JP5838543B2 - センサーデバイス、モーションセンサー、および電子機器 - Google Patents
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Description
このセンサーデバイスとしては、センサー素子としてのジャイロ振動片と回路素子としての半導体装置(以下、半導体基板という)とを備えたセンサーデバイスがパッケージに収納された角速度センサー(ジャイロセンサー)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、半導体基板が支持基板に固着され、支持基板に形成されたリード配線部と電気的に接続されている。また、センサー素子(ジャイロセンサー素子)は、センサー素子と半導体基板との間に配置されたポリイミドフィルムに固着されたインナーリード部に接続されることによって、半導体基板と空隙を保ち該半導体基板と平面視で重なるように配置されている。なお、インナーリード部は、ポリイミドフィルムに固着されるとともに支持基板に固着されている。
そして、センサー素子は、レーザー光などを用い、センサー素子の主面(表裏面)に形成された錘層を除去するチューニング(周波数調整:F調ともいう)が行われ、高精度の機能を有することとなる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、溶融保護層を設けることにより、センサー素子と応力緩和層との間隔を小さくすることが可能となり、薄型のセンサーデバイスを提供することが可能となる。
本適用例によれば、電源に伝搬するノイズをグランド(GND)電位に接続された溶融保護層によって遮蔽することができるため、安定した電源電位の供給を行うことが可能となる。
[適用例7]上記適用例に記載のセンサーデバイスにおいて、前記半導体基板の能動面側に前記応力緩和層が設けられており、前記応力緩和層の前記半導体基板とは反対の面側に前記溶融保護層が設けられていることを特徴とする。
[適用例8]上記適用例に記載のセンサーデバイスにおいて、前記応力緩和層は、絶縁樹脂を含み、前記溶融保護層は、導電材料を含むことを特徴とする。
[適用例9]上記適用例に記載のセンサーデバイスにおいて、前記溶融保護層は、前記応力緩和層に対するレーザー光の遮蔽効果を有することを特徴とする。
また、モーションセンサーは、各センサーデバイスが各センサー素子の主面同士の成す角度が略直角となるようにパッケージ内に配置され、収納されていることから、1つで、複数軸に対応したセンシングが可能となる。
図1は、第1実施形態にかかるセンサーデバイスの概略構成を示す模式図であり、センサー素子側から俯瞰した平面図である。図2は、図1に示すセンサーデバイスの正断面図である。
シリコン基板10は、能動面10a側に設けられた第1の電極11と、第1の電極11に電気的に接続されて能動面10a側に設けられた外部接続端子12と、能動面10aと外部接続端子12との間に設けられた応力緩和層15と、能動面10a側に設けられた接続用端子13とを備えている。
このような構成によって第1の電極11は、開口部14a内にて外側に露出した状態となっている。
また、応力緩和層15上には、再配置配線としての配線16が形成されている。配線16は、応力緩和層15を貫通して設けられたビアホール14bによって、第1絶縁層14の開口部14a内にて第1の電極11と接続されている。この配線16は、集積回路の電極の再配置を行うためのもので、シリコン基板10の所定部に配置された第1の電極11からビアホール14bを介して中央部側に延びて形成されている。
この配線16は、シリコン基板10の第1の電極11と外部接続端子12との間を配線することから、一般的には再配置配線とよばれ、微細設計によって位置の制約が大きい第1の電極11に対して、外部接続端子12の位置を任意にずらして配置し、シリコン基板10における振動ジャイロ素子20との接続位置の自由度を高めるための重要な構成要素である。
なお、溶融保護層42は、質量調整部としての錘部27a,27b,28a,28bと対向する位置を少なくとも含み、他のシリコン基板10の能動面10aに対向する位置の応力緩和層15上に設けることも可能である。
また、形成された溶融保護層42は、電源、或いは導体基板の能動領域に形成されている配線などに対して伝搬するノイズをグランド(GND)電位に接続された溶融保護層によって遮蔽することができるため、安定した電源電位の供給を行うこと、或いはノイズによる半導体基板の電気的特性への影響を防止することが可能となる。
この第2絶縁層17には、応力緩和層15上にて配線16上に開口部17aが形成されている。このような構成によって配線16は、開口部17a内にて外側に露出した状態となっている。
このような構成のもとに、シリコン基板10に形成された集積回路は、第1の電極11、配線16、外部接続端子12を介して振動ジャイロ素子20と電気的に接続されるようになっている。
この際、センサーデバイス1は、外部接続端子12が突起電極となっていることから、振動ジャイロ素子20とシリコン基板10との間に隙間が設けられる。
接続用端子13は、電気的、あるいは機械的な接続を成すためのパッド状のものであって、金(Au)、アルミニウム(Al)などの金属が用いられたワイヤー40によって、ベース基板30と接続されている。
なお、本例では、接続用端子13とベース基板30との接続にワイヤー40を用いる構成で説明したが、ワイヤー40に替えてフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)を用いて接続することもできる。
このようにすることで、特にさびによる接触性、接合性の低下を防止することができる。また、ハンダメッキ、ハンダプリコートなどの最表面処理を施したものとしてもよい。
なお、後段に記載する第2実施形態にて詳述するが、これら配線16などの再配置配線としては、上記材料による単層構造のみならず、複数種類の上記材料を組み合わせた積層構造としてもよい。なお、これら配線16などの再配置配線については、通常は同一工程で形成するため、互いに同じ材料となる。
なお、第1絶縁層14については、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(Si3N4)などの無機絶縁材料によって形成することもできる。
なお、応力緩和層15は、接続用端子13が形成されるシリコン基板10の外周部にも形成されていてもよい。
ベース基板30は、例えばセラミック基板のような絶縁性材料で形成されており、シリコン基板10と接合される接続面31には接続部32が形成され、この接続部32には、金(Au)、銀(Ag)などの金属被膜が形成されている。
そして、接続部32とシリコン基板10に形成された接続用端子13とがワイヤー40によって接続されている。
ベース基板30が板状の基板である場合は、ベース基板30上に接続されたシリコン基板10や振動ジャイロ素子20などは、ベース基板30に接続される図示しない金属製キャップなどにより気密的に封止される。
また、ベース基板30が、周囲に側壁を有し中央部が凹形状のパッケージ(収納容器)である場合は、パッケージ内に収納されたシリコン基板10や振動ジャイロ素子20などは、パッケージの外壁に開口面に接合される図示しない金属製リッドなどを用いて気密的に封止される。
そして、振動ジャイロ素子20は、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。なお、所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
振動ジャイロ素子20は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。なお、振動ジャイロ素子20は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
振動ジャイロ素子20は、中心部分に位置する基部21と、基部21からY軸に沿って延伸された振動部としての1対の検出用振動腕22a,22bと、検出用振動腕22a,22bと直交するように、基部21からX軸に沿って延伸された1対の連結腕23a,23bと、検出用振動腕22a,22bと平行になるように、各連結腕23a,23bの先端側からY軸に沿って延伸された振動部としての各1対の駆動用振動腕24a,24b,25a,25bとを備えている。
さらに、振動ジャイロ素子20は、基部21からY軸に沿って延伸された複数(本例では4本)の保持腕47と、保持腕47から延設された2つの素子接続部48a,48bとを備えている。
振動ジャイロ素子20は、検出用振動腕22a,22bで、角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕23a,23bと駆動用振動腕24a,24b,25a,25bとで、振動ジャイロ素子20を駆動する駆動振動系を構成している。
そして、幅広形状を成す錘部26a,26b,27a,27b,28a,28bのそれぞれの面上には、チューニング用の錘電極41が形成されている。
これらの構成を用いることにより、振動ジャイロ素子20は、小型化および角速度の検出感度の向上が図られている。
なお、振動ジャイロ素子20は、基部21及び各振動腕の表裏面を主面とする。ここでは、基部21において外部と電気的に接続する面を一方の主面20aといい、一方の主面20aと対向する面を他方の主面20bという。
これにより、振動ジャイロ素子20は、シリコン基板10に保持されている。
図3及び図4は、振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図である。図3は駆動振動状態を示し、図4(a)、図4(b)は、角速度が加わった状態における検出振動状態を示している。
なお、図3及び図4において、振動状態を簡易に表現するために、各振動腕は線で表してあり、保持腕47および接続部は省略している。
まず、シリコン基板10の集積回路(駆動回路)から駆動信号が印加されることにより、振動ジャイロ素子20は角速度が加わらない状態において、駆動用振動腕24a,24b,25a,25bが矢印Eで示す方向に屈曲振動を行う。この屈曲振動は、実線で示す振動姿態と2点鎖線で示す振動姿態とを所定の周波数で繰り返している。
まず、図4(a)に示すように、駆動振動系を構成する駆動用振動腕24a,24b,25a,25b及び連結腕23a,23bには、矢印B方向のコリオリ力が働く。また同時に、検出用振動腕22a,22bは、矢印B方向のコリオリ力に呼応して、矢印C方向に変形する。
振動ジャイロ素子20は、この一連の動作を交互に繰り返して新たな振動が励起される。
なお、矢印B,B’方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。そして、振動ジャイロ素子20は、検出用振動腕22a,22bに形成された検出電極が、振動により発生した水晶の歪を検出することで角速度が求められる。
図5は、センサーデバイスの製造工程を示すフローチャートであり、図6〜図8は、各製造工程を説明する模式図である。
図6(a)〜(c)は、シリコン基板部分の製造工程を工程順に説明する断面図である。
図7は、シリコン基板側とベース基板との接続部分を示す正断面図である。
図8は、振動ジャイロ素子が接続された状態の工程を説明する模式的断面図である。
まず、シリコン基板10を用意する。
ついで、図6(a)に示すように、シリコン基板10の能動面10a上の、集積回路の導電部となる位置に、第1の電極11及び図示しない他の電極を形成する。
ついで、第1の電極11及び他の電極を覆ってシリコン基板10上に第1絶縁層14を形成し、さらに、この第1絶縁層14を覆って応力緩和層15のベースとなる樹脂層(図示せず)を形成する。
ついで、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって樹脂層をパターニングし、所定の形状、すなわち第1の電極11の直上位置(ビアホール14b)や他の電極の直上位置を除いたシリコン基板10の中央部に、応力緩和層15を形成する。
なお、応力緩和層15は、接続用端子13が形成されるシリコン基板10の外周部にも形成してもよい。
さらに、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって第1の電極11及び他の電極を覆う第1絶縁層14の一部を除去し、開口部14aを形成する。これにより、これら開口部14a内に第1の電極11及び他の電極を露出させる。
ついで、図6(b)に示すように、第1の電極11にビアホール14bを介して接続する配線16を形成するとともに、他の電極に接続する溶融保護層42などの再配置配線(図示せず)を形成する。これら配線16、溶融保護層42などの再配置配線の形成については、開口部14a内にて第1の電極11、あるいは図示しない他の開口部に設けられた他の電極に導通するようにして導電材料、例えばチタンタングステン(TiW)、銅(Cu)をこの順にスパッタ法で成膜し、配線形状にパターニングした後、得られたパターン上に銅(Cu)をメッキ法で積層することなどによって行う。
また、特に再配置配線の先端側、すなわち接続用端子13側は、パッド形状にパターニングしておくことにより、この部分を接続用端子13とする。
そして、特にこの接続用端子13については、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)のメッキを施すことにより、ワイヤーボンディングの際の接合性を高めておく。なお、ハンダメッキ、ハンダプリコートなどの最表面処理を施したものとしてもよい。
ついで、配線16、再配置配線、及び接続用端子13を覆って第2絶縁層17を形成し、さらに、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって配線16の、第1の電極11側とは反対の側を覆う第2絶縁層17の一部を除去し、開口部17aを形成する。
これにより、該開口部17a内に配線16を露出させる。また、これと一緒に、接続用端子13を覆う第2絶縁層17の一部も除去し、開口部17bを形成することにより、該開口部17b内に接続用端子13を露出させる。
その後、図6(c)に示すように、開口部17a内に露出する配線16上に、Auスタッドバンプで形成された外部接続端子12を形成する。なお、外部接続端子12は、Auスタッドバンプの他に銅、アルミやはんだボール、はんだペーストの印刷など他の導電性材料にて形成することもできる。
なお、シリコン基板10は、通常、シリコンウエハーに複数個取りされるので、ダイシング装置などによってダイシング(切断)し、個片化することにより得られる。
ついで、セラミック基板などで形成されたベース基板30(図7参照)を準備する。ベース基板30の一面には、シリコン基板10との電気的接続を行うための接続部32が形成されている。
ついで、シリコン基板10の非能動面10b側を、ベース基板30の接続部32の形成されている一面である接続面31に接着剤50(図7参照)により接続(接合)する。
ついで、図7に示すように、シリコン基板10の接続用端子13とベース基板30の接続部32とを、ワイヤーボンディング法によりワイヤー40を用いて接続する。
ついで、前述した構成で水晶ウエハーから個片化した振動ジャイロ素子20を用意する。
ついで、図8に示すように、振動ジャイロ素子20をシリコン基板10に載置し、シリコン基板10の外部接続端子12と、振動ジャイロ素子20の素子接続部48a,48bの一方の主面20aに形成された引き出し電極29とを接続する。
ついで、図8に示すように、レーザー光49を用いて振動ジャイロ素子20のチューニングを行う。
チューニングは、振動ジャイロ素子20の錘部26a,26b,27a,27b,28a,28bのそれぞれに形成された錘電極41に、集光されたレーザー光49を照射して行う。レーザー光49が照射された錘電極41は、レーザー光49のエネルギーにより溶融、蒸発する。この錘電極41の溶融、蒸発により、検出用振動腕22a,22b、駆動用振動腕24a,24b,25a,25bの質量が変化する。これによって、検出用振動腕22a,22b、駆動用振動腕24a,24b,25a,25bの共振周波数が変化し、各振動腕のバランス調整(チューニング)を行うことができる。
これらにより、センサーデバイス1は、接続用端子13によるシリコン基板10のベース基板30との接続が可能であるとともに、シリコン基板10と外部接続端子12との間に設けられている応力緩和層15によって、外部から加わる衝撃などが吸収され緩和される。
したがって、センサーデバイス1は、リード線の撓み量を考慮した空隙が不要となることから、従来の構成と比較して、厚さを低減することが可能となる。
これにより、センサーデバイス1は、振動ジャイロ素子20の安定的な駆動を行うことが可能となる。
また、振動ジャイロ素子20を透過したレーザー光49が、応力緩和層15を透過し、シリコン基板10の能動面10a上に達し、能動面10a上の集積回路などを破損することも防止することができる。上記構成は、更なる薄型を要求されるセンサーデバイスにおいて、特に好適である。
なお、この形態は、以降の実施形態にも適用される。
図9、図10を用いて第2実施形態のセンサーデバイスについて説明する。図9は、第2実施形態にかかるセンサーデバイスの概略構成を模式的に示す正断面図であり、図10は、第2実施形態のセンサーデバイスの製造工程を示すフローチャートである。
なお、本第2実施形態にかかるセンサーデバイスは、上記第1実施形態の構成と応力緩和層および再配置配線の構成が異なるものである。上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1絶縁層14上には、第1の電極11や他の電極を避けた位置に、絶縁樹脂からなる応力緩和層15が形成されている。
また、応力緩和層15上には、再配置配線としての配線16が形成されている。配線16は、応力緩和層15を貫通して設けられたビアホール14bによって、第1絶縁層14の開口部14a内にて第1の電極11と接続されている。この配線16は、集積回路の電極の再配置を行うためのもので、シリコン基板10の所定部に配置された第1の電極11からビアホール14bを介して中央部側に延びて形成されている。
また、溶融保護層42は、質量調整部としての錘部27a,27b,28a,28bと対向する位置を含むシリコン基板10の能動面10aに対向して設けることもできる。
このような構成のもとに、シリコン基板10に形成された集積回路は、第1の電極11、配線16、配線44、外部接続端子12などを介して振動ジャイロ素子20と電気的に接続されている。
図10は、センサーデバイスの製造工程を示すフローチャートである。
第1の電極形成工程S101についで、第1の電極11及び他の電極を覆ってシリコン基板10上に第1絶縁層14を形成し、さらに、この第1絶縁層14を覆って第1の応力緩和層としての応力緩和層15のベースとなる樹脂層(図示せず)を形成する。
ついで、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって樹脂層をパターニングし、所定の形状、すなわち第1の電極11の直上位置(ビアホール14b)や他の電極の直上位置を除いたシリコン基板10の中央部に、応力緩和層15を形成する。
なお、応力緩和層15は、接続用端子13が形成されるシリコン基板10の外周部にも形成してもよい。
さらに、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって第1の電極11及び他の電極を覆う第1絶縁層14の一部を除去し、開口部14aを形成する。これにより、これら開口部14a内に第1の電極11及び他の電極を露出させる。
ついで、第1の電極11にビアホール14bを介して接続する配線16を形成するとともに、他の電極に接続する再配置配線(図示せず)を形成する。これら配線16、再配置配線の形成については、開口部14a内にて第1の電極11、あるいは、図示しない他の開口部に設けられた他の電極に導通するようにして導電材料、例えばチタンタングステン(TiW)、銅(Cu)をこの順にスパッタ法で成膜し、配線形状にパターニングした後、得られたパターン上に銅(Cu)をメッキ法で積層することなどによって行う。
また、特に再配置配線の先端側、すなわち接続用端子13側は、パッド形状にパターニングしておくことにより、この部分を接続用端子13とする。
そして、特にこの接続用端子13については、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)のメッキを施すことにより、ワイヤーボンディングの際の接合性を高めておく。なお、ハンダメッキ、ハンダプリコートなどの最表面処理を施したものとしてもよい。
ついで、応力緩和層15上に第2の応力緩和層としての応力緩和層45のベースとなる樹脂層(図示せず)を形成する。
ついで、周知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって樹脂層をパターニングし、所定の形状、すなわち、配線16と後述する配線44とを接続するためのビアホール43や他の電極の直上位置を除いたシリコン基板10の中央部に応力緩和層45を形成する。
なお、応力緩和層45は、接続用端子13が形成されるシリコン基板10の外周部にも形成してもよい。
ついで、応力緩和層45上に第2の接続用配線としての配線44を形成するとともに、他の電極に接続する溶融保護層42などの再配置配線(図示せず)を形成する。これら配線44、溶融保護層42などの再配置配線の形成については、ビアホール43、あるいは、図示しない他の開口部に設けられた他の電極に導通するようにして導電材料、例えばチタンタングステン(TiW)、銅(Cu)をこの順にスパッタ法で成膜し、配線形状にパターニングした後、得られたパターン上に銅(Cu)をメッキ法で積層することなどによって行う。
図11は、第3の実施形態のモーションセンサーとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す模式図である。図11(a)は、ジャイロセンサーをパッケージ上面から俯瞰した平面図であり、図11(b)は、(a)の正断面図である。
なお、図11(a)では、リッドを便宜上省略してある。また、上記第1、第2の実施形態との共通部分については、説明を省略する。
パッケージベース80は、セラミックグリーンシートを成形して積層し、焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。また、リッド84には、コバールなどの金属、ガラス、セラミックなどが用いられている。
センサーデバイス1bは、パッケージ80の壁面81に固定、接続され、センサーデバイス1cは、パッケージ80の壁面82に固定、接続されている。2つのセンサーデバイス1b,1cも、図示しないパッケージ内部電極と電気的に接続されている。
なお、パッケージ内部電極は、パッケージ80の外部に設けられた外部電極(図示せず)と電気的に接続されている。外部電極、内部電極は、タングステン(W)などのメタライズ層に、ニッケル(Ni)、金(Au)などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
これにより、パッケージ80の内部は、気密に封止される。なお、パッケージ80の内部は、各センサーデバイスの振動ジャイロ素子201,202,203の振動が阻害されないように、真空状態(真空度が高い状態)に保持されていることが好ましい。
ここでは、パッケージ80の底面83が、互いに直交する3軸であるX’軸、Y’軸、Z’軸に対して、X’軸及びY’軸と平行で、Z’軸と直交しているものとする。
これにより、外力などによってジャイロセンサー100の姿勢が変化し、角速度が加わった場合、振動ジャイロ素子201の一方の主面20aまたは他方の主面20bとパッケージ80の底面83とが、略平行になるようにパッケージ80の内部に収納されているセンサーデバイス1aは、振動ジャイロ素子201の一方の主面20aまたは他方の主面20bとZ’軸とが略直交していることから、Z’軸回りに対する角速度を検出する。
このことから、ジャイロセンサー100は、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビゲーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御などに好適に用いられる。
以下、上記センサーデバイス、およびモーションセンサーを搭載した電子機器について、図12を参照して説明する。図12(a)〜(c)は、センサーデバイス、およびモーションセンサーを搭載した電子機器について説明するための概略図である。
図12(b)は、ビデオカメラへの適用例である。ビデオカメラ240は、受像部241、操作部242、音声入力部243、及び表示部200を備えており、図示しない制御回路部に上記センサーデバイス、およびモーションセンサーが搭載されている。
図12(c)は、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)への適用例である。情報携帯端末400は、複数の操作ボタン401及び電源スイッチ402、および表示部200を備えており、図示しない制御回路部に上記センサーデバイス、およびモーションセンサーが搭載されている。
Claims (13)
- 回路を備える半導体基板と、
前記回路に電気的に接続されて前記半導体基板の能動面側に設けられた第1の電極と、
前記第1の電極に電気的に接続されて前記能動面側に設けられた外部接続端子と、
前記半導体基板と前記外部接続端子との間に設けられた応力緩和層と、
前記半導体基板の前記能動面側に設けられた接続用端子と、
基部と該基部から延伸された検出振動部および接続部と前記検出振動部に形成された質量調整部とを備えたセンサー素子と、を有し、
前記センサー素子は、前記接続部と前記外部接続端子との接続によって前記半導体基板に保持されており、
前記応力緩和層と前記質量調整部とが平面視で重なる間に形成された溶融保護層を有し、
前記溶融保護層は、金属層であり、グランド電位に接続されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記第1の電極と前記外部接続端子との電気的接続が、前記能動面側に設けられた再配置配線によってなされていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1または請求項2に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記外部接続端子は、突起電極であることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記溶融保護層は、前記応力緩和層の前記センサー素子側の外面に形成されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記半導体基板の能動面が、前記溶融保護層によって覆われていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記応力緩和層および前記再配置配線が、複数形成されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記半導体基板の能動面側に前記応力緩和層が設けられており、
前記応力緩和層の前記半導体基板とは反対の面側に前記溶融保護層が設けられていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記応力緩和層は、絶縁樹脂を含み、
前記溶融保護層は、導電材料を含むことを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記溶融保護層は、前記応力緩和層に対するレーザー光の遮蔽効果を有することを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のセンサーデバイスと、
前記センサーデバイスを収納するパッケージと、を有し、
前記センサーデバイスが、前記パッケージに収納されていることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の複数のセンサーデバイスと、
前記複数のセンサーデバイスを収納するパッケージと、を有し、
前記複数のセンサーデバイスは、前記各センサー素子の主面同士の成す角度が略直角となるように前記パッケージ内に配置され、収納されていることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項11に記載のモーションセンサーにおいて、
少なくとも1つの前記センサー素子の主面は、前記パッケージの外部部材に接続される被接続面と略平行であることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のセンサーデバイス、または請求項10ないし請求項12のいずれか一項に記載のモーションセンサーを備えていることを特徴とする電子機器。
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