JP6902376B2 - ラテックス組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ラテックス組成物に関する。
従来より、塗工紙及び電池用電極の材料などの様々な用途に共重合体ラテックスが利用されている。共重合体ラテックスは、各用途における操業性に優れて使いやすく、最終製品に高度な物性バランスを与えるよう改良が重ねられているものの、更に高度な物性バランスを与えることができる共重合体ラテックスが切望されている。
例えば、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメール、商品カタログ等においては、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用している。
一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムといった白色顔料を水に分散した顔料分散液と、顔料同士及び顔料と原紙とを接着固定するためのバインダーと、その他の添加剤とによって構成される水性塗料である。バインダーとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダー、又は、デンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でも、乳化重合により得られるスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が高く、紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されている。その特性が紙塗工用組成物の性能、塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
近年、紙塗工用組成物などの塗料に対し、低コスト化が図られており、高価なカオリンの配合比率を減らし、安価な炭酸カルシウムの配合比率を増すと共に、塗料コストに占める割合の大きな共重合体ラテックスの配合量を減らす動きがある。そのため、少ない配合量でも十分な接着強度を発現できる共重合体ラテックスが求められている。
しかしながら、高性能化への対応は共重合体ラテックスの粘度を増加させる傾向にあり、一般的には、共重合体ラテックスの高性能化と低粘度化とは相反する関係にある。そのため、共重合体ラテックスの接着強度の向上を図る場合、粘度の増加に伴う操業性の低下が懸念される。
また、共重合体ラテックスは、電池用電極の活物質同士及び集電体と活物質の接着固定にも利用されており、同様の特性が望まれている。
特開2009−91669号公報 特開2008−248446号公報
本発明は、係る実情に鑑み、共重合体ラテックスの粘度を低下させるとともに、接着強度にも優れるラテックス組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リグニンを化学処理したリグニン変性体を共重合体ラテックスに添加することで、共重合体ラテックスの粘度が低下でき、さらに、接着強度にも優れることを見出した。また、リグニンは、製紙工場で副産物として大量に排出されるため安価であり、植物由来成分であることから環境面にも配慮することができる。
すなわち、本発明は、下記のラテックス組成物を提供する。
[1]脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位30〜65質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位3〜30質量%、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位10〜30質量%およびアルケニル芳香族単量体に由来する構造単位20〜57質量%からなるジエン系共重合体ラテックス100質量部(固形分換算)に対して、リグニンスルホン酸塩を0.5〜5質量部(固形分換算)含有するラテックス組成物。
本発明のラテックス組成物は、粘度が低く、さらに、接着強度にも優れる。そのため、操業性を低下させず、塗料中の配合比率を少なくしても、十分な接着強度を発現させることができる。また、リグニンは、上述した通り、安価であり、環境面にも配慮することができる。
本発明に使用されるリグニン変性体は一般的に使用される任意のリグニンを包含する物質で良く、例えば、リグニン水酸化物塩、リグニン炭酸塩、リグニンスルホン酸塩またはその誘導体などが挙げられ、リグニンスルホン酸塩が好ましい。リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウム、リグニンスルホン酸マグネシウムなどが挙げられるが、共重合体ラテックスの粘度を低下させる効果(以下、減粘効果と呼ぶ)と安価であることから、リグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
リグニン変性体の添加量(固形分換算)は、共重合体ラテックス100質量部(固形分換算)に対して、0.5〜5質量部であり、0.5〜3質量部が好ましい。0.5質量部未満だと共重合体ラテックスの減粘効果が十分に得られず、5質量部を超えると、接着強度が低下する傾向にある。
リグニン変性体の添加方法には、特に制限なく、共重合体ラテックスの重合時に添加しても良く、重合終了後に添加しても良い。添加の簡便性や共重合体ラテックスの減粘効果を最大限に活かすには重合終了後に添加することが好ましい。
本発明のラテックス組成物に含有する共重合体ラテックスとしては、特に制限はなく、乳化重合により得られる共重合体ラテックスを用いることができる。中でも、減粘効果と接着強度のバランスの観点から、脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位20〜80質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位2〜20質量%、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位0〜40質量%およびその他の構造単位0〜78質量%を含むジエン系共重合体ラテックスであることが好ましく、脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位30〜65質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位3〜10質量%、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位10〜30質量%およびその他の構造単位20〜57質量%を含むジエン系共重合体ラテックスであることがより好ましい。
脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位とは、脂肪族共役ジエン系単量体が重合して形成される構造単位である。脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などの単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位とは、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が重合して形成される構造単位である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸単量体が挙げられる。または、これらの無水物であってもよい。これらの単量体は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、モノカルボン酸とジカルボン酸を併用することが好ましい。
シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位とは、シアン化ビニル系単量体が重合して形成される構造単位である。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどの単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの使用が好ましい。
その他の構造単位に対応する単量体としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド系単量体などが挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和カルボン酸アミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記単量体の他にも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
また、重合方法についても溶液重合、塊状重合、乳化重合など特に限定はないが、乳化重合が物性到達の面から見て望ましい。
乳化重合を行う際には、上記単量体の他、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤等を配合することができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、及び非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、及びアルキルエーテル型などのノニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。乳化剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮し、適宜調整することができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤;クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどの油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、及びt−ブチルハイドロパーオキサイドから選択することが好ましい。重合開始剤の配合量は特に制限されないが、単量体組成、重合反応系のpH、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整される。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、及びn−ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、及びジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、及びテトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、及びスチレン化フェノールなどのフェノール系化合物;アリルアルコールなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、及び四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、及びα−ベンジルオキシアクリルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、及びα−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
還元剤としては、例えば、デキストロース、及びサッカロースなどの還元糖類;ジメチルアニリン、及びトリエタノールアミンなどのアミン類;L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、及びクエン酸などのカルボン酸類及びその塩;亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、及びベンズアルデヒドスルホン酸塩などが挙げられる。特にL−アスコルビン酸、及びエリソルビン酸から選択することが好ましい。還元剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
上記乳化重合を行う際には、共重合体の分子量及び架橋構造を制御する目的で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、及びシクロヘプタンなどの飽和炭化水素;ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、及び1−メチルシクロヘキセンなどの不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。回収しやすさの観点から、特に、シクロヘキセン又はトルエンを使用することが好ましい。
さらに、上記乳化重合に係る反応系には、必要に応じて、酸素補足剤、キレート剤、分散剤、消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は種類及び使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することができる。
反応系の温度は、安全性に配慮した槽内圧力及び生産性の観点から、30〜100℃の範囲に設定することが好ましく、40〜85℃の範囲に設定することがより好ましい。
反応系に、単量体成分ならびにその他の成分を添加する方法としては、例えば、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、及びパワーフィード方法が挙げられる。中でも、連続添加方法(以下、「連添」という場合もある)を採用することが好ましい。さらに、連添を複数回行ってもよい。
乳化重合の反応時間については、例えば、生産性の観点から、1〜15時間とすることが好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。
また、乳化重合は、ポリマー転化率が97%を超えたことを確認して反応を終了させることが好ましい。こうして、共重体ラテックスが得られる。なお、ポリマー転化率は、固形分量から算出、又は重合槽を冷却した熱量から算出できる。
共重合体ラテックスは、分散安定性の観点から、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどにより、pHが5〜9.5に調整されることが好ましく、5.5〜8.5に調整されることがより好ましい。
共重合体ラテックスは、加熱減圧蒸留等の方法により、未反応単量体及び他の低沸点化合物が除去されていることが好ましい。
本発明のラテックス組成物の粘度は、25℃において、500mPa・s以下であることが好ましく、400mPa・s以下がより好ましく、300mPa・s以下であることが特に好ましい。ラテックス組成物の粘度が上記範囲であると、操業性に優れるため好ましい。なお、ラテックス組成物の粘度は、JIS K7117−1に準拠し、B型粘度計を用い、回転数60rpmで測定される。また、B型粘度計のローターは、粘度により適宜変更して実施することができる。
本発明のラテックス組成物は、例えば、紙塗工用、不織布などの繊維結合用、カーペットのバッキング用、電池用(例えば電極、セパレータ、耐熱保護層など)、塗料用、粘接着剤用などのバインダーとして有用である。例えば、優れた接着強度を発現できるため、塗工紙製品の表面強度(ドライピック強度)や電池電極塗工層の結着力を向上させることができる。
紙塗工用組成物としては、本発明のラテックス組成物と、必要に応じて、顔料、他のバインダー、助剤などを含むものが挙げられる。
顔料としては、カオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、ポリスチレンラテックスのような有機顔料を用いることができる。これらの顔料は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
他のバインダーとしては、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼイン等の天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性合成バインダー、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックス等の合成ラテックスなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
助剤としては、例えば、分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイル等)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素等)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョン等)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(アルギン酸ナトリウム等)などが挙げられる。
紙塗工用組成物中のラテックス組成物の含有量は顔料100質量部(固形分)に対して1〜20質量部(固形分換算)を使用することが好ましく、1.5〜15質量部を使用することがより好ましく、2〜13質量部を使用することが特に好ましい。ラテックス組成物の含有量を1質量部以上とすると顔料を充分に接着することができる観点から好ましく、20質量部以下とすると塗工紙の透気性の観点から好ましい。
紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗工する方法は、例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗工機を使用し塗工することができる。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリング等により仕上げてもよい。
電池電極用組成物は、例えば、本発明のラテックス組成物及び活物質と、必要に応じて、助剤を含むものが挙げられる。
正極活物質としては、特に限定されないが、非水電解液二次電池の場合、例えば、MnO、MoO、V、V13、Fe、Fe等の遷移金属酸化物、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiCoSn等のリチウムを含む複合酸化物、LiFePO等のリチウムを含む複合金属酸化物、TiS、TiS、MoS、FeS等の遷移金属硫化物、CuF、NiF等の金属フッ化物などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
負極活物質としては、特に限定されないが、非水電解液二次電池の場合、例えば、フッ化カーボン、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成炭素、リニア・グラファイト・ハイブリット、コークス、熱分解気層成長炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素、黒鉛ウィスカー、擬似等方性炭素、天然素材の焼成体、及びこれらの粉砕物等の導電性炭素質材料、ポリアセン系有機半導体、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、並びに、ケイ素、スズ等の金属単体、金属酸化物、若しくはその金属の合金を含む複合材料などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
助剤としては、水溶性増粘剤、分散剤、安定化剤、導電剤等が挙げられる。水溶性増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ノニオン性、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
電池電極用組成物中のラテックス組成物の含有量は、活物質100質量部(固形分)に対して、0.1〜10質量部(固形分換算)であることが好ましく、0.5〜7質量部であることがより好ましい。ラテックス組成物の含有量を、0.1質量部以上とすると、活物質同士や活物質と集電体に対する良好な接着力が得られる観点から好ましく、10質量部以下とすると、二次電池として組み立てたときの過電圧上昇による、電池特性の低下を防ぐ観点から好ましい。
電池電極用組成物は、集電体に塗布、乾燥されることにより、集電体上に電極塗工層を形成し、電極シートを得る。そのような電極シートは、例えば非水電解液二次電池の正極板または負極板として用いられる。
電池電極用組成物を集電体に塗布する方法としては、例えば、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等の公知の方法を用いることができ、乾燥には、放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が用いられる。
本実施形態に係るラテックス組成物を使用した電池電極用組成物は、例えば、非水電解液二次電池、ニッケル水素電池、及びニッケルカドミウム電池等の二次電池の電極用として好適である。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
<ラテックス組成物の粘度の評価>
ラテックス組成物を、純水によって固形分濃度50.0質量%、pH6.5、液温25 ℃に調整した。なお、ラテックス組成物のpHは必要に応じて水酸化ナトリウム、塩酸などのpH調整剤で調整を行った。調整後のラテックス組成物の粘度を、JISK7117−1に準拠し、B型粘度計(TOKI SANGYO CO.,LTD製 VISCOMETER(モデルTVB−10))を用いて、回転数60rpmでの回転開始1分後の粘度を測定した。
<紙塗工用組成物の調製>
下記に示した配合処方に従って紙塗工用組成物を調製した。なお、紙塗工用組成物は、水酸化ナトリウムでpHを9.5に調整し、純水を必要量添加することによって固形分濃度が67質量%となるように調製した。
カオリン(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、DBグレーズ):30質量部
重炭酸カルシウム(イメリスミネラルズ・ジャパン社製、カービタル90):70質量部
変性デンプン(日本食品化工社製、MS4600):2質量部
ラテックス組成物:7質量部(固形分換算)
<塗工紙の作製>
塗工原紙(坪量55g/m)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が12g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。
<塗工紙のドライピック強度の評価>
RI印刷機で各塗工紙にピッキングテスト用墨インキ(DICグラフィックス社製)を同時に印刷した。得られた印刷物を塗工上質紙に押し当ててインキを写し取り、インキが写し取られなかった部分(白抜け部分)をピッキング発生箇所と見なし、このときのピッキングの程度を肉眼で判定し、ピッキングの発生量が最も少ないものを○とし、○より劣る場合は×として目視評価した。
[共重合体ラテックスの製造方法]
<共重合体ラテックスAの製造方法>
耐圧性の重合反応容器にシクロヘキセン10質量部、1、3−ブタジエン5質量部、スチレン2質量部、アクリロニトリル12質量部、フマル酸3.1質量部、イタコン酸1.0質量部、t−ドデシルメルカプタン0.04質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量部、過硫酸カリウム1.2質量部、水220質量部を加えて十分撹拌し、反応液を得た。
次に重合槽内温度を65℃まで上げ、重合開始させた。その後、1、3−ブタジエン36.5質量部、スチレン30.4質量部、アクリロニトリル9質量部、メタクリル酸1.0質量部、t−ドデシルメルカプタン0.15質量部を8時間かけて連続添加した。
連続添加終了後、重合槽内温度を85℃に昇温してポリマー転化率が97%を超えた時点で重合終了として共重合体ラテックスAを得た。
(実施例1)
共重合体ラテックスA(固形分換算)100質量部に対してリグニンスルホン酸ナトリウム0.5質量部(固形分換算)添加することでラテックス組成物を得た。得られたラテックス組成物の粘度は380mPa・sであり、該ラテックス組成物を使用した塗工紙のドライピッキング強度は○であった。これら、配合処方及び評価結果は、表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜3)
表1に示す配合比率に変更しラテックス組成物を得た。その後、実施例1と同様に評価した。
(比較例4〜6)
共重合体ラテックスAにリグニン変性体でないポリスチレンスルホン酸ナトリウム重合物やナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を表1に示す配合比率で添加し、ラテックス組成物を得た。その後、実施例1と同様に評価した。
Figure 0006902376
実施例1〜4は、共重合体ラテックスAに、リグニンスルホン酸ナトリウムを本願規定量添加した例であり、リグニンスルホン酸ナトリウムを添加しなかった比較例1と比較すると、減粘効果に優れ、粘度が低くなったにも関わらずドライピッキング強度にも優れる結果となった。また、比較例2、3は、リグニンスルホン酸ナトリウムを本願規定を満足しない量添加した例であり、減粘効果とドライピッキング強度の両立ができない結果となった。比較例4〜6は、リグニン変性体以外を添加した例であり、比較例4〜5は、減粘効果が満足できず、比較例6は、減粘効果が満足できずドライピッキング強度も劣る結果となった。

Claims (1)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位30〜65質量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位3〜30質量%、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位10〜30質量%およびアルケニル芳香族単量体に由来する構造単位20〜57質量%からなるジエン系共重合体ラテックス100質量部(固形分換算)に対して、リグニンスルホン酸塩を0.5〜5質量部(固形分換算)含有するラテックス組成物。
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