JP2012167941A - センサーデバイス、モーションセンサー、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体装置としてのICチップ10は、第1の電極11と、突起電極12と、能動面10aと突起電極12との間に積層された絶縁膜14と、を有する。絶縁膜14上の、振動ジャイロ素子20の引き出し電極29と対応する位置には、弾性を有する絶縁性樹脂からなる樹脂突起12aと、各樹脂突起12aの表面に設けられた導電膜としての金属膜17とにより構成された突起電極12が配設されている。金属膜17は、絶縁膜14の各開口部14a内の第1の電極11から絶縁膜14上に引き出された配線16に接続されている。突起電極12と、振動ジャイロ素子20の対応する引き出し電極29とが位置合わせされ、導電性の接合部材98により接合されている。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1には、センサー素子としての振動ジャイロ素子(ジャイロ振動片)と回路素子としての半導体装置(以下、半導体装置という)とを備えたセンサーデバイスがパッケージに収納されたモーションセンサーとしてのジャイロセンサー(圧電発振器)が開示されている。
しかも、突起電極の樹脂突起が有する弾性により、外部から加わる衝撃などが緩和されて振動片に伝達され難くなることから、振動片の安定した振動モードや周波数温度特性が保持され、感度の高いセンサーデバイスを提供することができる。
また、溝により表面積が増大することによって、少なくとも突起電極と振動片との接合面において、例えば導電性ペーストなどの接合部材が接触する面積が増えることにより、振動片の接合強度が向上する。さらに、溝の内壁に前記導電膜を形成した場合には、放熱性が向上して振動片の温度特性が向上し、センサーデバイスの高感度化を図ることができるという効果を奏する。
加えて、モーションセンサーは、薄型化されるとともに耐衝撃性の高いセンサーデバイスを用いることから、薄型化及び耐衝撃性の向上を実現することが可能となる。
また、モーションセンサーは、各センサーデバイスが各センサー素子の主面同士の成す角度が略直角となるようにパッケージ内に配置され、収納されていることから、1つで、複数軸に対応したセンシングが可能となる。
〔センサーデバイス〕
図1は、センサーデバイスの第1の実施形態の概略構成を示す模式図であり、(a)は、半導体装置としてのICチップ側(上側)から俯瞰した平面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
また、図2は、センサーデバイスの第1の実施形態のICチップと振動片としての振動ジャイロ素子との接合部分を拡大して説明する模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、突起電極を介した接合部分の正断面図である。
振動ジャイロ素子20は、圧電材料である水晶を基材(主要部分を構成する材料)として形成されている。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。
そして、振動ジャイロ素子20は、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。なお、所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
振動ジャイロ素子20は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。なお、振動ジャイロ素子20は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
同様に、基部21から他方の支持部19bまでの間には、一対の梁9b,9dが設けられている。このうち一方の梁9bは、基部21から検出用振動腕22bと駆動用振動腕24bとの間を通って延出されて支持部19bに接続され、他方の梁9dは、基部21から検出用振動腕22bと駆動用振動腕25bとの間を通って延出されて支持部19bに接続されている。各梁9a,9b,9c,9dは、図示するようなS字形状をそれぞれ有することができる。このように、細長く蛇行した形状を有する梁9a〜9dによって各支持部19a,19bと基部21が接続されることによって、振動ジャイロ素子20の要部がX軸方向及びY軸方向に弾性を得ることができる。
振動ジャイロ素子20は、検出用振動腕22a,22bで、角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕23a,23bと駆動用振動腕24a,24b,25a,25bとで、振動ジャイロ素子20を駆動する駆動振動系を構成している。
なお、振動ジャイロ素子20は、基部21及び各振動腕の表裏面を主面とする。ここでは、基部21において外部と電気的に接続する面を一方の主面20aといい、一方の主面20aと対向する面を他方の主面20bという。
ICチップ10には、第1の面としての能動面10a側にトランジスターやメモリー素子などの半導体素子を含んで構成される集積回路(図示せず)が形成されている。この集積回路には、振動ジャイロ素子20を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに振動ジャイロ素子20に生じる検出振動を検出する検出回路とが備えられている。
ICチップ10は、図1及び図2に示すように、能動面10a側に設けられた複数の第1の電極(電極パッド)11と、各第1の電極11に電気的に接続されて能動面10a側に設けられた突起電極12と、能動面10aと突起電極12との間に積層された絶縁膜14と、能動面10a側に設けられた接続用端子13とを備えている。
なお、絶縁膜14は、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(Si3N4)などの無機絶縁材料によって形成することができる。
また、絶縁膜14は、例えばポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、BCB(benzocyclobutene)及びPBO(polybenzoxazole)などの樹脂を用いて形成することもできる。
金属膜17は、絶縁膜14の各開口部14a内の第1の電極11から絶縁膜14上に引き出された配線16に接続され、これにより、突起電極12と第1の電極11とが電気的に接続されている。
これらの配線16、及び、突起電極12の金属膜17とにより、ICチップ10の集積回路の電極である第1の電極11の再配置を行うための再配置配線が構成されている。このような再配置配線は、ICチップ10の集積回路の微細設計によって位置の制約が大きい第1の電極11に対して、振動ジャイロ素子20との接続に供する突起電極12の位置を任意にずらして配置し、ICチップ10上における振動ジャイロ素子20との接続位置の自由度を高めるための重要な構成要素である。
なお、本実施形態の樹脂突起12aは角錐台形状のものを例示したが、これに限らず、円錐台形状、円柱状、角柱状などとしてもよい。
また、樹脂突起12aの材料は、上記したポリイミドに限定されず、弾性樹脂材料として既に公知となっているいずれかの材料を適用することができる。例えば、樹脂突起12aの材料として、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、変性ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)、ポリベンゾオキサゾール(PBO;polybenzoxazole)等の樹脂を適用することができる。また、樹脂突起12aとして、弾性率が100MPaから5000MPaの間の樹脂を適用することができる。
また、突起電極12の金属膜17は、配線16と電気的接続な可能な導電体からなる導電膜であれば、例えば、樹脂突起12aの表面に導電性ペーストを塗布して固化させた導電膜などを用いることもできる。本実施形態では、樹脂突起12a上に、配線16と同一材料の金属からなる金属膜17を形成して突起電極12を構成している。これにより、配線16と金属膜17とを同一工程で形成することができるので製造効率がよいとともに、配線16と突起電極12との電気的な接続信頼性を高くすることができる。
なお、配線16、及び、突起電極12の導電膜としての金属膜17は、上記材料による単層構造のみならず、複数種類の上記材料を組み合わせた積層構造としてもよく、また、複数種類の金属材料の合金を用いて構成してもよい。
また、第1の電極11や接続用端子13、あるいはその他の電極は、ハンダメッキ、ハンダプリコートなどの最表面処理を施したものとしてもよい。
また、絶縁膜14は、例えばポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、BCB(benzocyclobutene)及びPBO(polybenzoxazole)などの樹脂を用いて形成することもできる。
詳述すると、図2に示すように、ICチップ10の集積回路は、絶縁膜14の開口部14aから露出する第1の電極11に一端が接続された配線により絶縁膜14上に引き出され、突起電極12の金属膜17と電気的に接続されている。この金属膜17が形成された突起電極12と、振動ジャイロ素子20の対応する引き出し電極29とが位置合わせされ、例えば銀(Ag)ペーストなどの導電性の接合部材98により接合されている。これにより、ICチップ10において配線16によって引き出された集積回路が、突起電極12の金属膜17、及び、振動ジャイロ素子20の引き出し電極29を介して振動ジャイロ素子20と電気的に接続されるとともに、機械的に接続される。このとき、突起電極12によって、振動ジャイロ素子20とICチップ10との間に隙間が設けられている。
図3及び図4は、振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図である。図3は駆動振動状態を示し、図4(a)、図4(b)は、角速度が加わった状態における検出振動状態を示している。
なお、図3及び図4において、振動状態を簡易に表現するために、各振動腕は線で表してある。
図3において、ICチップ10の集積回路(駆動回路)から駆動信号が印加されることにより、振動ジャイロ素子20は角速度が加わらない状態において、駆動用振動腕24a,24b,25a,25bが矢印Eで示す方向に屈曲振動を行う。この屈曲振動は、実線で示す振動姿態と2点鎖線で示す振動姿態とを所定の周波数で繰り返している。
まず、図4(a)に示すように、駆動振動系を構成する駆動用振動腕24a,24b,25a,25b及び連結腕23a,23bには、矢印B方向のコリオリ力が働く。また同時に、検出用振動腕22a,22bは、矢印B方向のコリオリ力に呼応して、矢印C方向に変形する。
振動ジャイロ素子20は、この一連の動作を交互に繰り返して新たな振動が励起される。
なお、矢印B,B’方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。そして、振動ジャイロ素子20は、検出用振動腕22a,22bに形成された検出電極が、振動により発生した水晶の歪を検出することで角速度が求められる。
次に、センサーデバイスの第2の実施形態について説明する。
図5は、センサーデバイスの第2の実施形態の概略構成を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)の正断面図である。また、図6は、第2の実施形態のセンサーデバイスを部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)のICチップと同じ部分に振動ジャイロ素子が搭載された状態の正断面図である。
なお、第2の実施形態のセンサーデバイスにおいて、上記第1の実施形態と同様な構成については、同一符号を付して説明を省略する。
また、応力緩和層15上の、振動ジャイロ素子20の複数の引き出し電極29と対応する位置には、弾性を有する絶縁性樹脂からなる樹脂突起32aと、各樹脂突起32aの表面に設けられた導電膜としての金属膜37とにより構成された突起電極32が配設されている。
したがって、薄型で、感度の高いセンサーデバイス61を提供することができる。
図7は、第2の実施形態のセンサーデバイスにおける突起電極の形態のバリエーションを部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)の正断面図である。なお、図7に示すセンサーデバイス61´は、応力緩和層と樹脂突起とが一体形成されていること以外、上記センサーデバイス61(図5、図6を参照)と同じ構成であるため、共通の構成については同一符号を付して説明を省略する。
応力緩和層15´上の、振動ジャイロ素子20の複数の引き出し電極29と対応する位置には、応力緩和層15´を形成する絶縁性樹脂材料により一体形成された樹脂突起32a´が形成されている。応力緩和層15´及び樹脂突起32a´は、ポリイミド等の弾性樹脂材料により形成することができる。例えば、ICチップ60´の絶縁膜14の表面に感光性のポリイミド材料をコーティングして応力緩和層15´のベース層を形成し、グレーマスクを用いたフォトリソグラフィーを行うことになどにより樹脂突起32a´を形成することができる。
このようにして形成された樹脂突起32a´と、樹脂突起32a´の表面に設けられた導電膜としての金属膜37とにより、突起電極32´が構成されている。
(変形例1)
図8は、センサーデバイスの変形例1の概略構成を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)のICチップと同じ部分に振動ジャイロ素子が搭載された状態の正断面図である。なお、上記実施形態との共通部分については同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる構成を中心に説明する。
樹脂突起72aには、振動ジャイロ素子20との接合面側に開口部を有する溝75が形成されている。本変形例では、溝75が複数形成され、具体的には2つの溝75が形成され、さらに、本変形例では有底の溝75が形成されている。
また、溝75は、樹脂突起72aの平面視で対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられ、溝75の内壁、及び、それらの内壁と対向する樹脂突起72aの外側面とが、図中矢印Sで示すICチップ70及び振動ジャイロ素子20の熱収縮する方向と交差するように配置されている。
金属膜77が形成された突起電極72と、振動ジャイロ素子20の対応する引き出し電極29とが位置合わせされ、例えば銀ペーストなどの導電性の接合部材98により接合されている。
特に、本変形例のセンサーデバイス71では、溝75が、樹脂突起72aの平面視で対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられ、溝75の内壁、及び、それらの内壁と対向する樹脂突起72aの外側面とが、ICチップ70及び振動ジャイロ素子20の熱収縮する方向と交差するように配置されている。これにより、ICチップ70と振動ジャイロ素子20との熱収縮率の差異によって生じる熱収縮応力が、樹脂突起72aの弾性変形によって吸収され易くなり、振動ジャイロ素子20に加わる応力を抑制することができる。
また、溝75が形成されることにより樹脂突起72aの表面積が増大することによって、突起電極72と振動ジャイロ素子20との接合面において、例えば銀ペーストなどの導電性の接合部材98が接触する面積が増えることにより、振動ジャイロ素子20の接合強度が向上する。
さらに、溝75が形成されて表面積が増大した樹脂突起72a溝の表面に、金属膜77が形成されているので、突起電極72の放熱性が向上して振動ジャイロ素子20の温度特性が改善され、センサーデバイス71の高感度化を図ることができるという効果を奏する。
また、本変形例の突起電極72では、溝75を複数形成しているので、上記した衝撃や応力を緩和する効果、振動ジャイロ素子20の接合強度を向上させる効果、及び、放熱性を向上させる効果をより顕著に得ることができる。
したがって、小型(薄型)で、高感度を有する、信頼性の高いセンサーデバイスを提供することができる。
図9は、センサーデバイスにおける突起電極の形状の変形例2を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)のICチップと同じ部分に振動ジャイロ素子が搭載された状態の正断面図である。なお、上記実施形態及び変形例1との共通部分については、同一符号を付して説明を省略する。
換言すれば、本変形例のICチップ80の能動面10a上(絶縁膜14上)の振動ジャイロ素子20の複数の引き出し電極29と対応する位置には、弾性を有する絶縁性樹脂からなる複数の樹脂突起82aが所定の間隔を空けて設けられ、これらの樹脂突起82aと、各樹脂突起82aの表面に設けられた導電膜としての金属膜87とにより突起電極82が構成されている。即ち、所定の間隔を空けて設けられた複数の樹脂突起82aの集合体を1つの樹脂突起82aとしたときに、各樹脂突起82aの間の間隙が上記溝85に相当する。
上記変形例1の樹脂突起72aの溝75(図8を参照)と同様に、本変形例2の樹脂突起82aにおいて、溝85は複数設けられ、具体的には2つの溝85が設けられている。また、溝85は、樹脂突起82aの平面視で対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられ、溝85の内壁、及び、それらの内壁と対向する樹脂突起82aの外側面とが、図中矢印Sで示すICチップ80及び振動ジャイロ素子20の熱収縮する方向と交差するように配置されている。
金属膜87は、一端が第1の電極11に電気的に接続された配線86の他端と電気的に接続され、これにより、第1の電極11と、それに対応する突起電極82(金属膜87)とが電気的に接続されている。
これにより、突起電極82を介して振動ジャイロ素子20に加わる衝撃を緩和する効果、ICチップ80と振動ジャイロ素子20との熱収縮率の差異によって生じる熱収縮応力を抑制する効果、振動ジャイロ素子20の接合強度を向上させる効果、及び、突起電極82の放熱性を高める効果をより向上させることができる。
図10は、センサーデバイスにおける突起電極の形状の変形例3を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は、ICチップの突起電極形成領域を上側から俯瞰した平面図、(b)は、(a)のICチップと同じ部分に振動ジャイロ素子が搭載された状態の正断面図である。
図10に示す本変形例のセンサーデバイス91において、ICチップ90の能動面10a上の、振動ジャイロ素子20の複数の引き出し電極29と対応する位置には、弾性を有する絶縁性樹脂からなる複数の樹脂突起92aと、樹脂突起92aの表面に設けられた導電膜としての金属膜97とにより構成された突起電極92が配設されている。
樹脂突起92aには、振動ジャイロ素子20との接合面側に開口部を有する溝95aと溝95bとが形成されている。
一方の溝95aは、樹脂突起92aの平面視で対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられ、他方の溝95bは、溝95aと平面視で直交する方向の対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられている。また、一方の溝95a及び他方の溝95bは、それぞれ並行させて複数設けられ、本変形例では2本ずつの溝95aと溝95bとが設けられている。これにより、本変形例の突起電極92(樹脂突起92a)には、振動ジャイロ素子20との接合面側に、平面視で縦横3つずつの突起が形成されている。
そして、金属膜97が形成された突起電極92と、振動ジャイロ素子20の対応する引き出し電極29とが位置合わせされ、例えば銀ペーストなどの導電性の接合部材98により接合されている。
また、樹脂突起92aの表面積がより増大するので、突起電極92と振動ジャイロ素子20との接合強度、および、突起電極92による放熱性をさらに向上させることができる。
〔ジャイロセンサー〕
次に、上記のセンサーデバイスを搭載したモーションセンサーについて、図面を参照しながら説明する。
図11は、第3の実施形態のモーションセンサーとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す模式図である。図11(a)は、ジャイロセンサーをパッケージ上面から俯瞰した平面図であり、図11(b)は、(a)の正断面図である。
なお、図11(a)では、リッドを(蓋体)便宜上省略してある。また、上記第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略する。
なお、各センサーデバイス1A,1B,1Cは、後述するように、互いの主面どうしが所定の角度を有してジャイロセンサー200内に収容させる必要がある。このため、各センサーデバイス1A,1B,1Cのベース基板185には、パッケージ180の凹部内で所定の角度でセンサーデバイスを載置できるように形成された保持基板185a,185b,185cがそれぞれ装着されている。
パッケージ180は、セラミックグリーンシートを成形して積層し、焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。また、リッド184には、コバールなどの金属、ガラス、セラミックなどが用いられている。
センサーデバイス1Bは、パッケージ180の壁面181に固定、接続され、センサーデバイス1Cは、パッケージ180の壁面182に固定、接続されている。2つのセンサーデバイス1B,1Cも、図示しないパッケージ内部電極と電気的に接続されている。
なお、パッケージ内部電極は、パッケージ180の外部に設けられた外部電極(図示せず)と電気的に接続されている。外部電極、内部電極は、タングステン(W)などのメタライズ層に、ニッケル(Ni)、金(Au)などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
これにより、パッケージ180の内部は、気密に封止される。なお、パッケージ180の内部は、各センサーデバイスの振動ジャイロ素子201,202,203の振動が阻害されないように、真空状態(真空度が高い状態)、または、不活性ガス雰囲気に保持されていることが好ましい。
ここでは、パッケージ180の底面183が、互いに直交する3軸であるX’軸、Y’軸、Z’軸に対して、X’軸及びY’軸と平行で、Z’軸と直交しているものとする。
これにより、外力などによってジャイロセンサー200の姿勢が変化し、角速度が加わった場合、振動ジャイロ素子201の一方の主面20aまたは他方の主面20bとパッケージ180の底面183とが、略平行になるようにパッケージ180の内部に収納されているセンサーデバイス1Aは、振動ジャイロ素子201の一方の主面20aまたは他方の主面20bとZ’軸とが略直交していることから、Z’軸回りに対する角速度を検出する。
このことから、ジャイロセンサー200は、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビゲーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御などに好適に用いられる。
〔電子機器〕
上記実施形態および変形例に記載のセンサーデバイス、および、それらを備えた第3の実施形態のモーションセンサーとしてのジャイロセンサーを搭載した電子機器は、小型化および高性能化を図ることが可能である。
例えば、図12(a)は、デジタルビデオカメラへの適用例を示す。デジタルビデオカメラ240は、受像部241、操作部242、音声入力部243、及び表示ユニット1001を備えている。このようなデジタルビデオカメラ240に、上記実施形態のセンサーデバイス1やモーションセンサーとしてのジャイロセンサー200を搭載することにより、所謂手ぶれ補正機能を搭載することができる。
また、図12(b)は、電子機器としての携帯電話機、図12(c)は、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)への適用例をそれぞれ示すものである。
まず、図12(b)に示す携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットと1002を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示ユニット1002に表示される画面がスクロールされる。
また、図12(c)に示すPDA4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニット1003を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示ユニット1003に表示される。
このような携帯電話機3000やPDA4000に、上記実施形態のセンサーデバイスやモーションセンサーとしてのジャイロセンサーを搭載することにより、様々な機能を付与することができる。例えば、図12(b)の携帯電話機3000に、図示しないカメラ機能を付与した場合に、携帯電話機3000に搭載されたセンサーデバイスやジャイロセンサーにより手振れ補正を行うことができる。また、図12(b)の携帯電話機3000や、図12(c)のPDA4000にGPS(Global Positioning System)として広く知られる汎地球測位システムを具備した場合に、上記実施形態のセンサーデバイスやモーションセンサーとしてのジャイロセンサーを搭載することにより、GPSにおいて、携帯電話機3000やPDA4000の位置や姿勢を認識させることができる。
また、圧電体材料以外の材料を用いて振動片を形成することができる。例えば、シリコン半導体材料などを用いて振動素子を形成することもできる。
また、振動素子の駆動振動の励振方式や検出振動の検出方式は、圧電効果によるものだけに限らない。静電気力(クーロン力)を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動片においても、本発明の構成およびその効果を発揮させることができる。
したがって、本発明のセンサーデバイスを利用したモーションセンサーは、上記第3の実施形態で説明した角速度を検出するジャイロセンサー200に限らず、角加速度、加速度、力、温度、磁気など、種々の物理量を検出するセンサー素子に利用することができる。
Claims (10)
- 第1の面に第1の電極が位置する半導体装置と、
基部と、前記基部から延伸された振動部と、を備えた振動片であって、前記振動片の前記半導体装置と対向する第2の面に第2の電極が位置する前記振動片と、
を有し、
前記半導体装置は、前記第1の面の前記第2の電極と平面視で重なる領域に位置する絶縁性樹脂からなる樹脂突起と、前記樹脂突起の表面に設けられ前記第1の電極と配線を介して電気的に接続された導電膜と、を含む突起電極を有し、
前記振動片は、前記第2の電極と前記突起電極との接合によって、前記半導体装置に保持されるとともに電気的に接続されたことを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記導電膜と前記配線とは同一材料を用いて形成されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1または2に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記樹脂突起の少なくとも前記振動片との接合面側に開口部を有する溝が形成されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項3に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記溝が複数設けられたことを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項3または4に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記溝は、平面視で対向する一方の側面から他方の側面に貫通させて設けられ、
前記溝の内壁、および前記内壁と対向する前記樹脂突起の外側面とが、前記半導体装置および前記振動片の熱収縮する方向と交差するように配置されていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサーデバイスにおいて、
前記半導体装置と前記突起電極との間に絶縁性樹脂からなる応力緩和層が設けられていることを特徴とするセンサーデバイス。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサーデバイスと、
前記センサーデバイスを収納するパッケージと、を有し、
前記センサーデバイスが、前記パッケージに収納されていることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の複数のセンサーデバイスと、
前記複数のセンサーデバイスを収納するパッケージと、を有し、
前記複数のセンサーデバイスは、前記各振動片の主面同士の成す角度が略直角となるように前記パッケージ内に配置され、収納されていることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項7または8に記載のモーションセンサーにおいて、
少なくとも1つの前記振動片の主面は、前記パッケージの外部部材に接続される被接続面と略平行であることを特徴とするモーションセンサー。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサーデバイス、または、請求項7〜9のいずれか一項に記載のモーションセンサーを備えていることを特徴とする電子機器。
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