、光沢度計(村上色彩技術研究所製、GM−26D)
を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で光沢度
を測定した。 【0034】(印刷光沢)三色のプロセスインク(東洋
インク社製、TKマークV アイ→ベニ→キ)をゴムロ
ールに付着させたRIテスターを用いて、塗工紙にべた
刷りし、20℃、65%R.H.の恒温恒湿室に24時
間放置した後、光沢度計(村上色彩技術研究所製、GM
−26D)を用いて、入射角60度、反射角60度の条
件で光沢度を測定した。
【0035】(吸水着肉性)RIテスターを用いて、金
属ロールとゴムロールの間を僅かに開けた状態で水を流
した後、プロセスインク(東洋インク社製、TKマーク
V 墨)をべた刷りした。印刷インクの付き具合を肉眼
で観察し、5点法で評価した。数が大きいほど吸水着肉
性が高い。
【0036】参考例1 ラテックス(A)の製造 攪拌機付きタンクに表1に示す組成の単量体100部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、重炭酸ナトリウム
0.5部、t−ドデシルメルカブタン0.4部及び水5
0部を仕込み、単量体乳化物を作成した。一方、攪拌機
付きオートクレーブにラウリル硫酸ナトリウム0.5
部、過硫酸カリウム0.5部、エチレンジアミンテトラ
酢酸四ナトリウム塩0.1部及び水50部を仕込み、7
0℃に加熱した。単量体乳化物の8%をオートクレーブ
に添加し、1時間反応させた。残りの単量体乳化物と過
硫酸カリウム0.5部を5時間かけて連続的に添加し
た。添加終了後、さらに4時間80℃を維持して反応を
完結させた。得られた共重合体ラテックスの重合転化率
はいずれも98%以上であった。得られた各共重合体ラ
テックスの数平均粒子径、ガラス転移温度及びゲル含有
率を測定し表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】参考例2 ラテックス(B)の製造 攪拌機付きタンクに表2に示す組成の単量体100部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、重炭酸ナトリウム
0.5部、t−ドデシルメルカブタン1.2部及び水5
0部を仕込み、単量体乳化物を作成した。一方、攪拌機
付きオートクレーブにラウリル硫酸ナトリウム0.5
部、過硫酸カリウム0.5部、エチレンジアミンテトラ
酢酸四ナトリウム塩0.1部及び水50部を仕込み、7
0℃に加熱した。単量体乳化物の8%をオートクレーブ
に添加し、1時間反応させた。残りの単量体乳化物と過
硫酸カリウム0.5部を5時間かけて連続的に添加し
た。添加終了後、さらに4時間80℃を維持して反応を
完結させた。得られた共重合体ラテックスの重合転化率
はいずれも98%以上であった。得られた各共重合体ラ
テックスの数平均粒子径、ガラス転移温度及びゲル含有
率を測定し表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】実施例1 紙塗被用組成物の調製・評価 表3に示す配合のラテックス組成物10部、カオリンク
レー(エンゲルハルド社製、UW90)60部、重質炭
酸カルシウム(ECC社製、Carbital−90)
40部、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.
2部、水酸化ナトリウム0.15部、酸化デンプン3部
を混合して攪拌し、固形分濃度65%、pH9.5に調
整して紙塗被用組成物を得た。この紙塗被用組成物を上
質紙に塗工量が片面あたり15g/m2となるように塗
布し、塗布直後に140℃の熱風で5秒間乾燥し、20
℃、65%R.H.の恒温恒湿室内に一夜放置した。そ
の後、温度50℃、線圧100Kg/cmの条件で2回
スーパーカレンダー処理を行って塗工紙を得た。塗工紙
の白紙光沢、印刷光沢、吸水着肉性を評価し、表3に示
した。
【0041】
【表3】
【0042】比較例1 紙塗被用組成物の調製・評価 表4に示す配合のラテックス組成物を用いること以外
は、実施例1と同様に操作して紙塗被用組成物を得た。
紙塗被用組成物を用いて実施例1と同様にして塗工紙を
作成し、白紙光沢、印刷光沢、吸水着肉性を評価した。
結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】表3及び表4から、本発明のラテックス組
成物を含有する紙塗被用組成物を用いることにより、白
紙光沢、印刷光沢及び吸水着肉性が優れる塗工紙を得る
ことができることがわかる。
【0045】これに対し、ブタジエンの量が少なく、ガ
ラス転移温度の高い共重合体のラテックス(A)を用い
た場合は、白紙光沢が劣ることがわかる(比較例、実験
番号9)。ラテックス(A)を構成する共重合体とラテ
ックス(B)を構成する共重合体のガラス転移温度の差
が小さい場合は、白紙光沢、印刷光沢及び吸水着肉性が
劣ることがわかる(比較例、実験番号10)。ラテック
ス(A)の組成比が小さい場合は、印刷光沢が劣ること
がわかる(比較例、実験番号11)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−179599(JP,A) 特開 昭62−117898(JP,A) 特開 昭61−225395(JP,A) 特開 平4−370294(JP,A) 特開 平6−235195(JP,A) 特開 平6−287503(JP,A) 特開 昭57−191392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 C09D 101/00 - 201/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体41重量部以
    上、60重量部以下、エチレン性不飽和カルボン酸単量
    体0.3重量部以上、10重量部以下及びこれらと共重
    合可能な他の単量体30重量部以上、58.7重量部以
    下からなる単量体混合物100重量部を乳化重合して得
    られるガラス転移温度−20℃以上、+5℃以下である
    共重合体(a)からなるラテックス(A)75重量%以
    上、95重量%以下(固形分換算)と、脂肪族共役ジエ
    ン系単量体50重量部以上、80重量部以下、エチレン
    性不飽和カルボン酸単量体0.3重量部以上、10重量
    部以下及びこれらと共重合可能な他の単量体10重量部
    以上、49.7重量部以下からなる単量体混合物100
    重量部を乳化重合して得られるガラス転移温度−70℃
    以上、−30℃以下である共重合体(b)からなるラテ
    ックス(B)5重量%以上、25重量%以下(固形分換
    算)とからなり、共重合体(a)と共重合体(b)のガ
    ラス転移温度の差が30℃以上であることを特徴とする
    紙塗被用ラテックス組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紙塗被用ラテックス組成
    物及び顔料を必須成分とすることを特徴とする紙塗被用
    組成物。
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