JP2005154658A - 有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙 - Google Patents

有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械的安定性に優れる紙塗工用組成物を与え、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に優れる塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供する。
【解決手段】 共役ジエン単量体5〜18重量%、イタコン酸0.25〜4重量%、アクリル酸0.25〜6重量%およびこれらと共重合可能なその他の単量体72〜94.5重量%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られる有機顔料。該有機顔料を含有する紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機顔料、紙塗工用組成物及びこれを用いた塗工紙に関するもので、特に、機械的安定性に優れる紙塗工用組成物を与え、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に優れる塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供することにある。
関するものである。
有機顔料を含有する紙塗工用組成物を原紙に塗工して、塗工紙の白紙光沢及び印刷光沢を改善することは従来から行われている。
有機顔料を含有する紙塗工用組成物としては、例えば、共役ジエン単量体0〜20重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜8重量%を含有する単量体混合物を乳化共重合して得られるガラス転移温度が30〜105℃、平均粒子径が150〜400nmの有機顔料と、共役ジエン単量体25〜55重量%を含む単量体混合物を乳化共重合して得られる共重合体ラテックスとからなり、該有機顔料と該共重合体ラテックスとを10/90〜60/40の重量比で含有する紙塗工用組成物が提案されている。ここで使用される有機顔料としては、マレイン酸および/またはイタコン酸を含む単量体混合物を乳化共重合して得られたものが具体的に開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような有機顔料を用いた紙塗工用組成物は、機械的安定性に劣り、該組成物の移送時や塗工時に機械的せん断を受けて、微細凝集物が発生し、塗工層表面が荒れる問題があり、得られた塗工紙は耐ブロッキング性に優れるものの、白紙光沢および印刷光沢は満足いくものではなかった。
また、紙塗工用組成物に含有させる有機顔料としては、例えば、共役ジエン単量体を80重量%以上含有する単量体を重合して得られる重合体20〜60重量部の存在下に、芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリロニトリルを含有する単量体80〜40重量部を重合してなる有機顔料が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、このような有機顔料を用いた紙塗工用組成物は、機械的安定性に劣り、得られた塗工紙は印刷光沢に優れるものの、白紙光沢のレベルは不十分であり、耐ブロッキング性に劣るものであった。
さらに、紙塗工用組成物に含有させる有機顔料としては、例えば、芳香族ビニル単量体及びエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含有する単量体を重合して得られる重合体30〜70重量部の存在下に、共役ジエン単量体を30〜80重量%含有する単量体70〜30重量部を重合して得られる、ミクロドメイン構造を有する有機顔料が提案されている(特許文献3参照)。このような有機顔料を用いた紙塗工用組成物は、機械的安定性に比較的優れており、得られた塗工紙は白紙光沢および印刷光沢に比較的優れるものの、耐ブロッキング性に劣り、カレンダー処理を施した際にカレンダーロール汚れを発生し易い問題がある。
特開昭61−225395号公報 特開昭63−303195号公報 特開平3−167398号公報
本発明の目的は、機械的安定性に優れる紙塗工用組成物を与え、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に優れる塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を達成するために、有機顔料を製造するのに用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体の種類と量に着目して鋭意検討した結果、イタコン酸とアクリル酸とを特定量併用して得られる有機顔料を用いると、前記目的を達成できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、共役ジエン単量体5〜18重量%、イタコン酸0.25〜4重量%、アクリル酸0.25〜6重量%およびこれらと共重合可能なその他の単量体72〜94.5重量%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られる有機顔料が提供される。
また、本発明によれば、前記の有機顔料を含有する紙塗工用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙が提供される。
本発明によれば、機械的安定性に優れる紙塗工用組成物を与え、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に優れる塗工紙を製造するのに好適な有機顔料、該有機顔料を含有する紙塗工用組成物、および該紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙を提供される。
(有機顔料)
本発明の有機顔料は、共役ジエン単量体5〜18重量%、イタコン酸0.25〜4重量%、アクリル酸0.25〜6重量%およびこれらと共重合可能なその他の単量体72〜94.5重量%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られるものである。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエンが好適である。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
共役ジエン単量体の使用量は、全単量体の5〜18重量%、好ましくは8〜16重量%である。この量が少ないと塗工紙の白紙光沢に劣り、逆に多いと塗工紙の耐ブロッキング性に劣る。
イタコン酸の使用量は、全単量体の0.25〜4重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。イタコン酸はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもできる。イタコン酸の使用量が少ないと紙塗工用組成物の機械的安定性に劣り、逆に多いと塗工紙の白紙光沢に劣る。
アクリル酸の使用量は、全単量体の0.25〜6重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。アクリル酸は、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもできる。アクリル酸の使用量が少ないと紙塗工用組成物の機械的安定性に劣り、逆に多いと得られたラテックスの粘度が上昇して取り扱い難くなると共に、塗工紙の白紙光沢に劣る。
共役ジエン単量体、イタコン酸およびアクリル酸と共重合可能なその他の単量体としては、
例えば、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、イタコン酸およびアクリル酸を除くエチレン性不飽和酸単量体、架橋性単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。
エチレン性不飽和ニトリル単量体(としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられるが、特に(メタ)アクリロニトリルが好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体;マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
イタコン酸およびアクリル酸を除くエチレン性不飽和酸単量体としては、例えば、メタクリル酸、クロトン酸などのアクリル酸を除く不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などのイタコン酸を除く不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エチル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸などのリン酸基含有単量体;などが挙げられる。これらは、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもでき、また、これらの単量体は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
架橋性単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらの他の単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの他の単量体のうち、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体が好ましく使用される。なお、イタコン酸およびアクリル酸を除くエチレン性不飽和酸単量体の使用量は、全単量体の、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下であり、特に好ましくは使用しない。
他の単量体の使用量は、全単量体の72〜94.5重量%、好ましくは76〜91重量%である。この使用量が少ないと塗工紙の耐ブロッキング性に劣り、逆に多いと塗工紙の白紙光沢に劣る。
イタコン酸とアクリル酸との重量比は、1/1〜1/3の範囲とすることが好ましい。この範囲で両者を用いると、機械的安定性により優れた紙塗工用組成物が得られ、かつ紙塗工用組成物の粘度も低く抑えることができ、高速塗工にも好適に使用できる紙塗工用組成物となる。
本発明の有機顔料の体積平均粒子径は、好ましくは150〜400nm、より好ましくは180〜320nmである。この範囲であれば、白紙光沢と表面強度とのバランスにより優れる塗工紙が得られる。なお、この粒子径は、乳化剤および重合開始剤の使用量を調節したり、シードラテックスの粒子径やその使用量を調整するなどして、所望の値に制御できる。
本発明の有機顔料のテトラヒドロフラン不溶解分は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50〜95重量%である。この量が少ないと、塗工紙の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。逆にこの量が多すぎると、塗工紙の白紙光沢が低下する傾向にある。
本発明の有機顔料のガラス転移温度は、好ましくは30〜95℃、より好ましくは50〜80℃である。ガラス転移温度が上記範囲にあると白紙光沢と耐ブロッキング性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
前記の単量体混合物を乳化共重合する方法としては、特に限定はなく、乳化重合において従来公知の方法を採用できる。
単量体の添加方法としては、例えば、反応容器に使用する単量体を一括して添加する方法、重合の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の重合転化率まで反応させ、その後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合する方法等が挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させてもよい。
また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応容器に添加してもよい。
乳化共重合にあたり、シード重合方法を採用することもできる。この方法を採用すると、有機顔料の体積平均粒子径の制御が容易で、より安定的に重合反応を行なうことができる点で好ましい。シード重合方法を採用する場合、シードラテックスの組成は特に限定されず、前述した有機顔料の製造に用いる単量体混合物の組成と同じであっても、異なってもよい。シードラテックスの粒子径および使用量は、最終的に得る有機顔料の体積平均粒子径が所望の値になるように適宜調整すればよい。
乳化共重合にあたり、通常用いられる、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、キレート剤、分散剤、脱酸素剤、pH調整剤、無機塩などの重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でも採用することができる。
媒体としては、通常、水が使用される。その使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、80〜300重量部である。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル型、ポリエチレングリコールアルキルエステル型、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル型等のノニオン性乳化剤;アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸塩又はリン酸エステル塩等を、カチオン部分としてアミン塩又は第4級アンモニウム塩等を持つ両性乳化剤等を挙げることができる。なかでも、アニオン性乳化剤が好ましく使用できる。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.15〜1重量部である。
重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。なかでも、無機過酸化物が好ましく、過硫酸塩がより好ましく使用できる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。過酸化物は重亜硫酸ナトリウム等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。
本発明においては、有機顔料のテトラヒドロフラン不溶解分を調節する目的で、分子量調整剤を使用することが好ましい。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもできる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましく使用できる。
分子量調整剤の使用量は、その種類によって異なるが、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.7重量部の範囲である。
重合温度は特に限定されないが、通常、0〜100℃、好ましくは40〜90℃である。
重合を開始した後、所定の重合転化率で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合反応を停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
以上のようにして乳化共重合した後、所望により、未反応単量体を除去して、有機顔料を含有するラテックスを得る。該ラテックスから、水分を除去して、固形状の有機顔料を取得することも可能であるが、後述する紙塗工用組成物に適用する場合には、通常、ラテックス状態で用いる。
有機顔料を含有するラテックスには、さらに、必要に応じて、分散剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、抗菌剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を配合することができる。これらは種類、使用量とも特に限定されない。
(紙塗工用組成物)
本発明の紙塗工用組成物は、前記の有機顔料を含有するものである。
本発明の紙塗工用組成物は、好ましくは、本発明の有機顔料3〜50重量部含有する顔料100重量部に、接着剤として、ガラス転移温度−50〜+25℃の共重合体ラテックス(固形分換算)3〜20重量部を配合してなるものである。
本発明の有機顔料と組み合わせて用いる顔料としては、例えば、バインダーピグメント、プラスチックピグメント、中空重合体粒子などの本発明の有機顔料以外の有機顔料;クレイ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、シリカ、雲母などの無機顔料;が挙げられる。これらの中でも、無機顔料が好ましく、特に、クレイおよび炭酸カルシウムが好ましく使用される。
顔料中における本発明の有機顔料の含有量は、全顔料100重量部に対して、好ましくは3〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。この含有量が少なすぎると、塗工紙の白紙光沢および印刷光沢に劣る傾向があり、逆に多すぎると塗工紙の耐ブロッキング性に劣る傾向がある。
接着剤として配合する共重合体ラテックスは、塗工紙の分野で通常使用されるものであれば特に限定されないが、そのガラス転移温度は、−50〜+25℃、好ましくは−40〜+20℃である。ガラス転移温度が、上記範囲にあれば、表面強度と耐ブロッキング性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
また、接着剤として配合する共重合体ラテックスの体積平均粒子径は、好ましくは30〜120nm、より好ましくは50〜100nmである。この平均粒子径が上記範囲にあれば、表面強度と印刷光沢のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
接着剤として配合する共重合体ラテックスは、共役ジエン単量体24〜60重量%、イタコン酸およびアクリル酸を含むエチレン性不飽和酸単量体1〜5重量%、エチレン性不飽和ニトリル単量体5〜25重量%、並びにこれらと共重合可能な他の単量体34〜70重量%からなる単量体混合物を乳化共重合したものであることが好ましい。
共役ジエン単量体、エチレン性不飽和酸単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体は、それぞれ、前記したものを使用することができる。
接着剤として配合する共重合体ラテックスの使用量は、全顔料100重量部に対して、好ましくは3〜20重量部、より好ましくは5〜17重量部である。この使用量が少なすぎると、塗工紙の表面強度が低下し、逆に多すぎると塗工紙の耐ブロッキング性が低下する。
接着剤として配合する共重合体ラテックスと本発明の有機顔料との重量比は、固形分換算で、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは65/35〜85/15、特に好ましくは50/50〜80/20である。
本発明の紙塗工用組成物には、紙塗工用組成物に一般に使用される水溶性接着剤を併用してもよい。水溶性接着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。水溶性接着剤の使用量は、全顔料100重量部に対して、通常、1重量部以上、好ましくは3〜20重量部である。
本発明の紙塗工用組成物には、必要に応じて、pH調整剤、顔料分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、滑剤、保水性向上剤、流動性改良剤、防腐剤、抗菌剤、有機溶剤などの添加剤を配合することができる。
(塗工紙)
本発明の塗工紙は、前記の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる。
原紙としては、特に限定されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等のパルプからなる原紙を用いることができる。また、原紙として、予めアンダーコート用組成物を塗工してなる塗工紙を用いることもできる。
原紙の坪量は特に限定されないが、通常、洋紙は40〜130g/m2、板紙は160〜420g/m2のものが使用される。
塗工の方法は特に限定されず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用いて塗工することができる。塗工量は、乾燥後の固形分換算で、通常、片面あたり3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/m2になる範囲である。
紙塗工用組成物を原紙に塗工した後、乾燥することにより塗工紙が得られる。乾燥温度は、通常、50℃以上である。
さらに、塗工紙は、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダーなどの仕上げ装置を通すことにより、塗工層表面の平滑性が向上し、より高い白紙光沢を呈するようになる。
本発明の有機顔料を用いると、特にソフトニップカレンダーやグロスカレンダーにより100〜200℃の高温で表面処理した場合においても、塗工紙に、高い白紙光沢及び印刷光沢とともに、良好な耐ブロッキング性を付与することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
評価は下記に示す方法で行なった。
(1)体積平均粒子径
光散乱粒子径測定器(LS230:コールター社)を用いて、有機顔料および共重合体ラテックスの体積平均粒子径を測定した。
(2)テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。該フィルムを、2mm×2mm以下の大きさに切断して試料とした。この試料0.3gを150メッシュの金網のかごに入れて、それを20℃のテトラヒドロフラン100mlに48時間浸漬した後、溶解しないで金網上に残るフィルムを100℃で減圧乾燥し、残存率を計算してTHF不溶解分(%)を求めた。
(3)ガラス転移温度
有機顔料を含むラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に12時間放置した後、さらに105℃で1時間乾燥して、有機顔料のフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
なお、接着剤として用いる共重合体ラテックスのガラス転移温度は、以下のように測定した。
接着剤として用いる共重合体ラテックスを、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置し、該ラテックスのフィルムを得た。このフィルムについて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−100〜+150℃でガラス転移温度を測定した。
(4)紙塗工用組成物の機械的安定性
マーロン式機械的安定性試験機(熊谷理機工業(株)製)を用いて以下のように測定を行った。固形分濃度10%に希釈した紙塗工用組成物75gを試料として用い、45℃で、荷重10Kgfで、5分間の条件で試験した。試験後、発生した粗大凝集物を150メッシュの金網で捕集し、乾燥して、粗大凝集物量を求めた。試料中の固形分量に対する粗大凝集物量の割合(%)を計算して、紙塗工用組成物の機械的安定性の指標とした。この値が少ないほど、機械的安定性に優れる。
(5)白紙光沢
塗工紙について、グロスメーター(村上色彩社製、GM−26D)を用いて、入射角75度、反射角75度の条件で、塗工紙の光の反射率(%)を測定した。数値は大きい程よい。
(6)印刷光沢
塗工紙に、RI印刷試験機(明石製作所製)を用いて、藍色インキをベタ塗りした後、白紙光沢の測定方法と同じ方法で測定した。数値は大きい程よい。
(7)耐ブロッキング性
塗工紙の塗工面に市販の中質紙を重ね、それを160℃、75MPaのグロスカレンダーに3回通した。その後、塗工紙と中質紙を剥離し、塗工面への中質紙の付着度合いを観察した。全く付着していないものを5点、全面に付着しているものを1点とし、塗工面への中質紙の付着度合いにより5点法で採点した。点数が高いほど、耐ブロッキング性に優れている。
(接着剤用共重合体ラテックスの合成)
耐圧容器に、イオン交換水40部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、スチレン15部、1,3−ブタジエン40部、メタクリル酸メチル23部、アクリロニトリル18部、イタコン酸2部、アクリルアミド1部、t−ドデシルメルカプタン0.7部、α−メチルスチレンダイマー1部を添加し、攪拌して単量体乳化物を得た。
耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン33%、1,3−ブタジエン35%、メタクリル酸メチル28%およびメタクリル酸4%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られた体積平均粒子径35nmの共重合体ラテックス)を固形分換算で4部、イオン交換水60部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.3部、イタコン酸1部、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩0.05部を添加した後、攪拌しながら、80℃に昇温した。
過硫酸カリウム1部を含む3%過硫酸カリウム水溶液を、210分間に亘り、反応器に連続添加した。過硫酸カリウム水溶液の添加を開始した時点から210分間に亘り、上記の単量体乳化物を、反応器に連続的に添加しながら乳化共重合を行なった。
単量体乳化物の添加を完了した後、さらに85℃で反応を6時間継続した。
重合系を冷却して重合反応を停止した後、水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去し、接着剤用共重合体ラテックスを得た。この共重合体ラテックスのガラス転移温度は0℃、体積平均粒子径は85nmであった。
(実施例1)
(有機顔料を含有する重合体ラテックスの製造)
耐圧容器に、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸水素ナトリウム0.4部、1,3−ブタジエン14部、スチレン67.5部、メタクリル酸メチル7.5部、アクリロニトリル7.5部、アクリル酸1.5部、アクリルアミド1部およびt−ドデシルメルカプタン0.7部を添加し、攪拌して単量体乳化物を得た。
耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン40%、ブタジエン56%およびメタクリル酸4%からなる単量体混合物を乳化重合して得られた体積平均粒子径が55nmの共重合体ラテックス)を固形分換算で2部、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩0.05部およびイタコン酸1部を添加し、攪拌しながら、80℃に昇温した。
次いで、過硫酸カリウム0.5部を反応器に添加した後、上記の単量体乳化物を、5時間に亘り、反応器に連続的に添加しながら乳化共重合した。なお、単量体乳化物の連続添加を開始した時点から、300分間に亘り、過硫酸カリウム0.5部を含む3%水溶液を反応器に連続的に添加した。
単量体混合物の添加を完了した後、さらに、85℃で反応を5時間継続し、次いで、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加し、重合反応を停止した。この時の重合転化率は98%であった。
水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ラテックスのpHを8.5に調整した後、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去した。その後、濃縮して、固形分濃度を52%にした後、防腐剤を0.15部添加し、さらに固形分濃度を50%に、pHを8.5に調整して、有機顔料を含有する重合体ラテックスAを得た。このラテックスにおける、有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびTHF不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
(アンダーコート用組成物の調製)
常法により、2級クレイ(ウルトラコート:エンゲルハルド社製)30部、炭酸カルシウム(カービタール90:イリメス ミネラルズ ジャパン社製)70部、分散剤(アロンT−40:東亜合成(株)製)0.1部、燐酸エステル化澱粉(MS4600:日本食品加工(株)製)4部、水酸化ナトリウム0.1部および前記の接着剤用共重合体ラテックス(固形分換算)8部を混合して、固形分濃度が62%のアンダーコート用組成物を得た。
(紙塗工用組成物の調製)
常法により、1級クレイ(ウルトラホワイト90:エンゲルハルド社製)70部、炭酸カルシウム(カービタール90:イリメス ミネラルズ ジャパン社製)20部、重合体ラテックスA(固形分換算)10部、分散剤(アロンT−40:東亜合成(株)製)0.2部、燐酸エステル化澱粉(MS4600:日本食品加工(株)製)2部、水酸化ナトリウム0.2部および前記の接着剤用共重合体ラテックス(固形分換算)10部を混合して、固形分濃度が62%の紙塗工用組成物を得た。この紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、その結果を表1に示す。
(塗工紙の作製)
コート白ボール用原紙(310g/m2)に、アンダーコート用組成物を、乾燥後の固形分量で片面あたり10g/m2になるようにブレード塗工し、160℃の熱風で10秒間乾燥した。次いで、紙塗工用組成物を、乾燥後の固形分で片面あたり12g/m2になるようにブレード塗工し、塗工直後に160℃の熱風で10秒間乾燥した。これを、温度120℃、線圧75MPaの条件のグロスカレンダーに2回通して、塗工紙を得た。
得られた塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2および3)
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含有する重合体ラテックスBおよびCを得た。重合体ラテックスBおよびCの物性を測定し、それらの結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスBおよびCを用いて、紙塗工用組成物を調製した。これらの紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、それらの結果を表1に示す。
前記の紙塗工用組成物を用いて、実施例1と同様にして、塗工紙を得た。これらの塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含有する重合体ラテックスDを得た。重合体ラテックスDの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスDを用いて、紙塗工用組成物を調製した。この紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、それらの結果を表1に示す。
前記の紙塗工用組成物を用いて、実施例1と同様にして、塗工紙を得た。この塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
耐圧容器に、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部、炭酸水素ナトリウム0.4部、1,3−ブタジエン10部、スチレン71.5部、メタクリル酸メチル7.5部、アクリロニトリル7.5部、アクリル酸2.5部、アクリルアミド1部およびt−ドデシルメルカプタン1.2部を添加し、攪拌して単量体乳化物を得た。
耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン40%、ブタジエン56%およびメタクリル酸4%からなる単量体混合物を乳化重合して得られた体積平均粒子径が55nmの共重合体ラテックス)を固形分換算で8部、イオン交換水50部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部、およびエチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩0.05部を添加し、攪拌しながら、80℃に昇温した。
次いで、過硫酸カリウム0.5部を反応器に添加した後、上記の単量体乳化物を、5時間に亘り、反応器に連続的に添加しながら乳化共重合した。なお、単量体乳化物の連続添加を開始した時点から、300分間に亘り、過硫酸カリウム0.5部を含む3%水溶液を反応器に連続的に添加した。
単量体混合物の添加を完了した後、さらに、85℃で反応を5時間継続し、次いで、亜硝酸ナトリウム0.025部を添加し、重合反応を停止した。この時の重合転化率は98%であった。
水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ラテックスのpHを8.5に調整した後、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去した。その後、濃縮して、固形分濃度を52%にした後、防腐剤を0.15部添加し、さらに固形分濃度を50%に、pHを8.5に調整して、有機顔料を含有する重合体ラテックスEを得た。このラテックスにおける、有機顔料の体積平均粒子径、ガラス転移温度およびTHF不溶解分を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスEを用いて、紙塗工用組成物を調製した。この紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、それらの結果を表1に示す。
前記の紙塗工用組成物を用いて、実施例1と同様にして、塗工紙を得た。この塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例3)
表1に示す重合処方に変更する以外は、比較例2と同様にして、有機顔料を含有する重合体ラテックスFを得た。重合体ラテックスFの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスFを用いて、紙塗工用組成物を調製した。この紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、それらの結果を表1に示す。
前記の紙塗工用組成物を用いて、実施例1と同様にして、塗工紙を得た。この塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例4)
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、有機顔料を含有する重合体ラテックスGを得た。重合体ラテックスGの物性を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて、重合体ラテックスGを用いて、紙塗工用組成物を調製した。この紙塗工用組成物の機械的安定性を測定し、それらの結果を表1に示す。
前記の紙塗工用組成物を用いて、実施例1と同様にして、塗工紙を得た。この塗工紙について、白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2005154658
表1から以下のようなことがわかる。
共役ジエン単量体の使用量が多く、かつイタコン酸のみを使用して得られた有機顔料を含有する重合体ラテックスDを用いると、紙塗工用組成物の機械的安定性が悪化し、塗工紙の白紙光沢および耐ブロッキング性に劣る(比較例1)。
アクリル酸のみを使用して得られた有機顔料を含有する重合体ラテックスEを用いると、紙塗工用組成物の機械的安定性が悪化し、塗工紙の白紙光沢に劣り、耐ブロッキング性が低下する(比較例2)。
共役ジエン単量体を使用せず、かつアクリル酸およびメタクリル酸を使用して得られた有機顔料を含有する重合体ラテックスFを用いると、紙塗工用組成物の機械的安定性が悪化し、塗工紙の印刷光沢に劣る(比較例3)。
イタコン酸およびマレイン酸を使用して得られた有機顔料を含有する重合体ラテックスGを用いると、紙塗工用組成物の機械的安定性が悪化し、塗工紙の白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に劣る(比較例4)。
これらの比較例に対して、本発明の有機顔料を含有する重合体ラテックスA〜Cを用いると、機械的安定性に優れる紙塗工用組成物が得られ、かつ白紙光沢、印刷光沢および耐ブロッキング性に優れる塗工紙が得られる。

Claims (9)

  1. 共役ジエン単量体5〜18重量%、イタコン酸0.25〜4重量%、アクリル酸0.25〜6重量%およびこれらと共重合可能なその他の単量体72〜94.5重量%からなる単量体混合物を乳化共重合して得られる有機顔料。
  2. イタコン酸とアクリル酸の重量比が1/1〜1/3である請求項1記載の有機顔料。
  3. 体積平均粒子径が150〜400nmである請求項1または2に記載の有機顔料。
  4. テトラヒドロフラン不溶解分が40重量%以上である請求項1〜3のいずれか一に記載の有機顔料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の有機顔料を含有する紙塗工用組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一に記載の有機顔料3〜50重量部を含有する顔料100重量部に、接着剤として、ガラス転移温度−50〜+25℃の共重合体ラテックス3〜20重量部(固形分換算)を配合してなる紙塗工用組成物。
  7. 共重合体ラテックスの体積平均粒子径が30〜120nmである請求項6記載の紙塗工用組成物。
  8. 有機顔料と共重合体ラテックスとの重量比が、固形分換算で、20/80〜90/10である請求項6記載の紙塗工用組成物。
  9. 請求項5〜8のいずれか一に記載の紙塗工用組成物を原紙に塗工してなる塗工紙。
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